日本語でわかる最新の海外医学論文|page:272

BA.5の中和抗体高いのは?未感染の3回接種者vs.感染後の2回接種者/感染研

 国立感染症研究所の9月27日の発表によると、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のワクチン接種や感染による抗体保有者について、各種変異株に対する中和試験を行った結果、未感染のワクチン3回接種者は、感染後にワクチンを2回接種し、接種から半年程度経過したハイブリッド免疫を持つ者よりも、優れた中和能を有することなどが明らかになったという。  本調査では、2021年12月~2022年2月に実施された「第三回および第四回新型コロナウイルス感染症に対する抗体保有率調査」に参加した1万6,296例から、ワクチン未接種の感染者(38例、0.2%)、感染後にワクチンを2回接種した者(146例、0.9%)、感染歴のない2回ワクチン接種者(1万2,019例、73.8%)、感染歴のない3回ワクチン接種者(1,255例、7.7%)が同定された。

手引き改訂で診断基準に変化、テストステロン補充療法/日本メンズヘルス医学会

 『加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)診療の手引き2022』が15年ぶりに改訂されるにあたり、9月17、18日にオンライン開催された第22回日本メンズヘルス医学会において、シンポジウム「LOHセッション」が開催された。本稿では検査値の改訂ポイントについて、伊藤 直樹氏(NTT東日本札幌病院泌尿器科 部長/外科診療部長)の発表内容からお伝えする(共催:株式会社コスミックコーポレーション)。  LOH症候群とは、“加齢あるいはストレスに伴うテストステロン値の低下による症候群”である。加齢に起因すると考えられる症状として大きく3つの項目があり、1)性腺機能症状(早期勃起の低下、性欲[リビドー]の低下、勃起障害など)、2)精神症状(うつ傾向、記憶力、集中力の低下、倦怠感・疲労感など)、3)身体症状(筋力の低下、骨塩量の減少、体脂肪の増加など)が挙げられる。

乾癬患者へのアプレミラスト、血管炎症、心臓代謝との関連は?

 海外ではすでに広く使用されている経口ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬アプレミラストについて、血管炎症および心臓代謝機能との関連を評価した米国・ペンシルベニア大学医学大学院のJoel M. Gelfand氏らによる第IV相非盲検非無作為化試験の結果が示された。  乾癬は代謝疾患および心血管疾患と関連する炎症性の疾患であり、アプレミラストによる治療では体重減少を引き起こす可能性が知られている。今回の検討で、大動脈血管炎症との関連性は中立的であること、心血管代謝バイオマーカーのサブセットと可変ではあるが概して有益な関連性があること、内臓脂肪・皮下脂肪の減少と関連することが示され、結果を踏まえて著者は、「アプレミラストは心血管代謝疾患および乾癬を有する患者に対して、全体としてベネフィットをもたらす可能性があることが示唆された」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2022年9月21日号掲載の報告。

小児および青年期における抗精神病薬誘発性のプロラクチン変化~メタ解析

 抗精神病薬誘発性のプロラクチン変化は、思春期患者の成長や発達に対し重大な有害反応(AR)を引き起こす可能性がある。デンマーク・Mental Health ServicesのSabrina Meyer Kroigaard氏らは、小児や青年において、抗精神病薬がプロラクチンレベルに及ぼす影響と関連する身体的ARを評価するため本検討を行った。その結果、小児および青年における抗精神病薬誘発性のプロラクチン変化は、リスペリドン、パリペリドン、オランザピンで有意に上昇し、アリピプラゾールで有意に減少することが示唆された。しかし、プロラクチンレベルの有意な変化があるにもかかわらず、ARの報告はほとんどないことも明らかとなった。Journal of Child and Adolescent Psychopharmacology誌2022年9月号の報告。  18歳以下の小児および青年を対象とした抗精神病薬のプラセボ対照ランダム化試験を、PubMed、CENTRALよりシステマティックに検索し、プロラクチンレベルおよび関連するARを評価するため、ランダム効果メタ解析を実施した。バイアスリスクは、risk of bias version 2(ROB2)を用いて評価した。

免疫抑制患者、ブースター接種50日以降に入院・死亡リスク増/JAMA

 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のデルタ変異株とオミクロン変異株が優勢であった時期に、ワクチンの初回および追加接種を受けた集団では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に起因する肺炎による入院や死亡の発生率が低く、複数回接種により重症COVID-19関連疾患の予防効果がもたらされた可能性があることが、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJ. Daniel Kelly氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2022年9月26日号で報告された。

第3世代植込型LVAD(HeartMate 3)はポンプ血栓症の合併頻度が極めて少なく第2世代植込型LVAD(HeartMate II)に比較して5年生存率も良好である。(解説:許俊鋭 氏)

第3世代植込型LVADのHeartMate 3(完全磁気浮上遠心ポンプ、HM 3)と第2世代のHeartMate II(軸流ポンプ、HM II)とのRCT比較試験(MOMENTUM 3)の2年の治療成績が2019年に報告された。結果、(1)ポンプ交換の必要度が低い(2.7% vs.14.3%)、(2)後遺症のある脳卒中や再手術(ポンプ摘出またはポンプ交換)を伴わない2年生存の複合結果(Composit Outcome)においてHM 3群の優位性(76.9% vs.64.8%)が示された。本論文では、MOMENTUM 3の延長研究として5年の治療成績が報告された。2年終了の時点でLVAD治療が継続されていたHM 3群289症例とHM II群247症例のうち、477例(HM 3:258例、HM II:219例)を対象として5年まで経過観察された。5年終了時の複合結果、すなわち(1)心臓移植、(2)心機能回復によるLVAD離脱、および(3)後遺症のある脳卒中や再手術を伴わない5年生存率においてHM 3群の優位性(54.0% vs.29.7%)が示され、MOMENTUM 3全体の5年生存率もHM 3群の優位性(58.4% vs.43.7%)が示された。合併症の中の重大合併症率(events/patient-years)は、脳卒中(0.050 vs.0.136)、出血(0.430 vs.0.765)、ポンプ血栓(0.010 vs.0.108)でHM 3群が有意に少なかった。完全磁気浮上遠心ポンプであるHM 3は当初からポンプ血栓症の合併頻度が少ないことは予測されており、複合結果は2年の成績も5年の成績もこの傾向は変わっていない。ポンプ血栓に関連した合併症は確実に治療成績を低下させ患者のQOLを低下させる。とくに、長期の良好なLVAD補助が必要とされるDT(destination therapy)において重大合併症が少ないことは重要である。また、重大合併症の減少は再入院率を下げ、植込型LVAD治療の費用対効果を改善する。下図に2022年5月27日までの日本のHM IIおよびHM 3の治療成績を示す。現時点でHM 3群の成績は2年生存率(94.1%)までしか出ていないがHM II群(92.8%)よりやや良好な傾向がみられる。一般的に欧米より良好な植込型LVAD治療成績が達成されている日本の状況を鑑みれば、日本のHM 3の5年生存率はMOMENTUM 3で示された治療成績を上回ることが期待される。また、MOMENTUM 3を含め第3世代磁気浮上植込型LVADが世界で素晴らしい治療成績を上げていることから、日本が開発した磁気浮上植込型LVADであるDuraHeart(テルモ社)の臨床開発を推進した一人として、筆者は次世代植込型LVADとして小型化されたDuraHeart IIが製品化に至らなかったことは残念でならない。

肝転移のある左側RAS/BRAF V600E野生型大腸がんFOLFOX/FOLFIRIへのアドオンはパニツムマブかベバシズマブか(CAIRO5)/ESMO2022

 RAS/BRAF V600E野生型で、原発部位が左側の切除不能肝限局転移を有する大腸がんに対する1次治療は、FOLFOX/FOLFIRI+パニツムマブ とFOLFOX/FOLFIRI+ベバシズマブで無増悪生存期間(PFS)に差が認められなかった。無作為化第III相試験として実施されたCAIRO5試験の結果として、オランダ・University Medical Center UtrechtのMarinde Bond氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO2022)で報告した。

既治療のEGFR陽性扁平上皮NSCLCに対するsintilimab+ベバシズマブ+化学療法の有用性(ORIENT-31)/ESMO2022

 EGFR-TKI治療歴のあるEGFR陽性の扁平上皮非小細胞肺がん(Sq NSCLC)患者に対して、抗PD-1抗体sintilimab、ベバシズマブバイオシミラー、化学療法の併用療法は化学療法に比べて無増悪生存期間(PFS)を延長した。第III相試験ORIENT-31の第2回中間解析結果として、中国・上海交通大学のShun Lu氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO2022)で報告した。 ・対象: EGFR-TKI治療歴のあるEGFR陽性のSq NSCLC患者 ・試験群(1):sintilimab+IBI305(ベバシズマブバイオシミラー)+ペメトレキセド+シスプラチン(158例) ・試験群(2):sintilimab+ペメトレキセド+シスプラチン(158例) ・対照群:ペメトレキセド+シスプラチン(160例) ・評価項目: [主要評価項目]PFS [副次評価項目]客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、奏効期間(DoR)

認知症患者の死亡率に対するコリンエステラーゼ阻害薬の影響~システマティックレビュー

 コリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)は、神経活動だけでなく心血管系への作用も有していることから、死亡率に影響を及ぼす可能性がある。フランス・ソルボンヌ大学のCeline Truong氏らは、ChEIによる治療が認知症患者の死亡率を改善するかを検討した。その結果、認知症患者に対するChEIの長期治療とすべての原因による死亡リスク低下との関連が認められ、そのエビデンスの質は中~高であることが示唆された。著者らは、これらの調査結果は、認知症患者に対するChEI治療の決定に影響を与える可能性があるとしている。Neurology誌オンライン版2022年9月12日号の報告。  2021年11月までに公表された文献をPubMed、EMBASE、Cochrane CENTRAL、ClinicalTrials.gov、ICRTPより検索し、レビュー、ガイドライン、これらに含まれる研究の参考文献をスクリーニングした。あらゆるタイプの認知症患者を対象に、ChEIによる治療とプラセボまたは通常治療との比較を6ヵ月以上実施した、バイアスリスクのより低いランダム化比較試験(RCT)および非RCTを分析に含めた。2人の独立した研究者により、研究の包含およびバイアスリスクを評価し、事前に規定されたフォーマットに従いデータを抽出した。研究者間の不一致事項については、ディスカッションおよびコンセンサスにより解決した。すべての原因による死亡および心血管死に関するデータは、粗死亡率または多変量調整ハザード比(HR)として測定し、ランダム効果モデルを用いてプールした。集積されたデータは、逐次解析(trial sequential analysis:TSA)を用いて評価した。なお、本研究はPRISMAガイドラインに従って実施した。

世界初・日本発、アトピー性皮膚炎の「かゆみ」治療薬で患者QOLの早期改善に期待/マルホ

 2022年9月15日、マルホ主催によるプレスセミナーが開催され、同年8月に発売されたアトピー性皮膚炎(AD)のかゆみの治療薬、抗IL-31受容体A抗体ネモリズマブ(商品名:ミチーガ)について、京都大学医学研究科の椛島 健治氏が講演を行った。かゆみは、AD患者の生活の質(Quality of Life:QOL)を著しく低下させる。椛島氏は、「これまでADのかゆみを有効に抑えることが困難だった。かゆみを改善し、ADを早期に良くしていくことが本剤の狙いであり、画期的ではないか」と述べた。  ADは、増悪・寛解を繰り返す、かゆみのある湿疹を特徴とする慢性の皮膚疾患である。その病態は、皮膚バリア機能異常、アレルギー炎症、かゆみの3要素が互いに連動し、形成される(三位一体病態論)。国内には推計約600万人のAD患者がおり、年々増加傾向にある。このように身近な疾患であるADは、治療法も確立されているかのように見える。しかし、AD患者の悩みは深刻だ。

コロナ陽性判定後の鼻洗浄で重症化リスクが1/8に!?

 新型コロナウイルスの陽性判定後であっても、1日2回の鼻洗浄によって入院や死亡のリスクが低減することが、米国・Augusta UniversityのAmy L Baxter氏らにより報告された。新型コロナウイルスはACE2受容体に結合して細胞内に侵入することが知られているが、ACE2受容体にまだ結合していないウイルスを洗い流すことで、重症化を防ぐことができる可能性がある。Ear, Nose & Throat誌オンライン版2022年8月25日掲載の報告。  解析対象は、2020年9月24日~12月21日に実施された新型コロナウイルスのPCR検査で陽性となり、24時間以内に登録された55歳以上のハイリスク患者79例。平均年齢63.7±8.34歳、女性が36例(45.6%)、非ヒスパニック系白人が56例(70.9%)、平均BMIが30.3±6.75であった。

デュピルマブ、6歳未満のアトピー性皮膚炎にも有効/Lancet

 6歳未満のアトピー性皮膚炎患児の治療において、インターロイキン(IL)-4とIL-13を標的とする完全ヒト型モノクローナル抗体デュピルマブはプラセボと比較して、皮膚症状や徴候を有意に改善し、安全性プロファイルも許容範囲であることが、米国・ノースウェスタン大学のAmy S. Paller氏らが実施した「LIBERTY AD PRESCHOOL試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年9月17日号に掲載された。  LIBERTY AD PRESCHOOL試験は、中等症~重症のアトピー性皮膚炎の幼児におけるデュピルマブの有効性と安全性の評価を目的とする第II/III相試験であり、今回は第III相の二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験の結果が報告された(SanofiとRegeneron Pharmaceuticalsの助成を受けた)。本研究は、北米と欧州の31施設で行われ、2020年6月30日~2021年2月12日の期間に参加者が登録された。

うつ病発症に影響を及ぼす活動パターン

 オランダ・マーストリヒト大学のVincenza Gianfredi氏らは、抑うつ症状の有無と、加速度計で測定した毎日の身体活動(physical activity:PA)および座りがちな行動のパターンとの関係を比較検討するため、「マーストリヒト研究」を実施した。その結果、うつ病の有無によるPAおよび座りがちな行動のパターンには同様の差異が確認され、その差異はより小さいものであった。著者らは、本研究により全体として特定の時間帯での影響が認められなかったことから、うつ病予防に対しては、1日の時間帯に関係なく、座りがちな時間の減少とより強度なPAが有用であることを報告した。Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports誌オンライン版2022年9月16日号の報告。  5,582人(59.9±8.6歳、女性の割合:50.3%)を対象に、ベースライン時における座位時間、光を浴びて行うPA(LiPA)、中程度から強度のPA(MVPA)、座位から立位への移行に関する毎日のパターンを収集するため、activPAL3アクティビティモニターを用いて測定した。抑うつ症状は、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いて、ベースライン時および年1回測定した(フォローアップ期間中央値:5.1年)。うつ症状の有無によるPAおよび座りがちな行動のパターンを比較するため、一般化線形モデルを用いた。

遺族にNGな声かけとは…「遺族ケアガイドライン」発刊

 2022年6月、日本サイコオンコロジー学会と日本がんサポーティブケア学会の合同編集により「遺族ケアガイドライン」が発刊された。本ガイドラインには“がん等の身体疾患によって重要他者を失った遺族が経験する精神心理的苦痛の診療とケアに関するガイドライン”とあるが、がんにかかわらず死別を経験した誰もが必要とするケアについて書かれているため、ぜひ医療者も自身の経験を照らし合わせながら、自分ごととして読んでほしい一冊である。  だが、本邦初となるこのガイドラインをどのように読み解けばいいのか、非専門医にとっては難しい。そこで、なぜこのガイドラインが必要なのか、とくに読んでおくべき項目や臨床での実践の仕方などを伺うため、日本サイコオンコロジー学会ガイドライン策定委員会の遺族ケア小委員会委員長を務めた松岡 弘道氏(国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科/支持療法開発センター)を取材した。

皮膚扁平上皮がんの術前cemiplimab、病理学的完全奏効は5割以上/NEJM

 切除可能な皮膚扁平上皮がん患者の術前補助療法において、抗プログラム細胞死1(PD-1)モノクローナル抗体cemiplimabは、約半数の患者で病理学的完全奏効を達成し、安全性の新たなシグナルは特定されなかったことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのNeil D. Gross氏らの検討で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年9月12日号で報告された。  本研究は、皮膚扁平上皮がん患者の術前補助療法におけるcemiplimabの有効性と安全性の評価を目的とする検証的非無作為化単群第II相試験であり、2020年3月~2021年7月の期間に、オーストラリア、ドイツ、米国の施設で参加者の登録が行われた(Regeneron PharmaceuticalsとSanofiの助成を受けた)。  対象は、年齢18歳以上、切除可能なStageII、III、IV(M0)の皮膚扁平上皮がんで、実臨床で手術が推奨されている患者であった。被験者は、治癒目的の手術を受ける前に、12週間でcemiplimab(350mg)を3週ごとに4回(1、22、43、64日目)、静脈内に投与された。

妊娠糖尿病歴あり、心血管・脳血管疾患リスクが45%増/BMJ

 妊娠糖尿病歴は、心血管・脳血管疾患全体および個々の疾患のリスク増加と関連しており、その関連は従来の心血管リスク因子やその後の糖尿病発症に起因しないことが、中国・北京大学第一医院のWenhui Xie氏らによるシステマティックレビューおよびメタ解析の結果、明らかとなった。妊娠糖尿病歴がある女性では、心血管疾患全体のリスクが高いことが認識されてきているが、特定の心血管・脳血管疾患や静脈血栓塞栓症に対する妊娠糖尿病の影響は不明な点が多かった。BMJ誌2022年9月21日号掲載の報告。

ファイザーのBA.4/5対応2価ワクチン、6ヵ月~4歳用1価ワクチン承認/厚生労働省

 厚生労働省は10月5日、ファイザーのオミクロン株BA.4/5に対応した追加接種用の新型コロナウイルス2価ワクチンについて承認事項の一部変更の特例承認をしたこと、および同社の生後6ヵ月~4歳用の新型コロナウイルス1価ワクチンを特例承認したことを発表した。  接種対象者が12歳以上であるオミクロン株BA.4/5対応の2価ワクチンの販売名は「コミナティRTU筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)」となる。

コロナ診断1週目のリスク、心筋梗塞17倍・脳梗塞23倍/Circulation

 英国・国民保健サービス(National Health Service:NHS)のデータに基づき、ブリストル大学のRochelle Knight氏ら多施設共同による、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患後の動脈血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症、およびその他の血管イベントの長期的な発生リスクについて大規模な後ろ向きコホート研究が実施された。その結果、COVID-19の既往がある人は既往がない人と比較して、COVID-19診断から1週目の動脈血栓塞栓症の発症リスクは21.7倍、静脈血栓塞栓症の発症リスクは33.2倍と非常に高く、27〜49週目でも、それぞれ1.34倍、1.80倍のリスクがあることが判明した。とくに患者数の多かった急性心筋梗塞と虚血性脳卒中では、COVID-19診断後1週目に、それぞれ17.2倍、23.0倍リスクが増加していた。Circulation誌2022年9月20日号掲載の報告。

腎細胞がんに対するbempegaldesleukin+ニボルマブ1次治療の成績(PIVOT-09)/ESMO2022

 未治療の腎細胞がん患者を対象に、インターロイキン2(IL-2)作動薬であるbempegaldesleukinとニボルマブの併用療法を、スニチニブまたはカボザンチニブと比較検討した無作為化第III相試験PIVOT-09において、主要評価項目とした奏効率(ORR)と全生存期間(OS)に差が認められなかった。米国・MDアンダーソンがんセンターのNizar Tannir氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO2022)で報告した。