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第16回 COVID-19食い止めにT細胞が貢献?/ジャーナル購読の莫大な費用をソフトウェア解析で節約

COVID-19食い止めにT細胞が貢献か?抗体検査のみでは感染者数過小評価の恐れ新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への抗体は検出されずともT細胞は検出される場合があり、抗体検査だけではその感染(COVID-19)者数を少なく見積もってしまう恐れがあります1)。また、SARS-CoV-2への曝露があっても軽症か発症しないケースではT細胞が貢献しているかもしれません2)。フランスの7家族を調べた試験の結果1)、SARS-CoV-2感染者と密に接したその家族8人のうち6人からはSARS-CoV-2へのT細胞が検出されましたが抗体は見つかりませんでした。スウェーデンの約200例を調べた試験では無症状か軽症のSARS-CoV-2感染者のほとんどから強いメモリーT細胞反応が検出され、それらのT細胞反応獲得者に抗体反応が欠如していることは稀ではありませんでした3)。SARS-CoV-2に曝露か感染すれば抗体がどうあれ重度COVID-19を防げるようになる可能性があるようです。また、メモリーT細胞反応は抗体反応より2倍多く認められ、抗体検査頼りだとSARS-CoV-2に対抗する免疫がどれだけ広まっているかを少なく見積もってしまうようです。SARS-CoV-2へのT細胞反応は風邪症状を引き起こす別のコロナウイルスへの感染によって備わるらしいことも示されています4)。目下のCOVID-19流行からだいぶ前の2015~18年に採取されて保管されていた血液検体を調べたところ約半数にSARS-CoV-2を認識するヘルパーT細胞が備わっていました。風邪を引き起こす4つのヒトコロナウイルスのいずれかに感染したことでSARS-CoV-2も認識しうるT細胞が発生したのだろうとLa Jolla Instituteの研究チームは考えています。そのチームはCOVID-19から回復した10人の全員からSARS-CoV-2スパイクタンパク質を認識するヘルパーT細胞が検出されたことも併せて報告しています。また、スパイクタンパク質以外のタンパク質に反応するヘルパーT細胞も検出されました。現在開発中のワクチンのほとんどはスパイクタンパク質への免疫反応を誘発することを目指しています。しかしもっと欲張った方が良さそうです。他のタンパク質に反応するヘルパーT細胞が今回確認されたことから察するに、それらのタンパク質へも免疫系を駆り立てるワクチンはいっそう有効かもしれません。1つのタンパク質だけにぞっこんにならない方が良いと米国ノースカロライナ大学の分子微生物学者Rachel Graham氏はScience誌に話しています5)。ジャーナル購読の莫大な費用をソフトウェア解析で節約可能に?今年2020年4月にニューヨーク州立大学(SUNY)はオランダの巨大出版会社Elsevier(エルゼビア)との値が張る一括購読契約を打ち切り、248雑誌の購読を中心とするこじんまりとした契約に切り替えました6)。SUNYはその絞り込みで年間購読料を500~700万ドルも減らせる見込みです。Science誌のニュースによるとUnsubというソフトウェアがその絞り込みを手伝いました7)。SUNYがそれまで年間およそ900万ドルを払っていた2,200ものElsevier発行雑誌の10分の1ほどの248雑誌を年間200万ドル払って購読すればSUNYの64施設の研究者は今後5年間に読むであろうElsevier出版論文の約7割を制限なく入手できるとUnsubは推定しました。UnsubはSUNYのそれぞれの図書館の雑誌利用データを解析し、SUNYの施設や学生がすでに無料で利用できるネット上の論文を考慮してそう推定しました。SUNYは支払いを続ける必要がある雑誌を独自に見繕い、その一覧はUnsubが打ち出した一覧と一致していました。Unsubは一大技術であり、おかげで大学の図書館がもはや大金を注ぎ込まずとも機能を保ってやっていけると分かったとSUNY図書館の運営戦略リーダーMark McBride氏は言っています。Unsubは2017年に誕生したUnpaywallというツールを発展させて去年2019年11月に発売されました。Unsubの前身のUnpaywallはネットから無料の論文を探し出し、合法的に支払いを回避して目当ての論文を読めるようにするものです。Unpaywallの欠点を解消して出来上がったUnsubの年間使用料は1,000ドルであり、Unsubを販売する学術支援企業Impactstoryの設立者の1人・Jason Priem氏によるとすでに300の図書館がUnsub使用を決めています。SUNYが踏み切ったような巨額契約打ち切りがこの夏には増え、図書館は交渉力を取り戻すことになるだろうとPriem氏は言っています。SUNYが新たな契約の下で手に入れうる論文のうちおよそ30%はオープンアクセスなのですでに無料で読むことができ、25%はSUNYが何年か契約を続けたことで入手可能です。新たな契約の下で入手不可能な論文はどうするかというと、SUNYのそれぞれの施設ごとに必要な雑誌を個別購読したり他の図書館から一時的な閲覧権を購入して読めるようにします。また、論文の単品購入もあります。それらの追加出費を含めても新たな契約は余りある節約をもたらすと前述のMcBride氏は言っています。顧客の好みがどうあれ高品質な出版物をお値打ち価格で公平にいらつかせず提供することに変わりはないとElsevierの広報担当者はScience誌に話しており、Unsubが台頭したところで同社は特に何か手を打つつもりはないようです。ところでUnsubと似た目的の1figrというソフトがあったのですが、その販売会社1Scienceとその親会社Science-MetrixがElsevierに取得された後に残念ながら姿を消しました。参考1)Intrafamilial Exposure to SARS-CoV-2 Induces Cellular Immune Response without Seroconversion. medRxiv. June 22, 20202)Scientists focus on how immune system T cells fight coronavirus in absence of antibodies / Reuters 3)Robust T cell immunity in convalescent individuals with asymptomatic or mild COVID-19. bioRxiv. June 29, 2020 4)Grifoni A, et al. Cell. 2020 Jun 25. [Epub ahead of print]5)T cells found in COVID-19 patients ‘bode well’ for long-term immunity / Science 6)State University of New York Steps Away From the “Big Deal” with Elsevier 7)This tool is saving universities millions of dollars in journal subscriptions / Science

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COVID-19でみられる後遺症は?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、回復後もなお、しつこく残るだるさや息苦しさを訴えるケースが多くみられるが、その実態は不明である。イタリア・ローマの大学病院Agostino Gemelli University PoliclinicのAngelo Carfi氏ら研究グループは、COVID-19回復後に退院した患者の持続的な症状について追跡調査を行った。その結果、COVID-19発症から約2ヵ月の時点においても87.4%の患者が何らかの症状があることがわかった。COVID-19を巡っては、これまでもっぱら急性期に焦点を当てて研究や分析が進められてきたが、著者らは、退院後も継続的なモニタリングを行い、長期に渡る影響についてさらなる検証を進める必要があるとしている。JAMA誌2020年7月9日号リサーチレターでの報告。 本研究では、2020年4月21日~5月29日までの間に、COVID-19から回復し、退院した患者179例が対象となった。このうち、研究への参加を拒否した14例およびPCR検査陽性の22例を除く143例の患者について追跡調査を実施した。COVID-19の急性期における症状の有無を遡及的に再評価し、各症状が調査時も持続しているか尋ねた。また、患者自身にCOVID-19の前および調査時のQOLを0(最低)~100(最高)のスコアで評価してもらった。  主な結果は以下のとおり。・患者143例の平均年齢は56.5(SD 14.6)歳(範囲:19~84歳)、男性90例(63%)で女性53例(37%)だった。・COVID-19症状発現から平均60.3(SD 13.6)日後に患者を評価したところ、評価時点で無症状だったのは18例(12.6%)で、患者の32%は1~2つの症状があり、55%は3つ以上の症状が見られた。・患者の44.1%でQOLの低下が見られ、とくに倦怠感(53.1%)、呼吸困難(43.4%)、関節痛(27.3%)、胸痛(21.7%)を訴える人の割合が高かった。このほか、咳、臭覚の異常、ドライマウス/ドライアイ、鼻炎、目の充血、味覚の異常、頭痛、喀痰、食欲不振、咽頭痛、めまい、筋肉痛、下痢といった症状を訴える患者もいた。・本研究では、COVID-19から回復した患者の87.4%が何らかの症状を有していた。 著者らは、143例という比較的少数の患者による単一施設の研究であること、ほかの理由で退院した患者の対照群がないことなど研究の限界として挙げ、これらの所見が必ずしもCOVID-19によるものとは限らない可能性があるとしている。

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第15回 医師過労死の長崎みなとメディカル、控訴から一転和解へ

<先週の動き>1.医師過労死の長崎みなとメディカル、控訴から一転和解へ2.日本医師会、「骨太の方針2020」(原案)に対する3つの懸念3.情報ギャップを解消し、信頼できる医療情報へのアクセスを支援/Google4.コロナに直面する医療機関の経営支援を!超党派議連が発足5.がん疑い3例、診断遅れによる死亡を旭川医科大学病院が公表1.医師過労死の長崎みなとメディカル、控訴から一転和解へ長崎市立病院機構・長崎みなとメディカルセンターに勤務して過労死した医師の遺族が損害賠償を求めていた裁判で、病院側に1億7,000万円の支払いを命じた1審判決に対し、控訴を取り下げ、和解することとなった。今回、過労死を認めないとの方針を大きく変えたのは、理事長、病院長の交代を機にメンバーが一新された理事会において、当時、過労死水準をはるかに超える異常な長時間労働に当該医師が従事していたことを大学側が認め、遺族との和解に至った。医師の働き方改革により、2024年4月以降は医師の時間外労働の上限規制が強化される。病院の勤務医に限らず、労働者の働き方改革については大きな関心が寄せられており、今回の動きはほかの医療機関にも大きく影響を与えると考えられる。(参考)当院の医師の過労死事案について(長崎みなとメディカルセンター)医師の働き方改革について(厚生労働省医政局 医療経営支援課)2.日本医師会、「骨太の方針2020」(原案)に対する3つの懸念日本医師会の中川会長は、政府が現在取りまとめに動いている「骨太方針2020」の原案について、「薬価調査・薬価改定」、「医療機関経営」、「オンライン診療」の主に3点に関する見解を10日に取りまとめた。薬価調査・薬価改定については、新型コロナで予断を許さない状況下、製薬企業や医薬品卸の営業が医療機関にほとんど訪問できていないため、薬価調査を実施できる環境ではないとしている。また、医療機関の経営状態については、コロナ感染拡大に伴い、受診抑制など深刻な影響が出ており、新型コロナウイルス感染症重点医療機関などを支えるための支援も不可欠とし、追加支援を求めている。最後に、オンライン診療についても、原文に「診察から薬剤の受け取りまでオンラインで完結する仕組みを構築する」とあることに対し、ただちに現状と平時の対面診療とを比較できるわけでないため、合意形成しながらの仕組み構築を要望した。(参考)「経済財政運営と改革の基本方針2020(仮称)」(原案)について(日本医師会)3.情報ギャップを解消し、信頼できる医療情報へのアクセスを支援/Google検索エンジン大手Googleは、信頼できる医療情報へのアクセスを支援するために、新たなツール「Question Hub (クエスチョンハブ)」を設け、7日から運用を開始した。これは、ユーザーが適切な情報にたどり着けていないと考えられる検索キーワードを自動的に収集し、表示するもの。今回はβ版として、新型コロナウイルス感染症に関する未回答のキーワードを集め、医療従事者および専門家、メディカルノート、メドレーのプロジェクトチームと協力することで、情報ギャップの解消を目指す。(参考)より信頼できる医療情報へのアクセスを(Google Japan Blog)4.コロナに直面する医療機関の経営支援を!超党派議連が発足7日、有志の国会議員による「コロナと闘う病院を支援する議員連盟」の設立総会が開かれた。新型コロナウイルス感染拡大により、経営が悪化している医療機関への財政的な支援を求める目的で設立された。当日は会場に100名以上の国会議員、秘書などが集まった様子が、参加した議員などから報告されている。今後は日本医師会、日本病院協会からヒアリング、病院の視察など実施し、具体的には省庁予算概算要求の前の8月までに提言の形で政府に申し入れをする見込み。メンバーは自民党、公明党、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会以外にも超党派のメンバーにより形成され、共同代表に中谷 元氏(自民党)、富田 茂之氏(公明党)、羽田 雄一郎氏(国民民主党)が選ばれ、幹事長には増子 輝彦氏(国民民主党)が就いた。(参考)超党派「コロナと闘う病院を支援する議員連盟」(仮称)の設立趣意書(案)5.がん疑い3例、診断遅れによる死亡を旭川医科大学病院が公表10日に、旭川医科大学病院が開催した記者会見において、がんが疑われた8人の患者のうち、診断が遅れて3人が死亡していたことが発表された。大学側によると「がん疑い」の画像診断報告書がありながら、主治医に共有されていなかったことが原因であったとし、今後は医師の確認漏れを防ぐために、未読の報告書があれば、自動的に通知が届く新たなシステムを導入するなど再発防止に努めるという。日本医療機能評価機構によれば、医師が画像診断の報告書などを確認しないまま、病気を見逃して治療が遅れたケースは、2012年から8年間で125件報告されている。厚労省は、2019年12月に「画像診断報告書等の確認不足に対する医療安全対策の取組について」として、「医療安全に資する病院情報システムの機能を普及させるための施策に関する研究」の事務連絡を医政局総務課医療安全推進室より発出している。(参考)旭川医大病院 診断遅れで陳謝(NHK)「画像診断報告書の確認不足(第2報)」(医療安全情報No.138)(日本医療機能評価機構)「医療安全に資する病院情報システムの機能を普及させるための施策に関する研究」報告書資料(厚労省)

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COVID-19、市販の抗体検査の診断精度は?/BMJ

 カナダ・Research Institute of the McGill University Health CentreのMayara Lisboa Bastos氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の血清検査(抗体検査)の診断精度をシステマティックレビューおよびメタ解析により検証し、現在のエビデンスでは既存のポイントオブケア(迅速)抗体検査の使用を継続することは支持されないと報告した。著者は、「COVID-19抗体検査の診断精度を評価する質の高い臨床試験が早急に必要」と強調している。抗体検査は急速に普及してきており、多くが迅速検査として市販されているが、これら抗体検査の診断精度に関するエビデンスは、正式に評価されていなかった。BMJ誌2020年7月1日号掲載の報告。抗体検査の診断精度をメタ解析で評価 研究グループはMedline、bioRxiv、medRxivを用いて、2020年1月1日~4月30日の期間に発表された、COVID-19の概念および抗体検査に関する単語を見出しまたは小見出しに含む論文を検索した。 適格基準は、COVID-19抗体検査の感度または特異度、あるいはその両方を、標準試料のウイルス培養または逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)検査と比較した研究とし、5例または5検体未満の研究は除外した。QUADAS-2(Quality Assessment of Diagnostic Accuracy Studies 2)を用いてバイアスリスクを評価し、併合した感度と特異度はランダム効果二変量解析を用いて推定した。 主要評価項目は、抗体検査法(酵素結合免疫吸着測定法[ELISA]、ラテラルフローイムノアッセイ[LFIA]、化学発光免疫測定法[CLIA])と免疫グロブリンクラス(IgG、IgM、または両方)で層別化した感度および特異度。副次評価項目は、研究あるいは患者特性(発症からの期間など)で定義されたサブグループ内における感度および特異度であった。迅速抗体検査の市販キットの感度は65.0% 5,016報が特定され、40件の研究が解析に組み込まれた。バイアスリスクについては、母集団および方法を含め49の評価が行われ、患者の選択バイアスは98%(48/49評価)が高リスク、性能または解釈のバイアスは73%(36/49評価)が高リスクまたは不明であった。外来患者も対象とした研究は10%(4/40件)のみで、迅速抗体検査を評価した研究は2件のみであった。 各検査法の感度と特異度は、免疫グロブリンクラスと関連しなかった。抗体検査の感度は、ELISA法(IgGまたはIgM測定)が84.3%(95%信頼区間[CI]:75.6~90.9)、LFIA法が66.0%(49.3~79.3)、CLIA法が97.8%(46.2~100)であった。すべての解析において、感度は迅速抗体検査であるLFIA法で低下した。特異度の範囲は、96.6~99.7%であった。 特異度の推定に用いられた検体のうち、83%(1万465/1万2,547例)がCOVID-19の流行前または疑いがない集団からの検体であった。LFIA法の中でも、市販の抗体検査キットの感度(65.0%、95%CI:49.0~78.2)は、非営利の検査よりも低値であった(88.2%、83.6~91.3)。 すべての解析で異質性が認められ、感度は、発症後1週以内(13.4~50.3%)と比較して発症後3週以上(69.9~98.9%)で高かった。

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忘れてはいけない日本の貢献(解説:後藤信哉氏)-1254

 欧米列強に追い付け追い越せの明治時代の日本の勢いはすさまじかった。国力の勝負としての戦争は歴史に残る。日露戦争はとても互角とは言えない相手に競り勝ち、大東亜戦争も常識的に勝てるはずのない相手と同じ土俵に乗った。医学の世界でも、北里 柴三郎による破傷風の抗毒素血清療法は画期的であった。細菌学における日本の貢献は、その時の経済力から考えると驚異的である。 近年はやりの抗凝固薬、抗血栓薬の開発にも日本は画期的役割を果たした。とくに、「止血のための抗線溶薬」となると世界における日本の貢献は突出している。線溶を担うプラスミンの選択的阻害薬トラネキサム酸を開発したのは日本である。「止血薬」となると世界の第1選択はトラネキサム酸である。消化管出血でも、まず安価なトラネキサム酸にて止血を図ろうとするのが世界の標準医療である。 Yes/Noの明確な英語の世界では「正しい」治療と「正しくない」治療が定義されている。「正しい」治療とはランダム化比較試験により検証された治療であり、検証されていない治療は「正しくない」かもしれないとされる。本研究では、世界で第一にひらめく線溶阻害薬トラネキサム酸に出血死亡予防効果があるか否かが、世界1万2,009例のランダム化比較試験により検証された。プラセボとトラネキサム酸では死亡率に差がないとされた。1万2,009例ものランダム化比較試験が世界にて施行できたことに驚く。また、十分に経済成長していない日本にて世界標準の出血阻害薬トラネキサム酸が開発された歴史的事実にも驚愕する。 少なくとも先人の世代まで日本は「すごい国」だったし、医学領域でも世界の誰からも尊敬される日本人がいた。さて、われらの世代から世界を驚嘆させる新薬の開発などが可能だろうか?

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第14回 尾身副座長すら寝耳に水だった?急転直下の専門家会議廃止の裏側

政府の「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」(以下、専門家会議)が廃止され、代わりに新設された「新型コロナウイルス感染症対策分科会」(以下、分科会)が7月6日、初会合を開いた。一連の背景には、担当大臣のスタンドプレーや経済活動を優先したい官邸の思惑もあり、果たして分科会が有効に機能するかどうかは疑問だ。廃止の一報が流れたのは、6月24日、専門家会議の尾身 茂副座長らがまさに日本記者クラブで会見中のことだった。席上、記者から質問された尾身氏が「知りませんでした」と答え、多くの人に奇異な印象を与えた。同じ時間帯に、別の会見で廃止を発表した西村 康稔・経済再生相兼新型コロナ対策担当相は、「唐突」などと与野党から批判を受け、「『廃止』と強く言い過ぎたことを反省している。十分に説明できず申し訳ない」と陳謝。首相の座を目指す西村大臣の“スタンドプレー”が明らかとなる一幕であった。専門家会議は、政府の新型インフルエンザ感染症対策本部の下、医学的な見地から適切な助言を行うことを目的に、2月に設けられた。「3密」「オーバーシュート」「ロックダウン」などの言葉も専門家会議から広がり、新型コロナ対策で大きな影響を与えた。一方で、議事録を作成していなかったことなど、多くの批判にもさらされた。専門家会議を前面に出し、責任回避とも取れる西村大臣の言動も影響していると思われる。特定業種名を挙げたクラスター情報も発信していたことから、ある構成員は「身の危険を感じる人もいた」と打ち明ける。このような経緯も踏まえ、専門家会議は6月24日の会見で、「あたかも専門家会議が政策を決定しているような印象を与えた」と振り返り、「政府との関係性を明確にする必要がある」と提言。それを制するかのように、西村大臣は「廃止」を公表したのだった。西村大臣は以前、感染症や公衆衛生の専門家が中心の同会議に、経済の専門家を入れるよう打診したが、断られた。一方、分科会には感染症の専門家や医療関係者だけでなく、経済学者や県知事、政権に近い新聞社の役員なども構成員となっている。また、新型インフルエンザ等対策閣僚会議の下、特別措置法を根拠とする有識者会議の分科会として発足しており、責任や権限の範囲も明確になった。分科会は経済活動を優先したい首相にとって、専門家会議より都合の良い組織に衣替えした。しかし、経済活動を優先するあまり、新型コロナ対策の科学的知見が軽視される懸念はないだろうか。東京を中心に感染者数が大きく右肩上がりになっている昨今。分科会が医学的見地をなおざりにした結果、収束が遠のいたなんていうことになれば、本末転倒という以外の何物でもない。

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COVID-19重症例、フサン+アビガンで臨床症状が改善/東大病院

 2020年7月6日、東京大学医学部附属病院は医師主導の多施設共同研究である『集中治療室(ICU)での治療を必要とした重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するナファモスタットメシル酸塩(以下、ナファモスタット[商品名:フサン])とファビピラビル(商品名:アビガン)による治療』の成績について発表した。それによると、治療対象者11例(男性:10例、女性:1例、年齢中央値:68歳)のうち10例で臨床症状の軽快が見られた。また、回復症例は人工呼吸器使用が7例、うち3例がECMOを要したが、16日(中央値)で人工呼吸器が不要となった」ことが明らかになった。本研究成果はCritical Care誌2020年オンライン版7月3日号に掲載報告された。 東京大学医学部附属病院救命救急センター・ER准教授の土井 研人氏らが5月8日に実施を発表した本研究(国内8施設で実施)では、ナファモスタットとファビピラビルをICU管理が必要なCOVID-19の重症患者11例(2020年4月6日〜21日に入院)に投与し、臨床経過について観察を行った。11例のうち8例は人工呼吸器を、うち3例でECMOを使用した。ナファモスタットの点滴静注を0.2mg/kg/時で14日間投与(中央値)、ファビピラビルの内服を初日3,600mg/日、2日目から1,600mg/日で14日間(中央値)投与した。 研究者らは今回の結果に対し、「新型コロナウイルス抑制に対するナファモスタットとファビピラビルの異なる作用機序、ナファモスタットの抗凝固作用の有効性が示唆された。ファビピラビル単独での効果について、現時点では国内臨床研究の結果が報告されていない。そのため、ナファモスタット単独の効果、ナファモスタットとファビピラビル併用効果の両方が考えられ、今後の臨床研究の必要性を示唆する結果」としている。

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新型コロナ感染の川崎病様小児患者、大半で心機能障害/NEJM

 米国ニューヨーク州では5月上旬時点で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染が認められた小児発症性多系統炎症症候群(MIS-C)は95例に上ったことが、米国・ニューヨーク州保健局(New York State Department of Health:NYSDOH)のElizabeth M. Dufort氏らによる調査により明らかにされた。そのほとんどで、C反応性蛋白(CRP)値、Dダイマー値、トロポニン値が上昇し、心機能障害との関連が認められたという。MIS-Cは、皮膚・皮膚粘膜症状、消化器系症状を伴うhyperinflammatory syndromeで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との関連が示唆されており、NYSDOHでは、同症状を呈した入院患者の記述的サーベイランスを州全体で強化していたという。NEJM誌オンライン版2020年6月29日号掲載の報告。川崎病、MIS-C疑い例など21歳未満の入院患者を対象に調査 研究グループは、2020年3月1日~5月10日にNYSDOHに報告された川崎病、毒素性ショック症候群、心筋炎、およびMIS-Cが疑われる21歳未満の入院患者を対象に調査を行った。 NYSDOHのMIS-C症例基準に適合した患者について、臨床症状、合併症、アウトカムを要約した記述的分析を行った。ICU治療は80%、昇圧剤サポートは62% 2020年5月10日時点で191例の症例がNYSDOHに報告された。 このうち、MIS-Cと診断(急性または最近のSARS-CoV-2感染が検査で確認)されたのは95例、また臨床・疫学的基準に適合しMIS-Cの疑いがあると判断された症例が4例で、54%(53例)が男性だった。人種別では、31/78例(40%)が黒人、31/85例(36%)がヒスパニック系だった。年齢別では、0~5歳が31例(31%)、6~12歳が42例(42%)、13~20歳が26例(26%)だった。 全例で主観的な発熱または寒気があり、頻拍は97%、消化器系症状は80%、発疹は60%、結膜充血は56%、粘膜変化は27%にそれぞれ認められた。 CRP値、Dダイマー値、トロポニン値の上昇は、それぞれ100%、91%、71%で認められた。昇圧剤サポートを要したのは62%、心筋炎のエビデンスが認められたのは53%、集中治療室(ICU)での治療を要したのは80%、死亡は2例だった。 入院期間の中央値は6日だった。

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こんなときだから、自分のため&社会のためにぜいたくしよう!【医師のためのお金の話】第34回

新型コロナウイルス感染症のため、東京オリンピックは1年延期されました。さらに緊急事態宣言が発令されたため、多くの事業者が大打撃を被りました。その中でも、ホテル業界は、消費者の巣ごもりと東京オリンピックの延期によって不振を極めています。本来、東京オリンピックは2020年7月24日~8月9日の日程で開催される予定でしたが、1年延期されたために同時期の宿泊予約が軒並みキャンセルになりました。オリンピックの延期が決まってから一気に客室が供給されたため、本来ならハイシーズンのはずの8月前半からお盆にかけての都内ホテルの宿泊料金は、例年に比べて信じられないほど値下がりしています。この状況は、クラブフロアを擁するような高級ホテルも例外ではありません。どうせならば、「クラブフロア」に宿泊をクラブフロアとは、五つ星の高級ホテルの特別階に存在するエリアで、出入りできるのはクラブフロアの宿泊者のみ。外来者はもちろん、通常フロアの宿泊客も出入りできません。詳細は第23回 ホテルの「クラブフロア」を使ってみよう!を参照いただきたいのですが、クラブフロアの宿泊には下記のような特典が含まれることが多いです。クラブラウンジを利用できるジムやプールが無料になるクラブラウンジでチェックインやチェックアウトができる駐車場が無料になるクラブフロア内にあるクラブラウンジでは、各種おつまみや軽食、そして夕方以降にはアルコールを無料で楽しめます。本稿執筆時(2020年6月)では、新型コロナウイルス感染症の影響でおつまみや軽食の提供が中止され、クラブラウンジのサービスが縮小されているホテルもあります。しかし、流行が終息に向かえば、全面的に再開されていくことでしょう。お盆時期の都心ホテルは穴場!私がクラブフロアを頻回に利用したのは2008~2009年でした。この時期はリーマンショック後で景気が冷え切っており、格安でクラブフロアに宿泊することができました。都内をはじめ日本全国のいろいろなホテルのクラブフロアに宿泊したことは非常に良い思い出になりました。無料でプールやジムを利用できたり、1日5回のフードプレゼンテーションがあったり。ホスピタリティの高さも格別です。このような特典があるにもかかわらず、当時は1泊3万円台から宿泊できるホテルがたくさんありました。しかし、2013年からの好景気でクラブフロアの宿泊料金が高騰したためお得感がなくなり、しばらく足が遠のいていました。しかし、今回のコロナ禍のために、クラブフロアの宿泊料金は再び低下しています。普段から、都心ホテルのクラブフロアは、ゴールデンウイーク、お盆、年末年始などの時期でもリゾートホテルほどに宿泊料金が高くなりません。これに加えて今年は東京オリンピックの延期も重なり、クラブフロアが投げ売りされている状況なのです。お子さんのいる方は夏休み短縮に注意! 「お盆の時期に1泊3万円台で都内のクラブフロアに宿泊できる!」そう言うと、思わず旅行サイトで予約ボタンをクリックしそうになる方も多いことでしょう。しかし、ちょっと待ってください! 予約の際には家族の予定をきっちり確認する必要があります。「何言ってんの、お盆の時期だから大丈夫」と思うのは早計です。今年は、小学生から高校生まで、学校の夏休みが短縮されるケースが多いからです。周知のように5月も臨時休校となった地域が多いですが、臨時休校した学校では夏休みを返上して授業が行われる可能性が高いです。せっかくお盆の時期にクラブフロアを予約しても、子供の夏休みがなくなっては家族での利用は難しいですから…。不況時こそ、少しのぜいたくを楽しもう注意点はあるものの、お子さんがいない方などは、ぜひ夏季休暇にクラブフロアでの宿泊を検討してみてください。不況時にはみんなが縮こまってしまい、ますます世の中の雰囲気が悪くなります。この数ヵ月、職場でコロナの患者さんを受け入れ、大変な思いをされた方もいるでしょう。また、コロナ余波の患者減で収入面での打撃を受けた方も多いかと思います。それでも、医師には世間一般よりは余裕のある方が多いですし、大変だった自分をねぎらってまた頑張るためにも、少しのぜいたくとリフレッシュは大切です。世の中を助けるためにも、ちょっとしたぜいたくを格安で楽しみましょう。

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第14回 コロナ患者のカルテ不正閲覧、鳥取でなぜ起きた?

感染者が少な過ぎても神経を使う世知辛い世の中にこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。東京の新型コロナウイルス感染症患者の数がなかなか減っていきません。地方のみならず、隣接する埼玉県の知事ですら、「都内で飲んでくるな」と言い出す始末。未だ感染者が出ていない岩手県の飲食店の中には「県外者お断り」の貼り紙があるところもあるそうです。感染者が多過ぎても大変ですが、少な過ぎても神経を使う世知辛い世の中になってきたようで…。さて、今回気になったのは、1ヵ月ほど前に報じられた、鳥取県立中央病院で職員による患者カルテの不適切な閲覧が起きていた、というニュースです。6月10日の山陽新聞朝刊によれば、鳥取県立中央病院は6月9日に記者会見を開き、県内で初めて新型コロナウイルスに感染した同市の60代男性の電子カルテを、治療に関係のない職員27人が閲覧していたと発表した、とのことです。病院の説明では、電子カルテは約900人の職員が見られるようになっており、内規で正当な理由なく閲覧することを禁じていましたが、4月10日~14日に男性のカルテを見た206人のうち、看護師22人、検査技師1人、医療秘書4人を業務外の不当な閲覧と認定したそうです。また、2人目の入院患者となったNHK鳥取放送局職員の20代男性のカルテも、入院していた4月18日~5月25日に127人が閲覧し、うち看護師3人と医療秘書2人は不当なアクセスだったと判断しています。同病院は4月14日、最初の患者の時点で200人近くがカルテを見ていることを把握、業務外での閲覧をしないよう注意喚起はしたもののその後6月まで閲覧状況をきちんと調べていなかった、とのことです。なお、閲覧していた職員は、病院の聞き取りに対し「病状が気になった」「院内感染が不安だった」と話したそうです。廣岡 保明院長は会見で「カルテを見ても院内感染が起きているかは分からず、不適切だ。興味本位ととられても仕方がない」と断じています。同じような事件が隣県、島根でもこのニュースを聞いて、同じような事件が数年前にあったことを思い出しました。それは2018年11月に島根大学医学部附属病院で起きました。出雲市で発生した殺人事件の被害者が搬送された際に、医師ら職員による電子カルテの不適切な閲覧記録が確認された、というものです。このとき、電子カルテへアクセスしたのは312人、同病院は記者会見で「診療・業務に関連したものではない者が含まれている」との見解を発表しました。鳥取県、島根県という日本海側の病院で同種の事件が発覚しているのは果たして偶然でしょうか。人口が少なく、人と人とのつながりが強い分、病院職員でありながら自らの興味が前面に出てしまったのかもしれません。さらに、「興味本位の閲覧」が出来てしまうセキュリティの甘いシステムと、電子カルテは究極の個人情報を扱っているのだという意識、言い換えれば職業倫理の欠如も原因に挙げられるでしょう。島根大学医学部附属病院は事件後、個人情報保護や職業倫理、臨床倫理に関する研修を強化したと聞いています。また、電子カルテを改修し、アクセスした際に画面に「業務外」の閲覧に対して注意喚起するメッセージを表示させたり、カルテ閲覧数のモニタリングを始めたりした、とのことです。一方、今回のコロナ患者のカルテ閲覧が発覚した鳥取県立中央病院は6月19日、同病院のホームページに「当院における個人情報取扱の対策強化について」として、以下の5つの対策を講じると公表しました。1)全職員を対象に、個人情報に関する研修を行うこととしました。2)特定の患者のカルテを閲覧する際にパスワードが設定できるよう電子カルテシステムの改修を行うこととしました。3)特定の患者のカルテには個人情報を匿名化できるようにしました。4)電子カルテの全端末に個人情報の取扱に関する注意喚起を表示することとしました。5)「情報セキュリティ運用規程」(セキュリティポリシー)に「病院が個人情報を利用する場合の目的」を明記し、この目的以外は不適切な閲覧に当たることを定め、職員に周知することとしました。6)定期的に不適切なアクセス等がないかチェックを行うこととしました。これらの対策、今さら感はありますが、今回、事件が表沙汰になったことで、同病院の不正閲覧はさすがになくなるでしょう。不正閲覧には民事訴訟のリスクところで、病院職員によるカルテの不正閲覧については、個人情報保護法による罰則というより、民事訴訟になるリスクのほうが大きい、と言えます。2014年、宮城県の大崎市民病院で、同院で働いていた事務職員の家族のカルテを同僚らが業務外で閲覧したことが判明し、問題となりました。当時の報道によれば、患者は父親の家庭内暴力で保護入院していた事務職員の子どもらで、カルテを見なければわからない入院に至った経緯を上司が知っていたことをこの職員が不審に思い、発覚したとのことです。事務職員と子どもらは、プライバシーを侵害されたとし、同病院および派遣会社に対し計900万円の慰謝料を求めて提訴。2018年1月に和解が成立しています。電子カルテは患者情報の共有という意味で確かに便利ですが、こと患者の立場に立ってみれば、多くの医療スタッフに自分の情報を覗かれるというある種の気味の悪さがあります。特に、地方都市においては、基幹病院は地域の雇用を担う一大産業であり、住民の知り合いの誰かしらは病院で働いていたりするものです。いい医師、適切な診療科を紹介してもらえる、というメリットもあるかもしれませんが、逆に病院で働く知人に自分の病気のことは知られたくない、と心配する人も少なくないでしょう。県立病院、大学病院クラスの医療機関ですら起こったということは、カルテ不正閲覧は、日本の病院で結構、日常茶飯事に行われているのかもしれません。類似の事件が再び起こらないためにも、鳥取県立中央病院が示したような対策の徹底が、全国の病院で望まれます。

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米国・3人に1人が新型コロナ消毒方法を間違える/CDC

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行以来、米国では洗剤や消毒薬曝露に関する毒物センターへの問い合わせが急激に増加している。そこで、米国疾病予防管理センター(CDC)COVID-19 Response TeamのRadhika Gharpure氏らが米国人の消毒薬の使用状況を調査した。その結果、洗剤や消毒薬の安全な準備・使用・保管に関する知識には個人差が見られ、回答者の約3分の1は「食品へ漂白剤を使用」「皮膚に家庭用洗浄剤や消毒薬を使用」「洗剤や消毒薬の吸入または摂取」など、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染を防ぐためには推奨できない方法をとっていたことが明らかになった。研究者らは、手指衛生や手で触れやすい場所の清掃や消毒など、家庭でのSARS-CoV-2感染予防のための根拠に基づく安全な清掃・消毒の実践法について、引き続き強調する必要があるとしている。2020年6月12日CDC・Morbidity and Mortality Weekly Report (MMWR)掲載の報告。 研究者らは2020年5月4日、調査企業のPorter Novelli Public Services と ENGINE Insights を介してパネル型のインターネット調査を実施。対象者は18歳以上の米国成人で、502人が回答した。調査は、対象者を性別、年齢、地域、人種/民族、および教育などの組み合わせで分類し、クォータサンプリングが行われた。アンケートの質問内容は、家庭用洗剤や消毒薬の使用に関連する一般的な知識、考えなどについて。 主な結果は以下のとおり。・回答者の年齢中央値は46歳(範囲:18~86歳)で、52%が女性だった。・回答者の人種は、非ヒスパニック系白人(63%)、ヒスパニック系(すべての人種、16%)、非ヒスパニック系黒人(12%)、多民族またはその他の人種/民族(8%)だった。また、居住エリアは南部(38%)、西部(24%)、中西部(21%)、北東部(18%)だった。・回答者は、洗浄液と消毒薬を安全に準備する方法について限られた知識しか持っておらず、漂白剤の希釈調製に室温の水のみを使用すると回答したのは23%、漂白剤と酢を混合してはいけないと理解していたのは35%、漂白剤をアンモニアと混合してはいけないと理解していたのは58%だった。・一方、保護具の使用に関する知識を持つ回答者は多く、64%は洗剤や消毒薬使用時の眼の保護の必要性を理解し、71%は洗剤などを使用する際に手袋の着用が推奨されると回答した。このほか、洗剤や消毒薬の使用後に手洗いが必要(68%)、洗剤や消毒薬使用時には適切な換気が必要(73%)と回答した。保管に関して、回答者の79%は洗剤と消毒薬は子供の手の届かないところに保管する必要があると答えた。・回答者のうち60%は、SARS-CoV-2感染防止の目的で、家の掃除や消毒の頻度が前月に比べて高かった。・回答者の39%は食品(果物や野菜など)に漂白剤を使用し、18%は手や皮膚に家庭用洗剤や消毒薬を使用していた。さらに、回答者の6%は家庭用洗剤や消毒薬の蒸気を吸入し、希釈した漂白剤溶液、石けん水、およびその他の洗浄剤や消毒薬溶液を摂取、またはうがいした者がそれぞれ4%いた。・回答者の25%は前月に1つ以上の健康への影響を報告し、洗浄剤または消毒薬の使用が原因であると考えられた。その内訳は、鼻や副鼻腔への刺激(11%)、皮膚への刺激(8%)、目の炎症(8%)、めまい・立ちくらみ・頭痛(8%)、胃のむかつきまたは吐き気(6%)、呼吸障害(6%)だった。・SARS-CoV-2関連の清掃および消毒情報について、「最も信頼できる情報源を求める際に誰に尋ねたか」を質問したところ、上位3つの回答はCDC(65%)、州または地方の保健機関(49%)、医師・看護師などの医療従事者(48%)だった。

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カリウムイオンを補足する非ポリマー型高K血症治療薬「ロケルマ懸濁用散分包5g/10g」【下平博士のDIノート】第53回

カリウムを便中に出す非ポリマーの高カリウム血症治療薬「ロケルマ懸濁用散分包5g/10g」今回は、高カリウム血症改善薬「ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物(商品名:ロケルマ懸濁用散分包5g/10g、製造販売元:アストラゼネカ)」を紹介します。本剤は、体内に吸収されない非ポリマーの無機陽イオン交換化合物で、消化管内のカリウムイオンを選択的に捕捉して便中に排泄させることにより、血清カリウム値を低下させます。<効能・効果>本剤は高カリウム血症の適応で、2020年3月25日に承認され、2020年5月20日より発売されています。なお、本剤は効果発現が緩徐であるため、緊急の治療を要する高カリウム血症には使用できません。<用法・用量>通常、成人には開始用量として1回10gを水で懸濁して1日3回、2日間(血清カリウム値や患者の状態に応じて最長3日間まで)経口投与します。以後の維持量は1日1回5gですが、血清カリウム値や患者の状態に応じて1日1回15gを超えない範囲で適宜増減できます。なお、増量を行う場合は5gずつとし、1週間以上の間隔を空けます。血液透析施行中の場合は、初回から1回5gを水で懸濁して、非透析日に1日1回経口投与します。なお、最大透析間隔後の透析前の血清カリウム値や患者の状態に応じて、1日1回15gを超えない範囲で適宜増減します。<安全性>本剤承認の根拠となった主要な第III相試験(非透析患者を対象としたHARMONIZE Global試験、J-LTS試験および慢性血液透析患者を対象としたDIALIZE試験)において確認された主な副作用は、浮腫、体液貯留、全身性浮腫、末梢性浮腫、末梢腫脹、便秘(いずれも10%未満)などでした(承認時)。なお、重大な副作用として、低カリウム血症(11.5%)、うっ血性心不全(0.5%)が報告されています。<患者さんへの指導例>1.このお薬は、消化管内で吸収される前のカリウムを吸着し、便とともに排泄することで、血液中のカリウム値を低下させます。2.分包された薬剤を容器にすべて出してから、約45mL(大さじ3杯)の水と合わせて服用します。この薬は水に溶けないため、よくかき混ぜて、沈殿する前に飲んでください。飲んだ後に容器に薬が残っていたら、水を追加して再度かき混ぜてすべて服用してください。3.飲み忘れた場合は、1回飛ばして、次に飲む時間に1回分を飲んでください。絶対に2回分を一度に飲まないでください。4.いつもと違う手足のだるさ、力が抜ける感じ、筋肉のこわばり、呼吸のしにくさ、めまい、動悸などがある場合は、薬が効き過ぎている可能性があるため、すぐにご連絡ください。<Shimo's eyes>通常、カリウムは腎臓から排泄されて血中のカリウム値は一定の範囲に保たれますが、慢性腎臓病患者や透析患者では、腎機能の低下によりカリウム排泄が低下するため、高カリウム血症を発症しやすくなります。高カリウム血症に用いる既存のカリウム吸着薬としては、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム製剤(商品名:ケイキサレート)およびポリスチレンスルホン酸カルシウム製剤(同:カリメート、アーガメイトゼリーなど)があり、いずれもポリマーで構成された陽イオン交換樹脂製剤です。既存薬には独特の味と舌触りがあり、投与量が多いことも相まって、患者さんが継続服用するのが困難な場合があります。飲みにくさを改善するために、ゼリー製剤やフレーバーが開発されているだけでなく、複数の医療機関から飲みやすさの工夫に関する研究結果も報告されています。また、ポリマー性吸着薬は水分によって膨張するため、便秘や腹痛、腹部膨満感などの懸念があります。本剤は国内初となる非ポリマー無機陽イオン交換化合物で、消化管内のカリウムイオンを選択的に捕捉して便中に排泄させます。無味無臭の白色粉末で、開始時は10gを1日3回経口投与であるものの、3日目からは通常5gを1日1回となり、服用量・回数共に比較的少ないため、アドヒアランスの向上が期待できます。本剤の相互作用については、胃内pHの上昇によって、アゾール系抗真菌薬、チロシンキナーゼ阻害薬などの溶解性低下が起きることがあるので、注意が必要です。生活指導としては、腎臓への負担を少しでも減らすために、カリウムを多く含む食品の過剰摂取に注意することや、茹でたり水にさらしたりするなどの調理方法の工夫を伝えましょう。参考1)PMDA 添付文書 ロケルマ懸濁用散分包5g/ロケルマ懸濁用散分包10g

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第15回 COVID-19でも顕在化か、ワクチン不信/血液脳関門の定説を覆す結果!?

COVID-19ワクチン接種予定の米国人はわずか2人に1人~ワクチン信用の底上げが必要1月20日に米国で初めて新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染(COVID-19)が確認されるやいなや、反ワクチン活動家はすぐに腰を上げ、そんなウイルスは実在せず、ワクチンで稼ぐためのでっちあげだとのツイッターを投稿しはじめました1)。それから半年近くが過ぎ、世界の科学者たちはCOVID-19ワクチン開発に勤しみ、反ワクチン活動家からの大量の誤った情報は増加の一途を辿っています。そういった情報に惑わされることなく、COVID-19ワクチンを受け入れてもらうための土壌作りを今からはじめる必要があると健康情報の専門家は言っています。実際、今のままだと米国でのCOVID-19ワクチンの普及はあまり期待できそうにありません。最近の調査でCOVID-19ワクチンが使えるようになったら接種すると答えたのはわずかに2人に1人(49%)のみでした。5人に1人(20%)は接種しないと答え、約3~4人に1人(31%)は決めかねていると答えました。そのような調査結果を背景にして、アメリカ疾病管理センター(CDC)はワクチンの信用底上げに取り組むことを計画しています。ワクチン不信は米国に限った問題ではなく、世界の健康機関もワクチンに反対する人々を翻意させるためのあの手この手の取り組みをしています。世界保健機関(WHO)もそれを承知であり、2019年にはワクチン拒否を最も心配な10の公衆衛生問題の1つに数えています。ワクチン不信を取り除くためには、反ワクチン活動家も使うツイッター等のソーシャルメディアを駆使したデジタル世界での取り組みも必要でしょうが、電話でのワクチン接種案内等の血の通った地道な働きかけがより有効かもしれないとノースカロライナ大学の行動科学者Noel Brewer氏はScienceに話しています。また、公衆衛生機関はさまざまな人の輪のリーダーと話して意思疎通をはかり、ワクチンを医療機関に来てもらって接種するのではなく職場や店舗に自ら出向いていって接種することも検討すべきだろうとジョンズホプキンス大学の医学人類学者Monica Schoch-Spana氏は言っています。定説に反し、老化するほど血液脳関門はタンパク質を通し難くなる~若い脳ほど取り込みが旺盛血液脳関門(BBB)は老化につれてより通過しやすくなるとこれまで考えられていましたが、どうやらそうとも限らないようで、若い健康なマウスの脳は血液中のタンパク質を思ったより多く受け入れており、老化は脳に入る血漿タンパク質をむしろ減らすと分かりました2,3)。今回の研究では、マウスの生来の血漿中タンパク質一揃いに印を付けてその行き先を追跡しました。その結果、若いマウスの脳にはこれまでの想定以上の量の血漿タンパク質が移行しました。それらのタンパク質は神経回路とおそらく相互作用しており、全身のタンパク質の有り様は行動や情緒などの神経機能を変化させるようです。今回のような生来のタンパク質ではない、作り物の標識分子を用いたかつての実験では、老化につれてBBBは通過しやすくなることが示されていましたが、生来のタンパク質の動向を追った今回の研究では逆に老化マウスの脳は血漿タンパク質を受け入れ難くなっていました。老化した脳にタンパク質が入り難いことに寄与するBBB経細胞輸送の変化も、今回の研究では把握されています。血液中のタンパク質がBBBの内皮細胞を横断して脳に入る経路は、目当てのタンパク質を取り込む受容体が携わる経細胞輸送が若い頃には優勢ですが、老化すると受容体の媒介がめっきり減って受容体を介さないやみくもな経細胞輸送が優勢になります。ゆえに老化すると脳に入り込むタンパク質はより雑多になり、老化した脳は目当てのタンパク質を若い頃のようにはおそらく受け取れなくなります。過去の作り物の分子を用いた実験ではおそらくやみくもな経細胞輸送のみが測定されていたため、若い脳への血漿タンパク質移行量が過少になっていたようです。若い脳で優勢と今回の研究で判明した受容体媒介経細胞輸送は脳への治療薬投与に利用されています。たとえば米国サンフランシスコ拠点のバイオテック企業Denali Therapeutics社はBBBのトランスフェリン受容体に運ばれて脳に届く薬DNL310を開発しており、ハンター症候群小児対象の第1/2相試験(NCT04251026)が間もなく始まる予定です4)。ALPLというタンパク質を阻害するとトランスフェリン受容体を介した経細胞輸送が向上しうることが今回の研究で判明しており、ALPL阻害剤とDNL310の併用は一層効果的かもしれません。また、ALPLは老齢マウスの脳ほど発現が多く、ALPL阻害は高齢者脳へのトランスフェリン受容体を介した治療薬運搬にとりわけ役立ちそうです。参考1)Just 50% of Americans plan to get a COVID-19 vaccine. Here’s how to win over the rest / Science 2)Unexpected amount of blood-borne protein enters the young brain / Nature3)Andrew C Yang,et al. Nature.2020 Jul 1. [Epub ahead of print]4) Denali Therapeutics Announces Publication of Two New Papers Describing Its Blood-Brain Barrier Delivery Technology in Science Translational Medicine / GlobeNewswire

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「コロナ疲れ」が単なる疲労で済まされない理由

 コロナ禍において、日本でも「コロナ不安」「コロナ疲れ」という言葉がメディアやSNS上で散見される。現在、米国では国民の約半数がこの状況下でメンタルヘルスに支障をきたし、ワシントンポスト紙の調査によれば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行拡大によるストレスレベルは2009年のリーマン・ショック時よりも高くなっているー。2020年6月18日、2020年度第1回メディアセミナーがWeb開催され、堀江 重郎氏(順天堂大学大学院医学系研究科泌尿器外科学教授/日本抗加齢医学会 理事長)が「Stay Homeのアンチエイジング」と題し、コロナ疲れがDNAレベルにもたらす影響やその対策法を語った(主催:日本抗加齢医学会)。コロナ疲れの回避策として心のアンチエイジング 「コロナ疲れ」とは、COVID-19というストレッサー(脅威)に対して心理的な闘争・逃走反応が続くことで、次第にネガティブ感情が増幅して生じる状態である。堀江氏はコロナ疲れの原因の1つに在宅勤務(テレワーク)を挙げ、「『3密』(密閉、密集、密接)を回避した新しい生活様式を遂行するうえで推奨されているが、テレワークの増加に伴い、プライベートと仕事の空間が混在し、長時間労働になることでワーク・ライフ・バランスに悪影響を及ぼすことが研究報告されている1)」と問題点を指摘した。この研究結果によると、ワーク・ライフ・バランスが崩壊することで、燃え尽き症候群になりやすく、仕事や人生への満足感が減ることが明らかになっていることから、コロナ疲れの回避策として「心のアンチエイジングが重要」と同氏は述べた。 一般的なアンチエイジング対策には、加齢に伴い増加する酸化ストレスをいかに抑制させるかが鍵となるが、心のアンチエイジングを保つための有用な方法として、同氏はセルフ・コンパッションを推奨。セルフ・コンパッションとは、「あらゆる人の幸せを願う」「あらゆる人の苦しみがなくなることを願う」「あらゆる人の幸せを喜ぶ」「偏りのない平静で落ち着いた心」という、ダライ・ラマ14世の教えである。これにより、他人のために何かをしようとする前に自分自身を労ろうという考え(自分への優しさ、共通の人間性の認識、マインドフルネス)を意識することで、幸福感や打たれ強さ、つながり感が増幅し、ストレス・うつ・不安になりにくい体質が形成されることが明らかになってきている。セルフ・コンパッションの効用をまとめると、1)幸福感を高める、2)ストレスを減少させる、3)レジリエンス(回復力、弾性)が高い、4)自己改善のモチベーションが高く自分らしい人生を送れる、などがある。近年、セルフ・コンパッションの概念を持つ人はテロメアが長いことも報告されており、抗加齢医学の研究でも重要な役割を果たすとされている。「コロナ疲れ」だけで済ませてはいけない理由 遺伝子の老化度を示すテロメアの長さはセルフ・コンパッションにより保たれる。その一方、コロナ疲れのような心理的ストレスの影響を大きく受けている人ほどテロメアは短縮し、動脈硬化や心臓病の発症リスクが高くなる。過去に性差を比較した研究2)では、男性のほうが女性よりも早くテロメアが短くなることも報告されている。これらを踏まえ、テレワークをする男性が、寿命延伸やテロメアの長さを死守するため「コロナ疲れ」を単なる「疲れ」で済ますのは、リスクが大きいのかもしれない。 最後に同氏は「テレワークの増加により中年期以降のうつの増加も懸念される。酸化ストレスが免疫を抑制し、心理的ストレスがそれを助長することから、自宅でもハツラツと過ごすために、まずは自分自身をいたわるセルフ・コンパッションを学んでほしい」と締めくくった。

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第14回 新型コロナウイルス拡大、日本の超過死亡は?

<先週の動き>1.新型コロナウイルス拡大、日本の超過死亡は?2.新型コロナウイルス感染症対策分科会、専門家会議副座長の尾身茂氏が分科会長に3.相次ぐオンライン診療の初診での恒久化を求める声4.医療機関のインターネット広告違反、美容・歯科で数多く5.医師少数区域経験認定医師の広告が許可へ1.新型コロナウイルス拡大、日本の超過死亡は?6月26日、厚生労働省より2020年4月までの人口動態統計が発表された。これによると、今年4月の死亡者数は11万3,362人で前年度4月の11万2,939人と比べると423人・0.4%の増加だった。今年1~4月の累積死亡者数を前年同時期と比較すると、1万444人・2.1%の減少となり、コロナウイルス感染拡大に伴う超過死亡は、欧米と比較してほぼなかったと考えられる。海外、とくに欧米においてはコロナウイルス感染拡大による超過死亡が報告されているが、我が国ではPCRの実施体制の不備が懸念されていたものの、幸いにも超過死亡が記録されることはなく、第1波の感染拡大が収束した。今後、第2波の襲来や冬場のインフルエンザウイルスの流行期での感染拡大が懸念されるだけに早期の感染防御やPCRの検査体制拡充が求められる。(参考)人口動態統計速報Excess Deaths Associated with COVID-19(CDC)2.新型コロナウイルス感染症対策分科会、専門家会議副座長の尾身茂氏が分科会長に政府は、7月3日の新型コロナウイルス感染症対策本部(持ち回り形式で開催)において、「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」の廃止を決定し、新たに特別措置法に基づいて「新型コロナウイルス感染症対策分科会」を設置することを正式決定した。この初会合は7月6日に開かれることとなっており、構成員は18人、医師や保健所の代表、全国知事会、メディアの代表などが含まれ、専門家会議で副座長を努めた尾身 茂・地域医療機能推進機構理事長がトップを務める。初回は、東京都を中心とした感染状況や PCR検査の拡充、感染者データの取り扱いなどが取り上げられる予定。(参考)政府のコロナ対策分科会メンバー一覧 経済学者や知事、マスコミも産経新聞3.相次ぐオンライン診療の初診での恒久化を求める声7月2日に開催された第8回規制改革推進会議にて、「規制改革推進に関する答申」が取りまとめられ、デジタル分野の規制改革の提言を提出された。答申案では、新型コロナウイルスの感染拡大の中、新しい生活様式への転換が求められるため、デジタル技術を徹底的に活用できるよう規制改革を行う必要があるとしたうえでデジタル時代の規制・制度のあり方や書面・押印・対面規制の見直しを求めている。医療・介護分野では、初診も含めたオンライン診療の全面解禁やスイッチOTC化の促進に向けた推進体制の充実、介護アウトカムを活用した科学的介護の推進を求めており、今後、議論を重ねていく見込み。また、同日、自民党の行政改革推進本部(塩崎 恭久本部長)が首相官邸を訪れ、菅 義偉官房長官にデジタル分野の規制改革の提言を提出した。デジタル規制改革を求める中で、オンライン診療及び遠隔教育についての効果検証を行い、恒久化していくことが求められる。(参考)第8回規制改革推進会議 規制改革推進に関する答申自民党 行政改革推進本部 デジタル規制改革ワーキンググループ4.医療機関のインターネット広告違反、美容・歯科で数多く7月2日に開かれた「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」において、厚生労働省は医療機関のホームページに起因する美容医療サービスに関する消費者トラブルが発生し続けているのに対して2017年から行っているネットパトロールの結果を報告した。この中で、1万300サイトについて通報受付を受け、1,253施設の974サイトが審査対象となり、919サイトを運営する医療機関に対して、通知を行い、717サイトが改善したことを報告された。さらに、2018年6月の改正医療法施行後の医療法における広告規制の改正施行後の現状を踏まえ、全国一律の基準で運用できるよう監視指導体制の強化が必要としている。(参考)医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会5.医師少数区域経験認定医師の広告が許可へ7月2日に開催された「医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」において、医師偏在対策の一環として「医師少数区域等で一定期間勤務した医師」を厚生労働大臣が認定し、認定された医師である旨を広告することを可能とする、医療広告ガイドライン指針の追記について合意した。これは今年の4月1日から施行された改正医療法・医師法に伴う関係政令等の整備の一環で、地域の医師偏在の解消を目指して、医師少数区域(人口10万対医師数に地域住民や医師の年齢構成などを加味した新たな指標を用いて、医師配置が下位3分の1となる地域)等での勤務にインセンティブを付与し、医師偏在の解消を狙うもの。若手医師の場合、4月1日以降に初期臨床研修を開始した医師が対象となり、総合的な診療能力の獲得のために地域医療への参画が求められるなど、即効性は期待できない。一方、医師免許を取得から9年以上経過した医師については、断続する勤務合計が180日に達すれば条件を満たすため、医師偏在解消のきっかけとなることが期待される。(参考)医療法及び医師法の一部を改正する法律の施行について(通知)

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『コロナのせいにしてみよう。シャムズの話』~気鋭の医師が提唱する未病の新たな概念

 医学書の範疇に収まらないユニークな著書を数多く持つ國松 淳和氏(医療法人社団永生会南多摩病院 総合内科・膠原病内科)の最新作は『コロナのせいにしてみよう。シャムズの話』。6月下旬に行われた出版記念セミナーにおいて、國松氏がコロナ禍の中で本書の執筆に至った経緯や読者に伝えたいポイントについて語った。 本の主題となる「シャムズ(CIAMS: COVID-19/Coronavirus-induced altered mental status)」は國松氏の造語。新型コロナウイルス感染症の流行下にあって、コロナに感染していないのに、不安から実際に体調を崩したり、他者に攻撃的になったりといったマイナスの変化が生じている人が増えたことに気づいた氏が、そうした状況と人を総称するために名付けたという。「よく間違われるのですが、シャムズは医学用語でも病名でもなく、概念に近いもの。『あれ、この人いつもと何か違うな』と周囲の人が気づくものであり、病気ではないので医師が診る必要も医療機関に行く必要もない」と國松氏は解説する。 コロナにまつわる不安が精神的加重となり、心身に変化が起きている状態がシャムズであり、その対応法は「周囲の人が気づき、話しかけること」に集約される、という。普段通りの何気ない会話が不安を取り除き、本来のその人に戻る手助けとなる。「シャムズが疑われる人だけでなく、周囲の人に誰かれ構わず話しかけてみて欲しい。そもそも職場にも家庭にも雑談が足りなさ過ぎる」(國松氏)。さらに、自己のメンテナンスとしてテレビからの過剰な情報を遮断し、ラジオや音楽を聴くことを推奨する。「シャムズは病気ではないものの、放置しておくと精神疾患、とくに重いうつと自殺につながる可能性がある。多くの人にこの概念を知ってもらい、他者への目配りと自分のケアをはじめてもらえたら」と國松氏は語る。 本書は、一般向けに平易にまとめられているが、最前線で新型コロナの対応にあたる医療者も読者として想定されており、診療現場と自らのケアの両面で役立つ内容が含まれている。章末には「医療従事者のみなさんへ」として、シャムズについて医学的な理解を助けるための章も付加されている。『コロナのせいにしてみよう。シャムズの話』(國松 淳和、金原出版、2020年6月)セミナーのご案内 ケアネットでは、7月8日(水)に國松氏と札幌厚生病院病理診断科の市原 真氏の対談をライブストリーミング配信します。◆Dr.國松とDr.ヤンデルの『また来たくなる外来』トーク◆ 配信日:7月8日(水)20~21時 (事前申し込み不要・どなたでも視聴いただけます) ※7月9~15日までCareNeTVにて無料配信予定 詳細はこちら 過去の配信 Dr.國松とDr.ヤンデルの大真面目コロナトーク(会員登録不要・無料公開中)

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COVID-19と熱中症予防の両立にむけて/厚生労働省

 厚生労働省は、「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイントをまとめ、ホームページで公開した。今回発表された熱中症予防行動のポイントでは、「マスクの着用・温度調節・暑さ対策・健康管理」の4つの点について詳しく言及し、新しい生活様式下の今夏の過ごし方を提言している。「新しい生活様式」における熱中症予防行動のポイント(以下抜粋)(1)マスクの着用について マスクは飛沫の拡散予防に有効で、基本的な感染対策として着用をお願いしている。しかし、高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにする。 マスクを着用する場合、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくても、こまめに水分補給を心がける。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要。(2)エアコンの使用について 熱中症予防のためにはエアコンの活用が有効。ただし、新型コロナウイルス対策のためには、冷房時でも窓開放や換気扇によって換気を行う必要がある。換気により室内温度が高くなりがちなので、エアコンの温度設定を下げるなどの調整も必要。(3)涼しい場所への移動について 少しでも体調に異変を感じたら、速やかに涼しい場所に移動することが、熱中症予防に有効。一方で、人数制限などにより屋内店舗などにすぐに入ることができない場合、屋外でも日陰や風通しの良い場所に移動する。(4)日頃の健康管理について 毎朝定時の体温測定、健康チェックは、熱中症予防にも有効。平熱を知っておくことで、発熱に早く気付くことができる。日頃の健康管理の充実のほか、体調が悪いと感じたときは、無理せず自宅で静養する。

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メニューへのカロリー表示が健康や経済にメリット、AHAニュース

 飲食店のメニューにカロリー表示を求める現行の連邦法は、健康的な食事の選択を促し、心血管疾患や糖尿病の患者数の減少に寄与する可能性があるとする研究結果が報告された。このモデリング研究では、人々が飲食店の栄養表示を考慮して注文することによって、2018年から2023年までに心血管疾患を1万4,698件(このうち心血管疾患による死亡は1,575件)、2型糖尿病を2万1,522件回避できると推定された。結果の詳細は米国心臓協会(AHA)が発行する「Circulation: Cardiovascular Quality and Outcomes」6月4日オンライン版に発表された。 米食品医薬品局(FDA)は2018年5月、20店舗以上の飲食店チェーンを対象に、メニューやメニューボードへのカロリー表示を義務付けた。ただし、現在は、FDAは4月1日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による緊急事態が収束するまでの一時的な措置として、カロリー表示についての柔軟な対応を認めている。 論文の著者の一人で、米タフツ大学フリードマン栄養科学政策大学院のDariush Mozaffarian氏は「米国では、40年以上にわたり、国民の代謝系の健康問題が増大していたが、そこに感染症の問題も加わることになり、徐々に広がるパンデミックと急速に広がるパンデミックが重なった状況に直面している」と説明。その上で、「COVID-19によって、米国民が健康的な食品を確実に摂取できるようにすることの重要性が浮き彫りになった」と指摘している。 Mozaffarian氏によると、食事の影響を受けやすい糖尿病や高血圧、肥満などはCOVID-19の重症化リスクを高め、入院リスクも上昇させるとされている。 Mozaffarian氏らは今回、連邦政府が35~80歳の男女を対象に実施した健康と栄養に関する調査の食事摂取データを用いて、コンピューターの予測モデルに基づく研究を実施。その結果、メニューへのカロリー表示を受けて消費者が生涯にわたって低カロリーの食事を選ぶようになることで、肥満が減少し、医療費は104億ドル(約1兆1150億円)、また生産性の低下や家族による介護などのインフォーマルケアに伴う「社会的費用」も127億ドル(約1兆3600億円)削減されると推定された。さらに、生涯にわたって低カロリーの食事を選択する習慣が根付くことで、心血管疾患は13万5,781件(このうち死亡例は2万7,646件)、2型糖尿病は9万9,736件、回避できると推定された。 この研究論文の筆頭著者の一人である同大学のJunxiu Liu氏は、「飲食店が、低カロリー食を提供したり、一人前の量を減らすなどしてもっとメニューを刷新すれば、医療費や健康の面で得られる恩恵の大きさは、消費者の選択の変化だけに基づいた場合の2倍になり得る」と述べている。また、この法律は特に、ヒスパニック系や黒人、学歴が低い人や低所得者、肥満者といった特定の集団に大きな健康上の利益をもたらし、健康格差の縮小にも寄与する可能性があると指摘している。 今回の研究には関与していない米ノースウェスタン大学のNorrina Bai Allen氏は、現在カロリー表示を求める規制で一時的な緩和措置がとられていることに一定の理解を示しながらも、Mozaffarian氏らが報告した推計値を見ると、カロリー表示の義務化は有望であるとして、できるだけ早く、カロリー表示を再び義務付けるようにしてほしいと主張している。そして、「COVID-19を含めて理由が何であれ、対策が遅れれば心血管疾患による疾病負担は増大することになる。消費者が簡単に全てのカロリーに関する情報を得ることができ、それに基づいた意思決定を行える世界が理想だといえる」と話している。[2020年6月4日/American Heart Association] Copyright is owned or held by the American Heart Association, Inc., and all rights are reserved. If you have questions or comments about this story, please email editor@heart.org.

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