内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:544

インスリン抵抗性の脳梗塞/TIA例、ピオグリタゾンが効果/NEJM

 非糖尿病だがインスリン抵抗性を認め、虚血性脳卒中または一過性脳虚血発作(TIA)を発症した患者に対し、ピオグリタゾンを投与することで、脳卒中または心筋梗塞リスクがおよそ4分の3に減少することが示された。糖尿病の発症リスクについても、ピオグリタゾン投与により半減したという。米国・イェール大学のW.N. Kernan氏らによる4,000例弱を対象に行った多施設共同無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌オンライン版2016年2月17日号で発表された。

糖尿病患者へのRAS阻害薬、他の降圧薬より優れるのか?/BMJ

 糖尿病患者へのレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬の使用について、他の降圧薬と比べて心血管リスクや末期腎不全リスクへの影響に関して優越性は認められないことを、米国・ニューヨーク大学医学部のSripal Bangalore氏らが、19の無作為化試験について行ったメタ解析で明らかにした。多くのガイドライン(2015米国糖尿病学会ガイドライン、2013米国高血圧学会/国際高血圧学会ガイドラインなど)で、糖尿病を有する患者に対しRAS阻害薬を第1選択薬として推奨しているが、その根拠となっているのは、20年前に行われたプラセボ対照試験。対照的に、2013 ESH/ESCガイドラインや2014米国合同委員会による高血圧ガイドライン(JNC8)は、近年に行われた他の降圧薬との試験結果を根拠とし、RAS阻害薬と他の降圧薬は同等としている。BMJ誌オンライン版2016年2月11日号掲載の報告。

電子カルテ時代に抗菌薬不適切使用を減らす手法はあるか?(解説:倉原 優 氏)-484

当然ながら、上気道感染症のほとんどに抗菌薬の処方は不要とされている。しかしながら、多くの病院やクリニックでは、安易に抗菌薬が処方されている。これは、患者からの希望、クリニックの評判、何か処方しないと満足度が得られない、抗菌薬が不要であることのインフォームドコンセントの時間が十分取れない、など医学的な側面以外の問題が影響しているかもしれない。当院でも、上気道症状を有する患者の多くは、すでに近医でフルオロキノロンを処方された状態で来院してくる。

コーヒーと膀胱がんリスク~わが国のコホート研究

 コーヒー摂取と膀胱がんリスクの関連について、最近の疫学的研究の結果は一致していない。東北大学の杉山 賢明氏らは、宮城県で実施された2つのコホート研究(宮城県コホート研究、大崎コホート研究)のプール解析により、コーヒー摂取と膀胱がん罹患率との関連を調べた。その結果、コーヒー摂取と膀胱がんリスクの間に有意な逆相関が示された。European journal of cancer prevention誌オンライン版2016年2月12日号に掲載。

認知症発症率は過去30年間で低下:フラミンガム心臓研究/NEJM

 フラミンガム心臓研究の参加者では、30年間に認知症の発症率が経時的に低下していることが、米国・ボストン大学医学部のClaudia L Satizabal氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2016年2月11日号に掲載された。認知症の有病率と関連医療費は、平均寿命の延長に伴い急速に増加すると予測されているが、高所得国では年齢別の認知症発症率(=特定の年齢層における認知症リスク)が減少しているという。時間的傾向(temporal trend)は、典型的な地域のサンプル集団において、新規の症例を一貫性のある診断基準を用いて継続的にモニタリングすることで信頼性が最も高くなるが、この条件を満たす既報のデータは限られている。

標準対強化禁煙薬物治療の初ガチンコ。非盲検比較試験結果によると禁煙率は同等!(解説:島田 俊夫 氏)-482

深刻な喫煙による健康被害のために、薬物治療を徹底的に比較評価することは禁煙率改善上重要である。2016年1月26日発行のJAMA誌に掲載された米国・ウイスコンシン大学公衆衛生学部門のTimothy B. Baker氏らは、禁煙治療に関心を持つ成人に対して、ニコチンパッチ、バレニクリン、併用ニコチン代替治療(C-NRT:ニコチンパッチ+ニコチントローチ)を使って12週間薬物治療後、26週、52週後の禁煙率を生化学的検査により裏付けた結果から評価し、3群間に有意差は認めなかったと報告した。

上気道炎での不適切な抗菌薬処方を減らすには?/JAMA

 プライマリケアにおける急性上気道炎の抗菌薬不適切処方を減らすには、処方理由を書かせること、不適切処方割合の順位付けを行いメールで知らせる(ピア比較)介入が効果的である可能性が、米国・南カリフォルニア大学のDaniella Meeker氏らが248人のプライマリケア医を対象に行ったクラスター無作為化試験の結果、示された。JAMA誌2016年2月9日号掲載の報告。

食品からのフラボノイド摂取は体重管理に有用か/BMJ

 フラボノイド(とくにフラボノール、フラバン-3-オール、アントシアニン、フラボノイドポリマー)を豊富に含む、リンゴ、西洋なし、ベリー類、ピーマンなどの果物や野菜を多く食べることは、体重管理に有用であることを、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のMonica L Bertoia氏らが、3つの大規模前向きコホート研究、合わせて約12万4,000人を最長24年追跡したデータを解析し、明らかにした。フラボノイドは天然に存在する生理活性化合物で、果物や野菜に含まれている。これまで、果物や野菜類の摂取量が多いと体重が増加しにくいことや、緑茶に含まれるフラボノイドが脂肪吸収の減少とエネルギー消費の増加などに関与していることが報告されていた。しかし、体重の減少に関する研究の多くは、緑茶で発見されたフラバン-3-オールに関するもので、試験参加人数も限られていた。著者は、「今回の研究成果は、肥満の予防や肥満の悪影響リスクを低減する食事摂取基準の見直しに役立つ可能性がある」とまとめている。BMJ誌オンライン版、2016年1月28日号掲載の報告。

魚介類が持っている水銀、認知症とは関連せず/JAMA

 魚介類摂取頻度が増えると、脳内水銀量は増加するものの、アルツハイマー型認知症を示唆する脳神経病理とは関連しない。また、アポリポ蛋白E(APOEε4)遺伝子を持つ人では、魚介類摂取がアルツハイマー病リスクの軽減とつながっていることを、米国・ラッシュ大学メディカルセンターのMartha Clare Morris氏らが、高齢者286例の剖検脳と生前の魚介類摂取頻度との関連を分析した結果、明らかにした。JAMA誌2016年2月2日号掲載の報告より。