「双極性障害に対する薬物療法レビュー」世界精神医学会(WPA)での報告

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ケアネット

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Fountoulakis氏らは2012年3月10までに更新された双極性障害に対する薬物療法に関するランダム化比較試験のシステマティックレビューをおこなった。Eur Arch Psychiatry Clin Neurosci誌オンライン版2012年5月24日掲載の報告より。

主な結果は以下のとおり。

・急性躁症状に対しリチウム、第1世代抗精神病薬、第2世代抗精神病薬、バルプロ酸、カルバマゼピンが有効であることが示唆された。
・クエチアピンとオランザピン/フルオキセチンの併用は双極性障害のうつ症状に対し有効である。
・抗躁薬の単剤投与を目指し、抗うつ薬は併用のみで使用した方が良い。
・リチウム、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾールは維持治療期に有効である。
・ラモトリギンはうつ症状の予防に有効である。また、躁症状への有効性は明らかになっていない。
・薬物療法の補助療法として心理社会的介入が有効であるとも報告されている。
・電気ショック療法は難治例でのオプションとなりうる。
・リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピンに対し部分奏効した急性躁病患者では抗精神病薬の併用が効果的である。
・急性双極性うつ病に対しリチウム+ラモトリギンは最良の選択肢である。
・単剤治療移行中の悪化時にみられる急性症状に対しオランザピン、バルプロ酸、抗うつ薬、ラモトリギンの併用は有効である。

著者は最後に、
「双極性障害に対する治療選択肢は増えてきたが、まだ十分ニーズを満たしているとはいえない。併用療法をおこなうことで転帰の改善が期待できるようになったが、一方で副作用も問題となっている。今後、段階的かつ合理的な治療をおこなうためにガイドラインやアルゴリズムが整備されることを願う」としている。

(ケアネット 鷹野 敦夫)

原著論文はこちら

Fountoulakis KN,et al. Eur Arch Psychiatry Clin Neurosci.2012;253:1-48.

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