日本語でわかる最新の海外医学論文|page:326

新型コロナ、スーパースプレッダーとなりうる人の特徴/東京医科歯科大

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、すべての患者が等しく感染を広げるのではなく、高いウイルスコピー数をもつ特定の患者がとくに感染を広げていくことが知られる。東京医科歯科大学の藤原 武男氏らによるRT-PCR検査によるウイルスコピー数を用いたCOVID-19入院患者の後ろ向き解析の結果、3つ以上の疾患の既往歴および、糖尿病、関節リウマチ、脳卒中の既往がスーパースプレッダーのリスク因子となることが示唆された。Journal of Infection誌オンライン版2021年12月30日号にレターとして掲載の報告より。  2020年3月~2021年6月に、中等症から重症のCOVID-19で東京医科歯科大学病院に入院し、少なくとも1回以上RT-PCR検査が行われた患者が解析対象とされた。入院患者の電子カルテの情報を基に、高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症・関節リウマチ・がん・慢性腎不全・脳卒中・心疾患・呼吸器疾患・アレルギーといった基礎疾患の有無とウイルスコピー数について関連が調査された。  主な結果は以下の通り。

パニック障害の治療に有効なSSRI、最も効果的なのは?/BMJ

 パニック障害の治療において、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は寛解率が高く有害事象のリスクは低いことが、タイ・マヒドン大学のNatasha Chawla氏らのメタ解析で示された。SSRIの中ではセルトラリンとエスシタロプラムで良好な結果が得られた。しかし、著者は、「これらの知見は、研究内バイアス、不一致、および報告された所見の不正確さによりエビデンスレベルが『非常に低い』~『中程度』の研究に基づいているため、注意して解釈する必要がある」とまとめている。BMJ誌2022年1月19日号掲載の報告。  研究グループは、広場恐怖症を伴うパニック障害の治療において、寛解率が高く有害事象のリスクが低い薬剤クラス、ならびに個々のSSRIを特定する目的で、システマティックレビューおよびネットワークメタ解析を行った。  Embase、Medline、ClinicalTrials.govを用いて2021年6月17日までに公表された研究を検索した。適格研究は、パニック障害と診断された18歳以上の成人患者を対象に、薬物を用いた介入による寛解、脱落、有害事象などを、無治療(プラセボや待機)または実薬と比較した無作為化試験とした。

オミクロン株感染3万例、入院・重症化リスクを解析/Lancet

 南アフリカ共和国・国立感染症研究所(NICD)National Health Laboratory ServiceのNicole Wolter氏らは、国内の4つのデータベースを用いた解析から、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のオミクロン変異株感染者は、同時期に診断された非オミクロン変異株感染者と比較して入院リスクが低いこと、早期のデルタ変異株感染者と比較して重症化リスクが低いこと、この重症化の減少の一部はおそらく過去の感染やワクチン接種による免疫の結果であると考えられることを明らかにした。オミクロン変異株は、2021年11月に同国で確認され、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の増加と関連していた。Lancet誌オンライン版2022年1月19日号掲載の報告。  研究グループは、南アフリカ共和国の次の4つのデータベースから個人レベルのデータを連携し解析した。(1)NICDのNotifiable Medical Conditions Surveillance Systemにリアルタイムに報告されたCOVID-19症例データ、(2)公的検査機関(National Health Laboratory Service)および民間の大規模検査機関1社におけるSARS-CoV-2検査データ、(3)民間および公的診断研究所からNICDに送られた臨床検体、および5つの州の肺炎サーベイランスプログラムを介して収集されたSARS-CoV-2ゲノム解析データ、(4)COVID-19による入院に関する積極的サーベイランスシステム「DATCOV」(南アフリカ共和国の全病院をカバー)のデータ。

BNT162b2とmRNA-1273の液性/細胞性免疫、感染/発症/重症化予防効果の推移:オミクロン株を中心に(解説:山口佳寿博氏/田中希宇人氏)

2022年1月12日現在、世界で開発されているワクチンは152個(開発中止になった10個を含む)に及び、その中で28個のワクチンが世界各国によって緊急使用あるいは完全使用が承認され、各ワクチンの感染/発症予防効果、重症化予防効果、特異的副反応などが徐々に明らかにされている。その結果、優れたワクチンとして生き残りつつあるのが、本邦をはじめ世界の先進国で優先的に使用されているRNAワクチンに分類されるPfizer/BioNtech社のBNT162b2(商品名:コミナティ筋注)とModerna社のmRNA-1273(同:スパイクバックス筋注)の2つである。2021年の11月以降、世界を席巻するウイルスはデルタ株からオミクロン株に置換されつつある。本邦でも2022年1月に入り、オミクロン株感染者の急激な増加を認めている。オミクロン株のS蛋白をPlatformにしたワクチン開発は理論的には困難な問題ではない。しかしながら、新たなワクチンを実地臨床の現場で使用できるためには第I相から第III相に至る治験を介して有効性、安全性を検証する必要があり、膨大な時間を要する。その意味で、今年の冬から春にかけて世界を席巻するであろうオミクロン株に対する予防策としては、現在使用可能なBNT162b2、mRNA-1273の2回接種(通常接種)に加え、3回目以上のブースター接種を組み合わせて立ち向かう必要がある。以上のような事実を踏まえ、オミクロン株に対する今後のワクチン政策を医学的に正しい方向に誘導するためには、BNT162b2とmRNA-1273の予防手段としての優越性の違いを確実に把握しておく必要がある。

ファイザーとモデルナが相次ぎ発表、オミクロン特化ワクチンの臨床試験開始

 依然、世界で拡大傾向が続く新型コロナウイルスのオミクロン株を巡り、コロナワクチンを手掛けるファイザー社とモデルナ社が、相次いでオミクロン株に特化した新たなワクチンの臨床試験の開始を発表した。  米国・ファイザー社が発表した1月25日付のプレスリリースによると、臨床試験は、18~55歳の最大1,420例を3つのコホートに分けて実施。コホート1(n=615)は、90~180日前に、既存のファイザー製ワクチンを2回接種した被験者。コホート2(n=600)は、90~180日前に、既存ワクチンを3回接種した被験者。これらのグループに対し、既存ワクチンまたはオミクロン株に特化した新規ワクチンを1回投与する。

軽症でのレムデシビル投与を追記、コロナ診療の手引き6.2版/厚労省

 1月27日、厚生労働省は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第6.2版」を公開し、全国の自治体に通知を行った。  6.2版の主な改訂点は以下の通り。 ●改訂点 【1 病原体・疫学】 ・オミクロン株について更新 ・国内・海外発生状況を更新 【4 重症度分類とマネジメント】 ・重症度別マネジメントのまとめを更新 ・軽症、中等症Iについて更新  重症化リスクのある患者へのレムデシビル・モルヌピラビル・中和抗体薬投与について追加

せん妄予防に対するラメルテオン+スボレキサントの有効性~メタ解析

 せん妄は、重篤な神経性行動を有する症候群であり、長期入院や有病率、死亡率の増加と関連している。中国・南方医科大学のYu Tian氏らは、高齢入院患者のせん妄に対するラメルテオンの有無にかかわらないスボレキサントの予防効果を明らかにするため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Psychogeriatrics誌オンライン版2021年12月8日号の報告。  各データベース(PubMed、Cochrane Library、Web of Science、EMBASE、EBSCOhostデータベース)より、成人入院患者のせん妄に対するラメルテオンの有無にかかわらないスボレキサントの有効性を調査したすべてのランダム化比較試験(RCT)、ケースコントロール研究、コホート研究を検索し、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。主要アウトカムは、せん妄の発生率とした。

2021年に注目された記事は?「ベストPicker アワード」発表

 ケアネットが運営する、オンコロジーを中心とした医療情報キュレーションサイト「Doctors'Picks」(医師会員限定)は、2021年にサイト上で最も活躍した医師を表彰する「2021年 ベストPicker アワード」を発表した。投稿(Pick)数と他ユーザーからの評価を足した指標を基に毎年行っているもので、2021年に表彰された5名の医師と受賞コメントは以下のとおりとなっている。 ◆田中 希宇人氏(日本鋼管病院)  このたびは「ケアネットDoctors'Picks 2021年ベストPicker」を頂きまして誠に嬉しく思います。昨年もコロナで日常診療も私生活も相当制限された1年でした。このような世界的パンデミック下だからこそ正確で効率的な情報収集と分かりやすい情報発信の重要性を改めて認識することになりました。2022年は新しいことにもチャレンジしつつ、ケアネットさんとも一緒にこれからの令和の医療の発展に引き続き尽力していきたいと思っています。

子宮内膜がん、レンバチニブ+ペムブロリズマブでPFS/OSを延長/NEJM

 進行子宮内膜がん患者において、レンバチニブ+ペムブロリズマブ併用療法は化学療法と比較し、無増悪生存(PFS)期間および全生存(OS)期間を有意に延長した。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのVicky Makker氏らが、21ヵ国167施設で実施した非盲検第III相試験「Study 309/KEYNOTE-775試験」の結果を報告した。プラチナ製剤による化学療法後の進行性子宮内膜がんに対する治療選択肢は、限られていた。NEJM誌オンライン版2022年1月19日号掲載の報告。  研究グループは、少なくとも1レジメンのプラチナ製剤による化学療法の治療歴のある進行子宮内膜がん患者を、レンバチニブ(20mg、1日1回経口投与)+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと静脈投与)併用群、または化学療法(治験医師選択によるドキソルビシン60mg/m2の3週ごと静脈投与、またはパクリタキセル80mg/m2の週1回静脈投与3週・1週休薬)群のいずれかに、1対1の割合で無作為に割り付けた。

非重症コロナ入院患者の心肺支持療法離脱に有用な治療法は?/JAMA

 非重症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者の治療において、治療量のヘパリンにP2Y12阻害薬を上乗せしても、ヘパリン単独療法と比較して21日以内の心肺支持療法離脱日数(organ support-free days)は増加しなかった。米国・NYU Grossman School of MedicineのJeffrey S. Berger氏らが、ブラジル、イタリア、スペイン、米国の病院60施設で実施した非盲検並行群間比較ベイズ流適応型無作為化試験「Accelerating COVID-19 Therapeutic Interventions and Vaccines 4 Acute:ACTIV-4a」の結果を報告した。非重症のCOVID-19入院患者に対するヘパリン療法は、マルチプラットフォーム無作為化比較試験で生存日数や心肺支持療法離脱日数を増加することが示されたものの、患者の24%が死亡または集中治療を必要としたことから、この集団における追加治療が検討されていた。JAMA誌2022年1月18日号掲載の報告。

ブースター接種こそ感染対策の要 -コロナワクチンブースター接種がコロナ死亡を90%減らす-(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)

現在、日本でも世界でもオミクロン株の猛威により急激な新型コロナウイルス感染症の感染者が増加しているような状況である。米国や欧州の一部では感染拡大のピークを越え、収束傾向になっている地域もあるようだが、2022年1月中旬現在においてWHO(世界保健機関)でも各国の警戒を呼び掛けているような緊迫した状況が続いている。本邦のコロナワクチン接種は2022年1月20日の時点で2回目接種終了者が全国民の約79%にあたる9,963万人を超えている状況である。ただし2021年末から始まったコロナワクチンの3回目接種、いわゆるブースター接種は194万人(日本全国民の約1.5%)にとどまっており、2回目接種終了後から時間が経過した高齢者や基礎疾患を持つ者、新型コロナウイルスやCOVID-19症例と接触する機会の多い医療従事者はブースター接種を待ち望んでいるところである。

COVID-19治療薬の特徴一覧を追加、薬物治療の考え方12版/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医学部教授])は、1月24日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬について指針として「COVID-19に対する薬物治療の考え方第12版」をまとめ、同会のホームページで公開した。  今回の改訂では、適用・効果の追加承認がなされたトシリズマブ(商品名:アクテムラ)に関する記載が追加されたほか、他の治療薬の知見を更新し、現在使用できる治療薬4剤の特徴を記した一覧表が附表として追加された。

慢性不眠症患者のベンゾジアゼピン中止に対する意思決定ツールの受容性

 聖路加国際大学の青木 裕見氏らは、ベンゾジアゼピン(BZD)およびベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(BZRA)睡眠薬の中止を考慮した(中止する場合、不眠症に対する認知行動療法[CBT-I]の有無にかかわらず漸減)、慢性不眠症患者に対する意思決定支援ツールの開発およびその受容性について評価を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2021年11月22日号の報告。  慢性不眠症に関連する文献を確認し、オプションの特定を行った。すでに実施されたシステマティックレビューおよびメタ解析の結果を用いて、BZD/BZRA睡眠薬の中止における2つのオプション(漸減のみによる中止、CBT-Iを用いた段階的な漸減)に関連するアウトカムを決定した。次に、国際基準(IPDAS)に従い意思決定支援ツールのプロトタイプを開発した。患者および医療提供者における受容性を評価するため、混合研究法を用いた。

2型DM発症リスク、肥満でなくても腹囲が影響/BMJ

 体格指数(BMI)が高値ほど2型糖尿病を発症するリスクは高く、肥満であるか否かにかかわらず、腹囲の大きさと2型糖尿病リスクには強い正の線形の関連性が認められることが明らかにされた。イラン・Semnan University of Medical SciencesのAhmad Jayedi氏らが、200件超の試験を対象に行ったメタ解析の結果を報告した。BMJ誌2022年1月18日号掲載の報告。  研究グループは、BMI、腹囲、肥満およびこれらの測定比の違いと2型糖尿病リスクとの関連を統合的レビューで明らかにするため、PubMed、Scopus、Web of Scienceを基に、2021年5月1日までに収載された試験を対象に、システマティックレビューと用量反応性メタ解析を行った。対象とした試験は、一般成人集団を対象に行われ、肥満・体脂肪含有量と2型糖尿病リスクに関して検討したコホート試験。

ロナプリーブ、コロナ無症候者への投与で症状悪化を抑制/JAMA

 初期無症候性の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染が確認された家庭内濃厚接触者に対し、皮下投与によるカシリビマブ+イムデビマブ(商品名:ロナプリーブ)の抗体カクテル療法はプラセボと比較し、28日間の症候性新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症リスクを有意に低下する。米国・Regeneron PharmaceuticalsのMeagan P. O'Brien氏らが、314例を対象に行った第III相無作為化試験の結果を報告した。JAMA誌オンライン版2022年1月14日号掲載の報告。

CAR-T ide-cel、多発性骨髄腫に国内承認/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年1月20日、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするCAR T細胞療法イデカブタゲン ビクルユーセル(製品名:アベクマ)について、再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象とした再生医療等製品製造販売承認を取得した。再発又は難治性の多発性骨髄腫を対象にしたCAR T療法の承認取得は今回が国内初。  今回の承認取得は、国際共同第II相試験(実施地域:日本・米国・欧州・カナダ)、ならびに海外第I相試験(実施地域:米国)で得られた有効性および安全性の結果に基づいている。

KRAS G12C変異の非小細胞肺がんにソトラシブ国内承認/アムジェン

 アムジェンは、2022年1月20日、KRASG12C阻害薬ソトラシブ(製品名:ルマケラス)について、がん化学療法後に増悪したKRASG12C変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの効能・効果で、日本における製造販売承認を取得した。  日本における製造販売承認は国際共同第I/II相多施設共同単群非盲検試験(CodeBreaK100試験)の結果に基づいたもの。同試験の第II相パートでは、非小細胞肺がん(NSCLC)患者126例(日本人11例を含む)を対象に、ソトラシブ960mgが1日1回経口投与され、主要評価項目である奏効率は、有効性評価対象123例で37.4%であった。

治療抵抗性片頭痛患者に対するフレマネズマブの有効性~年齢や性別の影響

 片頭痛の有病率は、年齢や性別により異なり、成人初期および中年の女性でとくに高いが、男性やすべての年齢の成人においても片頭痛の問題を抱えている人は少なくない。そのため、性別や年齢を超えた片頭痛予防薬の有用性を理解することは重要である。既存の片頭痛予防の2~4つのクラスを用いた治療が奏効しなかった反復性および慢性片頭痛成人患者を対象としたランダム化プラセボ対照二重盲検比較試験である第IIIb相FOCUS試験において、ヒト化モノクローナル抗体フレマネズマブの安全性、有効性は明らかとなった。オランダ・エラスムス大学ロッテルダムのAntoinette MaassenVanDenBrink氏らは、FOCUS試験参加者を年齢および性別でサブグループ化し、フレマネズマブの有効性を評価した。The Journal of Headache and Pain誌2021年12月18日号の報告。

日本における統合失調症急性期入院患者に対する抗精神病薬治療の有効性

 順天堂大学の八田 耕太郎氏らは、統合失調症患者に対する長時間作用型持続性注射剤(LAI)と抗精神病薬の多剤併用(クロザピンを含まない)の実臨床における有効性の比較を行った。Asian Journal of Psychiatry誌オンライン版2021年11月6日号の報告。  日本の精神科救急病院12施設において、19ヵ月間のプロスペクティブ研究を実施した。対象は、DSM-Vで定義される統合失調症およびその他の精神病性障害の急性発症または悪化のために、2019年9月~2020年3月に精神科救急病棟に新たに入院した患者。すべての患者を退院後1年間または2021年3月31日までフォローアップを行った。主要アウトカムは、治療失敗リスク(精神科再入院、治療薬使用の中止、死亡、1年間の入院継続)とした。分析は、Cox比例ハザード多変量回帰を用いた。

コロナ流行開始以降、小児の感染症による入院・死亡が減少/BMJ

 イングランドの小児では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の発生以降、重度の侵襲性感染症や呼吸器感染症、ワクチンで予防可能な感染症による入院が大幅かつ持続的に減少し、このうち敗血症や髄膜炎、細気管支炎、肺炎、ウイルス性喘鳴、上気道感染症による入院から60日以内の死亡数も減少したことが、英国・オックスフォード大学のSeilesh Kadambari氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2022年1月12日号で報告された。  本研究は、イングランドにおける小児の呼吸器感染症、重度の侵襲性感染症、ワクチンで予防可能な感染症による、入院および死亡に及ぼしたCOVID-19の世界的大流行の影響の評価を目的とする住民ベースの観察研究である(Office for Health Improvement and Disparitiesなどの助成を受けた)。