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BKT阻害薬チラブルチニブ、中枢神経系原発リンパ腫に国内承認/小野薬品

 小野薬品工業は、2020年3月25日、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬チラブルチニブ(商品名:ベレキシブル)について、「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫」の効能又は効果で国内製造販売承認を取得したと発表。チラブルチニブ投与患者の全奏効率は52.9% 今回の承認は、再発または難治性の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)患者44例を対象にチラブルチニブを 1 日 1 回、経口投与による有効性および安全性を評価する多施設共同非盲検非対照第I/II相試験(ONO-4059-02)の結果に基づいている。チラブルチニブ投与患者 17 例において、主要評価項目である全奏効率(中央判定による)は 52.9%(9/17例)であった。チラブルチニブ投与患者における主なGrade3/4の副作用は、好中球減少、白血球減少および高トリグリセリド血症で、各々11.8%(2/17 例)に認められた。 B細胞受容体(BCR)シグナル伝達は、B細胞系リンパ球細胞の生存、活性化、増殖、成熟および分化に関する中心的役割を担っており、とくにB細胞性非ホジキンリンパ腫および慢性リンパ性白血病では、BCR シグナル伝達経路が恒常的に活性化していることが知られている。チラブルチニブはBCRの下流に位置するメディエーターであるBTKを阻害することから治療効果が期待される。 チラブルチニブが承認を受けた中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)は、初発時に病変が脳脊髄(眼を含む)に局在する悪性リンパ腫であり、日本におけるPCNSLの年間発症数は約980例と推定されている。

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EBウイルス関連血球貪食性リンパ組織球症〔EBV-HLH:EB virus-associated hemophagocytic lymphohistiocytosis〕

1 疾患概要■ 概念・定義EBV-HLHは、EBVの初感染または再活性化(感染細胞の再増殖)に伴い、しばしば急激な経過で病勢が進展する重篤な疾患である。血球貪食性リンパ組織球症(HLH)は血球貪食症候群と同義で、高サイトカイン血症を背景に、持続する発熱、血球減少、肝脾腫、播種性血管内凝固(DIC)、高フェリチン血症および骨髄などに血球貪食組織球増多を来す症候群である。HLHは、「HLH-2004ガイドライン」に基づき診断され、遺伝性HLHと、感染症や膠原病、悪性腫瘍などに続発する二次性HLHに大別される。EBV-HLHは二次性HLHのうち最も頻度が高く、また感染症関連HLHの中でも最も重症である。広義のEBV-HLHは、EBVの活動性感染がありHLHの診断基準を満たすものと定義される。一方、わが国におけるEBV-HLHは、通常基礎疾患のない患者において、EBVが主にCD8陽性T細胞に感染し、クローン性に増殖した初感染の急性重症型を指し(狭義のEBV-HLH)、重症伝染性単核症(IM)やEBV感染を契機に発症する遺伝性HLH、慢性活動性EBV感染症(CAEBV)やEBV関連T/NK細胞腫瘍に合併するHLHとは区別される。以下、狭義のEBV-HLHを中心に概説する。■ 疫学日本・韓国・中国・台湾などの小児と若年成人に報告が多い。日本国内での偏在はない。特定の遺伝的素因は解明されていない。全国調査からわが国における発症数は、年間約50例と推定される。小児の平均発症年齢は3.9歳で初感染EBV-HLHがほとんどである。近年、初感染年齢の上昇に伴い、患児の年齢層も上がりつつある。成人では特にHLHを初発とするEBV関連リンパ腫の除外が必須である。■ 病因初感染EBV-HLHでは、EBV感染CD8陽性T細胞がクローン性に増殖し、IFN-γ、TNF-α、IL-6などの炎症性サイトカインが多量に産生され、マクロファージが活性化して血球貪食が誘導される。患者はEBV特異免疫に異常反応性を有することが想定されているが、治癒後には健常既感染者となる。B細胞が主たる感染標的である場合は、伝染性単核症(IM)として通常は予後良好だが、宿主にX連鎖リンパ増殖症候群などの原発性免疫不全症があると致死性IMとなる。再活性化に伴って発症するEBV-HLHの基礎疾患であるCAEBVでは、EBVがT細胞やNK細胞に感染し、この感染細胞が免疫による排除から逃れてクローン増殖し臓器に浸潤し、多彩な臨床症状を惹起する。■ 症状持続する発熱、リンパ節腫脹、肝脾腫と汎血球減少、凝固異常、肝機能障害、高LDH血症などを認める。急速に進行する汎血球減少とDICから多臓器障害に至る例もまれではない。■ 予後EBV-HLHはウイルス関連HLHの中でも特に予後不良であり、支持療法だけでは多くの場合、致死的経過をとる。初回治療にはHLH-2004プロトコールなどの化学療法が行われ、90%以上が寛解する。10%弱は再燃するが多くは再寛解する。死亡率は約1%で晩期再発はない。治療抵抗性を示す場合に同種造血細胞移植が行われる。診断時の高ビリルビン、および高フェリチン血症が予後不良因子として報告されている。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)Histiocyte SocietyのHLH国際診断基準をもとに、日本小児感染症学会からEBV-HLHの診断基準が作成されている(表)。表 EBV-HLH診断基準以下の1と2のいずれも満たす1.EBウイルスDNAは末梢血中に増加している2.以下の8項目のうち、初発時5つ以上、再燃・再発時3つ以上を満たす1)発熱≧38.5℃2)脾腫3)血球減少(末梢血の少なくとも2系統に以下の異常あり):ヘモグロビン<9.0g/dL、血小板<100,000/μL、好中球<1,000/μL4)高卜リグリセリド血症(空腹時≧265mg/dL)または低フィブリノーゲン血症(≦150mg/dL)5)NK細胞活性低値または欠損6)血清フェリチン≧500ng/mL7)可溶性IL-2受容体≧2,400U/mL8)骨髄、脾臓、またはリンパ節に血球貪食像あり、悪性所見なし付記1)診断に有用な所見:(a)髄液の細胞増多 (単核球) および/または髄液蛋白増加(b)肝で慢性持続性肝炎に類似した組織像2)診断を示唆する他の所見:髄膜刺激症状、リンパ節腫大、黄疸、浮腫、皮疹、肝酵素上昇、低蛋白・低Na血症、VLDL値上昇、HDL値低下3)発症時に上記の基準をすべて満たすわけではなく、経過と共にいくつかを満たすことが少なくない。基準を満たさない場合は注意深く観察し、基準を満たした(同時期に症状・所見が揃った)時点で診断する。(日本小児感染症学会 監修.慢性活動性EBウイルス感染症とその類縁疾患診療ガイドライン. 診断と治療社;2016.p.11.より引用)診断には、EBV関連抗体価(FA法)による感染既往の評価や、リアルタイムPCR法などによる末梢血中のEBVDNAの定量が重要である。EBV-HLHでは、血球成分中や血清および血漿中のEBVDNA量が著しく上昇し、IM患者よりも高値を示すことが多い。なお、骨髄生検での血球貪食像は初期には目立たないことがある。組織診断にはin situ hybridization(ISH)によるEBV-encoded small RNA(EBER)の検出が有用である。蛍光抗体や免疫組織染色によるEBV感染細胞の同定、およびEBV terminal repeat probeを用いたSouthern blot法、あるいはT細胞受容体の遺伝子再構成検査によるクローナリティの検索も、重症IMやCAEBVなどとの鑑別に有用な指標となる。また、家族歴や基礎疾患の有無、発症前の症状などの病歴を詳細に聴取し、必要に応じて遺伝性HLHを除外するための検索(遺伝子解析など)を進める。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)小児のEBV初感染による伝染性単核症(B細胞感染)とは異なり、治療介入の必要ない自然軽快は極めてまれである。EBV-HLHの治療は、クローン増殖した感染細胞の制御と、これに対して過剰に反応した免疫担当細胞および、これに伴う高サイトカイン血症の制御が中心となる。治療中にもかかわらず急変し致死的経過をとることがあるため、がん化学療法と同種造血細胞移植の可能な施設との連携も重要である。HLH-2004プロトコールにはステロイド、エトポシド、シクロスポリンAに加えて髄腔内へのメトトレキサートとステロイドの投与を用いた多剤併用化学療法が提示されている。わが国の全国調査では、初回治療として60%がHLH-2004に準じた治療を受け、30%がステロイド療法、10%がIVIG療法や対症療法のみでの治療を選択されていた。90%の症例がこの初回治療で寛解が得られていることから、二次がんの危険性があるエトポシドを全例に使用する必要はないかもしれない。しかし、治療の遅れが致死的な経過をもたらす可能性もあり、追加治療のタイミングを逃すことがないように発熱の推移や血球変化、凝固異常の進行などに十分注意する必要がある。血中EBVの経時的定量がEBV-HLHの病勢の評価、治療効果の判定に有用とされる。発症から1~2ヵ月以内のステロイドやシクロスポリンAの減量中などに再燃の可能性があるが、その場合でもステロイド、エトポシド、シクロスポリンAの3剤併用療法で再寛解する可能性がある。また、症状が沈静化してからも約10%が再燃し、初回と同様な治療が必要になる。半年以内はIL-18、IL-12などのIFN-γ関連サイトカイン産生が持続するため、経過観察を行いながらシクロスポリンAが継続される。一方で、3剤併用療法が無効な場合、多剤併用化学療法、さらに同種造血細胞移植が考慮される。多剤併用化学療法に推奨可能な実績のあるレジメンは現時点では存在せず、CHOPおよびエトポシド、THP-COP、シタラビンなどが用いられている。また、EBV-HLHに対するリツキシマブの有効性が報告されているが、その適応については感染細胞を考慮した作用機序や効果の詳細な解明、議論が必要である。4 今後の展望EBV-HLHに対するHLH-2004プロトコールの有用性は明らかであるが、生物学的製剤の適応と評価は十分でない。また、同種造血細胞移植の時期と方法などについても、今後の検討が必要である。2018年11月に難治性の遺伝性HLHに対する初の特異的な治療薬として完全ヒト型抗IFN-γ抗体であるemapalumab(商品名:GAMIFANT)が米国で承認された。二次性HLHに対する有効性は現時点では不明であるが、IFN-γを過剰産生する活性化CD8陽性T細胞が病態形成の中心的役割を果たすEBV-HLHにおいても効果が期待されている。また、HLHモデルマウスにおいては、JAK1/2阻害剤など、複数のサイトカインシグナル伝達を同時に阻害する薬剤の有効性が示唆されている。今後、これらの抗サイトカイン療法を含めた、EBV-HLHに対する最適な治療戦略を確立する必要がある。5 主たる診療科小児科、血液内科、感染症内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報小児慢性特定疾病情報センター 血球貪食性リンパ組織球症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)日本小児感染症学会. 慢性活動性EBウイルス感染症とその類縁疾患の診療ガイドライン2016. 診断と治療社;2016.2)Henter JI, et al. Pediatr Blood Cancer. 2007;48:124-131.3)Filipovich AH, et al. Hematol Oncol Clin North Am. 2015;29:895-902.4)Ishii E, et al. Int J Hematol. 2007;86:58-65.5)Kogawa K, et al. Pediatr Blood Cancer. 2014;61:1257-1262.公開履歴初回2020年03月09日

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ペグフィルグラスチムの自動投与デバイス国内臨床試験開始/協和キリン

 協和キリンは、ペグフィルグラスチム(商品名:ジーラスタ)の自動投与デバイスに関する国内臨床試験を本年2月19日に開始した。 ペグフィルグラスチムは持続型G-CSF製剤。がん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制を適応症とし2014年より日本にて販売している製品で、がん化学療法を行った翌日以降に医療機関にて投与が行われる。 ペグフィルグラスチムが翌日に自動投与される仕組みを搭載した同デバイスをがん化学療法と同日に使用することにより、ペグフィルグラスチム投与のための通院が不要となり、患者の通院負担、さらには医療従事者の負担の軽減にもつながることを期待している。 同試験は、第I相多施設共同非対照非盲検試験で、対象はがん化学療法による発熱性好中球減少症の発症抑制。主要評価項目は安全性で、予定被験者数は30例である。第I相臨床試験の位置づけだが、本臨床試験のデータを使用し厚生労働省へ製造販売承認申請を行う予定だという。

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polatuzumab vedotin、DLBCL国内第II相試験の主要評価項目を達成/中外

 中外製薬は、2020年2月13日、polatuzumab vedotinの国内第II相臨床試験(JO40762/P-DRIVE試験)において、主要評価項目を達成したと発表。 JO40762(P-DRIVE)試験は、再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者35例を対象として、polatuzumab vedotinとBR療法を併用投与する第II相多施設共同単群非盲検試験。本試験の主要評価項目は治験責任/分担医師評価によるPRA時点(治験薬最終投与後6~8週)におけるPET-CTによる完全奏効率(complete response rate:CRR)である。 polatuzumab vedotinは、ヒト化抗CD79bモノクローナル抗体とチューブリン重合阻害剤をリンカーで結合させた、抗CD79b抗体薬物複合体。CD79bタンパクは、多くのB細胞で特異的に発現しており、新たな治療法を開発する上で有望なターゲットになり得る。現在国内外において、複数のタイプの非ホジキンリンパ腫を対象として臨床開発が行われている。わが国では、2019年11月に厚生労働省よりDLBCLに対する希少疾病用医薬品に指定されており、米国では2019年6月に迅速承認を、欧州では2020年1月に条件付き承認をそれぞれ取得している。

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MRSA、バンコマイシン/ダプトマイシンへのβラクタム系追加投与は?/JAMA

 MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)菌血症患者に対し、バンコマイシンまたはダプトマイシン静脈投与による標準治療にβラクタム系抗菌薬を追加投与しても、90日時点の複合アウトカムおよび全死因死亡について、有意な改善は認められないことが示された。オーストラリア・Peter Doherty Institute for Infection and ImmunityのSteven Y C Tong氏らが、約350例の患者を対象に行った無作為化試験で明らかにした。MRSA菌血症による死亡率は20%超となっている。これまで標準治療+βラクタム系抗菌薬による介入が死亡率を低下することが示されていたが、検出力が十分な無作為化試験による検討はされていなかった。JAMA誌2020年2月11日号掲載の報告。標準治療に加えβラクタム系抗菌薬を7日間投与 研究グループは2015年8月~2018年7月にかけて、4ヵ国27病院でMRSA菌血症が確認された成人患者352例を対象に、非盲検無作為化試験を開始し、2018年10月23日まで追跡した。 被験者を無作為に2群に分け、一方には標準治療(バンコマイシンまたはダプトマイシン)に加えβラクタム系抗菌薬(flucloxacillin、クロキサシリン、セファゾリンのいずれか)を静脈投与した(174例)。もう一方の群には、標準治療のみを行った(178例)。 合計治療日数については担当臨床医の判断とし、またβラクタム系抗菌薬投与は7日間とした。 主要エンドポイントは、90日時点における死亡、5日時点の持続性菌血症、微生物学的再発、微生物学的治療失敗の複合エンドポイントとした。 副次アウトカムは、14日、42日、90日時点の死亡率と、2日、5日時点の持続性菌血症、急性腎障害(AKI)、微生物学的再発、微生物学的治療失敗、抗菌薬静脈投与期間などだった。主要エンドポイント発生はともに約4割 試験は当初440例を登録する予定だったが、同試験のデータ・安全性モニタリング委員会は安全性への懸念から、試験の早期中止を勧告。無作為化を受けた被験者は352例であった。被験者の平均年齢は62.2歳、女性は34.4%、試験を完了したのは345例(98%)だった。 主要エンドポイントの発生は、βラクタム群59例(35%)、標準治療群68例(39%)だった(絶対群間差:-4.2ポイント、95%信頼区間[CI]:-14.3~6.0)。事前に規定した副次評価項目9項目のうち、7項目で有意差がなかった。 90日全死因死亡は、βラクタム群35例(21%)vs.標準治療群28例(16%)(群間差:4.5ポイント、95%CI:-3.7~12.7)、5日時点の持続性菌血症発生率はそれぞれ11% vs.20%(-8.9ポイント、-16.6~-1.2)であり、また、ベースライン時に透析を受けていなかった被験者におけるAKIの発生率は23% vs.6%(17.2ポイント、9.3~25.2)だった。 結果について著者は、「安全性への懸念から試験が早期に中止となったこと、介入を支持する臨床的に意義のある差異が検出されなかったことを考慮して、所見を解釈すべきであろう」と述べている。

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CAR-NK細胞、再発/難治性CD19陽性がんに有効/NEJM

 キメラ抗原受容体(CAR)を導入されたナチュラルキラー(NK)細胞は、再発または難治性のCD19陽性がん患者の治療において高い有効性を示し、一過性の骨髄毒性がみられるものの重大な有害事象は発現せず、相対的に安全に使用できる可能性があることが、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのEnli Liu氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2020年2月6日号に掲載された。CAR導入細胞療法では、すでに抗CD19 CAR-T細胞療法のB細胞がんの治療における著明な臨床的有効性が確認されている。一方、CAR-T細胞は重大な毒性作用を誘発する可能性があり、細胞の作製法が複雑である。抗CD19 CARを発現するように改変されたNK細胞は、これらの限界を克服する可能性があるという。進行中の第I/II相試験の初期結果 研究グループは、再発/難治性のCD19陽性がんの治療におけるCAR-NK細胞の有効性と安全性を評価する目的で、第I/II相試験を進めており、今回は最初の11例の結果を報告した(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 解析には、再発/難治性CD19陽性がん(非ホジキンリンパ腫または慢性リンパ性白血病[CLL])の患者11例が含まれた。患者は、臍帯血由来のHLAミスマッチ抗CD19 CAR-NK細胞の投与を受けた。 NK細胞への遺伝子導入には、抗CD19 CAR、インターロイキン-15、安全スイッチとしての誘導型カスパーゼ9をコードする遺伝子を発現させたレトロウイルスベクターを用いた。この細胞を体外で増殖させ、リンパ球除去化学療法を行った後、3つの用量のCAR-NK細胞(用量1:1×105、用量2:1×106、用量3:1×107/kg体重)の1つが単回投与された。最大耐用量には未到達、奏効率は73% 2017年6月~2019年2月の期間に15例が登録され、4例(増悪、移植片対宿主病、検出可能病変の不在、製剤への細菌混入が各1例)が治療を受けなかった。11例の年齢中央値は60歳(範囲:47~70)、女性が4例で、前治療レジメン数中央値は4(3~11)であった。用量は、用量1が3例、2と3が各4例だった。 5例がCLL(リヒター症候群へ形質転換、移行期へ進行の2例を含む)、6例がリンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫2例、濾胞性リンパ腫4例)であった。CLLの5例全例に増悪の既往歴があり、イブルチニブの投与歴があった。また、リンパ腫の6例のうち、4例は自家造血幹細胞移植後の増悪で、2例は難治性病変を有していた。 CAR-NK細胞の投与後に、サイトカイン放出症候群や神経毒性、血球貪食性リンパ組織球症は発現しなかった。また、患者と製剤はHLAミスマッチにもかかわらず、移植片対宿主病は発生しなかった。 予測どおり、全例で一過性の可逆的な血液学的毒性イベントがみられ、主にリンパ球除去化学療法関連のものであったが、CAR-NK細胞の寄与の評価はできなかった。好中球減少は、Grade3が2例、Grade4が8例に、リンパ球減少はGrade4が10例にみられた。腫瘍崩壊症候群は認められず、Grade3/4の非血液学的毒性も発現しなかった。最大耐用量には達しなかった。 追跡期間中央値13.8ヵ月(範囲:2.8~20.0)の時点で、8例(73%)で客観的奏効が得られた。このうち7例(CLL 3例、リンパ腫4例)で完全寛解が達成され、1例ではリヒター症候群に転換した腫瘍の寛解が得られたものの、CLLは持続した。すべての用量で、効果の発現は迅速で、投与から30日以内にみられた。 CAR-NK細胞の増殖は、投与から3日という早い時期にみられ、12ヵ月以上低値で持続した。CAR-T細胞で報告されているのと同様に、奏効例は非奏効例に比べ、早期のCAR-NK細胞の増殖の程度が高かった(投与後28日時のゲノムDNAコピー数中央値:3万1,744 vs.903コピー/μg、p=0.02)。 また、インターロイキン-6や腫瘍壊死因子αなどの炎症性サイトカインの値は、ベースラインに比べて増加しなかった。 著者は、「本研究で使用したリンパ球除去化学療法レジメンは、多くのCAR-T細胞研究が用いているものとほぼ同様で、客観的奏効にある程度寄与している可能性はあるが、本研究の患者は登録時に化学療法抵抗性の病変を有していたと考えられることに注意するのが重要である」と指摘している。

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ドウベイト配合錠の未治療HIV感染症患者に対する2剤治療は患者負担を軽減させるか

 2020年1月31日、ヴィーブヘルスケア株式会社は、同日発売となった抗ウイルス化学療法剤「ドウベイト配合錠」(一般名:ドルテグラビルナトリウム・ラミブジン)に関するメディアセミナーを開催した。その中で、ヒトレトロウイルス学共同研究センター熊本大学キャンパスの松下 修三氏が、「HIV/AIDS いまどうなっている?」と題して講演を行った。ドウベイト配合錠のメリットは他剤との相互作用の減少 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症に対する、多剤併用療法(ART)は、異なる機序の薬剤を併用してHIVの量を減少させる。これまで未治療のHIV感染症患者には、一般的に、非核酸系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)、プロテアーゼ阻害薬(PI)、インテグラーゼ阻害薬(INSTI)の中から「キードラッグ」として1剤と、「バックボーン」として核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)2剤とを組み合わせた3剤を併用し、治療を実施していた。 今回発売された「ドウベイト配合錠」は、INSTIのドルテグラビルとNRTIのラミブジンの2剤の配合剤で、1錠のみで治療が可能となる。この治療法は、「ドウベイト配合錠」のみが承認を受けているものであり、ドルテグラビルの抗ウイルス効果や薬剤耐性のつきにくさにより実現された。患者が服用する薬剤を3剤から2剤に減らすことで、副作用や、他剤との相互作用を減少させるというメリットがあると考えられる。ドウベイト配合錠は治療ニーズに合った剤形 松下氏は講演の中で、早期診断、早期治療により、HIVに感染した患者の寿命の低下を防ぐことができると強調した。また同氏は、患者が歳を重ねると他の疾患により、さまざまな薬剤の併用が必要になるケースがあることにも触れ、その際には相互作用が少ない薬剤が適していると述べた。 配合錠という剤形で服薬アドヒアランス向上への寄与が考えられ、薬剤数を減らすことで相互作用の減少が見込まれる、「ドウベイト配合錠」。早期治療や相互作用の減少に寄与する薬剤となるのか、また、HIV治療の新たな一手として患者の負担を軽減させる薬剤となるのか、ますます注目が集まるだろう。

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静注鉄剤による鉄欠乏性貧血治療、IIM vs.FCM/JAMA

 経口鉄剤に不耐・不応の鉄欠乏性貧血患者における静注鉄剤による治療では、iron isomaltoside(IIM、現在はferric derisomaltoseと呼ばれる)はカルボキシマルトース第二鉄(FCM)と比較して、低リン血症の発生が少ないことが、米国・デューク大学のMyles Wolf氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2020年2月4日号に掲載された。静注鉄剤は、鉄欠乏性貧血の迅速な改善を可能にするが、これらの製剤は線維芽細胞増殖因子23(FGF23)に関連する低リン血症を誘発する場合があるという。静注鉄剤であるIIMとFCMとで無作為化試験 研究グループは、静注鉄剤であるIIMとFCMとで、低リン血症のリスクおよびミネラル骨恒常性のバイオマーカーへの影響を比較する目的で、2つの同一デザインの非盲検無作為化臨床試験を行った(Pharmacosmosなどの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、鉄欠乏性貧血(ヘモグロビン値≦11g/dL、血清フェリチン値≦100ng/mL)で、経口鉄剤が1ヵ月以上不耐または不応の患者であった。腎機能低下例は除外された。 被験者は、IIM(1,000mg、1回[Day0])またはFCM(750mg、2回[Day0、7])を静注投与する群に無作為に割り付けられた。Day0、1、7、8、14、21、35に、血清リン濃度とミネラル骨恒常性のバイオマーカーの評価が行われた。 主要エンドポイントは、ベースラインから35日までの期間における低リン血症(血清リン濃度<2.0mg/dL)の発生とした。静注鉄剤の低リン血症の発生率はIIMがFCMに比べ低かった 2017年10月~2018年6月の期間に、米国の30施設で245例(試験A:123例[平均年齢45.1歳、女性95.9%]、試験B:122例[42.6歳、94.1%])が登録された。試験A(治療完遂率 95.1%)では、IIM群に62例、FCM群には61例が、試験B(同93.4%)では両群に61例ずつが割り付けられた。 2つの静注鉄剤の試験を合わせた35日の時点での低リン血症の発生率は、IIM群がFCM群に比べ低かった。試験AではIIM群が7.9%、FCM群は75.0%(補正後発生率の群間差:-67.0%、95%信頼区間[CI]:-77.4~-51.5、p<0.001)であり、試験Bではそれぞれ8.1%および73.7%(-65.8%、-76.6~-49.8、p<0.001)であった。 静注鉄剤による血清リン濃度は、ベースライン以降のすべての測定日において、IIM群に比べFCM群で低値であった(p<0.001)。尿中リン排泄分画は、試験期間を通じて、IIM群に比べFCM群で高く、Day14が最も高値であった(p<0.001)。 生物学的活性を有するintact FGF23の平均値は、FCM群では46.2pg/mLから151.2pg/mLに上昇し、Day8(2回目の投与[Day7]の24時間後)に頂値(343.6pg/mL)に達した後に漸減したが、すべての測定日でIIM群よりも有意に高かった(p<0.001)。また、C末端FGF23の濃度は、両群とも投与から24時間以内に低下したが、Day8~21には、FCM群がIIM群に比べ再上昇した(p<0.001)。 活性型の1,25-ジヒドロキシビタミンDは、両群とも低下したが、FCM群のほうが低下の程度が大きく、試験期間を通じて一貫していた(p<0.001)。また、非活性型の24,25-ジヒドロキシビタミンDは、Day7以降、IIM群よりもFCM群で有意に増加した(p<0.001)。 静注鉄剤による有害事象の頻度は、IIM群よりもFCM群で高かった(試験A:7/63例[11.1%]vs.27/60例[45.0%]、試験B:14/62例[22.6%]vs.28/57例[49.1%])。また、副甲状腺ホルモン上昇(IIM群3.2% vs.FCM群5.1%)、頭痛(3.2% vs.4.3%)、悪心(0.8% vs.6.8%)の頻度が高かった。 著者は、「これらの知見の臨床的重要性を評価するために、さらなる検討を要する」としている。

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ファンコニ貧血〔FA:Fanconi Anemia〕

1 疾患概要■ 概念・定義ファンコニ貧血(Fanconi Anemia:FA)は、染色体の不安定性を背景に、(1)進行性汎血球減少、(2)骨髄異形性症候群や白血病への移行、(3)身体奇形、(4)固型がんの合併を特徴とする遺伝病である。わが国の年間発生数は5〜10例で、出生100万人あたり5人前後である。臨床像としては、1)汎血球減少、2)皮膚の色素沈着、3)身体奇形、4)低身長、5)性腺機能不全を伴うが、その表現型は多様で、汎血球減少のみで、その他の臨床症状がみられないことや、汎血球減少が先行することなく、骨髄異形性症候群や白血病あるいは固型がんを初発症状とすることもある。それゆえ、臨床像のみで本疾患を確定診断するのは困難である。小児や青年期に発症した再生不良性貧血患者に対しては、全例に染色体脆弱試験を行い、FAを除外する必要がある。また、若年者において、頭頸部や食道、婦人科領域での扁平上皮がんや肝がんの発生がみられた場合や、骨髄異形性症候群や白血病の治療経過中に過度の薬剤や放射線に対する毒性がみられた場合にも、本疾患を疑い染色体脆弱試験を行う必要がある。 ■ 病因、病態FAは遺伝的に多様な疾患であり、現在までに、22の責任遺伝子が同定されている。わが国ではFANCA変異が全体の60%を占め、FANCG変異の25%がそれに続き、その他の変異は数%以下にすぎない。FANCD1、FANCJ、FANCNはそれぞれ家族性乳がん遺伝子のBRCA2、BRIP1、PALB2と同一であり、ヘテロ接合体はFAを発症しないが、家族性乳がん発症のリスクを持つ。遺伝形式は、FANCB、FANCRを除いて、常染色体劣勢遺伝形式を示す。FA蛋白質は、他のDNA損傷応答蛋白質と相互作用し、DNA二重鎖架橋を修復し、ゲノムの安定化を図っている。しかし、DNA修復障害と骨髄不全発症との関係は解明されていない。■ 臨床症状、合併症、予後FAの臨床像は、多様で種々の合併奇形を伴うが、まったく身体奇形がみられない場合も25%ほど存在する。色黒の肌、カフェオーレ斑のような皮膚の色素沈着、低身長、上肢の母指低形成、多指症などが最もよくみられる合併奇形である。国際ファンコニ貧血登録の調査によると10歳までに80%、40歳までに90%の患者は、再生不良性貧血を発症する。悪性腫瘍の合併も年齢とともに増加し、30歳までに20%、40歳までに30%の患者が骨髄異形性症候群や白血病に罹患する。同様に、40歳までに30%の患者は、頭頸部や食道、婦人科領域の扁平上皮がんなどの固型がんを発症する。発症10年、15年後の生存率は、それぞれ、85%、63%であった。わが国の小児血液・がん学会の統計では、移植を受けなかった30例の診断後10年生存率は63%であった。造血幹細胞移植を受けた患者は、非移植群と比較して、発がんのリスクが有意に高く、移植前治療としての放射線の照射歴や慢性GVHDの発症がリスク因子であった。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)FAを疑った場合には、図のように末梢血リンパ球を用いてマイトマイシンC(MMC)やジエポキシブタン(DEB)などのDNA架橋剤を添加した染色体断裂試験を行う。わが国においては検査会社でも実施可能である。また、FANCD2産物に対する抗体を用い、ウェスタンブロット法でモノユビキチン化を確認する方法もスクリーニング法として優れており、国内では名古屋大学小児科で実施している。上記のスクリーニング法では、リンパ球でリバージョンを起こした細胞が増殖している(体細胞モザイク)ために偽陰性例や判定困難例が生ずる。このときには100個あたりの染色体断裂総数だけでなく、染色体断裂数ごとの細胞数のヒストグラムが有用である。この場合の診断には、皮膚線維芽細胞を用いた染色体脆弱試験が必要となる。図 ファンコニ貧血を疑った場合の診断スキーム画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)FAには、免疫抑制療法の効果は期待できないが、蛋白同化ホルモンは、約半数の患者において有効である。しかし、男性化や肝障害などの副作用があり、造血幹細胞移植の成績の悪化を招くという報告もある。わが国で使用可能な蛋白同化ホルモン製剤としては、酢酸メテノロン(商品名:プリモボラン)のみである。現時点では、FAの患者にとって、造血幹細胞移植のみが唯一治癒の期待できる治療法である。通常の移植前処置で使用される放射線照射や大量シクロホスファミドの投与では移植関連毒性が強いので、従来は少量のシクロホスファミドと局所放射線照射の併用が標準的な前治療法として用いられてきた。しかし、非血縁者間骨髄移植や臍帯血移植は、拒絶や急性移植片対宿主病(GVHD)の頻度が高く、十分な治療成績は得られていなかった。しかし、最近になって、フルダラビンを含む前治療法が開発され、その予後は著明に改善がみられている。 最近、わが国から報告されたFAに対するHLA一致同胞あるいは代替ドナーからの移植成績は、2年全生存率がそれぞれ100%、96%に達している。4 今後の展望フルダラビンを含む前治療による造血幹細胞移植の開発により、造血能の回復は得られるようになったが、扁平上皮がんを中心とした2次がんのリスクが増大している。すでに、海外では遺伝子治療が実施されており、今後の発展が期待されている。5 主たる診療科小児科、血液内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター ファンコニ貧血(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)厚生労働科学研究費補助金 特発性造血障害に関する調査研究班(医療従事者向けのまとまった情報)公開履歴初回2020年02月10日

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新型コロナウイルス、国内3症例の経過と得られた示唆

 2月7日、日本感染症学会・日本環境感染学会は「新型コロナウイルス2019-nCoVへの対応について」と題し、学会員に向けた緊急セミナーを開催した(司会は日本感染症学会理事長 館田 一博氏、日本環境感染学会理事長 吉田 正樹氏)。 この中で、大曲 貴夫氏(国立国際医療研究センター 国際感染症センター センター長)は、「新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染症 臨床・感染防止対策」とのテーマで、これまで同センターが診療した3症例の紹介と、そこから得た知見を紹介した。1例目33歳女性・主訴:咽頭痛、倦怠感 1月19日に武漢のホテルに1泊し、20日に来日。23日に咽頭痛出現。24日に1回目の受診。インフルエンザ迅速検査は陰性。初診時の診断は上気道炎。発熱が改善せず、27日に2回目の受診。胸部レントゲンで肺野に浸潤影を確認できず、2019-nCoV感染は否定的と判断。30日に3回目の受診。胸部レントゲンでは両側下葉にスリガラス影と浸潤影の出現があり即日入院。その後2019-nCoV感染が確定。2例目54歳男性・主訴:咽頭痛、鼻汁 2018 年 5 月から武漢に滞在中の日本人。2020 年1月27日から咽頭痛と鼻汁が出現。帰国した29日の飛行機内で軽度の悪寒が出現し、37.1℃の発熱と上気道症状が見られた。30日に2019-nCoV感染が判明、胸部レントゲン検査および胸部CT検査を行うがいずれも肺炎を示唆するような陰影なし。急性上気道炎と診断し、入院継続と経過観察。第6病日まで37℃台の発熱と倦怠感は継続、呼吸状態の悪化はなし。3例目41歳男性・主訴:発熱、咳嗽 2019年12月20日から武漢に仕事で滞在中の日本人、以前も何度も滞在歴がある。帰国した2020年1月31日から38℃の発熱と軽微な咳嗽が出現。発熱と上気道症状あり。2月1日2019-nCoV感染が判明。胸部CT検査で左肺突部と左肺舌区に一部浸潤影を伴うスリガラス影があり肺炎と診断。3日時点で37℃台の発熱はあるが呼吸状態の悪化はなし。※3症例の詳細や胸部レントゲン・CT画像を日本感染症学会サイトに掲載。最初の1週間は風邪との区別は困難、その後の経過を観察 3症例の病状と現在までの経緯を紹介したのち、大曲氏は「現時点において、論文などで紹介される2019-nCoV感染症患者の症状は、中国国内の重症患者から得たものが大半。日本国内でヒト-ヒト感染が広まって受診者が増加した場合、その多くを占めるであろう軽症患者の症状として、今回の3例を参考にしてほしい」と述べた。 軽症患者の臨床的特性としては、「症例数がまだ限られ、現時点で断定的なことは述べるには早すぎる」と断ったうえで、「私たちが診療した例に限れば、最初の1週間は軽い感冒とほぼ同じ症状で、微熱と倦怠感が主訴となり、この時点で2019-nCoV感染の診断は困難。そのまま良くなるケースもあれば、1週間経過時に呼吸苦を訴え、肺炎と診断されたケースもあった」と説明。「感冒様症状が1週間ほど続き、かつ患者の倦怠感が強い点は、通常の感冒やインフルエンザと経過とは明らかに異なるため、臨床的に疑うカギとなるかもしれない」とした。 さらに、中国から報告される症例は重症例が多く、軽症例が報告から漏れている可能性がある点に注目。中国以外の報告例には軽症例が多く、中国国内でも実際には軽症から重症まで幅広く発症していると考えられるため、軽症患者の臨床的特徴を検証する必要性があること、軽症者を母数に加えることで現在報じられている2019-nCoVの致死率が下がる可能性があることを指摘した。 加えて、今回の3例の患者は30~50代であり、「国内で高齢者が罹患した場合のデータはまだない。中国の例を見る限り高齢者は重篤化する危険が高いため、その点も注視したい」とした。 本セミナーの動画は後日、日本感染症学会のYou Tubeチャンネルで公開予定。

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本特集に寄せられたコメント

遭遇の可能性があるので、学習したい。(東京都/内科/50代)変えれる症状に気づける目の数を増やしてください。(広島県/外科/60代)自分の知識を発展させるために応援します。(鹿児島県/内科/50代)医師の常識範囲として知っておきたい(神奈川県/小児科/70代以上)希少疾患の、新たな診断、治療方法の開発に期待します。(山梨県/内科/50代)より多くの症例を診たご経験がある先生方の知見やお話を伺えることを楽しみにしています。(茨城県/呼吸器外科/50代)最新の治療指針について学習していきたいと思います。(大阪府/神経内科/60代)患者発見の糸口を学習して備えたい(東京都/小児科/60代)希少疾患は、経験値も高まりにくいですので、頑張っていただきたいです。(大阪府/内科/50代)良く知らない症状の患者に役立つことを期待している。(東京都/腎臓内科/60代)なかなか忙しくて見れないが、時間が有ったら、是非じっくり見たい。(東京都/内科/60代)難病疾患に悩む患者さんの支えに少しでもなれる医師を増やすために(大阪府/外科/50代)微力ながら、お手伝いできればと思っています。(山口県/放射線科/30代)今後遭遇する可能性があり勉強したい。(兵庫県/麻酔科/60代)知らないより知っている方が良いと思います。(東京都/精神科/60代)地方では希少疾病であっても大都市の病院に通えず,頑張っている患者さんや診療しているスタッフがいます.そのためwebは力強いアイテムです.応援します.(長野県/外科/50代)貴重な内容なので、ぜひ勉強したいです(東京都/呼吸器内科/40代)日本全体として応援したほうが良いと思う(山形県/内科/30代)学生への講義に反映させます。(愛知県/病理診断科/50代)なかなか勉強する機会が少ないので楽しみにしています(埼玉県/循環器内科/40代)知識として持っていたいと思います(奈良県/耳鼻咽喉科/50代)ぜひ最新の診断,治療を知りたい(長崎県/循環器内科/50代)診察する機会は少ないが重要な臨床課題(静岡県/消化器内科/40代)日常診療で難病を思い浮かべ難いので学習したい。(神奈川県/乳腺外科/40代)まず知ることが大事と思う。(沖縄県/臨床研修医/30代)知らない病気は診断できない(大阪府/小児科/50代)知らなければ、疑わなければ助けられない。非常に医者にとって責任の重い疾患。(山形県/小児科/50代)希少疾患に対する認知の普及に期待します(石川県/消化器内科/40代)非専門医が実臨床で役立つ情報を期待します(奈良県/内科/40代)有識者の声、患者の声を参考にしたいと思う(京都府/血液内科/30代)顧みられにくい疾患への理解が深まることを願います(福岡県/病理診断科/20代)患者数が少ないほど情報も少ない。医療に関しては需要供給バランスでなく、少数であっても情報に対して需要があるので情報発信をしていただきたい。(長野県/整形外科/30代)難解になりがちな難病の講義ですが、わかりやすい解説を期待しています。(新潟県/皮膚科/30代)今後の治療展望を明らかにしてくれることを期待します(愛知県/腎臓内科/30代)知識の獲得で応援します。(茨城県/脳神経外科/50代)知識の再構築に使用したい。(京都府/呼吸器内科/30代)これを機にぜひ知識をブラッシュアップしたいと思います(千葉県/臨床研修医/30代)最新の知見解説で学習します 動画楽しみです(群馬県/内科/30代)そもそも疾患を知らないと診療できないので、しっかり学習していきたい(北海道/内科/20代)できるだけ勉強して困っている方を助けたいです。(長崎県/内科/60代)希少疾患の知見を得て治療に役立てたい(福岡県/その他/50代)最新の知見解説等で学習したいと思います。(神奈川県/内科/50代)エビデンスに基づいた臨床的知見を勉強したいです(佐賀県/臨床研修医/20代)一般啓発活動の参考にしたい(埼玉県/小児科/60代)医師の中でも認識されていないので、是非とも。(山口県/消化器内科/50代)忘れがち、見逃しがちの疾患を思い起こしたいと思います(神奈川県/糖尿病・代謝・内分泌内科/50代)少しでも症例が蓄積して集学的治療につながっていくことを願っています。(埼玉県/呼吸器外科/60代)自身の知見が少しでも増すことを期待しています。(新潟県/内科/60代)他に勉強できる機会があまりなく、今後の診療の参考にできればと思います。(岡山県/腎臓内科/40代)少なくとも、見逃しの無いようにしたい(大阪府/リハビリテーション科/60代)治療方法を患者に示すことが出来るので、助かります。(青森県/産婦人科/40代)深く理解でき、勉強になります。有難うございます。(岐阜県/腎臓内科/60代)応援します。参考になるサイトを開設してください。(徳島県/泌尿器科/40代)希少疾患の教科書として期待しています。(京都府/内科/50代)希少疾病・難病に対する最新の知見が周知できるとよいと思います(福井県/小児科/40代)日常診療に役立つ情報を共有する機会を作りましょう!(埼玉県/内科/50代)新たな展開が始まることを期待しています(東京都/神経内科/40代)情報共有することでより理解が進むことを期待します(静岡県/心臓血管外科/40代)難病、希少疾患の原因究明および有効な治療法開発に期待します。(佐賀県/麻酔科/40代)動画などの学習は繰り返しもしやすいので期待してます(三重県/眼科/40代)何とか勉強してしかるべき疾患の発見をしたいと思います。(青森県/内科/60代)知らないでは済まされない。(愛知県/精神科/30代)インパクトのある情報提供をお願いします。(青森県/小児科/60代)最新の知見を吸収するように努力したい。(北海道/耳鼻咽喉科/40代)未経験、未知の疾患について、知識を得たい。(静岡県/脳神経外科/60代)教科書では得られない希少疾患の患者さんの実生活(どんなことに困るのかなど)を、様々なメディアを通じて知るようにしたいと思います。(東京都/内科/40代)情報発信を期待しています(宮城県/内科/60代)どうしても専門分野に偏りますが最新の知見解説で学習したい。(大阪府/内科/60代)小さい病院なので診ることがすくないのですが、勉強させてください。(千葉県/整形外科/60代)是非日常診察の参考にさせて頂きたい(静岡県/内科/50代)ケアネットの希少疾患の特集は、極めて内容が良い(福島県/神経内科/70代以上)もしかしたら身近に存在するかもしれない希少疾患です。知識を持っておきたいのでぜひ教えてください。(滋賀県/乳腺外科/40代)希少疾患・難病の患者様がhappyになると良いと思います(神奈川県/神経内科/30代)希少疾患であっても苦しんでいる患者さんへの助けになればいいと思います(福岡県/内科/50代)意外に身近にいる希少疾患の見つけ方、ぜひ応援したい。(愛媛県/内科/50代)難病疾患について、正しい情報発信に期待しています。(神奈川県/皮膚科/60代)この機会に最新の知識をしっかり勉強したいと思います(東京都/眼科/30代)普段勉強する機会がすくないので、とてもありがたいです。(福岡県/麻酔科/40代)これを機にあまり知識のない稀な疾患を勉強します。(山口県/内科/50代)ライブラリーの数が増えるのが楽しみです。(東京都/循環器内科/40代)有意義な情報提供になると確信しています。(新潟県/内科/50代)徴候を見逃さないための勉強をしたいと思います。(大阪府/消化器外科/60代)自分の分野の難病の知識を深めていきたい。(広島県/精神科/30代)難しいですが頑張ってください(京都府/泌尿器科/30代)勉強して患者さんに役立てていきたいと思います。(大分県/精神科/40代)知識を身に着けるために参考にしたいです(神奈川県/消化器外科/50代)最新の動画配信にて学習します。(京都府/消化器外科/60代)発見することが、治療の第一歩と思います。動画で勉強したいと思います。(東京都/糖尿病・代謝・内分泌内科/20代)過去の難病の中には難病でなくなっている疾患もあるので、今後に期待しながら勉強させていただきます。(静岡県/その他/50代)少しでも手伝えるよう、情報の発信を(福岡県/小児科/40代)ぜひとも。この機会にに勉強させて欲しい。特集とか、機会作って下さい。(香川県/内科/40代)様々な症例報告の蓄積をきたいします。(静岡県/消化器外科/30代)希少疾患は疑うところから知るところからですので、知識の吸収に努めます。(愛知県/血液内科/30代)治療のある病気も増えてきているので,早期診断できるよう意識します.(東京都/神経内科/40代)難病について正しい疾患知識を発信して下さい。(東京都/皮膚科/30代)動画だと知識が入りやすいのでありがたいです(愛知県/呼吸器内科/30代)こういった企画はありがたいです。勉強させていただきたいと思います。(千葉県/脳神経外科/40代)興味深い内容を期待(神奈川県/腎臓内科/30代)診断に役立つコンテンツに期待します(東京都/小児科/30代)みなさんの関心が高まることを期待(東京都/循環器内科/30代)その他のコメントはこちら

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希少疾病ライブラリ

これらは、希少疾病に関してケアネットドットコムの会員医師から寄せられたご意見の一部です。このような先生方に少しでもお役に立てることを目指して、疾病の基本情報・診断・治療などを解説した「希少疾病ライブラリ」を立ち上げました。今後も随時、追加・更新していきますので、ぜひご活用ください。呼吸器科▼詳細はこちら循環器内科/心臓血管外科▼詳細はこちら消化器科▼詳細はこちら腎臓内科▼詳細はこちら糖尿病・代謝・内分泌科▼詳細はこちら血液内科▼詳細はこちら感染症内科▼詳細はこちら腫瘍科▼詳細はこちらアレルギー科▼詳細はこちら膠原病・リウマチ科▼詳細はこちら神経内科▼詳細はこちら精神科/心療内科▼詳細はこちら脳神経外科▼詳細はこちら外科/乳腺外科▼詳細はこちら整形外科▼詳細はこちら泌尿器科▼詳細はこちら産婦人科▼詳細はこちら小児科▼詳細はこちら皮膚科▼詳細はこちら耳鼻咽喉科▼詳細はこちら眼科▼詳細はこちら放射線科▼詳細はこちら麻酔科▼詳細はこちら救急科▼詳細はこちらリハビリテーション科▼詳細はこちら■掲載疾患についてわが国では、国内における患者数が5万人未満で、難病など重篤な疾病や医療上の必要性が高い疾病であることが、希少疾病用医薬品/医療機器の指定条件に挙げられています。本ライブラリでは、「希少疾病」について厳密には定義せず、「患者数が少なく、重篤な疾病や医療上の必要性が高い疾病」と考え、順次追加していく予定です。厚生労働省では、希少疾病などにさまざまな医療費助成の施策を行っています。代表的なものを下記に示しますが、各地方自治体の施策も用意されていますので、患者・家族等からお問い合わせがありました際は、「自治体の窓口にてご相談ください」とお伝えください。高額療養費制度を利用される皆さまへ小児慢性特定疾患情報センター先進医療の概要について

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「患者力」を上げるため、医師ができること

 ネット上の情報に振り回され、代替医療に頼ろうとする患者、自分で何も考えようとせず、すべてお任せの患者、どんな治療も拒否する患者…。本人がそう言うならば仕方がないとあきらめる前に、医師にできることはあるのか。2020年1月12~13日、「第1回医療者がリードする患者力向上ワークショップ」(主催:オンコロジー推進プロジェクト、共催:Educational Solution Seminar、アストラゼネカ)が開催された。本稿では、東 光久氏(福島県立医科大学白河総合診療アカデミー)、上野 直人氏(テキサス大学MDアンダーソンがんセンター)、守田 亮氏(秋田厚生医療センター)による講演の内容を紹介する。まず患者の自己解決力を信じ、自信を与え、力をつける手伝いをする 「患者力を高める」、「患者をエンパワメントすべき」。近年よく耳にするようになったこれらの言葉だが、具体的に何を指すのか。東氏はまず、この2つの言葉について以下のようにまとめた。「患者力」とは 自分の病気を医療者任せにせず、自分事として受け止め、いろいろな知識を習得したり、医療者と十分なコミュニケーションを通じて信頼関係を築き、人生を前向きに生きようとする患者の姿勢「Patient Empowerment」とは 患者が、患者力を自主的に発揮できるように、医療者が援助すること「前回何を話したか覚えていますか?」から診察をスタートしてみる 自身もがんを経験した上野氏は、「振り返ると私自身も決して高い“患者力”を持った患者ではなかった」と話す。専門医の自分でさえ難しかった感情のコントロールや後悔のない選択を、医療従事者はどうやってサポートしていけばよいのか。同氏は患者力を高めるために重要なスキルを、「コミュニケーション」「情報の吟味」「自己主張」の3つに分けて、患者力向上に向けて医療者ができることについて具体的に整理した。コミュニケーション・焦らせない、慢性疾患のスタンスで接する(決断を急がせない/急かす態度をとらない/パソコンをいじりながら話さない):同氏は、医師の中には「早く決めてほしい」という気持ちが顔に出ている人もいると指摘。・医師が話した内容を取得させる(録音・録画・同伴者と来院することを推奨):医師のほうから、録音の準備をしてきたらどうですか?と声がけする。・質問上手にさせる(質問をあらかじめ準備させる/質問のために別の時間を設定/質問を評価する):質問票を作ってくるように言って、質問が明確でないときはどこが明確でないのかを指摘する=ともにスキルアップ。情報の吟味・話す内容をできる限り分かりやすくする(専門用語は原則禁止だが、キーワードは専門用語と一般用語を両方伝える/図を多用):専門用語を正しく伝えることで、検索したときにヒットする情報が大きく変わる。・医師が話した内容を消化させる(医療者に説明してみてもらう←間違いや勘違いがあれば指摘/家族や友人に自分で説明してもらう):毎回診察のはじめに、前回何を話したか覚えているかを確認する。・標準治療の意味を理解させる(標準治療かそうでないかを説明/標準治療でない場合は、その理由をていねいに説明/臨床試験とは何かを説明):あらかじめ優良なサイトを紹介する、気になった情報があればプリントアウトして持ってきてほしいと伝えることも重要。自己主張・治療法を自分で選べるようにサポート(選択肢を数多く与えるだけではなく、優先順位とともに伝える):なぜその優先順位なのかを説明する。・自分の希望を伝えられるようサポート(価値観・職歴・趣味を知る努力):価値観は常に変化するので、治療開始直後の希望が変化していないとはかぎらない。医療者は常に患者から情報を引き出す努力が必要。・恐れないチャレンジをサポート(標準治療と臨床試験の違いを教育/臨床試験のオプションを提示/セカンドオピニオンについての教育と提示):ただし、人には詳しく聞きたい気分のときと聞きたくない気分のときがある。最初に「今日は詳しく聞きたいですか?」と尋ねるのも一手。劇的な治療効果が、医師の目を曇らせている? 「先生、皮膚にボツボツができて辛いです…」「この薬を使うと出る患者さんが多いんです。これだけ治療効果があるので、やめるのはもったいないですよ」。こんな診察風景に覚えはないだろうか。守田氏は、近年分子標的薬による治療の進歩が著しい肺がん領域を例に、医師と患者が感じる副作用のギャップについて講演した。 肺がん領域で使われるEGFR-TKIの副作用で多くみられるのが下痢や皮疹、爪の異常だが、生存に大きな影響は及ぼさないという点で医師は治療効果をどうしても優先させがちになる。しかし、がん患者が感じる副作用の“つらさ”についてのアンケート1)では、皮膚や爪の異常に対して感じるつらさは決して小さくなかった。さらにそのつらさを医療者に伝えたかという問いに対して、4割が伝えていないと答えていた。 また、同アンケートで約8割以上の人が「医療者に伝えられなかった」と答えたのが、“経済的なつらさ”だった。同氏が診療に従事する秋田県では農業従事者が多く、ある時期は集中的に働かないと年間収入が激減するので、その期間中は抗がん剤を休みたいという申し出があったという。治療効果という観点ではマイナスであっても、治療を続けていく患者自身にとっては譲れない点であるケースもありうる。そして、医師が真摯に「治すために」と強調するほど、経済的な問題点は言い出しにくくなってしまう。 医師は臨床試験における担当医判断による有害事象の発生状況を判断基準とすることが多いが、客観的評価であるCTCAEと患者自身の主観的な訴え(patient report)の間には差があることが報告されている2)。守田氏は、この隙間を埋めるために、医師のほか各職種がそれぞれの専門性を生かして患者力向上に取り組んでいくことが重要として、講演を締めくくった。

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企業による資金提供は、患者会に影響を及ぼすか/BMJ

 患者会への企業による資金提供は一般的に行われており、企業からの財政支援を抑制する指針を持つ患者会は少なく、資金提供に関する透明性も不十分であり、資金提供を受けた患者会は出資企業にとって有利となる立場を取る傾向があることが、オーストラリア・シドニー大学のAlice Fabbri氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2020年1月22日号に掲載された。患者会は、保健医療(消費者教育、医学研究助成、薬剤や治療法の承認および公的保障に関する決定への寄与)において重要な役割を担うが、製薬企業や医療機器製造企業を含む複数の財政支援源に依拠することが多い。利益相反および患者会の品位や独立性に関する潜在的な脅威があるため、企業と患者会の財政上の関係への関心が高まっているという。患者会への資金提供の影響をメタ解析で評価 研究グループは、製薬企業および医療機器製造企業による患者会への資金提供の影響について調査する目的で、系統的レビューとメタ解析を行った(特定の研究助成は受けていない)。 2018年1月までに医学データベース(Ovid Medline、Embase、Web of Science、Scopus、Google Scholar)に登録された文献を検索した。また、選択基準を満たした論文の参考文献を調査するとともに、この分野の専門家に連絡を取って情報を収集した。 対象は、患者会に関する横断研究、コホート研究、症例対照研究、分割時系列解析、前後比較研究を含む観察研究であり、以下のアウトカムのうち1つ以上を報告している研究とした。(1)企業から資金提供を受けている患者会の割合、(2)企業から資金提供を受け、当該の資金に関する情報を公開している患者会の割合、(3)企業からの資金提供と、健康や施策の問題に関する組織の立場の関係。言語や出版形態は問われなかった。 複数の研究者が独立にデータの抽出を行い、2人のレビュアーが独立に個々のアウトカムに関するエビデンスの確実性を評価した。エビデンスの質はGRADE(Grading of Recommendations Assessment, Development, and Evaluation)システムで評価した。出資企業の利益を誘導するバイアスを防ぐ戦略が必要 2003~18年に発表された26件の研究(27論文、すべて横断研究)が解析に含まれた。ほとんどの研究は、複数の疾患領域の患者会を含んでおり、主に欧米の高所得国で行われた研究であった。 26件の研究のうち15件で、企業から資金提供を受けている患者会の割合が報告されていた。その割合は20%(12/61組織)から83%(86/104組織)にわたっていた。 企業から資金提供を受けている患者組織のうち、27%(175/642組織、95%信頼区間[CI]:24~31)がウェブサイト上で情報を開示していた。米国政府機関との協議における開示率は、2つの研究で大きく異なっており(米国疾病予防管理センター[CDC]:0%、米国食品医薬品局[FDA]:91%)、関連する政府機関の開示要項の違いを反映していることが示された。 企業による財政支援を抑制する組織方針を持つ患者会の割合は、2%(2/125組織)から64%(175/274組織)にわたっていた。 4つの研究が、議論の多いさまざまな問題に関して、企業からの資金提供と組織の立場の関係を解析しており、企業から資金提供を受けている患者会は受けていない患者会に比べ、全般的に出資企業の利益を支持していた。 潜在的な有害性に関する情報の包括性を評価した研究では、情報の項目数は、企業から資金提供を受けている患者会が3.7項目(標準偏差:3.7)、受けていない患者会は10項目(同4.2)であり、統計学的に有意な差は認められなかった(Mann-Whitney検定のp=0.1)。 著者は、「主要なアウトカムに関するデータの質が低いため、これらの結論は限定的なものとなる」と指摘し、「患者会は、患者支援や教育、研究において重要な役割を担うため、出資企業の利益に有利となるバイアスを防ぐための戦略が必要と考えられる」としている。

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骨髄異形成症候群〔MDS : myelodysplastic syndromes〕

1 疾患概要■ 概念・定義骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndromes: MDS)は、造血幹細胞のクローン性の後天的な疾患で、造血細胞(リンパ球を除く)の異形成と呼ばれる形態異常を特徴とする。末梢血ではさまざまな程度の血球減少を来すが、(1)1血球系統以上に10%以上の異形成像が見られる、(2)特徴的な染色体異常を有する、(3)骨髄での芽球比率は20%未満の、いずれかあるいは1つ以上を認めるものと定義される。■ 疫学1)MDSの発症頻度わが国では発病者数は年間に10万人あたり3~10人とされ、患者数は平成10年の厚生労働省の特発性造血障害調査研究班の報告では7,100人で、年齢の中央値は欧米と比較して若干若年層に多く、64歳である。男女比は1.9:1。2)MDSの病型MDSは一般的に骨髄の芽球比率および異形成により分類される(表1、変更点は後述)。わが国での特徴的なところは「単独del(5q)の骨髄異形成症候群」および「環状鉄芽球を伴う不応性貧血」とWHO分類で定義されている病型が欧米に比べ少ない点である。画像を拡大する■ 病因最近までMDSの原因は不明とされてきたが、ゲノム解析により病型に偏った遺伝子変化が報告されつつあり、たとえば「環状鉄芽球を伴う不応性貧血」におけるSF3B1やMDSの白血病化に伴うSETBP1の変化が知られつつある。一般的には表2に示すように、エピジェネテイックな変化に関係する遺伝子変化が、MDS発症と深くかかわっていることが知られつつある。また、染色体変化は予後を推定する重要な因子である。画像を拡大する■ 症状血球減少による症状が中心であり、貧血はほぼ必発で、48%は汎血球減少、18%が貧血+血小板減少、17%が貧血+白血球減少、13%は貧血のみである。血球減少により、出血傾向(血小板減少)、易感染(好中球減少)、貧血症状(赤血球減少)がさまざまな程度でみられる。■ 分類MDSの分類は骨髄での芽球比率、環状鉄芽球の頻度および異形成が多血球系統に及ぶか否かにより分類されるが、異形成の頻度は血液専門家によっても判読が異なることがある。単独del(5q)の骨髄異形成症候群は5q-染色体異常による。従来の分類からの名称変更は以下の通りである。従来のWHO-2008からの名称変更点は、RCUDはMDS-SLD(MDS with single lineage dysplasia)、RCMDはMDS-MLD(MDS with multi-lineage dysplasia)、RAEBはMDS-EB(MDS with excess blasts)に変更され、暫定病型として小児不応性血球減少症が設定された。これにより、2008年WHO分類のRCUDの一部はMDS-RSとして判定される例がある(表1、3)。これらのMDS分類とは別に、放射線治療や他の悪性腫瘍などに対する抗がん剤投与後にみられるものは治療関連骨髄系腫瘍として急性骨髄性白血病の分類として扱われる。画像を拡大する■ 予後予後は減少血球数、骨髄での芽球比率、染色体異常の様式による(表4)。なお、簡便にMDS FoundationのHP(http://www.mds-foundation.org/ipss-r-calculator/)にて計算できる。画像を拡大する2 診断 (検査・鑑別診断も含む)血球減少、とくに貧血がみられた場合にはMDSも念頭に置く。通常、軽度の高色素性大球性貧血を呈し、さまざまな頻度で好中球減少や血小板減少を伴う。MDSが疑われたならば、骨髄穿刺にて血球の異形成像および芽球比率を検討し病型診断を行うとともに(表1)、染色体異常を調べ、予後を検討する。さらに、MDSの診断基準を満たさない血球減少については最近提唱されている分類も参考にする(表5)。従来用いられていたIPSSでは、治療選択に重要な役割を持つことを期待して考案されたが、2012年に提唱されたIPSS-R(表4)では、個々の患者における予後がより詳細に検討できる。画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)治療は従来のIPSSによる大まかな治療方針が推奨される。IPSSのLowおよびIntermediate-1は低リスクMDSとして、Intermediate-2およびHighは高リスクMDSの治療が行われる(図1、2)。低リスクMDSにおける造血幹細胞移植術は、反復する感染症や輸血依存の患者が対象となる。治療は従来のIPSSによる大まかな治療方針が推奨される。IPSSのLowおよびIntermediate-1、IPSS-RではVery Low、LowおよびIntermediateは低リスクMDSとして、高リスクMDSはIPSSでIntermediate-2およびHigh、IPSS-RではIntermediate、High、Very Highの分類に基づき治療が行われる(図1、2)。IPSS-R Intermediate に分類された患者については、年齢、performance status、血清フェリチン値、血清LDH値などの追加の予後因子を評価することにより、2つのリスク群のどちらで管理してもよい。低リスクMDSにおける造血幹細胞移植術は、反復する感染症や輸血依存の患者が対象となる。■ 低リスクMDSに対する治療(図1)この群では5q-染色体異常がみられたならば免疫調整薬であるレナリドミド(商品名:レブラミド)が第1選択となる。単独の5q-MDSに対しては貧血の改善は90%以上が期待され、さらに一部の患者では染色体異常の消失を含む寛解が望める。血清エリスロポエチン濃度が500mU/mL 未満の患者ではエリスロポエチン投与も効果が期待される。また、免疫抑制剤のシクロスポリンの有効性も確認されている(保険適用外)。これらの治療に無効で輸血依存の場合は脱メチル化薬であるアザシチジン(同:ビダーザ)も考慮される。低リスク患者の治療目標は輸血依存からの回避である。画像を拡大する■ 高リスクMDSに対する治療(図2)この群の治療では、造血幹細胞移植術の適応となるか(一般的に65歳未満)、強力化学療法が可能であるかにより、治療法が設計される。これら以外および移植後の再発に対してアザシチジンを用いることもある。MDSの輸血依存例では、鉄過剰症の治療として血清フェリチンおよび輸血量を勘案し、腎機能が許す範囲で経口除鉄剤が用いられる。貧血および血小板減少例では、その程度(年齢による違いあり)により適宜輸血療法が行われ、低リスクMDS患者で好中球減少に伴う感染症に対し顆粒球コロニー刺激因子を用いることもある。治験段階として免疫療法であるWT1ワクチン療法が行われているが、HLA抗原が一致しないと用いることができない。高リスク患者の治療目標は白血病移行からの回避(あるいは無白血病期間の延長)である。画像を拡大する4 今後の展望一般的にMDS患者は高齢者が多い。徐々に骨髄非破壊的造血幹細胞移植術を用いた移植が比較的高齢者にも試みられているが、感染症を含む移植合併症や再発を克服する試みもある。また、アザシチジン無効例に対する新たな治療薬や経口アザシチジンの開発も進められ、さらなる治療法の開拓が期待される疾患である。2012年に発表されたIPSS-Rによる個別化治療が推進されるとともに、病型の進展に伴う遺伝子変化が次々と報告され、これらの遺伝子変化を標的とする治療法の開発が期待される。5 主たる診療科血液内科あるいは血液腫瘍内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報特発性造血障害に関する調査研究班(医療従事者向けのまとまった情報)がん情報サービス 骨髄異形成症候群(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報Japan MDS Patient Support Group(患者とその家族および支援者の会)1)NCCN guideline. Myelodysplastic Syndromes V.2. 2018.骨髄異形成症候群(日本語版PDF)公開履歴初回2013年02月28日更新2020年01月28日mds_00

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