ROS1陽性肺がんに対するエヌトレクチニブ、統合解析の結果/JCO

提供元:ケアネット

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公開日:2021/03/24

 

 ROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるROS1‐TKIエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)の3つの第I、II相臨床試験(ALKA-372-001、STARTRK-1、STARTRK-2)の統合分析の結果がJournal of Clinical Oncology誌に掲載された。

 有効性評価集団は、局所進行または転移のあるROS1陽性NSCLCの成人患者で、CNS転移の有無にかかわらず600mg/日以上のエヌトレクチニブを投与された。複合主要評価項目は盲検化独立中央委員会評価の客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DoR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、頭蓋内ORR、頭蓋内DoR、頭蓋内PFS、安全性などであった。

 主な結果は以下のとおり。

・6ヵ月以上の追跡を行った161例が評価対象となった。
・治療期間中央値は10.7ヵ月であった。
・ORRは67.1%であった。
・DoR中央値は15.7ヵ月、12ヵ月DoR率63%であった。
・PFS中央値は15.7ヵ月、12ヵ月PFS率は55%であった。
・OS中央値は未達、12ヵ月OS率は81%であった。
・CNS転移を有する患者(24例)の盲検化独立中央委員会による頭蓋内ORRは79.2%であった。
・頭蓋内PFS中央値は12.0ヵ月、頭蓋内DoR中央値は12.9ヵ月、12ヵ月DoR割合は55%であった。
・初回解析と同様、新たな安全性シグナルは見つからなかった。

(ケアネット 細田 雅之)