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SCARLET試験:敗血症関連凝固障害に対する遺伝子組み換えヒト可溶性トロンボモジュリンの有効性(解説:小金丸博氏)-1066

 敗血症関連凝固障害はINR延長や血小板数低下で定義され、28日死亡率と相関することが報告されている。遺伝子組み換えヒト可溶性トロンボモジュリン(rhsTM)製剤は、播種性血管内凝固(DIC)が疑われる敗血症患者を対象とした第IIb相ランダム化試験の事後解析において、死亡率を下げる可能性が示唆されていた。 今回、敗血症関連凝固障害に対するrhsTM製剤の有効性を検討した第III相試験(SCARLET試験)の結果が発表された。本試験は、26ヵ国159施設が参加した二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験であり、集中治療室に入室した心血管あるいは呼吸器障害を伴う敗血症関連凝固障害患者を対象とした。プライマリアウトカムに設定した28日全原因死亡率は、rhsTM投与群が26.8%(106/395例)、プラセボ投与群は29.4%(119/405例)であり、両群間に有意差を認めなかった(p=0.32)。絶対リスク差は2.55%(95%信頼区間:-3.68~8.77)だった。重篤な出血有害事象の発生率は、rhsTM投与群が5.8%、プラセボ投与群は4.0%だった。 本試験では、敗血症関連凝固障害に対するrhsTM製剤の投与は、28日全原因死亡率を有意に低下させることができなかった。有効性を示せなかった要因として、(1)約20%の患者がベースライン時に凝固障害の基準を満たしていなかったこと、(2)プラセボ投与群の死亡率が予想より高かったこと、(3)深部静脈血栓症予防に用いたヘパリンがrhsTMの効果を弱めた可能性があること、(4)試験に参加した159施設中55施設では登録患者数が1例であり、有効性の結果に影響した可能性があることが挙げられている。 サブグループ解析では、ベースラインのAPACHE IIスコア25点未満の患者(439例)は28日全原因死亡率がrhsTM投与群で低く(リスク差:4.66%)、25点以上の患者(283例)はrhsTM投与群で高かった(リスク差:-1.45%)。また、ヘパリンを投与された患者(416例)は28日全原因死亡率がrhsTM投与群で高く(リスク差:-0.87%)、ヘパリンを投与されなかった患者(384例)はrhsTM投与群で低かった(リスク差:6.25%)。敗血症患者の病態は不均一であり、敗血症関連凝固障害に対して一律にrhsTMを投与しても有効性を見いだせないかもしれない。しかしながら、サブグループ解析や事後解析の結果はrhsTM投与が有効な病態が存在することを示唆しており、今後の研究結果を待ちたい。

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ダラツムマブ併用で、多発性骨髄腫の厳格な完全奏効が改善/Lancet

 初発多発性骨髄腫の治療において、自家造血幹細胞移植の前後に、ボルテゾミブ+サリドマイド+デキサメタゾン(VTd)にダラツムマブ(商品名:ダラザレックス)を併用した薬物療法(D-VTd)を行うと、VTd単独と比較して、厳格な完全奏効(sCR)の割合が有意に改善し、毒性は許容範囲内であることが、フランス・University Hospital Hotel-DieuのPhilippe Moreau氏らが実施したCASSIOPEIA試験で示された。研究の成果はLancet誌オンライン版2019年6月3日号に掲載された。ダラツムマブは、CD38を標的とするIgG1κモノクローナル抗体。多発性骨髄腫の第III相試験において、ボルテゾミブ+デキサメタゾン、レナリドミド+デキサメタゾン、ボルテゾミブ+メルファラン+プレドニゾンに、それぞれダラツムマブを併用すると、病勢進行または死亡のリスクが、少なくとも50%低減し、微小残存病変陰性の割合が3倍になることが確認されている。ダラツムマブを併用したD-VTdまたはVTdを受ける群に割り付け 本研究は、欧州の111施設が参加した2部構成(寛解導入療法、維持療法)の非盲検無作為化第III相試験であり、2015年9月22日~2017年8月1日の期間に患者登録が行われた(Intergroupe Francophone du Myelomeと、Dutch-Belgian Cooperative Trial Group for Hematology Oncologyの助成による)。今回は、寛解導入療法の結果が報告された。 対象は、年齢18~65歳、全身状態(ECOG PS)0~2であり、移植適応の初発多発性骨髄腫の患者であった。被験者は、自家造血幹細胞移植前の寛解導入療法として4サイクル、および移植後の地固め療法として2サイクルのダラツムマブを併用したD-VTdまたはVTdを受ける群に無作為に割り付けられた。 第1部の主要評価項目は、移植後100日のsCRとした。 第2部として、移植後100日時に部分奏効(PR)以上を達成した患者が、ダラツムマブを8週ごとに投与する群または経過観察群に無作為に割り付けられ、病勢進行または最長2年までの治療が行われた。ダラツムマブ併用のD-VTd群がsCR+CR、微小残存病変陰性率、PFS期間も良好 1,085例が登録され、ダラツムマブを併用したD-VTd群に543例(年齢中央値59.0歳[範囲22~65]、男性58.2%)、VTd群には542例(58.0歳[26~65]、58.9%)が割り付けられた。全体の診断から無作為化までの期間中央値は0.9ヵ月(0.2~22.9)、フォローアップ期間中央値は18.8ヵ月(0.0~32.2)だった。 移植後100日時のsCRの発生率は、ダラツムマブ併用のD-VTd群が29%(157/543例)と、VTd群の20%(110/542例)に比べ有意に良好であった(オッズ比[OR]:1.60、95%信頼区間[CI]:1.21~2.12、p=0.0010)。 完全奏効(CR)以上(sCR+CR)の達成率(39% vs.26%、p<0.0001)および微小残存病変陰性率(64% vs.44%、p<0.0001)も、ダラツムマブ併用のD-VTd群がVTd群に比べ有意に優れた。また、初回の無作為化からの無増悪生存(PFS)期間中央値は、両群とも未到達であったが、D-VTd群がVTd群に比べ有意に改善された(HR:0.47、95%CI:0.33~0.67、p<0.0001)。 D-VTd群の14例、VTd群の32例が死亡した。2回目の無作為化の有無にかかわらず、初回の無作為化からのOS期間中央値には両群とも到達していなかったが、有意な差が認められた(HR:0.43、95%CI:0.23~0.80)。このデータは未成熟であり、長期のフォローアップを継続中である。 最も頻度の高いGrade3/4の有害事象は、好中球減少(D-VTd群28% vs.VTd群15%)、リンパ球減少(17% vs.10%)、口内炎(13% vs.16%)であった。ダラツムマブ関連のinfusion reactionが190例(35%)に認められ、このうちGrade3は17例(3%)、Grade4は2例(<1%)だった。 著者は、「CASSIOPEIAは、移植適応の初発多発性骨髄腫患者において、ダラツムマブ+標準治療の臨床的有益性を示した初めての試験である。これらのデータにより、ダラツムマブベースの併用療法は、多発性骨髄腫の疾患スペクトラム全体において治療の有益性を示したことになる」としている。

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ダラツムマブ追加で、多発性骨髄腫の無増悪生存が改善/NEJM

 自家造血幹細胞移植の適応がない新規診断の多発性骨髄腫患者の治療において、標準治療であるレナリドミド+デキサメタゾンにダラツムマブを併用すると、標準治療単独に比べ病勢進行または死亡のリスクが有意に低減することが、フランス・リール大学のThierry Facon氏らが行ったMAIA試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年5月30日号に掲載された。ダラツムマブは、CD38を標的とするヒトIgGκモノクローナル抗体であり、直接的な抗腫瘍活性と免疫調節活性を有する。多くの治療歴のある患者への単剤による有効性や、新規診断および再発・難治例への標準治療との併用による有効性が報告されている。多発性骨髄腫で年齢や副作用リスクで移植が適応外の患者が対象 本研究は、北米、欧州、中東、アジア太平洋地域の14ヵ国176施設が参加する非盲検無作為化第III相試験であり、2015年3月~2017年1月に患者登録が行われた(Janssen Research and Developmentの助成による)。 対象は、全身状態(ECOG PS)が0~2の新規に診断された多発性骨髄腫で、年齢(≧65歳)または許容できない副作用が発現する可能性が高い病態の併存により、大量化学療法+自家造血幹細胞移植が適応とならない患者であった。 被験者は、ダラツムマブ+レナリドミド+デキサメタゾン(ダラツムマブ群)またはレナリドミド+デキサメタゾン(対照群)を投与する群に無作為に割り付けられた。治療は、病勢進行または許容できない副作用が発現するまで継続することとした。 主要評価項目は、無増悪生存(無作為化から病勢進行または死亡までの期間)であった。ダラツムマブ群は無増悪生存が44%改善、CR以上が約2倍、MRD陰性が約3倍に 737例が登録され、ダラツムマブ群に368例、対照群には369例が割り付けられた。全体の年齢中央値は73歳(範囲:45~90)で、65歳未満は8例(両群4例[1.1%]ずつ)のみで、75歳以上が321例(160例[43.5%]、161例[43.6%])含まれた。診断からの経過期間中央値は0.9ヵ月(範囲:0~14.5)だった。 追跡期間中央値28.0ヵ月の時点で、240例が病勢進行または死亡した(ダラツムマブ群97/368例[26.4%]、対照群143/369例[38.8%])。30ヵ月時の無増悪生存率は、ダラツムマブ群が70.6%(95%信頼区間[CI]:65.0~75.4)、対照群は55.6%(49.5~61.3)であり、無増悪生存期間中央値はそれぞれ未到達、31.9ヵ月(28.9~未到達)であった。病勢進行または死亡のハザード比(HR)は0.56(0.43~0.73)であり、ダラツムマブ群で有意に優れた(p<0.001)。 完全奏効(CR)以上(CR+厳格な完全奏効[sCR])の割合は、ダラツムマブ群が47.6%と、対照群の24.9%に比べ有意に良好であった(p<0.001)。また、微小残存病変(MRD)が閾値(白血球105個当たり腫瘍細胞1個)を下回った患者の割合は、ダラツムマブ群が24.2%であり、対照群の7.3%に比し有意に高かった(p<0.001)。 最も頻度の高いGrade3/4の有害事象は、好中球減少(ダラツムマブ群50.0% vs.対照群35.3%)、貧血(11.8% vs.19.7%)、リンパ球減少(15.1% vs.10.7%)、肺炎(13.7% vs.7.9%)であった。 著者は、「これらの知見は、多発性骨髄腫の患者集団全体におけるダラツムマブベースのレジメンの使用を支持する臨床試験のリストに加えられる可能性がある」としている。「ダラツムマブ」関連記事ダラツムマブ併用で、多発性骨髄腫の厳格な完全奏効が改善/Lancet

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日本のAYA世代がん患者が終末期ケアに望むこと

 2018年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(厚生労働省)が改訂され、本人が望むエンドオブライフ・ケア(EOLケア)がいっそう推進されているが、国立がん研究センター 中央病院の平野 秀和氏らは、日本のAYA世代(思春期・若年成人、15~39歳)のがん患者が、どのようなEOLケアを選好するのか、初となる調査を行った。同センターによれば、日本のAYA世代では、年間約2万人ががんの診断を受けているという。Journal of Pain and Symptom Management誌オンライン版2019年5月8日号掲載の報告。AYA世代がん患者349例について評価 研究グループは、多施設共同で行っているAYA世代がん患者に対する総合的ながん対策の在り方に関する研究調査(経験やニードの実態をアンケート等で調査)の一環として、EOLケアの選好について評価した。 AYA世代がん患者のEOLケアの選好についての主な結果は以下のとおり。・AYAがん患者計349例(AYAがん患者213例、AYAがんサバイバー136例)について、評価した。有効回答率は86%(296/344例)であった。・「予後を知りたい」との選好が53%(180/338例)、「治癒不能ながんで、かなりの毒性があり効果は限定的だが対症療法的な化学療法を受けたい」との選好が88%(301/341例)、「EOL期には自宅で積極的な緩和ケアを受けたい」との選好が61%(207/342例)であった。・多変量解析で、「予後を知りたい」という選好は、小児世代以外で正の関連が認められた(OR:3.05、p=0.003)。また、化学療法既往とは負の関連が認められた(OR:0.23、p=0.009)。・「治癒不能ながんで、かなりの毒性があり効果は限定的だが対症療法的な化学療法を受けたい」という選好は、積極的ながん治療を受けている状態と正の関連がみられた(OR:1.74、p=0.03)。・「EOL期には自宅で積極的な緩和ケアを受けたい」という選好は、不安と正の関連がみられた(OR:1.72、p=0.04)。・著者は、「これらの所見は、医療従事者が日本のAYA世代がん集団のEOLケアに関する選好を、よりよく理解するのに役立つだろう」とまとめている。

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「豪華盛り合わせ」のパワーとオトク感(解説:今中和人氏)-1056

 ひと昔前は「80代に心臓手術の適応があるか? ないか?」と真剣に議論されていた(ちなみに結論は「ケース・バイ・ケース」がお約束)が、手術患者は明らかに高齢化しており、そんなのいまや日常的。ただ、高齢者に多い併存症の1つに貧血がある。一方、心臓外科の2割前後はいわゆる「急ぎ」の症例で、その方々は自己血貯血どころではなく、昨今の情勢では待期手術でも、まったりした術前入院など許されない。だから心臓手術の患者に貧血があって、何か即効性のある良いことができないか、というのはきわめて現実的なシナリオである。 本論文は、貧血を男性Hb 13、女性Hb 12(g/dL)未満、鉄欠乏を血清フェリチン100(ng/mL)未満と定義し、スイスのチューリッヒ大学病院での約3年半の開心術(バイパス、弁、バイパス+弁)約2,000例のうち、上記の定義に該当した505例に対する前向き二重盲検試験である。平均年齢は68歳とやや若く、35%が女性。平均BMIは27前後と肥満傾向で、貧血に該当する患者と、鉄欠乏に該当する患者がほぼ同数だったため、術前Hbは12.8~12.9と実はさほど低くなかった。実薬群は、手術前日に20mg/kgの鉄剤の静注、40,000単位のエリスロポエチンαの皮下注、1mgのビタミンB12の皮下注、5mgの葉酸薬の経口投与を行い、対照群にはplaceboを投与した。この投薬の赤血球輸血節減効果(輸血関係の研究だが、例によってFFPと血小板はほぼ無視)と採血データ等が、90日後まで検討された。 輸血基準は術中とICUではHb 7~8未満、ICUを出てからはHb 8未満であった。 この投与量だが、鉄剤は許容最高用量(本邦の用量は40~120mgだが化合物が異なり、比較が難しい)で、エリスロポエチンαは本邦では通常3,000~12,000単位、自己血貯血時のみ24,000単位が許容されていることから、これは相当な大量。ビタミンB12と葉酸も最高用量なので、要するに「豪華盛り合わせ」。上天丼に海老天を2本追加した、ぐらいのイメージである。 結果は、有害事象はなかった。赤血球輸血量は7日時点で実薬群1.5±2.7単位、対照群1.9±2.9単位、90日時点だとそれぞれ1.7±3.2単位(中央値0)、2.3±3.3単位(中央値1)で、ともに有意差がつき、赤血球1単位を節減できたと結論している。ところが赤血球1単位は212.5スイス・フランなのに、「豪華盛り合わせ」のお値段は682スイス・フラン。本稿執筆時点で1スイス・フランは108.57円なので、約51,000円の赤字である。 さらに貧血と鉄欠乏と区別してサブグループ解析すると、貧血患者では同様の輸血節減効果がある(ただしn数減少のため有意差は消滅)が、鉄欠乏患者では7日時点での輸血量が実薬群1.0±2.2単位、対照群1.3±2.8単位、90日時点でそれぞれ1.1±2.5単位(中央値0)、1.7±3.1単位(中央値0)と差がなく、薬価分74,000円はほぼ完全な「持ち出し」になった。著者らは、実薬群では後日のHbが上がっているから、この増加分を金銭換算すると赤字は相殺される、と、なかなか苦しい主張を展開しているが、少なくともオトク感は皆無に近い。おまけに本邦では保険も通らない。 エリスロポエチンの効果が出始めるのに2~3日はかかるといわれているのを、本論文は前日の投与でもなにがしかの違いがあることを示したわけで、立派な成果だとは思う。しかしHb 9以下など高度貧血では輸血はどだい不可避で、今回のように大柄な患者さんでちょっと貧血、なんていう場合に無輸血でいける可能性が上がる、という程度のパワーである。少々コスパが悪くても輸血合併症が多ければ輸血量削減の意義は大きいし、心臓外科医は私も含め輸血に関してPTSD状態で、つい無輸血にこだわってしまうが、日赤はじめ関係各位にあらためて感謝すべきことに、近年の深刻な輸血合併症は素晴らしく低率である(「PTSD心臓外科医のこだわりと肩すかし」)。 今回の造血薬「豪華盛り合わせ」のお金は、膨らむ一方の医療費の節減か、食の「豪華盛り合わせ」でないまでも、別の使途に振り向けたほうがよろしいのではないだろうか。

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敗血症関連凝固障害への遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤、第III相試験結果/JAMA

 敗血症関連凝固障害がみられる重症患者の治療において、遺伝子組換えヒト可溶性トロンボモデュリン(rhsTM)製剤ART-123はプラセボと比較して、28日以内の全死因死亡率を改善しないことが、ベルギー・Universite Libre de BruxellesのJean-Louis Vincent氏らが実施した「SCARLET試験」で示された。研究の詳細はJAMA誌オンライン版2019年5月19日号に掲載された。rhsTMは、播種性血管内凝固症候群(DIC)が疑われる敗血症患者を対象とする無作為化第IIb相試験の事後解析において、死亡率を抑制する可能性が示唆されていた。26ヵ国159施設のプラセボ対照無作為化試験 本研究は、日本を含む26ヵ国159施設が参加する二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、2012年10月~2018年3月の期間に患者登録が行われた(Asahi-Kasei Pharma America Corporationの助成による)。 対象は、心血管あるいは呼吸器の障害を伴う敗血症関連凝固障害で、集中治療室に入室した患者であった。被験者は、rhsTM(0.06mg/kg/日、最大6mg/日、静脈内ボーラス投与または15分注入)またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられ、1日1回、6日間の治療が行われた。 主要エンドポイントは、28日時の全死因死亡であった。28日全死因死亡率:26.8% vs.29.4% 816例が登録され、このうち800例(平均年齢60.7歳、男性54.6%)が試験を完遂し、最大の解析対象集団(FAS)に含まれた。rhsTM群が395例、プラセボ群は405例であった。 28日全死因死亡率は、両群間に有意な差は認めなかった(rhsTM群26.8%[106/395例]vs.プラセボ群29.4%[119/405例]、p=0.32)。絶対リスク差は2.55%(95%信頼区間[CI]:-3.68~8.77)だった。 サブグループ解析では、ヘパリンの投与を受けた患者(416例)は、28日全死因死亡率がrhsTM群で低かった(差:-0.87%、95%CI:-9.52~7.77)のに対し、ヘパリンの投与を受けていない患者(384例)は、rhsTM群のほうが高かった(6.25%、-2.72~15.22)。 重篤な出血有害事象(頭蓋内出血、生命に関わる出血、担当医が重篤と判定した出血イベントで、赤血球濃厚液1,440mL[典型的には6単位]以上を2日で輸血した場合)の発生率は、rhsTM群が5.8%(23/396例)、プラセボ群は4.0%(16/404例)であった。 なお著者は、これらの知見に影響を及ぼした可能性のある原因として、次のような諸点を挙げている。(1)患者の約20%が、ベースライン時に凝固障害の基準を満たさなかった、(2)プラセボ群の死亡率が、試験開始前にサンプルサイズの算出に使用した予測値よりも高かった、(3)深部静脈血栓症の予防に用いたヘパリンが、rhsTMの効果を減弱させた可能性がある、(4)無作為化の際に施設で層別化したが、159施設中55施設は登録患者が1例のみであり、効果の結果に影響を及ぼした可能性がある。

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骨髄腫治療におけるCAR-T細胞療法が示す可能性とその問題点(解説:藤原弘氏)-1055

 この令和元年5月初めに、NCIのKochenderfer博士等のグループからB-cell maturation antigen(BCMA)を標的分子として難治性多発性骨髄腫を対象疾患とするCAR-T細胞の1つであるbb2121を用いた第I相臨床試験の有望な観察結果がNew England Journal of Medicine誌に報告された。 bb2121はBCMAを認識するマウス抗体の短鎖・長鎖可変領域を一本鎖とした細胞外ドメイン(scFv)と4-1BBとCD3ζを直列につないだ細胞内ドメインを持つ第2世代CAR-T細胞である。CD19 CAR-T細胞での経験と同様に、CD28型第2世代CAR-T細胞(Brudno JN, et al. J Clin Oncol. 2018;36:2267-2280. )に比較して、輸注細胞の体内生存期間の延長傾向が得られている。このCAR-T細胞はBlueBird Bio/Celgeneが開発を進め、2017年にはFDAのBreakthrough Therapy designationを受けるなど、難治性骨髄腫に対する画期的な治療薬として期待されてきた経緯がある。日本国内でも、Celgeneが第II相試験(JapicCTI-184195)を計画している。 この論文も含めて、bb2121が抱える問題点は、その“瞬発力の高い抗腫瘍効果”に比べて、“再発率が高いこと”である。現在、世界で行われている骨髄腫に対するCAR-T細胞療法臨床試験の8割以上がBCMAを治療標的分子としているが、再発を抑制する、すなわち長期的な抗腫瘍効果を得るという視点に立った時、CAR遺伝子構造の改良や分子標的薬との併用といった方法でそれが達成できるのか、あるいはBCMA以外により適した標的抗原を探す必要はないのか、など課題は今も未解決である。米国・中国を中心に、さまざまな抗BCMA CAR-T細胞の開発が進められている現状、それ自体が、難治性骨髄腫に対する抗BCMA CAR-T細胞療法が、現時点では“決め手に欠ける”状況にあると感じさせる。

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敗血症、新規の臨床病型4つを導出/JAMA

 敗血症は異質性の高い症候群だという。米国・ピッツバーグ大学のChristopher W. Seymour氏らは、患者データを後ろ向きに解析し、宿主反応パターンや臨床アウトカムと相関する敗血症の4つの新たな臨床病型を同定した。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2019年5月19日号に掲載された。明確に分類された臨床病型が確立されれば、より精確な治療が可能となり、敗血症の治療法の改善に結び付く可能性があるため、検討が進められていた。敗血症の4つの臨床病型の頻度、臨床アウトカムとの相関、死亡率などを評価 研究グループは、臨床データから敗血症の臨床病型を導出し、その再現性と、宿主反応バイオマーカーや臨床アウトカムとの相関を検討し、無作為化臨床試験(RCT)の結果との潜在的な因果関係を評価する目的で、後ろ向きにデータ解析を行った(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 敗血症の臨床病型は、ペンシルベニア州の12の病院(2010~12年)を受診し、6時間以内にSepsis-3の判定基準を満たした2万189例(1万6,552例のunique patientを含む)のデータから導出した。 再現性と、生物学的パラメータおよび臨床アウトカムとの相関性の解析には、2次データベース(2013~14年、全4万3,086例、3万1,160例のunique patientを含む)、肺炎に起因する敗血症の前向きコホート研究(583例)および3件の敗血症のRCT(4,737例)のデータを用いた。 評価項目は、導出された臨床病型(α、β、γ、δ)の頻度、宿主反応バイオマーカー、28日および365日時点の死亡率、RCTのシミュレーション出力とした。敗血症の臨床病型の実臨床における効用性確立には、新たな研究が必要 解析コホートには、敗血症患者2万189例(平均年齢64[SD 17]歳、男性1万22例[50%]、SOFAスコアの最長24時間平均値3.9[2.4]点)が含まれた。検証コホートは、4万3,086例(67[17]歳、男性2万1,993例[51%]、3.6[2.0]点)であった。 導出された敗血症の4つの臨床病型のうち、α型の頻度が最も高く(6,625例、33%)、この型は入院中の昇圧薬の投与日数が最も短かった。β型(5,512例、27%)は高齢で慢性疾患や腎不全の罹患者が多く、γ型(5,385例、27%)は炎症の測定値が上昇した患者や肺機能不全の患者が多く、δ型(2,667例、13%)は肝不全や敗血症性ショックの頻度が高かった。 検証コホートでも、敗血症の臨床病型の分布はほぼ同様であった。また、臨床病型によるバイオマーカーのパターンには、一貫した違いが認められた。 解析コホートの累積28日死亡率は、α型が5%(unique patient、287/5,691例)、β型が13%(561/4,420例)、γ型が24%(1,031/4,318例)、δ型は40%(897/2,223例)であった。すべてのコホートと試験における28日および365日死亡率は、δ型が他の3つの型に比べ有意に高かった(p<0.001)。 シミュレーションモデルでは、治療に関連するアウトカム(有益、有害、影響なし)は、これら敗血症の臨床病型の分布の変化と強く関連した(たとえば、早期目標指向型治療[EGDT]のRCTで臨床病型の頻度を変化させると、>33%の有益性から>60%の有害性まで、結果の可能性が変動した)。 著者は、「実臨床におけるこれら臨床病型の有用性を確定し、試験デザインやデータの解釈に有益な情報をもたらすには、さらなる研究を要する」としている。

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経済毒性を日本人がん患者対象に要因別に評価した結果

 先ごろ約3,500万円の医薬品が登場し社会的関心を集めたが、高額な治療費・医薬品費がどのような“副作用”をもたらすのか。愛知県がんセンター中央病院の本多 和典氏らは、米国で開発されたがん患者の経済毒性(financial toxicity)を測定するツール「COmprehensive Score for Financial Toxicity:COST」の日本語版を作成し、これまで予備的研究として日本人がん患者におけるCOSTツールの使用可能性を少数例で評価していた。その実績を踏まえて今回、同氏らはCOSTツールを用いて日本人がん患者の経済毒性を評価する前向き調査を行い、日本人がん患者における経済毒性を要因別に評価した。著者は、「今回の結果は、日本におけるがん対策政策にとって重要な意味を持つだろう」とまとめている。Journal of Global Oncology誌2019年5月号掲載の報告。経済毒性が高い項目は非正規雇用やがんによる退職など 研究グループは、2ヵ月以上化学療法を継続している20歳以上の固形がん患者を対象に、アンケート用紙と医療記録を用い、COSTツールの質問項目に加えて社会経済的な項目に関するデータを収集して解析した。 日本人がん患者における経済毒性を要因別に評価した主な結果は以下のとおり。・191例に協力を依頼し、156例(82%)から回答を得た。・156例の内訳は、大腸がん77例(49%)、胃がん39例(25%)、食道がん16例(10%)、甲状腺がん9例(6%)、頭頸部がん4例(3%)、その他11例(7%)であった。・COSTスコア(低スコアほど経済毒性が高いことを示す)の中央値は21(0~41)、平均値±SDは12.1±8.45であった。・多変量解析の結果、COSTスコアと正の相関(すなわち経済毒性が低い)を示した項目は、高齢(β:0.15/歳、95%CI:0.02~0.28、p=0.02)と世帯貯蓄の多さ(β:8.24/1,500万円、95%CI:4.06~12.42、p<0.001)であった。・COSTスコアと負の相関(経済毒性が高い)を示した項目は、非正規雇用(β:-5.37、95%CI:-10.16~-0.57、p=0.03)、がんによる退職(β:-5.42、95%CI:-8.62~-1.37、p=0.009)、がんの治療費を何らかの方法で捻出(β:-5.09、95%CI:-7.87~-2.30、p<0.001)であった。

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貧血/鉄欠乏の心臓手術患者、術前日の薬物治療で輸血量減少/Lancet

 鉄欠乏または貧血がみられる待機的心臓手術患者では、手術前日の鉄/エリスロポエチンアルファ/ビタミンB12/葉酸の併用投与により、周術期の赤血球および同種血製剤の輸血量が減少することが、スイス・チューリッヒ大学のDonat R. Spahn氏らの検討で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年4月25日号に掲載された。貧血は、心臓手術が予定されている患者で高頻度に認められ、赤血球輸血量の増加や、死亡を含む有害な臨床アウトカムと関連する。また、鉄欠乏は貧血の最も重要な要因であり、鉄はエネルギーの産生や、心筋機能などの効率的な臓器機能に関与する多くの過程で中心的な役割を担っている。そのため、貧血と関連がない場合であっても、術前の鉄欠乏の治療を推奨する専門家もいるという。術前の超短期間の薬物併用治療による、輸血量削減効果を評価 本研究は、術前の超短期間の薬物併用投与による、周術期の赤血球輸血量の削減と、アウトカムの改善の評価を目的に、単施設(チューリッヒ大学病院臨床試験センター)で実施された二重盲検無作為化プラセボ対照並行群間比較試験であり、2014年1月9日~2017年7月19日に患者登録が行われた(Vifor Pharmaなどの助成による)。 対象は、貧血(ヘモグロビン濃度が、女性は<120g/L、男性は<130g/L)または鉄欠乏(フェリチン<100mcg/L、貧血はない)がみられ、待機的心臓手術(冠動脈バイパス術[CABG]、心臓弁手術、CABG+心臓弁手術)が予定されている患者であった。 被験者は、手術の前日(手術が次週の月曜日の場合は金曜日)に、カルボキシマルトース第二鉄(20mg/kg、30分で静脈内注入)+エリスロポエチンアルファ(40,000U、皮下投与)+ビタミンB12(1mg、皮下投与)+葉酸(5mg、経口投与)を投与する群(併用治療群)またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、手術施行日から7日間の赤血球輸血とした。赤血球輸血コストは低いが、総コストは高い 修正intention-to-treat集団は484例であった。243例(平均年齢69歳[SD 11]、女性35%)が併用治療群に、241例(67歳[12]、34%)はプラセボ群に割り付けられた。 手術日から7日間の赤血球輸血中央値は、併用治療群では0単位(IQR:0~2)であり、プラセボ群の1単位(0~3)に比べ、有意に低かった(オッズ比[OR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.50~0.98、p=0.036)。また、術後90日までの赤血球輸血も、併用治療群で有意に少なかった(p=0.018)。 輸血された赤血球の単位が少なかったにもかかわらず、併用治療群はプラセボ群に比べ、術後1、3、5日のヘモグロビン濃度が高く(p=0.001)、網赤血球数が多く(p<0.001)、網赤血球ヘモグロビン含量が高かった(p<0.001)。 新鮮凍結血漿および血小板輸血量は、術後7日および90日のいずれにおいても両群で同等であったが、同種血製剤の輸血量は術後7日(0単位[IQR:0~2]vs.1単位[0~3]、p=0.038)および90日(0[0~2]vs.1[0~3]、p=0.019)のいずれにおいても併用治療群で有意に少なかった。 術後90日までの赤血球輸血の費用は、併用治療群で有意に安価であったが(中央値0スイスフラン[CHF、IQR:0~425]/平均値370 CHF[SD 674]vs.231 CHF[0~638]/480 CHF[704]、p=0.018)、薬剤費を含む総費用は、併用治療群で有意に高額であった(682 CHF[682~1,107]/1,052 CHF[674]vs.213 CHF[0~638]/480 CHF[704]、p<0.001)。 副次アウトカムは、重篤な有害事象(併用治療群73例[30%]vs.プラセボ群79例[33%]、p=0.56)および術後90日までの死亡(18例[7%]vs.14例[6%]、p=0.58)を含め、そのほとんどで両群に有意差はみられなかった。 著者は、「待機的心臓手術を受ける患者では、ヘモグロビンと鉄のパラメータをルーチンに測定し、手術前日であっても貧血/鉄欠乏への併用薬物治療を考慮する必要がある。この点は、急性心イベントから数日以内に行われる待機的心臓手術の割合が増加している現状との関連で、とくに重要と考えられる」としている。

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再発/難治性多発性骨髄腫でCAR-T療法が有望/NEJM

 再発または難治性多発性骨髄腫患者において、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法であるbb2121の、安全性と抗腫瘍効果が確認された。米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのNoopur Raje氏らが、bb2121の第I相臨床試験(CRB-401試験)の結果を報告した。bb2121は、前臨床試験において、多発性骨髄腫の治療薬として有望であることが示されていた。NEJM誌2019年5月2日号掲載の報告。bb2121の安全性を33例で評価 研究グループは、2016年1月31日~2018年4月30日の期間に、プロテアソーム阻害薬および免疫調整薬を含む3レジメン以上の治療歴がある、または両方の薬剤に治療抵抗性の再発/難治性多発性骨髄腫患者を登録した。 患者の末梢血単核細胞を採取してCAR-T細胞bb2121を作製し、用量漸増期にはbb2121をCAR-T細胞数として50×106個、150×106個、450×106個または800×106個を、用量拡大期には150×106個、450×106個を単回注入した。主要評価項目は、安全性である。 36例が登録された。全例でbb2121の作製に成功したが、3例はbb2121注入前に疾患進行のため試験中止となり、33例がbb2121の注入を受けた。データカットオフ日は、最後の注入日から6.2ヵ月後であった。bb2121のGrade3以上の有害事象の発現率は97%、ORRは85%、CRは45% bb2121の注入を受けた33例中32例(97%)にGrade3以上の有害事象が発現した。Grade3以上の有害事象で最も頻度が高かったのは血液毒性で、発現率は好中球減少症85%、白血球減少症58%、貧血45%、血小板減少症45%などであった。25例(76%)にサイトカイン放出症候群が認められ、Grade1/2が23例(70%)、Grade3が2例(6%)であった。神経毒性は14例(42%)に発現し、うち13例(39%)はGrade1/2で、1例(3%)は可逆的なGrade4であった。 bb2121の奏効率(ORR)は85%で、完全奏効(CR/sCR)は15例(45%)で認められた。完全奏効が得られた15例のうち6例は再発した。無増悪生存期間中央値は、11.8ヵ月(95%信頼区間[CI]:6.2~17.8)であった。 奏効(部分奏効以上)が得られ微小残存腫瘍(MRD)を評価しえた16例全例が、MRD陰性(有核細胞≦10-4個)であった。CAR-T細胞の増加は、奏効と関連しており、注入1年後まで持続していることが確認された。■「CAR-T療法」関連記事CAR-T療法が臨床へ、まずは2~3施設でスタート

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がん患者のVTE、抗凝固薬投与は3ヵ月以上?

 静脈血栓塞栓症(VTE)は、がん患者における上位の疾患・死亡要因である。がん患者のVTE治療は、現在のところ3~6ヵ月以上の抗凝固療法が推奨されているが、至適期間は不明であった。米国・クリーブランドクリニックのAlok A. Khorana氏らは、新たに診断されたVTEを有するがん患者について、後ろ向きコホート研究を行い、抗凝固療法は3ヵ月以上でVTE再発リスクを約50%低下させることを明らかにした。Supportive Care in Cancer誌オンライン版2019年2月8日号掲載の報告。 研究グループは、がん患者における抗凝固療法の実施期間とVTE再発との関連を調査する目的で、The Humana claimsデータベースを用い、2013年1月1日~2015年5月31日に初回VTEの診断を受け、注射または経口の抗凝固療法を開始した新規がん患者を特定し、治療開始から追跡(2015年6月まで)。Cox比例ハザードモデルを用いて治療を中止した患者における治療期間別のVTE再発リスクを評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は1,158例であった。・VTE治療期間が0~3ヵ月の患者と比較し、3~6ヵ月の患者および6ヵ月以上の患者は、VTE再発率が有意に低かった。・患者背景を補正後もVTE治療期間が0~3ヵ月の患者と比較し、3~6ヵ月の患者(HR:0.53、95%CI:0.37~0.76)、および6ヵ月以上の患者(HR:0.48、95%CI:0.34~0.68)は、VTE再発リスクが有意に低かった(いずれもp<0.01)。・VTEイベントの定義に外来患者を含んだ場合も、類似の結果が得られた。

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芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍にtagraxofuspが効果/NEJM

 未治療または再発の芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)成人患者において、tagraxofusp(SL-401)の投与が臨床的奏効をもたらしたことが示された。発現頻度が高かった有害事象は肝機能異常および血小板減少症であり、重篤な有害事象は毛細血管漏出症候群であった。tagraxofuspは、短縮ジフテリア毒素と遺伝子組み換えヒトインターロイキン-3(IL-3)が融合したCD123標的細胞毒素である。米国・テキサス州立大学M.D.アンダーソンがんセンターのNaveen Pemmaraju氏らが、BPDCN患者11例を対象としたパイロット試験の良好な結果を受けて、tagraxofusp単独療法の安全性および有効性を検証する多施設共同非盲検第II相臨床試験を実施し、結果を報告した。BPDCNは、IL-3受容体サブユニットα(IL3RAまたはCD123)を過剰発現する形質細胞様樹状細胞の形質転換によって引き起こされる予後不良の進行性血液がん(造血器腫瘍)であり、白血病やリンパ腫に対する従来の治療法では効果がない。NEJM誌2019年4月25日号掲載の報告。tagraxofusp 7μg/kgまたは12μg/kg投与の有効性と安全性を評価 研究グループは、2014~17年に、未治療/再発BPDCNの患者47例をtagraxofusp 7μg/kg投与群および12μg/kg投与群(いずれも、1サイクル21日として1日目~5日目に静脈内投与)に割り付け、病勢進行または忍容できない毒性が認められるまで投与を継続した。 主要評価項目は、未治療患者における完全奏効および臨床的完全奏効を合わせた割合、副次評価項目は奏効持続期間であった。 47例中、未治療群(初回治療としてtagraxofuspの投与を受けた)は32例、既治療群は15例、患者の年齢は中央値(範囲)で70歳(22~84)であった。奏効率は、未治療患者の高用量群で90%、既治療患者でも全体で67% 未治療群の12μg/kg投与を受けた29例において、完全奏効および臨床的完全奏効は21例(72%)で確認され、部分奏効も合わせた全奏効率は90%であった。29例中13例(45%)は、tagraxofusp治療後の寛解期に幹細胞移植を受けた。18ヵ月生存率は59%、24ヵ月生存率は52%であった。また、既治療群の15例において、全奏効率は67%、全生存期間中央値は8.5ヵ月であった。 とくに発現頻度の高かった有害事象はALT値上昇(64%)、およびAST値上昇(60%)で、次いで低アルブミン血症(55%)、末梢性浮腫(51%)、血小板減少症(49%)であった。毛細血管漏出症候群は19%の患者で報告され、各投与量群1例の死亡と関連した。 なお、本試験の結果に基づき、tagraxofuspは成人および2歳以上の小児のBPDCNに対する治療薬として2018年12月に米国で承認された。

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CAR-T療法が臨床へ、まずは2~3施設でスタート

 CAR-T療法が、白血病や悪性リンパ腫に対する治療として実臨床で使用される日が近づいてきた。2019年3月、キメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞療法として国内で初めて、チサゲンレクルユーセル(商品名:キムリア)が製造販売承認を取得した。これを受けて4月18日、都内でメディアセミナー(主催:ノバルティス ファーマ)が開催された。 セミナーでは、豊嶋 崇徳氏(北海道大学大学院医学研究院血液内科 教授)、平松 英文氏(京都大学医学部附属病院小児科 講師)が登壇。CAR-T療法(キムリア)の適応症である再発・難治性のCD19陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)について、それぞれ実臨床での展望を示した。CAR-T細胞の製造と、実際のCAR-T療法の流れとは CAR-T療法の実施には、まずはじめに患者の末梢血から白血球が採取される。これは成分献血装置を用いた白血球アフェレーシスによって1~2時間かけて、T細胞を含む白血球成分が採取される。凍結保存処理後、米国の製造施設に輸送される。 製造過程では、T細胞の遺伝子改変→細胞増殖→品質チェックというプロセスを経て、病院に製造されたCAR-T細胞(キムリア)が届けられる(最短で5~6週間程度)。患者には、体内のリンパ球を減らしてCAR-T細胞を増殖しやすくするために、リンパ球除去化学療法と呼ばれる前治療が施され(3~4日間)、その後、キムリアが点滴により輸注される(単回投与)。輸注後は通常1~2ヵ月の入院を経て、その後は外来で経過観察が行われる。CAR-T療法(キムリア)のDLBCLへの有効性を確認、ただし慎重な適応判断が必要 DLBCLは悪性リンパ腫の中で最も頻度が高く、約30~40%を占める。本邦における総患者数は約2万1,000人。あらゆる年齢で発症するが、とくに高齢になるにつれ増加する。ただし、小児では他のがんの発症が少ないため高い割合を示す。 標準治療としてR-CHOP(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)療法が確立されている。しかし、約50%の患者では無効か、再発する。これらの患者の次なる治療法は自家造血幹細胞移植だが、適応があるのはその半数以下で、さらに奏効した患者でも再発がありうる。 こうした再発・難治性DLBCL患者に対するこれまでの救援化学療法の生存期間中央値は、6.3ヵ月1)。対するCAR-T療法であるキムリアの生存期間中央値は、日本人を含む第II相JULIET試験の結果12ヵ月で、奏効率は52%(うち完全奏効:40%)であった2)。 豊嶋氏はこの結果について、「12ヵ月時点の生存率という観点でみると、25%→50%に改善したという結果。すべての患者さんにとって“夢の治療法”とはいえないだろう。奏効する場合は1回の治療で効果が得られ、QOLも高い可能性がある。しかし、状態や進行速度によって、そもそもこの治療に進める患者さんは限られる。さらに製造の待ち時間、製造不良のリスクもある」として、患者やその家族に過度の期待を持たせることに対しては強い懸念を示した。 臨床試験で多く発現したCAR-T療法(キムリア)の有害事象は、サイトカイン放出症候群(58%で発現、中等症以上は22%)、脳症(21%で発現、中等症以上は12%)など。低ガンマグロブリン血症に伴う免疫グロブリン補充療法は30%で実施された。有害事象による死亡事例はなかったが、「身体に対する治療負担の重さという観点でいえば、自家ではなく、同種造血幹細胞移植と近い。実臨床ではかなり慎重な有害事象のコントロールが必要になるだろう」と述べた。CAR-T療法(キムリア)はB-ALLでも奏効例では高い効果、しかし輸注に至らない例も 本邦におけるALLの総患者数は約5,000人。診断時の年齢中央値は15歳で、好発年齢は2~3歳。そして小児ALLの8割以上がB細胞性(B-ALL)と報告されている。1次治療は寛解導入療法・地固め療法・維持療法からなる多剤併用療法である。80~90%が2~3年にわたるこの強力な1次治療によって完全寛解に到達するが、小児患者の約20%で再発する。再発・難治患者の生存可能性は、小児で16~30%に留まる。 平松氏は、承認の根拠となった第II相ELIANA試験3)の日本人成績について詳細を紹介した。日本人患者は、8例(5~24歳、前治療歴3~7回)が登録された。うち、製品不適格(製造されたが、うまく増殖しなかった)1例、製造を待機するうちに原病が悪化した1例を除く6例に、実際にCAR-T療法のキムリアが投与された。 結果は、3例で完全寛解、1例で血球数回復が不十分な完全寛解が得られた。他2例では効果なしであった。同氏は、「寛解が得られた4例ではすべて微小残存病変も陰性。これは非常に高い効果」と話した。 一方で、6例中5例が重症サイトカイン放出症候群を発症。集中治療室での濃厚な治療が必要となった。「全例が治療に反応しコントロールできたが、院内連携を強化し、新たな有害事象の発現を関連部門の医師が迅速に共有する必要がある」とした。CAR-T療法(キムリア)はまず国内2~3施設で開始、ピーク時で年間250人の患者を想定 最後に登壇したノバルティスファーマ オンコロジージャパン プレジデントのブライアン グラッツデン氏は、発売後の見通しについて説明。CAR-T療法のキムリアによる治療を行う医療機関は、細胞採取の品質確保や副作用管理について同社がトレーニングを実施し、認定した施設に限定するとした。発売初期、国内では2~3施設を予定しており、ピーク時の患者数はCAR-T細胞の製造におけるキャパシティもあり年間250人を想定しているという。また、薬価はまだ決定されていないが、米国で導入された「成功報酬型」の支払い方式は日本では採用されない見通しであることも示された。

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がん患者の深部静脈血栓症、再発率は2倍以上/日本循環器学会

 がんは深部静脈血栓症(VTE)の強力なリスク因子である。がん患者のVTE発症頻度は非がん患者に比べ高く、その発症率は近年増加している。しかし、がん関連VTEに関する研究は十分ではなく、適切な管理については明らかになっていない。天理よろづ相談所病院 循環器内科 坂本二郎氏らは、がん関連VTEの臨床的な特徴、管理、臨床的転帰をリアルワールドで評価する多施設後ろ向きコホート研究COMMAND-VTEレジストリを行い、その結果を第83回日本循環器学会学術集会で発表した。 COMMAND-VTEレジストリは、2010年1月~2014年8月、わが国の29施設において行われた。VTE疑い患者1万9,634例のうち、分析対象となった急性症候性VTE患者は3,027例であった。 全コホートをActive cancer群(がん治療中患者、手術施行予定患者、転移患者、終末期患者)695例、がん既往歴あり群243例、がん既往歴なし群2,089例の3つに分けて比較した。 主な結果は以下のとおり。・Active cancer群は他の2群に比べ、年齢が低く66.5歳であった。また重篤な出血(10%)、貧血の既往(76%)が他の2群に比べ高かった。・抗凝固薬累積中止率(1年間)はActive cancer群で最も高く44%、がん既往歴あり群、がん既往歴なし群はともに27.0%であった。・症候性VTE累積再発率(1年間)はActive cancer群で最も高く12%。がん既往歴あり群/なし群ではそれぞれ5%/3%であった。・重篤な出血累積発生率(1年間)はActive cancer群で最も高く15%。がん既往歴あり群/なし群ではそれぞれ6%/5%であった。・ワルファリンのコントロール指標である至適範囲内時間(TTR)はActive cancer群で最も低く61%。がん既往歴あり群/なし群ではそれぞれ67%/76%であった。・総死亡はActive cancer群で最も高く50%。がん既往歴あり群/なし群ではそれぞれ12%/6%であった。 Active cancer(がん治療中患者、手術施行予定患者、転移患者、終末期患者)はVTEの再発、重篤な出血、総死亡に関する予後不良因子であった。また、Active cancer群では抗凝固薬の投与中止が頻繁で、ワルファリンのコントロールも不良であった。

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国内初のCAR-T「キムリア」が承認/ノバルティス

 ノバルティス ファーマ株式会社は、2019年3月26日、「再発又は難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)および再発又は難治性のCD19陽性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)」を対象として、国内で初となるキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法チサゲンレクルユーセル(商品名:キムリア)の製造販売承認を取得した。 チサゲンレクルユーセルは、患者自身のT細胞を遺伝子導入により改変し、体内に戻すことで、CD19発現B細胞性の腫瘍(B-ALLとDLBCL)を認識して攻撃する新しいがん免疫細胞療法。チサゲンレクルユーセルによる治療は、継続的な投与を必要とせず、投与は一度のみとなる(単回投与)。 今回の承認は、再発または難治性のCD19陽性のB-ALLとDLBCLを対象とした、CAR-T細胞療法の国際多施設共同第II相試験(ELIANA試験、JULIET試験)の結果に基づいている。 再発または難治性のCD19陽性B-ALLの小児及び若年成人患者を対象としたELIANA試験では、主解析時点までに92例が登録され、75例がチサゲンレクルユーセルの投与を受けた。主要評価項目とされた全寛解率(完全寛解[CR]または血球数回復が不十分な完全寛解[Cri])は、中間解析時点で82.0%(41/50例)であった。また主解析時点で、寛解を達成した患者における寛解持続期間の中央値は未到達(追跡期間中央値9.92ヵ月)であり、持続した寛解が得られている。チサゲンレクルユーセルが投与された患者で高頻度に認められた副作用はサイトカイン放出症候群(CRS)(77%、58/75例)であり、重篤なCRSは63%(47/75例)に発現したが、死亡に至ったCRSはなかった。高頻度に認められたその他の副作用(承認時までの集計)は、低γグロブリン血症(39%)、発熱性好中球減少症(27%)、発熱、低血圧(各25%)、頻脈(24%)、脳症(21%)、食欲減退(20%)等であった。 それまでの治療に難治性あるいは、再発を繰り返して治療選択肢が限られた、再発または難治性のCD19陽性DLBCLの成人患者を対象としたJULIET試験では、追加解析時点までに165例が登録され、111例がチサゲンレクルユーセルの投与を受けた。主要評価項目とされた奏効率(完全奏効[CR]または部分奏効[PR])は、中間解析時点で58.8%(30/51例)であった。また、奏効が得られた患者における奏効持続期間の中央値は未到達(追跡期間中央値13.9ヵ月)であり、持続した奏効が得られている。チサゲンレクルユーセルが投与された患者で高頻度に認められた副作用は、CRS(58%、57/99例)であり、重篤な事象のCRSは29%(29/99例)に発現したが、死亡に至ったものはなかった。高頻度に認められたその他の副作用(承認時までの集計)は、発熱(25%)、低血圧(21%)等であった。 チサゲンレクルユーセルの治療を行う医療機関は、白血球アフェレーシスによる患者の細胞の採取、細胞の調製・凍結、同薬投与後に起こるサイトカイン放出症候群(CRS)や神経系事象といった副作用の管理などを綿密に行うことができる医療機関に限られる。また、今回の承認にあたって、厚生労働省より「緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍及び造血幹細胞移植に関する十分な知識・経験を持つ医師のもとで、サイトカイン放出症候群の管理等の適切な対応がなされる体制下で本品を使用すること」との承認条件が付与されており、今後、より具体的な要件が示される。 チサゲンレクルユーセルは、2017年8月、米国において、小児および若年成人の再発・難治性B-ALLを適応症として、初めて承認を取得したCAR-T細胞療法であり、2018年5月に2つ目の適応症である成人のDLBCLに対する承認を取得した。また、2018年8月、欧州において、小児・若年成人のALLおよび成人のDLBCLに対する販売承認を取得した。その後、カナダ、スイス、オーストラリアでも同様の適応で承認を取得している。

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サービス残業はどのくらい? 医師1,000人に聞きました

働き方改革が推進されることで、労働時間管理が行われるようになり、時間外割増賃金もきちんと支払われるようになる―。厚生労働省「医師の働き方改革に関する検討会」では、改革による勤務医の働き方の変化の1つとして上記を提示しています。現状、先生方が「サービス残業だ」と感じている時間はどのくらいあるのでしょうか。ケアネットでは、CareNet.com会員医師約1,000人に、その実情をお聞きしました。時間外労働規制への意見についてまとめた結果は前編にて公開中です。結果概要約20%の医師が“サービス残業”週20時間以上と回答「週何時間程度が“サービス残業になっている”と感じているか」という問いに対し、最も多い20時間以上と回答したのは19.5%。1日の法定労働時間が8時間であることを考えると、週に2日分以上がサービス残業だと感じているという過酷な現状がうかがえる。画像を拡大するさらに、現在の時間外労働時間数別にその結果をみると、年1,860時間を超える医師の71.2%が、週20時間以上がサービス残業になっていると回答している。画像を拡大する年代、勤務先の病床数や診療科別にみると…?年代別にみると、やはり20~30代の若い世代でより長い傾向がみられ、20代では「サービス残業はない」と回答した医師は4.5%に留まっている。病床数別では、200床以上で長く、逆に「ない」と答えた割合は0床が最も多かった(43.2%)。しかしどの規模の病院でも、それぞれ一定数サービス残業が「ない」医師も、「長時間ある」医師もいる状況がうかがえる結果となった。画像を拡大する画像を拡大する診療科別では、サービス残業が「ない」と答えた医師は、眼科(52.9%)、精神科(38.3%)、産婦人科(37.5%)などで多かった。一方で、「週20時間以上」と答えた医師は、脳神経外科(33.3%)で最も多く、総合診療科(30.8%)、糖尿病・代謝・内分泌科(28.6%)と続いている。サービス残業になっている時間が週5時間以下(49.3%)と、6時間以上(50.7%)で区切ると、眼科、精神科、皮膚科などでサービス残業がない・あるいは少ないと答えた医師が多く、臨床研修医、血液内科、糖尿病・代謝・内分泌内科などでサービス残業が多いと答えた医師が多かった(図は週5時間以下/6時間以上で区切り、降順)。画像を拡大する最も多い理由は“慣例・雰囲気”「サービス残業となっている理由」については、50.8%が「慣例的に申告しない、あるいは申告しづらい雰囲気があるため」と回答。27.5%は「裁量労働制、あるいは年棒制のため」と回答し、「申告したが、認められなかったため」と答えた医師も7.8%であった。「その他」の自由記述では、「管理職のため」という回答のほか、「大学病院のため勉強とみなされる」「研究・教育のため(臨床業務でないから)」といった自己研鑽との線引きの問題が散見された。また、そもそも「勤務時間が決められていない。時間外は手術以外支払いがない」「申告の仕方を聞いたことがなく、申告する制度があるかどうかもわからない」といった労働時間管理そのものが機能していないと考えられる回答や、「時間外勤務の申告に上限がある」「申告しても圧縮される」「研修医には時間外が付かない仕組みになっている」など、理不尽に申告を制限されてしまうような状況がうかがわれる回答もみられた。画像を拡大する設問詳細※Q1~Q5の結果については、前編に掲載中。Q1.勤務先の病院についてお教えください一次救急医療機関(軽症・帰宅可能患者対応、休日夜間急患センター)二次救急医療機関(中等症~重症・一般病棟入院患者対応、当番制)三次救急医療機関(重症~危篤・ICU入院患者対応、救命救急センター)それ以外Q2.時間外労働時間について、検討会で示されている下記枠組みのうち、先生はどちらにあてはまりますか※1日8時間・週40時間(=5日)勤務を基準として、当直を含む時間外労働時間の合計としてあてはまるものを選択ください月45時間未満・年360時間以下(≒週7時間)月100時間未満・年960時間以下(≒週20時間)月100時間未満・年1,860時間以下(≒週40時間)上記を超えるQ3.時間外上限規制について現状提案されている、原則「月45時間・年360時間」、臨時的な必要がある場合に「月100時間未満・年960時間以下」、特例として指定された医療機関(および一定期間集中的な技能習得が必要な医師)では「月100時間未満・年1,860時間以下」に、賛成ですか?反対ですか?賛成どちらかといえば賛成どちらかといえば反対反対Q4.Q3の回答について理由をお教えください(自由記述)Q5.上記には「アルバイトの勤務時間も含まれる」ことを知っていましたか?知っていた知らなかったQ6.現状、週何時間程度が“サービス残業になっている”と感じていますか?なし1~5時間6~10時間11~20時間20時間以上Q7.Q6でサービス残業となっている理由をお教えください申告したが、認められなかったため慣例的に申告しない、あるいは申告しづらい雰囲気があるため裁量労働制、あるいは年棒制のためその他(自由記述)画像を拡大する

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血友病〔Hemophilia〕

血友病のダイジェスト版はこちら1 疾患概要■概要血友病は、凝固第VIII因子(FVIII)あるいは第IX因子(FIX)の先天的な遺伝子異常により、それぞれのタンパクが量的あるいは質的な欠損・異常を来すことで出血傾向(症状)を示す疾患である1)。血友病は、古代バビロニア時代から割礼で出血死した子供が知られており、19世紀英国のヴィクトリア女王に端を発し、欧州王室へ広がった遺伝性疾患としても有名である1)。女王のひ孫にあたるロシア帝国皇帝ニコライ二世の第1皇子であり、最後の皇太子であるアレクセイ皇子は、世界で一番有名な血友病患者と言われ、その後の調査で血友病Bであったことが確認されている2)。しかし、血友病にAとBが存在することなど疾患概念が確立し、治療法も普及・進歩してきたのは20世紀になってからである。■疫学と病因血友病は、X連鎖劣性遺伝(伴性劣性遺伝)による遺伝形式を示す先天性の凝固異常症の代表的疾患である。基本的には男子にのみ発症し、血友病Aは出生男児約5,000人に1人、血友病Bは約2万5,000人に1人の発症率とされる1)。一方、約30%の患者は、家族歴が認められない突然変異による孤発例とされている1)。■分類血友病には、FVIII活性(FVIII:C)が欠乏する血友病Aと、FIX活性(FIX:C)が欠乏する血友病Bがある1)。血友病は、欠乏する凝固因子活性の程度によって重症度が分類される1)。因子活性が正常の1%未満を重症型(血友病A全体の約60%、血友病Bの約40%)、1~5%を中等症型(血友病Aの約20%、血友病Bの約30%)、5%以上40%未満を軽症型(血友病Aの約20%、血友病Bの約30%)と分類する1)。■症状血友病患者は、凝固因子が欠乏するために血液が固まりにくい。そのため、ひとたび出血すると止まりにくい。出産時に脳出血が多いのは、健常児では軽度の脳出血で済んでも、血友病児では止血が十分でないため重症化してしまうからである。乳児期は、ハイハイなどで皮下出血が生じる場合が多々あり、皮膚科や小児科を経由して診断されることもある。皮下出血程度ならば治療を必要としないことも多い。しかし、1歳以降、体重が増加し、運動量も活発になってくると下肢の関節を中心に関節内出血を来すようになる。擦り傷でかさぶたになった箇所をかきむしって再び出血を来すように、ひとたび関節出血が生じると同じ関節での出血を繰り返しやすくなる。国際血栓止血学会(ISTH)の新しい定義では、1年間に同じ関節の出血を3回以上繰り返すと「標的関節」と呼ばれるが、3回未満であれば標的関節でなくなるともされる3)。従来、重症型の血友病患者ではこの標的関節が多くなり、足首、膝、肘、股、肩などの関節障害が多く、歩行障害もかなりみられた。しかし、現在では1回目あるいは2回~数回目の出血後から血液製剤を定期的に投与し、平素から出血をさせないようにする定期補充療法が一般化されており、一昔前にみられた関節症を有する患者は少なくなってきている。中等症型~軽症型では出血回数は激減し、出血の程度も比較的軽く、成人になってからの手術の際や大けがをして初めて診断されることもある1)。■治療の歴史1960年代まで血友病の治療は輸血療法しかなく、十分な凝固因子の補充は不可能であった。1970年代になり、血漿から凝固因子成分を取り出したクリオ分画製剤が開発されたものの、溶解操作や液量も多く十分な因子の補充ができなかった1)。1970年代後半には血漿中の当該凝固因子を濃縮した製剤が開発され、使い勝手は一気に高まった。その陰で原料血漿中に含まれていたウイルスにより、C型肝炎(HCV)やHIV感染症などのいわゆる薬害を生む結果となった。当時、国内の血友病患者の約40%がHIVに感染し、約90%がHCVに感染した。クリオ製剤などの国内製剤は、HIV感染を免れたが、HCVは免れなかった1)。1983年にHIVが発見・同定された結果、1985年には製剤に加熱処理が施されるようになり、以後、製剤を経由してのHIV感染は皆無となった1)。HCVは1989年になってから同定され、1992年に信頼できる抗体検査が献血に導入されるようになり、以後、製剤由来のHCVの発生もなくなった1)。このように血友病治療の歴史は、輸血感染症との戦いの歴史でもあった。遺伝子組換え型製剤が主流となった現在でも、想定される感染症への対応がなされている1)。■予後血友病が発見された当時は治療法がなく、10歳までの死亡率も高かった。1970年代まで、重症型血友病患者の平均死亡年齢は18歳前後であった1,4)。その後、出血時の輸血療法、血漿投与などが行われるようになったが、十分な治療からは程遠い状態であった。続いて当該凝固因子成分を濃縮した製剤が開発されたが、非加熱ゆえに薬害を招くきっかけとなってしまった。このことは血友病患者の予後をさらに悪化させた。わが国におけるHIV感染血友病患者の死亡率は49%(平成28年時点のデータ)だが、欧米ではさらに多くの感染者が存在し、死亡率も60%を超えるところもある5)。罹患血友病患者においては、感染から30年を経過した現在、肝硬変の増加とともに肝臓がんが死亡原因の第1位となっている5)。1987年以後は、輸血感染症への対策が進んだほか、遺伝子組換え製剤の普及も進み、若い世代の血友病患者の予後は飛躍的に改善した。現在では、安全で有効な凝固因子製剤の供給が高まり、出血を予防する定期補充療法も普及し、血友病患者の予後は健常者と変わらなくなりつつある1)。2 診断乳児期に皮下出血が多いことで親が気付く場合も多いが、1~2歳前後に関節出血や筋肉出血を生じることから診断される場合が多い1)。皮膚科や小児科、時に整形外科が窓口となり出血傾向のスクリーニングが行われることが多い。臨床検査でAPTTの延長をみた場合には、男児であれば血友病の可能性も考え、確定診断については専門医に紹介して差し支えない。乳児期の紫斑は、母親が小児科で虐待を疑われるなど、いやな思いをすることも時にあるようだ。■検査と鑑別診断血友病の診断には、血液凝固時間のPTとAPTTがスクリーニングとして行われる。PT値が正常でAPTT値が延長している場合は、クロスミキシングテストとともにFVIII:CまたはFIX:Cを含む内因系凝固因子活性の測定を行う1)。FVIII:Cが単独で著明に低い場合は、血友病Aを強く疑うが、やはりFVIII:Cが低くなるフォン・ヴィレブランド病(VWD)を除外すべく、フォン・ヴィレブランド因子(VWF)活性を測定しておく必要がある1)。軽症型の場合には、血友病AかVWDか鑑別が難しい場合がある。FIX:Cが単独で著明に低ければ、血友病Bと診断してよい1)。新生児期では、ビタミンK欠乏症(VKD)に注意が必要である。VKDでは第II、第VII、第IX、第X因子活性が低下しており、PTとAPTTの両者がともに延長するが、ビタミンKシロップの投与により正常化することで鑑別可能である。それでも血友病が疑われる場合にはFVIII:CやFIX:Cを測定する6)。まれではあるが、とくに家族歴や基礎疾患もなく、それまで健康に生活していた高齢者や分娩後の女性などで、突然の出血症状とともにAPTTの著明な延長と著明なFVIII:Cの低下を認める「後天性血友病A」という疾患が存在する7)。後天的にFVIIIに対する自己抗体が産生されることにより活性が阻害され、出血症状を招く。100万人に1~4人のまれな疾患であるがゆえに、しばしば診断や治療に難渋することがある7)。ベセスダ法によるFVIII:Cに対するインヒビターの存在の確認が確定診断となる。■保因者への注意事項保因者には、血友病の父親をもつ「確定保因者」と、家系内に患者がいて可能性を否定できない「推定保因者」がいる。確定保因者の場合、その女性が妊娠・出産を希望する場合には、前もって十分な対応が可能であろう。推定保因者の場合にもしかるべき時期がきたら検査をすべきであろう。保因者であっても因子活性がかなり低いことがあり、幼小児期から出血傾向を示す場合もあり、製剤の投与が必要になることもあるので注意を要する。血友病児が生まれるときに、頭蓋内出血などを来す場合がある。保因者の可能性のある女性を前もって把握しておくためにも、あらためて家族歴を患者に確認しておくことが肝要である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)従来は、出血したら治療するというオンデマンド、出血時補充療法が主体であった1)。欧米では1990年代後半から、安全な凝固因子製剤の使用が可能となり、出血症状を少なくすることができる定期的な製剤の投与、定期補充療法が普及してきた1)。また、先立って1980年代には自己注射による家庭内治療が一般化されてきたこともあり、わが国でも1990年代後半から定期補充療法が幅広く普及し、その実施率は年々増加してきており、現在では約70%の患者がこれを実践している5)。定期補充療法の普及によって、出血回数は減少し、健康な関節の維持が可能となって、それまでは消極的にならざるを得なかったスポーツなども行えるようになり、血友病の疾患・治療概念は大きく変わってきた。定期補充療法の進歩によって、年間出血回数を2回程度に抑制できるようになってきたが、それぞれの因子活性の半減期(FVIIIは10~12時間、FIXは20~24時間)から血友病Aでは週3回、血友病Bでは週2回の投与が推奨され、かつ必要であった1)。凝固因子製剤は、静脈注射で供給されるため、実施が困難な場合もあり、患者は常に大きな負担を強いられてきたともいえる。そこで、少しでも患者の負担を減らすべく、半減期を延長させた製剤(半減期延長型製剤:EHL製剤)の開発がなされ、FVIII製剤、FIX製剤ともにそれぞれ数社から製品化された6,8)。従来の凝固因子に免疫グロブリンのFc領域ではエフラロクトコグ アルファ(商品名:イロクテイト)、エフトレノナコグ アルファ(同:オルプロリクス)、ポリエチレングリコール(PEG)ではルリオクトコグ アルファ ペゴル(同:アディノベイト)、ダモクトコグ アルファ ペゴル(同:ジビイ)、ノナコグ ベータペゴル(同:レフィキシア)、アルブミン(Alb)ではアルブトレペノナコグ アルファ(同:イデルビオン)などを修飾・融合させることで半減期の延長を可能にした6,8)。PEGについては、凝固因子タンパクに部位特異的に付加したものやランダムに付加したものがある。付加したPEGの分子そのもののサイズも20~60kDaと各社さまざまである。また、通常はヘテロダイマーとして存在するFVIIIタンパクを1本鎖として安定化をさせたロノクトコグ アルファ(同:エイフスチラ)も使用可能となった。これらにより血友病AではFVIIIの半減期が約1.5倍に延長され、週3回が週2回へ、血友病BではFIXの半減期が4~5倍延長できたことから従来の週2回から週1回あるいは2週に1回にまで注射回数を減らすことが可能となり、かつ出血なく過ごせるようになってきた6,8)。上手に製剤を使うことで標的関節の出血回避、進展予防が可能になってきたとともに年間出血回数ゼロを目指すことも可能となってきた。■個別化治療以前は<1%の重症型からそれ以上(1~2%以上の中等症型)に維持すれば、それだけでも出血回数を減らすことが可能ということで、定期補充療法のメニューが組まれてきた。しかし、製剤の利便性も向上し、EHL製剤の登場により最低レベル(トラフ値)もより高く維持することが可能となってきた6,8)。必要なトラフ値を日常生活において維持するのみならず、必要なとき、必要な時間に、患者の活動に合わせて因子活性のピークを作ることも可能になった。個々の患者のさまざまなライフスタイルや活動性に合わせて、いわゆるテーラーメイドの個別化治療が可能になりつつある。また、合併症としてのHIV感染症やHCVのみならず、高齢化に伴う高血圧、腎疾患や糖尿病などの生活習慣病など、個々の合併症によって出血リスクだけではなく血栓リスクも考えなければならない時代になってきている。ひとえに定期補充療法が浸透してきたためである。ただし、凝固因子製剤の半減期やクリアランスは、小児と成人では大きく異なり、個人差が大きいことも判明している1)。しっかりと見極めるためには個々の薬物動態(PK)試験が必要である。現在ではPopulation PKを用いて投与後2ポイントの採血と体重、年齢などをコンピュータに入力するだけで、個々の患者・患児のPKがシミュレートできる9)。これにより、個々の患者・患児の生活や出血状況に応じた、より適切な投与量や投与回数に負担をかけずに検討できるようになった。もちろん医療費という面でも費用対効果を高めた治療を個別に検討することも可能となってきている。■製剤の選択基本的には現在、市場に出ているすべての凝固因子製剤は、その効性や安全性において優劣はない。現在、製剤は従来型、EHL含めてFVIIIが9種類、FIXは7種類が使用可能である。遺伝子組換え製剤のシェアが大きくなってきているが、国内献血由来の血漿由来製剤もFVIII、FIXそれぞれにある。血漿由来製剤は、未知の感染症に対する危険性が理論的にゼロではないため、先進国では若い世代には遺伝子組換え製剤を推奨している国が多い。血漿由来製剤の中にあって、VWF含有FVIII製剤は、遺伝子組換え製剤よりインヒビター発生リスクが低かったとの報告もなされている10)。米国の専門家で構成される科学諮問委員会(MASAC)は、最初の50EDs(実投与日数)はVWF含有FVIII製剤を使用してインヒビターの発生を抑制し、その後、遺伝子組換え製剤にすることも1つの方法とした11)。ただ、初めて凝固因子製剤を使用する患児に対しては、従来の、あるいは新しい遺伝子組換え製剤を使用してもよいとした11)。どれを選択して治療を開始するかはリスクとベネフィットを比較して、患者と医療者が十分に相談したうえで選択すべきであろう。4 今後の展望■個々の治療薬の開発状況1)凝固因子製剤現在、凝固因子にFc、PEG、Albなどを修飾・融合させたEHL製剤の開発が進んでいることは既述した。同様に、さまざまな方法で半減期を延長すべく新規薬剤が開発途上である。シアル酸などを結合させて半減期を延長させる製剤、FVIIIがVWFの半減期に影響されることを利用し、Fc融合FVIIIタンパクにVWFのDドメインとXTENを融合させた製剤などの開発が行われている12)。rFVIIIFc-VWF(D’D3)-XTENのフェーズ1における臨床試験では、その半減期は37時間と報告され、血友病Aも1回/週の定期補充療法による出血抑制の可能性がみえてきている13)。2)抗体医薬これまでの血液製剤はいずれも静脈注射であることには変わりない。インスリンのように簡単に注射ができないかという期待に応えられそうな製剤も開発中である。ヒト化抗第IXa・第X因子バイスペシフィック抗体は、活性型第IX因子(FIXa)と第X因子(FX)を結合させることによりFX以下を活性化させ、FVIIIあるいはFVIIIに対するインヒビターが存在しても、それによらない出血抑制効果が期待できるヒト型モノクローナル抗体製剤(エミシズマブ)として開発されてきた。週1回の皮下注射で血友病Aのみならず血友病Aインヒビター患者においても、安全性と良好な出血抑制効果が報告された14,15)。臨床試験においても年間出血回数ゼロを示した患者の割合も数多く、皮下注射でありながら従来の静脈注射による製剤の定期補充療法と同等の出血抑制効果が示された。エミシズマブはへムライブラという商品名で、2018年5月にインヒビター保有血友病A患者に対して認可・承認され、続いて12月にはインヒビターを保有しない血友病A患者においてもその適応が拡大された。皮下注射で供給される本剤は1回/週、1回/2週さらには1回/4週の投与方法が選択可能であり、利便性は高いものと考えられる。いずれにおいても血中濃度を高めていくための導入期となる最初の4回は1回/週での投与が必要となる。この期間はまだ十分に出血抑制効果が得られる濃度まで達していない状況であるため、出血に注意が必要である。導入時には定期補充を併用しておくことも推奨されている。しかし、けっして年間出血回数がすべての患者においてゼロになるわけではないため、出血時にはFVIIIの補充は免れない。インヒビター保有血友病A患者におけるバイパス製剤の使用においても同様であるが、出血時の対応については、主治医や専門医とあらかじめ十分に相談しておくことが肝要であろう。血友病Bではその長い半減期を有するEHLの登場により1回/2週の定期補充により出血抑制が可能となってきた。製剤によっては、通常の使用量で週の半分以上をFIXが40%以上(もはや血友病でない状態「非血友病状態」)を維持可能になってきた。血友病Bにおいても皮下注射によるアプローチが期待され、開発されてきている。やはりヒト型モノクローナル抗体製剤である抗TFPI(Tissue Factor Pathway Inhibitor)抗体はTFPIを阻害し、TF(組織因子)によるトロンビン生成を誘導することで出血抑制効果が得られると考えられ、現在数社により日本を含む国際共同試験が行われている12)。抗TFPI抗体の対象は血友病AあるいはB、さらにはインヒビターあるなしを問わないのが特徴であり、皮下注射で供給される12)。また、同様に出血抑制効果が期待できるものに、肝細胞におけるAT(antithrombin:アンチトロンビン)の合成を、RNA干渉で阻害することで出血抑制を図るFitusiran(ALN-AT3)なども研究開発中である12)。3)遺伝子治療1999年に米国で、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた血友病Bの遺伝子治療のヒトへの臨床試験が初めて行われた15)。以来、ex vivo、in vivoを問わずさまざまなベクターを用いての研究が行われてきた15)。近年、AAVベクターによる遺伝子治療による長期にわたっての安全性と有効性が改めて確認されてきている。FVIII遺伝子(F8)はFIX遺伝子(F9)に比較して大きいため、ベクターの選択もその難しさと扱いにくさから血友病Bに比べ、遅れていた感があった。血友病BではPadua変異を挿入したF9を用いることで、より少ないベクターの量でより副作用少なく安全かつ高効率にFIXタンパクを発現するベクターを開発し、10例ほどの患者において1年経た後も30%前後のFIX:Cを維持している16-18)。1回の静脈注射で1年にわたり、出血予防に十分以上のレベルを維持していることになる。血友病AでもAAVベクターを用いてヒトにおいて良好な結果が得られており、血友病Bの臨床開発に追い着いてきている16-18)。両者ともに海外においてフェーズ 1が終了し、フェーズ 3として国際臨床試験が準備されつつあり、2019年に国内でも導入される可能性がある。5 主たる診療科血友病の診療経験が豊富な診療施設(診療科)が近くにあれば、それに越したことはない。しかし、専門施設は大都市を除くと各県に1つあるかないかである。ネットで検索をすると血友病製剤を扱う多くのメーカーが、それぞれのホームページで全国の血友病診療を行っている医療機関を紹介している。たとえ施設が遠方であっても病診連携、病病連携により専門医の意見を聞きながら診療を進めていくことも十分可能である。日本血栓止血学会では現在、血友病診療連携委員会を立ち上げ、ネットワーク化に向けて準備中である。国内においてその拠点となる施設ならびに地域の中核となる施設が決定され、これらの施設と血友病患者を診ている小規模施設とが交流を持ち、スムーズな診療と情報共有ができるようにするのが目的である。また、血友病には患者が主体となって各地域や病院単位で患者会が設けられている。入会することで大きな安心を得ることが可能であろう。困ったときに、先輩会員に相談でき、患児の場合は同世代の親に気軽に相談することができるメリットも大きい。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)患者会情報一般社団法人ヘモフィリア友の会全国ネットワーク(National Hemophilia Network of Japan)(血友病患者と家族の会)1)Lee CA, et al. Textbook of Hemophilia.2nd ed.USA: Wiley-Blackwell; 2010.2)Rogaev EI, et al. Science. 2009;326:817.3)Blanchette VS, et al. J Thromb Haemost. 2014;12:1935-1939.4)Franchini M, et al. J Haematol. 2010;148:522-533.5)瀧正志(監修). 血液凝固異常症全国調査 平成28年度報告書.公益財団法人エイズ予防財団;2017. 6)Nazeef M, et al. J Blood Med. 2016;7:27-38.7)Kessler CM, et al. Eur J Haematol. 2015;95:36-44.8)Collins P, et al. Haemophilia. 2016;22:487-498.9)Iorio A, et al. JMIR Res Protoc. 2016;5:e239.10)Cannavo A, et al. Blood. 2017;129:1245-1250.11)MASAC Recommendation on SIPPET. Results and Recommendations for Treatment Products for Previously Untreated Patients with Hemophilia A. MASAC Document #243. 2016.12)Lane DA. Blood. 2017;129:10-11.13)Konkle BA, et al. Blood 2018,San Diego. 2018;132(suppl 1):636(abstract).14)Shima M, et al. N Engl J Med. 2016;374:2044-2053.15)Oldenburg J, et al. N Engl J Med. 2017;377:809-818.16)Swystun LL, et al. Circ Res. 2016;118:1443-1452.17)Doshi BS, et al. 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