内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:450

AIによる認知症診療は実現なるか、順大が日本IBMらと共同研究

 認知症の早期発見や診療において、AIは医師の強力な助っ人となるかもしれない。2019年7月10日、都内で記者説明会が開催され、AIによる新たな認知症診療システム開発と、食品介入などの臨床研究実施を目的とした産学連携プロジェクトの開始が発表された。参加企業は日本IBM、キリンホールディングス、三菱UFJリース、グローリー、日本生命、三菱UFJ信託銀行の6社。中心となる順天堂大学医学研究科神経学講座教授の服部 信孝氏をはじめ、各社の代表者が登壇し、本プロジェクトにおける役割と展望を語った。

今どきの女性目線を川田アナから学ぶ/日本Men’s Health医学会

 2019年7月13~14日に第19回日本men’s Health医学会が開催。本学会の目玉でもあるトークショーにフリーアナウンサーの川田 裕美氏(株式会社セント・フォース所属)を招き、学会理事長の堀江 重郎氏(順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授)と大会長の森下 竜一氏(大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学教授)の3名によるトークで会場内に盛り上がりをみせた。  昭和時代には“タバコ”が男の象徴だったと話す堀江氏と森下氏。禁煙時代を生きる川田氏にとって、理想とする男性像を両氏から質問されると、「過去に吸っていたけれど、“今は止めた”と聞くとステキに感じる」と、禁煙意識をもつ男性に好感を抱くとコメント。

砂糖入り飲料、がんのリスク増大/BMJ

 砂糖入り飲料の消費は、全がんおよび乳がんのリスクを増加させ、100%果物ジュースも全がんのリスクと関連することが、フランス・パリ第13大学のEloi Chazelas氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2019年7月10日号に掲載された。砂糖入り飲料の消費は最近10年で世界的に増加しているという。砂糖入り飲料と肥満リスクには明確な関連が認められ、肥満は多くのがんの強力なリスク因子とされる。  研究グループは、100%果物ジュースを含む砂糖入り飲料および人工甘味料入り飲料と、がんのリスクとの関連の評価を目的とする住民ベースの前向きコホート研究を行った(フランス保健省などの助成による)。

日本人高齢者の身体能力と認知症発症との関連

 身体能力を評価することは、認知症リスク評価を容易にする可能性がある。しかし、どのような身体能力が認知症発症と最も関連するかについては、明らかとなっていない。国立長寿医療研究センターの土井 剛彦氏らは、日本人高齢者における身体能力と認知症発症との関連について検討を行った。Physical Therapy誌オンライン版2019年6月4日号の報告。  本研究は、地域在住の高齢者を対象としたプロスペクティブ研究である。65歳以上の高齢者1万4,313人のうち、2011~12年に5,104人が研究参加を承諾し、そのうち4,086人(女性の割合:52%、平均年齢72.0歳)が基準を満たしていた。ベースライン時の身体能力として、握力テスト、5回椅子立ち上がりテスト(Five-Times Sit-to-Stand Test:FTSST)、Timed Up & Go Test(TUG)より身体能力レベルを収集した。各テストにおける身体能力レベルは、性別層別四分位値に基づいて、最高レベルのC1から最低レベルのC4に分類した。認知症発症に関する情報は、毎月の医療記録より収集した。

COPD増悪時のCRP検査、抗菌薬使用率を3割減/NEJM

 COPDの急性増悪でプライマリケア医の診察時に、C反応性蛋白(CRP)のポイントオブケア(臨床現場即時)検査を行い、その結果に基づく処方を行うことで、患者報告に基づく抗菌薬の使用率と医師から受け取る抗菌薬の処方率がいずれも低下することが示された。有害性は伴わなかった。英国・オックスフォード大学のChristopher C. Butler氏らが、653例の患者を対象に行った多施設共同非盲検無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2019年7月11日号で発表された。

抗炎症効果が期待できる高齢者に適した食事療法とは?

 血糖値低下や体重減少を目的とした食事療法は数多い。その中で、最近注目を集めているトピックスが「抗炎症」。慢性炎症は生活習慣病などにつながる可能性があり、炎症を引き起こす栄養素を避け、炎症を抑える(抗炎症)作用を持つ栄養素を取る、という考え方だ。  2019年6月に行われた第19回日本抗加齢医学会総会において「抗炎症Diet」と題するシンポジウムが行われ、抗炎症作用を踏まえた食事療法として、山田 悟氏(北里大学北里研究所病院糖尿病センター センター長)が糖質制限食、古家 大祐氏(金沢医科大学医学部 教授)が低タンパク食を、最新の研究結果と共に紹介した。

食事と2型DMの関連、質の高いエビデンスは少ない/BMJ

 食事と2型糖尿病の関連は広範に研究されてきたが、多くの評価項目に関して質の高いエビデンスは少なく、より包括的な検討を要することが、ドイツ・ハインリッヒ・ハイネ大学のManuela Neuenschwander氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2019年7月3日号に掲載された。2型糖尿病による多大な世界的健康負担や医療費を考慮すると、食事との関連に関する膨大な研究から得られた知見は重要である。その一方で、これらの関連の強度や精確度、潜在的なバイアスの影響を明確化する必要があるという。

遺伝的素因と環境の相互作用で、BMIが著しく上昇/BMJ

 ノルウェーでは、高BMIの遺伝的素因と、肥満の原因となる環境との相互作用によって、1980年代半ば~2000年代半ばにかけて、BMIの高度な上昇がもたらされたことが、ノルウェー科学技術大学のMaria Brandkvist氏らによる縦断的調査で示された。多遺伝子研究などにより、肥満の発症における遺伝子と環境との相互作用が示唆されているが、これらの研究は年齢幅が狭い、追跡期間が短い、BMIが自己申告などの限界があるという。BMJ誌2019年7月3日号掲載の報告。

非アルツハイマー型認知症に対するコリンエステラーゼ阻害薬の使用

 非アルツハイマー型認知症は、すべての認知症の約30%を占め、主要な認知障害や行動障害を呈する。コリンエステラーゼ阻害薬は、脳内のアセチルコリンレベルを上昇させることにより、記憶力を改善し、アルツハイマー型認知症(AD)の対症療法に承認されている薬剤である。そして、潜在的なコリン作動性機能障害を伴う他の認知症においても研究されている薬剤である。米国・ベイルート大学のPaul Noufi氏らは、非ADに対するコリンエステラーゼ阻害薬の使用について報告を行った。Drugs & Aging誌オンライン版2019年6月14日号の報告。

ピロリ除菌、親が失敗なら子の失敗リスク高い

 クラリスロマイシン(CAM)耐性Helicobacter pylori(H. pylori)とCYP2C19多型は、何世代にもわたって受け継がれる可能性があり、H. pylori除菌失敗の危険因子として知られている。しかし、親がCAM3剤併用療法による除菌失敗歴を有する患者における失敗リスクを評価した研究はなかった。今回、出口 尚人氏(京都大学/武田薬品工業)らの横断研究により、CAM3剤併用療法での親の除菌失敗歴が子孫の除菌失敗の危険因子であることが示された。Journal of Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2019年7月1日号に掲載。