内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:490

『てんかん診療ガイドライン2018』発刊

 前回のガイドライン発刊から約8年。その間に、新規治療薬の登場や適応追加、改正道路交通法など、てんかんを取り巻く環境は大きく変化している。2018年7月2日、大塚製薬株式会社が主催したプレスセミナー「てんかん診療ガイドライン2018」にて、てんかん診療ガイドライン作成委員会委員長の宇川 義一氏(福島県立医科大学 神経再生医療学講座教授)が登壇し、日本神経学会が監修したガイドラインの主な改訂点について語った。  本ガイドラインは、2部で構成されている。第1部は診療ガイドライン、第2部では3つのクリニカルクエスチョン(CQ)に対してシステマティック・レビュー(SR)を行っている。また、エビデンスの質の評価は、GRADE working groupが提唱する方法で行い、「高(high)」「中(moderate)」「低(low)」「非常に低(very low)」にグレーディングされている。

ABPM要否を判定する新トリアージ法の有用性を検証/BMJ

 3回の診察室血圧値と患者背景(年齢、性別、BMI、高血圧の診断歴および治療歴、心血管疾患の有無)を組み合わせた新たなトリアージ法(Predicting Out-of-OFfice Blood Pressure[PROOF-BP]アルゴリズム)により、24時間自由行動下血圧測定(ABPM)の適用は通常の半分となり、高血圧か否かをほぼ正しく分類できることが示された。英国・オックスフォード大学のJames P. Sheppard氏らが、日常診療で高血圧が疑われる患者にABPMを適用するかをトリアージするためのPROOF-BPアルゴリズムの妥当性を検証した、前向き観察コホート試験の結果を報告した。著者は、「ABPMを考慮する場合、とくに資源が限られている場合には、この新しいトリアージ法は高血圧の診断や管理に推奨される」とまとめている。BMJ誌2018年6月28日号掲載の報告。

糖尿病での心理的負担が全死亡に影響~日本人男性

 2型糖尿病の日本人男性において、糖尿病に特異的な心理的負担感が全死因死亡と有意に関連することがわかった。天理よろづ相談所病院(奈良県)に通院する糖尿病患者を対象とした大規模レジストリ(Diabetes Distress and Care Registry in Tenri:DDCRT18)を用いた前向きコホート研究の結果を、天理よろづ相談所病院内分泌内科の林野 泰明氏らが報告した。Diabetologia誌オンライン版2018年6月8日号に掲載。

ベンゾジアゼピン依存に対するラメルテオンの影響

 一般的に、ベンゾジアゼピン(BZ)系睡眠薬の減量が困難な患者では、長期間BZ系睡眠薬が処方される。ラメルテオンは、BZ受容体を介する睡眠薬とは異なる作用機序を有しており、生理的な睡眠を促す睡眠薬である。宮崎大学の長友 慶子氏らは、不眠症患者におけるラメルテオンとBZ依存について調査を行った。Asian journal of psychiatry誌オンライン版2018年6月7日号の報告。

米国成人の肥満率、非都市圏で高率/JAMA

 2013~16年における米国成人の肥満および重症肥満の年齢調整有病率が、米国大都市統計地域(metropolitan statistical area:MSA)で示される都市化のレベルで異なっていること、また、MSAの都市圏に比べ非MSA地域で有意に高いことを、米国疾病予防管理センターのCraig M. Hales氏らが報告した。米国成人における肥満の有病率については、これまで性別、年齢層別、人種/ヒスパニック系別の報告はあったが、都市化のレベル別ではほとんど研究されていなかった。JAMA誌2018年6月19日号掲載の報告。

高血圧・高脂血症の治療は認知症を予防するか

 アルツハイマー病(AD)と血管リスク因子(VRF)の関連について疫学的エビデンスはあるが、VRFの治療が認知症やADの発症率を低下させるのか不明である。今回、スウェーデン・カロリンスカ研究所のSusanna C. Larsson氏らが、認知症およびADの発症におけるVRFの治療の影響について系統的レビューとメタ分析で検討した結果、降圧薬とスタチンが認知症やADの発症率を低下させる可能性が示唆された。Journal of Alzheimer's disease誌オンライン版2018年6月9日号に掲載。

気管切開の事故防止に向け提言 医療安全調査機構

 気管切開チューブ挿入患者のケアには常に注意を要するが、とくに気管切開術後早期*のチューブ交換時に、再挿入が困難になるリスクが高いことから、日本医療安全調査機構(医療事故調査・支援センター)では、この時期のチューブ逸脱・迷入による事故防止のための提言(医療事故の再発防止に向けた提言 第4号)を公表している(6月5日)。逸脱を防ぐための移動・体位変換時の注意事項や、逸脱・迷入が生じてしまったときの具体的対応などについて、以下の6つの提言が示された。

不眠症へのスボレキサント切り替えと追加併用を比較したレトロスペクティブ研究

 スボレキサントは、従来のGABA(γ-アミノ酪酸)-A受容体を介さない新規作用機序の睡眠薬である。藤田保健衛生大学の波多野 正和氏らは、ベンゾジアゼピン受容体アゴニスト(BzRA)を服用している不眠症患者に対するスボレキサント導入方法の検討を行った。Clinical psychopharmacology and neuroscience誌2018年5月31日号の報告。