感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:43

新型コロナが小児感染症に及ぼした影響

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが小児感染症に及ぼした影響として、long COVID(罹患後症状、いわゆる後遺症)や医療提供体制の変化、感染症の流行パターンの変化などが挙げられる。これらをまとめたものが、イスラエルのネゲブ・ベン・グリオン大学のMoshe Shmueli氏らによってEuropean Journal of Pediatrics誌オンライン版2023年9月20日号に報告された。   本研究はナラティブレビューとして実施した。  主な結果は以下のとおり。

アミカシン吸入、人工呼吸器関連肺炎発症を抑制/NEJM

 少なくとも3日間侵襲的人工呼吸管理を受けている患者において、アミカシン1日1回3日間吸入投与はプラセボと比較し、28日間の人工呼吸器関連肺炎(VAP)の発症を有意に減少したことが、フランス・トゥール大学のStephan Ehrmann氏らCRICS-TRIGGERSEP F-CRIN Research Networksが実施した多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照優越性試験「AMIKINHAL試験」において示された。予防的な抗菌薬吸入投与がVAPの発症を減少させるかどうかは不明であった。NEJM誌オンライン版2023年10月25日号掲載の報告。

インフルエンザワクチン接種率、コロナ前後でどう変化した?

 コロナ禍を経て、インフルエンザワクチン接種に対する意識はどう変化しただろうか。米国・ブリガム・ヤング大学のTy J. Skyles氏らによる研究の詳細が、Journal of Community Health誌オンライン版2023年9月11日号に報告された。  本研究では、同大学に通う440人の学生にアンケートを実施し、2007年のデータと比較した。アンケートでは、インフルエンザワクチン接種に対する意識の実態および過去16年間の変化の要因を調査した。また、回答者には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の経験やCOVID-19によるワクチン接種への意識の変化についても質問した。

BA.2.86「ピロラ」感染3週間後の抗体応答が大幅に増強/NEJM

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株であるオミクロン株BA.2.86(通称:ピロラ)は、2023年8月初頭にデンマークで初めて報告され、スウェーデンでは8月7日に初めて検出された。本症例(インデックスケース)は、慢性疾患のない免疫不全の女性であった。本症例の血清および鼻腔粘膜の抗体応答について、2023年2月に得られた検体と、BA.2.86感染から3週間後に得られた検体を用いて比較したところ、BA.2.86感染後ではIgA値およびIgG値の上昇が認められ、感染前より抗体応答が大幅に増強されることが示唆された。スウェーデン・カロリンスカ研究所のOscar Bladh氏らによる、NEJM誌2023年10月26日号CORRESPONDENCEに掲載の報告。

モデルナのコロナワクチン、生後6ヵ月以上で初回免疫の一変承認取得

 新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンを提供するモデルナは、2023年10月25日付のプレスリリースで、「スパイクバックス筋注」の生後6ヵ月以上を対象とした初回免疫に関する承認事項の一部変更承認を取得したと発表した。厚生科学審議会への諮問・答申を経て、予防接種実施規則改正をもってはじめて特例臨時接種での使用が可能となる。  今回の一部変更承認は、生後6ヵ月以上を対象とした「スパイクバックス筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.1)」「スパイクバックス筋注(2価:起源株/オミクロン株BA.4-5)」および「スパイクバックス筋注(1価:オミクロン株XBB.1.5)」における初回免疫である。

引用頻度が高いコロナ論文の多い国・大学は

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック開始から3年間、非常に多くのCOVID-19関連の論文が世界中で発表された。京都大学大学院医学研究科の船田 哲氏(現:慶應義塾大学)らの研究グループは、被引用数の多いCOVID-19関連論文を発表した国や機関、研究領域などの傾向を調査した。その結果、高被引用論文の件数は2021年末にピークに達した後、2022年末まで減少傾向を示し、発表数の多い国は当初の中国から米国および英国へと推移していることなどが判明した。JAMA Network Open誌2023年9月8日号に掲載。  本研究では、2020年1月~2022年12月の期間で、Clarivate社のEssential Science Indicators(学術論文の引用動向データを提供するデータベース)から、引用頻度の高い論文を、2ヵ月ごと18期間分を抽出した。それらの論文の固有のアクセッション番号に基づいて、論文データベースのWeb of Science Core Collectionを用いて書誌情報を照会し、COVID-19に関する論文を特定した。論文数は分数カウント法に基づいてカウントし、著者の国、所属機関、研究分野などを調査した。

関節形成術の感染予防、バンコマイシン追加は有効か/NEJM

 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の保菌が確認されていない関節形成術を受ける患者において、セファゾリンによる標準的な周術期抗菌薬予防投与にバンコマイシンを追加しても手術部位感染予防効果は改善しないことが示された。オーストラリア・モナシュ大学のTrisha N. Peel氏らが、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験「Australian Surgical Antibiotic Prophylaxis trial:ASAP試験」の結果を報告した。現行ガイドラインでは、関節形成術における感染予防としてセファゾリンや第2世代セファロスポリン系抗菌薬の投与が推奨されているが、MRSAやメチシリン耐性表皮ブドウ球菌の感染は予防できない恐れがある。バンコマイシンの追加で手術部位感染が減少する可能性があるが、有効性および安全性は不明であった。NEJM誌2023年10月19日号掲載の報告。

新型コロナによる多臓器不全のメカニズム、iPS細胞由来オルガノイドで解明/阪大ほか

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染によって起きる特徴的な症状の1つとして全身の血管で血栓が形成され、多臓器不全につながることは知られていたが、そのメカニズムについては明らかではなかった。大阪大学ヒューマン・メタバース疾患研究拠点(WPI-PRIMe)の武部 貴則氏ほか、東京医科歯科大学、タケダ-CiRA共同研究プログラム(T-CiRA)、滋賀医科大学、名古屋大学の共同研究グループは、ヒトiPS細胞由来の血管オルガノイドを作成し、それを用いたin vitroおよびin vivo実験で、補体代替経路と呼ばれる分子経路群が血管炎や血栓の原因となりうることを発見した。さらに、補体代替経路を増幅するD因子に着目し、D因子を阻害する半減期延長型抗D因子抗体を用いることで、SARS-CoV-2感染モデルの血管炎症状の軽減に成功した。本研究結果は、Cell Stem Cell誌2023年10月5日号に掲載された。

抗インフル薬、国内で最も処方頻度が高いのは?/NCGM国府台病院

 国立国際医療研究センター(NCGM)国府台病院総合内科の酒匂 赤人氏らの研究グループと国立国際医療研究センター病院は共同でわが国の全国規模のインフルエンザ診療の実態を調べ、その結果を報告した。  研究報告によると2017年度の抗インフルエンザ治療薬処方人数は1,339万例で、薬剤費は480億円。2018年度では処方患者数の約38%を20歳未満が占め、5~9歳では4例に1例が処方された計算だった。PLoS One誌2023年10月4日号の報告。

HIV陽性者の結核性髄膜炎、デキサメタゾン追加は有用か/NEJM

 結核性髄膜炎を有するHIV陽性の成人患者の治療において、抗結核化学療法に補助療法としてデキサメタゾンを追加する方法は、プラセボの追加と比較して、1年生存率を改善せず、神経障害や免疫再構築症候群(IRIS)の発生などに関しても有益性を認めないことが、ベトナム・オックスフォード大学臨床研究所(OUCRU)のJoseph Donovan氏らが実施した「ACT HIV試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2023年10月12日に掲載された。  ACT HIV試験は、ベトナムとインドネシアの施設で実施された二重盲検無作為化プラセボ対照試験であり、2017年5月~2021年4月の期間に参加者の無作為化を行った(Wellcome Trustの助成を受けた)。