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小児に対する抗精神病薬使用、治療継続性を解析

 小児および青年に対する第2世代抗精神病薬の実際の有用性は、まだよくわかっていない。このような患者は長期にわたり治療を受けているため、重要な研究領域である。イタリア・Scientific Institute IRCCS Eugenio MedeaのMarco Pozzi氏らは、小児外来患者を対象に第2世代抗精神病薬の治療継続性を比較した。The Journal of clinical psychiatry誌オンライン版2016年10月25日号の報告。 リスペリドン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン治療を行った小児外来患者の非選択的集団において、24ヵ月(2012年3月~2014年3月)の観察研究を行った。(1)使用薬剤の抽出、(2)特定の原因による中止率、用量調節は、薬剤間のカプランマイヤー分析により事後比較、(3)これらアウトカムに影響を及ぼす予測因子をCox多変量モデルにより解析した。 主な結果は以下のとおり。・小児患者184例のうち、処方率はリスペリドン77%、アリピプラゾール18%であった。・オランザピン、クエチアピンの使用率は低かったため、分析対象外とした。・リスペリドンは破壊的行動障害を有する若者男性で処方され、アリピプラゾールはチック障害を有する患者で処方されていた。・全体として、処方後6ヵ月間における中止が多く、24ヵ月時点における中止率は、リスペリドン41.5%、アリピプラゾール39.4%で、同様であった。・単変量解析では、投与量の減少はアリピプラゾール群で高かった(p=0.033)。・多変量解析では、以下の予測因子が抽出された。 全原因による中止:ベースラインの重症度(HR:1.48、p=0.001)、用量増加(HR:3.55、p=0.001)。 患者決定による中止:用量増加(HR:6.43、p=0.004)、用量減少(HR:7.89、p=0.049)、併用薬あり(HR:4.03、p=0.034)、自閉症患者決定による中止は少ない(HR:0.23、p=0.050)。 副作用に伴う医師決定による中止:ベースラインの重症度(HR:1.96、p=0.005)、用量増加(HR:5.09、p=0.016)。 効果不十分に伴う医師決定による中止:ベースラインの重症度(HR:2.88、p0.014)、アリピプラゾール使用(HR:5.55、p=0.013)。 用量増加:なし。 用量減少:副作用発生(HR:4.74、p=0.046)、用量減少は自閉症患者では少ない(HR:0.22、p=0.042)。関連医療ニュース 第2世代抗精神病薬、小児患者の至適治療域を模索 自閉症とADHD症状併発患者に対する非定型抗精神病薬の比較 アスペルガー障害、高機能自閉症への第二世代抗精神病薬は有用か

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左冠動脈主幹部病変、PCIよりCABGが予後良好/Lancet

 左冠動脈主幹部病変の治療では、冠動脈バイパス術(CABG)が経皮的冠動脈インターベンション(PCI)よりも良好な予後をもたらす可能性があることが、フィンランド・オウル大学病院のTimo Makikallio氏らが行ったNOBLE試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年10月31日号に掲載された。欧州では、従来、非保護左主幹部病変の標準的な血行再建術はCABGであるが、最近はPCIの使用が急増している。欧州心臓病学会(ESC)の現行ガイドラインでは、左主幹部病変や非複雑病変、非びまん性病変にはPCIが推奨されているが、その論拠とされる試験は症例数が少なく、最良の治療を決めるには検出力が十分でないという。約1,200例が参加したPCIの非劣性試験 NOBLEは、非保護左主幹部病変を有する患者において、薬剤溶出ステントを用いたPCIのCABGに対する非劣性を検証する非盲検無作為化試験(デンマーク・オーフス大学病院などの助成による)。 対象は、冠動脈造影で視覚的な狭窄度≧50%または冠動脈の入口部、midshaft、分岐部の冠血流予備量比≦0.80の病変を有する安定狭心症、不安定狭心症、非ST上昇型心筋梗塞の患者であった。 主要評価項目は、主要な心脳血管有害事象(MACCE)の複合エンドポイント(全死因死亡、手技に伴わない心筋梗塞、再血行再建術、脳卒中)であった。非劣性マージンは1.35とした。 2008年12月9日~2015年1月21日までに、欧州9ヵ国36施設に1,201例が登録され、PCI群に598例、CABG群には603例が割り付けられた。両群とも592例ずつがITT解析の対象となった。全死因死亡に差はないが、5年MACCE発生率が高い ベースラインの平均年齢は、PCI群が66.2歳(SD 9.9)、CABG群は66.2歳(9.4)で、女性がそれぞれ20%、24%(p=0.0902)を占め、糖尿病を有する患者が両群とも15%含まれた。logistic EUROSCOREは両群とも2(IQR:2~4)、SYNTAXスコアはそれぞれ22.4(SD 7.8)、22.3(7.4)であった。 Kaplan-Meier法による5年MACCE発生率は、PCI群が29%(121イベント)、CABG群は19%(81イベント)で、HRは1.48(95%CI:1.11~1.96)であり、CABG群のPCI群に対する優越性が確認された(p=0.0066)。 全死因死亡の5年発生率には有意な差はなかった(PCI群:12% vs.CABG群:9%、HR:1.07、0.67~1.72、p=0.77)が、手技に伴わない心筋梗塞(7 vs.2%、2.88、1.40~5.90、p=0.0040)および血行再建術(16 vs.10%、1.50、1.04~2.17、p=0.032)はPCI群で有意に多く、脳卒中(5 vs.2%、2.25、0.93~5.48、p=0.073)はPCI群で多い傾向がみられた。 1年MACCE発生率は、2つの群で同じであり(7 vs.7%、リスク差:0.0、95%CI:-2.9~2.9、p=1.00)、両群間の差は1年以降に生じていた。1年時の全死因死亡(p=0.11)、手技に伴わない心筋梗塞(p=0.49)、血行再建術(p=0.27)、脳卒中(p=0.16)にも差は認めなかった。 著者は、「これらの知見は、SYNTAX試験の左主幹部病変例とPRECOMBAT試験のメタ解析の結果(5年MACCE発生率、PCI群:28.3% vs. CABG群:23.0%、p=0.045)を追認するものである」としている。

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コーヒー1日3杯以上で脳腫瘍リスク低下~JPHC研究

 わが国の多目的コホート研究(JPHC研究)で、コーヒーや緑茶を飲む頻度で脳腫瘍のリスクを比較したところ、コーヒーを1日3杯以上飲むグループでリスクの低下がみられ、日本人ではコーヒー摂取が神経膠腫(グリオーマ)を含む脳腫瘍のリスクを減らす可能性が示唆された。International Journal of Cancer誌2016年12月号に掲載。 海外の疫学研究のメタアナリシスでは、コーヒーは予防的に作用しないと報告され、緑茶と脳腫瘍との関連は明らかにされていない。緑茶をよく飲むアジアにおいても、緑茶やコーヒーと脳腫瘍との関連もよくわかっていない。今回、JPHC研究で、日本人におけるコーヒーと緑茶の摂取量と脳腫瘍リスクとの関連が調査された。 本研究は、JPHC研究における10万6,324人(男性5万438人、女性5万5,886人)を調査し、コホートIでは1990年から、コホートIIでは1993年から、2012年12月31日まで追跡調査した。コーヒーと緑茶を飲む頻度を「週に4日以下」「1日1~2杯」「1日3杯以上」の3つのグループに分け、脳腫瘍のリスクを比較した。コーヒーや緑茶の摂取量と脳腫瘍リスクとの関連について、Cox比例ハザード回帰モデルを用いてハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)を評価した。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中に157人(男性70人、女性87人)が新規に脳腫瘍と診断された。・コーヒー摂取量と脳腫瘍リスクとの間には、男女すべて(1日3杯以上でHR:0.47、95%CI:0.22~0.98)および女性(1日3杯以上でHR:0.24、95%CI:0.06~0.99)において、有意な逆相関が認められた(ただし、本研究では1日3杯以上のグループにおける脳腫瘍は8例と少なかった)。・神経膠腫においても、コーヒー摂取量が多いとリスクの低下傾向が認められた(1日3杯以上でHR:0.54、95%CI:0.16~1.80)。・緑茶摂取と脳腫瘍リスクとの間には明らかな関連は認められなかった。

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糖尿病患者の喫煙の恐さ

糖尿病患者がタバコを吸っていると死亡リスクが1.6倍に【対象】糖尿病患者113万2,700例禁煙すればリスクは下がる! 死亡する確率1.551.191.00非喫煙者喫煙者元喫煙者(禁煙した人)糖尿病患者と死亡リスクを研究した89研究の統合相対リスクPan A, et al. Circulation. 2015;132:1795-804.より作図Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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震災による被害で認知症リスク増加

 これまで、震災前後における認知症リスク因子を考慮し、関連を調べた研究はなかった。米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のHiroyuki Hikichi氏らは、将来を見据えて、2011年の東日本大震災と津波の影響による災害の経験が認知機能低下と関連しているかどうかを調査した。Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America誌オンライン版2016年10月24日号の報告。 地震と津波の7ヵ月前に震源地から80km西に住んでいた成人を対象に調査を行った。震災後約2.5年のフォローアップ調査により、3,594人(フォローアップ率:82.1%)の生存者から認知症の発症率だけでなく、個人的経験についての情報を収集した。主要アウトカムは、フォローアップ期間中の家庭内における認知症診断とした。 主な結果は以下のとおり。・分析対象者3,566人のうち、38.0%は災害により親戚や友人を失い、58.9%は物的損害があったと報告した。・Fixed-effects回帰では、重大な住宅ダメージ(認知症状レベルの回帰係数:0.12、95%CI:0.01~0.23)や家屋の崩壊(認知症状レベルの回帰係数:0.29、95%CI:0.17~0.40)は認知機能低下との関連が認められた。・家屋の崩壊のエフェクトサイズは、脳卒中発症の影響に匹敵していた(認知症状レベルの回帰係数:0.24、95%CI:0.11~0.36)。・住宅の損傷と認知機能低下との関連は、操作変数解析において統計学的に有意であった。・住宅被害は、自然災害による高齢者の認知機能低下の重要な危険因子であることが示唆された。関連医療ニュース 東日本大震災、深刻な精神状態の現状:福島医大 震災と精神症状、求められる「レジリエンス」の改善 認知症の世界的トレンドはどうなっているか

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レゴラフェニブの肝細胞がん2次治療、日米欧で承認申請:バイエル

 ドイツ・バイエル社は2016年11月7日、経口マルチキナーゼ阻害剤レゴラフェニブについて、適応を切除不能な肝細胞がんに対する2次治療の承認申請を米国、日本、欧州で行ったことを発表した。 本承認申請は、国際共同、多施設、プラセボ対照第III相臨床試験RESORCE(REgorafenib after SORafenib in patients with hepatoCEllular carcinoma)から得られたデータを根拠資料としている。 第III相臨床試験RESORCE(REgorafenib after SORafenib in patients with hepatoCEllular carcinoma)は、ソラフェニブ治療後に病勢進行が認められた573例を、レゴラフェニブとベストサポーティブケアの併用群(レゴラフェニブ群)またはプラセボとベストサポーティブケアの併用群(プラセボ群)に2対1に無作為に割付け実施された。主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は無増悪期間、無増悪生存期間、奏効率および病勢コントロール率。HRQoLは、「FACT-Hep」と「EQ-5D」の質問票を用いて評価し、安全性と忍容性も継続的に観察された。本試験の結果、全生存期間の中央値は、レゴラフェニブ群で10.6ヵ月、プラセボ群で7.8ヵ月であり、レゴラフェニブ群で有意に延長した(HR:0.63、 95%CI:0.50~0.79、p<0.001)。安全性と忍容性はレゴラフェニブの既知プロファイルとおおむね一致し、健康関連QOL(HRQoL)の評価では、レゴラフェニブ群とプラセボ群との間に臨床的に意味のある差は認められなかった。バイエル薬品株式会社のニュースリリースはこちら(PDF)

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左冠動脈主幹部病変、エベロリムス溶出ステント vs.CABG/NEJM

 左冠動脈主幹部病変の治療について、SYNTAXスコアが低~中スコアの患者ではエベロリムス溶出ステント留置を伴う冠動脈インターベンション(PCI)が、冠動脈バイパス術(CABG)に対し非劣性であることが、米国・コロンビア大学のGregg W Stone氏らが行った大規模無作為化試験「EXCEL」の3年追跡評価の結果、示された。閉塞性の左冠動脈主幹部病変に対しては通常、CABGが行われるが、先行の無作為化試験で、選択的な患者でPCI/薬剤溶出ステント留置が、CABGに代わりうる可能性が示唆されていた。NEJM誌オンライン版2016年10月31日号掲載の報告より。SYNTAX低中スコア1,905例を対象に検討 EXCEL試験は国際非盲検多施設共同無作為化試験で、2010年9月29日~2014年3月6日に17ヵ国126施設で、左冠動脈主幹部病変を有し、解剖学的に病変の複雑性は低~中程度(各試験施設の評価でSYNTAXスコア[最低スコアが0で高値になるほど〈上限値なし〉複雑病変であることを示す]が32未満である者)の試験適格患者1,905例を集めて行われた。 被験者は、PCI/フルオロポリマーベースのエベロリムス溶出性コバルトクロムステント留置群(PCI群、948例)またはCABG群(957例)に無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、3年時点の全死因死亡・脳卒中または心筋梗塞の発生率の複合であった。試験は、主要エンドポイントの非劣性マージン4.2ポイントを検証できるように進められた。 主な副次エンドポイントは、30日時点の全死因死亡・脳卒中または心筋梗塞の複合発生率、3年時点の死亡・脳卒中・心筋梗塞または虚血による血行再建術の複合発生率などであった。イベント発生率は、時間-初回イベント解析におけるKaplan-Meier推定法に基づくものであった。PCI群の非劣性が認められる 結果、3年時点で主要エンドポイントのイベント発生率は、PCI群15.4%、CABG群14.7%。両群差は0.7ポイント(97.5%信頼区間[CI]上限値:4.0ポイント、非劣性のp=0.02)で、PCI群の非劣性が示された。ハザード比は1.00(95%CI:0.79~1.26、優越性のp=0.98)であった。 副次エンドポイントのうち、30日時点の全死因死亡・脳卒中・心筋梗塞の複合発生率については、PCI群4.9%、CABG群7.9%であった(非劣性のp<0.001、優越性のp=0.008)。3年時点の死亡・脳卒中・心筋梗塞・血行再建術の複合発生率は、PCI群23.1%、CABG群19.1%であった(非劣性のp=0.01、優越性のp=0.10)。

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CABG手術時のトラネキサム酸投与は、術後出血リスクを半減する(解説:許 俊鋭 氏)-608

【要約】バックグラウンド トラネキサム酸(商品名:トランサミン)は心臓手術症例の出血リスクを減少させるが、治療成績の改善につながるかどうかは不明である。一方、トラネキサム酸は血栓形成促進による心筋梗塞・脳梗塞の発症や、痙攣発作を惹起するリスクを有する可能性が懸念される。方法 2×2要因デザインによる臨床試験は、冠動脈バイパス手術(CABG)を受ける予定症例で周術期合併症のリスクがある患者をプラセボ群、およびトラネキサム酸群に無作為に割り付けて実施した。主要転帰(primary outcome)は、手術後30日以内死亡と血栓性合併症(非致死的心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓症、腎不全、または腸梗塞)の複合結果とした。結果 同意し登録した4,662例の患者のうち、4,631例がCABG手術を受けアウトカムデータが使用可能であった。2,311例はトラネキサム酸群に、2,320例はプラセボ群に割り付けられた。 主要転帰イベントはトラネキサム酸群で386例(16.7%)、プラセボ群で420例(18.1%)に発生した(相対リスク、0.92、95%信頼区間:0.81~1.05、p=0.22)。入院中に輸血された血液製剤の総量は、トラネキサム酸群で4,331単位、プラセボ群で7,994単位であった(p<0.001)。再手術を必要とした大出血または心タンポナーデは、トラネキサム酸群で1.4%、プラセボ群で2.8%の患者に発生(p=0.001)し、痙攣発作はそれぞれ0.7%と0.1%で発生した(p=0.002、Fisher’s exact testによる)。結論 CABG症例でトラネキサム酸投与は術後出血の合併症リスクを低下させ、手術後30日以内の死亡または血栓性合併症のリスクを高めることはなかった。一方、トラネキサム酸は術後痙攣発作のリスクを高めた。 コメント トラネキサム酸投与は開心術に伴う術後の出血傾向を抑制し、再手術を必要とした大出血または心タンポナーデの合併症を半減(1.4% vs.2.8%)させるという結論がこのRCTで証明され、逆にトラネキサム酸により血栓形成促進による非致死的心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓症、腎不全、または腸梗塞を増加させないことが証明された。今後、手術成績を向上させるうえでトラネキサム酸投与は有効である可能性が示唆された。

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日常生活で行いたいこと

【骨粗鬆症】【日常の注意事項 やりましょう】普段の生活でやった方がいいことは、何ですか●1日15分程度、腕に直射日光を当てるだけで体内でビタミンDが作られます。●女性も日焼けなどあまり気にせず、普段の生活の中で、毎日、陽に当りましょう!監修:習志野台整形外科内科 院長 宮川一郎 氏Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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毛孔性紅色粃糠疹の発症にCARD14遺伝子変異が関与

 毛孔性紅色粃糠疹(PRP)は炎症性角化症の1つであるが、発症機序はわかっていない。名古屋大学医学部皮膚科助教の武市 拓也氏らは、CARD14遺伝子に着目して研究を行い、PRP V型(家族性および散発性)はCARD14遺伝子変異に起因している可能性があることを突き止めた。JAMA Dermatology誌オンライン版2016年10月19日号掲載の報告。 研究グループは、PRP患者のCARD14遺伝子変異保有率を調べ、どのようなPRPサブタイプ(病型)がCARD14遺伝子変異と関連があるのかを明らかにする目的で、全国からさまざまな病型のPRP患者22例(男性12例、女性10例、平均年齢26歳)を集積した。 全例で、ゲノムDNAにおけるCARD14の全コード領域の配列を解析し、各変異の病原性をいくつかの計算による予測によって評価するとともに、臨床的特徴を詳細に分析した。 主な結果は以下のとおり。・PRP V型の3例全例で、CARD14遺伝子変異を同定した。・そのうち1つは以前報告されていた変異(p.Gly117Ser)であったが、2つは新規変異(p.Cys127Ser、p.Gln136Leu)で、他の病型には認められなかった。・同定されたすべての変異が、これまでに報告されていたCARD14の病原性ドメイン近傍にあった。・コンピュータによる解析の結果、3つの変異はすべて病原性と機能的に関連していることが示唆された。・PRP V型の3例全例が、典型的特徴に加え、特徴的な斑状の褐色色素沈着が認められた。・PRP I型1例およびIV型1例は、CARD14のまれな遺伝子変異を有していた。

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アリピプラゾール補助療法、有効性と安全性は

 統合失調症治療において、他の抗精神病薬にアリピプラゾールを追加した際の有効性、安全性を評価するため、中国・広州医科大学のWei Zheng氏らは、無作為化比較試験(RCT)のメタ解析を行った。Journal of clinical psychopharmacology誌2016年12月号の報告。 システマティックサーチより、55件、4,457例が抽出された(アリピプラゾール(14.7±7.0mg/日)vs.プラセボ18件、vs.抗精神病薬37件)。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾールは、精神スケールに基づいた比較介入を有意に上回った。 (1)43件(3,351例)のRCTにおける総スコアのSMD;-0.48(95%CI:-0.68~-0.28、p<0.00001、I=88%) (2)30件(2,294例)のRCTにおける陰性症状スコアのSMD:-0.61(95%CI:-0.91~-0.31、p<0.00001、I=91%) (3)13件(1,138例)のRCTにおける総合精神病理スコアの加重平均差(WMD):-4.02(95%CI:-7.23~-0.81、p=0.01、I=99%)。ただし、29件(2,223例)のRCTにおける陽性症状スコアのSMDは、-0.01(95%CI:0.26~0.25、p=0.95、I=88%)であった。・精神スケールに基づく総スコアの差は、非盲検デザインRCT31件におけるプラセボ使用よりも、抗精神病薬の使用によるものと説明できる。・アリピプラゾールは、9件のRCTにおける体重のWMDが-5.08(95%CI:-7.14~-3.02、p<0.00001、I=35%)、14件のRCTにおけるBMIのWMDが-1.78(95%CI:-2.25~-1.31、p<0.00001、I=54%)であり、比較介入を上回っていた。・BMIのメタ回帰分析では、アリピプラゾールと低BMIとの関連は、女性でより強かった。・補助的アリピプラゾールの安全性は示されたが、より良いランダム化比較試験により、有効性を実証する必要がある。関連医療ニュース 抗精神病薬誘発性高プロラクチン血症にアリピプラゾール補助療法 難治性うつ病、抗うつ薬変更とアリピプラゾール追加、どちらが有用か 本当にアリピプラゾールは代謝関連有害事象が少ないのか

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光干渉断層撮影ガイド下のPCIは有用か/Lancet

 光干渉断層撮影(Optical Coherence Tomography:OCT)ガイド下の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、血管内超音波(Intravascular ultrasound:IVUS)ガイド下に対し、臨床的アウトカムは非劣性であることが示された。一方でOCTガイド下PCIは、IVUSガイド下や血管造影ガイド下に対し、いずれも優越性は認められなかった。米国・コロンビア大学のZiad A Ali氏らが、450例を対象に行った無作為化試験「ILUMIEN III: OPTIMIZE PCI」の結果、明らかにした。PCIは、血管造影単独ガイド下での実施が最も多い。IVUSは、PCI後の主要有害心血管イベント(MACE)を抑制することが示されている。OCTは、IVUSよりも画像解像度が高いが、ステント留置後の血管内径を狭めてしまう可能性が複数の試験で示されていた。Lancet誌オンライン版2016年10月30日号で発表した。8ヵ国29ヵ所で450例を対象に試験 研究グループは、2015年5月~2016年4月にかけて、8ヵ国29ヵ所の医療機関を通じ、PCI実施予定の18歳以上、450例を対象に試験を開始した。被験者適格基準は、自己冠動脈に1ヵ所以上の標的病変があり、肉眼評価による血管径は2.25~3.50mmで、長さは40mm未満だった。 被験者を無作為に3群に分け、OCT(158例)、IVUS(146例)、血管造影(146例)のそれぞれガイド下で、ステント留置術を行った。被験者は最終的には全員がOCTを受けたが、IVUS群、血管造影群の施術者にその情報は知らされなかった。 主要有効性エンドポイントは、PCI後の最小ステント面積で、安全性に関する主要評価項目は、処置に関連したMACEの発生だった。 OCTガイド下のIVUSに対する非劣性(非劣性マージン1.0mm2)、血管造影に対する優越性、IVUSに対する優越性、のそれぞれについて、階層的に検証した。最小ステント面積でアウトカムを比較 最終的にOCTデータが入手でき解析されたのは415例だった(OCT群140例[34%]、IVUS群135例[33%]、血管造影群140例[34%])。 解析の結果、最小ステント面積の最終中央値は、OCT群が5.79mm2(四分位範囲:4.54~7.34)、IVUS群が5.89mm2(同:4.67~7.80)、血管造影群が5.49 mm2(4.39~6.59)だった。 OCTガイド下PCIは、IVUSガイド下PCIに対し非劣性は示されたが(片側97.5%下限信頼区間[CI]:-0.70mm2、p=0.001)、優越性は認められなかった(p=0.42)。また、OCTガイド下PCIは、血管造影ガイド下に対しても優越性は示されなかった(p=0.12)。 処置関連MACEの発生は、OCT群が3%、IVUS群が1%、血管造影群が1%だった(OCT群 vs.IVUS群:p=0.37、OCT群vs.血管造影群:p=0.37)。

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生分解性ポリマーDES vs.耐久性ポリマーDES、1年後の結果/Lancet

 薬剤溶出ステント留置術を要す冠動脈疾患に対する、極薄型ストラット生分解性ポリマー・エベロリムス溶出ステントまたはシロリムス溶出ステントは、耐久性ポリマー・ゾタロリムス溶出ステントと比較し、術後1年後のアウトカムについて、非劣性であることが示された。オランダ・Thoraxcentrum TwenteのClemens von Birgelen氏らが行った、大規模無作為化比較試験「BIO-RESORT」の結果、明らかにした。Lancet誌オンライン版2016年10月30日号掲載の報告。1年後の心臓死・標的血管関連心筋梗塞の発生率などを比較 BIO-RESORT試験は、2012年12月21日~2015年8月24日にかけて、オランダ国内4つのクリニックにて、冠動脈疾患で薬剤溶出ステント留置術を要する18歳以上の患者3,514例を対象に行われた。除外基準は、主要エンドポイント達成前に、他の割付治療(薬物またはデバイス)を受けた場合、施術後6ヵ月以内に抗血小板薬2剤併用療法の中断が予定されている場合、割付治療薬剤や関連薬剤(抗凝固療法や抗血小板療法など)に対する既知の不耐性が認められる場合、フォローアップ治療へのアドヒアランスまたは1年未満の推定予後が不確定な場合、妊娠が明らかな場合だった。 被験者はコンピュータ無作為化にて3つの群に割り付けられ、1群には極薄型ストラット・エベロリムス溶出ステントを、2群には極薄型ストラット・シロリムス溶出ステントを3群には薄型ストラット・耐久性ポリマー・ゾタロリムス溶出ステントを、それぞれ留置した。 主要評価項目は、12ヵ月後の安全性(心臓死または標的血管関連の心筋梗塞の発症)および有効性(標的血管再建術の実施)の複合エンドポイントで、生分解性ポリマーを用いた2つの群と、耐久性ポリマー・ゾタロリムス群を比較した。非劣性マージンは3.5%だった。主要評価項目発生率、いずれの群も5% 被験者のうち、70%(2,449例)が急性冠症候群で、31%(1,073例)がST上昇型心筋梗塞の患者だった。 検討の結果、主要評価項目の発生率は、エベロリムス群が5%(55/1,172例)、シロリムス群が5%(55/1,169例)に対し、ゾタロリムス群は5%(63/1,173例)だった。ゾタロリムス溶出ステント群に対して、極薄型ストラット・生分解性ポリマーを用いたエベロリムスおよびシロリムスの両ステントの非劣性が示された(絶対リスク差:両群とも-0.7%、95%信頼区間:-2.4~1.1、非劣性のp<0.0001)。 学術研究コンソーシアム(Academic Research Consortium)の定義による確定的ステント血栓症は、エベロリムス群は4例(0.3%)、シロリムス群は4例(0.3%)、ゾタロリムス群は3例(0.3%)の発生だった(log-rank検定によるゾタロリムス群と他2つの群との比較のp=0.70)。

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一般開業医でも不眠症治療を効果的に行うためには

 睡眠障害は、一般的な問題であるが、一般開業医(GP)を受診した患者における睡眠障害の有病率に関する研究は限られている。既存の心理的、身体的疾患に併発する睡眠障害の有病率は、一般集団と比較し、高い可能性がある。ノルウェー・Haukeland University HospitalのBjorn Bjorvatn氏らは、GP患者における不眠症(DSM-IV基準)の有病率、睡眠薬の使用を推定し、有病率が性別や年齢に依存するかどうかを評価した。Family practice誌オンライン版2016年10月27日号の報告。 医学生66人より、学生生活最終年の一般的な実習としてGPにてアンケートデータを収集した。GPを受診した連続した非選択的な患者1,346例(回答率74%)は、Bergen Insomnia Scale(BIS)、睡眠障害に関する自己申告単一質問、睡眠薬の使用について回答した。 主な結果は以下のとおり。・BISによる不眠症の有病率は、53.6%であった。・単一質問に基づく睡眠障害は、自己申告で55.8%であり、18.0%は多い/非常に多いと回答していた。・睡眠薬の使用は、16.2%で報告された(日常的に使用:5.5%)。・不眠症および睡眠薬の使用は、男性よりも女性においてより多くみられた。・睡眠薬の使用は年齢とともに増加したのに対し、不眠症の有病率は若年層で最も高かった。 著者らは「不眠症と睡眠薬の使用は、GP患者において頻繁に認められた。不眠症を効果的に治療できるよう、診断は高報酬が提示され、GPの診断評価や治療管理の重要さに対し、認識を高めるべきだ」としている。関連医療ニュース 不眠症になりやすい食事の傾向 不眠の薬物療法を減らすには 新規不眠症治療薬は安全に使用できるか

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T790M変異陽性NSCLCに対するオシメルチニブの有効性:AURA2試験

 オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)は、EGFR-TKI耐性およびT790M変異に対する強力かつ不可逆的なEGFR–TKIである。この研究は、既存のEGFR-TKIによる前治療後に増悪したT790M変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者におけるオシメルチニブの有効性および安全性を評価した第II相試験AURA2の中間解析。Lancet Oncology誌オンライン版2016年10月14日号の掲載の報告。 AURA2は第II相オープンラベル、シングルアーム試験。T790M変異陽性が確認され、EGFR-TKIの前治療で増悪した18歳以上の局所進行または転移性NSCLC(StageIIIB/IV)患者に、オシメルチニブ1日1回80mgを投与した。主治医が臨床的有益性を認めた場合、治療はPD後も続けられた。ステロイドを必要としない、無症候性で安定した脳転移患者も登録されている。主要評価項目は客観的奏効率(ORR)である。そのほかのエンドポイントおよび安全性に関しては、オシメルチニブの投与を受けた全患者で評価された。 主な結果は以下のとおり。・2014年5月20日~2014年9月12日、472例がスクリーニングされ、そのうち210例がオシメルチニブによる治療を受けた。11例はベースライン時の測定可能な疾患が存在しないため除外されている(n=199)。データカットオフ時(2015年11月1日)にも治療を継続していた患者は122例(58%)であった。・フォローアップ期間の中央値は13.0ヵ月。 ・ORRは199例中140例の70%、CR6例(3%)、PR134例(67%)であった。・Grade3/4の有害事象でよくみられたものは、肺塞栓症7例(3%)、QT延長5例(2%)、好中球減少4例(2%)、貧血、呼吸困難、低ナトリウム血症、血小板減少症、ALT上昇は3例ずつ(1%)、認められた。・重篤な有害事象は52例(25%)で報告され、うち11例(5%)は主治医により治療関連と評価された。・有害事象による死亡は7例(肺炎2例、嚥下性肺炎1例、直腸出血1例、呼吸困難1例、成長障害1例、間質性肺炎1例)であった。・主治医により治療関連の可能性があると評価された致死的なイベントは、間質性肺疾患によるものだけであった。(ケアネット 細田 雅之)参考 AURA2(ClinicalTrials.gov)原著論文はこちら Goss G, et al. Lancet Oncol. 2016 Oct 14. [Epub ahead of print]

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受動喫煙で肺がんリスクが1.3倍

受動喫煙で肺がんリスクが1.3倍にえっ!?家族が肺がんに!?【対象】日本人の非喫煙者肺がんになる確率1.281.00受動喫煙なし受動喫煙あり日本人の受動喫煙と肺がんの関連を調査した9研究の統合相対リスクHori M, et al. Jpn J Clin Oncol. 2016;46:942-951. より作図Copyright © 2016 CareNet,Inc. All rights reserved.

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統合失調症患者の性格で予後を予測

 臨床症状や患者背景は、統合失調症における機能レベルやQOLを予測する。しかし、統合失調症のQOLや全体的な機能に対する性格特性の影響を検討した研究は少ない。性格特性は発症以前の特性であり、統合失調症発症を予測可能である。米国・ヴァンダービルト大学のCaitlin Ridgewell氏らは、性格特性と神経症および外向性とQOL、機能性における、個別的で付加的な影響を検討した。Schizophrenia research誌オンライン版2016年10月13日号の報告。 統合失調症スペクトラム障害患者153例、健常対照者125例を対象に、性格とQOLアンケートを実施した。全体機能は、臨床医の構造化されたインタビューにより評価した。神経症と外向性スコアは、連続変数やカテゴリ両端の両方を分析した(高レベルvs.普通レベル神経症、低レベルvs.普通レベル外向性)。 主な結果は以下のとおり。・QOLは、神経症、外向性、神経症×診断、外向性×診断の相互作用と有意に関連していた。・患者群では、低神経症スコア(正常範囲内)は対照群と同等のQOLスコアと関連していた。一方、高神経症スコアは最も低いQOLスコアと関連していた。・全体的な機能については、診断のみが有意な影響を示していた。関連医療ニュース 統合失調症の発症は予測できるか、ポイントは下垂体:富山大学 治療抵抗性統合失調症は予測可能か 統合失調症患者を発症前に特定できるか:国立精神・神経医療研究センター

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心臓CT検査は冠動脈造影に代わり得るか/BMJ

 冠動脈疾患が疑われる患者への心臓CT検査は、冠動脈造影の施行率を抑制して診断率を改善するとともに、入院期間を短縮し、放射線被曝量や長期的なイベントを増加させないため、冠動脈造影の安全なゲートキーパーとなる可能性があることが、ドイツ・シャリテベルリン医科大学のMarc Dewey氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2016年10月24日号に掲載された。従来、閉塞性冠動脈疾患の最終診断は冠動脈造影で行われる。同時にステント留置が可能、CABGの計画が立てられるといった利点があるが、診断率が低いとのエビデンスがあり、過剰施行の可能性が指摘されている。CTは、正確で非侵襲的な選択肢とされるが、非定型的な胸痛のため冠動脈疾患が疑われ、冠動脈造影の適応となる患者におけるリスクおよび利点は知られていないという。329例を対象とする単施設無作為化試験 研究グループは、冠動脈疾患の中等度の可能性があり、冠動脈造影の適応とされる患者において、CTと侵襲的冠動脈造影の有用性を比較する単施設の前向き無作為化試験を行った(ドイツ研究振興協会[DFG]の助成による)。 非定型的狭心症または胸痛がみられ、冠動脈疾患の疑いで臨床的に冠動脈造影の適応とされた患者329例が対象となった。CT群に167例(平均年齢60.4歳[SD 11.3]、女性88例)、冠動脈造影群には162例(同60.4歳[11.4]、78例)が割り付けられた。 主要評価項目は、最後の手技から48時間以内のCTまたは冠動脈造影関連の重度の合併症(死亡、心筋梗塞、入院期間を24時間以上延長する他の合併症)の発現であった。重度合併症はまれ、軽度合併症はより少ない CTにより冠動脈造影の必要性は14%(24/167例、95%信頼区間[CI]:9~20)に低下した。冠動脈造影による閉塞性冠動脈疾患の診断率は、CT群で冠動脈造影を要した患者の75%(18/24例、95%CI:53~90)であり、冠動脈造影群の15%(25/162例、95%CI:10~22)に比べ有意に優れた(p<0.001)。 主要評価項目の発生率は全体で0.3%とまれであり、両群でほぼ同等であった(CT群:1例[心筋梗塞] vs.冠動脈造影群:0例、p=1.00)。一方、手技関連の軽度合併症(穿刺部の血腫・後出血、徐脈、梗塞を伴わない狭心症など)の発生率は、CT群が3.6%と冠動脈造影群の10.5%よりも良好であった(p=0.014)。 入院期間中央値は、CT群が30.0時間(IQR:3.5~77.3)と冠動脈造影群の52.9時間(IQR:49.5~76.4)よりも22.9時間短かった(p<0.001)。また、放射線被曝量は、CT群が5.0mSv(IQR:4.2~8.7)、冠動脈造影群は6.4mSv(IQR:3.4~10.7)であり、両群に差はなかった(p=0.45)。 フォローアップ期間中央値3.3年における重度の心血管有害事象の発生率は、CT群が4.2%(7/167例)、冠動脈造影群は3.7%(6/162例)であった(p=0.86)。内訳は、CT群では心筋梗塞が1例、不安定狭心症が2例、再血行再建/初回血行再建術が6例に、冠動脈造影群では心臓死が1例、脳卒中が1例、再血行再建/初回血行再建術が5例に認められた。 受容性に関する調査では、CTが好ましいと答えた患者が79%(219/278例)であったのに対し、冠動脈造影が好ましいと答えた患者は7%(20/278例)であった(p<0.001)。CTが好ましいと答えた患者は、CT群で多かった(87 vs.70%、p<0.001)。 著者は、「本試験は大学病院で行われたため、実臨床とはCTの施行能が異なる可能性がある。主要評価項目の発生数が予想よりも少なく、結果として検出力が低い試験となった」としている。【訂正のお知らせ】本文内の表記を、一部訂正いたしました(2016年11月8日)。

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高齢者への抗精神病薬投与、中止までの期間を解析

 ニュージーランドや全世界で適応可能なコンセンサスガイドラインでは、統合失調症や長期間の治療が必要とされる重度の精神症状を有する精神疾患でない限り、抗精神病薬の曝露期間は12週間を超えないことが推奨されている。しかし、第2世代抗精神病薬(SGA)の初回中止までの期間(time-to-first discontinuation:TTFD)について、高齢者における実臨床の情報は限られている。ニュージーランド・オタゴ大学のHenry C Ndukwe氏らは、65歳以上のSGA新規処方患者におけるTTFD、アドヒアランス、持続性を比較した。Journal of clinical psychopharmacology誌2016年12月号の報告。 SGA新規処方患者3万297例を対象に、2006年1月1日~2012年12月31日までの抗精神病薬中止状況を追跡した。経口製剤のデータは、ニュージーランド健康省の健康医療データベースを使用し、抽出した。TTFDは91日以上のギャップを分配、アドヒアランスは投薬所持率0.8以上、持続性は91日未満のギャップ期間と定義した。カプランマイヤー曲線、Cox回帰分析を推定し、結果を調整するために使用した。 主な結果は以下のとおり。・SGA新規処方患者の全体的なTTFDは192.3日(95%CI:177.6~206.9)、平均年齢80.9歳(SD:8.1歳)女性率60.3%であった。・TTFDは、リスペリドン68.3日(95%CI:43.7~92.9)で、クロザピン101.3日(95%CI:85.0~117.7、p=0.03)と比較し最も短かった。・調整後の全原因によるTTFDは、クロザピンと比較し、リスペリドン(ハザード比:0.54)、オランザピン(ハザード比:0.29)、クエチアピン(ハザード比:0.22)、ziprasidone(ハザード比:0.08)において有意に低かった。・ノンアドヒアランス群では、アドヒアランス群と比較し、TTFDリスクが3倍以上であった。関連医療ニュース FDAの承認が抗精神病薬の適応外処方に与える影響 警告後、認知症への抗精神病薬処方は減少したのか 抗精神病薬の過量投与は減少しているのか

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off-pump CABG vs.on-pump CABG、5年後も有意差なし/NEJM

 off-pump冠動脈バイパス術(CABG)は、on-pump CABGと比較して5年後の死亡・脳卒中・心筋梗塞・腎不全・再血行再建術の複合アウトカムに差はなく、両手法の有効性や安全性が同等であることが示された。カナダ・マクマスター大学のAndre Lamy氏らが、CABG Off or On Pump Revascularization Study(CORONARY)試験の最終結果を報告した。CORONARY試験では、off-pump CABGとon-pump CABGとで、30日後および1年後のいずれも臨床アウトカム(死亡・脳卒中・心筋梗塞・腎不全)に有意差はないことが報告されていた。NEJM誌オンライン版2016年10月23日号掲載の報告。19ヵ国79施設で約4,800例をoff-pump群とon-pump群に無作為化 CORONARY試験は、2006年11月~2011年10月に19ヵ国79施設で単独CABGが予定されている患者4,752例を登録し、off-pump CABG(off-pump群:2,375例)とon-pump CABG(on-pump群:2,377例)を比較した大規模無作為化試験である。 長期予後の主要評価項目は、死亡・非致死的脳卒中・非致死的心筋梗塞・透析を要する非致死的腎不全新規発症・再血行再建術(CABGまたは経皮的冠動脈インターベンション[PCI])の複合アウトカムで、intention-to-treat集団におけるCox回帰を用いたtime to event解析により評価が行われた。5年後の複合アウトカム発生率やQOLは両群で有意差なし 平均追跡期間4.8年において、複合アウトカム発生率はoff-pump群23.1%、on-pump群23.6%で、両群に有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:0.98、95%信頼区間[CI]:0.87~1.10、p=0.72)。 再血行再建術の施行率はoff-pump群2.8%、on-pump群2.3%(HR:1.21、95%CI:0.85~1.73、p=0.29)で有意差はなく、このほかの複合アウトカムの各イベントの発生率も両群で有意差はなかった。 また、副次評価項目である患者1人当たりの医療費も、群間差は認められなかった(off-pump群1万5,107ドル、on-pump群1万4,992ドル、群間差:115ドル、95%CI:-697~927ドル)。QOLも両群で差はなかった。 著者は研究の限界として、医療費解析にCABG専用の備品(off-pumpの開創器または人工心肺回路)が含まれていないことや、QOL評価が任意であったことなどを挙げている。

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