内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:235

1回目AZ、2回目Pfizerワクチン接種で十分な免疫応答/Lancet

 初回にChAdOx1-S(AstraZeneca製)ワクチンを接種した人に、2回目はBNT162b2(Pfizer/BioNTech製)ワクチンを接種した結果、強固な免疫反応が誘導されたことが確認され、忍容性も良好であった。スペイン・マドリード自治大学のAlberto M. Borobia氏らが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の2種類の異なるワクチンを接種した場合の免疫原性および反応原性を評価した第II相多施設共同無作為化非盲検比較試験「CombiVacS試験」の結果を報告した。これまで、ヒトにおける種類の異なるCOVID-19ワクチンを組み合わせた接種スケジュールに関する免疫学的データは報告されていなかった。Lancet誌オンライン版2021年6月25日号掲載の報告。

慢性片頭痛および併存するうつ病に対するフレマネズマブの効果

 カルシトニン遺伝子関連ペプチドを標的とした完全ヒトモノクローナル抗体であるフレマネズマブは、成人の片頭痛に対する予防薬として承認されている。慢性片頭痛患者は、うつ病の合併率が高いといわれている。米国・アルバート・アインシュタイン医科大学のRichard B. Lipton氏らは、中等度~重度のうつ病を伴う慢性片頭痛患者に対するフレマネズマブの有効性および安全性を評価した。Headache誌2021年4月号の報告。  12週間の第III相HALO試験を実施した。慢性片頭痛患者をフレマネズマブ四半期ごと投与群(675mg/プラセボ/プラセボ)、フレマネズマブ月1回投与群(675mg/225mg/225mg)、プラセボ群にランダムに割り付けた。事後分析では、中等度~重度のうつ病(ベースライン時のPHQ-9合計スコア10以上)を伴う片頭痛患者に対するフレマネズマブ投与による効果を評価した。評価項目は、1ヵ月当たりの中等度~重度の頭痛日数、1ヵ月当たりの片頭痛日数、Patient Global Impression of Change(PGIC)スコア、6-item Headache Impact Test(HIT-6)スコア、抑うつ症状とした。

高n-3系+低n-6系脂肪酸食、片頭痛の頻度と痛みを軽減/BMJ

 片頭痛の成人患者の食事療法において、高n-3系脂肪酸食と高n-3系+低n-6系脂肪酸食は、これらの脂肪酸が米国の平均量の食事と比較して、頭痛の病因に関与する生理活性メディエータに変化をもたらし、頭痛の頻度と重症度を軽減するが、QOLには影響を及ぼさないことが、米国・国立老化研究所(NIA)のChristopher E. Ramsden氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2021年7月1日号で報告された。  研究グループは、片頭痛の成人患者において、高n-3系脂肪酸±低n-6系脂肪酸食による食事介入は、頭痛の病因に関与する循環血中の脂質メディエータを変化させ、痛みを軽減するかを検証する目的で、修正二重盲検無作為化対照比較試験を実施した(米国国立補完統合衛生センター[NCCIH]などの助成による)。本試験は、2014年7月~2018年5月の期間に、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校で行われた。

2種のmRNAワクチン、ウイルス量や罹患期間への効果も/NEJM

 COVID-19に対して承認された2回接種のmRNAワクチン2種(BNT162b2[Pfizer-BioNTech]とmRNA-1273[Moderna])の、リアルワールドにおける生産年齢成人への接種の有効性を調べた結果が報告された。米国疾病予防管理センター(CDC)のMark G. Thompson氏らが、医療現場の第一線従事者3,975例への接種について調べた前向きコホート試験の結果で、2回接種後14日以上経過した場合の有効率は91%、1回接種後14日以上経過した場合でも81%と、いずれも高い有効性が示されたという。承認されたmRNAワクチン2種のリアルワールドにおける有効性に関する情報は限定的であったが、試験の結果を踏まえて著者は、「リアルワールドの生産年齢成人において、承認済みワクチンは、SARS-CoV-2感染の予防において非常に有効で、またワクチンを接種したにもかかわらず感染症を呈した同成人の、ウイルスRNA負荷、発熱症状リスクおよび罹患期間を軽減した」と述べている。NEJM誌オンライン版6月30日号掲載の報告。

日本のワクチン忌避者は11%、若年女性は高齢男性の3倍に

 2021年6月25日、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター(NCNP)は、日本初の新型コロナワクチン忌避に関する大規模オンライン調査の結果を発表した。  この調査は、NCNPトランスレーショナル・メディカルセンター大久保 亮氏、福島県立医科大学臨床研究イノベーションセンター吉岡 貴史氏、大阪市立大学大学院公衆衛生学大藤 さとこ氏、聖路加国際病院松尾 貴公氏、大阪国際がん研究センター田淵 貴大氏らの合同研究チームが行ったもので、結果はVaccines誌2021年6月号に掲載された。  研究チームは、2021年2月8〜26日に日本全国から2万6,000人を対象にワクチン接種の意向に関するオンライン調査を実施した(有効回答数は2万3,142人)。

Novavax製コロナワクチンの有効率89.7%、第III相試験/NEJM

 健康成人への遺伝子組み換えナノ粒子ワクチンNVX-CoV2373(米国Novavax製)の2回接種はプラセボと比較して、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の感染予防の有効率が89.7%と高率で、B.1.1.7変異株(α株)にも同程度の効果を有することが、英国・ロンドン大学セントジョージ校のPaul T. Heath氏ら研究グループが実施した「2019nCoV-302試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年6月30日号に掲載された。  本研究は、SARS-CoV-2感染の予防におけるNVX-CoV2373の安全性と有効性の評価を目的とする評価者盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、2020年9月28日~11月28日の期間に、英国の33施設で参加者の登録が行われた(米国Novavaxの助成による)。  対象は、年齢18~84歳の男性または非妊娠女性で、健康または安定期慢性疾患(多剤併用療法[HAART]を受けているHIV感染、心疾患、呼吸器疾患の患者を含む)の集団であった。

2種類のコロナワクチン、副反応疑いの報告状況/厚労省

 厚生労働省は、7月7日に今までに報告された新型コロナワクチンの副反応疑い報告など、ワクチン接種後の副反応(副作用)に関する情報をまとめたレポートを「新型コロナワクチンの副反応疑い報告について」として公開した。  レポートは、ワクチンの接種後に生じうる副反応を疑う事例について、医療機関などに報告を求め、収集したものを同省の審議会に報告し、専門家による評価を行ったもの。  いずれのワクチンも、これまで通り安全性において重大な懸念は認められないと評価された。なお、ワクチンにより接種対象者の年齢や接種会場などの属性が大きく異なるため、両ワクチンの単純な比較は困難であり、注意が必要。

認知症またはMCIの高齢者に対するVR介入~メタ解析

 バーチャルリアリティ(VR)介入は、脳卒中やパーキンソン病などの神経疾患の患者にとって、革新的かつ効果的なリハビリテーションツールとして期待されている。中国・南京医科大学のShizhe Zhu氏らは、軽度認知障害(MCI)または認知症の高齢者における認知機能や運動機能に対するVR介入の有効性を評価するため、メタ解析を実施した。Frontiers in Aging Neuroscience誌2021年5月5日号の報告。  2020年4月までに公表された関連文献を、7つのデータベースよりシステマティックに検索した。60歳以上のMCIまたは認知症の患者を対象としてVR介入の検討を行ったランダム化比較試験を含めた。主要アウトカムは、全体的な認知機能、包括的な認知機能、注意、実行機能、記憶、視空間認知能力を含む認知機能とした。副次的アウトカムは、全体的な運動機能、バランス、歩行を含む運動能力とした。不均一性の潜在的な因子を特定するため、研究の特徴に基づいてサブグループ解析を行った。

新規GIP/GLP-1受容体作動薬、セマグルチドに対し優越性を示す/NEJM

 2型糖尿病患者において、tirzepatideはセマグルチドに対しベースラインから40週までのHbA1c低下が有意に優れていることが認められた。米国・National Research InstituteのJuan P. Frias氏らが、第III相無作為化非盲検試験「SURPASS-2試験」の結果を報告した。tirzepatideは、新規2型糖尿病治療薬として開発中のデュアル・グルコース依存性インスリン刺激性ポリペプチド(GIP)/グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬で、第III相国際臨床開発プログラムであるSURPASSプログラムにおいて、有効性と安全性が検討されている。そのうちSURPASS-2試験では、選択的GLP-1受容体作動薬セマグルチドの承認されている最高用量との比較が行われた。NEJM誌オンライン版2021年6月25日号掲載の報告。

エンパグリフロジン、HFpEFに初の有効性を確認/EMPEROR-Preserved試験

 SGLT2阻害薬エンパグリフロジンが、左室駆出率の保たれた心不全(HFpEF)患者を対象とした第III相EMPEROR-Preserved試験において、主要評価項目(心不全による心血管死または入院いずれかの最初のイベントまでの期間)を達成し、糖尿病の有無にかかわらず、HFpEF患者の心血管死または心不全による入院の複合リスクを有意に減少させたことを、ドイツ・べーリンガーインゲルハイムと米国・イーライリリーが、7月6日、プレスリリースで発表した。本試験の結果は、2021年8月の欧州心臓病学会(ESC)年次学術集会で発表される予定。