認知症予防に歩行時間が大きく寄与~日本人1万4千人のデータ
歩行時間が認知症発症に与える影響について、東北大学の遠又 靖丈氏らが65歳以上の日本人コホートで検証した。その結果、全員が1日1時間以上歩けば認知症発症の18.1%の減少に寄与すると推定され、歩行時間が認知症発症予防に少なからぬ影響を与えることが示唆された。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2018年10月22日号に掲載。
本研究では、65歳以上の1万3,990人のデータを分析しハザード比を推定した。1日歩行時間(0.5時間未満、0.5~1時間、1時間以上)は自己申告のアンケートから評価した。また、公的介護保険データベースを検索し、5.7年間の認知症データを取得した。Coxモデルを用いて認知症の多変量調整ハザード比(HR)を推定後、国民健康・栄養調査における有病率を用いて人口寄与割合(population attributable fraction:PAF)を算出した。