内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:491

死亡リスク予測、24時間血圧 vs.診察室血圧/NEJM

 24時間自由行動下収縮期血圧(ABP)は診察室血圧よりも、全死因死亡および心血管死について、より強い予測因子であることが示された。血圧値の1標準偏差(SD)上昇当たりの全死因死亡に関するハザード比は、24時間ABPが1.58だったのに対し、診察室血圧では1.02だったという。また、「仮面高血圧」(診察室血圧は正常値だが24時間ABPは高値)の全死因死亡に関するハザード比は2.83で、持続性高血圧の1.80よりも高かった。また、「白衣高血圧」(診察室血圧が高値で24時間ABPは正常)の同HRも1.79で良性とはいえないことが示されたという。スペイン・マドリード自治大学のJose R. Banegas氏らが、約6万4,000例を対象に行った大規模な前向きコホート試験の結果で、NEJM誌2018年4月19日号で発表した。24時間ABPが予後に与える影響について、これまでに発表されているエビデンスは、主に住民ベース試験や比較的規模の小さい臨床試験に基づくものだったという。

小児期・思春期の過体重は成人までに解消すると2型糖尿病の発症を抑止できる(解説:吉岡成人 氏)-844

ヒトの脂肪細胞数は小児期に増加し、20歳以降は肥満者でも非肥満者でも脂肪細胞の数はほとんど変化しない。そのため、小児期の過体重は、成人期以降に過食や運動不足により脂肪細胞のサイズが増大した場合に、アディポネクチンなどの「善玉」アディポサイトカイン(アディポカイン)の低下をきたし、糖尿病を発症しやすくなる。日本における小児肥満の割合は2006年頃から減少傾向にあり、2015年度の学校保健統計調査によれば11歳時において肥満傾向にあるものは男児で9.87%、女児で7.92%である。一方、欧米諸国では小児の23%が過体重ないしは肥満と報告されており、小児期の過体重が成人後の糖尿病リスクとして重要視されている。

治療抵抗性高血圧に、薬剤師による個別カウンセリングが有効である(解説:石上友章氏)-843

世界の高血圧診療には、神話のような定説がある。その1つとして、『米国の黒人の高血圧は、食塩感受性で治療抵抗性である』という説がある。日本で診療している以上、この説を検証する機会は皆無だろうし、日常的にどうしても解決しなくてはならないClinical Questionとして取り上げられることもないだろう。したがって、日本人の研究者が、このCQを仮説化して臨床研究を行うこともない。しかしながら本論文のように、一流誌といわれる医学ジャーナルに、この仮説を事実として、何らかの介入によって検証する目的の、臨床研究が掲載されることは、決してまれではない。

タバコの50%値上げ、健康や経済に有益/BMJ

 タバコの値上げは、所得上位層20%よりも所得下位層20%に対して、健康や財政面の利益を提供しており、タバコ税増税は非感染性疾患および貧困に関する持続可能な開発目標(sustainable development goals:SDGs)を支持し、疾病に対する生活資金的な保障を提供する。カナダ・セント・マイケルズ病院のSujata Mishra氏らが、タバコの50%値上げによる影響を検証した研究結果を報告した。タバコ税増税は、2030年までに非感染性疾患の死亡率を3分の1まで低下させるというSDGs達成に重要であるが、タバコ税増税による健康や財政面への影響に関する研究はほとんどなかった。BMJ誌2018年4月11日号掲載の報告。

慢性不眠症患者におけるバイオレットオイルの有効性に関するランダム化二重盲検プラセボ対照試験

 バイオレットオイルは、昔ながらのイランの診療所において、不眠症を治療するため広く用いられてきた古典的なハーブ薬である。バイオレットオイルは、アーモンドまたはゴマ油をベースとするニオイスミレ(Viola odorata)の抽出物であり、点鼻薬として用いられる。イラン・マシュハド医科大学のZohre Feyzabadi氏らは、不眠症治療におけるバイオレットオイルの有効性を評価するため、検討を行った。Journal of ethnopharmacology誌2018年3月25日号の報告。

女性の顔のしわ、食習慣と関連

 顔のしわに対するさまざまな食習慣の影響についてはほとんど知られていない。オランダ・エラスムス大学医療センターのSelma Mekic氏らは、地域の高齢者を対象とした集団ベースコホート研究において、食習慣が女性の顔のしわに影響していることを明らかにした。横断研究のため因果関係を証明することはできず、健康志向の行動が結果に影響した可能性はあるものの、著者は、「健康的な食事が顔のしわを減らすと強調すれば、世界的な疾患予防戦略は恩恵にあずかるかもしれない」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2018年3月27日号掲載の報告。