消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:90

PD-L1陽性胃がんの2次治療でのペムブロリズマブの追跡結果(KEYNOTE-061試験)/ASCO2020

 米イエールがんセンターのCharles S. Fuchs氏は、PD-L1陽性進行胃がん・胃食道接合部がんの2次治療でのペムブロリズマブとパクリタキセルを比較する無作為化非盲検化第III相試験KEYNOTE-061の結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表。追加の2年の追跡期間を加えてもペムブロリズマブはパクリタキセルに比べ無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の有意な改善効果を示せなかったと報告した。

静脈栄養製剤の「使用上の注意」改訂で透析・血液ろ過患者は慎重投与に/厚労省

 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会(医薬品等安全対策部会安全対策調査会)は2020年6月25日付の課長通知で、一般用静脈栄養製剤及び肝不全用アミノ酸製剤の添付文書の改訂指示を発出した。改訂対象には一般用静脈栄養製剤計25品目(アミノ酸製剤10品目[アミパレン:大塚製薬工場 ほか]、末梢静脈栄養用製剤5品目[ビーフリード:大塚製薬工場 ほか]、中心静脈栄養用基本液4品目[ハイカリック:テルモ ほか]、中心静脈栄養用キット製剤6品目[フルカリック:テルモ ほか])と肝不全用アミノ酸製剤4品目(アミノレバン:大塚製薬工場 ほか)が該当する。

HER2+大腸がんに対するトラスツズマブ デルクステカンの成績(DESTINY-CRC01)/ASCO2020

 イタリア・Universita degli Studi di MilanoのSalvatore Siena氏は、HER2陽性転移大腸がんに対する抗HER2抗体薬物複合体製剤トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd、DS-8201)の多施設共同非盲検第II相試験DESTINY-CRC01の結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表。標準治療に抵抗性を示す転移大腸がんでは注目すべき活性を示すと報告した。

トラスツズマブ デルクステカン、既治療HER2+胃がんのOS改善/NEJM

 既治療HER2陽性胃がん患者において、トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)は医師が選択した化学療法と比較し、客観的奏効率(ORR)および全生存期間(OS)を有意に改善した。安全性については、骨髄抑制および間質性肺疾患の副作用が顕著であった。国立がん研究センター東病院の設楽 紘平氏らが、日本の48施設および韓国の18施設で実施した無作為化非盲検第II相試験「DESTINY-Gastric01試験」の結果を報告した。トラスツズマブ デルクステカンは、抗HER2抗体と新規トポイソメラーゼI阻害薬を、切断可能なテトラペプチドベースのリンカーを介して結合させた抗体薬物複合体(ADC)である。第I相試験において既治療HER2陽性進行胃がんに対する有効性が示されていた。NEJM誌2020年6月18日号掲載の報告。

長期の生物学的製剤使用、メラノーマのリスクを増大?

 炎症性疾患に対する長期にわたる生物学的製剤の使用は、メラノーマのリスクを増大するのか。英国・マンチェスター大学のShamarke Esse氏らは、システマティック・レビューとメタ解析の結果、「その可能性を否定できない」とする所見が得られたことを報告した。生物学的製剤は、炎症性疾患の治療薬として幅広く処方されるようになっている一方で、免疫が介在した炎症性疾患である炎症性腸疾患(IBD)、関節リウマチ(RA)、乾癬の患者において、長期にわたる生物学的製剤治療は従来の全身治療と比べてメラノーマのリスクを増大するのではないか、との懸念が出ている。

急性間欠性ポルフィリン症、RNAi薬givosiranが有効/NEJM

 急性間欠性ポルフィリン症患者の治療において、RNAi(RNA interference:RNA干渉)治療薬givosiranはプラセボに比べ、ポルフィリン症発作をはじめとする諸症状の抑制に高い効果を発揮する一方で、肝臓や腎臓の有害事象の頻度が高いことが、米国・マウントサイナイ・アイカーン医科大学のManisha Balwani氏らが実施した「ENVISION試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年6月11日号に掲載された。急性肝性ポルフィリン症の急性発作と慢性症状の病因の中心となるのは、δ-アミノレブリン酸(ALA)とポルフォビリノーゲン(PBG)の蓄積をもたらす肝臓のδ-アミノレブリン酸合成酵素1(ALAS1)のアップレギュレーションと考えられている。givosiranは、ALAS1のmRNAを標的とするRNAi治療薬であり、ALAとPBGの蓄積を防止するという。

FDA、腫瘍遺伝子変異量高値(TMB-H)固形がんにペムブロリズマブを承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、2020年6月16日、切除不能または転移性腫瘍変異高(TMB-H)の成人および小児患者の治療(≧10mut/Mb)について、ペンブロリズマブを迅速承認。また、Foundation One CDxアッセイもペムブロリズマブの診断薬として承認した。  ペムブロリズマブの有効性は、多施設非無作為化オープンラベル試験KEYNOTE-158に登録された、さまざまな既治療の切除不能または転移性TMB-H固形がん患者でが調査された。主要有効性評価項目は、RECIST v1.1に従って盲検独立中央評価委員会で評価された全奏効率(ORR)と奏効期間(DoR)であった。

HER2+胃・胃食道接合部腺がん患者におけるトラスツズマブ デルクステカン(DESTINY-Gastric01)/ASCO2020

 HER2高発現の胃・胃食道接合部腺がんにおける抗HER2抗体複合体トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)のオープンラベル多施設無作為化第II相試験DESTINY-Gastric01の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で、国立がん研究センター東病院の設樂 紘平氏により発表された。

MSI-H/dMMR進行大腸がん1次治療でペムブロリズマブ単剤と化学療法を比較した第III相試験(KEYNOTE-177)/ASCO2020

 フランス・Sorbonne University and Saint-Antoine HospitalのThierry Andre氏は、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)またはDNA修復欠損(dMMR)の進行大腸がん患者に対する1次治療としてペムブロリズマブ単剤療法と化学療法を比較した無作為化非盲検第III相試験であるKEYNOTE-177試験の結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表。化学療法と比較してペムブロリズマブ単剤が無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に改善すると報告した。

亜鉛欠乏症診療ガイドライン、味覚障害など症例別の治療効果が充実

 亜鉛欠乏症は世界で約20億人いるものの、世界的に認知度が低い疾患である。そして、日本も例外ではないー。日本臨床栄養学会ミネラル栄養部会の児玉 浩子氏(帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科教授・学科長)が委員長を務め、2018年7月に発刊された『亜鉛欠乏症診療ガイドライン2018』の概要がInternational Journal of Molecular Sciences誌2020年4月22日号に掲載された。  亜鉛欠乏症診療ガイドライン2018にて、同氏らは亜鉛欠乏症の診断基準を以下のように示した。