内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:490

中年期の脂質異常が晩年の認知低下に関連

 これまでの研究では主に、晩年における脂質レベルとその後の認知機能変化との関連を検討しているが、晩年よりも中年期でのリスク因子が認知機能の健康に最も関連していることが多い。今回、米国・ジョージワシントン大学のMelinda C. Power氏らは、コホート研究で、中年期の総コレステロール・LDLコレステロール・トリグリセライドの値が高いことが、その後20年の認知機能低下と関連していたことを報告した。Alzheimer's & dementia誌オンライン版2017年9月12日号に掲載。

流行性耳下腺炎のMMRワクチン接種 3回 vs.2回/NEJM

 麻疹・流行性耳下腺炎・風疹の3種混合ワクチン(MMRワクチン)について、米国疾病予防管理センター(CDC)のCristina V. Cardemil氏らが大学生を対象とした検討で、3回接種者では2回接種者よりも流行性耳下腺炎のリスクが低下したことを明らかにした。米国では、小児期にMMRワクチンの2回接種がプログラムされている。しかし、大学生での流行性耳下腺炎のアウトブレイクがたびたび報告されており、2015年夏~秋にはアイオワ大学で集団発生が起きた。本報告は、そのアウトブレイクの後半に保健当局者がMMRワクチン接種キャンペーンを呼びかけ、3回目の接種に応じた学生の有効性を2回目の接種時期からの年数で補正を行い検討した結果で、2回目の接種時期が、今回のアウトブレイクよりも13年以上前であった学生は、流行性耳下腺炎のリスクが高かったことも明らかにした。これまで、MMRワクチンの3回投与が流行性耳下腺炎のアウトブレイクを制御するかについては明らかになっていなかった。NEJM誌2017年9月7日号掲載の報告。

うつ病患者の多い診療科はどこか

 うつ病や抑うつ症状は、患者の健康関連QOLや医療満足度に大きな影響を及ぼす一般的な精神疾患であるが、どの程度まん延しているかは、公表された研究間で大きく異なる。中国・中山大学のJinghui Wang氏らは、異なる臨床専門分野における外来患者のうつ病または抑うつ症状の有病率について的確な推定値を導き出すため、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。BMJ open誌2017年8月23日号の報告。

カナリア配合錠の相乗効果で期待したい血糖値降下

 2017年8月31日、田辺三菱製薬株式会社と第一三共株式会社は、都内において合同による「Diabetes Update Seminar」を開催した。その中で、DPP-4阻害薬テネリグリプチン(商品名:テネリア)とSGLT2阻害薬カナグリフロジン(商品名:カナグル)の配合錠である「カナリア配合錠」(7月3日に製造販売承認を取得)について説明が行われた。

ドネペジルの治療反応、投与前に予測可能か

 アルツハイマー型認知症(AD)に対するドネペジルの治療反応は、患者により異なり、治療前に潜在的な治療反応者を特定することが重要である。脳白質の変化(WMC)は、高齢患者で頻繁に認められ、治療反応に対するWMCの影響については議論の余地がある。台湾・高雄医科大学のMeng-Ni Wu氏らは、WMCの場所や重症度とドネペジルの治療反応との関連を調査するため検討を行った。Geriatrics & gerontology international誌オンライン版2017年8月29日号の報告。

かかりつけ医への未受診者リスト提供で大腸がんスクリーニング参加増/JAMA

 フランスにおいて、大腸がん(CRC)スクリーニングのアップデートに応じていない患者のリストをかかりつけ医(GP)に提供することで、1年後の免疫学的便潜血検査(FIT)スクリーニングへの患者の参加率が、わずかだが有意に増加したことが、通常ケアと比較した無作為化試験の結果で示された。一方、地域のCRCスクリーニング率の情報を提供した場合では、有意な増加はみられなかったという。フランス・ナント大学GP部門のCedric Rat氏らが、1,482例のGPを対象に介入を行った結果を発表した。CRCスクリーニングプログラムに取り組む国々にとって、FITスクリーニングへの参加増大は大きな課題とされている。JAMA誌2017年9月5日号掲載の報告。

日本初、ワルファリンでの出血傾向を迅速に抑える保険適用製剤

 ワルファリン服用者の急性重篤出血時や、重大な出血が予想される手術・処置の際に、出血傾向を迅速に抑制する日本初の保険適用製剤として、乾燥濃縮人プロトロンビン複合体(商品名:ケイセントラ静注用)が9月19日に発売された。発売に先立ち、15日に開催されたCSLベーリング株式会社による記者発表において、矢坂 正弘氏(国立病院機構九州医療センター脳血管センター 部長)が、本剤の開発経緯や臨床成績、位置付けについて講演した。その内容をお届けする。

エボロクマブ、LDL-C下げるほど心血管リスク減/Lancet

 安定期アテローム動脈硬化性心血管疾患患者へのPCSK9阻害薬エボロクマブ(商品名:レパーサ)治療では、LDLコレステロール(LDL-C)値の低下が大きいほど主要心血管アウトカムが改善し、超低LDL-C値でも安全性に懸念はないことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のRobert P. Giugliano氏らが行ったFOURIER試験の2次解析で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年8月25日号に掲載された。LDL-Cはアテローム動脈硬化性心血管疾患のリスク因子として確立されているが、どこまで低くすべきか、どこまで安全に低くできるかの議論が続いている。