日本語でわかる最新の海外医学論文|page:645

細胞接着分子CADM1は菌状息肉症の診断に有効

 菌状息肉症(MF)は、最も頻度の高い皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)であるが、早期MFの紅斑(Patch)と局面(Plaque)は、乾癬やアトピー性皮膚炎などの炎症性皮膚疾患(ISD)によく似ている。ヒトの非小細胞肺がんのがん抑制遺伝子として同定された細胞接着分子のCADM1は、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)の診断マーカーとして報告されており、今回、新潟大学大学院医歯学総合研究科の結城 明彦氏らは、「CADM1陽性細胞は浸潤が少ない早期症例で確認され、早期MFの診断マーカーとして有用かもしれない」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年6月18日号掲載の報告。

ベンゾジアゼピン依存に対するラメルテオンの影響

 一般的に、ベンゾジアゼピン(BZ)系睡眠薬の減量が困難な患者では、長期間BZ系睡眠薬が処方される。ラメルテオンは、BZ受容体を介する睡眠薬とは異なる作用機序を有しており、生理的な睡眠を促す睡眠薬である。宮崎大学の長友 慶子氏らは、不眠症患者におけるラメルテオンとBZ依存について調査を行った。Asian journal of psychiatry誌オンライン版2018年6月7日号の報告。

デュルバルマブ、切除不能StageIII非小細胞肺がんに国内承認/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム)は2018年7月2日、「切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法」を効能・効果としたデュルバルマブ(商品名:イミフィンジ)の国内における製造販売承認を取得したことを発表。

偶発腫の検出頻度が高い画像検査は?悪性の割合は?/BMJ

 偶発腫(incidentalomas)は、急速に現代の医療危機の1つになりつつあるという。英国・オックスフォード大学のJack W. O'Sullivan氏らは、偶発腫の検出頻度が高い画像検査は、胸部CT、大腸CT、心臓MRIであり、偶発腫が悪性腫瘍である可能性が高い臓器は乳房、卵巣、甲状腺であるとの研究結果を、BMJ誌2018年6月18日号で報告した。画像検査の需要が急速に増大するとともに、画像の解像度の改善が進み、偶発腫に遭遇する機会が急上昇しているが、その有病率やアウトカムの評価にはばらつきがあることが知られている。

ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールの体重変化への影響

 統合失調症に対する単独療法および大うつ病(MDD)に対する補助療法として、ブレクスピプラゾールとアリピプラゾールを使用した際の体重への影響について、米国・大塚ファーマシューティカルD&C Inc.のCatherine Weiss氏らは、短期研究(4、6週)および長期研究(52週以下)により検討を行った。International clinical psychopharmacology誌オンライン版2018年6月6日号の報告。

小細胞肺がんへのペムブロリズマブ単独投与、PD-L1陽性例でより高い効果(KEYNOTE-158)/ASCO2018

 ペムブロリズマブは、PD-L1陽性固形がんに対するマルチコホート第Ib相試験KEYNOTE-028で、化学療法歴のある小細胞肺がん(SCLC)に対する有効性と高い忍容性が認められている。このKEYNOTE-028に続く試験として、SCLCを含む10種類とMSI-Hの固形がんを対象としたマルチコホート第II相試験KEYNOTE-158が行われた。そのSCLCの解析結果を、韓国・延世大学医学部延世がんセンターのHyun Cheol Chung氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。

ビタミンD値、妊娠高血圧や子癇前症に影響なし/BMJ

 妊娠高血圧や子癇前症に関して、ビタミンD値の影響を示唆する強力なエビデンスはないことが、英国・ブリストル大学のMaria C. Magnus氏らによるメンデル無作為化試験の結果、示された。これまでの観察研究において、25-ヒドロキシビタミンD値が低い女性で子癇前症のリスクが高いことが認められ、複数の試験で妊娠中のビタミンD補給は有益である可能性が示されていたが、有益性は小さく、投与のタイミングや用量は不均一でかなりのばらつきがあり、ビタミンDが子癇前症の起因となるのかは不明であった。BMJ誌2018年6月20日号掲載の報告。

重症代謝性アシドーシスに炭酸水素Naは有効か?/Lancet

 重症代謝性アシドーシスに対し、治療選択肢の1つと考えられている炭酸水素ナトリウム(重炭酸ナトリウム)投与の有効性について検討した結果が、フランス・Montpellier University HospitalのSamir Jaber氏らによる第III相多施設共同非盲検無作為化試験「BICAR-ICU試験」の結果、示された。主要複合アウトカム(28日以内の全死因死亡と7日以内の臓器不全)について、有意差は示されなかったが抑制効果がみられ、急性腎障害(AKI)を有した患者群では28日死亡率の有意な低下が認められたという。Lancet誌オンライン版2018年6月14日号掲載の報告。

大うつ病と自殺念慮に関する治療抵抗性うつ病研究グループの報告

 大うつ病性障害(MDD)の自殺念慮を解明するため、オーストリア・ウィーン医科大学のMarkus Dold氏らが、欧州多施設共同研究を実施した。これまでの調査において、MDD患者の自殺念慮の有病率は、50%以上であることが示唆されているが、社会人口統計学的、心理社会的、臨床的な特徴と自殺念慮との関連については、あまり知られていなかった。The international journal of neuropsychopharmacology誌2018年6月1日号の報告。

喘息など難治化の仕組み解明/千葉大学

 千葉大学大学院医学研究院の森本 侑樹特任助教、平原 潔准教授、中山 俊憲教授らのグループは、同大学医学研究院の耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍学 岡本 美孝 教授のグループと共同で、重症アレルギー疾患における組織線維化を誘導する新たな細胞集団を同定し、組織線維化の新規メカニズムを明らかにした。

20歳前後のBMIで、乳がんリスク4倍以上の差

 BMIと乳がんリスクの間には、閉経前女性では逆相関、閉経後女性では正相関がみられる。今回、閉経前女性のBMIと乳がんリスクの逆相関がこれまで報告されていたよりも強く、成人初期(18~24歳)で最も強く関連することが、米国・国立がん研究所コホートコンソーシアムが推進するPremenopausal Breast Cancer Collaborative Groupの研究で示唆された。JAMA oncology誌オンライン版2018年6月21日号に掲載。

米国成人の肥満率、非都市圏で高率/JAMA

 2013~16年における米国成人の肥満および重症肥満の年齢調整有病率が、米国大都市統計地域(metropolitan statistical area:MSA)で示される都市化のレベルで異なっていること、また、MSAの都市圏に比べ非MSA地域で有意に高いことを、米国疾病予防管理センターのCraig M. Hales氏らが報告した。米国成人における肥満の有病率については、これまで性別、年齢層別、人種/ヒスパニック系別の報告はあったが、都市化のレベル別ではほとんど研究されていなかった。JAMA誌2018年6月19日号掲載の報告。

チオ硫酸Na、シスプラチン誘発難聴予防に有効/NEJM

 標準リスク肝芽腫の小児において、チオ硫酸ナトリウムをシスプラチンによる化学療法終了後に追加投与することで、全生存と無イベント生存に影響することなく、シスプラチン誘発難聴の発生率が低下した。英・Great Ormond Street HospitalのPenelope R. Brock氏らが、シスプラチンによる聴覚障害に対するチオ硫酸ナトリウムの予防効果を検討した評価者盲検無作為化第III相臨床試験(SIOPEL6試験)の結果を報告した。標準リスク肝芽腫の小児に対するシスプラチンと外科手術は有効な治療法であるが、多くの患者に不可逆的な聴覚障害を引き起こすことが知られていた。NEJM誌2018年6月21日号掲載の報告。

高血圧・高脂血症の治療は認知症を予防するか

 アルツハイマー病(AD)と血管リスク因子(VRF)の関連について疫学的エビデンスはあるが、VRFの治療が認知症やADの発症率を低下させるのか不明である。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のSusanna C. Larsson氏らが、認知症およびADの発症におけるVRFの治療の影響について系統的レビューとメタ分析で検討した結果、降圧薬とスタチンが認知症やADの発症率を低下させる可能性が示唆された。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2018年6月9日号に掲載。

抗精神病薬使用と乳がんリスク

 一部の抗精神病薬は、プロラクチンレベルを上昇させ、乳がんリスクを高める可能性がある。これまでのエビデンスは、矛盾しており、とくに第2世代抗精神病薬の使用に関するデータは不十分である。デンマーク・南デンマーク大学のAnton Pottegard氏らは、抗精神病薬使用と乳がん発症との関連についての全国規模のケースコントロール研究を実施した。British journal of clinical pharmacology誌オンライン版2018年6月1日号の報告。

EGFR変異肺がんにおけるエルロチニブ・ベバシズマブ併用第III相試験(NEJ026)/ASCO2018

 StageIVのEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)では、一次治療としてEGFR-TKIが標準療法であるが、PFS中央値は1年程度である。サバイバルのため、さまざまな併用療法が試みられている。そのようななか、エルロチニブとベバシズマブの併用は、第II相試験JO25569試験において、EGFR変異陽性NSCLCのPFS中央値を16.0ヵ月と有意に改善した。このエルロチニブ・ベバシズマブ併用をエルロチニブ単剤と比較した第III相試験NEJ026の結果を、聖マリアンナ医科大学呼吸器内科の古谷直樹氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。

閉経乳がんアジュバントに対するデノスマブの生存ベネフィット(ABCSG-18)/ASCO2018

 閉経後乳がんのアジュバントでは、ビスホスフォネートの補助療法が再発率減少や生存率の改善に寄与するとの報告がある。一方、抗RANKLヒト化モノクローナル抗体のデノスマブの補助療法(60mg、半年ごと年2回皮下注投与)は、アロマターゼ阻害薬治療中の閉経後ホルモン受容体陽性早期乳がん患者で、プラセボと比較した無作為化二重盲検試験ABCSG-18が実施されている。2015年の米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2015)での初回報告において、デノスマブ群はプラセボ群に比べて臨床骨折を減少させることが明らかになっている(HR:0.5、p<0.0001)。このABCSG-18の副次評価項目である無病生存期間(DFS)を評価した結果を、オーストリア・ウィーン医科大学のMichael Gnant氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2018)で発表した。