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バラクルード、B型慢性肝炎を原因とする肝障害が軽減される可能性を示唆

米国ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は2件のコホート評価からB型慢性肝炎患者においてバラクルードを用いた長期治療が線維症を含む肝組織像の改善と関連していることが明らかになったと発表した。肝組織のデータは、米国肝臓病学会(AASLD:American Association for the Study of Liver Diseases)の第59回年次会議で発表された。ロールオーバー試験ETV-901からのヌクレオシド系薬剤未治療患者57人のコホートから得られた新たな長期的組織学的結果で、患者57人のうち96%(57人中55人)において肝組織像に改善が見られた(顕微鏡下で確認した肝組織の状態の改善)。肝組織像の改善は、Knodell壊死炎症スコアの2ポイント以上の減少およびKnodell線維化スコアの悪化がないことと定義。さらに、患者の88%(57人中50人)において、Ishak線維化スコアの改善(1ポイント以上の減少)と定義された肝線維化の抑制が確認された。また、B型慢性肝炎の日本人患者で検討したオープンラベルのロールオーバー試験ETV-060からの組織学的結果では、64人の患者のうち、未治療患者の100%(37人中37人)とラミブジン耐性患者の89%(26人中23人)において、肝組織像の改善(Knodell壊死炎症スコアの2ポイント以上の減少)が見られ、未治療患者の47%(36人†中17人)ラミブジン耐性患者の32%(25人中8人)で肝線維化の改善(Knodell線維化スコアの1ポイント以上の減少)が見られた。詳細はプレスリリースへhttp://www.bms.co.jp/news/2008/1118.html

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社会政策の寛容性が、幼児死亡率、高齢者超過死亡率を改善

 保健医療においては、社会政策をいかに制度設計するかとともに、どの程度の寛容性をもたせるかが重要なことが、北欧で実施されたNEWS(Nordic experience of welfare states and public health)プロジェクトの解析結果により明らかとなった。保健医療に関する重要な社会的決定要因の多くは社会政策の中心をなすものでもある。高所得国はいずれも社会保障プログラムを持つが、その制度設計や寛容性には国によって明確な違いが見られ、これらの差は特に子どもや高齢者の貧困率の各国間のばらつきにおいて明らかだという。スウェーデン・Stockholm 大学/カロリンスカ研究所医療公平化研究センターのOlle Lundberg氏が、Lancet誌2008年11月8日号で報告した。夫婦共働き家庭支援の寛容性増大により子どもの死亡率が低下 研究グループは、家族政策や年金政策の各国間の違いがどの程度になれば幼児死亡率や高齢者の超過死亡率に差が生じるかについて調査した。 幼児死亡率、高齢者の超過死亡率が、社会政策の特徴や寛容性といかに関連するかを解析した。経済協力開発機構(OECD)加盟18ヵ国における1970~2000年の家族政策および1950~2000年の年金政策について横断的で時系列的なプール解析を行った。 夫婦共働き家庭を支援する家族政策の寛容性が増大するほど子どもの死亡率が低下したのに対し、旧来の就業男性と専業主婦女性の家族を支援する家族政策の寛容性が増大しても幼児死亡率は改善しなかった。夫婦共働き家庭の支援を1%増大させると、幼児死亡率が1,000出生当たり0.04低下した。 基本保障型の年金の寛容性が増大すると高齢者の超過死亡率が低下したのに対し、所得額に比例して支給される所得保障年金の寛容性が増大してもそのような効果は得られなかった。基本保障年金を1%増大させると、高齢者の超過死亡率が男女ともに0.02低下した。 著者は、「保健医療においては、社会政策をいかに制度設計するかとともに、どの程度の寛容性をもたせるかが重要である」と結論し、「それゆえ、保健医療の社会的決定要因への取り組みには、社会政策がきわめて重要となる」と指摘する。

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長期追跡試験PETRO-Exの結果が米国心臓病協会で発表される

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は17日、発作性・持続性・慢性(永続性)心房細動(AF)患者における血栓塞栓症イベント発症予防に関するプラダキサ(ダビガトラン エテキシラート)の長期臨床試験データが、米国心臓協会(AHA)第80回年次総会で発表されたと伝えた。発表されたPETRO-Ex試験は、PETRO試験(the Prevention of Embolic and Thrombotic Events Study in Patients with AF Randamised to dabigatran)の延長試験として、ダビガトラン投与患者を非盲検で追跡したもの。デンマーク、オランダ、スウェーデン、米国などからの53施設で登録された、心房細動(AF)およびその他少なくとも1つ以上の脳卒中発症危険因子を持つ患者361人を対象としている。追跡期間は平均29ヵ月間、最長では51ヵ月にわたり、新規経口抗凝固剤の試験として最も長いものとなる。PETRO試験およびPETRO-Ex試験では、ダビガトラン150mgおよび300mg 1日2回投与群での血栓塞栓症イベント発症率は低く、大出血は300㎎1日2回投与群で増加傾向が見られ、ダビガトラン投与群で臨床的に問題となる肝機能異常は見られなかったという。詳細はプレスリリースへhttp://www.boehringer-ingelheim.co.jp/news/p-release/08_1117.html

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アリスキレンが65歳以上の患者においてラミプリルよりも強い降圧効果を示す

ノバルティス ファーマ株式会社は17日、スイス本社から11日に発表された新しい臨床データによると、新しいクラスの直接的レニン阻害剤(Direct Renin Inhibitor:DRI)アリスキレン(製品名:米国ではTekturna、その他の国ではRasilez)が65歳以上の高血圧症の患者さんにおいて、アンジオテンシン変換酵素(ACE: angiotensin-converting enzyme)阻害剤のラミプリル(国内未発売)に比べ、有意な降圧効果を示すことが証明されたと発表した。この臨床データはAGELESS試験で得られた結果であり、米国心臓協会(AHA: American Heart Association)の2008年度学術集会で発表されたもの。それによると、アリスキレンは、65歳以上の患者さんにおいて、主要評価項目である12週間の治療後の収縮期血圧を、ACE阻害剤のラミプリルに比べてさらに2.3 mmHg低下させたという。AGELESS試験は65歳以上の収縮期高血圧の患者900名を対象に実施され、12週間の治療後、アリスキレン(1日150mgから300mgに増量)は収縮期血圧を13.6 mmHg低下させた。この降圧効果は、ラミプリル(1日5mgから10mgに増量)群の患者さんの収縮期血圧の低下(11.3 mmHg)に比べ強いものであり(p< 0.0001)、また、拡張期血圧においても同様の結果が得られたという〔アリスキレン群:4.8 mmHg、ラミプリル群:3.5 mmHg(p< 0.0001)〕。詳細はプレスリリースへhttp://www.novartis.co.jp/news/2008/pr20081117.html

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電子カルテ共有システム、次なる段階への教え:英国

1998年にブレア首相が表明したビジョンを受けて、英国ではNHS(National Health Service)スタッフから患者までが共有可能な、国家規模の電子カルテ共有システムの構築が進んでいる。このシステムのポイントの1つに、SCR(summary care record)と呼ばれる開業医からの診療記録の抽出・電子化サマリーのデータベース化がある。SCRは患者の同意を得てアップロードされることになっており、2007年春から本格的にその作業が開始された。ロンドン大学Trisha Greenhalgh氏らは、このシステム稼働導入期(2007年5月~2008年4月)の実態を調査することで、今後のシステム展開への教えを見いだす事例評価研究を行った。BMJ誌2008年11月1日号(オンライン版2008年10月23日号)より。事例研究から明らかになった8つのポイントGreenhalgh氏らが行ったのは、SCRを早期導入したイングランドの4地域(3都市、1農村地帯)を対象とする事例評価研究。解析の結果、システム構築にあたって影響をおよぼす要因として、以下の8つが見いだされたと報告している。第1に重要なのが、SCRの物質特性(特に技術的未熟さとアクセス時のデータのやりとりなど動作の不具合)と特質(特にシステム利用者が潜在的にリスクよりもベネフィットが大きいとどれだけ確信しているか)。第2に、システム利用者の懸念(特に作業負荷と極秘情報を共有することへの暗黙の同意モデルに対する倫理性)。第3は、個々人への働きかけ(例えば、オピニオンリーダー、システム精通者、促進者による)。第4は、イノベーションに対する組織の経験値(例えば、過去にイノベーション技術プロジェクト、効果的なデータ収集システム導入などの経験がある)第5は、SCRへの組織的な取り組み姿勢(例えば、イノベーションシステムへの適合を図ろうとする姿勢、変革への気運、賛成・反対のバランスを図る、基線データの質)。第6は、実施プロセスの明確さ(妥当な変化モデル、新旧ルーチンの調節)。第7は、システムの異質な部分の融合性。第8は、よりワイドな環境下での導入(特にプログラムの政治的背景)。Greenhalgh氏は、「電子カルテ共有システムは、単なる接続技術(plug-in technologies)ではない。個々の患者、スタッフによって受け入れられ、さらに組織のルーチンとなることで成り立つのである。その構築には、ミクロレベルでは、技術、個々の意向・懸念、個々人が受けた影響を、中間レベルでは、組織の経験値、対応・取り組み姿勢を、マクロレベルとしては制度や政治力の影響を受ける」と述べ、「事例研究と理論解析によって、患者ケアのモデルを支える方法を明らかにすることができる」と報告している。関連報告:ジャーナル四天王2008年6月20日号(英国で進行中の患者治療記録のIT共有プロジェクトに対する人々の反応は? )

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透析歴が短いほど食生活にストレスを感じる!? バイエル社が「透析と食」に関する調査結果を発表

バイエル薬品株式会社は11月7日、社団法人全国腎臓病協議会(全腎協)の協力の下、透析患者を対象に「透析と食」について意識調査を実施し、その結果を発表した。この調査の結果から、一定の食事制限を必要とされている透析患者にとって、食事は大きな楽しみでありながら、難しさやストレスを感じつつ食事の管理に取り組んでいることがわかったという。特にリンやカリウム、また水分などの栄養管理には多くの人が難しさを感じており、それらの栄養素を気にせずに食事がしたいという回答も多くみられたという。しかし、透析歴が長くなるほど、難しさやストレスが軽減されることも明らかとなり、透析生活の中で食事の知識や経験を増やしながら、習慣にしていくことが重要であることが示唆されている。詳細はプレスリリースへhttp://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail/?file_path=2008%2Fnews2008-11-07.html

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クレストールが心血管イベント発症リスクを大幅に減少する ~JUPITER試験結果より~

塩野義製薬とアストラゼネカは11月10日、アメリカ・ニューオーリンズで開催されている2008年米国心臓協会(American Heart Association)学術集会でJUPITER(ジュピター)試験が9日、Late Breaking Clinical Trials Sessionにて発表されたことを伝えた。JUPITER試験は、LDL-Cは正常か低値であるものの炎症マーカーとして知られている高感度CRPが高値の、心血管疾患リスクを有する男女を対象にクレストール(ロスバスタチン)の1次予防効果を検討したもの。クレストール20mg/日投与群ではプラセボ投与群に比べて、わずか1.9年(中央値)という短い試験期間で、一次エンドポイントの心血管イベント(心筋梗塞、脳卒中、血行再建術施行、入院を要する不安定狭心症および心血管死の複合リスク)の発症が44%(p

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今、なぜ家庭医が求められるのか 「アメリカ家庭医療 ~医師卒後研修とその実際~」開催のお知らせ

恵寿総合病院(石川県七尾市)は、10月15日の家庭医療外来開設を機に「家庭医」の本質を探るべく、特別講演会「アメリカ家庭医療 ~医師卒後研修とその実際~」を開催する。日本国内での家庭医療への理解がほとんど進んでいない中、家庭医が担う役割や専門医との関わり、研修内容など幅広い内容を講演する予定。 日時:11月19日(水) 午後7時~会場:恵寿総合病院 別館2階会議室   地図はこちら   http://www.keiju.co.jp/annai/access.html 講師:竹大 禎一 先生(ピッツバーグ大学医療センター 家庭医療研修プログラム指導医) 詳細はこちら(PDF)http://www.keiju.co.jp/news/2008.11.19kateikouen.pdf

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出生体重1,500g未満児への早期インスリン治療介入は無益

極低出生体重児(1,500g未満)への早期インスリン治療介入は、高血糖症を減らすが低血糖症を増大する可能性が高く「臨床ベネフィットはない」とする報告が、ケンブリッジ大学のKathryn Beardsall氏らによって寄せられた。パイロットスタディ「ヨーロッパ新生児インスリン補完療法(Neonatal Insulin Replacement Therapy in Europe:NIRTURE)」の結果より。極低出生体重児の高血糖症の発病率は高度(20~86%)で、罹患率、死亡率ともに高い。またそれゆえ、早期のインスリン治療介入による臨床ベネフィットが期待されてもいた。NEJM誌2008年10月30日号にて掲載。出産予定日の死亡率を主要転帰に国際共同多施設オープンラベル無作為化対照試験への参加者は、イギリス、ベルギー、オランダ、スペインの各国医療センターから集められた。早期インスリン治療群(インスリン0.05 U/kg/時を20%ブドウ糖液とともに静脈内持続投与)に割り付けられたのは195例。対照群(標準的な新生児治療)には194例が割り付けられ、それぞれ生後24時間以内~7日までの連続血糖モニタリングのデータを入手し血糖コントロールへの有効性が検証された。主要転帰は出産予定日での死亡率。なお本研究は、主要転帰に関する無益性と、潜在的な有害性への懸念から早期に中断された。高血糖症は対照群より10%以上低いが低血糖症が増大平均血糖値(±SD)を比べると、早期インスリン治療群は6.2±1.4 mmoL/L(112±25 mg/dL)、対照群は6.7±2.2 mmoL/L(121±40 mg/dL)で、治療群のほうが低かった(P = 0.007)。生後7日間で高血糖症を発病した割合は、治療群のほうが10%以上低い(21%対33%、P = 0.008)。また、治療群のほうが炭水化物の投与量が有意に多く(51±13 kcal/kg/日 対 43±10 kcal/kg/日、P

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薬品で消毒可能な医療現場向けタブレットPC

パナソニックは11月6日、耐水性/耐衝撃性が特徴のモバイルパソコン「TOUGHBOOK(タフブック)H1シリーズ」の新モデルとして、薬品による消毒が可能な医療現場向けタブレットPC「TOUGHBOOK CF-H1」を発表した。医療現場特有の使用環境やニーズに対応できるよう、耐衝撃/耐落下設計とファンレス設計による水やホコリの侵入を防ぐ防塵/防滴性に加え、アルコールや次亜塩素酸などの薬品に対する耐性を備えるという。詳細はプレスリリースへhttp://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn081106-1/jn081106-1.html

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40代以上でもマンモグラフィ受診率は約半数-乳がんに関する2万人女性の意識調査

NTTレゾナント株式会社と株式会社三菱総合研究所が行った「第4回乳がんに関する2万人女性の意識調査」(有効回答者数は30代を中心に27,402名)によると、乳がん検診未経験者の割合は4年間で12.4%減少しているものの、厚生労働省の指針の対象である40代以上のマンモグラフィ受診率は約半数にとどまることがわかった。また、「乳がんは自分で発見できる病気である」ということを認識していると答えている割合は68.5%に上昇、「自己検診」を行っているという回答も4年間で13.3%増加した。実際に「自身が乳がん経験者である」と回答した0.8%のうち、「自己検診で乳がんが分かった」と答えた女性は、55.8%に及ぶ。しかし、まだ自己検診を実施したことがないが「自己検診」という言葉を知っている回答者でも、実際に自己検診がどのようなものか詳しく知らない女性が約72.0%も存在する。 乳がんが、「日本人女性の20人に1人以上がかかる」「30~64歳の女性がん患者の死亡原因のトップである」という事実は、今回の調査結果でも約2割しか認識されていない。「乳がんの発症は30代から急激に増える」ことを知っているという回答は52.3%、また「マンモグラフィだと、しこりとして触れないごく早期の乳がんを発見できる」ことを知っているという回答は73.8%だった。しかし、30代以上の女性が乳がん検診を受けない理由の1位は、「現在しこりや症状に異常が見られないから」であり、自分も罹患する可能性があるという自覚の低さや、「特に異常を感じなければ大丈夫」という誤った認識が高いという実態が引き続き存在する。 詳細はこちらhttp://research.goo.ne.jp/database/data/000881/index.html

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がんチーム医療と在宅との連携:メディカルタウンの目指すもの 「第4回がんチーム医療研究会」開催

がんチーム医療と在宅との連携:メディカルタウンの目指すものと題して「第4回がんチーム医療研究会」が11月8日(土)、がんチーム医療研究会とエーザイ株式会社の共催によって開催される。本シンポジウムは、一般大衆だけでなく医療従事者の参加も広く呼びかけている。 日時:2008年11月8日(土)午後3時~6時会場:八重洲ファーストフィナンシャルビル    ベルサール八重洲2F Room A・B・C    参加費 500円  開会挨拶    樋野興夫氏(順天堂大学医学部 病理・腫瘍学) 基調講演    山下孝氏(癌研有明病院 副院長兼放射線治療科)    櫻井幸枝氏(東京都福祉保健局医療政策部)    足立康史氏(経済産業省)    広多勤氏(日経メディカル)    パネルディスカッション「がんチーム医療と在宅の連携」司会: 山口俊晴氏(癌研有明病院 消化器センター)     秋山正子氏(白十字訪問看護ステーション) 詳細はこちらhttp://www.juntendo.ac.jp/graduate/laboratory/labo/bunshi_byori/lecture/l_02.html

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糖尿病の妊婦にとって連続血糖モニタリングは有益

妊娠中の連続血糖モニタリングの有効性について、NHSイプスウィッチ病院(イギリス)糖尿病・内分泌学科のHelen R Murphy氏らが無作為化試験を行い検証した。「妊娠末期の血糖コントロール改善、低体重児もしくは巨大児のリスクを低減する」と報告している。BMJ誌2008年10月18日号(オンライン版2008年9月25日号)にて掲載。イギリスにて前向きオープンラベル無作為化試験1型および2型糖尿病を有する妊婦が連続血糖モニタリングを行うことの有効性(母体の血糖コントロール、低体重児および巨大児リスク)を評価するための試験は、イギリスにある糖尿病の妊婦のための健診クリニック2施設で、前向きオープンラベル無作為化試験にて行われた。参加者は、1型糖尿病(n=46)と2型糖尿病(n=25)の女性71例で、妊婦管理+連続血糖モニタリング群(n=38、モニタリング群)と、標準妊婦管理群(n=33、対照群)に割り当てられた。モニタリング群には意思決定を共有するためと4~6週ごとに治療効果を確かめられる教育ツールが用いられた。そのほかの妊婦管理等は両群間で同等だった。主要評価項目は、妊娠中期~末期の母体血糖コントロールとHbA1c値で4週ごとに測定された。副次評価項目は、出生時体重と巨大児リスクのスコア。出生時体重標準偏差スコアと出生時体重のパーセンタイル値(customised birthweight centiles)の指標を用い検討した。統計解析は、intention to treatを基礎に行われた。血糖コントロールを改善し、低体重児、巨大児のリスクを減らす妊娠32~36週までの平均HbA1c値は、モニタリング群5.8%(SD 0.6) vs. 対照群6.4%(SD 0.7)で、モニタリング群のほうが低かった。対照群の乳児と比べて血糖モニタリング群の母親から生まれた乳児の平均出生時体重も、より低かった。出生時体重標準偏差スコアは0.9 vs. 1.6(効果サイズ平均0.7、95%信頼区間:0.0~1.3)。出生時体重のパーセンタイル値の中央値も低く(69% vs. 93%)、巨大児リスクも低かった(オッズ比:0.36、95%信頼区間:0.13~0.98)。この結果Murphy氏は、「妊娠中の連続血糖モニタリングは、妊娠末期の血糖コントロール改善、低体重児もしくは巨大児のリスクを低減する」と結論している。

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免疫抑制剤グラセプター新発売

アステラス製薬株式会社は、免疫抑制剤「グラセプター カプセル0.5mg・1mg・5mg(一般名:タクロリムス水和物)」を、「腎、肝、心、肺、膵移植における拒絶反応の抑制、ならびに骨髄移植における拒絶反応および移植片対宿主病の抑制」を効能・効果として、10月28日に国内で新発売した。グラセプターは、アステラス製薬が創製した1日2回投与の免疫抑制剤「プログラフ」の有効成分であるタクロリムスを含有する1日1回投与の徐放性製剤。タクロリムスは、T細胞の活性化を選択的に阻害することにより免疫抑制作用を発揮する。グラセプターは現在、「Advagraf(アドバグラフ)」の製品名で欧州をはじめ世界19カ国で使用されている。詳細はプレスリリースへhttp://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/post-34.html

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アクテムラに関節リウマチの関節破壊の抑制効果が確認される

 中外製薬株式会社は10月27日、同社とスイスのF.ホフマン・ラ・ロシュ社が共同開発中のヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」(一般名:トシリズマブ〔遺伝子組換え〕)に関して、海外で実施された関節リウマチ(RA)患者を対象とした臨床第III相二重盲検試験において、メトトレキサート(MTX)との併用におけるアクテムラの投与によってRAに対する関節破壊の抑制効果が認められたと発表した。 この結果が示されたLITHE試験は海外で5本目の第III相臨床試験であり、MTXによる治療で効果が不十分な患者において効果を検討したもの。試験期間は2年で計画されており、今回の報告は、評価項目の一つである投与1年後の結果を取りまとめたものである。この試験結果は、10月28日に米国リウマチ学会(The American College of Rheumatology/米国サンフランシスコ)で発表された。 アクテムラは、国内ではキャッスルマン病の治療薬として2005年4月に承認され、同年6月に「アクテムラ点滴静注用200」の販売名で発売された。2008年4月には、RA(関節の構造的損傷の防止を含む)および多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎、全身型若年性特発性関節炎の効能が追加されている。

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降圧薬カンデサルタン、2型糖尿病の網膜症に対する有効性を確認

アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARB)であるカンデサルタンは、2型糖尿病における軽度~中等度の網膜症に対する改善効果を有することが、国際的な大規模臨床試験DIRECT-Protect 2により明らかとなった。糖尿病性網膜症は、依然として生産労働年齢人口の失明の主要原因である。2型糖尿病の診断時に約40%が網膜症を併発しており、6年後にはさらに22%が発症するとされる。これに対し降圧薬の有効性が示唆されているが、網膜症をエンドポイントした試験は行われていないという。デンマークOdense大学病院眼科のAnne Katrin Sjolie氏が、Lancet誌2008年10月18日号(オンライン版2008年9月25日号)で報告した。軽度~中等度の網膜症が見られる2型糖尿病患者が対象研究グループは、2型糖尿病患者における網膜症の進行に対するカンデサルタンの抑制効果について検討した。本試験は、309施設が参加した国際的な二重盲検プラセボ対照パラレルグループ無作為化試験である。軽度~中等度の網膜症が見られる2型糖尿病患者が、カンデサルタン16mg/日を投与する群あるいはプラセボ群に無作為に割り付けられた。カンデサルタンの用量は1ヵ月後に32mg/日に増量された。主要評価項目は網膜症の進行、副次評価項目はその退縮とした。網膜症の進行リスクは同等、退縮効果はカンデサルタンが有意に優れる1,905例(37~75歳)が登録され、カンデサルタン群に951例が、プラセボ群には954例が割り付けられた。網膜症がEarly Treatment Diabetic Retinopathy Studyのスケールで3段階以上進行した症例の割合は、カンデサルタン群が17%(161例)、プラセボ群は19%(182例)であった。網膜症の進行リスクは、プラセボ群に比しカンデサルタン群で13%低下したが、有意差は認めなかった(p=0.20)。網膜症の退縮効果は、カンデサルタン群がプラセボ群よりも有意に優れた(ハザード比:1.34、p=0.009)。このハザード比は、ベースライン時のリスク因子や試験中の血圧の変動で補正しても低下せず、有意差は維持された。カンデサルタン群では、試験終了時における網膜症の軽症化の変化率が、全体としてプラセボ群よりも有意に大きかった(オッズ比:1.17、p=0.003)。有害事象ついては両群間に差は見られなかった。著者は、「カンデサルタンは、軽度~中等度の網膜症を有する2型糖尿病において、網膜症の改善効果を発揮する可能性がある」と結論し、「その良好な有効性は、高度な退縮効果とある程度の進行抑制効果によると考えられる」としている。(菅野守:医学ライター)

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COPD治療薬チオトロピウムの長期臨床試験報告

慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬チオトロピウムが、COPD患者の複数のエンドポイントを改善することは先行研究で示されているが、吸入用抗コリン薬を除くすべての呼吸器疾患の薬物治療を許されたプラセボ群を対照に、チオトロピウム治療の4年間にわたる長期的な効果を検証していた米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部のDonald P. Tashkin氏らが主要な治療指標であるFEV1低下率や肺機能、QOL、増悪について報告を行った。NEJM誌2008年10月9日号(オンライン版2008年10月5日号)より。患者5,993例を4年間にわたり無作為化二重盲検プラセボ対照試験UPLIFT試験(Understanding Potential Long-Term Impacts on Function with Tiotropium)は無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、吸入用抗コリン薬を除くすべての呼吸器疾患の薬物治療を許されたCOPD患者を対象に、チオトロピウムまたはプラセボに割り付け4年にわたって投与し比較された。対照患者は日本を含む37ヵ国から登録された、40歳以上、気管支拡張薬投与後のFEV1は70%以下、FVCに対するFEV1の比率は70%以下等の条件を満たした5,993例。主要エンドポイントは、試験開始30日時点で測定した気管支拡張薬投与前後のFEV1平均低下率。副次エンドポイントは、FVC測定値、QOL評価表のSGRQ(St. George's Respiratory Questionnaire)に対する回答の変化、COPDの増悪と死亡率を含めた。FEV1低下率、肺機能、QOLの改善効果は?対象患者5,993例(平均年齢65±8歳)は、気管支拡張薬投与後の平均FEV1が1.32±0.44 L(予測値の48%)で、このうち2,987例をチオトロピウム群、3,006例をプラセボ群に無作為に割り付けた。FEV1の絶対改善平均値は試験期間を通じて、チオトロピウム群のほうがプラセボ群より維持された(気管支拡張薬投与前87~103 mL、気管支拡張薬投与後47~65 mL、P

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コンピュータ支援のマンモグラム単独読影は2人読影に匹敵

マンモグラフィ検診による小さな乳癌の検出感度は、マンモグラムの読影を単独でするより2人で行うことのほうが高い。では、コンピュータ支援検出システムを使った単独読影はどうだろうか。2人読影に匹敵する検出能力を発揮できるかどうかを検証していた英国のCADET II研究グループ(Computer-Aided Detection Evaluation Trial II)のFiona J. Gilbert氏(アバディーン大学)らは「匹敵する」ことを報告した。NEJM誌2008年10月16日号(オンライン版2008年10月1日号)より。イングランド女性3万1,057例を、「単独読影」「2人読影」に割り付け試験は、2人読影とコンピュータ支援検出を用いた単独読影による乳癌検出率の「matched-pair比較」による等価比較試験として設計された。イングランドの3施設で、マンモグラフィによる定期検診を受けている女性3万1,057例を、「2人読影を受ける群」と、「コンピュータ支援検出を用いた単独読影を受ける群」、または「2人読影とコンピュータ支援単独読影の両方を受ける群」に、1:1:28の比率で無作為に割り付けた。主要評価項目は、各読影法ごとの乳癌検出率と、両方の読影法を受けた群における要精検率とした。コンピュータ支援読影のほうが要精検率がわずかに高い乳癌検出率は、「2人読影群」が227例中199(87.7%)、「コンピュータ支援単独読影群」が227例中198(87.2%)だった(P = 0.89)。要精検率は、「2人読影群」が3.4%、「コンピュータ支援単独読影群」が3.9%で、両者には小さいが有意な差が認められた(P

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抗生物質テラバンシン 欧州で申請取下げ

アステラス製薬株式会社は10月24日、米国テラバンス社より導入し、欧州医薬品審査庁(EMEA)に承認申請していた抗生物質「テラバンシン(一般名)」について、申請を取下たことを発表した。テラバンシンは、同社の欧州子会社であるアステラス ファーマ ヨーロッパ B.V.が「複雑性皮膚・軟部組織感染症」を目標適応症として2007年4月27日(現地時間)にEMEAへ承認申請していた。その後の審査過程において、提出したデータでは申請適応症に対するテラバンシンの有効性と安全性のバランスについて肯定的な結論を出すことはできないとのEMEAの医薬品委員会(CHMP)の見解を受け、このたび当該申請を取下げたという。詳細はプレスリリースへhttp://www.astellas.com/jp/corporate/news/detail/post-33.html

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ビタミンBはアルツハイマー病の認知低下抑制の効果なし

アルツハイマー病(AD)ではホモシステインの血中濃度が高まり、高ホモシステイン血症が血管や神経に毒性に作用し発病に至る可能性がある。しかしホモシステイン濃度は、葉酸とビタミンB6、B12の高用量サプリメント投与で低下させることができる。このため、アメリカ・アルツハイマー病協同研究グループ(Alzheimer Disease Cooperative Study Group)のPaul S. Aisen氏(カリフォルニア大学サン・ディエゴ校)らは、AD治療におけるビタミンB群サプリメントの有効性と安全性を検証していたが、「認知機能の低下を遅らせる効果はない」と報告した。JAMA誌2008年10月15日号より。中軽度AD 患者409例を18ヵ月間試験し効果を比較本研究は2003年2月20日~2006年12月15日にかけて、全米で行われた多施設共同無作為化二重盲検臨床試験で、AD患者601例をスクリーニングし、認知機能検査(MMSE)スコアが14~26の中程度から軽度の409例を、全体の60%は高用量サプリメント処方群(葉酸塩を5mg/d、ビタミンB6を25mg/d、ビタミンB12を1mg/d)、残る40%はプラセボ処方群に無作為に割り付けた。投与期間は18ヵ月。主要評価項目は、アルツハイマー病評価尺度(ADAS-cog)の認知サブスケールの変化とした。ホモシステイン濃度は低下するが認知機能は改善せず試験を完了できたのは合計340例(高用量処方群202例とプラセボ群138例)だった。ビタミンB群のサプリメント投与はホモシステイン濃度の低下に効果的[平均値(SD)比較:高用量処方群-2.42(3.35) vs. プラセボ群-0.86(2.59)、P<0.001]だったにもかかわらず、主要な認知尺度である18ヵ月後のADAS-cogスコアの変化率には、何の有益効果も認められなかった。高用量処方群:0.401ポイント/月 vs. プラセボ群:0.372ポイント/月(P=0.52、比率差の95%信頼区間:-0.060~0.12、intention-to-treat解析の一般化方程式モデルに基づく)。副次的尺度にも、いかなる効果も認められなかった。うつ病を含む有害事象は、ビタミン・サプリメント処方群で、より多く観察された。これら結果からAisen氏は「高用量ビタミンB群サプリメントの処方計画は、中程度から軽度のアルツハイマー病の認知機能低下を遅らせる効果はない」と結論付けている。(朝田哲明:医療ライター)

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