消化器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:67

NAFLDを併存する糖尿病患者の重症低血糖リスクは?

 2型糖尿病と併存する肝硬変では低血糖が起こりやすいことが知られているが、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)ではどうなのだろうか。今回、韓国・延世大学校医療院のJi-Yeon Lee氏らの研究によって、2型糖尿病患者におけるNAFLDと重症低血糖との関連が調査された。その結果、2型糖尿病を有するNAFLD患者は、肥満かどうかにかかわらず、救急搬送または入院を必要とする重症低血糖のリスクが26%増加することが報告された。2月23日、JAMA Network Openに掲載。

がん患者でのブースター接種後のオミクロン株への中和抗体、固形・血液腫瘍別/Lancet

 英国のがん患者の前向きコホートにおいて、新型コロナワクチン3回目接種前後のオミクロン株への中和抗体価を調べたところ、多くの患者が接種前には検出不可能だったが、接種後に検出可能な患者が大幅に増加したことが示された。そのうち固形腫瘍患者では3回目接種で90%の患者が抗体価の検出が可能だったが、血液腫瘍患者では検出可能が56%でB細胞除去療法を受けた症例や進行例の多くは検出不可能だったという。英国・The Francis Crick InstituteのAnnika Fendler氏らが、Lancet誌オンライン版2022年1月25日号のCORRESPONDENCEに報告した。

食道扁平上皮がん、術前の3剤併用化学療法でOS延長(JCOG1109)/日本臨床腫瘍学会

 切除可能局所進行食道がんの術前療法は、日本では5-FU+シスプラチン(CF療法)が標準療法だが、欧米においては化学放射線療法が標準となっている。日本と海外は術式や組織型が異なるため、海外の臨床試験の結果をそのまま受け入れるのは難しいと考えられていたが、CF療法にドセタキセルを加えたDCF療法が頭頸部がんなどで有望な効果を示しており、食道がん術前治療でも有望な成績が報告されている。

リキッドバイオプシーによる術後再発リスク評価(COSMOS-CRC-01)/日本臨床腫瘍学会

 2021年に国内で初めて、リキッドバイオプシーを用いた固形がんに対する包括的ゲノムプロファイリングが保険承認された。現在、リキッドバイオプシーを用いた血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を解析し術後の微小残存腫瘍(MRD)を検出することで術後の再発リスクを評価するというCOSMOS試験が進行中だ。  MRD測定は造血器腫瘍分野における予後予測に広く使われており、固形がんにおける予後予測にも使えるのではないかと検討されていた。COSMOS試験は国立がん研究センターを中心としたがん臨床研究の基盤であるSCRUM-Japanのプロジェクトの1つであり、大腸がん、胃がん、膵がん、肝臓がん、メラノーマ患者を対象としている。

食道がん1次治療におけるニボルマブ+イピリムマブとニボルマブ+化学療法、日本人サブ解析(CheckMate-648)/日本臨床腫瘍学会

 進行食道扁平上皮がんの1次治療における免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用、および免疫チェックポイント阻害薬2剤併用の有用性を示したCheckMate-648試験。2022年2月に開催された第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)において、本試験の日本人サブグループの解析結果を、神奈川県立がんセンターの尾形 高士氏が発表した。 [CheckMate-648試験] ・対象:未治療の切除不能な進行または転移のある食道扁平上皮がん患者 ・試験群:以下の3群に1対1の割合で無作為に割り付け ニボイピ群:ニボルマブ3mg/kgを2 週ごと+イピリムマブ1mg/kgを6週ごと

がん治療のバイオシミラーのエビデンス、先発品より質が高い?/JAMA Oncol

 がん治療における3剤の先発バイオ医薬品のバイオシミラーに関する31試験をメタ解析したところ、バイオシミラーの試験のほうが先発品の主要試験に比べ、平均症例数が多く、無作為化、二重盲検化された試験が多かった。また、すべてのがん種で先発品と有効性が同等であることが示された。米国・Brigham and Women's HospitalのDoni Bloomfield氏らが、JAMA Oncology誌オンライン版2022年2月3日号で報告した。

進行食道扁平上皮がんの1次治療、ニボルマブを含むレジメンが有望/NEJM

 進行食道扁平上皮がん患者の1次治療では、抗プログラム細胞死1(PD-1)モノクローナル抗体ニボルマブ+化学療法の併用と、ニボルマブ+抗細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)抗体イピリムマブの併用は、化学療法単独と比較して、いずれのレジメンも全生存期間を有意に延長することが、大阪大学大学院医学系研究科消化器外科学の土岐祐一郎氏らが実施した「CheckMate 648試験」で示された。新たな安全性のシグナルは確認されなかったという。研究の成果は、NEJM誌2022年2月3日号に掲載された。  本研究は、進行食道扁平上皮がんの1次治療における免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用、および免疫チェックポイント阻害薬2剤併用の有効性と安全性の評価を目的とする非盲検無作為化第III相試験であり、2017年6月~2019年11月の期間に、日本を含む26ヵ国182施設で参加者の登録が行われた(Bristol Myers SquibbとOno Pharmaceuticalの助成を受けた)。

世界初、ニボルマブが原発不明がんの適応追加

 2022年1月19日、小野薬品工業とブリストル マイヤーズ スクイブは原発不明がんの治療薬として、適応追加承認を取得した免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名:オプジーボ)に関するプレスセミナーを開催した。  今回のセミナーでは、原発不明がんへの適応拡大の意義や臨床試験結果などについて、中川 和彦氏(近畿大学 内科学 腫瘍内科部門)が説明した。  原発不明がんは十分な検索にもかかわらず、原発巣が不明で、組織学的に転移巣と判明している悪性腫瘍のことを指す。全がん種のうち1~5%が原発不明がんとされている。しかし、原発不明がんに承認されている薬剤はこれまで存在せず、治療を行うためには何らかの病名を付ける必要があることから、正確な患者数は不明だ。

HIMALAYA試験でデュルバルマブ+tremelimumabの肝がん1次治療が有望な成績/AZ

 アストラゼネカは、2022年1月26日、第III相HIMALAYA試験の結果から、切除不能な肝細胞がん(HCC)のうち、全身療法による前治療歴がなく、局所療法の適応とならない患者の1次治療として、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ)に免疫反応を誘導(プライミング)するtremelimumab単回投与を追加した併用療法が、ソラフェニブと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)の延長を示したことを発表した。

デュルバルマブ+化学療法、進行胆道がん1次治療で奏効(TOPAZ-1)/AZ

 アストラゼネカは、2022年1月26日 、第III相TOPAZ-1試験の良好な結果から、進行胆道がん(BTC)の1次治療薬として、デュルバルマブ(製品名:イミフィンジ )と標準化学療法の併用が、化学療法単独と比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)の延長を示したことを発表。この結果は、2022年1月21日に米国臨床腫瘍学会(ASCO)消化器がんシンポジウムで示された。  TOPAZ-1試験では、デュルバルマブと化学療法の併用療法により、病勢進行または死亡のリスクが25%低下した(HR:0.75、95%CI:0.64〜0.89、両側検p=0.001)。PFS中央値は、デュルバルマブと化学療法の併用療法の7.2ヵ月に対し、化学療法単独は 5.7ヵ月であった。デュルバルマブと化学療法の併用療法の奏効率(ORR)は26.7%であったのに対し、化学療法単独のORRは18.7%であった。