内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:488

メトホルミン継続 vs.SU薬、心血管・低血糖リスクは/BMJ

 2型糖尿病の第2選択薬としてのSU薬の使用は、メトホルミン単独使用継続の場合と比べて、心筋梗塞、全死因死亡、および重症低血糖のリスクを増大することが示された。また、メトホルミンから完全に切り替えるよりも、上乗せ投与としたほうが安全と思われることも示されたという。カナダ・Jewish General HospitalのAntonios Douros氏らによる住民ベースコホート研究の結果で、BMJ誌2018年7月18日号で発表された。SU薬に関してはこれまで、第1選択薬として、あるいは他の第2選択薬である抗糖尿病薬と比較した安全性(心血管系および低血糖)は検討されていた。今回、研究グループは、SU薬の上乗せまたは切り替えと、メトホルミン単独継続の場合を比較した安全性の評価を行った。

スボレキサントの日本人高齢不眠症患者に対する費用対効果分析

 日本で最も幅広く使用されている睡眠薬であるベンゾジアゼピン受容体作動薬ゾルピデムとオレキシン受容体拮抗薬スボレキサントの費用対効果について、MSD株式会社の西村 晋一氏らが、比較検討を行った。Journal of Medical Economics誌2018年7月号の報告。  本研究では、不眠症と高齢者に多大な影響を及ぼす股関節骨折リスクを考慮したモデルを用いて検討を行った。公表された論文より、データを収集した。65歳以上の日本人高齢不眠症患者の仮想コホートを対象として研究を実施した。費用対効果の評価には、質調整生存年(QALY)と増分費用効果比を用いた。調査は、医療従事者の視点で行った。  スボレキサントとゾルピデムの費用対効果を検討した主な結果は以下のとおり。

オキシントモジュリン作動薬の臨床応用(解説:吉岡成人氏)-890

インクレチン作動薬として2005年に米国で承認・発売されたGLP-1受容体作動薬であるエキセナチドは、糖尿病の治療に大きな変革をもたらした。エキセナチドが登場し、わずか数年の期間で多くのGLP-1受容体作動薬やDPP-4阻害薬が発売され、毎日の臨床の現場で使用されている。そのような中で、インクレチンの1つであるオキシントモジュリンの臨床応用についての論文がLancet誌に掲載された。

白内障手術で、高齢者の交通事故が減少!?

 白内障は、世界的に最も一般的な視力障害の原因であり、重大な交通事故のリスクを増加させる可能性がある。しかし、白内障の手術が、患者による交通事故を減少させるかはわかっていない。カナダ・トロント大学のMatthew B. Schlenker氏らは、最初の片眼の白内障手術(ほとんどの患者はすぐにもう片方の眼も施術)を受けた地域住民の患者を対象に、個々においてセルフマッチングクロスオーバー曝露研究を行い、白内障手術が術後患者における重大な交通事故誘発のリスクを、わずかに減少させることを明らかにした。著者は、「このことは死亡率、罹患率および社会的コストに対して潜在的な影響があると考えられる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2018年6月28日号掲載の報告。

うつ病と勃起不全に関するメタ解析

 うつ病は勃起不全(ED)のリスクを増加させるといわれているが、他の研究では関連が認められないとの報告もある。また、EDがうつ病リスクを増加させるとの報告もある。中国・華中科技大学のQian Liu氏らは、うつ病とEDとの関連を評価したすべての研究を特定して定量的に統合し、観察された関連性の差異についての要因を調査するため、検討を行った。The journal of sexual medicine誌オンライン版2018年6月27日号の報告。

エキストラヴァージンオリーブオイルまたはナッツ強化地中海食の順守は心血管病ハイリスクを有するも未発症のコホートにおけるイベント抑制に有用!(解説:島田俊夫氏)-889

地中海食はこれまで広く心血管病リスクを抑制する食事として受け止められてきた。本論文はスペイン国内多施設による心血管病ハイリスクで心血管病未発症、年齢55〜80歳、7,447名(女性57%)のコホートを対象にカロリー制限のない(1)エキストラヴァージンオリーブオイル強化地中海食群、(2)ミックスナッツ強化地中海食群、(3)低脂肪コントロール食群の3群にランダムに割り付け、約5年間追跡した。ところが無作為割り付け後、一部の世帯で割り付け逸脱が発生した。この事実の判明以前に、採択・掲載済み論文2)は解析に不備があると判断し、疑いを含めた1,558名を除外して新たに行った解析結果は以前の結果と一致を認めたけれども、掲載済み論文は自主的に掲載を撤回した。

抗インフルエンザウイルス薬ゾフルーザ高リスク患者にも良好な成績(CAPSTONE-2)/シオノギ

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:手代木 功)は、重症化および合併症を起こしやすいリスク要因をもつインフルエンザ患者を対象としたバロキサビル マルボキシル(商品名:ゾフルーザ)の第III相臨床試験(CAPSTONE-2)において、主要評価項目であるインフルエンザ罹病期間(インフルエンザ症状が回復するまでの時間)がプラセボに対する優越性を示し、本試験の主要目的を達成したと発表。また、主要副次評価項目である抗ウイルス効果(ウイルス排出期間の短縮や体内ウイルス量の減少効果など)においても、プラセボおよびオセルタミビルに対する優越性を示した。さらに、インフルエンザ関連合併症の発現率をプラセボに対して有意に低下させた。一方,本試験での本薬の忍容性は良好であり、安全性について懸念は示されなかった。本試験の詳細な結果は、今後学会にて発表する予定。