感染症内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:172

「8週間以上の自粛は耐えられる」約4割/アイスタット

 新型コロナウイルス感染症の拡大について、一般市民の意識の実態を知る目的に、株式会社アイスタット(代表取締役社長 志賀保夫)は、4月20日に2回目の「新型コロナウイルスに関するアンケート調査」を行った(1回目は3月20日に実施)。  アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の会員で20~79歳の300人を対象に調査を実施したもの。  同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。

敗血症関連頻脈性不整脈に対して、ランジオロールが目標心拍数の達成と新規不整脈発生の抑制を示す(J-Land 3S)

 敗血症または敗血症性ショックにおける頻脈性不整脈に対して、従来治療にランジオロールを加えた治療が従来治療に比べ24時間後の心拍数60~94bpm達成率を有意に高め、168時間までの新規不整脈発生率を有意に低下することが、鹿児島大学の垣花 泰之氏らによるJ-Land 3Sで示された。詳細は、Lancet Respiratory Medicine誌オンライン版2020年3月31日号に掲載された。  敗血症関連頻脈性不整脈は、発症頻度が高く予後が悪い疾患である。しかし、現在のところ効果的な治療法は存在していない。

始まった感染症予防連携プロジェクト/日本感染症学会・日本環境感染学会

 新型コロナウイルス感染症の流行により、麻疹や風疹の被害が置き去りにされている中で、日本感染症学会(理事長:舘田 一博氏)と日本環境感染学会(理事長:吉田 正樹氏)は、国際的な同一目的で集合した多人数の集団(マスギャザリング)に向けて注意すべき感染症について理解を広げるWEBサイト「FUSEGU ふせぐ2020」をオープンした。  これは感染症対策に取り組む医学会、企業・団体が連携し、マスギャザリングでリスクが高まる感染症の理解向上と、必要な予防手段の普及を目標に感染症予防連携プロジェクトとして推進しているものである。

HPVワクチン+検診で子宮頸がん撲滅可能−日本はまず積極的勧奨中止以前の接種率回復を(解説:前田裕斗氏)-1222

子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じることがわかっている、いわば「感染症」の1つである。2018年のデータによれば全世界で約57万件の新規発生と約31万人の死亡が報告されており、女性において4番目に頻度の多いがんである。この子宮頸がんを予防するうえで最も効果的なのがHPVワクチンだ。当初はがんを起こしやすいHPV16、18を対象とした2価ワクチンのみであったが、現在では9価のワクチンが開発され、海外では主に使用されている。ワクチンの効果は高く、接種率の高い国ではワクチンの対応する型のHPVを73~85%、がんに進展しうる子宮頸部の異形成(中等度以上)を41~57%減少させたと報告されている。

高特異度のCOVID-19抗体検査キット、FDAが緊急使用許可/オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス

 米国の臨床検査用機器・診断薬メーカーであるオーソ・クリニカル・ダイアグノスティックスは4月25日、SARS-CoV-2の抗体検査試薬「ビトロスAnti-SARS-CoV-2 IgG 抗体検査試薬キット(COVID-19 IgG 抗体検査試薬)」がFDAによる緊急使用許可(EUA)を取得したと発表した。  同社では、別の抗体検査試薬が4月14日にすでにEUAを取得している。1種類目の「ビトロス Anti-SARS-CoV-2 Total抗体検査試薬キット(COVID-19 Total抗体検査試薬)」は、感染初期の急性期に出現するIgM抗体を含むすべての抗体を検出し、免疫の獲得開始の判断への活用が期待される。今回EUA を取得した2種類目の COVID-19 IgG抗体検査試薬は、感染の後期に出現し、回復後も患者の血液中に存在するIgG 抗体のみを検出する。

COVID-19の実効再生産数は公衆衛生介入で抑制か/JAMA

 中国・湖北省武漢市のCOVID-19集団発生(outbreak)では、都市封鎖(city lockdown)や社会的距離(social distancing)、自宅隔離、集約化された検疫・治療、医療資源の拡充など一連の多面的な公衆衛生的介入により、初発の確定症例や実効再生産数(2次感染の指標)が経時的に抑制されたことが、中国・華中科技大学のAn Pan氏らの調査で示された。COVID-19の世界的な大流行(pandemic)では、さまざまな公衆衛生的介入が行われているが、これによって集団発生状況が改善されたか明確ではないという。JAMA誌オンライン版2020年4月10日号掲載の報告。

チクングニアウイルス、ウイルス様粒子ワクチンの安全性を確認/JAMA

 近年、チクングニアウイルス(CHIKV)の世界的な流行が認められ、安全で有効なワクチンの開発が望まれている。米国・国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のGrace L. Chen氏らVRC 704試験の研究グループは、開発中のウイルス様粒子ワクチン(CHIKV VLP)はプラセボに比べ、安全性および忍容性が良好であることを確認した。CHIKVは、蚊媒介性のアルファウイルスで、現時点で承認を受けたワクチンや治療法はないという。JAMA誌2020年4月14日号掲載の報告。

COVID-19疑い例のPCR検査実施状況は?-会員医師アンケート

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大に伴い、PCR検査の実施数を増やすべきとの声も高まっている。診療現場におけるCOVID-19疑い例数、PCR検査の照会数、PCR検査実施数、PCR陽性数はどのように推移しているのか。  ケアネットでは、2020年4月9日より週次で、病床を有していない診療所で働く会員医師を対象に「直近1週間のCOVID-19疑い例の診療状況」についてアンケートを行っている(現在2回目を終了)。  調査対象とした地域は関東(埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)、名古屋(愛知県)、関西(京都府、大阪府、兵庫県)、福岡(福岡県)の4エリア。

アイスランドの新型コロナウイルス、遺伝子型が変化/NEJM

 アイスランドでは新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染陽性率が、10歳以上および男性と比較して、10歳未満児および女性では低いことが明らかになった。アイスランド・deCODE Genetics-AmgenのDaniel F. Gudbjarsson氏らが、同国における高リスクの特定集団と市民を対象に実施した住民ベースの調査結果を報告した。アイスランドでは2月末に初めてCOVID-19と診断された患者が発生したが、COVID-19の原因ウイルスSARS-CoV-2が、どのようにアイスランドの住民に感染・拡大したかについてはデータが限られていた。今回の調査では、SARS-CoV-2のハプロタイプは多様で経時的な変化が認められること、一般市民で確認された感染陽性率はスクリーニング期間中あまり変化していないことも示され、著者は「封じ込め策が有効であったと考えられる」との見解を示している。NEJM誌オンライン版2020年4月14日号掲載の報告。

COVID-19の救世主現る?(解説:岡慎一氏)-1221

たった53例のCOVID-19患者の、しかもCompassionate useのremdesivirの結果が、NEJM誌のOriginal Articleに掲載された。やや驚きである。いかに世界中がCOVID-19の治療薬を欲しているかがよくわかる。もともとは、エボラ出血熱の治療薬として開発されたものである。急にこの世に現れ、致死率が高いにもかかわらず感染力が強く、あっという間にPandemicになってしまったCOVID-19である。当然、COVID-19を引き起こすSARS-CoV-2に対する特異的な治療薬などまだないため、抗HIV薬のロピナビルや抗マラリア薬のクロロキンなど、いろいろな薬剤が治療薬の候補として浮かび上がっていた。