内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:547

前糖尿病状態は心血管疾患リスクと関連/BMJ

 前糖尿病状態(耐糖能異常、空腹時血糖異常、HbA1c高値)は心血管疾患のリスク増加と関連しており、空腹時血糖値5.6mmol/L(=100.8mg/dL)以上またはHbA1c 39mmol/mol(NGSP 5.7%)以上で健康リスクが高まる可能性があることを、中国・第一人民病院のYuli Huang氏らが、前向きコホート研究のシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。前糖尿病状態の患者は世界的に増えているが、前糖尿病状態を定義する空腹時血糖異常やHbA1cのカットオフ値はガイドラインで異なっている。また、全死因死亡および心血管イベントとの関連性に関する報告も一貫していなかった。BMJ誌2016年11月23日号掲載の報告。

飽和脂肪酸の多量摂取、冠動脈性心疾患リスクを増大/BMJ

 主要な飽和脂肪酸(SFA)の多量摂取は、冠動脈性心疾患リスクを増大することが、大規模コホート試験で確認された。また、摂取SFAのうち大半を占めるラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸の摂取エネルギーを、不飽和脂肪酸や植物性タンパク質などに置き換えると、同発症リスクは有意に低下し、なかでもパルミチン酸の置き換え低減効果が大きいことも示された。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のGeng Zong氏らが、医療従事者追跡調査(Health Professionals Follow-up Study)と看護師健康調査(Nurses’ Health Study)の男女2つの大規模コホートについて分析し明らかにしたもので、これまで大規模コホート試験で、個別の飽和脂肪酸と冠動脈性心疾患の関連を示した研究結果はほとんどなかったという。BMJ誌2016年11月23日号掲載の報告。

アルツハイマーやうつ病の予防、コーヒーに期待してよいのか

 観察研究によると、コーヒーは2型糖尿病、うつ病、アルツハイマー病と逆相関するが、虚血性心疾患とは逆相関しないとされている。米国2015年食事ガイドラインにおいて、コーヒーは保護効果がある可能性が記載されている。短期的試験では、コーヒーは、多くの血糖特性に対し中和的な影響を及ぼすが、脂質やアディポネクチンを上昇させるといわれている。中国・香港大学のMan Ki Kwok氏らは、大規模かつ広範な遺伝子型の症例対照研究および横断研究に適応された2つのサンプルのメンデル無作為群間比較を用いて、遺伝的に予測されるコーヒー消費による2型糖尿病、うつ病、アルツハイマー病、虚血性心疾患とその危険因子を比較した。Scientific reports誌2016年11月15日号の報告。

毎食後の歯磨きで糖尿病と脂質異常症リスクが減少

 歯磨き頻度と生活習慣病の関連について調査したところ、毎食後の歯磨きが男性での糖尿病と女性での脂質異常症の発症を有意に抑制することがわかった。聖路加国際病院における5年間の後ろ向きコホート研究の結果を、虎の門病院の桑原 政成氏らが報告した。歯磨きは心血管疾患発症の危険因子を減少させるために有益と考えられる。Journal of cardiology誌オンライン版2016年11月15日号に掲載。

冠動脈疾患の遺伝的リスクは生活習慣で抑制できる/NEJM

 3件の前向きコホート研究と1件の横断研究の計5万5,685例全体で、遺伝的要因と生活習慣要因は、それぞれ独立して冠動脈疾患(CAD)の感受性と関連していることが示された。高遺伝子リスク群でも、生活習慣が悪い群よりも良い群でCADの相対リスクが約50%低下した。米国・マサチューセッツ総合病院のAmit V. Khera氏らが、CADの遺伝子リスクを定量化し生活習慣との関連を解析し、報告した。遺伝的要因と生活習慣の要因はどちらも、個人のCADリスクに関与するが、高遺伝子リスクが健康的生活習慣によってどのくらい相殺されるかはこれまで不明であった。NEJM誌オンライン版2016年11月13日号掲載の報告。

一般開業医でも不眠症治療を効果的に行うためには

 睡眠障害は、一般的な問題であるが、一般開業医(GP)を受診した患者における睡眠障害の有病率に関する研究は限られている。既存の心理的、身体的疾患に併発する睡眠障害の有病率は、一般集団と比較し、高い可能性がある。ノルウェー・Haukeland University HospitalのBjorn Bjorvatn氏らは、GP患者における不眠症(DSM-IV基準)の有病率、睡眠薬の使用を推定し、有病率が性別や年齢に依存するかどうかを評価した。Family practice誌オンライン版2016年10月27日号の報告。

高血圧に関する川柳・標語 2017年版を募集 【日本高血圧学会/日本高血圧協会からのご案内】

 日本高血圧学会と日本高血圧協会は2016年12月1日から、2017年版の「高血圧」に関する川柳と標語の募集を開始する。同企画は、日本高血圧学会と日本高血圧協会の共同企画で、一般市民の血圧と健康に関する意識を高める目的で、昨年度より毎年の恒例企画として展開されている。川柳・標語のお題はともに「高血圧」で、減塩・減量・運動などの生活習慣、医師・患者関係、家族関係、社会風刺などユーモアやウイットに富んでインパクトのある、多くの人に親しまれる作品が集まることが期待される。

果物摂取と胃がんリスクが逆相関~日中韓での研究

 果物・野菜の摂取と胃がんリスクとの関連について疫学的な知見は一貫していない。北京大学のTianyi Wang氏らは、日本・中国・韓国において前向き試験のプール解析を行った結果、果物の摂取量が多いと非噴門部胃がんリスクが低下する可能性を報告した。International journal of cancer誌オンライン版2016年10月19日号に掲載。