サイト内検索|page:51

検索結果 合計:2009件 表示位置:1001 - 1020

1002.

EGFR陽性肺がん1次治療のオシメルチニブ・ゲフィチニブ併用は有望な可能性/ASCO2020

 EGFR変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対するオシメルチニブとゲフィチニブの併用療法は忍容性があり、奏効率も高く1次治療として有望な可能性があるという報告が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で米国・Dana-Farber Cancer InstituteのJulia K. Rotow氏から発表された。本試験は、用量漸増相と拡大相からなる第I/II相試験である。・対象:未治療のEGFR変異(L858Rまたはdel19)を有するStage IVのNSCLC症例(T790M変異症例とコントロールのできない脳転移症例は不適格)・介入:用量漸増相では、オシメルチニブ40mgまたは80mg/日とゲフィチニブ250mg/日を連日投与。拡大相では、オシメルチニブ80mg/日とゲフィチニブ250mg/日を連日投与・評価項目:[主要評価項目]忍容性(28日間を1サイクルとして6サイクル以上実施できること)[副次的評価項目]Grade 3~5の治療関連有害事象、奏効率、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、血漿中EGFR変異(cfDNAによる)の消失、病勢進行時における遺伝子変異 主な結果は以下の通り。・2017年3月~2019年7月までに36例が登録され、27例が主要評価項目の解析対象となった。また、cfDNAの解析対象は26例であった。・27例の患者背景は、年齢中央値60歳、白色人種81%、アジア人種15%、脳転移あり59%であった。・主要評価項目である6サイクル以上の併用投与が実施できた症例は22例/81.5% (95%CI:63.3~91.8)であった。有害事象のため投与が中止された症例はゲフィチニブで8例/29.6%、オシメルチニブで1例/3.7%であった。・Grade 3以上の有害事象は、下痢11.1%、ALT上昇7.4%、皮疹3.7%、LVEF値低下3.7%などであった。Grade 4以上の有害事象報告はなかった。・奏効率は88.9%で、CR例はなかった。病勢安定(SD)11.1%を含む病勢コントロール率は100%であった。・血漿中(cfDNA)のEGFR変異の変化をデジタルPCRで解析したところ、ベースラインで65%のEGFR変異が検出されたが、治療開始2週間後時点では12%の検出と低下した。・観察期間中央値15.3ヵ月時点でのPFS中央値(十分な追跡ではない推定P値)は22.5ヵ月(95%CI:16.5~NE)であった。 演者は最後に「今後出てくるであろうPFSとOSのデータが、1次治療としてのEGFR-TKIの併用投与の意義を明らかにするだろう」と述べている。

1004.

ALK陽性肺がん1次治療におけるアレクチニブの5年OS(ALEX)/ASCO2020

 未治療の進行ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるアレクチニブ(ALC)とクリゾチニブ(CRZ)の無作為化第III相ALEX研究から、5年間の全生存期間(OS)データが、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で、Solange Peters氏より報告された。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値はALC群48.2ヵ月、CRZ群23.3ヵ月であった。 ・データカットオフ(2019年11月29日)時点で、ALC群のOS中央値は依然として未達、CRZ群では57.4ヵ月であった(HR:0.67、95%CI:0.46〜0.98、p=0.0376)。 ・5年生存率は、ALC群62.5%に対し、CRZ群では45.5%であった。・他のALK-TKIへの後治療は、ALC群では38.1%、CRZ群では53.5%で発生した。ALC群では、主にロルラチニブとクリゾチニブ、CRZ群では主にセリチニブ、アレクチニブであった。 ・更新データでも新たな安全性シグナルは観察されなかった。 発表者らは、第2世代ALK-TKIが、ALK陽性NSCLCの国際的研究で臨床的に意味のあるOSの改善を初めて示したが、OSデータは未達であり、より長い追跡が必要だと述べた。

1005.

トラスツズマブ デルクステカン、HER2変異陽性肺がんに有望な結果示す(DESTINY-Lung01)/ASCO2020

 トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は、抗HER2抗体およびトポイソメラーゼI阻害薬の抗体薬物複合体である。 DESTINY-Lung01(NCT03505710)は、HER2過剰発現またはHER2遺伝子変異陽性の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)におけるT-DXdの多施設共同マルチコホートの第II相試験で現在進行中である。 米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)では、HER2変異患者に対する、追跡期間中央値8.0ヵ月の中間解析の結果が報告された。・対象:難治・再発で転移のある非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)。HER2発現またはHER2変異陽性で、pan-HER阻害薬を除くHER2標的療法未治療 42例(女性64.3%)[コホート1]HER2過剰発現患者[コホート2]HER2遺伝子変異陽性患者・介入:T-DXd 6.4mg/kg 3週間ごと投与・評価項目:[主要評価項目]独立中央委員会(ICR)評価による全奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・患者の年齢中央値は63.0歳。ECOG PSは0〜1。45.2%は中枢神経系転移があった。・HER2変異の90.5%はキナーゼドメインであった。・前治療ラインの中央値は2で、90.5%がプラチナベース化学療法を、54.8%がPD-(L)1阻害薬の治療を受けていた。・ ICR評価のORRは61.9%、疾患制御率は90.5%(CR:1例2.4%、PR:25例59.5%、SD:12例28.6%)であった。・追跡期間中央値8.0ヵ月の推定PFS中央値は14.0ヵ月、全生存期間(OS)は未到達であった。・治療関連有害事象(TEAE)の発現は100%(42例中42例)であったが、多くはGrade1/2であった。Grade3以上のTEAE発現は 64.3%(薬物関連は52.4%)で、頻度の高いものは好中球数減少、貧血などであった。間質性肺疾患(ILD)の発現は5例(11.9%)で、すべてGrade2であった。  この中間解析において、T-DXdは、重度の治療歴のあるHER2変異NSCLC患者に対して、高いORRと持続的効果を示す有望な臨床効果を示した。安全性プロファイルは、既報のものとおおむね一致していたが、発表者は、ILDについては重要なリスクであり、注意深い観察と管理が必要だとしている。

1006.

EGFR変異陽性NSCLCに対するオシメルチニブのアジュバント(ADAURA)/ASCO2020

 第3世代EGFR-TKIオシメルチニブによる、Stage IB〜IIIA EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法の有効性と安全性を評価する第III相無作為化二重盲検比較試験ADAURAが行われた。この試験は、独立データ監視委員会の勧告に従い、有効性により早期に盲検解除されている。中間解析の結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)において、米国・Roy Herbst氏が報告した。・対象:EGFR変異陽性(ex19del/L858R)のStage IB/II/IIIAの完全切除された非扁平上皮NSCLC患者(術後化学療法は許容)、PS 0〜1・試験群:オシメルチニブ80mg/日 最大3年間治療・対照群:プラセボ・評価項目:[主要評価項目]治験担当医師評価によるStage II/IIIA患者の無病生存期間(DFS)、推定HR=0.70[副次評価項目]全集団のDFS、全生存期間(OS)、安全性、健康関連QOL 主な結果は以下のとおり。・682例が、オシメルチニブ群(n=339)とプラセボ群(n=343)に無作為に割り付けられた。・両群の患者背景はバランスが取れていた。両群とも女性が7割、アジア人が6割、非喫煙者が7割を占めた。病期はStage IB/II/IIIAが均等に分かれていた。・主要評価項目であるStage II/IIIAのDFSはオシメルチニブ群未達に対し、プラセボ群では20.4ヵ月と、オシメルチニブ群で有意に改善した(HR:0.17、95%CI:0.12〜0.23、p<0.0001)。2年DFS率は、オシメルチニブ群90%に対し、プラセボ群は44%であった。・全体集団のDFS中央値は、オシメルチニブ群未達に対し、プラセボ群では28.1ヵ月と、オシメルチニブ群で有意に改善した(HR:0.21、95%CI:0.16〜0.28、p<0.0001)。 2年DFS率は、オシメルチニブ群89%に対し、プラセボ群は53%であった。・病期別のDFSのHRは、Stage IBでは0.50、Stage IIでは0.17、Stage IIIAでは0.12で、病期にかかわらずオシメルチニブ群で良好であった。・(試験前)術後化学療法有無別のDFSのHRは、術後化学療法ありでは0.18、なしでは0.23で、術後化学療法の有無にかかわらずオシメルチニブ群で良好であった。・OS中央値は両群とも未達であった。・オシメルチニブ群のGrade3以上の有害事象発現はオシメルチニブ群で20%、プラセボ群では14%であった。オシメルチニブ群のGrade1/2の間質性肺疾患発現は10例(3%)であった。 Herbst氏は、完全切除後のEGFR変異陽性NSCLC患者に対するオシメルチニブの術後補助療法は、非常に有効性が高く、これらの患者の臨床を変える新たな治療であるとの見解を示した。

1007.

ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法限定追加レジメン、肺がん1次治療でOS改善(CheckMate9LA)/ASCO2020

 PD-L1とCTLA-4阻害薬は補完的に働く。また、PD-L1阻害薬と化学療法の併用は複数の臨床研究で生存ベネフィットが示されている。非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療において、PD-L1阻害薬ニボルマブとCTLA-4阻害薬イピリムマブに2週間の限定化学療法を追加治療を評価する第III相非盲検無作為化試験CheckMate9LAの中間解析の結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)でMartin Reck氏が発表した。・対象:Stage IVまたは再発NSCLC患者、PS0~1・試験群:ニボルマブ360mg 3週ごと+イピリムマブ1mg 6週ごと+組織型別化学療法(シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド+ペメトレキセド維持療法またはカルボプラチン+パクリタキセル)3週ごと2サイクル(NIVO+IPI+Chemo群)・対照群:組織型別化学療法 3週ごと4サイクル(Chemo群)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価のPFS、BICR評価の全奏効率(ORR)、PD-L1発現別抗腫瘍効果 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、NIVO+IPI+Chemo群(361例)とChemo群(358例)に無作為に割り付けられた。・OS中央値はNIVO+IPI+Chemo群14.1ヵ月、Chemo群10.7ヵ月と、NIVO+IPI+Chemo群で有意に改善した(HR:0.69、96.71%CI:0.55~0.87、p=0.0006)。・最低追跡期間12.7ヵ月のアップデートOSの中央値は、NIVO+IPI+Chemo群15.6ヵ月、Chemo群10.9ヵ月であった(HR:0.66、95%CI:0.55~0.80)。・組織別OS中央値のHR比をみると、非扁平上皮がんでは0.69(95%CI:0.55~0.87)、扁平上皮がんでは0.62(95%CI:0.45~0.86)であった。・PD-L1別OS中央値のHR比をみると、PD-L1<1%では0.62(95%CI:0.45~0.85)、PD-L1≧1%では0.64(0.50~0.82)と、PD-L1の発現を問わずNIVO+IPI+Chemo群で良好であった。なお、PD-L1 1~49%では0.61(0.44~0.84)、PD-L1≧50%では0.66(0.44~0.99)であった。・BICR評価のPFS中央値は、NIVO+IPI+Chemo群6.7ヵ月、Chemo群5.0ヵ月であった(HR:0.68、95%CI:0.57~0.82)。・ORRはNIVO+IPI+Chemo群で38%、Chemo群では25%であった。・Grade3/4治療関連有害事象(TRAE)の発現率は、NIVO+IPI+Chemo群47%、Chemo群38%であった。 NIVO+IPI+Chemo群は主要評価項目OSを達成し、より長期の追跡でもOSのさらなる改善がみられた。また、組織型、PD-L1発現を問わず有効性は一貫していた。発表者らは、NIVO+IPI+限定Chemo治療は、進行NSCLCにおける新たな1次治療の選択肢として考慮すべき、との見解を示している。

1008.

切除可能NSCLC、アテゾリズマブ+化学療法は新たな術前治療の選択肢/Lancet Oncol

 切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者の新たな術前補助化学療法として、PD-L1阻害薬アテゾリズマブ+化学療法の有効性と安全性を評価した第II相試験の結果が示された。米国・コロンビア大学のCatherine A. Shu氏らによる多施設共同単群試験で、高い病理学的奏効率が得られ、忍容性も良好であったという。著者は「切除可能NSCLC患者にとってアテゾリズマブ+化学療法は、新たな術前補助化学療法となりうることが示された」と述べている。NSCLCの約25%は切除可能なStageIB~IIIAであり周術期化学療法が標準治療だが、この治療戦略は生存期間をわずかに改善するのみである。一方で免疫チェックポイント阻害薬が転移NSCLCに有効であることから、著者らは本検討を行った。Lancet Oncology誌オンライン版2020年5月7日号掲載の報告。 研究グループは米国の3施設において、切除可能なStageIB~IIIAのNSCLC患者を対象にアテゾリズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル併用による術前化学療法の有効性および安全性を評価する第II相多施設共同単群試験を実施した。 ECOG PSが0~1で喫煙歴を有する18歳以上のStageIB~IIIAのNSCLC患者を登録し、1サイクルを21日間として、アテゾリズマブ1,200mgをDay1に、nab-パクリタキセル(100mg/m2)をDay1、8および15に、カルボプラチン(AUC5)をDay1に投与した。2サイクル後に病勢進行を認めなかった患者に、さらに2サイクル投与し、その後手術を行った。 主要評価項目は、病理学的奏効率(major pathological response)で、手術時の残存腫瘍が10%以下と定義された。 主な結果は以下のとおり。・2016年5月26日~2019年3月1日に、30例が登録された。うち23例(77%)はStageIIIAであった。・30例中29例(97%)に手術が行われ、26例(87%)がR0切除に成功した。・データカットオフ日(2019年8月7日)の追跡期間中央値12.9ヵ月において、30例中17例(57%)で病理学的奏効が得られた。・主なGrade3/4の治療関連有害事象は、好中球減少症50%(15/30)、ALT増加7%(2/30)、AST増加7%(2/30)、および血小板減少症7%(2/30)であった。・重篤な治療関連有害事象は、Grade3の発熱性好中球減少症1例(3%)、Grade4の高血糖1例(3%)、およびGrade2の気管支肺出血1例(3%)であった。治療に関連した死亡は報告されなかった。

1009.

FDA、化学療法を限定して追加したニボルマブとイピリムマブの併用療法を肺がん1次治療に承認/BMS

 米国食品医薬品局(FDA)は、5月26日、 PD-L1発現を問わず 、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療薬として、化学療法を限定して追加したニボルマブとイピリムマブの併用療法を承認した。 今回の承認は、第III相CheckMate -9LA試験の中間解析に基づいたもの。ニボルマブとイピリムマブの併用療法にプラチナ製剤を含む2剤併用化学療法2サイクルを追加した併用療法は、同試験において(最短8.1カ月の追跡調査)、PD-L1発現および腫瘍の組織型にかかわらず、化学療法と比較して良好な全生存期間(OS)の延長を示した(HR:0.69、96.71%CI: 0.55~0.87、p=0.0006)。また、12.7カ月の追跡調査の解析において、ハザード比は0.66(95%CI:0.55 - 0.80)に改善し、OS中央値は併用療法群で15.6ヵ月、化学療法群で10.9ヵ月であった。1年生存率は、併用療法群で63%、化学療法群で47%であった。

1010.

FDA、ALK陽性NSCLCの1次治療としてbrigatinib承認

 米国食品医薬品局(FDA)は、2020年5月23日、ALK陽性転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療にALK阻害薬brigatinibを承認した。 この承認は、未治療のALK陽性の局所進行または転移のあるNSCLC患者におけるbrigatinibとクリゾチニブの有効性と安全性を比較した第III相ALTA-1L臨床試験の結果に基づくもの。 brigatinibの客観的奏効率(ORR)は74%、クリゾチニブでは62%であった。べースラインで測定可能な脳転移のある患者のORRは78%、クリゾチニブでは26%であった。無病生存率(PFS)中央値は、brigatinib24ヵ月、クリゾチニブ11ヵ月、ハザード比は0.49であった。 brigatinibの一般的な有害事象(AE)は、下痢(53%)、発疹(40%)、咳(35%)、高血圧(32%)、疲労(32%)、悪心(30%)、筋肉痛(28%)、呼吸困難(25%)、腹痛(24%)、頭痛(22%)など。重篤なAEは、肺炎(4.4%)、間質性肺疾患(3.7%)、発熱(2.9%)、呼吸困難(2.2%)、肺塞栓症(2.2%)、無力症(2.2%)であった。

1011.

PD-L1陽性肺がんにおける二ボルマブ・イピリムマブ併用の長期生存ベネフィット(CheckMate-227)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2020年5月14日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法が、進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療薬として、全生存期間(OS)ほかの有効性評価項目において持続的な改善を示した第III相CheckMate-227試験のPart1の3年間の追跡調査の結果を発表した。CheckMate-227の追跡調査、二ボルマブとイピリムマブの併用が生存ベネフィットを維持 CheckMate-227試験の中央値43.1ヵ月の追跡の結果、PD-L1発現1%以上の患者において、化学療法と比較して、二ボルマブとイピリムマブの併用療法は生存ベネフィットを維持した(HR:0.79、95%CI:0.67〜0.93)。PD-L1発現率1%以上での3年OS率は併用療法群で33%、化学療法群では22%、3年無増悪生存(PFS)率は、併用療法群で18%、化学療法群では4%であった。3年間奏効が持続したPD-L1発現1%以上の患者は、併用療法群38%、化学療法群では4%であった。 探索的解析におけるPD-L1発現1%未満の3年生存率は、併用療法群で34%、化学療法群では15%であった(HR:0.64、95% CI:0.51〜0.81)。 二ボルマブとイピリムマブの併用療法の安全性プロファイルは、NSCLCを対象とした試験でこれまでに報告されたものと一貫しており、新たな安全性シグナルは認められなかった。 これらCheckMate-227の追跡調査の結果は、 2020年米国臨床腫瘍学会(ASCO)において、口頭発表される予定。

1012.

FDA、アテゾリズマブ単剤を非小細胞肺がん1次療法に承認/ロシュ

 ロシュ社は、2020年5月19日、米国食品医薬品局(FDA)が、アテゾリズマブを転移を有する成人のPD-L1高発現(TC≧50%またはIC≧10%)非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療として承認したことを発表した。  この承認は、第IIIのIMpower110試験の中間解析の結果に基づくもの。 IMpower110は、PD-L1選択、化学療法未治療のStage IV 非扁平上皮または非扁平上皮NSCLCにおいて、アテゾリズマブ単剤療法と化学療法(シスプラチン/カルボプラチンとペメトレキセド/ゲムシタビンの併用)を比較する第III相無作為化非盲検試験。アテゾリズマブ単剤療法により、PD-L1高発現患者の全生存期間(OS)が化学療法と比較して、7.1ヵ月改善した(OS中央値:20.2ヵ月対13.1ヵ月、HR:0.59、95%CI:0.40〜0.89、p=0.0106)。

1013.

禁煙をし続けるために本当に必要なこと(2)【新型タバコの基礎知識】第19回

第19回 禁煙をし続けるために本当に必要なこと(2)Key Points加熱式タバコも含めたすべてのタバコを止め続けることが禁煙ニコチン依存症から脱出するために必要なスキルは「知る」ということタバコ会社はわれわれが生まれる前から嘘をつき続けてきていることをしっかり認識するべき(タバコ会社に幻想を抱いてはいけない)禁煙することの重要性は、新型コロナ問題があろうがなかろうが大きくは変化しません。しかし、現在が禁煙するための一つの機会であることは間違いないでしょう。禁煙することにより、新型コロナウイルスに感染しても重症化や死亡を防げる可能性が高まると考えられます。そのため、欧米でも日本でも禁煙にチャレンジしている人が多くいるようです。そこで、改めて禁煙の定義を明確にしておきたいと思います。「加熱式タバコも含めたすべてのタバコを止め続けることが禁煙」です。少しでも多くの人が禁煙に成功することを願って、今回は禁煙し続けるために必要なことをお伝えしたいと思います。患者さんにぜひ伝えておきたい、「タバコから逃げる方法」とは?ニコチン依存だけでなく、アルコール依存や違法薬物依存等さまざまな依存症から脱出するために必要なスキルは、共通して「知る」「知ってもらう」ということです。自分から知ろうとしてもらうことが、回り道のようで、止め続けるための近道と言えるでしょう。タバコの場合には、「タバコの害」や「タバコを吸わないメリット(禁煙で人を喜ばせることができ、そして自分が幸せになること)」、「喫煙者はタバコ会社に搾取されていること(世界がタバコ会社によって歪められている現実)」、「タバコから逃げる方法(人に勧められたときの断り方など)」について知ってもらわなければなりません。たとえば、「タバコから逃げる方法」としては、吸いたくなる環境に行かないようにすることや、吸いたくなった場合の気の紛らわし方など具体的な手段をリストアップしておくと良いでしょう。より多くの知識を得てもらうことで、喫煙再開の危機から逃れることができるようになります。タバコを止め続けるためには、具体的に逃げるための手段等を知り、忘れないように繰り返し思い出し、知識として定着させる必要があります。医師など医療者も、患者に禁煙指導するためには、これらの知識を習得しておかなければならないでしょう。意外に知られていない、タバコ会社の2つの嘘タバコのことなんて十分に知っているよ、という声が聞こえてきそうですが、きっと意外と知らないことに驚くだろうと思います。私がいつも経験している展開です。タバコ会社はわれわれが生まれる前から嘘をつき続けてきました。社会はわれわれが生まれる前から大きく歪められているので、異常な状況が当たり前に感じられて、異常に気付かないようになってしまっています。日本ではタバコが原因で毎日300人以上が死亡していますが*1、メディアは新型コロナウイルス感染による死亡者数を伝えるとしても、タバコで死亡した人数は報道しません。これも、今に始まったことではなく、われわれが生まれる前からずっとそうなのです。当たり前を疑わなければ、現在の異常な状況は見えてきません。*1:健康日本21等でも引用された下記の論文では、日本の1年間の死亡者数83万4,000 件のうち、喫煙は12万9,000件、高血圧は10万4,000件の原因だったと示されています。年間約13万人は1日当たりにすると300人以上となります。Ikeda N,et al.PLoS Med.2012Jan;91:e1001160.加熱式タバコを販売しているのはすべてタバコ会社です。1950年代にタバコの有害性が実証されて以降、タバコ会社はずっと人々に嘘をつき続けてだまし続けてきたということが、タバコ会社の内部資料や内部告発などの多くの証拠により、明らかにされています。タバコ会社がまっとうな形で情報提供する会社に変わるなどと、幻想を抱いてはいけません(その期待はいつも、何度も裏切られてきた歴史を知るべきです)。その代表的な嘘について紹介します。タバコを吸う人の多くは、程度の差はあれニコチン依存症の状態になっています。しかし、タバコ産業はその事実を知りながら、「依存はない」とずっと嘘をついてきたことがタバコ会社の内部文書から明らかになっているのです(映画「インサイダー」ではタバコ会社による意図的な悪事が詳細に描写されています)。タバコ産業は添加物を加えてより依存症になりやすいタバコを開発するなどしていたにもかかわらず、「タバコに依存性はない」と繰り返し、主張してきたのです。タバコ会社は人々が誤解した状況(この場合にはタバコには依存はないと信じる人もいて、タバコに手を出しやすくなること)を少しでも長く維持することを意図して嘘をつき続けてきた歴史があります。現在は、タバコ会社もタバコの依存性を認めています。もう一つの嘘を紹介します。実はいまだに、JTは受動喫煙に害があることを認めていません。JTは「受動喫煙に害があるかどうかは科学的に証明されていない」など、世界的に研究者や専門家が導いた結論とは明らかに違うことを訴えています。都合のいい情報に群がる人がいると分かって、意図的に情報を操作してタバコを吸う人を囲い込んでいるのです。JTは受動喫煙について次のようにコメントしています1)。“受動喫煙については、周囲の方々、特にタバコを吸われない方々にとっては迷惑なものとなることがあります。また、気密性が高く換気が不十分な場所では、環境中たばこ煙は、眼、鼻および喉への刺激や不快感などを生じさせることがあります。このため、私たちは、周囲の方々への気配り、思いやりを示していただけるよう、タバコを吸われる方々にお願いしています。”“受動喫煙(環境中たばこ煙)は非喫煙者の疾病の原因であるという主張については、説得力のある形では示されていません。受動喫煙への曝露と非喫煙者の疾病発生率の上昇との統計的関連性は立証されていないものと私たちは考えています。”こういったコメントに対して、国立がん研究センターは反論をホームページ上に掲載しました2)。“受動喫煙は「迷惑」や「気配り、思いやり」の問題ではなく、「健康被害」「他者危害」の問題である。受動喫煙には健康被害・他者危害があるという科学的事実に基づいて、公共の場および職場での喫煙を法律で規制するなど、たばこ規制枠組み条約で推奨されている受動喫煙防止策を実施することが必要である。”このような指摘を受けてもなお、今もかわらずJTは受動喫煙の害を認めていません。もし認めると、その情報を知った喫煙者が他人に配慮してタバコを吸いづらくなって、タバコをやめてしまう人が増えると考えているからこそ、意図的に受動喫煙の害を認めていないのでしょう。空気を読む国民性の日本だからこその判断かもしれません。世界の他のタバコ会社(たとえばフィリップモリス社など)は、受動喫煙の害を認めています。日本ではタバコ会社がなりふり構わず、タバコを吸い続けてもらうように誘導しているのです。政府や一般市民をだますために、タバコ会社は嘘をつくことをこれまでずっと繰り返してきました。「タバコの新製品は、今までのタバコ製品と違ってクリーンで害が少ない」というのはタバコ会社がやってきた基本戦略と言えるでしょう。そして、あとになって振り返ってみると、そのタバコの新製品にはやはり従来のタバコと変わらない害があった、となっているのが現状です。第20回は、「すべての診療科に関わる! タバコ問題を自分事にするために知っておきたいこと(1)」です。1)JTホームページ,喫煙と健康に関するJTの考え方:環境中たばこ煙2)国立がん研究センター,情報提供:受動喫煙と肺がんに関するJTコメントへの見解, 2016年9月28日

1014.

扁平上皮肺がん、1次治療としてのアテゾリズマブ+化学療法は?(IMpower131)/JTO

 進行扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)への1次治療として、アテゾリズマブ+プラチナ併用化学療法は、化学療法単独と比較して、無増悪生存(PFS)期間は有意に改善した。しかし、全生存(OS)期間の有意な延長は得られなかった。米国・ロッキーマウンテンがんセンターのRobert Jotte氏らが、第III相無作為化試験「IMpower131試験」の有効性と安全性の結果を報告した。細胞傷害性抗がん剤には免疫調節作用があり、抗PD-L1抗体アテゾリズマブの作用が化学療法との併用で強化される可能性が示唆され、これまで転移のある非扁平上皮NSCLC患者を対象とした1次治療に関する試験(IMpower130試験、IMpower150試験)でPFS、OSの有意な改善が示されていた。それらの結果を踏まえて欧米では、転移のある非扁平上皮NSCLC患者に対するアテゾリズマブ+プラチナ併用化学療法が承認されていた。Journal of Thoracic Oncology誌オンライン版2020年4月7日号掲載の報告。 研究グループは、化学療法未治療の転移のある扁平上皮NSCLC患者1,021例を、アテゾリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル(A+CP)群(338例)、アテゾリズマブ+カルボプラチン+nab-パクリタキセル(A+CnP)群(343例)、またはカルボプラチン+nab-パクリタキセル(CnP)群(340例)に、1対1対1の割合で無作為に割り付け、21日を1サイクルとして4または6サイクル投与した。その後、A+CP群またはA+CnP群は、進行またはクリニカルベネフィットがなくなるまで、アテゾリズマブ維持療法を行った。 主要評価項目は2つで、ITT集団における治験責任医師評価によるPFSおよびOS。副次評価項目は、PD-L1発現別サブグループのPFSおよびOS、そして安全性であった。 すでにA+CnP群およびCnP群を比較した、PFS主解析(クリニカルカットオフ日2018年1月22日)およびOS最終解析(同2018年10月3日)は、それぞれ報告されている。 主な結果は以下のとおり。・ITT集団におけるPFS中央値は、A+CnP群6.3ヵ月、CnP群5.6ヵ月と、A+CnP群で有意に改善することが示された(ハザード比[HR]:0.71、95%信頼区間[CI]:0.60~0.85、p=0.0001)。・OS中央値は、A+CnP群14.2ヵ月、CnP群13.5ヵ月で、統計学的有意差は認められなかった(HR:0.88、95%CI:0.73~1.05、p=0.16)。・PD-L1高発現のサブグループのOSは、CnP群に比べ、A+CnP群で良好であった(HR:0.48、95%CI:0.29~0.81)。・Grade3~4の治療関連有害事象、および重篤な有害事象の発現率は、A+CnP群でそれぞれ68.0%および47.9%、CnP群で57.5%および28.7%であった。

1015.

循環器領域のプレシジョン・メディシンを目指して(解説:香坂俊氏)-1232

Precision Medicine(プレシジョン・メディシン)という言葉がある。個別化医療と訳されることがあるが、こちらは実はPersonalized Medicineのことであり、日本語では「精密医療」と訳されることが多い。Precision Medicineという言葉が一躍脚光を浴びるようになったのは、バラク・オバマが大統領であった時期である(遠い昔のように思われるが、2015年のことだ)。彼がその年の一般教書演説で「今後米国はPrecision Medicineの徹底を目指す」と宣言し、そしてそのために巨額の研究費を支出することが表明され、欧米の学会で取り上げられることが多くなった。この一般教書演説のときのPrecision Medicineのイメージとしては「遺伝子の情報に応じたオーダーメイド治療の実現」という側面が強い。古典的なEBMが大規模RCTの結果を「極力すべての人たちにあてはめる」ということをゴールにするとしていたとすると、Precision Medicineはさらにその先、遺伝子のタイプに応じて医療を使い分けるということをゴールにしていた(完全な個別化ではなく、遺伝子の情報によって集団をさらに小分けにするという感じ)。この医療のPrecision化はがん領域において進捗が著しく、がん患者のがん遺伝子を調べ、選択的な治療薬の投与を行うという手法で、乳がん、肺がんなどの領域で実績を上げている。一方で循環器領域では、正直いまひとつパッとしていなかったが、今回取り上げる「Genotype-Guided Strategy for P2Y12 Inhibitors(POPular Genetics試験)」が初めて抗血小板領域におけるPrecision化に道筋をつけた。この試験では、遺伝子型に応じて抗血小板薬を選択するプレシジョン群と従来通りの治療を行う群にSTEMI症例(Primary PCI実施例)をランダム化した。プレシジョン群ではCYP2C19機能喪失型アレル保有者であればプラスグレルかチカグレロル(強めの抗血小板薬)を投与し、非保有者には従来通りのクロピドグレル(普通の抗血小板薬)を投与したが、その結果として2群で塞栓系のイベントの発症率には変化がなく、プレシジョン群で出血イベントの発症率が低かった(12ヵ月のハザード比:0.78、95%CI:0.61~0.98、p=0.04)。このことは日本人のACS患者さんにとっても意義が深い。なぜならば、日本人ではとくにCYP2C19機能喪失型アレル保有者は多いとされているからである(約6人に1人)。それならばすべてのACS患者さんにプラスグレルなどの「強めの抗血小板薬」を投与すればよいかというと、東アジア人においてはこうした薬剤で出血する割合も高いとされており、そういうわけにもいかない(日本では減量されたプラスグレルが市販されているが、それでも最近の解析結果をみてみると出血する割合はクロピドグレルよりも高くなるようである:Shoji S, et al. JAMA Netw Open. 2020;3:e202004. あるいは Akita K, et al. Eur Heart J Cardiovasc Pharmacother.2019 Oct 8. [Epub ahead of print])。このように、徐々にではあるが、循環器領域においてもプレシジョン化が進みつつある。抗血小板薬や抗凝固薬の使用に関してとくに有望であるとされているが、ほかに希望が持たれている分野としてはスタチンの使用(遺伝子型に応じて副作用の発症頻度が異なる)、あるいは心不全に対するACEやARBの使用(性差が存在し、それも遺伝子型によるものではないかと推測されている)などが挙げられ、引き続き注目していきたい分野である。

1016.

オンコマイン、エヌトレクチニブのROS1肺がんのコンパニオン診断に追加申請/サーモフィッシャー

 サーモフィッシャーサイエンティフィック ジャパングループは、2020年5月13日、非小細胞肺がん(NSCLC)の4種のドライバー遺伝子を検出し、12種類の分子標的薬の同時適応判定を可能とする、次世代シーケンシング(NGS)技術を用いたコンパニオン診断システム「オンコマイン Dx Target Test マルチ CDx システム」について、厚生労働省に医療機器の製造販売承認事項一部変更申請を行ったと発表。ROS1およびTRK阻害薬である中外製薬のエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)の、ROS1融合遺伝子変異に対するコンパニオン診断システムとしての承認を目指す。 オンコマイン Dx Target Test マルチ CDxシステムは、測定項目として非小細胞肺がんの4ドライバー遺伝子(EGFR、ALK、ROS1、BRAF)を網羅するコンパニオン診断システムであり、ROS1融合遺伝子変異については、現在、クリゾチニブのコンパニオン診断システムとして用いられている。

1017.

高齢者のがん、発症前に歩行速度が急激に減少

 高齢者におけるがん診断前と後におけるサルコペニアの尺度の減少度をがんではない高齢者と比較した場合、診断前に歩行速度の減少度が大きいことがわかった。米国・アラバマ大学のGrant R. Williams氏らが報告した。JAMA Network Open誌2020年5月1日号に掲載。 著者らは、サルコペニアの3つの尺度(四肢除脂肪量[ALM]、握力、歩行速度)について、がんと診断された高齢者の診断前の減少度と診断後の減少度を、がんではない高齢者の減少度と比較し、さらにサルコペニアの尺度とがん患者の全生存率および主な身体障害との関連を評価した。 このコホート研究は、Health, Aging, and Body Composition研究の参加者(ペンシルベニア州ピッツバーグおよびテネシー州メンフィスとその周辺の白人のメディケア被保険者とすべての黒人居住者のランダムサンプルから募集した70~79歳の地域住民3,075人)を対象とし、1997年1月から2013年12月まで17年間観察した。データは2018年5月~2020年2月に分析した。年に一度、ALM、握力、歩行速度を調査し、線形混合効果モデルを使用して、それぞれの変化についてがん発症者の診断前と診断後、非がん発症者で比較した。さらに、サルコペニアの尺度とがん診断日からの全生存および主な身体障害との関連について、多変量Cox回帰を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・3,075人のうち、男性が1,491人(48.5%)、黒人が1,281人(41.7%)、平均年齢は74.1(SD:2.9)歳であった。・研究開始から7年の間に515人(16.7%)ががんを発症した。多いがんは前立腺がん(117人、23.2%)、大腸がん(63人、12.5%)、肺がん(61人、12.1%)、乳がん(61人、12.1%)で、165人(32.0%)に転移が認められた。・がん発症者の診断前の各尺度の減少率は、非がん発症者と比べ、歩行速度では大きかった(β=-0.02、95%CI:-0.03~-0.01、p<0.001)が、ALM(β=-0.02、95%CI:-0.07~0.04、p=0.49)、握力(β=-0.21、95%CI:-0.43~0、p=0.05)は差がなかった。・がん発症者の診断後の各尺度の減少率は、非がん発症者に比べ、ALMでは大きかった(β=-0.14、95%CI:-0.23〜-0.05、p<0.001)が、握力(β=-0.02、95%CI:-0.37〜0.33、p=0.92)、歩行速度(β=0、95%CI:-0.01〜0.02、p=0.51)は差がなかった。・転移のある患者では、がん診断後のALMの減少率が最も大きかった(β=-0.32、95%CI:-0.53〜-0.10、p=0.003)。・歩行速度が遅いと、死亡率が44%増加(HR:1.44、95%CI:1.05〜1.98、p=0.02)、身体障害が70%増加(HR:1.70、95%CI:1.08〜2.68、p=0.02)したが、ALMや握力が低い場合には死亡率と身体障害の増加は認められなかった。

1018.

化学療法を限定して追加したニボルマブとイピリムマブの併用療法、肺がん1次治療でOS改善(CheckMate-9LA)/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブ社は、2020年5月13日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法に化学療法2サイクルを追加した併用療法が、進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療薬として、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある生存ベネフィットを示した第III相CheckMate-9LA試験の結果を公表。化学療法と比較して、良好な全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)および奏効率(ORR)を示した。 CheckMate-9LAは、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、進行NSCLC患者の1次治療薬として、ニボルマブ(360mg 3週ごと)とイピリムマブ(1mg/kg 6週ごと)の併用療法に化学療法(2サイクル)を追加した併用療法を、化学療法(最大4サイクル後に、適格であればペメトレキセドによる維持療法を任意で施行)と比較した多施設共同無作為化非盲検第III相試験。主要評価項目であるOSの中間解析では、最短8.1ヵ月の追跡調査において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法に化学療法2サイクルを追加した併用療法が、化学療法と比較して、死亡リスクを31%低減した(HR:0.69、96.71%CI:0.55~0.87、p=0.0006)。さらに、最短12.7ヵ月の追跡調査においても、引き続きOSの改善を示した(OS中央値:併用療法15.6ヵ月、化学療法10.9ヵ月[HR 0.66、95% CI:0.55~0.80])。PD-L1発現および腫瘍の組織型を含むサブグループでも、すべての有効性評価項目において、臨床的なベネフィットが示された。併用療法の安全性プロファイルは、これまでに認められているものと一貫していた。 これらの結果は、5月29日~31日にオンラインで開催される2020年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会において、口頭発表される予定。

1019.

パクリタキセル+ベバシズマブは非小細胞肺がん2次治療以降の選択肢となるか/Eur J Cancer

 進行非扁平上皮非小細胞肺がん(nsNSCLC)ではプラチナ製剤ベースの化学療法が不応の場合、ドセタキセルが標準治療となっているものの、選択肢は多くない。パクリタキセル+ベバシズマブも有効な選択肢となるのか。nsNSCLCの2次または3次治療において、パクリタキセル+ベバシズマブとドセタキセルを比較した、フランス・リール大学のAlexis B. Cortot氏らの第III相多施設非盲検無作為化試験「IFCT-1103 ULTIMATE試験」の結果が報告された。European Journal of Cancer誌オンライン版2020年4月8日号掲載の報告。 試験は、進行nsNSCLCで、経口プラチナ製剤ベースの化学療法を含む1次または2次治療を受けた患者を対象に行われた。 被験者を、パクリタキセル90mg/m2(Day1、8、15)+ベバシズマブ10mg/kg(Day1、15)の28日ごと投与群、またはドセタキセル75mg/m2の21日ごと投与群に無作為に割り付けた。病勢進行後のクロスオーバーは許容された。主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)であった。 主な結果は以下のとおり。・166例が、パクリタキセル+ベバシズマブ群(111例)またはドセタキセル群(55例)に無作為に割り付けられた。・PFS中央値は、パクリタキセル+ベバシズマブ群5.4ヵ月、ドセタキセル群3.9ヵ月と、パクリタキセル+ベバシズマブ群で有意に延長した(補正後ハザード比[HR]:0.61、95%信頼区間[CI]:0.44~0.86、p=0.005)。・全奏効率はパクリタキセル+ベバシズマブ群22.5%、ドセタキセル群5.5%であった(p=0.006)。・全生存(OS)期間中央値は、同等であった(補正後HR:1.17、p=0.50)。・クロスオーバーは、ドセタキセル群では55例中21例(38.2%)で認められた。・Grade3/4の有害事象は、パクリタキセル+ベバシズマブ群45.9%、ドセタキセル群54.5%で報告された(p=NS)。

1020.

リキッドバイオプシーによるEGFR T790M同定の信頼度を評価するWJOG8815L/LPS試験【肺がんインタビュー】 第46回

第46回 リキッドバイオプシーによるEGFR T790M同定の信頼度を評価するWJOG8815L/LPS試験出演:近畿大学奈良病院 腫瘍内科 高濱 隆幸氏リキッドバイオプシーによるEGFR T790Mの同定の信頼度はどの程度か。その検出頻度と効果の関係を評価した前向き研究はない。Cancer誌で発表された、前向きに第II相WJOG8815L/LPS試験について筆頭著者である近畿大学奈良病院の高濱 隆幸氏に聞いた。参考Takahama T, et al. Cancer. 2020 Jan 01;126(9);1940-1948. Plasma screening for the T790M mutation of EGFR and phase 2 study of osimertinib efficacy in plasma T790M-positive non-small cell lung cancer: West Japan Oncology Group 8815L/LPS study.Cancer. 2020;126;1940-1948.Cancer.

検索結果 合計:2009件 表示位置:1001 - 1020