日本語でわかる最新の海外医学論文|page:636

米国の高齢者、眼鏡の使用に社会的格差

 米国では白内障手術後を除き、眼鏡はメディケアの適用対象外である。この方針を変える意味を理解するには、眼鏡を使用するメディケア加入者数を知っておく必要があるが、最近の推計値はなかった。米国・ミシガン大学のBenjamin Otte氏らは、横断研究を行い、米国では年齢、人種/民族性、教育水準および所得によって、眼鏡の使用に潜在的な社会人口統計学的格差があることを明らかにした。著者は、「今回の結果は、眼鏡を使用する多くのメディケア加入者において、こうした格差をなくす、革新的な公共政策としての解決策が必要であることを示唆している」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2018年7月12日号掲載の報告。

広範囲ゲノムシーケンスは進行NSCLCに生存ベネフィットをもたらすか/JAMA

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、広範ゲノムシークエンシングは一部の患者の選択すべき治療情報とダイレクトに関連していたが、良好な生存との独立した関連は認められなかった。米国・オハイオ州立大学のCarolyn J. Presley氏らによる後ろ向きコホート研究の結果で、JAMA誌2018年8月7日号で発表された。進行NSCLC患者には、広範ゲノムシークエンシングが頻繁に用いられている。しかし、コミュニティ設定における同患者の、広範ゲノムシークエンシングと治療選択あるいは生存との関連性については、ほとんど知られていなかった。

公共サービスが受けられない就学前児童への肥満予防介入の効果/JAMA

 十分な公共サービスが受けられない就学前児童を対象に、肥満予防のための多相的な行動変容介入を36ヵ月間行ったが、BMI値への影響はみられなかった。米国・Vanderbilt University School of MedicineのShari L. Barkin氏らによる無作為化試験の結果で、JAMA誌2018年8月7日号で発表された。十分な公共サービスが受けられない集団の小児は、肥満有病率と慢性疾患リスクが最も高く、小児期の肥満予防が重大な課題になっているという。

オシメルチニブ1次治療認可に備え、コバスが国内適用拡大

 ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は2018年8月17日、ゲノムDNA中のEGFR遺伝子変異を検出する体外診断用医薬品コバス EGFR変異検出キット v2.0が、オシメルチニブメシル酸塩のEGFR変異陽性非小細胞肺がん1次治療対象者の層別を目的としたコンパニオン診断薬として7月31日に一部変更承認(適応追加)され、保険適用されたと発表した。

DELTAプログラムがせん妄の発生率を低下させていくつかの臨床的アウトカムを改善

 国立がん研究センター東病院の小川 朝生氏らは、せん妄の高リスク群のスクリーニングおよびその予防のためのシステマティック・マネジメント・プログラムである、多職種せん妄対応(DELirium Team Approach:DELTA)プログラムが、がん入院患者のケアの質を向上させるかについて検討を行った。Supportive Care in Cancer誌オンライン版2018年7月17日号の報告。

日米における心血管代謝疾患のBMIカットオフ値

 日本人と米国人を対象とした横断研究から、日米とも高BMIが高血圧症、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症の有病率増加と関連すること、有病率が増加するBMIカットオフ値は日本人のほうが有意に低いことを、虎の門病院の桑原 政成氏らが報告した。米国における過体重/肥満の定義が日本では適用できない可能性が示唆される。Nutrients誌2018年8月3日号に掲載。

思春期サッカー選手の0.4%に、心臓突然死リスク/NEJM

 心血管スクリーニングを受けた思春期サッカー選手約1万1千人中、心臓突然死と関連する心疾患が0.38%に確認された。心臓突然死の発生率は1万4,794人年当たり1例、すなわち選手10万人に6.8人で、大部分はスクリーニングで検出されなかった心筋症に起因していたという。英国・ロンドン大学のAneil Malhotra氏らが、思春期のサッカー選手における心臓突然死の発生率と原因に関する調査結果を報告した。若手スポーツ選手における心臓突然死の発生率や原因は、試験参加者や調査方法によって報告が異なっており、明確に定義された集団で心血管スクリーニングを受けたことのある若手選手のデータは不足していた。NEJM誌2018年8月9日号掲載の報告。

中等症~重症の尋常性乾癬に対するrisankizumabの効果/Lancet

 中等症~重症の局面型乾癬患者において、risankizumabはプラセボおよびウステキヌマブと比較し優れた有効性を示したことが認められた。治療下で発現した有害事象(TEAE)プロファイルは、治療群間で類似しており、新たな安全上の所見はみられなかった。米国・ウィスコンシン医科大学のKenneth B. Gordon氏らが、乾癬を対象としたrisankizumabの2件の第III相無作為化二重盲検臨床試験「UltIMMa-1試験」「UltIMMa-2試験」の結果を報告した。risankizumabは、インターロイキン(IL)-23のp19サブユニットに結合するヒト化IgG1モノクローナル抗体で、乾癬性炎症に関わるIL-23を選択的に阻害する。Lancet誌オンライン版2018年8月7日号掲載の報告。

新たな結核菌ワクチンの第II相試験(解説:小金丸博氏)-901

新たに開発中の結核菌に対するワクチン「H4:IC31」の第II相試験の結果が発表された。「H4:IC31」は、Toll様受容体9を介してシグナル伝達する組み換え融合タンパク質(H4)とIC31アジュバントからなるサブユニットワクチンである。このワクチンはインターフェロンγ放出試験(QFT)と交差反応を示さないマイコバクテリア抗原(Ag85BとTB10.4)を含んでいる。

スタチンと特発性炎症性筋炎が関連

 オーストラリア・アデレード大学のGillian E. Caughey氏らの大規模な症例対照研究によって、スタチンの使用と特発性炎症性筋炎(idiopathic inflammatory myositis:IIM)が有意に関連することが示唆された。著者らは「世界的にスタチン使用が増加していることから、このまれな副作用についての認識が高まることが必要」としている。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2018年7月30日号に掲載。

オシメルチニブ、NSCLCのCNS病変への効果(AURA3)/JCO

 EGFR-TKI治療で疾患進行を来したEGFR T790M変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)における第III相試験(AURA3)から、事前に設定されたCNS病変に対するオシメルチニブの有効性を化学療法(プラチナ+ペメトレキセド)と比較したサブ解析の結果を中国・Guangdong General HospitalのYi-Long Wu氏らがJournal of Clinical Oncology誌オンライン版2018年7月30日号で発表した。

精神的危機に直面した人々へのセルフマネジメント介入は有効か/Lancet

 英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのSonia Johnson氏らは、精神的危機(mental health crisis)に直面し、在宅での集中的治療を提供する精神的危機解決チームによるサポートを終えた人々について、ピアサポート専門員の助けを借りたセルフマネジメント介入が、急性期ケアの再入院率を低下するかを検証した。精神保健サービスにとって、回復サポートに焦点を合わせ、急性期治療へ高度専門治療を提供することは課題の1つとなっている。精神的危機に直面した人々の再発は一般的となっており、そのような再発予防に対して、セルフマネジメントの介入効果を支持するエビデンスはあるが、危機を脱した人の再入院に関する効果は検証されていなかった。Lancet誌2018年8月4日号掲載の報告。

妊娠・授乳期のビタミンD投与は胎児・乳児に有益か/NEJM

 分娩前のビタミンD欠乏症や胎児・乳児の発育不全が広く認められる集団において、妊娠中期から分娩時までまたは分娩後6ヵ月まで、母体にビタミンDサプリメント投与を行っても、胎児や乳児の成長は改善されなかった。カナダ・トロント大学のDaniel E. Roth氏らが、バングラデシュで行った無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果で、NEJM誌2018年8月9日号で報告した。ビタミンD欠乏症が蔓延している地域において、妊娠中および授乳期の母体へのビタミンD投与が、胎児や乳児の成長を改善するかどうかは確認されていなかった。

2017ACC/AHA高血圧GLの定義にすると、日本の高血圧者は何人増えるか?(解説:有馬久富氏)-902

2017ACC/AHA高血圧ガイドラインでは、高血圧症の定義が、現行の140/90mmHg以上から130/80mmHg以上に改訂された。この新しい定義の米国・中国における高血圧有病率および数に及ぼす影響が、BMJに報告された。その結果、米国の45~75歳男女において、高血圧有病率は49.7%から63.0%まで増加し(絶対増加13%、相対増加27%)、高血圧者の数は1,480万人増加すると推測された。中国における増加はさらに顕著であり、45~75歳男女における高血圧有病率は38%から55%まで増加し(絶対増加17%、相対増加45%)、高血圧者の数は8,270万人増加すると推測された。

認知症患者に水を飲ませるには?高齢者のかくれ脱水症対策

 連日の猛暑により熱中症患者が後を絶たない。総務省によると、今年度の全国の熱中症による救急搬送人員数は5万7,000人(7月29日時点)であり、昨年の同時期(3万1,000人超)と比較し2万人以上も多い。とりわけ高齢者の救急搬送者数は全体の50%以上を占め、対応が遅れた場合は入院どころか死に至るケースもあり、脱水や室温管理に対する早めの行動が鍵となる。2018年8月1日、教えて!「かくれ脱水」委員会が主催する「真夏の介護現場における高齢者の脱水対策セミナー」が開催され、秋山 正子氏( 株式会社ケアーズ 代表取締役、白十字訪問看護ステーション統括所長ほか)が訪問看護師の立場から警鐘を鳴らした。

日本人統合失調症患者に対するオランザピン使用と安静時心拍数への影響

 抗精神病薬(ATP)が頻脈を引き起こすことは、ずいぶん前から知られていたが、ATPの違いによってどのような変化が生じるかなどの詳細は、よくわかっていない。近年、一般集団において、安静時心拍数(RHR)の上昇と死亡リスクの増加との関連が注目されている。新潟大学の田尻 美寿々氏らは、オランザピン(OLZ)とアリピプラゾール(ARP)がRHRに与える作用の違いについて調査を行った。PLOS ONE誌2018年7月17日号の報告。

結核予防にリファンピシン4ヵ月が有望/NEJM

 活動性結核の予防において、リファンピシンの4ヵ月投与の効果はイソニアジドの9ヵ月投与に対し非劣性であり、治療完遂率はリファンピシンのほうが高く、安全性も優れることが、カナダ・マギル大学のDick Menzies氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌2018年8月2日号に掲載された。潜在性結核感染における活動性結核の予防では、WHOなどがイソニアジドの6ヵ月または9ヵ月投与を推奨しているが、このレジメンは肝毒性によりアドヒアランスが不良なことが知られている。リファンピシンの4ヵ月投与は、イソニアジドの9ヵ月投与に比べGrade3/4の薬剤関連有害事象が少なく、安価であり、治療完遂率が優れることが報告されている。

メトホルミン単独療法で血糖コントロールが不十分な患者へのSU薬の上乗せは心血管イベント・総死亡のリスクを増加しない(解説:住谷哲氏)-900

低血糖と体重増加のリスクはすべてのSU薬に共通であるが、SU薬が2型糖尿病患者の心血管イベントおよび総死亡のリスクを増加させるか否かは現在でも議論が続いている。発端は1970年に発表されたUGDP(University Group Diabetes Program)において、SU薬であるトルブタミド投与群で総死亡リスクが増加したことにある。その後の研究でこの疑念は研究デザイン上の不備によることが明らかとなり、トルブタミドと総死亡リスク増加との間には関連がないことが証明された。しかし安全性を重視するFDAはUGDPの結果に基づいて、現在においてもすべてのSU薬の添付文書に“increased risk of cardiovascular mortality”と記載している。