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アレルギー高リスク乳児でも、急性気管支炎にアドレナリン吸入は効果なし

 乳児の急性細気管支炎に対する気管支拡張薬の吸入療法は、ガイドラインで支持されていないにもかかわらず、アトピー性疾患のある個人には有効と信じられ、しばしば用いられている。しかし、細気管支炎後にアトピー性皮膚炎、アレルギー感作または気管支閉塞を発症した乳児について解析したところ、急性細気管支炎による入院期間はエピネフリン(アドレナリン)吸入によって減少していなかったことが、ノルウェー・オスロ大学のHavard Ove Skjerven氏らによる無作為化二重盲検試験の追跡調査で明らかになった。著者は、「仮説に反し、本研究の結果、アレルギー疾患のリスクが高い小児における急性細気管支炎に対しアドレナリン吸入の試みは支持されない」とまとめている。Lancet Respiratory Medicine誌オンライン版2015年8月25日号の掲載報告。 研究グループは、乳児の急性細気管支炎に対するアドレナリン吸入療法が、後に気管支閉塞を発症した患者、あるいはアトピー性皮膚炎やアレルギー感作を有する患者に有用であったかどうかを評価する目的で、中等症~重症の急性細気管支炎の乳児(生後12ヵ月未満)404例を対象とした無作為化二重盲検試験の追跡調査を行った。 急性細気管支炎による入院期間中、アドレナリン吸入(ラセミ体アドレナリン20mg/mL)または食塩水吸入(0.9%食塩水)が最高で2時間ごとに行われた。投与量は乳児の体重に応じ、5kg未満は0.10mL、5~6.9kgは0.15mL、7~9.9kgは0.2mL、10kg以上は0.25mLとし、すべて0.9%食塩水2mLに溶解して吸入した。 主要評価項目は入院期間であった。 追跡調査では、2歳時に問診、臨床検査および17種のアレルゲンに関する皮膚プリックテストを行い、気管支閉塞、アトピー性皮膚炎およびアレルギー感作の有無を確認し、サブグループ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・2歳時の追跡調査を実施できたのは294例であった。・2歳までに気管支閉塞を発症した乳児のサブグループ(143例、48.6%)では、アドレナリン吸入群と食塩水吸入群とで入院期間に差はなかった(相互作用のp=0.40)。・2歳までのアトピー性皮膚炎またはアレルギー感作発症例(77例)では、アドレナリン吸入の効果と有意な相互作用を認めた(相互作用のp=0.02)。・すなわち、2歳までにアトピー性皮膚炎またはアレルギー感作を認めなかった患者では、食塩水群と比較しアドレナリン吸入群で、入院期間が有意に短かったが(-19.9時間、p=0.003)、2歳までにアトピー性皮膚炎またはアレルギー感作を認めた患者では、アドレナリン吸入群と食塩水吸入群で、入院期間に有意差はなかった(相互作用のp=0.24)。

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新生児ビタミンA補給によるアトピーのリスクは女児のみ?

 現在、新生児へのビタミンA補給は、欠乏症のリスクのある国では政策となりつつあるが、先行研究においてアトピーの増加と関連がある可能性が示唆されている。そこで、デンマーク・Statens Serum InstitutのSofie Aage氏らは、ギニアビサウで実施した無作為化比較試験後の長期追跡調査を行った。その結果、女児においてのみ新生児ビタミンA補給がアトピーならびに喘鳴のリスク増加と関連が認められたことを報告した。著者は、「新生児ビタミンA補給とアトピーに関するさらなる研究が必要」と提言している。Allergy誌2015年8月号(オンライン版2015年5月18日号)の掲載報告。 研究グループは、2002~2004年にギニアビサウの正常出生体重児4,345例を、BCG接種+ビタミンA補給(レチニルパルミテート50,000IU)群またはBCG接種+プラセボ補給群に無作為化し、2013年に長期追跡調査を行った。 長期追跡調査の対象は、試験を行った地域にまだ居住していた8~10歳の小児1,692例のうち自宅にいた1,478例(87%)であった。同意を得た後、皮膚プリックテストを行うとともに、アレルギー症状の既往歴について記録した。 皮膚プリックテスト陽性(3mm以上)をアトピーと定義し、ビタミンA補給との関連について解析した。 主な結果は以下のとおり。・皮膚プリックテストで評価し得た小児1,430例のうち、228例(16%)でアトピーが認められた。女児(12%)より男児(20%)が有意に多かった(p<0.0001)。・ビタミンA補給は、アトピーのリスクを増加させなかった(相対リスク[RR]:1.10、95%信頼区間[CI]:0.87~1.40)。・しかし性別にみると、男児ではビタミンA補給とアトピーリスク増加との関連はなかったが(RR 0.86、95%CI:0.64~1.15)、女児では有意な関連が認められた(同:1.78、1.17~2.72)(ビタミンA補給と性別の相互作用のp=0.005)。・同様に、男児ではビタミンA補給と喘鳴リスク増加との関連はみられなかったが、女児では関連が認められた(RR:1.80、95%CI:1.03~3.17)(相互作用のp=0.05)。

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中等症~重症のアトピー、トファシチニブで治療可能?

 中等症~重症のアトピー性皮膚炎(AD)に対する治療は不適切であることが多い。米国・エール大学のLauren L. Levy氏らは、こうした患者に対して経口ヤヌスキナーゼ阻害薬トファシチニブの投与を試みた。その結果、症例数が非常に少なく対照群が設定されていないなど限界はあるものの、中等症~重症ADの治療にトファシチニブが有用である可能性が示唆されたという。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2015年7月17日号の掲載報告。 対象は標準治療に抵抗性の中等症~重症AD連続患者6例で、トファシチニブによる治療を行い、効果をSCORAD(Scoring Atopic Dermatitis)indexにて評価した。 主な結果は以下のとおり。・全例において、皮膚炎のある体表面積の減少、ならびに紅斑・浮腫・苔癬化・擦過傷の軽減が観察された。・8~29週の治療によりSCORADは36.5から12.2へ66.6%減少した(P<0.05)。・有害事象はみられなかった。

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アトピーに伴う網膜剥離、近年は減少傾向に

 アトピー性皮膚炎(AD)の眼合併症には眼瞼炎、角結膜炎、円錐角膜、虹彩炎、白内障、網膜剥離などがあるが、なかでも網膜剥離は若年者に及ぼす影響が大きい。三重大学の佐宗 幹夫氏らは過去20年におけるAD合併網膜剥離について調査した。その結果、最近10年間でAD合併網膜剥離の患者数は顕著に減少していることを明らかにした。著者は「ADに伴う網膜剥離を予防するためには皮膚炎の管理が重要であることが示唆される」とまとめている。Clinical Ophthalmology誌オンライン版2015年6月23日号の掲載報告。 研究グループは、AD合併網膜剥離の患者数や特徴などを検討することを目的として、1992~2011年の間に三重大学病院で網膜剥離手術を行った連続1,533例(AD合併網膜剥離手術例101例を含む)についてレトロスペクティブに分析した。また、1993年~2011年(1998年を除く)における同院皮膚科の初診AD患者のカルテも調査した。 AD合併網膜剥離患者は、1992~2001年の症例を旧AD群(63例)、2002~2011年の症例を新AD群(38例)とした。主な結果は以下のとおり。・両側網膜剥離の割合は、旧AD群(14/63例)が新AD群(0/38例)より有意に高率であった(p=0.0002)。・新AD群の患者は、旧AD群より有意に年齢が高かった(p=0.0084)。・非AD網膜剥離患者の年間患者は20年間ほぼ変わらなかった。・全網膜剥離患者におけるAD合併網膜剥離患者の割合は、新AD群(38/847例)が旧AD群(63/796例)より有意に低かった(p=0.0038)。・初診AD患者数は、1993年153例から2011年65例へ、19年間でほぼ直線的に減少していた。

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アトピー乳児、喘息発症リスクが高いのは?

  アトピー性皮膚炎(AD)は喘息や他のアトピー性疾患に先行して発症することが知られる。“アレルギーマーチ”と呼ばれるこれらの発症順序は必ずしも決まっておらず、乳幼児が喘息を発症するリスクについて取り組んだ研究は少ない。フランス・パリ公立アルマン・トゥルソー小児病院のFlore Amat氏らは、生後12ヵ月未満のAD患者を6歳まで追跡したObservatory of Respiratory risks linked with Cutaneous Atopy(ORCA)研究データを解析し、早期発症AD乳児において複数感作あるいは喘息家族歴を認める場合は、幼児期に喘息の発症リスクが高いことを明らかにした。PLoS One誌オンライン版2015年6月24日号の掲載報告。 研究グループは、喘息に発展する恐れのある早期発症ADの表現型を特定することを目的に、ORCA研究に登録された乳児214例についてクラスター分析を行った。  ORCA研究は、皮膚科医によりADと確定診断され、喘鳴の既往がない生後12ヵ月未満の乳児を6歳まで追跡し、AD、アレルギーおよび喘息について毎年調査した研究である。 主な結果は以下のとおり。・次の3つのクラスターが同定された。・クラスター1は「低感作AD群」(94例)。食物または空気アレルゲンへの感作なし~低度(それぞれ27.7%および10.6%)、AD重症度は中等度(SCORAD 25.29±14.6)。・クラスター2は「複数感作AD群」(84例)。AD重症度が高く(SCORAD 32.66±16.6)、食物または空気アレルゲンへの感作も高く(それぞれ98.6%および26.2%)、複数の食物アレルゲンに感作されている(96.4%)。・クラスター3は「喘息家族歴があるAD群」(36例)。親が喘息の既往歴を有し、AD重症度は中等度(SCORAD 24.46±15.7)、食物アレルゲン(1つ)への感作は中等度(38.9%)、空気アレルゲンへの感作はない。・6歳時点で喘息に罹患していた小児の割合は、クラスター1(14.9%)に比べてクラスター2および3で高かった(それぞれ36.1%および33.3%、p<0.01)。

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事例60 在宅自己注射指導管理料(アナフィラキシー)の査定【斬らレセプト】

解説事例では、エピペン®ならびにC101在宅自己注射指導管理料が、A事由(医学的に適応と認められないもの: 病名不足)にて査定となった。カルテを見ると「患者は小学生、複数回の蕁麻疹の既往、4月にはアナフィラキシー発現で他院を受診、RAST検査で牛肉がクラス6であったと、家族が患者を伴い、診療情報提供書を持参して来院、アドレナリン注射による救命措置があることを伝えて緊急時の注射方法を指導して処方した」と記載されていた。病名欄にアナフィラキシーの記載はなかった。同指導管理料の留意事項には、「アドレナリン製剤については、蜂毒、食物及び毒物等に起因するアナフィラキシーの既往のある患者(中略)に対して、定量自動注射器を緊急補助的治療として用いた場合に限り算定する」とあり、アナフィラキシーの病名が必要であることがわかる。医師と算定者双方には「蕁麻疹のみでは算定対象とならない」ことを申し伝えた。

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小児アトピーへのpimecrolimus、がんリスク増大せず

 米国FDAにより、「アトピー性皮膚炎への外用pimecrolimus(国内未承認)の使用は悪性腫瘍リスクと関連する可能性がある」と黒枠警告されている。米国・ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院のDavid J. Margolis氏らは、2万5,000人年超をベースとした市販後調査コホートにおける同リスクの評価を行い、統計的にがんリスク増大との有意な関連はみられなかったことを報告した。JAMA Dermatology誌2015年6月1日号の掲載報告。 黒枠警告の掲示は、アトピー性皮膚炎への外用pimecrolimus使用に関して、臓器移植における経口カルシニューリン阻害薬使用と類似しており、リンパ腫および皮膚悪性腫瘍などの報告があるためとしている。 研究グループは、市販後調査コホートを対象に外用pimecrolimusに曝露された小児の悪性腫瘍リスクを評価した。具体的には、対象者は全米から小児を登録して行われている現在進行中の長期コホート試験Pediatric Eczema Elective Registry(PEER)の参加者で、アトピー性皮膚炎の病歴および外用pimecrolimus使用歴を有している。2014年5月時点で入手したデータを評価した。 PEER参加者における悪性腫瘍の発生報告と、Surveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)プログラムにおける期待値を比較した。 主な結果は以下のとおり。・全体で、PEER試験に登録された小児は7,457例、総計2万6,792人年のデータが入手できた。・小児の試験登録時の外用pimecrolimusの使用量は、平均(SD)793(1,356)gであった。・2014年5月現在、報告された悪性腫瘍は5例であった。・内訳は、白血病2例、骨肉腫1例、リンパ腫2例で、皮膚がんの報告例はなかった。・年齢標準化SEER集団に基づく全悪性腫瘍の標準化発生比(主要アウトカム)は、1.2(95%信頼区間[CI]:0.5~2.8)であった。・副次解析の各悪性腫瘍の標準化発生比(それぞれ2例に基づく)、リンパ腫2.9(95%CI:0.7~11.7)、白血病2.0(同:0.5~8.2)であった。・これらの所見はいずれも、統計的に有意ではなかった。・結果を踏まえて著者は、「2万5,000人年超PEERコホートの追跡調査に基づき、アトピー性皮膚炎治療のために使用された外用pimecrolimusと、悪性腫瘍のリスク増大は関連していないようである」とまとめている。

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抗真菌活性を有する新たなピーナッツアレルゲンを同定

 ピーナッツは、最も危険な食物アレルギーの原因の1つで、未知のアレルゲンが親油性マトリックスの中にまだ隠されている。ピーナッツアレルギー患者がアレルギーを起こすリスクを推定し診断法を改善するためには、こうしたアレルゲンを発見する必要がある。ドイツ・ボルステル研究所のArnd Petersen氏らは、この問題に取り組み、新しいピーナッツアレルゲン(Ara h 12およびAra h 13)として、とくに重度ピーナッツアレルギー患者のIgEと反応するディフェンシンを同定した。このディフェンシンは、抗細菌活性ではなく抗真菌活性を有することが明らかとなった。Journal of Allergy and Clinical Immunology誌オンライン版2015年5月30日号の掲載報告。 研究グループは、ローストしたピーナッツの親油性抽出物から2次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)ならびにクロマトグラフィー法を用いて低分子量成分を分離するとともに、ピーナッツアレルギー患者の血清を用いてSDS-PAGEおよび免疫ブロット法を行い、アレルゲンタンパク質を検出した。 タンパク質シークエンシング、相同性検索および質量分析によりアレルゲンを同定し、好塩基球活性化試験を用いてアレルギー誘発性を、各種細菌および真菌の阻害試験により抗菌活性を評価した。 主な結果は以下のとおり。・クロロホルム/メタノールで抽出後、疎水性クロマトグラフィーの流出液中に12、11および10kDaのIgE反応性タンパク質が検出された。・検出されたタンパク質は、ピーナッツアレルギー患者の好塩基球を活性化した。・EST(expressed sequence tag)データベースを用いて検索した結果、アレルゲンはピーナッツ-ディフェンシンと同定され、質量分析にて確認された。・ピーナッツ-ディフェンシンは、クラドスポリウム属およびアルテルナリア属の糸状菌株に対して阻害活性を示したが、抗細菌活性はなかった。

430.

アトピー性皮膚炎は皮膚リンパ腫のリスク因子?

 アトピー性皮膚炎(AD)患者におけるリンパ腫のリスク増加について議論となっている。フランス・ポール サバティエ大学のLaureline Legendre氏らは、AD患者のリンパ腫リスクと局所治療の影響を検討する目的でシステマティックレビューを行い、AD患者ではリンパ腫のリスクがわずかに増加していることを明らかにした。ADの重症度が有意なリスク因子であった。この結果について著者は「重度ADと皮膚T細胞性リンパ腫の混同がリンパ腫リスクの増加の一因となっている可能性がある」と指摘したうえで、「局所ステロイド薬および局所カルシニューリン阻害薬が重大な影響を及ぼすことはなさそうだ」とまとめている。Journal of the American Academy of Dermatology誌2015年6月号(オンライン版2015年4月1日号)の掲載報告。 研究グループは、症例対照研究とコホート研究について、系統的な文献検索とメタ解析を行った。 主な結果は以下のとおり。・検索で得られた論文3,979本中、基準を満たした24本が本レビューに組み込まれた。・コホート研究では、リンパ腫のリスクがわずかに増加していた(相対リスク:1.43、95%信頼区間[CI]:1.12~1.81)。・症例対照研究では、リンパ腫の有意なリスク増加はみられなかった(オッズ比:1.18、95%CI:0.94~1.47)。・ADの重症度は、リンパ腫の有意なリスク因子であった。・非常に強力な局所ステロイド薬は、リンパ腫のリスク増加と関連していた。・局所カルシニューリン阻害薬については、1論文でタクロリムスと皮膚リンパ腫との有意な関連が報告された。

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ヒトとペット類の花粉症、類似点と相違点

 オーストリア・ウィーン大学のErika Jensen-Jarolim氏らは、ヒト、イヌ、ネコおよびウマのアレルギーに関する論文についてレビューし、これらにおけるトランスレーショナル研究が動物のアレルギーの治療に役立つと同時に、ヒトに関連する知識の収集にも役立つことを報告した。著者は、「自然発症アレルギーを有するイヌ、ネコおよびウマはトランスレーショナル研究の魅力的なモデル患者であることが示唆された」とまとめている。Clinical and Translational Allergy誌オンライン版2015年4月7日号の掲載報告。 研究グループは、ヒト、イヌ、ネコ、ウマの花粉症について、相違点と類似点を検討した。 主な概要は以下のとおり。・ヒトおよびヒトの大切なペットや家畜はともに、IgEおよび類似IgE受容体のレパートリーと発現パターンを保有している。・また同じ細胞型がアレルギーの誘発または調節(たとえば肥満細胞、好酸球または制御性T細胞)に関係している。・イヌ、ネコおよびウマは、花粉アレルゲンへの即時型症状を自発的かつ異なる程度で発症する可能性がある。・これらにおける花粉による皮膚、鼻および気管支症状、ならびに慢性皮膚病変は、ヒトとおおむね類似している。・さまざまな種の花粉は、ヒトにおいては多くの場合アレルギー性鼻炎を引き起こすが、イヌにおいては主に湿疹様病変(イヌのアトピー性皮膚炎)を、ウマにおいては再発性気道閉塞、蕁麻疹、そう痒性皮膚炎を、ネコにおいては気管支喘息と皮膚症状(好酸球性肉芽腫症候群、頭頸部そう痒症、対称性の自己誘発性脱毛症)を誘発する。・ヒトにおいて、アレルギー特異的IgE検出、皮膚テストまたは他のアレルゲン誘発試験はすべて行われる。・対照的に動物において、IgE検出と皮膚テストの重要性は同等と考えられており、それぞれが他方にとって代わることがある。しかしながら、実用的および経済的な理由で、皮内テストが最も一般的に行われている。・ヒトと同様、イヌ、ネコおよびウマにおいても、アレルゲン免疫療法は臨床症状を有意に改善する。

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肺炎球菌ワクチン 接種間隔はどのくらい?

 インフルエンザの時期が過ぎ、花粉症の季節となった。一般的に肺炎は冬に多いが、高齢者の肺炎リスクは年間を通じて高いため、引き続き注意が必要である。先日、本サイトに高齢者肺炎に関する記事を掲載したところ、大きな反響があった。 肺炎の原因である肺炎球菌感染症の予防には、ワクチン接種が有効である。昨年(2014年)10月より、従来使用されてきた23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23)の65歳以上の成人を対象とした定期接種が開始となった。また、同年6月から13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)が、65歳以上の成人に適応拡大になった。そのため、2種類のワクチンをどのように使い分けるか、併用接種する場合はどのような接種間隔が適切かなどを判断していく必要が生じている。そこで、今回は肺炎球菌ワクチンの接種間隔にフォーカスして、基本的な考え方を紹介する。 PPSV23とPCV13の接種間隔に関する考え方は、以下のとおり(図)1)。(1)PPSV23単剤で使用する:5年以上間隔を空けて接種する(2)PPSV23とPCV13を併用する:  (I)PPSV23を先に接種し、その後PCV13を接種する場合:1年以上間隔を空けて接種する  (II)PCV13を先に接種し、その後PPSV23を接種する場合:6ヵ月~4年以内に接種する図画像を拡大する 肺炎球菌ワクチンの接種によってすべての肺炎を予防できるわけではないが、リスクを小さくすることができる。ワクチン接種対象者の年齢や基礎疾患、経済的な負担を考慮したうえで適切なワクチンを選択し、適正に使用していくことが求められる。【参考】1)日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討 WG 委員会/日本感染症学会ワクチン委員会・合同委員会.65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方.日本感染症学会(参照 2015.4.17)

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黄砂はスギ花粉症の症状に影響するのか

 黄砂は、スギ花粉のシーズン中における鼻および眼のアレルギー症状に影響を及ぼさないことが、真生会富山病院の扇和 弘氏らによる研究で明らかになった。黄砂は、スギ花粉のシーズン前にくしゃみや鼻水、シーズン後に結膜炎の症状を誘発したが、スギ花粉シーズン中のアレルギー症状に対する悪影響は観察されなかった。Auris nasus larynx誌2014年12月号の報告。 黄砂は、モンゴルや中国の砂漠の砂塵が強風によって舞い上がって広範囲に飛散し、東アジアの人々に喘息や心臓病やアレルギー性疾患など健康への悪影響をもたらすことが明らかになっている。しかし、日本のスギ花粉によって引き起こされる花粉症患者における黄砂の影響は不明なままである。そのため本研究では、花粉症患者に対する黄砂の影響を調査した。 花粉症患者41例に鼻および眼のアレルギー症状スコアを毎日記録してもらい、スギ花粉シーズン中とシーズン前後における黄砂イベントの影響を評価した。 主な結果は以下のとおり。・黄砂イベントは、スギ花粉のシーズン中における鼻および眼のアレルギー症状に影響を及ぼさなかった。・くしゃみや鼻水のスコアは、スギ花粉シーズン前の黄砂イベントで有意に増加した。・眼症状スコアは、スギ花粉シーズン後の黄砂イベントで有意に増加した。

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ピメクロリムス、乳幼児アトピーの第1選択に?

 アトピー性皮膚炎(AD)は主に乳幼児に発症する。しばしば局所ステロイド薬が処方されるが、副作用に対する懸念のためコンプライアンス不良となることが多く、非ステロイド薬が必要となる。アイスランド大学のBardur Sigurgeirsson氏らは、5年間の長期大規模非盲検試験を行い、ピメクロリムス1%クリーム(PIM、国内未承認)および局所ステロイド薬はいずれも安全で長期治療による免疫系への影響はなく、局所ステロイド薬の使用量を減少させることを示した。著者らは、「PIMは局所ステロイド薬と同程度に有効で、軽~中等症のAD乳幼児に対する第一選択の治療薬となりうることを支持する結果である」とまとめている。Pediatrics誌オンライン版2015年3月23日号の掲載報告。 軽~中等症のAD乳児2,418例を対象に検討した。PIM+増悪時の局所ステロイド薬短期併用(PIM)群(1,205例)または局所ステロイド薬群(1,213例)に無作為化し、5年間治療した。 主要評価項目は安全性とし、副次的評価項目は長期有効性であった。治療成功は、治験責任医師による皮膚症状の重症度の全般評価(Investigator's Global Assessment:IGA)スコアが0(寛解)または1(ほぼ寛解)と定義した。 主な結果は以下のとおり。・PIM群および局所ステロイド薬(TCS)群は、いずれも速やかに効果が発現し、3週までに治療成功率は50%を超えた。・5年後の治療成功率(IGAで評価)は、全体で85%超(PIM群88.7%、TCS群92.3%)、顔で95%(同:96.6%、97.2%)であった。・PIM群ではTCS群と比較し、局所ステロイド薬の使用日数が非常に少なかった(7 vs. 178日)。・有害事象のプロファイルおよび発現頻度は両群で類似しており、液性あるいは細胞性免疫機能障害の所見は認められなかった。

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~プライマリ・ケアの疑問~  Dr.前野のスペシャリストにQ!【呼吸器編】

第1回 気管支喘息治療のスタンダードは? 第2回 吸入ステロイドを使い分けるポイントは? 第3回 気管支喘息で経口ステロイドはどう使う? 第4回 風邪症状から肺炎を疑うポイントは?第5回 呼吸器感染症の迅速診断は臨床で使える?第6回 肺炎のempiric therapyの考え方とは?第7回 COPDの薬物療法は何から始める?第8回 呼吸リハビリテーション、プライマリ・ケアでできることは?第9回 在宅酸素療法の基本的な考え方は?第10回 慢性咳嗽の原因疾患を鑑別する方法は?第11回 アトピー咳嗽と咳喘息、どう見分ける?第12回 成人の百日咳、鑑別と検査のポイントは?第13回 結核の発見と対応のポイントは?第14回 肺塞栓を疑うポイントは?第15回 肺の聴診のコツは? 日常診療におけるジェネラリストの素朴な疑問に一問一答で回答するQ&A番組!気管支喘息や肺炎、COPDなどの実臨床でよく見る呼吸器疾患の診察、検査、治療に関する15の質問を、番組MCの前野哲博先生が経験豊富なスペシャリスト・長尾大志先生にぶつけます!第1回 気管支喘息治療のスタンダードは? プライマリ・ケアで扱うことも多い気管支喘息。寛解への近道は継続した投薬です。そのため、患者のアドヒアランスを高めることも治療のキーポイント。治療の原則と併せて、最も効果がある処方例をズバリお教えいたします!第2回 吸入ステロイドを使い分けるポイントは? 吸入ステロイドは気管支喘息治療薬のスタンダードですが、その剤形やデバイスは年を追うごとに進歩しています。かつて主流だったMDIと、近年数多く発売されているDPI。それぞれの特徴と使い分けをズバリお教えいたします。また、気管支喘息治療でよく使用されるDPI合剤の使い分けについても伝授。吸入ステロイドの選択はこの番組でばっちりです!第3回 気管支喘息で経口ステロイドはどう使う?気管支喘息治療では発作時の対処も重要なポイント。発作止めとしてよく使用する経口ステロイドですが、怖いものと思って、おそるおそる使っては効果も半減してしまいます。今回は、効果的に使用するために重要な投与量と中止のタイミングをズバリ解説。救急での受診後に処方する場合など発作時以外の使い方も併せてレクチャーします。第4回 風邪症状から肺炎を疑うポイントは?風邪はプライマリ・ケアで最もよく見る症状のひとつ。風邪症状から肺炎を見逃さないために、風邪の定義、そして風邪をこじらせた場合、初めから肺炎だった場合など、様々なシュチエーションに応じた見分け方のコツをズバリお教えします。第5回 呼吸器感染症の迅速診断は臨床で使える?インフルエンザに迅速診断は必要?肺炎を疑う場合に使うのはどの検査?信頼性は?迅速診断に関する疑問にズバリお答えします。マイコプラズマ、尿中肺炎球菌、レジオネラ菌。それぞれの原因微生物ごとの迅速診断の特徴やキットの使い勝手など実臨床に役立つ情報をお届けします。第6回 肺炎のempiric therapyの考え方とは?肺炎だけど起炎菌が同定できない!そんなときに行うのがempiric therapyです。今回はプライマリ・ケアで多い市中肺炎に焦点をあてて、empiric thearpyの進め方を解説します。その際、最も重要なのは肺炎球菌なのかマイコプラズマなのか予想すること。この2つを見分けるポイントと、またそれぞれに適した薬剤をズバリお教えします。第7回 COPDの薬物療法は何から始める?急激に患者数が増加するCOPD。2013年にガイドラインが改訂され、第1選択薬に抗コリン薬とβ2刺激薬が併記されました。でも実際に専門医はファーストチョイスにどちらを使っているのか?抗コリン薬が使えない場合はどうする?喀痰調整薬ってどんな患者に有用?COPDの薬物療法についてズバリお答えします。第8回 呼吸リハビリテーション、プライマリ・ケアでできることは?COPD治療に必要な呼吸リハビリテーション。専門の機械や人員のいないプライマリ・ケアでもできることはあるの?答えはYES!と長尾先生は断言します。専門病院のような細かいプログラムは不要。しかもプライマリ・ケア医の強みを活かせる指導なのです。第9回 在宅酸素療法の基本的な考え方は?専門病院で導入された在宅酸素療法。どういうときならプライマリ・ケア医の判断で酸素量を増やしてもいいの?SpO2の管理目標値はどのくらい?嫌がる患者さんに在宅酸素を継続してもらうコツはある?などの疑問にズバリ答えます!第10回 慢性咳嗽の原因疾患を鑑別する方法は?長引く咳を主訴に来院する患者さん、最も多い感染後咳嗽を除外したあとに残るのは慢性咳嗽です。慢性咳嗽の原因疾患は、副鼻腔炎、後鼻漏、胃食道逆流、咳喘息と多彩。これらをどのように鑑別するのか?ズバリそのキーポイントは喀痰のありなしなのです!今回の講義ではすぐに使える鑑別のノウハウをレクチャーします。第11回 アトピー咳嗽と咳喘息、どう見分ける?慢性咳嗽の代表的な鑑別疾患である、咳喘息とアトピー咳嗽。この2つはどう違うの?アトピー咳嗽という言葉はよく耳にするけれど、実は慢性咳嗽の半数は咳喘息なのだそう。今回は両者の違いを端的に解説。咳喘息の特徴的な症状や診断と治療を兼ねた処方例まで網羅します。第12回 成人の百日咳、鑑別と検査のポイントは?百日咳は近年、成人の罹患率が高まり、受診する患者も増えてきました。成人では特徴的な症状が見られにくく、診断ができるころには治療のタイミングを逸しているのも診療の難しいところ。今回はそんな百日咳の鑑別のコツや検査をすべき対象について、ズバリお教えいたします!第13回 結核の発見と対応のポイントは?再興感染症とも言われる結核。早期の発見治療にはプライマリケアでの対応が重要です。今回は特徴的な感染徴候やリスク因子をレクチャー。検査はクオンティフェロンと喀痰検査どちらがいい?周囲に感染者が出たと心配する患者さんにどう対応したらいい?などの質問にもズバリお答えいたします!第14回 肺塞栓を疑うポイントは?いち早く発見したい肺塞栓症。確定診断までの流れなどのベーシックな知識はもちろん、造影CTやDダイマーなどの検査ができないときでも肺塞栓を除外できる条件をズバリお教えします!第15回 肺の聴診のコツは?肺の聴診は基本的な手技。どうやってカルテに書いたら伝わりやすい?今回は代表的な4つの肺雑音の特徴とカルテの記載方法をレクチャーします。連続性か断続性か、高音か低音かなど、聞き分けるコツと、その機序も併せて解説。仕組みの講義で病態生理の理解も深まること間違いありません!

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母親のFLG変異が、子のアトピーのリスクを高める

 疫学研究から、アレルギーのリスクはインプリンティング(遺伝子刷り込み)により母親から子へ遺伝することが示唆されている。アトピー性皮膚炎(AD)は、フィラグリン遺伝子(FLG)の機能喪失型変異による皮膚バリア機能の欠乏に起因する可能性が知られているが、ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のJorge Esparza-Gordillo氏らは、FLG突然変異の遺伝から独立して母親の遺伝子型の影響がみられることを明らかにした。母親における突然変異誘導性の全身免疫応答が、子のADリスクに影響している可能性を示唆している。PLoS Genetics誌2015年3月10日の掲載報告。 研究グループは、欧州における2つの家族研究(759家族および450家族)の検体を用い、欧州で最も一般的な4つのFLG突然変異(c.2282del4、p.R501X、p.R2447X、p.S3247X)について分析した。 主な結果は以下のとおり。・2つの独立した家族研究の両方において、4つのFLG突然変異のすべてについて、ADにおけるFLG遺伝の既知の役割を超える強力な母性FLG遺伝子型の影響が観察された。・全体としてFLG変異を保有している母親の子供は、ADのリスクが1.5倍に増加した。・FLG母性の影響は、母親がアレルギー感作を有する場合(アレルゲン特異的IgE抗体の血漿中濃度の上昇)のみ観察された。・母性の影響は、最近、ゲノムワイド関連解析により同定されたADで最も頻度が高い遺伝的リスク因子より強力であった。

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事例45 レボフロキサシン(商品名: クラビット)点眼液の査定【斬らレセプト】

解説事例では、レボフロキサシン(クラビット®)点眼液を外用投与したところA事由(医学的に適応と認められないもの)を理由に査定となった。「全身アトピー性皮膚炎であり、同皮膚炎による眼瞼部の炎症に対して処方したが、なぜ査定となったのか」と問い合わせがあった。同点眼液の添付文書を見てみる。適応症に、「眼瞼炎、涙嚢炎、麦粒腫、結膜炎、瞼板腺炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼科周術期の無菌化療法」とある。薬効は広範囲抗菌点眼薬に分類される。感染が明らかか、著しく疑われる傷病名の記載が必要な薬剤である。全身アトピー性皮膚炎の病名では、炎症はあるが感染を来しているかの判断はできない。また、保険診療では予防投与はできない。したがって、適応外使用もしくは不適当使用と判断されて査定となったものであろう。このことを説明し、必要を認めて投与した場合には、全身アトピー性皮膚炎の他に感染性眼瞼炎などの感染が読みとれる傷病名もしくはコメントを付与していただくようにお願いした。

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薬剤性アナフィラキシー

概説 アナフィラキシーのtrigger(誘因)は蜂毒、食物、薬剤、運動など多彩であり、頻度が最も高いものは食物である。それに対し、アナフィラキシーによる死亡例に限ると、最も多い誘因は薬剤である。薬剤がアナフィラキシーを起こす場合には、投与直後から症状を生じ重症化しやすい(誘因に曝露されてから速やかにアナフィラキシーを発症するほど、重症化しやすいという一般的傾向がある)ということに加えて、過去に既往がなく不意打ちの形で生じるため、アドレナリン自己注射薬を携帯していないことがほとんどであるという特徴がある。 欧米の疫学調査においても、薬剤性アナフィラキシーによる死亡例は漸増傾向にあり、これは、世界的に薬剤が多様化し、薬剤総数が増加の一途をたどっていることが背景に挙げられている。薬剤によりアナフィラキシーを起こさないのは水と塩分くらいのものであり、われわれが処方する薬剤や日常の処置で曝露される物質(薬剤としては認識されない、皮膚消毒液、ラテックス、器具の消毒薬の残留にも配慮する)は無数に存在する。常識的なことであるが、必要性が曖昧な処置は行わない・薬剤は投与しないことが基本姿勢として重要である。 発症機序と分類 IgEが関与するI型反応が典型的であるが、X線造影剤やNSAIDsなどはIgEが通常関与することなくアナフィラキシーを起こす。従来は、前者(IgEが関与するもの)をアナフィラキシー、後者(IgEが関与しないもの)をアナフィラキシー様反応(anaphylactoid reaction)と呼んだが、世界的な趨勢で両者ともアナフィラキシーと呼ばれるようになってきており、日本アレルギー学会の「アナフィラキシーガイドライン1)」でもこの立場をとっている。今でもアナフィラキシーとアナフィラキシー様反応に区別する方法が用いられることはあるが、将来的にはアナフィラキシーの診断名の下でアレルギー性(IgEが関与するもの・IgE以外の免疫機構が関与するものに分けられる)、非アレルギー性に大別される方向に向かうと考えられる。 たとえば、ペニシリンとNSAIDを内服してアナフィラキシーを発症した場合、従来はアナフィラキシー(様)反応とまず診断し、後日の精査で原因がペニシリンであればアナフィラキシー、NSAIDであればアナフィラキシー様反応と診断名を書き換えていたが、「様反応」を用いないことにしておけば、救急診療で付けられたアナフィラキシーの診断名は、後日原因薬が特定されても書き換えられることなく、踏襲されていくことになる。 診療上の注意点アナフィラキシー発症時は、原因の可能性がある薬剤の中止(たとえば、点滴投与中の抗菌薬を中止し、薬剤を含まない輸液に変更する)とアドレナリン筋注を行い、循環と呼吸の状態を把握する。アナフィラキシーから回復後、あるいは既往を有する患者に対しては、再発を回避するよう、適切な指導を行う。「アナフィラキシーガイドライン」では誘因となる医薬品として、抗菌薬、解熱鎮痛薬(NSAIDs等)、抗腫瘍薬、局所麻酔薬、筋弛緩薬、造影剤、輸血等、生物学的製剤、アレルゲン免疫療法を挙げ、これらによるアナフィラキシーの特徴を簡潔に述べるとともに、手術中に生ずるアナフィラキシーの主な誘因(とくに筋弛緩薬、抗菌薬、ラテックス)にも触れているので、それらに関してはガイドラインを参照されたい。実地診療に当たっておられる先生方に留意していただきたいこととしては、以下のものが挙げられる。 内服薬を誘因とするアナフィラキシーについては、複数薬剤が誘因に挙げられ、病歴だけでは特定に至らないことが多い。また、食後に内服した場合、食事内容が誘因である可能性も念頭に置く必要がある。 医療処置に伴ってアナフィラキシーを発症した場合には、ラテックスが原因候補の1つに挙げられることが多い。ラテックスおよび交差反応性のあるシラカンバ、ハンノキ花粉の特異的IgEは、どの医師においても測定が可能であり参考になる(診断が確定するわけではないが)。 アナフィラキシーの発症前に投与された薬剤、摂取した食品と摂取時刻、症状の経過を、詳細に患者に記録しておいていただくことが重要。この情報は誘因の特定に大変に役立つ。 誘因の特定や安全に使用可能な薬剤の選定、あえて誘因となった薬剤を使わざるを得ない(脱感作が必要)といった場面では、ぜひアレルギー専門医に紹介いただきたい。アレルギー専門医にとって薬剤アレルギーへの対応は時間と労力を要するのだが、薬剤性アナフィラキシーは患者のQOLのためにも、生命予後のためにも重要な疾患であることは昔から一貫している。なお、薬剤を用いた即時型皮膚反応検査(プリックテストや皮内テスト)は、IgEが関与する反応において有用性が高いが、アナフィラキシーを起こした患者に不用意に行うとアナフィラキシーを誘発する可能性があるため、外来ですぐに施行できるわけではないことをご承知おきいただきたい。1)日本アレルギー学会監修.Anaphylaxis対策特別委員会編.アナフィラキシーガイドライン.日本アレルギー学会;2014.

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