近年、家庭血圧測定(self monitoring of blood pressure;SMBP)が重要視されるようになってきている。その際に用いる血圧計として、スマートフォン(以下、スマホ)のアプリに接続でき、血圧を含めたさまざまな健康情報が得られるハイテクデバイスは、従来のカフ式の血圧計と比べて降圧効果に優れているわけではないとする研究結果が報告された。米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)疫学・生物統計学分野教授のMark Pletcher氏らが実施したこの研究の詳細は、「JAMA Internal Medicine」に8月15日掲載された。
Pletcher氏らは今回、2,101人の高血圧患者を、6カ月にわたって従来の標準的な血圧計を用いる群(1,050人、標準血圧計群)とスマホのアプリに接続できるなどの高度な機能が備わった血圧計を用いる群(1,051人、高機能血圧計群)にランダムに割り付け、高機能デバイスにより従来の血圧計よりも高い降圧効果や患者満足度を得られるのか否かを検討した。主要評価項目は、試験開始時から6カ月後時点でのクリニックで測定した収縮期血圧(上の血圧)の低下量とした。