日本語でわかる最新の海外医学論文|page:451

FDA、アテゾリズマブ+抗TIGIT抗体tiragolumabを高PD-L1非小細胞肺がんのブレークスルーセラピーに指定/ロシュ

 ロシュ社は、2021年1月5日、新しい抗TIGIT抗体tiragolumabがアテゾリズマブとの併用で、転移を有するPD-L1高発現の非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療として、米国食品医薬品局(FDA)からブレークスルーセラピー指定(BTD)を付与されたと発表。  今回の指定は第II相CITYSCAPE試験に基づくもの。CITYSCAPE試験の結果は、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表され、追跡期間平均10.9ヵ月で、全奏効率(ORR)を改善(37%対21%)、アテゾリズマブ単独と比較して無増悪生存期間(PFS)を42%減少。

希少がんのオンライン・セカンドオピニオンを開設/国立がん研究センター

 新型コロナウイルス感染症流行に収束の目処が立たない中、患者の受診控えが続いている。国立がん研究センター中央病院は、オンラインでのセカンドオピニオン外来をスタートすることを発表した。2021年2月15日(月)13時より予約を開始する。  利用者としては、原則として、希少がんなど専門医が限られる種類のがん患者を想定し、細かく分類したうえでそれぞれの専門医が対応する。同院が民間会社と共同開発した検査画像の閲覧ができるオンライン診察システムサービスを用い、PC、スマホ、タブレット等を使って受診する。感染リスクを考えて受診を控えていた患者や、地方在住者に利用を促す。

1回接種のコロナワクチンの有効率66%/J&J

 米国ジョンソン・エンド・ジョンソンは、現地時間の1月29日に第3相ENSEMBLE臨床試験から得られたトップライン有効性・安全性データを発表し、同社の医薬部門であるヤンセンで開発中のCOVID-19単回投与ワクチン候補(以下「ワクチン候補」という)が、すべての主要評価項目および主な副次評価項目を満たしたと発表した。  第3相ENSEMBLE試験は、18歳以上の成人を対象に、1回接種ワクチンの安全性と有効性をプラセボと比較して評価するために設計された無作為化、二重盲検、プラセボ対照臨床試験。被験者の45%が女性、55%が男性であり、参加者の41%は、重症化するリスク増加に関連する併存疾患を有していた(肥満が28.5%、2型糖尿病が7.3%、高血圧が10.3%、HIVが2.8%)。

新型コロナ抗体薬、第III相試験で最大8割の予防効果/リリー

 米国・イーライリリーは1月21日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬として開発したモノクローナル抗体薬bamlanivimab(LY-CoV555)の第III相試験(BLAZE-2)において、感染リスクを大幅に減少させることが確認されたと発表した。bamlanivimabは、成人および小児(12歳以上、体重が少なくとも40kg)における軽症~中等症COVID-19治療薬として、米国FDAが2020年11月より緊急使用を許可している。  BLAZE-2は、高齢者施設の入居者およびスタッフ965例(入居者:299例、スタッフ666例)を対象に実施。

小児アトピー性皮膚炎、精神障害との関連は?

 小児アトピー性皮膚炎(AD)と精神障害との関連について、デンマークで行われた大規模な調査結果が発表された。デンマーク・コペンハーゲン大学のI. Vittrup氏らによる検討で、病院でADと診断された児において、病院で精神障害を診断されるリスクは高くなかったが、治療リスクは高く、AD児における精神的問題は一過性で可逆的であり、軽度~中等度である可能性が示唆されたという。これまで、成人ADは不安症やうつ病との関連が示されているが、小児ADは注意欠陥多動性障害(ADHD)との関係が示唆されているものの、他の精神障害との関連性はほとんどわかっていなかった。British Journal of Dermatology誌オンライン版2021年1月16日号掲載の報告。

統合失調症治療の有効性、安全性に対する抗精神病薬の用量依存作用

 統合失調症の薬理学的治療の中心は、抗精神病薬である。慶應義塾大学の吉田 和生氏らは、統合失調症の薬物療法を最適化するために、抗精神病薬の有効性、安全性、死亡率との関連を明らかにするため関連文献のレビューを行った。Behavioural Brain Research誌オンライン版2021年1月5日号の報告。  統合失調症患者における抗精神病薬の用量と有効性、有害事象、死亡率との関連を調査した文献をレビューした。  主な結果は以下のとおり。

変形性関節症の痛みに、SNRIが有効な可能性/BMJ

 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の疼痛や能力障害(disability)に対する効果は小さく、背部痛への臨床的な意義はないものの、変形性関節症への臨床的に意義のある効果は排除できず、ある程度有効な可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のGiovanni E. Ferreira氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2021年1月20日号で報告された。抗うつ薬は、背部痛(神経根症状の有無を問わず)や股関節・膝の変形性関節症の治療に広く用いられており、多くの診療ガイドラインがこれを推奨している。一方、背部痛や股関節・膝の変形性関節症への抗うつ薬の使用を支持するエビデンスは十分でないという。

COVID-19、陽性者の3分の1以上が無症状

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において、無症状の感染者が一定数いることは知られているが、実際にその割合はどのくらいなのか。米国Scripps ResearchのDaniel P. Oran氏らがこれまでに発表されたCOVID-19関連論文のシステマティックレビューを行った結果、少なくとも3分の1が無症状であることがわかったという。Annals of Internal Medicine誌2021年1月22日オンライン版の報告。  著者らは、2020年11月17日までに発表されたCOVID-19に関する論文を検索し、1万人以上の被験者、被験者のランダムな選択等の条件から適格な論文を選択したうえで、検査を受けた人数、陽性者数、有症状者・無症状者数を記録。

日本人高齢者の趣味の種類や数と認知症リスクとの関係

 認知症予防は、超高齢化社会を迎える現代社会において重要な問題である。これまでの研究では、趣味(とくにガーデニング、旅行、スポーツ)を有する高齢者では、認知症リスクが低いことが示唆されている。しかし、趣味の種類や数の違いが認知症予防に影響を及ぼすかは、よくわかっていない。千葉大学のLing Ling氏らは、趣味の種類および数と認知症発症との関連を調査した。日本公衆衛生雑誌2020年号の報告。  2010~16年に日本老年学的評価研究(JAGES)が実施したプロスペクティブコホート研究より、年齢、性別が明らかな65歳以上の要介護認定を受けていない高齢者5万6,624人を調査した。

バーチャル開催のJSMO2021、注目演題を発表/日本臨床腫瘍学会

2021年2月18日(木)~21日(日)、第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2021)が完全バーチャル形式で開催される。これに先立ち、プレスセミナーが開催され、今回のJSMO2021の取り組みや注目演題等が発表された。この中で、会長を務める西尾 和人氏(近畿大学医学部ゲノム生物学教室 教授)が学会の概要を説明。昨年夏にいち早く完全バーチャル形式での開催を決めた本学会は、例年より長めの日程となり、海外演者も数多く登壇予定だ。「朝は7時から夜は23時まで多くの演題を用意し、勤務のある方でも参加しやすくした」(西尾氏)。

オンライン血圧管理で、良好な収縮期血圧コントロール/BMJ

 コントロール不良の高血圧患者において、デジタル技術を用いた介入による「家庭オンライン血圧管理・評価(Home and Online Management and Evaluation of Blood Pressure:HOME BP)」は通常治療と比較して、1年後の収縮期血圧のコントロールが良好で、費用の増分も低いことが、英国・オックスフォード大学のRichard J. McManus氏らが実施した「HOME BP試験」で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2021年1月19日号に掲載された。これまでの自己モニタリングと自己管理の試験では、血圧低下に関する有効性が示されているが、効果を得るには比較的高価な技術や時間がかかる一連の訓練を必要とすることが多い。また、デジタル介入の短期試験では、血圧コントロールの改善の可能性が示唆されているが、広く実施するための十分なエビデンスは得られていないという。

乳がん関連遺伝子バリアントのリスクを評価/NEJM

 乳がんの遺伝性の病原性バリアントを有する女性のリスク評価と管理では、がん素因遺伝子の生殖細胞系列の病原性バリアントと関連する、集団ベースの乳がんリスクの推定がきわめて重要とされる。米国・メイヨークリニックのChunling Hu氏らCARRIERS(Cancer Risk Estimates Related to Susceptibility)コンソーシアムは、同国の一般集団において、既知の乳がん素因遺伝子の病原性バリアントと関連する乳がんの有病率とリスクの評価を行った。その結果、BRCA1とBRCA2の病原性バリアントは乳がんリスクが最も高いことを示した。NEJM誌オンライン版2021年1月20日号掲載の報告。

新型コロナ対応、現状の打開に何が必要か~東京都医師会尾崎会長インタビュー

 1都3県を皮切りに各地で2度目の緊急事態宣言が発令され、医療体制がひっ迫した状況が続いている。患者の急増で病床は不足。自宅・宿泊療養者のケアや回復後の転院調整などについて課題が指摘され、ワクチン接種への体制整備も求められる中、東京都医師会としてその役割をどのように捉え、どのような対策をとっていくのか。尾崎 治夫会長に聞いた。  連日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する情報が報道される中で、「民間病院がコロナ患者をほとんど受け入れていない」「医療崩壊というが1年あれば準備できたのではないか」などの意見もみられるようになった。「第1波のときから一貫して発信しているのは、日本の医療体制はCOVID-19のような感染症に対応できるようには作られていない。対応するには患者数の増加速度をできるだけゆるやかにして乗り越えていくしかないということ」と尾崎会長。コロナ前の東京都の指定感染症医療機関は15医療機関、118床。保健所も含め、無症状や軽症が多く感染力も強くて市中に急速に拡がって行くCOVID-19のような感染症に対応できる仕組みにはなっていなかった。

うつ病増強療法の中止が治療転帰にもたらす影響~メタ解析

 慶應義塾大学のHideo Kato氏らは、うつ病の治療において増強療法のために追加した薬剤を継続すべきか、また継続する場合の期間について明らかにするため、メタ解析を実施した。Pharmacopsychiatry誌オンライン版2020年12月23日号の報告。  うつ病患者を対象に増強療法で追加した薬剤を中止した場合の影響を調査した二重盲検ランダム化比較試験を特定し、メタ解析を実施した。すべての原因による試験中止率、再発率、増強療法継続群と中止群における有害事象を比較した。

「がん診療と新型コロナウイルス感染症」、患者向けQ&Aを改訂/日本臨床腫瘍学会

 2021年1月25日、がん関連3学会(日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会)は合同で「がん診療と新型コロナウイルス感染症 がん患者さん向けQ&A」の改訂3版を公開した。これは3学会合同連携委員会の新型コロナウイルス(COVID-19)対策ワーキンググループがまとめたもので、「がん患者は新型コロナウイルスに感染しやすいのか」「検査はどこまですべきなのか」「現在の治療を延期したほうがよいのか」といった、多くのがん患者が抱える疑問に答える内容となっている。今回は各種文献やガイドラインのアップデートを反映した改訂となる。

新型コロナ無症状者の医療機関での一斉検査、プール法など活用可能に/厚労省

 医療機関・高齢者施設等において、無症状者に対し幅広く検査を実施する場合の検査法として、検体プール検査法と抗原簡易キットが新たに行政検査として実施可能となった。1月22日の事務連絡で都道府県等に通知された。併せて同日、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検体プール検査法の指針」が公表され、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針(第3版)」ではこれらの変更が反映されている。  厚生労働省では、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域(とくに直近 1 週間で中規模[5人以上を目安]以上のクラスターが複数発生している地域)においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院・入所者全員を対象に、一斉・定期的な検査を積極的に実施するよう要請を行っている。

乳がんリスクが高い9遺伝子を推定/NEJM

 英国・ケンブリッジ大学のLeila Dorling氏らBreast Cancer Association Consortium(BCAC)の研究チームは、乳がんリスクのゲノム関連解析の結果、乳がんリスクを予測する遺伝子パネルに組み込む臨床的に最も役立つ遺伝子を特定し、遺伝カウンセリングを導入するためのタンパク質切断型変異による乳がんリスクを推定した。乳がん感受性遺伝子検査は広く用いられるようになったが、多くの遺伝子は乳がんとの関連性に関するエビデンスが弱く、リスク推定値は不正確で、信頼できる亜型特異的リスクのデータも不足していた。NEJM誌オンライン版2021年1月20日号掲載の報告。

超急性期脳梗塞の血管内治療、rt-PA併用に対して非劣性を認めず/JAMA

 急性脳主幹動脈閉塞に対する機械的血栓回収単独療法は、機械的血栓回収+静脈内血栓溶解併用療法と比較し、良好な機能的アウトカムに関して非劣性は示されなかった。日本医科大学の鈴木 健太郎氏らが、医師主導型多施設共同無作為化非盲検非劣性試験「Randomized study of endovascular therapy with versus without intravenous tissue plasminogen activator in acute stroke with ICA and M1 occlusion(SKIP study)」の結果を報告した。急性脳主幹動脈閉塞患者において、機械的血栓回収療法に静脈内血栓溶解の併用が必要かどうかは不明であった。JAMA誌2021年1月19日号掲載の報告。

SGLT2阻害薬とGLP-1作動薬の有効性と有害事象をレビュー(解説:桑島巖氏)-1349

最近の2型糖尿病治療薬の進歩は目覚ましい。DPP-4阻害薬登場によってHbA1cのコントロールは容易になったが、大規模臨床試験では心血管イベント抑制効果は見いだせなかった。しかし、その後登場したSGLT2阻害薬とGLP-1作動薬については、血糖値低下のみならず、心血管イベント、腎障害進展や死亡を抑制するという臨床試験の成績が相次いで発表されている。そして両薬剤は、いまや単に糖尿病治療薬の域を越え、心・腎・脳血管障害予防薬としての地位を確保しつつある。

新型コロナ感染拡大、Go Toトラベルが影響か

 西浦 博氏(京都大学環境衛生学 教授)が率いる研究チームは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行中の旅行者向けキャンペーン(Go Toトラベル)実施による疫学的影響について、キャンペーン実施前後の旅行・観光関連の症例発生率を比較し検証を行った。その結果、Go Toトラベル開始後の1日当たりのCOVID-19発生率は、2020年6月22日~7月21日までの期間と比較して約3倍、7月15~19日の開始直前期間との比較では約1.5倍にまで増加していたことを明らかにした。また、観光目的で感染した人は、6月22日~7月21日の期間との比較では約8倍、7月15~19日との比較では2〜3倍も増加していた。研究者らは「日本での第2波は、8月中旬までに減少し始めたが、Go Toトラベル開始初期の7月22日~26日の間に旅行関連のCOVID-19症例が増加した可能性がある」としている。Journal of Clinical Medicine誌オンライン版2021年2月号掲載の報告。