内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:451

睡眠薬の長期使用に関する10年間のフォローアップ調査

 催眠鎮静薬の長期使用は、非常によく行われているが、ガイドラインでは推奨されていない。新規睡眠薬使用患者における長期使用への移行率は、十分に研究されているわけではなく、現時点では、有益だと考えられる推奨薬は不明である。イスラエル・テルアビブ大学のYochai Schonmann氏らは、新規睡眠薬使用患者における長期使用リスクを定量化し、睡眠薬の選択とその後の使用パターンとの関連性を検討した。European Journal of Clinical Pharmacology誌オンライン版2018年8月8日号の報告。

宿日直や自己研鑽はどう扱う?~医師の働き方改革

 厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会(第9回)」が9月3日開かれ、今年度末のとりまとめに向け具体的な議論が開始された。医師の時間外労働の上限時間数の設定をはじめとした対応を議論していくにあたり、座長を務める岩村 正彦氏(東京大学大学院法学政治学研究科教授)は、(1)働き方改革の議論を契機とした、今後目指していく医療提供の姿(国民の医療のかかり方、タスク・シフティングの効率化等)、(2)医師の特殊性を含む医療の特性(応召義務の整理)、(3)医師の働き方に関する制度上の論点(時間外労働の上限時間数の設定、宿日直や自己研鑽の取り扱い等)の3つを軸とすることを提議。この日は事務局が示すデータを基に、宿日直と自己研鑽についての議論が開始された。

外来での高齢者に対する抗菌薬処方(解説:吉田敦氏)-907

高齢者において、抗菌薬の処方が過剰となり、それが薬剤耐性(AMR)に結びついているという指摘は以前から存在した。米国においても、抗菌薬適正使用およびAMRへの取り組みから抗菌薬の総使用量は減少し始めていたが、高齢者における使用量の変化については不明な部分が多かった。今回、高齢者の98%が加入可能な公的保険である米国メディケアにおいて、高齢者の外来での抗菌薬処方と、各診断名に対して適切な抗菌薬が使用されていたかどうかを観察研究として調査した。

FHの発掘は内科と皮膚科・小児科の連携がカギ

 わが国における家族性高コレステロール血症(FH)の患者総数は、25万人以上と推定され、意外にも、日常診療において高頻度に遭遇する疾患と言われている。2018年8月22日に日本動脈硬化学会主催のプレスセミナー「FH(家族性高コレステロール血症)について」において、斯波 真理子氏(国立循環器病研究センター研究所病態代謝部部長)が登壇した。

認知症診断を告知すべきタイミングに関する調査

 最近の認知症関連の分野において、早期診断の議論は、タイムリーな診断を行う方向へ向かっている。タイムリーな告知には、個々の希望や状況を考慮する必要がある。告知に関して患者、その家族、医療従事者の見解が異なる場合、告知がタイムリーであるかの判断は、とくに複雑となる可能性がある。オーストラリア・ニューカッスル大学のRochelle Watson氏らは、認知症診断がどのタイミングで告知されるべきかについて、告知される側の希望に関する検討を行った。BMC Health Services Research誌2018年8月6日号の報告。

PPIで認知症リスクの増加みられず~大規模症例対照研究

 プロトンポンプ阻害薬(PPI)の長期使用とアルツハイマー病(AD)のリスク増加との関連がいくつかの観察研究で報告されているが、使用期間の影響や他の認知症でも当てはまるかどうか検討されていない。スイス・バーゼル大学のPatrick Imfeld氏らは、大規模な症例対照研究により、PPI(またはネガティブコントロールとしてのH2受容体拮抗薬[H2RA])の長期使用と、ADまたは血管性認知症(VaD)の発症リスクとの関連を検討した。その結果、PPIやH2RAに関連するADやVaDのリスク増加はみられなかった。Drug Safety誌オンライン版2018年8月27日号に掲載。

7つの生活習慣、心血管にも認知機能にも好影響/JAMA

 フランス・ボルドー大学のCecilia Samieri氏らは、米国心臓協会(AHA)が推奨する7つの生活習慣(ライフ シンプル7)を用いて定義した心血管の健康レベルと、高齢者の認知症および認知機能低下のリスクとの関連性を検証する65歳以上の地域住民を対象としたコホート研究(The Three-City[3C] Study:3C研究)において、ライフ シンプル7の実行項目数の多さと心血管健康スコア高値は、認知症リスクおよび認知機能低下率の低さと関連していることを明らかにした。著者は、「認知機能低下や認知症と関連するリスク因子を予防するため、心血管の健康増進が望まれる」とまとめている。これまで、心血管の健康レベルと認知症リスクとの関連に関するエビデンスは限られていた。JAMA誌2018年8月21日号掲載の報告。

配合錠、後発品への変更で可能となる節約額/JAMA

 2016年において、米国で販売される先発品の配合錠29種のメディケア支出額は、同用量の後発品と比べて9億2,500万ドル高かったことが、米国・ハーバード・メディカル・スクールのChana A. Sacks氏らにより明らかにされた。結果を踏まえて著者は、「処方者への教育を通じた後発品使用や変更を推進すること、および合理的な変更の指針が、メディケアにおける医薬品支出を抑えるために重要である」と述べている。JAMA誌2018年8月21日号掲載の報告。

禁煙後の体重増加、死亡リスクへの影響は?/NEJM

 禁煙後の体重増加が、禁煙によるベネフィットを減弱させるかは不明とされる。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYang Hu氏らは、3つのコホート研究のデータを解析し、体重増加は短期的な2型糖尿病のリスクを増大させるものの、禁煙による心血管イベントや死亡の抑制効果には影響しないことを示した。研究の成果は、NEJM誌2018年8月16日号に掲載された。禁煙により主要な慢性疾患のリスクが軽減し、余命の延長がもたらされるが、顕著な体重増加を来す場合があり、食欲の増進やエネルギー消費の低下に起因する可能性が指摘されている。体重増加は、禁煙の意欲を失わせ、心血管代謝疾患や早期死亡のリスクが増加することで、禁煙の健康ベネフィットが減弱する可能性が示唆されている。