内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:542

早期アルツハイマー病診断に有用な方法は

 アミロイドPET検査ならびにCSFバイオマーカーは、いずれも高い精度で早期アルツハイマー病を診断できることを、スウェーデン・ルンド大学のSebastian Palmqvist氏らがBioFINDER研究で明らかにした。最も有効なCSF測定値とPET検査所見の間に違いはなく、それらを組み合わせて使用しても精度は向上しなかったことから、著者らは「早期アルツハイマー病の診断においてCSFバイオマーカーとアミロイドPET検査はどちらも精度は同等に高いので、利便性、費用、医師や患者の好みによる選択が可能である」とまとめている。Neurology誌2015年10月号の掲載報告。

高齢者の服薬、併存疾患の組み合わせの確認を/BMJ

 米国・イェール大学医学部のMary E Tinetti氏らは複数の慢性疾患を有する高齢者の、ガイドラインに基づく服薬と死亡の関連を調べた。その結果、とくに心血管薬の生存への影響は、無作為化試験の報告と類似していたが、β遮断薬とワルファリンについて併存疾患によりばらつきがみられたことを報告した。また、クロピドグレル、メトホルミン、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は、生存ベネフィットとの関連がみられなかったという。結果を踏まえて著者は、「併存疾患の組み合わせによる治療効果を明らかにすることが、複数慢性疾患を有する患者の処方せんガイドになるだろう」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年10月2日号掲載の報告より。

インフルエンザ関連肺炎患者に多いワクチン未接種/JAMA

 市中肺炎で入院した小児および成人を対象に、インフルエンザ関連肺炎患者群と非関連肺炎患者群のインフルエンザワクチン接種率を調べた結果、前者のほうが低く未接種者の割合が多かったことが示された。米国・ヴァンダービルト大学医学部のCarlos G. Grijalva氏らが、市中肺炎入院を評価する多施設共同前向き観察研究Etiology of Pneumonia in the Community(EPIC)のデータを分析し、報告した。これまで、インフルエンザワクチン接種と、インフルエンザの重篤合併症の肺炎との関連を評価した研究はほとんど行われていなかった。JAMA誌2015年10月13日号掲載の報告。

脳梗塞と脳出血の発症しやすい季節

 国立病院機構南京都病院の重松 一生氏らは、京都府医師会脳卒中登録に登録された約1万4千例のデータから、虚血性脳卒中と出血性脳卒中の発症比率の季節変動を検討した。その結果、脳卒中の種類により季節変動性が異なり、脳出血/脳梗塞、くも膜下出血/脳梗塞におけるオッズ比は、年齢・性別・危険因子に関係なく、夏で低くそれ以外の季節で高いことが認められた。Acta Neurologica Scandinavica誌2015年12月号に掲載。

食事性Caを増やしても骨折予防せず/BMJ

 食事性のカルシウム摂取増量が骨折を予防するとの臨床試験エビデンスはなく、食事性カルシウム摂取と骨折リスクは関連が認められないとの見解を、ニュージーランド・オークランド大学のMark J Bolland氏らが、システマティックレビューの結果、報告した。また、カルシウムサプリメントの骨折予防もエビデンスは弱く、一貫性がみられないと報告している。高齢男女には骨折予防として、1日少なくとも1,000~1,200mgのカルシウム摂取が推奨されている。多くの人がこの推奨達成のためにカルシウムサプリメントを服用しているが、最近の試験で、カルシウムサプリメント摂取の安全性に関する懸念が持ち上がった。そこで専門家はサプリメントではなく食事性のカルシウム摂取増量を奨励するようになったが、食事性カルシウム摂取増量の骨折予防効果については明らかになっていなかった。BMJ誌オンライン版2015年9月29日号掲載の報告。

収縮期血圧20mmHg上昇でPADリスク63%増大/BMJ

 収縮期血圧値が標準よりも20mmHg高いと末梢動脈疾患(PAD)リスクは63%上昇することが、英国・オックスフォード大学のConnor A Emdin氏らによる大規模コホート研究の結果、示された。これまで、血圧上昇とPADリスク増大の関連に関するエビデンスは限定的なものであった。今回、研究グループは、23年間約420万人分の英国プライマリケアの電子カルテ記録を基に分析した。結果を踏まえて著者は、「血圧上昇は幅広い患者群の強いリスク因子である」と結論し、「臨床医は、PADは慢性腎臓病、虚血性心疾患、心不全、心房細動、脳卒中などその他の血管イベントのリスクを増大することを認識しなければならない」と述べている。BMJ誌オンライン版2015年9月29日号掲載の報告。

重度肥満の男子で心血管代謝系リスクが増大/NEJM

 小児および若年成人では、重度の肥満は心血管代謝系のリスク因子の保有率を増大させ、とくに男子でその傾向が強いことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のAsheley C Skinner氏らの検討で示された。近年、米国では小児・若年成人の重度肥満の有病率が上昇し、この年齢層の心血管および代謝系の健康状態への懸念が高まっているが、心血管代謝系のリスク因子の保有状況はよく知られていない。また、小児・若年成人では、過体重・肥満者はリスク因子の保有率が高いことが指摘されているが、従来の単一カテゴリーによる肥満分類では、肥満の多彩な重症度を説明するのは難しいという。NEJM誌2015年10月1日号掲載の報告。

糖尿病患者 喫煙で総死亡リスクが1.55倍に

 能動喫煙は、糖尿病患者の総死亡および心血管イベント発症リスクの上昇と有意に関連することが、中国・華中科技大学のAn Pan氏らの研究により明らかになった。また、禁煙した群では、現在喫煙している群と比べて、これらリスクの低下が認められた。この研究結果は、糖尿病患者に禁煙を勧めるための強力なエビデンスとなると考えられる。Circulation誌オンライン版2015年8月26日号の報告。