神経内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:130

脳梗塞の血栓除去療法、7.3時間以内がアウトカム良好/JAMA

 米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のJeffrey L. Saver氏らが、これまでに発表された無作為化試験についてメタ解析を行った結果、大血管虚血性脳卒中の患者に対し、血栓除去療法と薬物療法を早期に行うことで、薬物療法のみを行った場合に比べて、3ヵ月後の障害の程度は有意に低かった。また、血栓除去療法は、症状発症から7.3時間以内に行うことで3ヵ月後のアウトカムがより良好となり、7.3時間以降に実施した場合は、アウトカムについて有意差は認められなかった。第2世代デバイスを用いた血栓除去術の有益性は認められているが、施術時間に関するアウトカムについて詳細は示されていなかった。JAMA誌2016年9月27日号掲載の報告。

地中海ダイエットは認知症予防に効果があるのか

 地中海ダイエット(MD)が認知機能低下や認知症を予防することを示唆するエビデンスが増加している。多くの疫学研究やいくつかの無作為化比較試験(RCT)において、認知機能に対するMDの正の効果が確認されているが、調査結果に一貫性はない。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのSara Danuta Petersson氏らは、認知機能、認知機能障害、アルツハイマー病(AD)、すべてのタイプの認知症に対するMDの影響について、現時点の情報をアップデートするためシステマティックレビューを行った。Advances in nutrition誌2016年9月号の報告。

認知症予防にベンゾジアゼピン使用制限は必要か

 ベンゾジアゼピン(BDZ)による有害作用と同時に、BDZやz薬(BDZR)使用による認知・記憶への影響も知られており、高齢者に対するBDZRと認知症リスクとの関連は大きな議論を呼んでいる。コホートや保険請求データによるこれまでの研究の多くでは、BDZやBDZR使用による認知症リスク増加が示されている。これまでドイツでは、大規模な人口ベースデータセットによる分析が不足していた。ドイツ神経変性疾患センターのWilly Gomm氏らは、大規模なドイツ保険請求データセットを用いて、定期的なBDZR使用と認知症事象との関連を評価した。Journal of Alzheimer's disease誌2016年9月6日号の報告。

認知症者に対する抗精神病薬処方は地域差が大きい

 認知症高齢者に対する抗精神病薬使用は、安全規制により最近10年間で減少しているが、依然として使用率は高い。地理的条件差異が、臨床診療の相違や行動症状の管理のためのエビデンスに基づくガイドラインの遵守の欠如に影響している可能性がある。デンマーク・コペンハーゲン大学のJohanne Kobstrup Zakarias氏らは、認知症ケアにおける抗精神病薬使用の地理的条件差異について調査した。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2016年8月24日号の報告。

感覚トリックで患者の半数の眼周囲ジストニア症状が緩和

 良性本態性眼瞼痙攣患者や片側顔面痙攣患者の中には、感覚トリックを利用して症状を緩和させている患者もいることが知られている。感覚トリックの利用と重症度およびボツリヌス毒素療法との関連はわかっていなかったが、英国・St Mary's HospitalのCaroline L. S. Kilduff氏らによる前向き横断観察研究の結果、患者の半数は感覚トリックを利用しており、それは重症度と関連していたがボツリヌス毒素療法とは関連していないことが明らかとなったと報告した。今回の研究について著者は、「今後、たとえば感覚トリックの使用についてアドバイスしたり装置を作ったり、治療方針を考えるうえで役に立つかもしれない」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2016年9月8日号の掲載の報告。

性行為は認知機能を上げる? 50歳以上の男女

 健康な50歳以上の男女において、性行為は認知機能向上との関連が認められることが、英国・コヴェントリー大学のHayley Wright氏らの研究で明らかになった。過去12ヵ月で性行為を行った男性は実行機能と記憶機能、女性は記憶機能が、行わなかった人と比べて有意に高かった。この関連のメカニズムとしては、現在、神経伝達物質がメディエーターとして働いている可能性が議論されている。50歳以上の人に対して、医療現場での性カウンセリングを促進することで、認知機能のささやかな向上が見込めるかもしれない。Age and ageing誌2016年3月号の報告。

若年性認知症の診断、どうあるべき―医師、患者の観点から

 高齢化と結び付けて考えられるのが“常識”となっている認知症。はたして本当にそうなのだろうか。先月、都内で日本イーライリリー株式会社がプレスセミナーを開催し、専門医による認知症の診断や治療をめぐる現状と課題についての講演と、若年性認知症の診断を受けた当事者が、診断を取り巻く環境や自身の体験について語るディスカッションが行われた。

各認知症の重症度とBPSD:大阪大

 認知症の中核症状と周辺症状(BPSD)は、認知症者の予後に負の影響を及ぼし、介護者の負担を増大させる。大阪大学の數井 裕光氏らは、4つの主要な認知症において疾患重症度別に12種類のBPSD経過の違いを明確化し、日本多施設研究(J-BIRD)のデータを用いBPSDの頻度、重症度、介護者の負担を示すグラフを開発した。PLOS ONE誌2016年8月18日号の報告。