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アテゾリズマブによるNSCLC術前治療(LCMC3)/ASCO2019

 LCMC3試験は非小細胞肺がん(NSCLC)におけるアテゾリズマブ術前治療の第II相試験である。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)では、有効性の中間解析結果(n=101)が報告された。・対象:StageIB、II、IIIA、および切除可能IIIBのNSCLC・介入:アテゾリズマブ(2サイクル)・主要評価項目:手術時MPR(Major Pathologic Response、生存しうる腫瘍細胞10%以下)・副次評価項目:無病生存期間、全奏効率、全生存期間、バイオマーカー、有害事象 主な結果は以下のとおり。・中間解析における登録患者は101例、年齢中央値は65歳、非扁平上皮65%、Stage IIIA/B 46%(A39%/B7%)であった。・アテゾリズマブ治療2サイクル完遂率は95%(96例)、1サイクル完遂率は5%(5例)であった。・手術実施率は90例(89%)、有効性評価対象は77例(76%)であった。・有効性評価対象におけるMPRは19%(15/77例)、病理学的完全奏効(pCR)は5%(4/77例)であった。・MPRはPD-L1発現との関連はみられなかった。・Grade3~4の有害事象発現は29%(29例)、Grade5の発現は2%(2例)にみられた。

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小児がん、アントラサイクリンの心筋症リスクは?/JAMA Oncol

 アントラサイクリンは、小児がんに対する有効な治療薬の1つであり、ほとんどの小児腫瘍治療グループは、アントラサイクリンの血液毒性と心毒性は同等と考えている。今回、オランダ・アムステルダム大学のElizabeth A. M. Feijen氏らは小児がんサバイバーの大規模コホートのデータを解析し、「ドキソルビシンと比較してダウノルビシンは心筋症リスクが低く、エピルビシンはほぼ同等である」ことを明らかにした。また、現在の造血器ベースでのミトキサントロンのドキソルビシン用量等量比は4 vs.1とされているが、同比では、ミトキサントロンの長期心筋症リスクを有意に過小評価していると考えられる所見も明らかになったという。JAMA Oncology誌オンライン版2019年5月号掲載の報告。 研究グループは、ドキソルビシンと他のアントラサイクリン、またはアントラキノン系のミトキサントロンとの間の遅発性心筋症に関する最適用量等量を決定する検討を行った。 1970~99年にChildhood Cancer Survivor Studyで治療された2万367例、1963~2001年にオランダのChildhood Oncology Group LATER studyで診断された5,741例、および1962~2005年にSt Jude Lifetime studyで治療された2,315例から、5年以上生存した小児がんサバイバーを対象として併合解析を行った。 各薬剤(ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン)の、累積投与量と胸部放射線照射について医療記録から要約した。主要評価項目は、40歳までの心筋症であった。Cox比例ハザードモデルを用い、胸部放射線療法、がん診断時の年齢、性別およびアントラサイクリンまたはアントラキノンへの曝露を調整した心筋症リスクを評価。また、ドキソルビシンの心筋症に対する各薬剤の等量比を推定し、次いで加重平均によりすべての用量カテゴリーにわたる全体的な薬剤特異的等量比を算出した。 主な結果は以下のとおり。・2万8,423例のサバイバー(女性46.4%、がん診断時年齢中央値6.1歳)のうち、9,330例がドキソルビシン、4,433例がダウノルビシン、342例がエピルビシン、241例がイダルビシン、265例がミトキサントロンを投与された。・がん診断後の追跡期間中央値20.0年で、心筋症399例が確認された。・ドキソルビシンと比較した等量比は、ダウノルビシン0.6(95%CI:0.4~1.0)、エピルビシン0.8(95%CI:0.5~2.8)、ミトキサントロン10.5(95%CI:6.2~19.1)、イダルビシンに関してはイベントがまれで推定できなかった。・線形用量反応関係に基づく比は、ダウノルビシン(0.5、95%CI:0.4~0.7)、エピルビシン(0.8、95%CI:0.3~1.4)で類似していた。

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初期研修医の労働時間、大幅減でもアウトカムに関連せず/BMJ

 米国の卒後医学教育認定評議会(Accreditation Council for Graduate Medical Education:ACGME)は2003年、初期研修医の労働時間を改正した。それまでは週80時間以上、交替勤務の拘束時間は30時間以上が慣習化されていたが、週の労働時間の上限を80時間とし、交替勤務の上限は24時間(患者ケアの引き継ぎ時間は含まない)、当直勤務は3日ごと、28日間に休日4日(平均7日に1日)の義務化が課せられた。この改正の影響について、米国・ハーバード大学医学大学院のAnupam B. Jena氏らが改正前後の入院患者の30日死亡率、30日再入院率および入院費について調べた結果、初期研修期間の労働時間の大幅な削減は、医師訓練の質の低下とは関連していなかったという。BMJ誌2019年7月10日号掲載の報告。入院患者約49万例で、初期研修の労働時間改正前後のアウトカムを比較 研究グループは2000~12年の期間に、入院して一般内科医の治療を受けた65歳以上のメディケア受給者から無作為抽出(20%)した48万5,685例を対象として後ろ向き観察研究を行った。 30日死亡率、30日再入院率、入院患者のメディケア・パートB入院費用について、2003年のACGME労働時間改正後に研修を始めた1年目の内科医(2006年以降に初期研修を修了)が治療した患者と、改正前または初期研修期間の一部が改正後の1年目の内科医(2006年以前に初期研修を修了)が治療した患者とで比較した。また、入院医療の一般的な傾向に関して、この改正に関係しない上級内科医(10年目の内科医)が治療した患者を対照群として評価に加えた。統計解析には差分の差分(difference-in-differences)法を用いた。30日死亡率、30日再入院率、入院費に有意差なし 30日死亡率、30日再入院率および入院費用に関して、初期研修期間の労働時間改正による統計学的に有意な差は認められなかった。 1年目の内科医が治療した患者の30日死亡率は、2000~06年および2007~12年の期間でそれぞれ10.6%(1万2,567/11万8,014例)および9.6%(1万3,521例/14万529例)、10年目の内科医が治療した患者ではそれぞれ11.2%(1万1,018/9万8,811例)および10.6%(1万3,602/12万8,331例)であり、補正後差分の差分効果は-0.1ポイントであった(95%信頼区間[CI]:-0.8~0.6、p=0.68)。 同様に1年目の内科医が治療した患者の30日再入院率は、それぞれ20.4%(2万4,074/11万8,014例)および20.4%(2万8,689/14万529例)、10年目の内科医が治療した患者では、それぞれ20.1%(1万9,840/9万8,811例)および20.5%(2万6,277/12万8,331例)で、補正後差分の差分効果は0.1ポイント(-0.9~1.1、p=0.87)であった。 1年目の内科医が治療した患者のメディケア・パートB入院費用は、それぞれ1,161ドルおよび1,267ドル、10年目の内科医が治療した患者では1,331ドルおよび1,599ドルで、補正後差分の差分効果は-46ドル(95%CI:-94~2、p=0.06)であった。 なお、著者は研究の限界として、解析対象が入院患者のみに限定されていること、2011年のACGMEの再改正後に初期研修を修了した医師のデータが活用できていないこと、外科領域については解析していないことなどを挙げている。

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反復性群発頭痛の予防にgalcanezumabが有効/NEJM

 抗カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)ヒト化モノクローナル抗体galcanezumabは、1回用量300mgを月1回皮下注射することにより、プラセボと比較して初回投与後1~3週における1週間当たりの反復性群発頭痛の頻度を減少させることが示された。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのPeter J. Goadsby氏らが、反復性群発頭痛に対するgalcanezumabの安全性と有効性を検証した国際無作為化二重盲検第III相試験の結果を報告した。反復性群発頭痛は、数週間あるいは数ヵ月間毎日生じる頭痛発作を特徴とする日常生活に支障を来す神経疾患で、galcanezumabは群発頭痛を予防する可能性が示唆されていた。結果を踏まえて著者は、「galcanezumabの効果の持続性と安全性を確認するため、より長期で大規模な臨床試験が必要である」とまとめている。NEJM誌2019年7月11日号掲載の報告。投与後1~3週間の群発頭痛の発作頻度を評価 本研究は、欧州および北米の35施設において実施された。対象は、10~15日間のベースライン評価期間中に少なくとも隔日1回以上、計4回以上、および1日当たり8回以内の頭痛発作があり、6週間以上持続する群発頭痛の既往を有する患者であった。 galcanezumab群(1回300mg)またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付け、ベースラインおよび1ヵ月時に皮下注射した。 主要評価項目は、初回投与後1~3週間に認めた群発頭痛の発作頻度(回/週)のベースラインからの平均変化であった。副次評価項目は、3週目の群発頭痛の発作頻度(回/週)がベースラインから50%以上減少した患者の割合とし、安全性も評価した。すべての有効性と安全性の解析は、修正intention-to-treat集団で実施された。群発頭痛の発作頻度、galcanezumab群がプラセボ群より平均3.5回/週減少 登録予定症例数は162例であったが、適格基準を満たす被験者が少なかったため、106例(galcanezumab群49例、プラセボ群57例)が無作為に割り付けされた時点で試験は中止となった。 ベースライン評価期間中の1週間当たりの群発頭痛の発作回数(平均±SD)は、galcanezumab群17.8±10.1回、プラセボ群17.3±10.1回であった。 初回投与後1~3週間の群発頭痛は、ベースラインと比較してgalcanezumab群で平均8.7回/週、対するプラセボ群で平均5.2回/週減少した(群間差:3.5回/週、95%信頼区間[CI]:0.2~6.7、p=0.04)。 3週目の群発頭痛の発作頻度(回/週)がベースラインより50%以上減少した患者の割合は、galcanezumab群71%、プラセボ群53%であった。有害事象については、galcanezumab群で8%に注射部位疼痛がみられたことを除いて、両群で重大な差は認められなかった。

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日本人双極性うつ病患者に対するクエチアピン徐放性製剤の長期試験

 日本人双極性うつ病患者に対するクエチアピン徐放性製剤(XR)の有効性および安全性は、8週間のランダム化プラセボ対照二重盲検試験で示された。しかし、双極性障害は継続的な治療が必要とされる慢性疾患である。九州大学の神庭 重信氏らは、クエチアピンXRの長期的な有効性および安全性について検討を行った。BMC Psychiatry誌2019年6月26日号の報告。 8週間のクエチアピンXR二重盲検試験を完了した日本人双極性うつ病患者を対象に、長期的な有効性および安全性を評価するため、52週間のオープンラベル非対照延長試験を行った。有効性の評価には、Montgomery Asbergうつ病評価尺度(MADRS)、17項目のハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D17)、臨床的全般改善度-双極性障害重症度(CGI-BP)を用いた。安全性の評価では、有害事象、臨床検査値、バイタルサイン、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)、ヤング躁病評価尺度(YMRS)、コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)の分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・平均MADRS合計スコアは、ベースライン時の30.9(SD 6.9)から8週目で16.1(SD 10.6)、52週目で9.1(SD 8.7)まで低下した。・クエチアピンXR治療の長期的な有効性は、HAM-D17合計スコア、CGI-BPの重症度および変化量において認められた。・最も一般的な有害事象は、傾眠、鼻咽頭炎、口渇であった。・クエチアピンXRによる長期的な治療は、臨床検査値パラメータを含む安全性プロファイルに影響を及ぼさず、新たな安全性の懸念も認められなかった。 著者らは「日本人双極性うつ病患者に対するクエチアピンXRの有効性は、長時間持続し、新たな安全性の懸念も認められなかった」としている。

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マックスさんとの別れ【Dr. 中島の 新・徒然草】(281)

二百八十一の段 マックスさんとの別れマックスさん(仮名)はヨーロッパから日本に来た人ですが、母国語だけでなく日本語も英語も無茶苦茶上手。たまに診察に同伴する奥さんは日本人です。マックスさん1人で来院する時は、奥さんの書いたメモを持ってくることがあります。マックスさん「はい、先生。奥さんのメモです」中島「ありがとうございます。あれ?」(メモ:主人は乱暴者で、私や子供に手を上げることはないものの、よく感情的になって大きな声を出します)マックスさん「何て書いてありますか?」中島「マックスさんがいろいろ頑張っていると書いてますよ」マックスさん「そうですか(ニコニコ)」お一人で来院されるときは始終機嫌よく喋っているのですが、奥さんと2人で受診の時はそうはいきません。目の前で夫婦喧嘩が始まるので、こちらもハラハラします。マックスさん「失礼ですけど、日本の人は裏表があります!(怒)」中島「それは大人の対応というか、何というか」奥さん「私に対して言うべきことを日本人全体の話にしないでよ」マックスさん「ちょっといいですか! 私は紅茶を買ってきて、それを一緒に飲みましょうと思って、そう言ったら奥さんが……(以下、終わりの見えない話)」奥さん「What's your point, Max!(何が言いたいのよ、マックス!)」流暢な日本語で、どんどん話が逸れていくのがマックスさんの特徴です。もう何が話の始まりだったのかよくわかりません。奥さんも興奮すると日本語、英語ちゃんぽんになってしまいます。中島「まあまあお二人とも落ち着いて。いつもの薬を処方しておきましょう」奥さん「先生、いつもありがとうございます」マックスさん「この薬は何の薬ですか?」中島「マックスさんが良い人になる薬ですよ」マックスさん「前から私は良い人ですよ、私は!(怒)」中島「ギャグですがな、これは」マックスさん「ちょっといいですか。私はいつも帰ったら子供を風呂に入れて、それで紅茶を淹れてですね……(以下、延々)」軽くヒネると、全くマックスさんには通じません。「この薬、ウチの奴にも飲ませといてエエでっか?」と、大阪のオッチャンやったら返ってくるのですけど。何度も診察に来てもらっているうちに、徐々にマックスさんとの付き合い方もわかってきました。「なるほど、なるほど」と言いながら耳を傾け、余計なツッコミを入れなければ機嫌よく短時間で終わります。そんなある日、マックスさんとの別れが突然やってきました。何と、今日で終診にしたいというのです。マックスさん「先生、長いことお世話になりました」中島「少しでも私がマックスさんのお役に立てたなら、これほどうれしいことはありません」マックスさん「もう私は薬なしでやっていけます」中島「そのようですね」マックスさん「それで、奥さんに手紙を書いてもらえませんか?」中島「メモのようなものでいいですか?」マックスさん「ええ」というわけで書きましたよ、短いメモを。(メモ:マックスさんはかなり良くなったので、薬なしでも大丈夫だと思います。でも、もし調子が悪くなったらいつでも診察するので、遠慮なく来てください。 中島)中島「これでいいですか」マックスさん「あ、ありがとうございます」何だかマックスさんの表情に戸惑いが。中島「えっと、よかったら読み上げましょうか?」マックスさん「そうですね(安堵)」中島「日本語を読むのは難しいですか、マックスさん」マックスさん「ひらがなは読めます。カタカナは『マックス』と書いてあればわかります。漢字はすごく難しいです」中島「なるほど、奥さんの手紙が遠慮ないわけだ」マックスさん「何か言いましたか?」中島「いやいや、こっちの事です」あれだけ流暢に日本語を操るマックスさんにしても、読むのが難しいとは! 考えてみれば、私も子供の頃に「百字練習帳」とかを使って、ひたすら同じ字を書き続けた記憶があります。あの何千もの漢字を覚えるのは、子供の柔らかい頭でなかったら難しかったでしょうね。ともあれ、マックスさん夫婦がうまくいくことを祈るばかりです。最後に1句日本では 漢字もギャグも 勉強だ!

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アジア・アフリカの小児重症肺炎、原因はRSVが最多/Lancet

 肺炎は、5歳未満の子供の主要な死因とされる。米国・ジョンズ・ホプキンズ・ブルームバーグ公衆衛生大学院のKatherine L. O'Brien氏ら「Pneumonia Etiology Research for Child Health(PERCH)試験」の研究グループは、アフリカとアジアの子供を対象に、臨床所見と微生物学的所見を適用した最新の分析法を用いて検討を行い、入院を要する肺炎の多くはRSウイルス(RSV)などの少数の病原体群が主な原因であることを明らかにした。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年6月27日号に掲載された。7ヵ国の5歳未満を対象とする症例対照研究 研究グループは、アフリカとアジアの子供における肺炎の原因の解明を目的に、国際的な症例対照研究を実施した(ビル&メリンダ・ゲイツ財団の助成による)。7ヵ国(バングラデシュ、ガンビア、ケニア、マリ、南アフリカ共和国、タイ、ザンビア)の9施設が参加した。 患者登録は、2011年8月15日~2014年1月30日の期間に、各施設で24ヵ月をかけて行われた。症例は、重症または超重症肺炎で入院した生後1~59ヵ月の子供であった。対照として、各施設の周辺に居住する、年齢をマッチさせた子供を無作為に選択した。 培養法またはマルチプレックスPCR法、あるいはこれら双方を用いて、鼻咽頭および中咽頭(NP-OP)、尿、血液、誘発喀痰、肺吸引物、胸水、胃吸引物の検査が行われた。 主解析の対象は、HIV感染がなく、かつX線画像所見で異常がみられる症例と、HIV感染のない対照に限定された。ベイジアン法による部分潜在クラス分析を用い、症例と対照を合わせた個人および住民レベルの病原体の可能性を推定した。全体ではウイルスが多く、超重症例では細菌が多い、約3割がRSV 症例群4,232例および対照群5,119例が登録された。主解析には、HIV感染がなく、かつX線画像所見で異常がみられる症例1,769例(41.8%、女児44.0%)と、HIV感染のない対照5,102例(99.7%、49.7%)が含まれた。 喘鳴は、症例群の31.7%(555/1,752例)(施設別の範囲10.6~97.3%)に認められた。30日致命率(case-fatality ratio)は6.4%(114/1,769例)だった。 血液培養陽性率は3.2%(56/1,749例)であり、分離された細菌のうち最も頻度が高かったのは肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae、33.9%[19/56例])であった。 NP-OP検体のPCR検査では、ほとんどの症例(98.9%)および対照(98.0%)で、1種以上の病原体が検出された。NP-OP検体におけるRSウイルス(respiratory syncytial virus:RSV)、パラインフルエンザウイルス(parainfluenza virus)、ヒトメタニューモウイルス(human metapneumovirus)、インフルエンザウイルス(influenza virus)、肺炎球菌(S. pneumoniae)、ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型(Haemophilus influenzae type b:Hib)、H.インフルエンザ菌非b型(H. influenzae non-type b)、ニューモシスチス・イロベチイ(Pneumocystis jirovecii)の検出は、症例の病態と関連した。 病原体分析では、原因の61.4%(95%信用区間[CrI]:57.3~65.6)がウイルスであったのに対し、細菌は27.3%(23.3~31.6)で、結核菌が5.9%(3.9~8.3)であった。一方、超重症肺炎では、重症肺炎に比べウイルスが少なく(54.5%、95%CrI:47.4~61.5 vs.68.0%、62.7~72.7)、細菌が多かった(33.7%、27.2~40.8 vs.22.8%、18.3~27.6)。 全病原体のうち、最も病因割合(aetiological fraction)が高かったのはRSV(31.1%、95%CrI:28.4~34.2)であった。また、ヒトライノウイルス、ヒトメタニューモウイルスA/B、ヒトパラインフルエンザウイルス、肺炎球菌、結核菌、H.インフルエンザ菌は、病因分布が5%以上であった。 年齢によって病因割合に差がみられた病原体として、百日咳菌(Bordetella pertussis)、パラインフルエンザ1/3型、パレコウイルスおよびエンテロウイルス(parechovirus-enterovirus)、P.イロベチイ、RSV、ライノウイルス、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、肺炎球菌があり、重症度に差がみられた病原体として、RSV、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、パラインフルエンザ3型が挙げられた。各施設の上位10種の病原体が、施設の病因割合の79%以上を占めた。 著者は、「今後の肺炎研究では、複数の病原体の関与と、肺炎の発症におけるそれらの一連の役割という困難な問題への取り組みが必要である」としている。

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治験の非特定化被験者データ、共有基準を満たした大手企業は25%/BMJ

 米国・イェール大学のJennifer Miller氏らは、臨床試験の非特定化された被験者レベルデータについて、その共有の実態を調べると同時に改善するためのランキングツールを開発した。同ツールを用いたところ、大手製薬企業においてデータ共有評価基準を完全に満たしていたのは25%であったという。同値はランキングツール使用後に33%まで改善したことや、その他の試験の透明性については高得点であったこと、また一部の会社については透明性やデータの共有について、改善にはほど遠い結果が示されたことなども報告した。BMJ誌2019年7月10日号掲載の報告。10のガイドラインを基に評価基準を作成 Miller氏らは、2015年に米国食品医薬品局(FDA)で新規薬物の承認を受けた大手製薬企業を対象に、各社の非特定化された被験者レベルデータ共有に関する状況を調査した。 ClinicalTrials.gov、Drugs@FDA(FDA承認薬データベース)、企業ウェブサイト、データ共有のためのプラットフォームおよびレジストリ(Yale Open Data Access[YODA]プロジェクトやClinical Study Data Request[CSDR]など)、製薬企業への聞き取り調査を基に、データ共有法や方針について評価した。データシェアリングの評価基準としては、患者や企業、研究者や規制当局なども加わり作成された、データ共有に関する主な10のガイドラインを基に行った。 主要評価項目は、企業レベルでの多項目評価で、臨床試験の患者レベルデータ(分析準備ができているデータセットやメタデータなど)の入手のしやすさ、各薬物・治験レベルの登録と結果報告およびパブリケーション、企業レベルの全般的透明性のランキング、企業のデータ共有に関する方針や実態を改善するための評価・ランキングツールの実用性だった。評価のフィードバックで3社が改善 大手製薬企業のうちデータ共有評価基準を完全に満たしていたのは、全体の25%だった。企業のデータ共有に関するスコアの中央値は、63%(四分位範囲:58~85%)だった。 評価結果を対象企業にフィードバックしたところ、3社が改善し、同基準を完全に順守する企業の割合は33%に、全体のスコア中央値は80%(同:73~100%)にそれぞれ上昇した。 当初、データ共有評価基準を満たさなかった理由で最も多かったのは、共有データの期日までの提出不履行(75%)と、データ数とアウトカムの未報告であった。 新規医薬品において、患者登録率は中央値100%(四分位範囲:91~100%)、結果の報告率は同65%(36~96%)で、雑誌などで発表された割合は同45%(30~84%)だった。一方で医薬品ごとにみると、新薬承認申請のための臨床治験データが承認後6ヵ月以内に公に入手可能だった割合は半数に満たなかった(42%)。 Miller氏らは、開発した評価・ランキングツールは、大手製薬企業のデータ共有方針と実態が評価可能であり、企業の実態改善に影響力をもつものだと述べている。

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非定型抗精神病薬治療に対する精神科医と精神科薬剤師の考え方

 統合失調症や双極性障害の治療選択は、その治療効果の不均一性により複雑化する。米国・イリノイ大学のDaniel R. Touchette氏らは、統合失調症および双極性障害への非定型抗精神病薬の治療選択に、臨床家の考え方や健康システム/保険政策がどのように影響するか検討を行った。Journal of Pharmacy Practice誌オンライン版2019年6月25日号の報告。 American College of Clinical Pharmacy(ACCP)およびCollege of Psychiatric & Neurologic Pharmacists(CPNP)のメンバーを対象に横断的調査を実施した。非定型抗精神病薬の有効性および安全性、薬剤選択に対する併存疾患の影響、非定型抗精神病薬の治療選択に影響を及ぼす因子に関する考え方を評価した。非定型抗精神病薬を選択する際に有効性と安全性は同程度に重要視 非定型抗精神病薬の治療選択への影響を検討した主な結果は以下のとおり。・対象は、精神科薬剤師24人および精神科医18人。・平均年齢は39.6歳、女性の割合は57.1%であった。・薬物療法の有効性と安全性を同程度に重要視していた臨床家は64.3%、安全性をより重要視していた臨床家は26.2%、有効性をより重要視していた臨床家は9.4%であった。・統合失調症における最も重要な薬剤特性は、陽性症状の軽減(92.7%)、入院の減少(87.8%)であった。・双極性障害における最も重要な薬剤特性は、躁病エピソードの軽減(87.8%)、再発の減少(53.7%)、入院の減少(53.7%)であった。・最も注意すべき懸念点は、無顆粒球症(78.1%)、不整脈(70.7%)、錐体外路系副作用(68.3%)であった。・処方制限は、抗精神病薬の選択(80.5%)、服薬アドヒアランス(55.0%)、治療結果(53.4%)に影響を及ぼすと考えられていた。 著者らは「非定型抗精神病薬を選択する際に、有効性と安全性は同程度に重要視されていた。処方制限は、治療選択や治療結果に影響を及ぼすと考えられている」としている。

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時間とは何か? 風呂場で生存時間解析だ!【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第13回

第13回 時間とは何か? 風呂場で生存時間解析だ!今日も論文片手に入浴です。浴槽に持ち込んだのはREAL-CAD試験(Circulation.137: 1997-2009, 2018)。安定冠動脈疾患の患者への、ストロング・スタチンの高用量投与は低用量投与に比べ心血管イベントを抑制することを示した試験です。日本人でも厳格なLDLコレステロール管理が有用であることを示した、画期的な臨床研究です。ここで注目したいのが解析法です。心血管イベントの発生率は「カプランマイヤー法」で、イベント抑制効果については「Cox比例ハザードモデル」を用いて解析しています。臨床研究で頻用される定番の解析パターンといえるでしょう。イベントはいっせいに起こるのではなく、時間経過の中で徐々に発生します。この2つは共に時間的な要素を考慮して解析する方法で、生存時間解析に分類されます。単変量解析の「カプランマイヤー法」が生存時間を解析するための要因として1変数しか利用できないのに対して、「Cox比例ハザードモデル」は複数の要因を評価することができます。これらの生存時間解析では、時間は等質なものとして扱われます。30代の人の1年も、80代の人の1年も同じ1年として解析されます。しかし、それは現実的でしょうか? 自分に当てはめてみても、高校生時代の1年と、50代に突入した現在の1年の密度は明らかに異なります。同じ1年とは思えません。時間とは何か? 難問です。好地由太郎という明治時代の人物の話をご存じでしょうか? 奉公先の女主人を殺害して放火し、死刑囚となり、牢獄の中でも牢名主として他の犯罪者達に恐れられた、札付きの極悪人です。服役中に、クリスチャンの青年が冤罪で投獄されてきました。冤罪というよりも単純な手続きミスで連行・投獄されたそうです。牢名主は、この新参者を袋叩きに締め上げたのですが、青年は屈することなく逆に「聖書を読みなさい」と勧め続けたのです。この出来事から、彼は聖書を読みたいと思うようになりました。文字が読めなかった彼は、字を勉強するところから始め、新約聖書を完全に暗記するまでに読み込んだのです。後に減刑され、釈放後にキリスト教の伝道者として多くの人々に教えを授けました。高級食器のノリタケや衛生陶器のTOTOの創業者である森村市左衛門は、彼の説教を聞いて感銘を受け洗礼を受けたそうです。この死刑囚を伝道者に変身させた青年が好地由太郎に会っていた時間は、わずか20分間ほどとのことです。時間の長さは本当に不思議です。何十年という時間を無駄に過ごす人生もあるでしょう。一方でこの逸話のように、人生に大きな影響を与える濃密な20分間もあります。どの時間も同じスピードで流れているのか不思議な気持ちを抱きます。小生は医学生に講義や実習などで話す機会も多いのですが、短い時間でも密度の高い内容にしなければと思います。優等生ぶった内容を書いて気恥ずかしいですが、こんなことを考えながらの入浴タイムは真に豊かで贅沢な時間ですね。ありがたや。

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食事と2型DMの関連、質の高いエビデンスは少ない/BMJ

 食事と2型糖尿病の関連は広範に研究されてきたが、多くの評価項目に関して質の高いエビデンスは少なく、より包括的な検討を要することが、ドイツ・ハインリッヒ・ハイネ大学のManuela Neuenschwander氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2019年7月3日号に掲載された。2型糖尿病による多大な世界的健康負担や医療費を考慮すると、食事との関連に関する膨大な研究から得られた知見は重要である。その一方で、これらの関連の強度や精確度、潜在的なバイアスの影響を明確化する必要があるという。153評価項目に関する53件のメタ解析のアンブレラレビュー 研究グループは、食事と2型糖尿病の発生の関連に関するエビデンスを要約し、これらの関連の強度と妥当性を評価する目的で、前向き観察研究を対象とした既報の系統的レビューとメタ解析について、アンブレラレビューを行った(ドイツ連邦保健省などの助成による)。 2018年8月の時点で、医学関連データベースに登録された論文を検索した。2型糖尿病の発生と、食事行動または食事の質の指標、食品群または単一の食品、飲料、アルコール飲料、あるいは主要栄養素や微量栄養素との関連に関する要約リスク推定値の報告が含まれる系統的レビューとメタ解析を対象とした。 2型糖尿病の発生との関連に関する153の評価項目の調整済み要約ハザード比(HR)を報告した53件のメタ解析が選出された。研究方法の質が「高い」は75%、エビデンスの質が「高い」は7項目のみ 153項目の内訳は、食事行動または食事の質の指標との関連が12、食品群または単一の食品との関連が56で、飲料が10、アルコール飲料が12、主要栄養素が32、微量栄養素は31であった。 研究の方法の質は、「高い」と判定された項目が115(75%)、「中等度」が35(23%)、「低い」は3(2%)だった。 食事行動または食事の質の指標と、微量栄養素に関する項目には、エビデンスの質が「高い」と判定されたものはなかった。エビデンスの質が「高い」と判定されたのは、以下の7項目(食品群または単一の食品に関する項目が4、飲料、アルコール飲料、主要栄養素がそれぞれ1)であった。 2型糖尿病の発生との逆相関に関して、エビデンスの質が「高い」と判定されたのは、全粒穀物(摂取量1日30g増加の調整済み要約HR:0.87、95%信頼区間[CI]:0.82~0.93)および穀類の食物繊維(1日10g増加、0.75、0.65~0.86)のほか、中等度のアルコール摂取(1日12~24g[1日0gとの比較]、0.75、0.67~0.83)であった。 また、2型糖尿病の発生の増加に関して、エビデンスの質が「高い」と判定されたのは、赤肉(red meat)(摂取量1日100g増加の調整済み要約HR:1.17、95%CI:1.08~1.26)、加工肉(1日50g増加、1.37、1.22~1.54)、ベーコン(1日2枚ごと、2.07、1.40~3.05)、砂糖入り飲料(1日1サービング増加、1.26、1.11~1.43)であった。 著者は、「メタ解析の方法の質は高かったが、エビデンスの質が高い評価項目は限られていた」とまとめ、「今後の研究では、高度な妥当性を有する食事データを入手し、エビデンスの質が低かった食事曝露や特定の食品群に重点的に取り組む必要がある。また、選択的出版バイアスを回避するために、調査が行われていない食事曝露などのデータを含む、より包括的な解析の報告が望まれる」としている。

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メラノーマ検出、皮膚科専門医vs.AI

 AIを活用した診断能の向上に関する報告が相次いでいる。今回、オーストリア・ウィーン医科大学のVincent Dick氏らが行ったメタ解析の結果、メラノーマの検出におけるコンピュータ支援診断システムによる診断精度は、専門医による診断精度と同程度であると報告された。ただし、結果について著者は、「リアルワールドでの同システムの適用性は未知数であり、過剰適合性や試験のバイアスリスクによって制限される可能性がある」とまとめている。最近の機械学習分野の進歩により、コンピュータ支援診断システムがメラノーマ診断のスタンダードになるのではないか、との期待が高まっている。JAMA Dermatology誌オンライン版2019年6月19日号掲載の報告。 研究グループは、最新の論文の批評的なレビューと、コンピュータ支援診断システムと皮膚科専門医の診断精度の比較検討を目的とし、2002年1月1日~2018年12月31日に発表された適格試験を特定するため、MEDLINE、arXiv、PubMed Centralのデータベースを検索した。 メラノーマの検出に関する自動化システムの精度を報告していた試験を適格とし、検索した単語には、melanoma(メラノーマ)、diagnosis(診断)、detection(検出)、computer aided(コンピュータ支援)、artificial intelligence(人工知能)などが含まれた。 QUADAS-2を用いてバイアスリスクを、事前規定に基づき研究の質をそれぞれ評価した。データ分析は、2019年2月1日~3月10日に行われた。 主要評価項目は、診断精度の指標となる感度と特異度の要約推定値、およびサマリーROC曲線だった。 主な結果は以下のとおり。・適格条件を満たしたのは1,694試験だった。・そのうち132試験が包含され、定量分析に十分な情報を含んでいたのは70試験であった。・大半の試験はコンピュータサイエンス分野のものであり、前向き臨床試験はまれであった。・自動化システムの結果を統合すると、メラノーマ検出の感度は0.74(95%信頼区間[CI]:0.66~0.80)、特異度は0.84(95%CI:0.79~0.88)だった。・感度は、独立性の検定を用いた試験のほうが、用いない試験よりも有意に低かった(0.51[95%CI:0.34~0.69]vs.0.82[95%CI:0.77~0.86]、p<0.001)。・一方で、特異度は同程度だった(0.83[95%CI:0.71~0.91]vs.0.85[95%CI:0.80~0.88]、p=0.67)。・皮膚科専門医とコンピュータ支援診断システムの診断を比較すると、感度は同程度であり、特異度はコンピュータ支援診断システムが10ポイント低かったものの、統計的に有意差はなかった。・なお、試験全体は不均一で、定量分析で包含した70試験のうち4試験を除くすべてに、リスクバイアスが見つかった。

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ピロリ除菌、親が失敗なら子の失敗リスク高い

 クラリスロマイシン(CAM)耐性Helicobacter pylori(H. pylori)とCYP2C19多型は、何世代にもわたって受け継がれる可能性があり、H. pylori除菌失敗の危険因子として知られている。しかし、親がCAM3剤併用療法による除菌失敗歴を有する患者における失敗リスクを評価した研究はなかった。今回、出口 尚人氏(京都大学/武田薬品工業)らの横断研究により、CAM3剤併用療法での親の除菌失敗歴が子孫の除菌失敗の危険因子であることが示された。Journal of Gastroenterology and Hepatology誌オンライン版2019年7月1日号に掲載。 本研究は、被保険者310万人の大規模な診療報酬請求データベースを使用。2005年1月~2018年2月に、1次除菌のCAM3剤併用療法の記録と親の記録の両方を有する404例を同定した。父親または母親のCAM3剤併用療法の失敗を、親のCAM3剤併用療法の失敗歴とした。オッズ比は、年齢・性別・真性糖尿病・消化性潰瘍で調整したロジスティック回帰モデルを用いて推定した。 その結果、CAM3剤併用療法の除菌失敗率は22.5%(91/404)であった。単変量解析では、オッズ比が1.90(95%信頼区間:1.10~3.29)、多変量解析ではオッズ比1.93(同:1.10~3.39)であり、親のCAM3剤併用療法の失敗歴は子孫のCAM3剤併用療法の失敗に関連していた。

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総合診療の醍醐味本【Dr.倉原の“俺の本棚”】第20回

【第20回】総合診療の醍醐味本表紙にドカーンとホワイトライオンの写真。ガオー!なかなかインパクトがあります。なぜアルビノのライオンにしたのかなと思っていたら「ゼブラ自体は動物界でそれほど稀少でもないこと、また、より稀少感を出したかったこともあり、“ゼブラ”をリスペクトしつつも、タイトルは他の動物にしようと考えた」とのことでした。『ホワイトライオンも追え! ゼブラへのリスペクト,そして見逃せない鑑別疾患』志水 太郎,原田 拓/監修. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2019知らない人はいない思いますが、念のため補足をしておきますと、「蹄(ひづめ)の音を聞いたら、シマウマではなく馬を探せ(When you hear hoofbeats, think of horses not zebras.)」という医学界の格言があります。ある症候をみたときに、珍しい病気ではなくコモンな疾患を思い浮かべて診療にあたれということです。なるほど、確かにシマウマは今や動物園ですぐに見に行ける時代。蹄の音を聞いて、それがシマウマだったということはありえるわけです。いや、しかし、そもそも蹄の音なんて最近聞いてないんですけど…、そこは置いといて。「銀色の便、耳たぶのシワ、フライパン加熱後の呼吸困難など、100のまれな疾患・症候を、クリニカルパールや症候リスト、周辺/類似疾患の鑑別疾患リストとともに解説」。この文章で「ウワまじ読みてぇ!」と思った医師は、おそらく100%満足できる書籍です。NHKの「総合診療医ドクターG」が好きな人は、たぶんメチャハマります。全体的に希少疾患が多いのは本書の特性上やむを得ませんが、総合診療のロジカルシンキングって大事だなぁと思わされるコラムばかりです。参考文献も細かく明示されており、さすが獨協総診だなぁと感嘆するコラムばかりでした。大事なのは「ホワイトライオンを追え」ではなく「ホワイトライオンも追え」なのです。珍しいトンデモ疾患ばかり追いかけるのではなく、王道の鑑別疾患を挙げた上で「まさかとは思うが」と頭の片隅にレアな疾患もイメージしておく。そのトレーニングのために、本書はとくに若手医師にとってよい刺激になると思います。実臨床でホワイトライオンに遭遇したとき、「やはりな」と余裕をもって対応できる医師でありたいですね。その前に、蹄の音がしない百獣の王に、噛み殺されるかもしれませんけど(笑)。『ホワイトライオンも追え! ゼブラへのリスペクト,そして見逃せない鑑別疾患』志水 太郎,原田 拓/監修出版社名メディカル・サイエンス・インターナショナル定価本体3,000円+税サイズA5判刊行年2019年■関連コンテンツ志水太郎の診断戦略ケーススタディ

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アリピプラゾールやハロペリドールによる神経突起病変保護作用

 ドパミンD2受容体(D2R)の機能亢進は脳の発達に変化を及ぼし、その後、統合失調症に類似した症状を引き起こす。D2RがDISC1遺伝子(Disrupted in schizophrenia 1)と相互作用を示すことが知られているが、細胞内シグナル伝達や神経突起におけるこれらの相互作用の影響は、明らかとなっていない。オーストラリア・ウーロンゴン大学のPeng Zheng氏らは、皮質ニューロンにおけるAkt-GSK3βシグナル伝達および神経突起形態に対するD2R過剰活性の影響について検討を行った。Progress in Neuro-psychopharmacology & Biological Psychiatry誌2019年6月8日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・D2R過剰活性は、皮質ニューロンにおけるプロテインキナーゼB(Akt)およびグリコーゲンシンターゼキナーゼ3β(GSK3β)リン酸化の減少と関連した神経突起損傷を引き起こした。・アリピプラゾールは、ハロペリドールと比較し、神経突起病変の予防において、より有効であった。・アリピプラゾールは、ハロペリドールと異なり、D2R機能亢進によって誘導されるホスホ(p)Akt-pGSK3βのダウンレギュレーションを保護し、このことは異なる経路の関与が示唆された。・DISC1突然変異マウスの皮質ニューロンにおいて、D2Rの機能亢進が認められ、これはキンピロール処置した皮質ニューロンにおいて、より重度の神経突起損傷を引き起こした。・Ca2+/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII)の蛍光免疫染色法では、皮質錐体神経細胞がD2R機能亢進誘導の神経突起損傷と関連していることが確認された。・D2R機能亢進が、pGSK3βシグナル伝達を変化させたD2R-DISC1複合体形成をもたらすことが、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)技術を用いて明らかとなった。 著者らは「D2R機能亢進誘導のD2R-DISC1複合体形成が、pAkt-pGSK3βシグナル伝達の減少と関連しており、神経突起障害を引き起こすことが示唆された。アリピプラゾールとハロペリドールは、神経突起病変を予防したが、異なる細胞内シグナル伝達経路を介していると考えられる」としている。

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安定狭心症の血行再建適応評価はMRIとFFRのいずれで行うべきか?(解説:上田恭敬氏)-1076

 典型的な狭心症症状があって、トレッドミル負荷心電図陽性で、複数の冠危険因子を持つ918症例を登録して、MRIによる虚血評価を行う群とFFRによる虚血評価を行う群に無作為に割り付ける、国際多施設無作為化非劣性試験が行われた。主要評価項目は12ヵ月時点でのMACE(全死亡、心筋梗塞、target-vessel revascularization)であった。 MRI群(454症例)のうち445例が実際にMRIを受け、221例が虚血陽性となったためCAGが必要とされた。実際にCAGを実施した219例のうちCAG陽性であった184例(40.5%)が血行再建(PCIまたはCABG)の適応ありと判断されたが、実際に血行再建を受けたのは162例(35.7%)であった。逸脱としては、MRIを受けなかったのが9例、CAGを受けなかったのが2例、血行再建を受けなかったのが22例であった。 FFR群(464症例)のうち449例がCAGを受け、282例がCAG陽性であったためFFRが必要とされた。実際にFFRを実施した265例のうちFFR陽性であった213例(45.9%)が血行再建の適応ありと判断されたが、実際に血行再建を受けたのは209例(45.0%)であった。逸脱としては、CAGを受けなかったのが15例、FFRを受けなかったのが17例、血行再建を受けなかったのが15例であった。 MRI群とFFR群を比較すると、血行再建の適応ありと判断された割合は40.5%対45.9%(p=0.11)と差がなかったが、実際に血行再建を受けた割合は35.7%対45.0%(p=0.005)とFFR群で有意に高値であった。主要評価項目のMACEは3.6%対3.7%で非劣性が示された。また、12ヵ月時点で狭心症症状が消失している割合は49.2%対43.8%で差がなかった。よって、MRIによって虚血評価を行うことは、FFRによって虚血評価を行うことに比して、血行再建の実施率が低くなり、12ヵ月時点のMACEにおいて非劣性であることが示されたと結論している。 MACEの多くは虚血の有無や血行再建の必要性が検討された関心病変とは関係なく発生することや、虚血の原因とならないことが示された関心病変も後日MACEの原因となる場合があることから、予後が虚血の評価法に左右されないことを示唆する本研究の結論は正しいようにも思われるが、試験としてはいくつか疑問点がある。まず、典型的な狭心症症状があってトレッドミル陽性の症例を集めているにもかかわらず、半数以下の症例でしか血行再建の適応がなく実施もされておらず、12ヵ月の時点では狭心症症状が半数弱の症例で残存している状況をみると、それら数値の説明が論文中にないため、いずれの群においても血行再建の適応評価が適切に行われたのか疑問である。次に、MRI陽性者中のCAG陽性率が83.3%、FFR割付群全体のCAG陽性率が60.8%となっているが、「CAG陽性」の定義が記載されておらず、CAGの結果についても記載がない。CAG陰性の167例ではFFR群であるにもかかわらずFFRが実施されず、CAG陽性&FFR陰性の2例で狭心症症状軽減を目的としてPCIが実施されていることからも、FFRの実施が適切だったかどうか疑問である。CAGでは有意な狭窄でなくても虚血の原因となりうることは、FFRを用いた多くの研究で示されていることである。CAGやFFR、PCIといったinvasive strategyに関して、適切に行われたか否か疑問の残る試験ではないだろうか。

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うつ病に対するボルチオキセチン治療と自殺リスク

 米国・BlackThorn TherapeuticsのAtul R. Mahableshwarkar氏らは、成人うつ病患者に対するボルチオキセチン治療に関連する自殺念慮や自殺行動のリスクを評価するため検討を行った。CNS Spectrums誌オンライン版2019年6月14日号の報告。 自殺関連事象は、2つの試験プール(短期[6~8週間]プール試験:10ランダム化プラセボ対照試験、長期[52週間]プール試験:3オープンラベル拡大試験)を用いて事後評価した。自殺関連事象の評価には、コロンビア自殺重症度評価尺度(C-SSRS)および治療下で発現した有害事象(TEAE)のデータを用いた。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時、短期プール試験においてC-SSRSの自殺念慮または自殺行動が報告された患者の割合は、プラセボ(14.7%)と同程度であった(ボルチオキセチン5mg:19.8%、ボルチオキセチン10mg:13.0%、ボルチオキセチン15mg:11.2%、ボルチオキセチン20mg:13.7%、デュロキセチン:13.2%)。また、6~8週間の治療期間を通じて変化は認められなかった(プラセボ:17.0%、ボルチオキセチン5mg:19.3%、ボルチオキセチン10mg:13.5%、ボルチオキセチン15mg:12.6%、ボルチオキセチン20mg:15%、デュロキセチン:11.3%)。・短期プール試験でのTEAEに基づく自殺関連事象の発生率は、プラセボ0.4%、ボルチオキセチン5mg:0.2%、ボルチオキセチン10mg:1.0%、ボルチオキセチン15mg:0.7%、ボルチオキセチン20mg:0.7%、デュロキセチン:0.7%であった。・52週間のボルチオキセチン治療後での発生率は、C-SSRSの自殺念慮9.8%、C-SSRSの自殺行動0.2%、TEAEに基づく自殺関連事象1%未満であった。・いずれの研究においても、自殺は完遂されなかった。 著者らは「うつ病患者の自殺念慮や自殺行動リスクの増加に、ボルチオキセチンは影響を及ぼさないことが示唆された」としている。■「ボルチオキセチン」関連記事ボルチオキセチン治療中のうつ病患者における睡眠と抑うつ症状との関係

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前立腺がんのアンドロゲン除去療法と認知症~15万例の解析

 アンドロゲンの低下は、除脂肪体重の減少や糖尿病、心血管疾患、うつ病など、アルツハイマー病や認知症の危険因子を増大させる可能性がある。前立腺がんにおけるアンドロゲン除去療法(ADT)は認知機能に影響するのだろうか。今回、米国ペンシルバニア大学のRavishankar Jayadevappa氏らが、15万例超の高齢前立腺がん患者のデータを分析したところ、アンドロゲン除去療法を受けた後少なくとも10年間は、アルツハイマー病や認知症の診断と関連することが示された。JAMA Network Open誌2019年7月3日号に掲載。アンドロゲン除去療法の曝露:非曝露で認知症は21.6%:15.8% 本研究は、米国国立がん研究所(NCI)のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)-Medicare Linked Databaseを用いた後ろ向きコホート研究で、1996~2003年に新たに前立腺がんと診断された65歳以上の男性29万5,733例のうち、研究基準を満たした15万4,089例が対象。分析は2018年11月1日~2018年12月31日に行われた。著者らは、前立腺がんの診断から2年以内にアンドロゲン除去療法を受けた患者を同定し、生存期間分析でアンドロゲン除去療法曝露と追跡期間におけるアルツハイマー病または認知症の診断との関連を検討した。 アンドロゲン除去療法と認知症の関連についての主な研究結果は以下のとおり。・15万4,089例のうち、前立腺がん診断の2年以内に6万2,330例(平均年齢:76.0[SD:6.0]歳)がアンドロゲン除去療法を受け、9万1,759例(平均年齢:74.3歳[SD:6.0])がアンドロゲン除去療法を受けていなかった。平均追跡期間は8.3年(SD:4.7)であった。・アンドロゲン除去療法曝露はアンドロゲン除去療法非曝露と比較して、アルツハイマー病(13.1% vs.9.4%、差:3.7%、95%CI:3.3~3.9%、p<0.001、ハザード比[HR]:1.14、95%CI:1.10~1.18)と認知症(21.6% vs.15.8%、差:5.8%、95%CI:5.4~6.2%、p<0.001、HR:1.20、95%CI:1.17~1.24)の診断と関連していた。・NNT(number needed to harm)は、アルツハイマー病で18例(95%CI:17~19)、認知症で10例(95%CI:9.5~11)であった。

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日本人卵巣がんのBRCA変異保有率は欧米と同等/アストラゼネカ

 アストラゼネカ株式会社は、卵巣がんにおけるBRCA1/2(以下、BRCA)遺伝子変異の保有率に関する大規模調査 Japan CHARLOTTE study(以下、CHARLOTTE)を国内63の医療施設で実施した。日本人症例における初の大規模な調査であり、婦人科領域のがんゲノム医療を推進する貴重なデータとなる。なお、CHARLOTTEの結果は、2019年7月1日付でInternational Journal of Gynecological Cancer電子版に掲載されている。卵巣がんにおけるBRCA遺伝子変異陽性の割合は14.7% CHARLOTTEは、国内における新規診断を受けた上皮性卵巣がん、原発性腹膜がん、卵管がん症例のBRCA遺伝子変異の保有率を把握することを目的に、2016年12月~2018年6月までに登録された666症例のうち、BRCA遺伝子検査を実施した634症例を対象に調査した。 日本人における卵巣がん患者のBRCA遺伝子変異の保有率については、データが限られていたが、本調査の結果から新規診断を受けた卵巣がんにおけるBRCA遺伝子変異陽性の割合は14.7%と欧米人を対象とした研究報告(14.1%)と同程度であることが明らかとなった。また進行卵巣がん(FIGO分類III期またはIV期)における陽性の割合は24.1%と、早期卵巣がん(4.9%)より高い保有率であった。 BRCA遺伝子変異の保有率に関する大規模調査Japan CHARLOTTE studyの主な結果は以下のとおり。・進行卵巣がん(FIGO分類III期またはIV期)におけるBRCA遺伝子変異の割合は24.1%(78例/BRCA1:16.3%、BRCA2:7.7%)であった。・卵巣がん全体(FIGO分類I期~IV期)のBRCA遺伝子変異の割合は14.7%(93例/BRCA1:9.9%、BRCA2:4.7%)で、欧米保有率と同程度であることが確認された。・診断名別のBRCA遺伝子変異は、上皮性卵巣がんで12.7%(68/534例)、卵管がんで29.2%(14/48例)、原発性腹膜がんで21.2%(11/52例)であった。・組織学的分類別では、短期間で発症し、進行がんが多い高異型度漿液性がんにBRCA遺伝子変異が最も多く、その割合は28.5%(78/274例)であった。・BRCA遺伝子検査を受けた患者の96%以上が、実施前のカウンセリングに対して実施者(臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーまたは担当主治医)の職種にかかわらず、「十分満足している」または「満足している」と回答した。

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Siriに…通じた(泣)【Dr. 中島の 新・徒然草】(280)

二百八十の段 Siriに…通じた(泣)Siriとは皆さん御存じの iPhone の音声入力ツールです。単なる音声入力というより、色々返事をしてくれるキャラといってもいい存在かもしれません。で、ある日、私は思いついたわけです。このSiriを英語設定にして、「ドゥワミダセラッパミリン?」と言ってみたら、と。このカタカナの羅列は第二百七十三の段「ニック式英会話」で紹介したオーストラリア人講師、ニック先生 YouTube で “Do you want me to set up a meeting?” は、「ドゥワミダセラッパミリン?」で十分通じますよ、と解説していた台詞です。さらにニック先生は、「meeting は日本語の『味醂(みりん)』みたいな発音ですね」と説明していました。その時は笑いながら見ていたのですが、Siriに通じるのか、ちょっとやってみました。中島「ドゥー和見だ世良っぱ味醂?」(私がミーティングをセットしましょうか?)Siri“What date and time is your appointment?”(あなたのアポの日と時刻はいつなの?)つ、通じとるがな!ちなみに私の喋った部分も画面に表示されていて、ちゃんと “Do you want me to set up a meeting?”になっています。これは衝撃でした。「和見だ」が“want me to”に、「世良っぱ」が“set up a”に、そして「味醂」が“meeting”に、完璧に変換されています。「Siriに通じて嬉しい」と思う反面、「これが通じるのなら、今まで僕が習ってきた英語は何だったんだ? 最初からこういう風に教えてくれていたらよかったのに」と、そう思わずにはいられませんでした。さらに実験です。今度は、「アイダンナウェウェガナゴー」(I don't know where we're going to go.)とSiriに言ってみました。これもニック先生が「これで十分通じるよ。whereもwe're も、どっちも『ウェ』と発音しようね」とYouTubeで説明していたのをやってみたものです。中島「愛、旦那、上上賀名号!」(僕たち何処に行こうとしているのか、わからないよ)Siri“Don't worry about it, 伸.“(そのことについては心配しなくていいわよ、伸)中島「ありがとう、Siri(泣)」てか、通じてるじゃん、これも!私の喋った部分についても“I don't know where we're going to go.”と正確に、というか、意図通りに表示されています。どうなってんの?しかも私の台詞のうち、最初の「上」が“where”、次の「上」が“we're”と、キチンと区別されています。再び「僕たち日本人が習ってきた英語は何だったんだ。ちゃんと普段喋っている通りに教えてくれよ」と思ってしまいました。日本語に例えるとわかりやすいかもしれません。日本語教室で外国人に対して、「ありがとうございます」「こんにちわ」と教えていながら、自分たち日本人は日常会話で「あざーす」「ちゃーす」とやっているみたいなもんです。無茶苦茶やがな。というわけで、日々、「世良っぱ味醂」などと練習しております。下手な英語に根気よく付き合ってくれているSiri、ありがとう!最後に1句Siri相手 英語を練習 夏の日々

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