内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:491

レパーサ新剤形発売。9分で投与可能に

 アステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社(本社:東京、代表取締役社長:スティーブ・スギノ)とアステラス製薬株式会社(本社:東京、代表取締役社長 CEO:畑中好彦)は2018年1月12日、抗PCSK9モノクローナル抗体エボロクマブ(商品名:レパーサ皮下注40mgシリンジ、レパーサ皮下注140mgペン)への追加剤形として「レパーサ皮下注420mgオートミニドーザー(AMD)」の発売を開始した。レパーサは、心血管イベントの発現リスクが高く、スタチンで効果不十分な家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症の治療に適応される。

DHA、EPAの摂取量と緑内障予防の関連は?

 毎日の食事で摂取する多価不飽和脂肪酸(PUFA)の量と緑内障の罹患率との間に関連があるか確認することで、緑内障の発症に関与する食事のリスク因子を修正できる可能性がある。米国・UCLAデイビッド・ゲフィン医科大学院のYe Elaine Wang氏らは、2005~08年の米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを分析し、エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)の摂取量が多いほど、緑内障性視神経症のリスクが低いことを明らかにした。しかし、1日のPUFA総摂取量が四分位で2番目と3番目に多い群では、緑内障のリスクが有意に高かった。この結果について著者は、「ω-6とω-3脂肪酸の相対的な摂取量および他の交絡併存症(confounding comorbidities)によるものと思われる」との見解を示したうえで、「本研究から、毎日のPUFA摂取量を全体的に制限するとともに、ω-3脂肪酸の割合を増やすことが緑内障の予防につながる、という仮説を立てることができるだろう」と述べ、「この仮説を評価するため、長期的な調査または無作為化臨床試験が必要である」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年12月21日号掲載の報告。

不眠症治療における睡眠衛生教育のメタ解析

 睡眠衛生教育は、プライマリケアにおいて不眠症の治療に用いられている。より強力な治療法として報告されている睡眠衛生教育や不眠症に対する認知行動療法が、最初から実践されるべきかについては、不明である。中国・香港大学のKa-Fai Chung氏らは、睡眠不足または不眠症に対する睡眠衛生教育の有効性に関する検討を行った。Family practice誌オンライン版2017年11月29日号の報告。

ビッグデータの分析による正常体温の個体差/BMJ

 正常体温は、加齢とともに低下し、正常体温が高いことはがんやBMIの増加と関連する可能性があることが、米国・ブリガム・アンド・ウィメンズ病院のZiad Obermeyer氏らによる、長期的なビッグデータを用いた検討で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2017年12月13日号に掲載された。19世紀に開始されたヒトの深部体温の研究には長い伝統があるが、主に特定の集団の平均体温の確立に重点が置かれてきた。一方、体温は、患者によって大きく異なる多彩な因子(年齢と体内時計、代謝、排卵周期など)の影響を受けることが知られ、個々の患者のベースラインの正常体温には系統的な差異がある可能性が高まっているという。

初の「サルコペニア診療ガイドライン」発刊

 本邦初となる「サルコペニア診療ガイドライン2017年版」が2017年12月25日に発刊されたことを受け、2018年1月10日、都内でプレスセミナー(日本サルコペニア・フレイル学会主催)が開催された。セミナーでは本ガイドラインの作成委員長を務めた荒井 秀典氏(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター長)が登壇し、サルコペニア診療ガイドライン作成の背景と、その概要について解説した。

ペットは老化の進行を抑制する?/BMJ

 動物との交遊は、老化の修正可能な特性である可能性があるが、高齢者がペットを飼うことと老化のバイオマーカーとの関連はほとんど知られていない。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのG. David Batty氏らは、約8,800例の高齢者を調査し、ペットの飼育は老化のバイオマーカーに影響を及ぼさないことを示した。研究の成果は、BMJ誌2017年12月13日号に掲載された。英国では高齢者の半数がペットを飼っており、オーストラリアの調査では高齢者の12%が「動物は交遊の主要形態」と答えているという。

大気汚染による高齢者への深刻な健康被害に警鐘を鳴らす!(解説:島田俊夫氏)-798

大気汚染が大きな社会問題としてこれまでも論議されてきたことは周知の事実である。大気中の汚染微粒子状物質への暴露による冠動脈疾患への影響に関してもすでに多くの報告がみられる。わが国も大気汚染による健康被害の先進国としてこの問題に取り組んできた経緯がある。今日、急激に工業発展を遂げている地球の工場と化している中国の大気汚染は地球環境の崩壊につながりかねない深刻な問題である。Lancet誌のオンライン版2017年12月5日号に掲載された英国国立心臓・肺研究所のRudy Sinharay氏らにより報告された無作為化クロスオーバー試験は大気汚染による健康被害に警鐘を鳴らす、高齢者に的を絞った時宜を反映した興味深い論文であり私見をコメントする。

高血糖はがん死亡に関連するが、非がん死亡とは関連せず

 高血糖はがん全体および特定のがんの発症率と関連し、糖尿病によるリスクとは異なる。フランスの大規模なプライマリケア集団(IPCコホート)において、これらの関連を全死因死亡や非がん死亡と比較し分析したところ、高血糖ががん死亡と有意に関連(とくに消化器がんと白血病)していたが、非がん死亡とは関連していなかった。またこの関連は、長期アスピリン治療を含む交絡因子を考慮しても維持された。Diabetologia誌オンライン版2018年1月5日号に掲載。

高齢者のCaやビタミンD補給、骨折を予防せず/JAMA

 自宅で生活する高齢者について、カルシウム、ビタミンD、またはその両方を含むサプリメントの使用は、プラセボや無治療と比較して骨折リスクの低下と関連しないことが、中国・天津病院のJia-Guo Zhao氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果で明らかにされた。骨粗鬆症関連の骨折による社会的および経済的負荷が世界的に増加しており、骨折を予防することは公衆衛生上の大きな目標であるが、カルシウム、ビタミンDまたはそれらの併用と、高齢者における骨折の発生との関連性については、これまで一貫した結果が得られていなかった。著者は、「施設外で暮らす一般地域住民である高齢者に対し、こうしたサプリメントの定期的な使用は支持されない」と結論付けている。JAMA誌2017年12月26日号掲載の報告。