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アナモレリン、がん悪液質に新たな治療選択肢/小野薬品

 小野薬品工業は、2021年4月21日、グレリン様作用薬アナモレリン(商品名:エドルミズ)について、「悪性腫瘍(非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌)におけるがん悪液質」の効能又は効果で国内において新発売した。アナモレリンの効果はがん悪液質患者の体重および筋肉量の増加並びに食欲の増加 がん悪液質は、がんに伴う体重減少(特に筋肉量の減少)や食欲不振を特徴とする複合的な代謝異常症候群であり、がん患者の生活の質(QOL)や予後に顕著な影響を及ぼすことが分かってきているが、これまでに国内でがん悪液質の治療薬として承認された薬剤はなかった。 グレリンは、主に胃から分泌される内在性ペプチドである。グレリンがその受容体に結合すると、体重、筋肉量、食欲および代謝を調節する複数の経路を刺激する。アナモレリンはグレリン様作用で、がん悪液質患者における体重および筋肉量の増加並びに食欲の増加効果を示している。アナモレリンの製品概要エドルミズ錠50mgの概要・製品名:エドルミズ®錠 50mg・一般名:アナモレリン塩酸塩・効能又は効果:下記の悪性腫瘍におけるがん悪液質        非小細胞肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌・用法及び用量:通常、成人にはアナモレリン塩酸塩として100 mgを1日1回、空腹時に経口投与する。・製造販売承認日:2021年1月22日・薬価基準収載日:2021年4月21日・薬価:246.40円/錠・製造販売:小野薬品工業株式会社

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日本初のがん悪液質治療薬「エドルミズ錠50mg」【下平博士のDIノート】第72回

日本初のがん悪液質治療薬「エドルミズ錠50mg」今回は、グレリン様作用薬「アナモレリン塩酸塩錠(商品名:エドルミズ錠50mg、製造販売元:小野薬品工業)」を紹介します。本剤は、国内初のがん悪液質の治療薬であり、食欲増進や筋肉増強、体重増加作用によって患者QOLや薬物療法の忍容性が向上することが期待されています。<効能・効果>本剤は、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんにおけるがん悪液質の適応で、2021年1月22日に承認され、4月21日に薬価収載されています。なお、切除不能な進行・再発の適応がん、栄養療法などで効果不十分、6ヵ月以内に5%以上の体重減少と食欲不振があり、かつ以下の(1)〜(3)のうち2つ以上を認める患者に使用することとされています。(1)疲労または倦怠感(2)全身の筋力低下(3)CRP値0.5mg/dL超、ヘモグロビン値12g/dL未満またはアルブミン値3.2g/dL未満のいずれか1つ以上食事の経口摂取が困難または消化吸収不良の患者には使用できません。<用法・用量>通常、成人にはアナモレリン塩酸塩として100mg(2錠)を1日1回、空腹時に経口投与します。本剤は食事の影響を受けるため、服用後1時間は食事摂取を控えます。本剤投与により体重増加または食欲改善が認められない場合は、投与開始3週後をめどに原則中止します。なお、12週間を超える本剤の投与経験はなく、体重や問診により食欲を確認するなど、定期的に投与継続の必要性を検討します。<安全性>国内第II相試験および第III相試験(ONO-7643-03、04、05試験)の安全性評価対象187例中84例(44.9%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、γ-GTP増加12例(6.4%)、グリコヘモグロビン増加11例(5.9%)でした(承認時)。重大な副作用として、刺激伝導系抑制(10.7%)、高血糖(4.3%)、糖尿病の悪化(4.3%)、肝機能障害(6.4%)が報告されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、がんによる食欲不振や体重減少などの症状を改善します。脳の視床下部に作用して食欲を増進させ、脳下垂体に作用して成長ホルモンの分泌を高めることで筋肉がつくられ、体重が増加します。2.本剤は空腹時に服用し、服用後1時間は食事をしないでください。食後服用では効果が低下することがあります。3.服用中に検査で心電図の異常がみられた場合や、めまい、気を失う、立ちくらみ、脈が遅くなる、息切れなどが現れた場合は、すぐに主治医に相談してください。4.糖尿病の悪化や高血糖を引き起こすことがあります。体がだるい、体重が減る、喉が渇く、水を多く飲む、尿量が増えるなどの症状が現れた場合は、速やかに病院か薬局に連絡してください。<Shimo's eyes>日本初の「がん悪液質」に対する治療薬が誕生しました。がん悪液質とは、がんに伴う代謝異常により、食欲低下と骨格筋の持続的な減少を認める多因子性の症候群です。がん患者のQOLを低下させ、予後を悪化させる因子であると考えられていますが、これまで有効な治療方法は確立されていませんでした。本剤は、食欲を制御する体内ペプチドホルモンの一種であるグレリンと同様の働きをする経口低分子のグレリン様作用薬です。食欲中枢へ作用して食欲を増進させるとともに、分泌された成長ホルモンが肝臓に働くことでインスリン様成長因子-1が放出され、筋タンパク合成を促進して体重を増加させます。使用に当たってまず注意すべきは、すべてのがん種が適応ではなく、非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんに限られている点です。また、がん悪液質は「前悪液質」「悪液質」「不応性悪液質」の3つのステージに分類されますが、前悪液質は本剤による治療の対象からは除外されます。本剤は、食事の影響を受けるため、服用時間の指導が重要ですが、アドヒアランスが低下しないように患者の生活リズムに合わせた服用タイミングのアドバイスを行いましょう。一方で、経口の食事摂取が困難または消化吸収不良の患者には使用できない点にも注意が必要です。服薬後のフォローアップとしては、治療開始3週後をめどに効果が認められない場合は、原則投与を中止します。患者向け資材の中に「効果と副作用のチェックシート」があるので、こちらも活用しましょう。重大な副作用として「刺激伝導系抑制」が現れる恐れがあるため、うっ血性心不全、高度の刺激伝導系障害がある患者には禁忌です。中等度以上の肝機能障害のある患者や、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ボリコナゾールなどを服用中の患者にも禁忌となっています。なお、警告として、「本剤はがん悪液質の診断および治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、患者またはその家族に本剤のベネフィットおよびリスクを十分説明し、理解したことを確認したうえで投与を開始すること」とされています。現時点ではがん悪液質に関する明確な基準や共通認識が確立されているとは言えないため、しっかりと患者さんの状態をフォローしましょう。参考1)PMDA 添付文書 エドルミズ錠50mg

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ニボルマブ+化学療法の肺がん術前補助療法、pCRを改善(CheckMate-816)/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは、2021年4月10日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)と化学療法を3サイクル投与する併用療法が、化学療法と比較して、切除可能なStage1b〜3aの非小細胞肺がん(NSCLC)の術前補助療法として、病理学的完全奏効(pCR)を有意に改善したと発表。 これは、切除可能なNSCLC患者の術前補助療法として、ニボルマブ(またはイピリムマブ)と化学療法の併用を化学療法単独と比較した第III相CheckMate-816試験の結果で、米国がん学会(AACR 2021)で発表されたもの(抄録番号:#5218)。 同試験におけるpCR率は、ニボルマブと化学療法の併用療法群では24%、化学療法群では2.2%であった(OR:13.94、99% CI:3.49〜55.75、p<0.0001)。ニボルマブと化学療法の併用療法の忍容性は良好であり、PD-L1発現レベル、組織型または病期にかかわらず一貫したpCRの改善を示した。

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高齢日本人EGFR陽性肺がんを対象としたアファチニブ1次治療(NEJ027)/BMC Cancer

 肺がんは高齢者の頻度が高い。しかし、高齢者肺がんに対する研究結果は十分ではない。未治療の高齢日本人EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、アファチニブの1次治療の抗腫瘍活性と安全性を調査した多施設単群第II相NEJ027試験の結果が発表された。・対象:75歳以上の未治療の進行EGFR変異陽性(Del19またはL858R)のNSCLC・介入:アファチニブ40mg/日 疾患進行または許容できない毒性が発現するまで投与・主要評価項目:中央委員会評価による客観的奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・38例の患者がアファチニブの投与を受け、37人が有効性評価可能であった。・年齢の中央値は77.5歳、ECOG PS0〜1、60.5%がDel19陽性であった。・追跡期間中央値は838日であった。 ・ORRは75.7%(CR2例、PR26例)であった。・無増悪生存期間中央値は14.2ヵ月。全生存期間(OS)中央値は35.2ヵ月で、 2年OS率は78.3%であった。・一般的なGrade3/4の治療関連有害事象(TRAE)は、下痢(28.9%)、爪囲炎(23.7%)、発疹/ざ瘡(15.8%)であった。 ・TRAEによる減量は78.9%、TRAEによる中止は21.1%(8例)で、治療関連死は認められなかった。 この研究ではアファチニブの用量調整が比較的一般的に認められた。しかし、75歳以上のいおいても中止頻度は少なく、ほとんどの患者は1年以上治療を続けることができた、としている。

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ICIによる早期肺がんアジュバントへの期待(IMpower010)【侍オンコロジスト奮闘記】第111回

第111回:ICIによる早期肺がんアジュバントへの期待(IMpower010)参考Pivotal Phase III study shows Roche’s Tecentriq helped people with early lung cancer live longer without their disease returning早期肺がん、アテゾリズマブの補助療法が主要評価項目を達成(IMpower010)/Genentech

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「緩和ケア」について、全医療者が知っておいたほうがいい理由【非専門医のための緩和ケアTips】第1回

第1回 「緩和ケア」について、全医療者が知っておいたほうがいい理由はじめまして。飯塚病院 連携医療・緩和ケア科の柏木 秀行と申します。初回なのでちょっとだけ自己紹介をしておくと、初期研修を終えた後、総合診療科で後期研修を行い、その後ずっと緩和ケアの仕事を中心に活動してきました。現在は、緩和ケア領域の診療と併せて、部門の運営や教育、学会関連の活動もしています。この原稿を書いている時点で39歳、もうすぐ医師になって15年目になろうというところです。最近でこそ、緩和ケア領域に若手の医師が増えてきましたが、私が緩和ケアの道に進んだころは、まだまだマイナーなキャリアでした。なぜこんなキャリアになったのか、というのは、いろいろなきっかけがあったのですが、それはまた機会があればお話ししましょう。さて、今回から始まったこの連載ですが、「非専門医のための緩和ケアTips」というタイトル。「緩和ケア!? うちは普通のクリニックだぞ!」と思った方も多いと思います。「高齢多死社会」なんて言葉は、きのこ農家であるうちの親でも知っている時代になりました。そうなると、当面は治癒が困難な病気と共にある方や、亡くなる方が増えていきます。つまり、社会全体の緩和ケアニーズが増えていくのですね。そんな今の時代を共に生きる皆さまからいただいた、緩和ケアに関連する質問に対し、明日の臨床に役立つ「緩和ケアTips」を提供していけたらと思います。今日の質問緩和ケアって終末期のがん患者へのケアですよね? そういう患者は緩和ケア病棟に紹介すればよいのではないでしょうか? 当院は入院病床を持っていないので、緩和ケアの実践は難しいと思います…。確かに、日本の緩和ケアの制度は、診療報酬上の対象を「悪性疾患」として整備されてきた経緯があります。そのため、がん拠点病院を中心として緩和ケアの提供体制が整備された背景があるのです。しかし、時代は変わり、これからは医療者であれば誰もが基本的な緩和ケアを提供する必要があります。なぜならば、がん以外の疾患も含め、緩和ケアをしっかり提供していきましょう、という世の中になるからです。そうなると、かかりつけ医機能や訪問診療に取り組んだり、診療所でも緩和ケアに取り組んだりしなければなりません。緩和ケアは、緩和ケア病棟でのみ提供されるものではないのです!それでは、どうすればいいのでしょう?「現状でさえ忙しいのに、何か新しいことを取り組むなんて、とても無理!」なんて声も聞こえてきそうです。もしかしたら、「緩和ケアって患者の話を1時間とか聞くやつでしょ? 外来の合間にやるなんてとても無理ですよ」なんて感じている方もいるかもしれません。そうなんです、緩和ケアの大切さを100回唱えるだけでは何も解決はせず、医療現場でどうやって緩和ケアを実践するか、というところに目を向け、試行錯誤することが重要なのです。だって、われわれが診療する現場は、必ずしも緩和ケアを実践しやすい環境ばかりではないはずです。それでも、「必要な方に緩和ケアを提供していく、気軽に活用できるコツを共有したい!」、そんなテーマで書きつづっていくつもりです。残念ながら、「日本中どこでも通用する、共通した緩和ケアの提供モデル」なんて、すてきなものがあるわけではありません。それぞれの状況に最適化された提供モデルを、考え続けることが大切なのだと思います。私自身がもがいてきたこと、そして現在も取り組んでいる中で見えてきたことを順次お伝えしていけたらと思っています。それでは、今後ともよろしくお願いします。今回のTips

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オマリズマブ、免疫チェックポイント阻害薬および抗HER2薬のそう痒症を改善/Ann Oncol

 IgE阻害薬オマリズマブ(商品名:ゾレア)はアトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのそう痒症に有効である。がん領域におけるそう痒関連皮膚有害事象(paCAE)は、免疫チェックポイント阻害薬や抗HER2薬で多くみられる。これらの薬剤による難治性paCAEを伴うがん患者に対してオマリズマブを評価する多施設後ろ向き研究の結果が発表された。・対象:免疫チェックポイント阻害薬または抗HER2薬によるGrade2〜3の掻痒を有し、局所ステロイドと1つ以上の全身療法に抵抗性の患者・介入:オマリズマブを月1回投与・主要評価項目:paCAEのGrade0〜1への改善 主な結果は以下のとおり。・34例(女性50%、年齢中央値67.5歳)、がん治療関連paCAE(免疫チェックポイント阻害薬71%、抗HER2薬29%)に対するオマリズマブ投与を受けた。・対象は、すべて固形腫瘍(乳房29%、泌尿生殖器29%、肺15%、その他26%)で、64%に蕁麻疹が認められた。 ・オマリズマブの奏効は34例中28例(82%)に認められた。 ・paCAEの支持療法として経口コルチコステロイドを投与された患者の割合は、50%から9%に減少した(P

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オシメルチニブ以降の第3世代EGFR-TKI【肺がんインタビュー】 第62回

第62回 オシメルチニブ以降の第3世代EGFR-TKI出演:Karmanos Cancer Institute Department of Oncology 長阪 美沙子氏EGFR変異陽性非小細胞肺がんにおいて、第3世代EGFR-TKIのオシメルチニブは、すでに1次治療のスタンダードであるが、実はそれ以外にも多くの第3世代EGFR-TKIが開発中である。昨年(2020年)末のJournal of Thoracic Oncology誌に同薬のレビューを発表した米国Karmanos Cancer Instituteの長阪 美沙子氏に解説いただいた。参考Nagasaka M, et al. Beyond osimertinib: The development of 3 rd-generation EGFR Tyrosine Kinase Inhibitors. J Thorac Oncol. 2020 Dec 15

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がん関連3学会、がん患者への新型コロナワクチン接種のQ&A公開

 2021年3月29日、がん関連3学会(日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会)は合同で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A―患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第1版―」を公開した。昨年に公開された新型コロナとがん診療に関するQ&Aに付随した「ワクチン版」となる。 「Q1:がん患者はワクチンを受けた方がよいのですか」 「A:前向きに検討しましょう。ベネフィットとリスクを理解し、主治医の先生と相談して判断することが大切です」 ワクチン開発段階の臨床試験では、がん患者が対象に組み入れられることは少なかったが、世界各国で接種が進み、がん患者に関するエビデンスが集まりつつある現状を紹介。現状国内で承認された唯一のワクチンであるファイザー製のワクチン(BNT162b2)について、「イスラエルで実際に多くの人にBNT162b2が接種され、60万人と非接種者60万人と比較し報告されていますが、両群にはがん患者さんが2%、約12,000人が含まれています1)。全体として90%以上の発症予防効果示され、併存疾患に関する検討では、がん患者さんだけのデータは示されていませんが、3つ以上の併存疾患を有する場合の予防効果は86~89%でありその差はごくわずかです」と解説している。 「COVID-19ワクチンには予防効果というベネフィットと様々な副反応が生じるかもしれないというリスクがあります。がん患者さんのワクチン接種のベネフィットとして、発症や重症化の予防、検査やがん治療を遅滞なくより安全に進められることがあります」としたうえで、「がん患者さんにおける副反応についての調査や報告はありませんが、がん患者さんにおける重症化の可能性を考慮すると、ベネフィットがリスクを上回ると思われ接種が推奨されます。がん患者さん一人一人がそのベネフィットとリスクを正しく理解して、主治医の先生と相談して、接種するかどうかを自分で判断することが必要です」としている。 その他、放射線や薬物など治療ごとに考慮すべき点や、接種後の注意点などがまとめられている。

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2番目のKRAS G12C阻害薬adagrasib、非小細胞肺がんに有益性示す(KRYSTAL-1)/ELCC2021

 2つ目となるKRAS G12C阻害薬adagrasibの進行非小細胞肺がん(NSCLC)における試結果が、2021年3月25日、欧州肺癌学会(ELCC VIrtual2021)で発表された。  KRYSTAL-1は、KRAS G12C変異陽性の進行または転移のあるNSCLC79例を対象に、adagrasibを評価したマルチコホート第I/II相試験。 結果、患者の92%が化学療法およびPD-(L)1阻害薬の治療歴を有していた。有効性評価対象51例の45%がadagrasib治療により部分奏効(PR)を示し、26例(51%)が安定(SD)となった。 この試験結果は、もう1つのKRAS G12C阻害薬sortorasibの本年(2021年)世界肺がん学会での結果に匹敵するものだとしている。

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早期肺がん、アテゾリズマブの補助療法が主要評価項目を達成(IMpower010)/Genentech

 RocheグループのGenentechは、2021年3月21日、アテゾリズマブをベストサポーティブケア(BSC)と比較する第III相IMpower010試験の中間分析において、主要評価項目の無病生存期間(DFS)を達成したと発表。 IMpower010は、Stage IB~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に、外科的切除とシスプラチンベースの補助療法(最大4サイクル)後のアジュバントにおけるアテゾリズマブの有効性と安全性をBSCと比較した国際第III非盲検試験。無作為割り付けは1,005例が対象となった。主要評価項目は、PD-L1陽性のStage II~IIIA、無作為化集団のStage II~IIIA、ITT集団のStage II~IIIAにおける、治験担当医判定のDFS。主な副次評価項目は、全体集団、ITT集団のStage IB~IIIAの全生存期間など。 この試験で、アテゾリズマブは手術および化学療法後の補助療法として、Stage II~IIIAのNSCLCにおいて統計学的に有意なDFSの改善を示した。DFSの改善は、PD-L1陽性集団で顕著であった。 Genentechは、IMpower010試験の結果を、今後の医学学会で発表し、米国食品医薬品局や欧州医薬品庁など世界の保健当局に提出するとしている。

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ニボルマブ+イピリムマブの肺がん術前治療、主要評価項目を達成(NEOSTAR)/Nat Med

 手術可能NSCLC患者を対象に、ニボルマブ+イピリムマブによる術前治療の有効性と安全性を評価する第II相NEOSTAR試験の追跡結果がNature Medicine誌に掲載された。・対象:切除可能Stage I~IIIA 非小細胞肺がん(Single N2)・arm A:ニボルマブ3mg/kg+イピリムマブ1mg/kg→ニボルマブ2週ごと3サイクル(NI群)・arm B:ニボルマブ3mg/kg→ニボルマブ2週ごと3サイクル(N群)・評価項目:[主要評価項目]N群とNI群のMPR(Major Pathologic Response、生存しうる腫瘍細胞10%以下)[副次評価項目]毒性、周術期罹患率/死亡率、奏効率(ORR)、無再発生存期間、全生存期間など 主な結果は以下のとおり。・NI群のMPR率は38%(8/21例)で、事前に指定された主要評価項(21例中6例のMPR)を達成した。・NI群のMPR率は22%(5/23例)であった。・切除を行った37例におけるMPR率は、NI群50%(8/16例)、N群24%(5/21例)であった。・NI群ではN群に比較べ、高い病理学的完全奏効率を示し(10%対38%)、生存しうる腫瘍細胞(viable tumor)も少なかった(50%対9%)。・腸内ルミノコッカス属とアッケルマンシア属の増加が併用療法のMPRと関連していた。

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StageIII非小細胞肺がんCRT、化学療法で予後は変わるか。10年間の追跡結果(WJTOG0105)/JAMA Oncol

 StageIIIの非小細胞肺がんの化学放射線療法(CRT)10年後の累積毒性発現と長期転帰を評価する多施設第III相無作為化試験WJTOG0105が行われ、その結果が国立がん研究センター東病院の善家 義貴氏らによりJAMA Oncology誌に発表された。非小細胞肺がん440例を無作為に割り付け、 CRTの長期転帰を比較・対象:切除不能なStageIII非小細胞肺がん患者・試験群: 毎週イリノテカン+カルボプラチン 6サイクル+胸部放射線療法(TRT)60Gy→イリノテカン+カルボプラチン 2サイクル(B群) 毎週パクリタキセル+カルボプラチン 6サイクル+TRT 60Gy→パクリタキセル+カルボプラチン 2サイクル(C群)・対照群:マイトマイシン+ビンデシン+シスプラチン 4サイクル+TRT 60Gy(A群)・評価項目:[主要評価項目]CRT後10年の生存率[副次評価項目]CRT開始90日以降の毒性 StageIII非小細胞肺がんのCRT10年後の累積毒性発現と長期転帰を評価した主な結果は以下のとおり。・2001年9月〜2005年9月に、440例の患者がA群(146例)、B群(147例)、C群(147例)に無作為に割り付けられた。・CRTを受けた非小細胞肺がん患者の追跡期間中央値は11.9年であった。・全生存期間中央値はA群20.5ヵ月、B群19.8ヵ月、C群22.0ヵ月、10年生存率はそれぞれ13.6%、7.5%、15.2%で、治療群間に有意差はなかった。・10年無増悪生存率はA群8.5%、B群6.5%、C群11.1%であった。・Garde3/4の後期毒性はA群で3.4%(心臓0.7%、肺2.7%)に発現。肺にのみ発現したGarde3/4の毒性はB群3.4%、C群4.1%であった。 この非小細胞肺がんCRT開始から10年間の追跡において、C群はA群と同様の有効性と安全性プロファイルを示した。

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TRK阻害薬ラロトレクチニブ、NTRK陽性固形がんに国内承認/バイエル

 バイエル薬品は、2021年3月23日、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん治療薬として、ラロトレクチニブ(商品名:ヴァイトラックビ)の製造販売承認を取得した。 ラロトレクチニブは、NTRK遺伝子融合陽性の進行・再発の固形がんの治療に特化した経口トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬として開発され、TRK融合を有する成人および小児固形がん患者に対し、高い奏効割合と持続的な奏効を示し、TRK融合を有する中枢神経系原発腫瘍に対して高い病勢コントロール率を示している。 日本におけるヴァイトラックビの承認は、成人および青年期の患者を対象とした第II相試験NAVIGATE、および小児を対象とした第I/II相試験SCOUTのデータに基づくもの。 また、同剤のコンパニオン診断としては、ファウンデーション・メディシン社の「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」が、本年1月22日に適応追加の承認を取得している。

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既治療NSCLCへのニボルマブ、5年生存率の結果/JCO

 免疫療法は、進行非小細胞肺がん(NSCLC)の治療に革命をもたらした。すでに、既治療の扁平上皮および非扁平上皮NSCLC患者を対象とした2つの第III相試験(CheckMate-017およびCheckMate-057)において、ニボルマブはドセタキセルと比較し、全生存(OS)期間の改善と良好な安全性を示している。米国・Fox Chase Cancer CenterのHossein Borghaei氏らは、両試験の5年間における有効性および安全性に関するプール解析を行い、ニボルマブはドセタキセルと比較して、OS延長効果が持続し、新たな安全性の懸念はなかったことを明らかにした。Journal of Clinical Oncology誌2021年3月1日号掲載の報告。 研究グループは、プラチナ併用化学療法中または化学療法後に進行したECOG PS≦1のNSCLC患者(CheckMate-017:扁平上皮がん、CheckMate-057:非扁平上皮がん、合計854例)を、ニボルマブ群(3mg/kg、2週間ごと)またはドセタキセル群(75mg/m2、3週間ごと)に1対1の割合で無作為に割り付け、進行または許容できない毒性発現まで投与した。 両試験の主要評価項目はOSで、副次評価項目は無増悪生存(PFS)および安全性などであった。探索的ランドマーク解析による評価も行った。 主な結果は以下のとおり。・CheckMate-017試験64.2ヵ月、CheckMate-057試験64.5ヵ月の最小追跡期間において、ニボルマブ群で50例、ドセタキセル群で9例が生存していた。・5年OS率はニボルマブ群13.4%、ドセタキセル群2.6%であり、5年PFS率はそれぞれ8.0%、0%であった。・ランドマーク解析において、2年時および3年時に病勢進行を認めなかったニボルマブ群の患者の5年生存率はそれぞれ82.0%および93.0%、5年無増悪率はそれぞれ59.6%および78.3%であった。・治療関連有害事象(TRAE)は、3~5年の追跡期間中にニボルマブ群で31例中8例(25.8%)に報告され、そのうち7例が新たな事象を経験した。Grade3のTRAEは1例(3.2%)認められた。Grade4のTRAEはなかった。

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血液検体による固形がんCGP「FoundationOne Liquid CDx」国内承認/中外

 中外製薬は、2021年03月23日、固形がんに対する包括的ゲノムプロファイリング(CGP: comprehensive genomic profiling)を提供するリキッドバイオプシー(LB: liquid biopsy)検査として、「FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル」の承認を、3月22日に厚生労働省より取得したと発表。血液検体を用いた固形がんに対するCGPと、国内で承認された複数のコンパニオン診断機能を併せ持ったがん遺伝子パネル検査として国内初の承認となる。 FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルは、進行固形がん患者を対象とし、血液中の循環腫瘍DNA(ctDNA: circulating tumor DNA)を用いることで、324のがん関連遺伝子を解析する。がんゲノムプロファイリング機能と併せ、厚生労働省より承認されている複数の分子標的治療のコンパニオン診断機能も有しており、これらの結果を一つのレポートとして提供する。 販売名はFoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル。下の医薬品の適応判定の補助を目的とし、対応する遺伝子変異等を検出する。・EGFR遺伝子変異(非小細胞肺がん):アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩・EGFRT790M変異(非小細胞肺がん):オシメルチニブメシル酸塩・ALK融合遺伝子(非小細胞肺がん):アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ・ROS1融合遺伝子(非小細胞肺がん):エヌトレクチニブ・NTRK1/2/3融合遺伝子(固形がん):エヌトレクチニブ

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ROS1陽性肺がんに対するエヌトレクチニブ、統合解析の結果/JCO

 ROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるROS1‐TKIエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)の3つの第I、II相臨床試験(ALKA-372-001、STARTRK-1、STARTRK-2)の統合分析の結果がJournal of Clinical Oncology誌に掲載された。 有効性評価集団は、局所進行または転移のあるROS1陽性NSCLCの成人患者で、CNS転移の有無にかかわらず600mg/日以上のエヌトレクチニブを投与された。複合主要評価項目は盲検化独立中央委員会評価の客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DoR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、頭蓋内ORR、頭蓋内DoR、頭蓋内PFS、安全性などであった。 主な結果は以下のとおり。・6ヵ月以上の追跡を行った161例が評価対象となった。・治療期間中央値は10.7ヵ月であった。・ORRは67.1%であった。・DoR中央値は15.7ヵ月、12ヵ月DoR率63%であった。・PFS中央値は15.7ヵ月、12ヵ月PFS率は55%であった。・OS中央値は未達、12ヵ月OS率は81%であった。・CNS転移を有する患者(24例)の盲検化独立中央委員会による頭蓋内ORRは79.2%であった。・頭蓋内PFS中央値は12.0ヵ月、頭蓋内DoR中央値は12.9ヵ月、12ヵ月DoR割合は55%であった。・初回解析と同様、新たな安全性シグナルは見つからなかった。

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