新型コロナ、トイレでの感染リスクは?

提供元:ケアネット

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公開日:2021/01/22

 

 中国・江蘇省疾病予防管理センターの研究者らが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者専用病院内のトイレとトイレ以外での新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検出状況を調査するため、環境サンプリングを収集し、環境要因を分析した。その結果、SARS-CoV-2陽性を示した4点のサンプルはすべて患者トイレに関連するもので、病棟のドアハンドル、便座カバー、バスルームのドアハンドルから検出された。Science of The Total Environment誌2021年1月20日号掲載の報告。

 研究者らはCOVID-19データとして気流及びCO2濃度の測定を実施。表面サンプルを107点(隔離室のトイレ:37点、隔離室のトイレ以外:34点、院内隔離室外のトイレ以外の表面:36点)、空気サンプルを46点、隔離室(1部屋3ベッド)内外の呼気凝縮液サンプルと呼気サンプルを2点ずつ収集し、分析した。

 主な結果は以下のとおり。

・陽性を示したサンプル4点のうち、3点は弱い陽性で、便座、洗面台のタップレバー、バスルームの天井排気ルーバーから収集したものだった。
・空気サンプル46点のうち、廊下から収集された1点は弱い陽性だった。
・呼気凝縮液サンプル2点と呼気サンプル2点はすべて陰性だった。
・患者が使用したトイレのエアロゾル(糞便由来)には、院内で検出されたSARS-CoV-2のほとんどが含まれていた。

 研究者らは、「今回の結果より、建物の環境設計と清掃習慣が見直されることとなった。また、患者介入する際には手指衛生とともにトイレ表面の定期消毒がCOVID-19対策として重要」としている。

(ケアネット 土井 舞子)