内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:449

重度アルコール離脱症候群に対する早期集中ベンゾジアゼピン療法

 アルコール離脱症候群(AWS)治療の現在のエビデンスでは、symptom-triggered therapyが支持されている。早期段階での集中的なベンゾジアゼピン(BZD)治療は、ICU在室期間を短縮させるといわれているが、在院日数への影響については、よくわかっていない。米国・カリフォルニア大学のJin A. Lee氏らは、最初の24時間での集中的なBZD治療がAWS患者の在院日数を短縮させるかどうかについて、介入前後コホート研究により検討を行った。Clinical Toxicology誌オンライン版2019年2月7日号の報告。

尿失禁が生命予後に影響?OABに早期介入の必要性

 わが国では、40歳以上の約7人に1人が過活動膀胱(OAB)を持ち、切迫性尿失禁を併せ持つ割合は70%を超えると推定されている。定期通院中の患者が症状を訴えるケースも多く、専門医以外でも適切な診療ができる環境が求められる。  2019年2月28日、OAB治療薬「ビベグロン錠50mg(商品名:ベオーバ)」の発売元であるキョーリン製薬とキッセイ薬品が共催したメディアセミナーにて、吉田 正貴氏(国立長寿医療研究センター 副院長 泌尿器外科部長)が講演を行った。本セミナーでは、「OABの病態と治療―新たな治療選択肢を探るー」をテーマに、高齢のOAB患者を取り巻く現状と薬物療法について語られた。

ナッツ摂取、糖尿病患者でCVD・全死亡減:大規模前向きコホート

 心血管疾患(CVD)合併や早期死亡の予防に、ナッツ類(とくに木の実)の摂取を増やすことは、糖尿病と診断後いつからでも遅くはないのかもしれない―。これまで、CVDをはじめとした慢性疾患発症に対するナッツ摂取の効果が報告されてきたが、2型糖尿病とすでに診断された患者に対するナッツ摂取の長期的ベネフィットについては、エビデンスが十分ではなかった。米国・ハーバードT.H.Chan公衆衛生大学院のGang Liu氏らが、看護師健康調査(1980~2014年)と医療従事者追跡調査(1986~2014年)の参加者のうち、ベースライン時あるいは追跡期間中に2型糖尿病と診断された1万6,217例について行った試験で明らかにしたもので、Circulation Research誌オンライン版2019年2月19日号で発表した。

加糖飲料と人工甘味飲料、認知機能との関連は

 砂糖入り飲料(SSB)および人工甘味料入り飲料(ASB)と認知機能低下との関連について結果が一致していない。ASBはカロリーが低く、砂糖の含有量が抑えられているため、SSBより健康的と思われているが、人工甘味料の摂取が認知症リスクと関連していたという報告もある。今回、スペイン・ナバラ大学のMariana I Munoz-Garcia氏らの縦断的な検討では、SSBの摂取で6年後の認知機能低下と有意に関連がみられたが、ASBでは有意ではなかったことが報告された。Nutritional Neuroscience誌オンライン版2019年2月22日号に掲載。

燃え尽き症候群と妄想的観念との関連

 これまで、燃え尽き症候群と妄想的観念との関連が疑われていた。しかし、この関連についてのシステマティックな研究は、ほとんど行われていなかった。スイス・ヌーシャテル大学のR. Bianchi氏らは、燃え尽き症候群およびそれに伴ううつ病と妄想的観念との関連を調査した。Occupational Medicine誌2019年2月7日号の報告。  スイス人教師218人(女性の割合:58%、平均年齢:47歳)が本研究に参加した。燃え尽き症候群の評価には、Maslach Burnout Inventory-Educators Surveyの情緒的消耗感(emotional exhaustion:EE)および脱人格化(depersonalization:DP)サブスケールを用い、うつ症状はPHQ-9、妄想的観念はGreen et al. Paranoid Thought Scaleを用いて評価した。

人生を支配するホルモンとは

 『できる男』と言われて何を思い浮かべるだろうか?年収、地位や名誉、そして女性にモテること…。これらをすべてクリアするには何がカギなのだろうか。2019年2月18日、日本抗加齢医学会が主催するメディアセミナーに、井手 久満氏(獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授)が登壇し、「男性のための理想的なライフスタイル」について講演した。  井手氏によると、『できる男』の象徴は、冒頭でも述べた事柄のほか、「スポーツ万能」、「性機能が強い」、「健康寿命が長い」などであり、これらに共通するのがテストステロン値の高さだという。

インフルエンザ診療で不要なこと:医師会の見解

 2019年2月27日、日本医師会の釜萢 敏氏(常任理事)が、今季における季節性インフルエンザについて、診断方法や治療薬の選択、“隠れインフルエンザ”への対応など、世間の話題も踏まえた見解を記者会見で発表した。  昨季に続き、今季もインフルエンザは大規模な流行となったが、患者数は2019年第4週(1月21~27日)をピークに収束をみせている。ピーク時の患者数は昨年を上回ったものの、累積の推計受診者数は、昨季の推計全罹患者数を下回る見とおしだ。

がんマネジメントに有用な栄養療法とは?

 2019年2月14、15日の2日間にわたり、第34回日本静脈経腸栄養学会学術集会が開催された。1日目のシンポジウム3「がんと栄養療法の実際-エビデンス?日常診療?」(司会:比企 直樹氏、鍋谷 圭宏氏)では、岡本 浩一氏(金沢大学消化器・腫瘍・再生外科)が「食道がん化学療法におけるCAWLと有害事象対策としての栄養支持療法」について講演。自施設での食道がん化学療法におけるがん関連体重減少(CAWL)・治療関連サルコペニア対策としての栄養支持療法について報告した。

Z薬の濫用や依存~欧州医薬品庁データ調査

 元来、zaleplon、ゾルピデム、ゾピクロンなどのZ薬は、依存性薬物であるベンゾジアゼピンの安全な代替薬として市販されいていたが、Z薬の濫用、依存、離脱などの可能性に関する臨床的懸念の報告が増加している。英国・ハートフォードシャー大学のFabrizio Schifano氏らは、EudraVigilance(EV)システムを用いて欧州医薬品庁(EMA)より提供された薬物有害反応(ADR)のデータセットを分析し、これらの問題点について評価を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2019年2月5日号の報告。

会員医師が感じる医師不足・偏在の問題

 2月15日に厚生労働省において「医療従事者の需給に関する検討会 医師需給分科会(第28回)」が開催され、将来の医師数不足、診療科による医師数偏在に関する資料が公開された。CareNet.comでは、この発表をうけ、「現在・将来の医師不足、偏在について」をテーマに緊急アンケートを会員医師に行った。今回、その結果がまとまったのでお伝えする。  調査は、2019年2月20日にCareNet.comの医師会員を対象に、インターネット上で実施。回答者総数は340名。