日本語でわかる最新の海外医学論文|page:827

妊娠中のビタミンD補充は子供の喘息予防に有効か/JAMA

 出生後の子供の喘息リスクが高い妊婦では、ビタミンDの補充により妊娠後期のビタミンD値が有意に上昇したが、子供が3歳までに喘息または再発喘鳴を来すリスクは低下傾向を認めたものの有意ではなかったとの研究成果を、米国ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のAugusto A Litonjua氏らが、JAMA誌2016年1月26日号で報告した。喘鳴は出生から数週で始まり、その発生に関与する出生前の決定因子の存在が示唆されている。ビタミンDは、胎児期~出生後早期の肺および免疫系の発育に影響を及ぼし、妊娠期のビタミンDの欠乏は早期の喘息や喘鳴の発症に重要な役割を果たしている可能性があるという。

腎移植後のbelatacept投与、7年時点のアウトカム/NEJM

 腎移植後の維持免疫抑制療法において、belataceptは従来の治療レジメンに比べ、長期的なアウトカムを改善するとの研究成果を、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のFlavio Vincenti氏らが、NEJM誌2016年1月28日号で報告した。免疫抑制療法は腎移植患者の短期的なアウトカムを改善することが知られているが、長期的な移植腎生着への効果を示すデータはほとんどない。belataceptは、ヒトIgG1のFc部分とCTLA-4の細胞外ドメインの融合蛋白で、共刺激の遮断を介してT細胞の活性化を選択的に阻害する(選択的共刺激遮断薬)。本薬は、従来のカルシニューリン阻害薬による有害作用を回避しつつ、高い免疫抑制効果をもたらすことで、腎移植患者の長期アウトカムを改善することを目的に開発されたという。

単純性膀胱炎に対するイブプロフェンの効果(解説:小金丸 博 氏)-476

女性の単純性膀胱炎は抗菌薬で治療されることが多い疾患だが、自然軽快する例も少なからずみられる。また、尿路感染症の主要な原因菌である大腸菌は、薬剤耐性菌の増加が問題となっており、耐性菌の増加を抑制するためにも、抗菌薬を使用せずに膀胱炎の症状緩和が図れないか研究が行われてきた。79例を対象としたPilot studyでは、症状改善効果に関してイブプロフェンは抗菌薬(シプロフロキサシン)に対して非劣性であり、イブプロフェン投与群の3分の2の患者では、抗菌薬を使用せずに改善したという結果が得られた。さらなる評価のため、規模を拡大した研究が実施された。

エベロリムス溶出ステント留置後のDAPT延長、主要心・脳血管イベントは減少せず

 薬剤溶出ステント留置後、アスピリン・チエノピリジン系薬剤を併用する抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を12ヵ月継続することが一般的に推奨されている。ところが、昨年発表されたDAPT試験では、薬剤溶出ステント(DES)留置後、DAPT 12ヵ月群に比べて、30ヵ月継続した群でステント血栓症および主要な心および脳血管イベントが減少し、出血リスクが上昇することが示された。12ヵ月を超えたDAPTによるこれまでの結果と異なり、物議を醸した。DESの安全性と有効性は種類間で異なる。エベロリムス溶出ステントはパクリタキセル溶出ステントに比べて、ステント血栓症が少ないと報告され、使用頻度も高い。

抗うつ薬による自殺行為の増加、5剤のSSRI/SNRIで検証/BMJ

 抗うつ薬の有害事象として、攻撃行動の増加がみられ、小児/青少年では自殺行為も増えているとの北欧コクランセンター(デンマーク)のTarang Sharma氏らによる研究成果が、BMJ誌オンライン版2016年1月27日号に掲載された。この研究では、抗うつ薬の臨床試験や治験総括報告書(clinical study report)の治療関連有害事象のデータには限界があることも示された。治験総括報告書は製薬企業が医薬品の市販の承認を得るために規制機関に提出する臨床試験の結果の詳細な概要であるが、最近のレビューは、公表された論文には患者の転帰に関する重要な情報が欠けていることが多いと指摘している。

生体吸収性スキャフォールドの1年転帰:4つのABSORBメタ解析/Lancet

 留置1年後における生体吸収性エベロリムス溶出スキャフォールド(BVS、Absorb)の有害事象の発現状況は、コバルトクロム合金製エベロリムス溶出ステント(CoCr-EES、Xience)とほぼ同等との研究結果が、米国・コロンビア大学のGregg W Stone氏らによってLancet誌オンライン版2016年1月26日号で報告された。BVSは、薬剤溶出金属製ステントに比べ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の長期的なアウトカムを改善する可能性が指摘されているが、これらのデバイスの1年後の安全性や有効性は知られていない。

うつ病患者への運動介入、脱落させないコツは

 運動による抑うつ症状の改善効果は確立している。無作為化試験(RCT)の脱落率は試験間で異なり、RCTにおける脱落はエビデンスに基づく信頼性に脅威を与える。英国・South London & Maudsley NHS Foundation TrustのBrendon Stubbs氏らは、運動RCTに参加したうつ病成人における脱落率とその予測因子を調査し、システマティックレビューとメタ解析を行った。Journal of affective disorders誌2016年1月15日号の報告。

進行NSCLC治療、全例への遺伝子検査は有用か/Lancet

 進行性非小細胞肺がん(NSCLC)治療に関して、患者の分子プロファイリングを日常診療として全国的に実施することは可能であり、その作業は遺伝子変異や融合遺伝子など遺伝子異常の頻度、所要日数および治療効果からみても有用であることが確認された。フランス・マルセイユ公立病院機構(APHM)のFabrice Barlesi氏らが、French Collaborative Thoracic Intergroup(IFCT)による1年間のプログラムの成果を踏まえて報告した。NSCLCの治療においては、既知のドライバー遺伝子について日常的に患者の分子プロファイルを調べることが推奨されているが、その国家的な実現性や有用性は不明であった。Lancet誌オンライン版2016年1月14日号掲載の報告。

女性の不妊に関わる遺伝子変異が判明/NEJM

 βチューブリン遺伝子(TUBB)8の変異が、微小管の形成や動態、卵母細胞の減数分裂と紡錘体形成ならびに卵母細胞の成熟を妨害し、優性遺伝的に女性の不妊症を引き起こすことを、中国・復旦大学Ruizhi Feng氏らが、不妊症の女性を含む24家族のDNA解析の結果、明らかにした。受精は、第二減数分裂中期で停止している成熟した卵母細胞に精子細胞が侵入することで開始するが、ヒト卵母細胞の成熟停止の原因となる遺伝的異常は明らかにされていなかった。NEJM誌2016年1月21日号掲載の報告。

「妊娠、抗てんかん薬」検索結果は患者に役立つか?

 女性てんかん患者(WWE)は、インターネットなどの多くのソースから妊娠関連の重要な情報を入手していることを調査が示している。イスラエル・ヘブライ大学のTal Lavi-Blau氏らは、妊娠、授乳中における4種類の抗てんかん薬使用について、Google検索により提供されているWebサイトのタイプを評価した。Epilepsy & behavior誌オンライン版2016年1月12日号の報告。

食道腺がん診断後のスタチン使用、死亡リスク低下に関連

 大規模な集団ベースコホート研究により、食道腺がんと診断された後のスタチン使用が、食道がん特異的死亡率と全死因死亡率の減少に関連しているということを、英国・ノーフォーク&ノリッチ大学病院のLeo Alexandre氏らが明らかにした。Gastroenterology誌オンライン版2016年1月8日号掲載の報告。

心房細動患者の死亡リスク、女性のほうが高い/BMJ

 心房細動患者において、女性は男性に比べて全死因死亡リスクが約1.1倍、心血管死リスクは1.9倍、いずれも大きいという。英国・オックスフォード大学のConnor A. Emdin氏らが、30件のコホート試験について行ったメタ解析の結果、明らかにした。これまでの研究結果から、心血管疾患リスクについては、そのリスク因子である糖尿病や喫煙などについて、男女差があることは知られていた。BMJ誌オンライン版2016年1月19日号掲載の報告。

高齢がん患者の病院死亡率とコスト、欧米7ヵ国で比較/JAMA

 欧米先進7ヵ国で、がん患者の死亡した場所や死亡前半年間の医療費などを比べたところ、急性期病院での死亡割合はベルギーとカナダが最も高く過半数を占め、一方、米国やベルギーは20%台と低かった。死亡前半年間の医療費については、高額だったのはカナダ、ノルウェー、米国で1万9,000~2万2,000ドル、低額だったのは英国、オランダで9,000~1万1,000ドルだった。米国・ペンシルベニア大学のJustin E. Bekelman氏らが、2010年以降にがんで死亡した65歳超について、後ろ向きコホート試験を行った結果、明らかにされた。JAMA誌2016年1月19日号掲載の報告より。

精神疾患患者に対するECT後の転帰を予測することは可能か

 発作後における見当識障害の回復速度から電気ショック療法(ECT)の結果が予測可能かどうか、これまで検討されたことはなかった。ノルウェー・Diakonhjemmet病院のTor Magne Bjolseth氏らは、見当識障害の回復速度から高齢うつ病患者におけるECT治療の効果を予測できるかを検討した。Journal of affective disorders誌2016年1月15日号の報告。

肥満は眼圧上昇の独立リスク因子

 眼圧上昇は緑内障の最も重要なリスク因子の1つであることが知られている。イスラエル・テルアビブ大学のEytan Cohen氏らは、約1万9,000例のデータを後ろ向きに解析し、男性および女性のいずれにおいても、肥満が眼圧上昇の独立したリスク因子であることを明らかにした。Journal of Glaucoma誌オンライン版2016年1月13日号の掲載報告。