消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:76

ペムブロリズマブのMSI-High固形がんに対する第II相試験(KEYNOTE-164、158統合解析)/ESMO2019

 米メモリアル・スローン・ケタリングがんセンター固形がん腫瘍学部門のLuis Diaz氏は、局所進行・転移のあるミスマッチ修復(MMR)欠損または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がんに対するペムブロリズマブの第II相試験KEYNOTE-164とKEYNOTE-158の統合解析結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で発表。MMR欠損またはMSI-Highを有する固形がんでは、がん種にかかわらずペムブロリズマブが安定した効果を示し、安全性も管理可能なものであると述べた。

家族歴が発症リスクに関連するがん種~日本人10万人の前向き研究

 がんの家族歴は、いくつかのがん種におけるリスク増加の重要な因子である。がんの家族歴と、遺伝的に一致するがんリスクとの関連は多くの疫学研究で報告されているが、生活習慣を調整した包括的な前向き研究はない。今回、わが国のJPHC研究において、国立がん研究センターの日高 章寿氏らによる研究から、膀胱がん、膵がん、食道がんなどのいくつかのがん種で、がんの家族歴ががんリスク増加と関連することが示唆された。International Journal of Cancer誌オンライン版2019年10月8日号に掲載。

NAFLD/NASH患者、リスク因子補正後のAMIや脳卒中リスクとの関連は?/BMJ

 欧州の大規模な4つのデータベースを用いた検討で、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と診断された成人は、年齢、性別、診療情報を適合したNAFLDを有さない成人と比較して、既知の心血管リスク因子補正後、急性心筋梗塞(AMI)や脳卒中の発生リスクに、わずかな増大は認められるが有意差はないことが明らかにされた。英国・GlaxoSmithKlineのMyriam Alexander氏らが計1,770万例を対象とした適合コホート試験の結果で、著者は「NAFLD診断成人の心血管リスク評価は重要だが、一般集団のそれと同様とすべきであろう」と述べている。NAFLDは、メタボリックシンドロームやその他のAMIや脳卒中のリスク因子との関連が認められている。AMIおよび脳卒中リスク増大との関連、および心血管疾患の代用マーカー(surrogate marker)との関連が示されているが、既知のリスク因子補正後の関連性について完全には確立されていなかった。BMJ誌2019年10月8日号掲載の報告。

アテゾリズマブ+ベバシズマブ、肝細胞がんの生存を改善(IMbrave150)/Roche

 アテゾリズマブ(商品名:テセントリク)とベバシズマブ(同:アバスチン)の併用が肝細胞がん(HCC)の1次治療において生存を改善した。  Roche社は、2019年10月21日、切除不能肝細胞がん(HCC)を対象にしたアテゾリズマブとベバシズマブ併用の第III相IMbrave150試験において、全生存(OS)および無増悪生存(PFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示したことを発表した。  IMbrave150は、未治療の切除不能HCCの501例を対象とした、国際多施設共同非盲検第III相試験。対象患者は無作為にアテゾリズマブとベバシズマブ併用またはソラフェニブに割り付けられ、許容できない毒性または臨床的利益の喪失まで、治療を受けた。主要評価項目は、独立審査委員会(IRF)によるOSとPFSである。IMbrave150試験のデータは、今後の医学学会で発表される予定。

局所進行胃がんに対するDOSによる術前化学療法の追加効果(PRODIGY)/ESMO2019

 局所進行胃がんに対する術後S-1治療への術前ドセタキセル+オキサリプラチン+S-1(DOS)の追加効果を検討したPRODIGY試験の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で報告された。韓国・蔚山大学校のYoon-Koo Kang氏による発表。  アジアにおいて、胃切除リンパ節郭清(D2)とそれに続く術後化学療法は、切除可能進行胃がんに対する標準治療となっている。PRODIGY試験は、標準治療へのDOSの術前化学療法追加による効果を検証した第III相試験である。

BRAF V600E変異大腸がんに対するビニメチニブ、エンコラフェニブ、セツキシマブの3剤併用(BEACON CRC)/ESMO2019

 スペインVall d’Hebron 大学病院のJosep Tabernero氏は、転移のあるBRAF V600E変異大腸がんに対する、BRAF阻害薬アンコラフェニブ、MEK阻害薬ビニメチブ、抗EGFR抗体セツキシマブの3剤併用療法を検証した無作為化非盲検の第III相試験BEACON CRCの結果を発表。この3剤併用療法あるいはアンコラフェニブとセツキシマブの併用療法は、従来のFOLFIRI療法あるいはイリノテカンにセツキシマブを加えた治療法に比べ、全生存期間(OS)、奏効率(ORR)を有意に改善すると報告した。

ニボルマブ、食道がん2次治療以降のOS改善(ATTRACTION-3)/ESMO2019

 韓国・延世医科大学延世がんセンターのByoung Chul Cho氏は、進行・再発の食道扁平上皮がんの2次治療でニボルマブとタキサン系抗がん剤による化学療法を比較した第III相試験ATTRACTION-3の結果を欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で報告。ニボルマブは化学療法と比較し、全生存期間(OS)を有意に延長したことを明らかにした。 ・対象:1次治療でプラチナベース化学療法が不応あるいは施行後に無効になった切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん患者(PS 0~1)

BRAF V600E遺伝子変異大腸がん、MAPK経路標的の3剤併用は?/NEJM

 BRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する既治療大腸がん患者の治療では、エンコラフェニブ(BRAF阻害薬)+セツキシマブ(抗EGFRモノクローナル抗体)+ビニメチニブ(MEK阻害薬)併用療法およびエンコラフェニブ+セツキシマブ併用療法は標準治療と比較して、いずれも全生存(OS)期間を有意に延長し、奏効率も有意に高いことが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのScott Kopetz氏らが行ったBEACON CRC試験で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2019年9月30日号に掲載された。BRAF V600E遺伝子変異陽性の転移を有する大腸がんの予後は不良であり、初回治療不成功後のOS期間中央値は4~6ヵ月とされる。また、BRAFだけを阻害しても、上皮成長因子受容体(EGFR)シグナル伝達を介して伝達路が再活性化されるため、腫瘍縮小効果は限定的だという。この3剤併用レジメンは、MAPKシグナル伝達経路を最も効果的に阻害する併用療法としてデザインされた。

胃がん周術期SOX、術後XELOXに対する優越性示す(RESOLVE)/ESMO2019

 局所進行胃がんに対する周術期(術前および術後)のオキサリプラチンとS-1の併用療法の有効性を検討した試験(RESOLVE試験)の結果が、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2019)で発表された。中国・北京大学のJiafu Ji氏による発表。  RESOLVE試験は、術前および術後化学療法としてのSOX(S-1+オキサリプラチン)の有効性ならびに安全性を術後SOXおよび術後XELOX(カペシタビン+オキサリプラチン)と比較した第III相試験である。対象者は胃切除リンパ節郭清(D2)を受けたcT4a/N+M0またはcT4bNxM0の胃がん患者1,094例で、以下の3群に割り付けられた。

世界初のRNAi治療の最前線

 2019年9月13日、Alnylam Japan(アルナイラム・ジャパン)株式会社は、9月9日にトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー治療薬「オンパットロ点滴静注 2mg/mL」(一般名:パチシランナトリウム)を発売したことに寄せ、都内でメディアセミナーを開催した。  パチシランナトリウムは、日本国内における初のRNAi(RNA interference:RNA干渉)治療薬*であり、同社が国内で上市・販売する最初の製品。