神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:127

アルツハイマーの認知機能低下、冠動脈疾患で加速

 冠動脈疾患(CHD)がアルツハイマー病(AD)における認知機能低下を加速させるかどうかを、ドイツ・ボン大学のMarkus Bleckwenn氏らがプライマリケアでの前向き縦断的コホート研究で検討したところ、CHDは晩期発症型の高齢認知症患者における認知機能低下に有意に影響を及ぼすことが認められた。心血管疾患の予防が認知症の進行に影響するかもしれない。The British journal of general practice誌オンライン版2016年12月19日号に掲載。

母親のジカウイルス感染時期と児の先天性異常リスク/JAMA

 米国のジカウイルス感染妊婦の胎児および乳幼児の6%に、ウイルス感染関連の先天性異常を認め、感染が妊娠初期の場合は11%に上り、とくに脳異常や小頭症が多いことが、米国疾病対策予防センター(CDC)のMargaret A Honein氏らUS Zika Pregnancy Registry Collaborationの調査で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2016年12月15日号に掲載された。妊娠初期のジカウイルス感染妊婦の胎児/乳幼児における小頭症のリスクは、仏領ポリネシアのデータでは約1%、ブラジル・バイア州では1~13%と報告されている。2009~13年に米国で実施されたジカウイルス感染がない妊婦の調査では、小頭症の発症率は生児出産1万人当たり約7件であったが、感染妊婦におけるリスクの程度は知られていなかった。

大麻常用者では網膜電図の潜時が有意に延長

 大麻の使用は公衆衛生上の重要な問題であり、大麻が中枢神経系の神経伝達に作用することが知られている。フランス・Pole Hospitalo-Universitaire de Psychiatrie du Grand NancyのThomas Schwitzer氏らは、複雑な精神現象における脳神経伝達異常の直接的なマーカーとして網膜機能を用いた、症例対照研究を行った。その結果、大麻の常用者では、網膜神経節細胞の活動電位伝導の遅れが認められたことを明らかにした。これは、視覚の変化を裏付けるものだという。著者は「大麻使用が網膜処理に影響を及ぼすことが認められた。大麻の中枢神経系に対する神経毒性作用が浮き彫りになったことは、公衆衛生の観点から重要と思われる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年12月8日号掲載の報告。

もしアルツハイマー病の正確な無料診断があったら

 米国高齢者がアルツハイマー病を予測する検査を受けたいのか、また検査が行動に影響を及ぼすかは不明である。米国・スタンフォード大学のMeera Sheffrin氏らは、代表的なサンプルを使用し、将来のアルツハイマー病を正確に予測する無料検査を受けるかどうか、そのような検査を行うことが事前ケア計画にどのような影響を及ぼすかを調査した。Alzheimer's research & therapy誌2016年12月13日号の報告。

胎児脳異常の診断に子宮内MRIが有用/Lancet

 子宮内MRI(iuMRI)は、胎児の脳異常の診断精度(diagnostic accuracy)と診断確度(diagnostic confidence)を改善し、多くの胎児で臨床管理の変更をもたらすとともに、妊婦の受容性も優れることが、英国・シェフィールド大学のPaul D Griffiths氏らが実施したMERIDIAN試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年12月14日号に掲載された。胎児脳異常の診断では、超音波検査の補助手段としてiuMRIが有望とされるが、相対的な診断能はよく知られていないという。

認知症患者のQOLは介護従事者による緩和ケアの理解で向上する可能性:都医学研

 認知症緩和ケア(palliative care)には、ファーストライン治療として心理社会的介入が含まれる。しかし、日本における認知症計画は、認知症緩和ケアによる推奨に反している。東京都医学総合研究所の中西 三春氏らは、日本のコミュニティケア環境における認知症患者のケアの質と認知症緩和ケアに対するprofessional caregiver(仕事として対価を得る介護提供者全般)の視点との関連性を検討した。International journal of geriatric psychiatry誌オンライン版2016年11月17日号の報告。

新規アルツハイマー型認知症治療剤の発売による処方動向の変化:京都大

 現在、国内においては4種類のアルツハイマー型認知症(AD)治療剤が使用可能であるが、2011年までは1剤しか存在しなかった。京都大学の門原 公子氏らは、2011年の新規AD治療剤発売前後における日本人外来患者の処方動向を明らかにするため検討を行った。Neurology and therapy誌オンライン版2016年11月28日号の報告。

頭髪分析による薬物モニタリング、頭痛患者での精度は

 慢性的に治療している頭痛患者の服薬アドヒアランスをモニタリングするため、頭髪分析が有益なのかという可能性について、イタリアのモデナ・レッジョ・エミリア大学のAnna Ferrari氏らが評価した。本研究では、(1)頭痛患者の頭髪における23種類の薬剤検出率(2)患者が自己報告した薬剤と頭髪から検出された薬剤の一致度(3)患者自己報告の薬剤摂取量に頭髪から検出されたレベルが反映されているかについて分析を行った。European journal of clinical pharmacology誌オンライン版2016年11月20日号の報告。