高齢者糖尿病診療ガイドライン2017発刊 最終更新:2017/06/12 医療一般 「高齢者糖尿病の治療向上のための日本糖尿病学会と日本老年医学会の合同委員会」による 「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標について」(2016年5月)を受け、2017年5月開催の第60回 日本糖尿病学会年次学術集会において、『高齢者糖尿病診療ガイドライン 2017』(編・著 日本老年医学会・日本糖尿病学会)が書籍として発刊された。
せん妄ケアの重要性、死亡率への影響を検証 最終更新:2017/06/12 医療一般 認知症入院患者は、せん妄リスクが高いが、認知症に併発したせん妄(delirium superimposed on dementia:DSD)が患者アウトカムに及ぼす影響については、あまり知られていない。ブラジル・サンパウロ大学のThiago J. Avelino-Silva氏らは、高齢者入院患者におけるDSDと院内死亡率および12ヵ月間の死亡率との関連を調査した。PLOS medicine誌2017年3月28日号の報告。
CVDリスクを予測する最新QRISK3モデルを検証/BMJ 最終更新:2017/06/09 ジャーナル四天王 心血管疾患(CVD)の10年リスクを予測するQRISK2に新規リスク因子を加えた新しいQRISK3リスク予測モデルが開発され、英国・ノッティンガム大学のJulia Hippisley-Cox氏らが検証結果を発表した。追加された臨床変数は、慢性腎臓病(CKD)、収縮期血圧(SBP)の変動性、片頭痛、ステロイド薬、全身性エリテマトーデス(SLE)、非定型抗精神病薬、重度の精神疾患および勃起障害で、これらを組み入れたQRISK3は、医師が心疾患や脳卒中のリスクを特定するのに役立つ可能性が示されたという。現在、英国のプライマリケアではQRISK2が広く活用されているが、QRISK2では完全には捉えられないリスク因子もあり、CVDリスクの過小評価につながる可能性が指摘されていた。BMJ誌2017年5月23日号掲載の報告。
先天異常の原因、5人中4人は「未知」/BMJ 最終更新:2017/06/09 ジャーナル四天王 米国・ユタ大学のMarcia L. Feldkamp氏らが実施したコホート研究の結果、主要な先天異常の5人に4人はその原因が不明であることが明らかとなった。著者は、「一次予防や治療の根拠となる基礎研究ならびにトランスレーショナル研究を早急に行う必要がある」と述べている。これまでは、病院ベースで既知の原因の有無別に先天異常の割合を評価した研究が2件あるだけだった。BMJ誌2017年5月30日号掲載の報告。
大規模個別患者データに基づくBayes流メタ解析が“非ステロイド性消炎鎮痛薬(COX-2を含む)が総じて急性心筋梗塞発症リスクを増加させる”と報告(解説:島田 俊夫 氏)-685 最終更新:2017/06/09 CLEAR!ジャーナル四天王 本論文では、急性心筋梗塞(AMI)発症の既往歴を有する6万1,460例を含む44万6,763例(38万5,303例はコントロール)の信頼できる大規模個別データ(カナダおよび欧州)を対象にAMIを主な評価項目とし、COX-2選択的阻害薬と従来型NSAIDsの使用と非使用者でAMI発症リスク差を検証するためにBayes流メタ解析が行われた。
EGFR変異陽性肺がんの再発リスクを40%減、ゲフィチニブ補助療法/ASCO2017 最終更新:2017/06/09 医療一般 非小細胞肺がん(NSCLC)と診断された患者の20~25%は手術適応である。プラチナベースの術後補助化学療法は、Stage II~IIIA非小細胞肺がん(NSCLC)の患者のスタンダードとなっている。一方、EGFR-TKIは進行EGFR変異陽性NSCLC1次治療の標準である。しかし、EGFR-TKIによる術後補助化学療法については、過去のBR19やRADIANT試験からも利点は証明されていない。
統合失調症へのメマンチン追加療法のメタ解析:藤田保健衛生大 最終更新:2017/06/09 医療一般 藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らは、統合失調症治療において抗精神病薬へのメマンチン追加療法が有用であるかを、システマティックレビューおよびメタ解析により検討を行った。Psychopharmacology誌オンライン版2017年5月15日号の報告。
60歳未満の降圧薬服用者、血圧高いと認知症リスク高い 最終更新:2017/06/09 医療一般 血圧と認知症の関係については相反する疫学研究結果が報告されている。今回、ノルウェー科学技術大学HUNT研究センターのJessica Mira Gabin氏らが、認知症診断の最大27年前まで(平均17.6年)の血圧と認知症について調査したところ、60歳以上では収縮期血圧と認知症が逆相関を示したが、60歳未満の降圧薬使用者では収縮期血圧や脈圧の上昇とアルツハイマー病発症が関連していた。Alzheimer's research & therapy誌2017年5月31日号に掲載。
10代の自傷・薬物・飲酒による緊急入院、自殺リスクが大幅増/Lancet 最終更新:2017/06/08 ジャーナル四天王 自傷行為や薬物乱用、アルコール摂取関連といった理由で緊急入院した10~19歳の青少年は、事故で緊急入院した青少年に比べ、退院後10年間の自殺リスクが3.2~4.5倍高いことが示された。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのAnnie Herbert氏らが、緊急入院をした青少年約100万人について後ろ向きコホート研究を行い明らかにした。Lancet誌オンライン版2017年5月25日号掲載の報告。
DAAレジメン無効のHCVに3剤合剤が効果/NEJM 最終更新:2017/06/08 ジャーナル四天王 C型肝炎ウイルス(HCV)慢性感染患者で、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)を含むレジメンで治療を行っても持続的ウイルス学的著効(SVR)が得られない患者に対し、ヌクレオチドポリメラーゼ阻害薬ソホスブビル+NS5A阻害薬velpatasvir+プロテアーゼ阻害薬voxilaprevirの配合剤を12週間投与することで、9割超のSVRが達成できることが示された。フランス・セントジョセフ病院のMarc Bourliere氏らが、2件の第III相無作為化比較試験を行って明らかにしたもので、NEJM誌2017年6月1日号で発表した。現状では、DAAを含む治療でSVRが達成できない場合には、次の治療選択肢は限られているという。
認知症予防に柑橘類は効果的か:東北大 最終更新:2017/06/08 医療一般 いくつかの実験的な生物学的研究では、柑橘類が認知症予防効果を有していることが報告されている。東北大学のShu Zhang氏らは、柑橘類摂取と認知症との関連をコホート研究で調査した。The British journal of nutrition誌オンライン版2017年5月19日号の報告。
III期NSCLCの化学放射線同時併用療法に適用するレジメンは?本邦のランダム化試験の結果発表/ASCO2017 最終更新:2017/06/08 医療一般 化学放射線同時併用療法(CCRT)は、手術不能なIII期非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する標準治療であるが、最良の化学療法レジメンは特定されていない。S-1とシスプラチン(CDDP)の併用(SP)は進行NSCLCに対する標準化学療法レジメンの1つであり、CCRTにおける良好な成績も報告されている。day1、8に分割したドセタキセルとCDDPの併用(DP)を用いたCCRTは、旧世代のCDDPレジメンとの比較試験で、良好な結果(2年生存割合)を示しているが、全生存については有意な差は認めていない。そこで、日本医科大学の久保田 馨氏らは、NSCLC患者に対するCCRTにおいて、SPとday1のみにドセタキセル+CDDPを投与するDPの2つの併用化学療法レジメンの成績を評価するランダム化第II相試験TORG1018を行い、その結果を米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)で発表した。
加齢黄斑変性へのbrolucizumab vs.アフリベルセプト 最終更新:2017/06/08 医療一般 滲出型加齢黄斑変性(AMD)に対する抗VEGF薬の有効性と安全性について、brolucizumabとアフリベルセプトを比較した第II相無作為化試験が、米国・Retinal Consultants of ArizonaのPravin U. Dugel氏らにより行われた。治療サイクル8週ごと(q8)の検討において、両者の有効性および安全性は同等であることが示されたが、brolucizumab群のほうが、中心領域網膜厚(CSFT)減少が安定的で、予定外治療の頻度が少なく、網膜下液などの溶解率が高かった。また、brolucizumab投与の治療サイクル12週ごと(q12)の検討で、最高矯正視力(BCVA)を治療を受けた眼の約50%で得ることが示された。Ophthalmology誌オンライン版2017年5月24日号掲載の報告。
新たなアンチセンス薬、動脈硬化進展を抑制/NEJM 最終更新:2017/06/07 ジャーナル四天王 マウスAngptl3遺伝子を標的とするアンチセンス・オリゴヌクレオチド(ASO)は、マウスのアテローム性動脈硬化の進展を抑制し、アテローム生成性リポ蛋白を低下させることが、米国・Ionis Pharmaceuticals社のMark J. Graham氏らの検討で示された。ASOの第I相試験では、ヒトANGPTL3遺伝子を標的とする戦略の有用性を示唆する知見が得られた。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2017年5月24日号に掲載された。疫学研究やゲノムワイド関連分析により、アンジオポエチン様3をコードするANGPTL3遺伝子の機能喪失型変異は、血漿リポ蛋白の低下と関連することが示されている。開発中のIONIS-ANGPTL3-LRxは、肝のANGPTL3 mRNAを標的とする第2世代リガンド結合アンチセンス薬(GalNAc結合ASO薬)である。
慢性期統合失調症、陰性症状に有効な補助療法 最終更新:2017/06/07 医療一般 統合失調症の陰性症状を緩和する際、リスペリドンの補助薬としてのホスホジエステラーゼ3選択的阻害剤シロスタゾールの有効性、安全性について、イラン・Kurdistan University of Medical SciencesのFarzin Rezaei氏らが評価を行った。Human psychopharmacology誌オンライン版2017年4月18日号の報告。
ホルモン抵抗性乳がんに著明な効果、CDK4/6阻害薬abemaciclib/ASCO2017 最終更新:2017/06/07 医療一般 CDK4/6選択的阻害薬abemaciclibのフルベストラントとの併用における忍容性と臨床活性が第3相試験MONARCH2で支持された。米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO2017)においてスタンフォード大学のGeorge W. Sledge氏が発表した。
MTXによる表皮壊死、初期徴候と予後因子は 最終更新:2017/06/07 医療一般 メトトレキサート(MTX)誘発性表皮壊死症(Methotrexate-induced epidermal necrosis:MEN)は、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN)に類似した、まれな、しかし致命的な皮膚反応である。台湾・国立陽明大学のTing-Jui Chen氏らは、MENの臨床病理、リスク因子および予後因子について調査し、MENはSJS/TENとは異なる臨床病理的特徴を示すことを明らかにした。著者は、「ロイコボリンが有効な場合があるので、初期徴候と予後因子を認識しておくことが重要である」と述べたうえで、「MENのリスクを低下させるためには、高リスク患者へのMTX投与を避け、MTXの投与量は葉酸を併用しながら漸増していかなければならない」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年5月10日号掲載の報告。
蜂窩織炎、ST合剤追加は必要か/JAMA 最終更新:2017/06/06 ジャーナル四天王 単純性蜂窩織炎の抗菌薬治療では、セファレキシンにスルファメトキサゾール・トリメトプリム配合薬(ST合剤)を併用しても、臨床的治癒率は改善しないことが、米国・オリーブ・ビューUCLA医療センターのGregory J. Moran氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2017年5月23日号に掲載された。米国では、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の出現に伴い、皮膚感染症による救急診療部への受診が増加しているという。排膿がみられない蜂窩織炎は、β溶血性レンサ球菌が主な病原菌と推定されるが、in vitroでMRSA活性を有する抗菌薬レジメンが、MRSA活性のない治療に比べ転帰の改善をもたらすかは不明とされる。
HER2陽性乳がん1次治療、最適レジメン選考の結果は?/ASCO2017 最終更新:2017/06/06 医療一般 2017年6月2~5日、米国シカゴにて米国臨床腫瘍学会年次大会(ASCO 2017)が行われ、HER2陽性の転移を有する未治療の乳がん(MBC)に対する1次治療レジメンを評価した第III相試験であるMARIANNE試験の最終結果が発表された。
尿pHで糖尿病発症を予測できるか~日本の大規模コホート 最終更新:2017/06/06 医療一般 これまでに2型糖尿病患者の低い尿pHとの関連が明らかになっているが、尿中pHと2型糖尿病の発症との関連は不明である。今回、京都府立医科大学の橋本 善隆氏らは、わが国における男性の大規模コホート研究で、低い尿pHが糖尿病の独立した予測因子となることを報告した。尿pHが簡単で実用的な糖尿病のマーカーである可能性が示唆された。Diabetes research and clinical practice誌オンライン版2017年5月9日号に掲載。