脳卒中再発予防のためには、一過性脳虚血発作(TIA)症状をどこまで広くとらえるべきか?(解説:森本悟氏)-1372
日本脳卒中学会(2019)や国際疾病分類(ICD-11)により、一過性脳虚血発作(TIA)とは、“局所脳または網膜の虚血に起因する神経機能障害の一過性のエピソードであり、急性梗塞の所見がないもの。かつ、神経機能障害のエピソードは、長くとも24時間以内に消失すること。”と定義されている。また、1975年の米国国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)による報告では、突然発症の“複視、構音障害、眩暈、失調、感覚低下、両側の視覚障害”といった非進行性かつ単発の症状は、TIAとしては典型的ではないとしている(Stroke. 1975;6:564-616.)。2017年にLavallee氏らが、これらの症状をisolated atypical transient symptomsとして、1年後の脳卒中再発率を検討したところ、典型的なTIA患者と比較しても差は認められなかった(Lavallee PC, et al. Stroke. 2017;48:1495-1500.)。