バングラデシュ貧困地域の妊婦、妊娠早期からの微量栄養素補給で乳児死亡率などが大幅減少 最終更新:2012/05/29 ジャーナル四天王 バングラデシュの貧困地域に住む妊婦に対し、妊娠9週目からの複合微量栄養素補給(multiple micronutrient supplementation;MMS)をすることで、妊娠20週目からの栄養素補給に比べ、乳児死亡率や5歳未満死亡率が大幅に減少することが明らかにされた。スウェーデン・ウプサラ大学病院の、Lars Ake Persson氏らが、バングラデシュの貧困地域に住む約4,400人の妊婦を対象に行った試験の結果で、JAMA誌2012年5月16日号で発表した。
医師やケースマネジャーへの教育で、ACSのエビデンスに基づく治療実施率が増大 最終更新:2012/05/29 ジャーナル四天王 ブラジルの公立病院で、急性冠症候群(ACS)の治療に関し、医師向けの教育資料やケースマネジャーの訓練といった質改善プログラムの介入を行うことで、エビデンスに基づく治療を受ける患者の割合は、有意に増大することが明らかにされた。ブラジル・Research Institute HCorのOta’vio Berwanger氏らが行った、BRIDGE-ACS(Brazilian Intervention to Increase Evidence Usage in Acute Coronary Syndromes)試験の結果で、JAMA誌2012年5月16日号で発表した。先行研究から、ACSの患者は、特に低・中所得国の医療現場でエビデンスに基づく治療を受けていない現状が明らかになっていた。
東日本大震災1年 透析患者移送その後の記録 最終更新:2012/05/29 医療一般 財団法人ときわ会 常磐病院新村 浩明 2012年5月28日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 東日本大震災からすでに1年以上が経過しました。以前、この場をお借りして東日本大震災時の透析患者移送に関して報告させていただきました。(Vol.404 東日本大震災透析患者移送体験記 http://medg.jp/mt/2012/02/vol404.html)震災から1年を経過したのを機に、ときわ会グループのうち、震災時に透析移送にかかわった4施設(いわき泌尿器科、常磐病院、泉中央病院、富岡クリニック)において透析されていた方々のこの1年の経過をまとめてみましたのでここに報告したいと思います。
転移性大腸がんにおけるXELOX+ベバシズマブ:dose-denseと標準スケジュールとの比較 最終更新:2012/05/29 比較 米国の転移性大腸がん患者に対する第II相無作為化比較試験において、「2週ごとdose-dence XELOX〔カペシタビン(商品名:ゼローダ)+オキサリプラチン(商品名:エルプラット)、2週ごと、カペシタビン7日間投与〕+ベバシズマブ(商品名:アバスチン)」は、「標準的なXELOX(3週ごと、カペシタビン14日間投与)+ベバシズマブ」に比べて、有効性、安全性とも下回ることが、The Oncologist誌オンライン版2012年5月23日号に報告された。この結果から、Hurwitz氏は「2週ごとdose-dence XELOX+ベバシズマブは、米国の転移性大腸がん患者の1stライン治療には推奨できない。現在の標準的な3週ごとのXELOXが、転移性大腸がんの治療に適している」と結論している。
パリペリドンはリスペリドンよりも安全性プロファイルが良好 最終更新:2012/05/29 比較 Yoon氏らはパリペリドン徐放剤(ER)とリスペリドン両薬剤間に安全性プロファイルの違いがあるかをプラセボ対照二重盲検比較試験にて検討した。著者らは「パリペリドンERは主観的な陰性症状や認知機能への影響が少なく、安全性プロファイルが良好な薬剤だと考えられる」と結論づけている。この論文は、Hum Psychopharmacol誌2012年5月号に掲載された。
アログリプチンとメトホルミンの国内併用試験 最終更新:2012/05/29 医療一般 日本人2型糖尿病患者を対象に、メトホルミン+アログリプチン併用療法とメトホルミン単剤療法の有効性と安全性を比較した国内試験結果が発表された。関西電力病院の清野氏らによる研究で、Diabetes Obes Metab誌オンライン版に2012年5月14日掲載された。 対象は食事療法、運動療法に加えてメトホルミン(500 mg /日または750 mg /日)を追加しても血糖コントロールが不十分な日本人2型糖尿病患者288名。無作為二重盲検並行群間比較法により、メトホルミン投与に加え、アログリプチン(12.5 mg/日または25mg/日)またはプラセボを1日1回12週間投与した。
「Breaking up with Diabetes」にむけて ~第55回日本糖尿病学会年次学術集会 レポート~ 最終更新:2012/05/29 医療一般 参加者が約1万3千人と、過去最大の規模となった今回の学術集会。演題数は2,284題と過去最高となり、「糖尿病領域」の盛り上がりを肌で感じられる学会であった。
南相馬市立総合病院での初期研修について 最終更新:2012/05/28 医療一般 亀田総合病院初期研修医1年 山本 紘輝 2012年5月27日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。 初めに、昨年起こった東北地方太平洋沖地震でお亡くなりになられた方にお悔やみ申し上げます。南相馬市立総合病院にて実習をおこなった経験から、当院における今後の研修の可能性について私見を述べさせて頂きます。
カルバペネム系抗生物質注射製剤「フィニバックス」 化膿性髄膜炎の効能・効果などの承認取得 最終更新:2012/05/28 医療一般 塩野義製薬は25日、カルバペネム系抗生物質注射製剤「フィニバックス点滴静注用0.25g、同0.5g、フィニバックスキット点滴静注用0.25g(一般名:ドリペネム水和物)」について、化膿性髄膜炎の効能・効果及び小児に対する用法・用量の承認を取得したと発表した。
高血圧・狭心症・不整脈治療剤「インデラル」不整脈に対する小児等の用法・用量の追加承認を取得 最終更新:2012/05/28 医療一般 アストラゼネカは25日、高血圧・狭心症・不整脈治療剤「インデラル錠10mg/20mg(一般名:プロプラノロール塩酸塩)」に関し、公知申請を行っていた、不整脈における小児の用法・用量の追加について、同日付で承認を取得したと発表した。
第34回 日本血栓止血学会学術集会のご案内 会長の内山氏より 最終更新:2012/05/28 医療一般 2012年6月7~9日に新宿のハイアットリージェンシー東京で第34回日本血栓止血学会学術集会が行われます。会長の内山真一郎氏より寄稿文をいただきました。是非ご覧ください。
1973~2009年の健康と雇用、経済動向との関連:英国一般世帯調査 最終更新:2012/05/25 ジャーナル四天王 1973~2009年の間の、健康と雇用、経済動向との関連をみた結果、男女とも、健康と雇用確保・維持との関連は強くなっていることが明らかとなった。英国・シェフィールド大学のJonathan William Minton氏らの調査結果による。社会階級と健康状態、経済活動との有害な関連については、1973~1993年の間の観察結果が1996年のBMJで発表されていた。Minton氏らは、その後の1994~2009年の間も、経済情勢や全国民の健康状態は改善しているが、有害な関連は続いていたかどうかを調査した。BMJ誌2012年5月12日号(オンライン版2012年5月4日号)掲載報告より。
バレニクリン、心血管重大有害イベントの有意な増大との関連認められず:メタ解析 最終更新:2012/05/25 ジャーナル四天王 米国・カリフォルニア大学のJudith J Prochaska氏らによるメタ解析の結果、禁煙補助薬バレニクリン(商品名:チャンピックス)服用による、心血管系の重大有害イベントの有意な増大は認められなかったとの報告が発表された。解析にはこれまで発表された全データが含まれ、服用中に起きたイベントに焦点を絞り、4つの要約推定値(summary estimates)を用いて行われた。バレニクリンをめぐっては、心血管系の深刻な有害事象リスクが議論になっているが、その解析手法が適切ではないのではとの指摘があり、米国FDAがさらなる解析を行うことを求めていた。BMJ誌2012年5月12日号(オンライン版2012年5月4日号)掲載報告より。
ワルファリン投与終了後のアスピリン投与で静脈血栓塞栓症の再発は予防可能か? 最終更新:2012/05/25 比較 Becattini氏らWARFASA研究グループは24日、抗凝固療法を中止した、誘因のない静脈血栓塞栓症患者に対するアスピリン投与により、再発リスクが低下することをNEJM誌に発表した。アスピリンの投与による重大な出血のリスクに明らかな上昇は認められなかった。
日本人の睡眠満足度は低い「より積極的な問診が必要」-日米仏3ヵ国睡眠調査より- 最終更新:2012/05/25 疫学(頻度) 現代では24時間型の生活習慣による生活の乱れや、高齢化、ストレスに満ちた社会環境などにより、国民の約5人に1人は睡眠に悩んでいるといわれ、不眠症は誰にでも起こりうる現代病のひとつといえる。不眠は、集中力や気力、充実感といった日中パフォーマンスの低下を招くだけでなく、糖尿病や高血圧をはじめとする生活習慣病やうつ病のリスクともなる。
インタビュー:ときわ病院 精神神経科・内科 宮澤 仁朗氏 ~剤形から考える抗精神病薬の服薬アドヒアランス~ 最終更新:2012/05/25 医療一般 統合失調症治療では、患者が積極的に治療に参加することで服薬アドヒアランスの向上を促し、再燃・再発の抑制が期待できるといわれている。治療参加の方法の1つとして、患者自身による薬剤や剤形の選択があげられる。現在、抗精神病薬は各製品ごとに様々な剤形が販売されているが、2012年5月、非定型抗精神病薬のアリピプラゾール(製品名:エビリファイ)の新たな剤形として口腔内崩壊錠(以下、OD錠)が発売された。薬物治療の選択肢がさらに増えた現状を踏まえ、患者の剤形選択の現状や、今後の剤形開発に対する期待などについて、ときわ病院 精神科 宮澤仁朗氏にお話を伺った。宮澤氏はこれまでに、数々の抗精神病薬の治験に携わり、新しい剤形の開発時のアドバイザーとして活躍するなど、積極的に新薬に関する考察を述べられている。
進行期のホジキンリンパ腫への6サイクルBEACOPP+放射線療法 最終更新:2012/05/24 ジャーナル四天王 進行期のホジキンリンパ腫の最も有望な治療法と目されている多剤併用化学療法のBEACOPPに関して、標準としてきた8サイクルと比べて、6サイクル+PET活用の放射線療法が、無治療失敗(FFTF)についてより効果があり、かつ8サイクルで懸念される毒性を低減することが示された。ドイツ・ケルン大学病院のAndreas Engert氏らによる無作為化オープンラベル非劣性試験の結果で、Engert氏は、「6サイクル+PET活用の放射線療法を、進行期ホジキンリンパ腫の治療選択肢の一つとすべきであろう」と結論した。また化学療法後のPET活用の有用性について、「追加的な放射線療法に欠かせないもの」とまとめている。Lancet誌2012年5月12日号(オンライン版2012年4月4日号)掲載報告より。
妊娠初期の中絶、ミソプロストール投与で術後合併症を有意に低下 最終更新:2012/05/24 ジャーナル四天王 妊娠初期の人工妊娠中絶について、プロスタグランジンアナログ製剤のミソプロストール(商品名:サイトテック、本邦では抗NSAID潰瘍剤としてのみ承認、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与禁忌)400μgの経膣投与により、吸引法単独と比べて合併症を低下することが明らかにされた。これまで、ミソプロストールを用いた人工妊娠中絶の合併症発生率については有用な情報がほとんどなかったが、世界保健機関(WHO)のOlav Meirik氏らが国際多施設共同無作為化試験を行い報告した。Lancet誌2012年5月12日号(オンライン版2012年3月8日号)掲載報告より。
わが国の認知症有病率は従来の報告よりかなり高い:第53回日本神経学会学術大会より 最終更新:2012/05/24 疫学(頻度) わが国の最新の全国調査によると、65歳以上の認知症有病率は14%と推計され、これまで報告されていた有病率(3.8~7.2%)と比較して明らかに高くなっていることが、現在開催中の第53回日本神経学会学術大会(5月22日~25日、東京国際フォーラム)における認知症疫学に関するシンポジウムにて、筑波大学 朝田 隆氏より報告された。
双極性障害患者の「うつ症状」は心血管イベントリスクを高める 最終更新:2012/05/24 疫学(危険因子) Slomka氏らは双極性障害患者の気分症状と心血管イベント(CVD)リスクとの関係を調査し、「双極性障害患者のうつ症状は10年後のCVDによる死亡リスクと関連する」ことを報告した。この論文は、J Affect Disord誌2012年5月号(オンライン版2月21日付)に掲載された。