内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:455

軽度アルツハイマー病に対するコリンエステラーゼ阻害薬のベネフィット

 アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI-AD)および軽度のアルツハイマー型認知症(ADdem)に対するコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)の認知機能アウトカムについて、米国・セントルイス・ワシントン大学のJee-Young Han氏らが検討を行った。Alzheimer Disease and Associated Disorders誌オンライン版2019年1月10日号の報告。  対象は、MCI-AD(臨床認知症評価法[CDR]:0または0.5)もしくは軽度ADdem(CDR:0.5または1)と臨床的に診断された2,242例。患者データは、National Alzheimer's Coordinating Center(NACC)の統一データセット(Uniform Data Set)より抽出した。

食物繊維は健康関連アウトカムを改善、低GI食の効果は?/Lancet

 ニュージーランド・オタゴ大学のAndrew Reynolds氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、食物繊維の摂取量増加および全粒穀物摂取を推奨することは、人々の健康に有益と考えられることが示された。炭水化物の質と健康との関連性を検証したこれまでのシステマティックレビューとメタ解析では、1つのマーカーを検証したものが多く、臨床アウトカムの数は限定的であった。Lancet誌オンライン版2019年1月10日号掲載の報告。

日本人の脳卒中生涯リスク:4人に1人が脳卒中になる(解説:有馬久富氏)-1000

Global Burden of Disease(GBD)研究2016より、全世界における脳卒中の生涯リスクがNEJM誌に報告された。その結果、25歳以降に脳卒中を発症するリスクは25%であった。日本における脳卒中の生涯リスクは全世界よりも少し低い23%であり、約4人に1人が脳卒中に罹患する計算になる。また、日本では1990~2016年までの間に生涯リスクが3%減少していた。  一方、東アジアで脳卒中の生涯リスクが最も高いのは中国(39%)であり、約2.5人に1人が罹患する計算になる。さらに中国では、1990~2016年までの間に生涯リスクが9%も増加していた。中国において高血圧の未治療者や、降圧目標を達成できていない者が多いことが、高い脳卒中生涯リスクの一因かもしれない。

治療の見直しに有効か、スタチン不耐治療指針公表

 2018年12月27日、日本動脈硬化学会は『スタチン不耐に関する診療指針2018』を同学会ホームページ上に公表した。これまで、スタチン不耐の定義が不統一であったことが症例集積の大きなハードルであったが、診療指針が作成されたことで、その頻度と臨床像を明らかにし、各個人に適切なLDL-C低下療法の実践が期待できるとのこと。なお、本指針を作成したスタチン不耐調査ワーキンググループには、日本動脈硬化学会をはじめ、日本肝臓学会、日本神経学会、日本薬物動態学会の専門家も含まれている。

太れば太るほど、GFR低下・死亡リスク増/BMJ

 肥満は、慢性腎臓病(CKD)の有無にかかわらず、糸球体濾過量(GFR)の低下および死亡のリスク増大と関連することが明らかにされた。米国・Geisinger Health SystemのAlex R. Chang氏らが、40ヵ国のコホートを基に分析した結果で、BMJ誌2019年1月10日号で発表した。これまで肥満と末期腎疾患(ESKD)との関連は示されているが、関連の程度は試験間でばらつきがみられていた。また、CKDのコホート試験で、肥満はリスク増大とは関連せず、死亡リスクは低いことが示されていた。BMI値とCKDの関連を検討したメタ解析では、被験者データが不足しており、ウエスト囲など体幹部肥満の計測値が含まれておらず結果が限定的だった。研究グループは、肥満計測値(BMI値、ウエスト囲、ウエスト身長比)とGFR低下および全死因死亡との関連を調べた。

メマンチンと抑肝散との薬物相互作用に関する基礎研究

 アルツハイマー病の治療においては、コリンエステラーゼ阻害薬やメマンチン(MEM)、または抑肝散(YKS)などの認知症患者の行動と心理症(BPSD)治療に用いられる伝統的な漢方薬が使用される。株式会社ツムラのTakashi Matsumoto氏らは、MEMとYKSとの薬物相互作用(DDI)を明らかにするための研究の一環として、いくつかの基礎的な薬物動態学的および薬理学的研究を実施した。Molecules誌2018年12月29日号の報告。

高齢者糖尿病の食事療法、フレイルを防ぐには?

 2019年1月11~13日の3日間、第22回日本病態栄養学会年次学術集会が開催された。1日目のシンポジウム1では、演者の一人である幣 憲一郎氏(京都大学医学部附属病院疾患栄養治療部 副部長)が「高齢糖尿病患者におけるサルコペニア・フレイル対策の現状と課題」について講演を行った。  日本人の平均寿命は延び続け、糖尿病患者の平均寿命もこの10年間で男女ともに約3.5歳延びている。30年前の調査と比べても、男性で8.3歳、女性で10.2歳も延びているが、現代人は単なる寿命の延命ではなく、自力で快適な生活ができる“健康寿命の延伸”を望んでいる。しかし、糖尿病患者は高齢化に伴い合併症問題が深刻化し、「その1つがサルコペニア・フレイル」と同氏は考える。

日本におけるスボレキサントの市販後調査結果

 MSD株式会社の浅井 有子氏らは、スボレキサント錠剤の日本における市販後調査結果の報告を行った。Drugs in R&D誌オンライン版2018年12月14日号の報告。  対象は、日本におけるスボレキサント初回投与の不眠症患者。観察期間は、投与開始後6ヵ月以内とした。医薬品の有効性および安全性に関する情報を収集した。評価期間は、2015年7月21日~2017年8月12日までとした。目標患者数は、3,428例であった。

高尿酸血症の治療失敗に肥満が関連か~日本人男性

 高尿酸血症または痛風の日本人男性の治療目標達成率と治療成功に影響する因子について、順天堂大学の片山 暁子氏らが検討した結果、肥満と治療失敗との関連が示唆された。また、血清尿酸(SUA)管理の一部として脂質プロファイルを維持する重要性が強調された。著者らは「肥満と脂質異常症の両方をうまく管理し、健康的なSUA値を得ることで、心血管疾患を予防できるかもしれない」としている。Internal Medicine(Japan)誌オンライン版2019年1月10日号に掲載。