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イメグリミンのRWD、体重減少や肝機能改善も/日本糖尿病学会

 日本糖尿病学会の年次学術集会(会長:植木 浩二郎氏[国立国際医療研究センター研究所 糖尿病研究センター長])が、5月17日~19日の日程で、東京国際フォーラムをメイン会場に開催された。 今回の学術集会は「『糖尿病』のない世界を目指して〜糖尿病学の挑戦〜」をテーマに、46のシンポジウム、169の口演、ポスターセッションなどが開催され、特筆すべきは糖尿病患者の参加プログラムやこれからの医療を担う高校生向けの参加プログラムなども開催された。 本稿では「口演118 薬物療法」から「当院におけるイメグリミンの有効性・安全性の検討」(演者:吉田 薫氏[名鉄病院内分泌・代謝内科])をお届けする。イメグリミンはHbA1cを低下させ、脂質、肝機能を改善する可能性 イメグリミン(商品名:ツイミーグ)は、ミトコンドリアへの作用を介し、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制および糖取込み能改善)により血糖降下作用を示すことで、糖尿病によって引き起こされる細小血管・大血管障害の予防につながる血管内皮機能および拡張機能の改善作用を有する可能性が示唆されている治療薬で、β細胞の生存と機能を保護する効果も期待されている。わが国では、2021年6月23日に製造販売承認、同年8月12日に薬価収載、同年9月16日に発売されている。 吉田氏らの研究グループは、リアルワールドでのイメグリミンの有効性と安全性の検討を行うとともに、患者の体組成分析の検討も行った。 対象・方法として、2022年9月より2型糖尿病患者のイメグリミンへの切り替え、追加投与を行い、6ヵ月以上観察可能の75例(男性55例/女性20例)について投与前後の各種臨床指標および体組成推移を比較検討した。患者背景としては、平均年齢62.6歳、平均HbA1c8.8%、平均病歴12年、平均BMIは26で、併用薬ではメトホルミン、SGLT2阻害薬、DPP-4阻害薬の順で多く、インスリンは28%の患者で使用していた。 主な結果は以下のとおり。・HbA1cは8.9±1.5%から8.0±1.1%へ低下、グリコアルブミン(GA)は21.1±6.2%から19.5±4.5%に有意に改善した。・GA/HbA1cには変化がなかった。・脂質、肝機能(AST、ALTともに)は改善傾向がみられたが、血圧、腎機能には変化がなかった。・FIB-4 indexに変化はなかった。・体重は71.5±15.2kgから67.3±14.4kgへと減少した。・体組成分析において、体水分量は減少したが体蛋白量は変化がなかった。・脂肪量、筋肉量に有意な変化はなかった。・安全性では6例に消化器症状があり中止となったが、特筆すべき事象はなかった。 以上から吉田氏らのグループは「イメグリミンは体重を増加させることなく、血糖コントロールを改善し、脂肪肝を改善する可能性がある。また、体重を減らすことなくHbA1cを改善する可能性が示唆される」と考察している。

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年収額に満足している診療科は?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、「年収に関するアンケート」を実施した。その中で、自身の年収額を妥当だと思うかどうか尋ねたところ、「そう思う」「ややそう思う」の合計が過半数を超えておおむね満足していることが伺えたが、「まったくそう思わない」と回答した医師も10%存在した。診療科別では、満足している診療科とそうでない診療科の差が明らかとなった。年収600万円未満の満足度が高い 年収額の妥当性について、全体では「そう思う」が25%、「ややそう思う」が36%、「あまりそう思わない」が29%、「まったくそう思わない」が10%であった。年収別の「そう思う」「ややそう思う」の割合は、600~800万円が44%、800~1,000万円が46%と半数を切ったが、その後は年収が上がるとともにほぼ上昇した。なお、600万円未満の「そう思う」「ややそう思う」の割合は55%で、うち「そう思う」が31%と満足度の高さが目立った。年代が上がるほど満足度も上昇 年代別の「そう思う」「ややそう思う」の割合は、35歳以下が52%、36~45歳が58%、46~55歳が62%、56~65歳が61%、66歳以上が70%であった。なお、最も多い年収帯は、35歳以下が1,000~1,200万円、36~45歳が1,400~1,600万円、それ以降の世代では2,000~2,500万円であった。女性の満足度が下がる 男女別では、男性は「そう思う」が25%、「ややそう思う」が35%、「あまりそう思わない」が29%、「まったくそう思わない」が10%で、女性はそれぞれ21%、40%、29%、9%であった。2022年に実施した同様の調査では、男性の分布は本年とほぼ同じであった一方、女性の「そう思う」は32%で、本年は約10%低くなっていた。とくに満足度が下がっていたのは、56~65歳と66歳以上の女性であった。大学病院の満足度が低い 勤務先別の「そう思う」「ややそう思う」の割合は、一般診療所が61%、一般病院が64%であったが、大学病院は45%と低かった。病床数別では、20床未満は71%、20床以上は60%であった。診療科別の傾向は? 「そう思う」「ややそう思う」と回答した医師の割合が50%以上であった診療科は下記のとおり(30人以上の回答が得られた診療科を抜粋)。精神科:78%泌尿器科:70%消化器内科:69%呼吸器内科:69%内科:64%小児科:62%神経内科:60%糖尿病・代謝・内分泌科:56%外科:50% その他、年代ごとの男女別、病床数別、勤務先別などの詳細な年収分布については、以下のページで結果を発表している。医師の年収に関するアンケート2024【第3回】年収額の妥当性

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禁煙を拒む患者に試すアプローチ法(Dr.坂根のすぐ使える患者指導画集)

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話医師患者医師患者医師患者医師患者医師患者中性脂肪が高い原因は、タバコかもしれませんね。(Relevance:関連性)タバコは中性脂肪にも悪さをするんですね。そうですね。新型コロナの重症化とも関連していますしね。(Risks:危険性)えっ、そうなんですか!?(驚いた顔)ですが、すぐに禁煙できれば、体にさまざまな良い変化が現れますよ!(Rewards:効果)へぇー、そしたら血圧も下がりますかね。画 いわみせいじそうですね。ところで、禁煙するに当たって何か懸念されるようなことはありますか?(Roadblocks:懸念)意志が弱くて、続ける自信がなくて…。なるほど。意志が弱い方でも禁煙に成功する方法がありますよ!色々な方法があるので、また次回説明しますね。(Repetition:繰り返す)はい。わかりました。(うれしそうな顔)ポイント5Rアプローチは、か行(関連性、危険性、繰り返す、懸念、効果)で覚えておくと便利です。Copyright© 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)表.禁煙に無関心な喫煙者に対する5Rアプローチ5R内容Relevance(か:関連性)なぜ禁煙が必要かを患者に関連付けるRisks(き:危険性)喫煙の危険性を説明するRepetition(く:繰り返す)動機付けを繰り返すRoadblocks(け:懸念)禁煙への懸念を取り除くRewards(こ:効果)禁煙で得られる効果を確認する参考:川根博司, 工藤翔二, ほか編. 南江堂. 禁煙指導の実際. 呼吸器疾患 最新の治療 2007-2009. 2007:464-466.Copyright© 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.

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コーヒー・紅茶と認知症リスク、性別や血管疾患併存で違い

 コーヒーや紅茶の摂取は、認知症リスクと関連しているといわれているが、性別および血管疾患のリスク因子がどのように関連しているかは、よくわかっていない。台湾・国立台湾大学のKuan-Chu Hou氏らは、コーヒーや紅茶の摂取と認知症との関連および性別や血管疾患の併存との関連を調査するため、本研究を実施した。Journal of the Formosan Medical Association誌オンライン版2024年5月6日号の報告。 対象は3施設より募集したアルツハイマー病(AD)の高齢患者278例、血管性認知症(VaD)患者102例、対照者468例は同期間に募集した。コーヒーや紅茶の摂取頻度および量、血管疾患の併存の有無に関するデータを収集した。コーヒーや紅茶の摂取と認知症リスクとの関連性を評価するため、多項ロジスティック回帰モデルを用いた。性別および血管疾患の併存により層別化して評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・コーヒーや紅茶の摂取において、さまざまな組み合わせおよび量は、AD、VaDに対する保護効果が認められた。・1日当たり3杯以上のコーヒーまたは紅茶の摂取は、AD(調整オッズ比[aOR]:0.42、95%信頼区間[CI]:0.22〜0.78)およびVaD(aOR:0.42、95%CI:0.19〜0.94)に対する予防効果が認められた。・層別化分析では、多量のコーヒーおよび紅茶の摂取によるADの保護効果は、女性および高血圧症患者でより顕著であった。・コーヒーまたは紅茶の摂取は、糖尿病患者におけるVaDリスク減少と関連していた(aOR:0.23、95%CI:0.06〜0.98)。・脂質異常症は、コーヒーまたは紅茶の摂取とADおよびVaDリスクとの関連性を変化させた(各々、p for interaction<0.01)。 著者らは、「コーヒーおよび紅茶の摂取量が増加すると、ADおよびVaDリスクが低下することが示唆され、性別や高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの血管疾患の併存により違いが見られることが明らかとなった」としている。

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肥満へのチルゼパチド、9割弱が5%以上の減量達成/JAMA

 中国の肥満または過体重成人を対象に行われた第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験で、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬チルゼパチド10mgまたは15mgの週1回投与は、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある体重減少をもたらし、安全性プロファイルは許容できるものであったことを、中国・復旦大学のLin Zhao氏らが報告した。肥満は世界的な公衆衛生上の懸念事項であり、なかでも中国の肥満者の数は世界で最も多いとされる。JAMA誌オンライン版2024年5月31日号掲載の報告。10mg/15mg投与の52週時点の体重変化率、5%以上の体重減少を評価 肥満または過体重で体重に関連した疾患を有する中国成人を対象に、体重減少に対するチルゼパチド治療の有効性と安全性を評価するSURMOUNT-CN試験は、2021年9月~2022年12月に中国の29医療施設で行われた。BMI 28以上、またはBMI 24以上で少なくとも1つの体重に関連した疾患を有する、18歳以上の成人(糖尿病患者は除く)を対象とした。 研究グループは被験者を1対1対1の割合で、チルゼパチド10mgを投与する群、同15mgを投与する群、プラセボを投与する群に割り付け、全例に生活習慣の介入を行いながら週1回52週間皮下投与した。 主要エンドポイントは2つで、52週時点で評価したベースラインからの体重変化率(%)と少なくとも5%以上の体重減少とした。有効性および安全性の解析はITT集団で行われた。体重変化率、10mg群-13.6%、15m群-17.5%、プラセボ-2.3% 無作為化された被験者は210例(女性103例[49.0%]、平均年齢36.1[SD 9.1]歳、平均体重91.8[16.0]kg、平均BMI 32.3[3.8])で、チルゼパチド10mg群70例、同15mg群71例、プラセボ群69例であった。このうち201例(95.7%)が試験を完了した。 52週時点の平均体重変化率は、チルゼパチド10mg群-13.6%(95%信頼区間[CI]:-15.8~-11.4)、同15mg群-17.5%(-19.7~-15.3)、プラセボ群-2.3%であった。 チルゼパチドの両用量群ともプラセボより体重減少効果が優れており、対プラセボの推定治療群間差は10mg群が-11.3%(95%CI:-14.3~-8.3、p<0.001)、15mg群が-15.1%(-18.2~-12.1、p<0.001)であった。 5%以上の体重減少達成者は、チルゼパチド10mg群87.8%、同15mg群85.8%に対し、プラセボ群は29.3%であった(対プラセボのp<0.001)。 チルゼパチドの治療中に発現した有害事象で最も多くみられたのは消化器系イベントで、ほとんどが軽度~中程度であった。治療中止に至った有害事象はわずかであった(<5%)。

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第216回 Apple Watchの「心房細動履歴プログラム」をPMDAが医療機器承認、近い将来、針を刺さず血糖値測定ができる機能も搭載される?

ウェアラブルデバイスを使ってみたら……、睡眠の点数評価に一喜一憂する日々こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。皆さんは、最近流行りの健康管理機能が付いたウェアラブルデバイスを身に付けていますか? Apple Watch、Fitbit、Google Pixel Watchなどのウォッチタイプが一般的ですが、リストバンドタイプや指輪(リング)タイプも市販されています。私も人からもらった「Oura ring」というフィンランド・ŌURA社製の指輪タイプをこの半年くらい使っています。日中の心拍数とワークアウト心拍数や、夜間の安静時心拍数、心拍変動、体表温、呼吸数などを測定できます。私はもっぱら睡眠の点数を把握するのに用いています。100点満点中よく寝た日は80点くらいになるのですが、ちょっと夜更かしすると60点台に落ちてしまいます。まあ、自己管理にはそこそこ役立っているとは思うのですが、よく寝たつもりでも60点台が出ると、「寝足りないのかな」と不安になってしまう点と、久しぶりに会った友人から「あれ、結婚指輪なんてしてたっけ」とからかわれるのが玉に瑕です。なお、充電は4、5日に1回で済み、就寝中に装着していても気にならない点はウォッチタイプよりも使い勝手がいいと思います。ということで、今回はこの5月に「心房細動履歴プログラム」が医療機器承認されたApple社のApple Watchについて書いてみたいと思います。Apple Watchは、2018年に心電図測定機能を搭載して以降、ヘルスケア機能の拡充を図ってきました。今回承認された心房細動履歴プログラムは、光学式心拍センサーを用いた現在の心電図測定機能(Apple Watch ECG app)を拡充したものです。こうした機能拡充の延長線で、近い将来、「針なし」で血糖値の測定も行えるデバイスも登場しそうです。「Appleの心電図アプリケーション」、「Appleの不規則な心拍の通知機能」に次ぐ機能、米国から2年近く遅れての承認5月22日、Apple社は、同社のApple Watchに搭載された心房細動履歴プログラムが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から医療機器プログラムとして承認され、同日から日本でも利用可能になったと発表しました。医師から心房細動と診断された22歳以上の人が対象です。なお、このプログラム、世界的には2022年9月に公開されたwatchOS9で利用可能となっており、すでに世界で160近い国・地域で利用されているとのことです。Apple Watchを使っている人はご存じだとは思いますが、Appleはこれまでに「Appleの心電図アプリケーション」(一般的名称:家庭用心電計プログラム)、「Appleの不規則な心拍の通知機能」(同:家庭用心拍数モニタプログラム)といったプログラムをApple Watch向けに開発しており、これらは日本でも管理医療機器の区分で承認され、使われています。つまり、Apple Watchは血圧計などと同様、一般向けの医療機器としてごく日常的に用いられているのです。ただ、日本での承認は米国など各国と比べると大体2年遅れというのが実情です。心房細動履歴プログラムのベースとなっている心電図測定機能(Apple Watch ECG app)がApple Watchに搭載されたのは2018年9月に公表されたApple Watch Series4からでした。Apple Watch ECG appは米国食品医薬品局(FDA)から医療機器として認可を得て、Series4発売とともに米国などではこのアプリが使用可能となりました。しかし、日本では、Apple Watch series4発売時、Apple Watch ECG appの機能は取り除かれていました。「心電図測定」「脈の不整通知」という機能が医療機器に該当するため、国内での医療機器として認可を得る必要があったからです。ようやく、Apple Watch ECG appが家庭用心電計プログラムとして日本で承認されたのは2年後の2020年9月、実際の利用は2021年1月のwatchOS7.3へのアップデートからでした。今回の心房細動履歴プログラムもこれらと同様、米国から実に2年近く遅れての承認となりました。心房細動の徴候を示した時間の推定値をApple Watchの1週間の総装着時間に対する割合として通知Apple社の資料によれば、心房細動履歴プログラムは、Apple Watchに搭載された心拍センサーによって心拍を適時モニタリングし、心房細動の兆候を判別します。iOS 17.0以降とwatchOS 10.0以降のApple Watchの利用者が使用できます。具体的には、心房細動の徴候を示した時間の推定値を、Apple Watchの1週間の総装着時間に対する割合として、1週間ごとに通知するとしています。Apple Watchは心拍を常時モニタリングしているわけではないため、心房細動の持続時間ではなく、推定値として通知するとのことです。推定値は、連動するiPhoneの「ヘルスケア」アプリに週ごとのグラフとして表示されます。運動、睡眠、体重、飲酒量といったヘルスケアアプリが収集できるデータを、推定値のグラフと同時に提示することで、心房細動のリスクとなる生活習慣の改善が容易になるとしています。ところで、FDAは5月、この「心房細動履歴」機能をMedical Device Development Tools (MDDT:医療機器開発ツール)として承認しています。FDAによれば、Apple WatchはMDDTの承認を取得したはじめてのスマートウォッチだそうです。これによって、医療機関における臨床試験においても、Apple Watchの心房細動履歴をデータとして用いることができるようになるとのことです。もし血糖値の測定もウェアラブルデバイスでできるようになれば単なる健康管理だけではなく臨床的な有用性も高まるApple Watchをはじめとするウェアラブルデバイスですが、個人的には早く血糖値の測定もできるようにならないかと思っています。私は糖尿病ではありませんが、機会があって持続血糖測定器 「Dexcom G6」を数日間装着し、自分の血糖値の動きをiPhoneでウォッチし続けたことがあります。Dexcom G6はご存じのように、腹部などの皮下に微小の針を穿刺して留置した細いセンサーで、皮下間質液のブドウ糖濃度を持続的に測定するデバイスで、ほぼリアルタイムで血糖値がiPhoneに表示されます(測定された血糖値は5分ごとに自動的にモニターもしくはスマートフォンに送信)。食後の血糖値がいかにどーんと跳ね上がるか、よく言われる「運動するなら食後30分」の妥当性などを自身で実感できます。実際、食後30分内に早足で散歩をしたら、上がった血糖値がみるみる下り始めたのには驚きました。これは、糖尿病患者や糖尿病予備軍の人の患者教育にももってこいだな、と思ったものです。ただ現在のところDexcom G6やFreeStyleリブレなどの持続血糖測定器が保険診療で使えるのはインスリン注射を1日1回以上行っている糖尿病患者のみです。微小の針が付いた医療機器のため、一般向けの医療機器としては世界のどこでも認められていないようです。「吸収分光法を使って皮膚の下にレーザー光を当てて体内の血糖値を測定するチップを開発中」との報道仮に一般向けのデバイスであるApple Watchに搭載するとしたら、「針なし」(非侵襲的に血液検査なしで)で血糖値を測る必要がありそうですが、果たしてそんなことは実現可能なのでしょうか。実際、Apple社がそうした研究をしているとの報道もあります。2023年3月23日にテクノエッジに掲載された「Apple Watchで血糖値測定はまだ数年先。センサーの小型化が課題」と題する記事は、「Apple社が Apple Watch向けに非侵襲性、つまり注射針を刺す必要がない血糖値センサーの開発に取り組んでいることは長らく噂になってきた。しかし今なお実現にはほど遠く、あと3~7年は掛かる見通し」と書いています。同記事によれば、開発中の血糖値センサーは「吸収分光法を使っており、皮膚の下にレーザー光を当てて体内の血糖値を測定するシリコンフォトニクスチップ」だそうです。ただ、このセンサー、「以前は卓上サイズの大きさだったものが、現時点でのプロトタイプはiPhoneに近いサイズになり、腕に装着できるほどになった」とのことです。センサーがiPhoneサイズということは、実際にApple Watchに搭載できるようになるにはまだまだ相当時間がかかりそうです。とはいえ、光を当てて体内の血糖値を無侵襲に測定する技術が開発中とは驚きです。なお、他の報道によれば、ウェアラブルデバイスによる血圧測定は、血糖値測定よりも先に実現しそうだとのこと。心臓病や高血圧、そして糖尿病などの生活習慣病の通常の管理に、ウェアラブルデバイスが必須となる日はそう遠くなさそうです。

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セマグルチド、CKDを伴う2型DMの腎機能低下や心血管死亡を抑制/NEJM

 慢性腎臓病(CKD)を伴う2型糖尿病患者は、腎不全、心血管イベント、死亡のリスクが高いが、GLP-1受容体作動薬セマグルチドによる治療がこれらのリスクを軽減するかは知られていない。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のVlado Perkovic氏らFLOW Trial Committees and Investigatorsは「FLOW試験」において、プラセボと比較してセマグルチドは、主要腎疾患イベントの発生が少なく、腎特異的イベントや心血管死、全死因死亡のリスクを低減することを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年5月24日号に掲載された。28ヵ国387施設の無作為化プラセボ対照試験 FLOW試験は、28ヵ国387施設で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験であり、2019年6月~2021年5月に参加者を募集した(Novo Nordiskの助成を受けた)。 対象は、2型糖尿病とCKDを有する患者とし、推算糸球体濾過量(eGFR)が50~75mL/分/1.73m2で尿中アルブミン-クレアチニン比(アルブミンはミリグラム、クレアチニンはグラムで測定)が>300~<5,000、またはeGFRが25~50mL/分/1.73m2で尿中アルブミン-クレアチニン比が>100~<5,000と定義した。 被験者を、セマグルチド1.0mgを週1回皮下投与する群、またはプラセボ群に無作為に割り付けた。 主要アウトカムは、主要腎疾患イベント(major kidney disease event)であり、腎不全(透析、移植、eGFR<15mL/分/1.73m2)の発生、eGFRのベースラインから50%以上の低下、腎臓関連の原因または心血管関連の原因による死亡の複合と定義した。主要アウトカムの相対リスクが有意に低下 3,533例(平均[±SD]年齢66.6±9.0歳、女性30.3%)を登録し、セマグルチド群に1,767例、プラセボ群に1,766例を割り付けた。中間解析の結果に基づき、独立データ安全性監視委員会は有効性について試験の早期終了を勧告し、試験終了時の追跡期間中央値は3.4年だった。 主要アウトカムのイベント発生の頻度は、セマグルチド群で低く(初回イベント:セマグルチド群331件[5.8/100人年]vs.プラセボ群410件[7.5/100人年])、主要アウトカムの相対リスクはセマグルチド群で24%低かった(ハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.66~0.88、p=0.0003)。 また、主要アウトカムの腎特異的構成要素の複合(HR 0.79、95%CI 0.66~0.94)および心血管死(0.71、0.56~0.89)についても、結果は主要アウトカムと同様であった。eGFR年間変化率の勾配、主な心血管イベント、全死因死亡も良好 3つの確認のための主な副次アウトカムは、いずれもセマグルチド群で良好だった。eGFRの無作為化から試験終了までの平均年間変化率の傾きの程度(eGFR slope)は、プラセボ群に比べセマグルチド群で1.16mL/分/1.73m2(95%CI:0.86~1.47)低く、減少の仕方が緩徐であった(p<0.001)。主な心血管イベント(非致死的心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管死の複合)のリスクは、セマグルチド群で18%低く(HR:0.82、95%CI:0.68~0.98、p=0.029)、全死因死亡のリスクは20%低かった(0.80、0.67~0.95、p=0.01)。 重篤な有害事象の報告は、プラセボ群に比しセマグルチド群で少なかった(49.6% vs.53.8%)。一方、試験薬の恒久的な投与中止の原因となった有害事象の頻度はセマグルチド群で高かった(13.2% vs.11.9%)。 著者は、「これらの知見に基づくと、2型糖尿病とCKDを有する患者に対するセマグルチドの使用は、腎保護作用とともに、心血管リスクの低減に有効である可能性がある」としている。

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第197回 新型コロナ死者数10万人超え、新規感染者は4週連続で増加/厚労省

<先週の動き>1.新型コロナ死者数10万人超え、新規感染者は4週連続で増加/厚労省2.2023年の出生率1.20に低下、少子化がさらに進行/厚労省3.ヤングケアラー支援法が可決、国と自治体の支援義務を明確化/国会4.JMATの能登地震支援活動終了、指揮体制強化と長期支援を/日医5.クリニックが高評価の口コミ依頼、ステマ行為で行政処分/消費者庁6.患者死亡事故が相次いだ神戸徳洲会病院に厳しい改善指摘/神戸市1.新型コロナ死者数10万人超え、新規感染者は4週連続で増加/厚労省厚生労働省は、令和5年度の人口動態統計月報年計(概数)を6月5日に発表した。これによると、2023年末までに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による国内の死者数が累計で10万人を超えたことがわかった。2023年には3万8,080人がCOVID-19で死亡し、20年以降の累計死者数は10万5,950人にのぼった。2020年の死者数は3,466人だったが、デルタ株が流行した2021年には1万6,766人に増加し、その後、オミクロン株が主流となった2022年には感染者数が急増し、死者数は4万7,638人に上った。死者のうち、男性が5万7,222人、女性が4万8,728人だった。厚労省は、5月27日~6月2日までの1週間で報告されたCOVID-19の新規感染者数は1万7,401人であり、1定点当たり3.52人と、前週比で1.05倍とほぼ横ばいであると発表した。ただ、新規感染者数は4週連続で増加しており、とくに沖縄では1医療機関当たり19.74人と突出していた。沖縄では一部の高齢者施設で集団感染が発生し、医療機関が逼迫している状況。全国的には鹿児島(7.11人)、北海道(5.44人)と続き、少なかったのは福井(1.38人)、愛媛(1.80人)、香川(1.87人)だった。さらに、5月27日~6月2日の1週間に全国の定点医療機関から報告された新規入院患者数は1,260人で、前週比0.85倍と減少した。しかし、集中治療室(ICU)に入院した患者は61人で、前週から7人増加した。武見 敬三厚労大臣は、新たな感染症危機に備えるため、「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の改定や「国立健康危機管理研究機構」の設立準備を進めると説明し、国内外の感染症動向を注視しながら基本的な感染対策の周知に努めると述べている。参考1)令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚労省)2)新型コロナ感染者数、ほぼ横ばい 前週比1.05倍、沖縄突出(共同通信)3)コロナ死者、昨年までに国内で10万人超 新規感染者数は4週連続増(朝日新聞)2.2023年の出生率1.20に低下、少子化がさらに進行/厚労省厚生労働省が、6月5日に発表した令和5年の人口動態統計(概数)によると、2023年のわが国の出生率は1.20と過去最低を更新し、出生数も72万7,277人と過去最少となった。厚労省によれば、出生数は前年より4万3,482人(5.6%)減少し、合計特殊出生率も0.06ポイント低下した。出生率の低下は8年連続で続いており、とくに東京都では0.99と初めて1を下回った。これはわが国の少子化が急速に進行していることを示しており、厚労省の担当者は、経済的不安や仕事と子育ての両立の難しさが、結婚や出産に対する希望を阻む要因として複雑に絡み合っていると指摘する。とくに東京都のような大都市部では、出生率が著しく低い傾向がみられ、埼玉、千葉、神奈川の首都圏でも1.1台に止まっている。地域別にみると、最も高いのは沖縄県の1.60で、次いで宮崎県と長崎県が1.49と続く。一方で、北海道(1.06)、宮城県(1.07)など、東日本では低い傾向が強く、西日本との間に「西高東低」の差がみられた。経済的な要因に加え、晩産化も少子化の一因とされている。2023年に第1子を出産した女性の平均年齢は31.0歳と初めて31歳台に達し、結婚年齢の上昇が影響している。婚姻件数も戦後最少の47万4,717組に減少し、婚外子が少ないわが国では結婚数の減少が直接的に出生数に影響している。専門家は、少子化対策として賃上げや働き方の改善が不可欠だと指摘する。とくに、長時間労働や転勤が前提の働き方を改め、家庭と仕事を両立できる環境を整えることが重要とされている。厚労省では、男性の育休取得推進や若い世代の所得向上などの取り組みを加速させる意向を表明している。政府は、少子化対策を急務として、包括的な支援策を推進している。林 芳正官房長官は、「2030年代までが少子化の傾向を反転できるラストチャンスである」と述べ、「社会全体で子育て世帯を支援する機運を高めることが重要だ」と強調する。参考1)令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況(厚労省)2)去年の合計特殊出生率 1.20で過去最低に 東京は「1」を下回る(NHK)3)2023年の出生率1.20、過去最低を更新 東京都は0.99(日経新聞)4)出生率1.20で過去最低、東京は1を割り0.99 出生数も過去最少の72万7,277人(産経新聞)3.ヤングケアラー支援法が可決、国と自治体の支援義務を明確化/国会6月5日、参議院本会議で「子ども・若者育成支援推進法」の改正案が賛成多数で可決され、家族の世話や介護を担う「ヤングケアラー」への支援強化が正式に法律として成立した。ヤングケアラーは、家族の世話や介護を担うため、学業や友人関係に支障を来し、精神的・身体的な負担が大きいことが問題視されている。改正法では、ヤングケアラーを「家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる子ども・若者」と定義し、国や自治体が支援に努めることを明確にした。とくに、18歳以上の若者にも支援を継続することが明文化され、成年になっても介護負担が続く若者たちが法的に保護される。また、同日に成立した「子ども・子育て支援法」改正法もヤングケアラーへの支援強化を盛り込んでおり、児童手当の所得制限撤廃や育児休業給付の拡充が含まれている。政府は、2030年までに少子化対策を徹底し、ヤングケアラーを含むすべての子どもたちが適切な支援を受けられる体制を整えるため、2026年度から新たに「支援金制度」を運用し、財源を確保する予定。これらの法改正により、ヤングケアラーへの支援が法的に強化され、彼らの直面する困難が軽減されることが期待されている。今後、国や自治体が具体的な支援策を実行し、ヤングケアラーが健全に成長できる環境を整えることが求められる。参考1)ヤングケアラー支援法が成立 国や自治体の努力を明確に(日経新聞)2)ヤングケアラー支援法成立へ 背景に相談窓口整備の地域差(毎日新聞)3)「支援金制度」 子ども・子育て支援法などの改正法 成立(NHK)4.JMATの能登地震支援活動終了、指揮体制強化と長期支援を/日医本年1月に発生した能登半島地震に対し、日本医師会の災害医療チーム(JMAT)は被災地に1,097チーム、3,583人の医療チームを派遣し、5月末でその活動を終了した。JMATの活動は、地域医療の復旧と地域社会の再建に大きく貢献したが、同時にいくつかの課題も浮き彫りとなった。松本 吉郎会長は、石川県医師会や郡市医師会をはじめ、全47都道府県の医師会がJMATの派遣に協力したことに感謝の意を示した。また、地域社会の再建と地域医療の復旧が密接に関連していることを強調し、今後も石川県の自治体や医師会が連携して復旧・復興に努めるよう呼びかけた。災害担当の細川 秀一常任理事は、今回の経験を踏まえ、日医から派遣するチームが発生初期の指揮命令体制を支援することが有用であると指摘した。被災した都道府県医師会が、すぐに支援チームを統括するのは難しく、日医が早期に現地にチームを派遣して、指揮統括機能を支援する必要があると述べた。JMATの派遣は、震災発生後すぐに先遣隊を送るなど、迅速な対応が行われた。しかし、活動が5ヵ月にも及んだ結果、派遣が一定期間できない「空白」や引き継ぎの滞りなどの問題も発生した。細川常任理事は、長期支援に備えた対策として、長期に支援活動に参加できる医師を発掘・登録する仕組みの必要性を強調した。また、JMATの活動を通じて、現地で必要なものを把握し、的確に指揮できる人材の育成や情報共有ツールの精緻化も今後の課題として挙げられた。これらの改善点を踏まえ、日医では「救急災害医療対策委員会」でJMATの在り方を検討し、さらなる災害対応能力の向上を目指すとしている。今回の能登半島地震を教訓に、JMATは支援体制の強化とともに、迅速かつ持続可能な支援を提供するための対策を進めていく方針。参考1)2024年能登半島地震に対する日本医師会の対応(JMAT活動の終了等)について(日本医師会)2)JMAT、1097隊・3,583人が活動 5月末で終了、能登地震(MEDIFAX)3)JMATの指揮統括、「日医で支援を」 細川常任理事、能登地震踏まえ(同)4)JMAT活動終了、能登半島地震で延べ1万人超を派遣-日医(CB news)5.クリニックが高評価の口コミ依頼、ステマ行為で行政処分/消費者庁消費者庁は6月7日、東京都大田区にある医療法人に対し、ステルスマーケティング(ステマ)行為が確認されたとして、景品表示法違反で措置命令を出した。この措置命令は、昨年10月から施行された新規制に基づく初の行政処分。対象となった医療法人が運営するクリニックでは、昨年10月2日から17日間、インフルエンザワクチン接種の料金を割引する代わりに、接種を受けた人に対してグーグルマップの口コミで高評価(星4または星5)を投稿するよう依頼していた。消費者庁の調査によると、この期間に投稿された口コミの約90%が星5の評価だった。とくに、以前の9ヵ月間では全投稿のうち星5の評価はわずか5%だったが、この依頼期間中には急増した。同庁は、これらの投稿が実質的にクリニック側の依頼によるものであるにもかかわらず、一般の利用者の感想として表示されていたことから、ステマに該当すると判断した。同庁は、この期間中に投稿された269件のうち45件を不当表示と認定し、すでに10件が削除されている。医療法人に対する措置命令は、口コミの削除と再発防止策の実施を求めるもので、これに対し法人側はコメントを控えている。ステマは、消費者に対する誤認を招くとして景品表示法で規制されており、広告であることを明示しないままに高評価の投稿を依頼する行為が含まれる。今回のケースは、新規制が導入された後の初の行政処分であり、同庁では今後も同様の監視を強化する方針。参考1)医療法人社団祐真会に対する景品表示法に基づく措置命令について(消費者庁)2)ステマ規制で初の行政処分 ワクチン割引で高評価口コミを依頼 東京・大田の医療法人(産経新聞)3)ステマ規制、初の行政処分 高評価投稿を条件に料金割引 消費者庁、クリニックに(日経新聞)4)「☆星4以上のクチコミで割引」はステマ 消費者庁が措置命令(NHK)6.患者死亡事故が相次いだ神戸徳洲会病院に厳しい改善指摘/神戸市カテーテル治療の後に患者死亡事故が相次いだ神戸徳洲会病院での事件について、その原因が医療過誤であることが明らかになった問題に対し、同病院は再発防止策を講じるための改善計画を策定した。しかし、神戸市が開催した神戸圏域地域医療構想調整会議病床機能検討部会において外部専門家の指摘により、病院側の対策が不十分であることが浮き彫りとなった。2023年に、同病院でカテーテル治療を受けた11人の患者が死亡し、そのうち2例が医療過誤によるものであることが確認された。1例は、動脈硬化を患っていた92歳の患者に対し、器具が誤って動脈に入り出血した事例であり、もう1例は、70代の糖尿病患者に対する不適切な薬物投与によるもの。これらの事例について、福田 貢副理事長は謝罪し、改善に努める姿勢を示した。神戸市は、今年2月に医療法に基づく改善命令を出し、病院側は医師1人当たりの担当患者数を25人以下に制限するなどの再発防止策を盛り込んだ改善計画書を提出した。しかし、6月6日に行われた会議では、外部の医師や専門家から、病院側の対策が不十分であるとの厳しい指摘が相次いだ。とくに、地域住民の安全と安心を提供する視点が欠如しているとされ、再発防止策の甘さが問題視された。具体的な改善策として、病院は院内での医療安全調査委員会の対象となる事例のリスト化や医療事故が発生した場合の迅速な対応、カテーテル治療を複数の循環器内科医で実施することなどを計画している。また、患者やその家族に対する説明の充実やカルテの監査も行う予定。病院は、来年8月までにこれらの改善策が実施されているかどうかを確認し続けるとしている。一連の問題を受けて、地域住民からの信頼回復を目指す神戸徳洲会病院は、医療安全管理体制の強化に取り組んでいるが、外部からの厳しい目を通してさらなる改善が求められている。参考1)神戸圏域地域医療構想調整会議 病床機能検討部会(神戸市)2)神戸徳洲会病院「過誤による死亡は2例」 医療法人幹部が謝罪(NHK)3)患者死亡の医療ミス、2件認める 神戸徳洲会 2月にも改善命令(毎日新聞)

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閉塞性CADのない患者の予後予測、冠動脈周囲脂肪減衰指数が有用/Lancet

 冠動脈周囲脂肪減衰指数(FAI)は、とくに閉塞性冠動脈疾患(CAD)を持たない患者において、現在の臨床的リスク層別化や冠動脈コンピューター断層血管造影(CCTA)の解釈を超えた炎症リスクを捉えており、この情報を予後アルゴリズムに統合した人工知能(AI)支援リスク予測アルゴリズム(AI-Risk)とAI-Risk分類システムは、従来のリスク因子に基づくリスク評価の代替法となる可能性があることが、英国・オックスフォード大学のKenneth Chan氏らORFAN Consortiumが実施した「ORFAN試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2024年5月29日号に掲載された。英国8病院の縦断コホート研究 ORFAN試験は、英国の8つの病院で実施した縦断コホート研究であり、CCTAを受けた患者4万91例(コホートA:年齢中央値59歳[四分位範囲[IQR]:50~70]、女性46.7%)を対象とし、主要有害心イベント(MACE:心筋梗塞、新規発症心不全、心臓死)について追跡期間中央値2.7年(IQR:1.4~5.3)にわたる調査を行った(英国心臓財団[BHF]などの助成を受けた)。 追跡期間が最も長かった2施設(期間中央値7.7年[IQR:6.4~9.1])の患者3,393例(コホートB:年齢中央値62歳[IQR:50~73]、女性43.6%)において、閉塞性CADの有無別にFAIスコアの予後予測能を評価した。 次いで、同じ集団でFAIスコア、冠動脈プラーク指標、臨床的リスク因子を統合したAI強化による心臓リスク予測アルゴリズムであるAI-Riskの評価を行った。閉塞性CAD患者は18.9%のみ、心臓死、MACEとも予測能が向上 中央値2.7年の追跡期間中に、コホートAの4万91例のうち、追加の検査または介入を要した閉塞性CADは7,558例(18.9%)のみで、残りの3万2,533例(81.1%)は閉塞性CADのない患者であった。全体の心臓死数は1,754件で、このうち閉塞性CADのない患者では1,118件(63.7%)、また全体のMACE数は4,307件で、このうち閉塞性CADのない患者では2,857件(66.3%)発生した。 どの血管であれ、炎症を起こした冠動脈が1本あれば、FAIスコアの良好な予後予測能が確証された。閉塞性CADの有無にかかわらず、FAIスコアが75パーセンタイル(第3四分位数)以上の血管数が増加すると、3本の冠動脈すべてが25パーセンタイル(第1四分位数)未満の患者と比較して、心臓死(ハザード比[HR]:29.8、95%信頼区間[CI]:13.9~63.9、p<0.001)およびMACE(12.6、8.5~18.6、p<0.001)の双方のリスクが同様に上昇した。AI-Risk分類は、心臓死、MACEの発生と正の相関 AI-Risk分類システムは、心臓死(低および中リスク例と比較した超高リスク例のHR:6.75[95%CI:5.17~8.82]、p<0.001、低および中リスク例と比較した高リスク例のHR:2.47[1.77~3.45]、p<0.001)およびMACE(4.68[3.93~5.57]、p<0.001、2.33[1.89~2.87]、p<0.001)の発生と正の相関を示した。また、閉塞性CADの有無を問わず、同様の有意な結果を認めた。 著者は、「この結果は、閉塞性CADがない患者のリスク評価とその管理における、FAIスコアとAI支援リスクアルゴリズムの導入を支持し、実臨床を最適化するためのツールとしてのこれらの活用の可能性を示唆するものである」としている。

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東日本大震災による住宅被害や精神的ダメージと修正可能な認知症リスクとの関連

 東北大学の千葉 一平氏らは、地域住民の高齢者における、東日本大震災による住宅被害および精神的ダメージと認知症の修正可能なリスク因子との関連を評価する目的で横断的研究を実施した。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2024年5月3日号の報告。 対象は、地域住民の高齢者2万9,039人(平均年齢:69.1±2.9歳、女性の割合:55.5%)。東日本大震災後の災害関連被害(住宅全壊または半壊)および精神的ダメージ(心的外傷後ストレス反応[PTSR])を、自己申告式アンケートを用いて収集し評価した。修正可能なリスク因子には、うつ病、社会的孤立、身体不活動、喫煙、糖尿病を含んだ。災害関連被害と修正可能なリスク因子との関連を評価するため、社会人口統計学的変数と健康状態変数を調整した後、最小二乗法および修正ポアソン回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・震災による住宅の全壊は2,704人(10.0%)、PTSRは855人(3.2%)で認められた。・修正可能なリスク因子の数は、住宅全壊者(β=0.23、95%信頼区間[CI]:0.19~0.27)およびPTSR者(β=0.60、95%CI:0.53~0.67)で有意に多かった。・住宅全壊者は、修正可能なリスク因子のうち、うつ病と身体的不活動の割合が高かった。・PTSR者は、修正可能なリスク因子のすべての分野で割合が有意に高かった。 著者らは「東日本大震災による住宅被害および精神的ダメージは、認知症のリスク因子増加と関連していることが示唆された。認知症リスク軽減については、とくに災害で住宅被害や精神的ダメージを経験した高齢の被災者に対し、修正可能なリスク因子のさまざまな側面に応じた多元的な支援が求められる」としている。

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“アルバイト代”の占める割合、収入・診療科による違いは?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で昨年度のアルバイト代について尋ねたところ、全体の26%が200万円未満と回答、次いで13%が200~400万円未満、9%が300~600万円未満と回答した。一方で、34%はアルバイトをしていないことが明らかとなった。年収がアルバイト代に左右される層 アルバイト代を年収別に見ると、全体と比較して年収600~800万円未満の回答者では、アルバイト代が年収の半分以上を占めていた割合が高く、年収1,600万円以上の回答者はアルバイト収入の比率が低い傾向であった。また、各年収層の5~10%の回答者では年収とアルバイト代に差がなく、アルバイトで生計を立てていると推察された。 さらに年代別では、36~45歳ではアルバイト収入が多い傾向にあり、400~600万円未満が最多で13%、続いて600~800万円未満が10%、200~400万円未満が9%、そして1,000万円以上は10%にも上った。診療科別のアルバイト状況と年収 診療科別にアルバイトをしている回答者数を比較したところ、眼科(90%)、総合診療科(81%)、整形外科(78%)の順に多かった。また、アルバイト収入について400万円以上の回答者が多かった診療科は、整形外科が46%と圧倒的に多く、次いで血液内科(41%)、麻酔科(39%)、耳鼻科(38%)、消化器内科(37%)、眼科(37%)であった。大学病院の勤務医、アルバイト代400万円以上が62% アルバイト代の収入全体に占める割合は勤務先の傾向が強く反映しているようで、本調査結果によると、一般診療所や一般病院に勤務する医師の約半数のアルバイト代が400万円未満であるのに対し、大学病院に勤務する医師では、400~600万円未満が18%、600~800万円未満が15%、800~1000万円未満が13%、1,000万円以上が16%という結果であった。 しかし、本アンケートは昨年のアルバイト代の調査結果である。今年4月より始まった「医師の働き方改革」によって、これまでのような外勤がかなわずアルバイト代による収入アップを見込めない医師が出てくるのかもしれない。ケアネットでは働き方改革による影響についても、今後、検証していく予定だ。 その他、年代ごとの男女別、病床数別、勤務先別などの詳細な年収分布については、以下のページで結果を発表している。医師の年収に関するアンケート2024【第2回】アルバイト代

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混合型脂質異常症へのRNA干渉薬zodasiran、TGを有意に低下/NEJM

 肝臓におけるアンジオポエチン様3(ANGPTL3)の合成と分泌を阻害する低分子干渉(si)RNA薬のzodasiranは、混合型脂質異常症患者において、プラセボと比較し24週時のトリグリセライド(TG)値を有意に低下させたことが示された。米国・Mount Sinai Fuster Heart HospitalのRobert S. Rosenson氏らARCHES-2 Trial Teamが、4ヵ国25施設で実施した第IIb相無作為化二重盲検プラセボ対照用量設定試験「ARCHES-2試験」の結果を報告した。ANGPTL3は、リポ蛋白および血管内皮リパーゼを阻害することで、TGに富むレムナントリポ蛋白の肝臓への取り込みを阻害する。ANGPTL3遺伝子の機能喪失型変異保有者は非保有者と比較し、TG、LDLコレステロール、HDLコレステロール、non-HDLコレステロールの値が低く、アテローム動脈硬化性心血管疾患のリスクが低いことが知られていた。NEJM誌オンライン版2024年5月29日号掲載の報告。第IIb相無作為化プラセボ対照比較試験で有効性と安全性を評価 研究グループは、2021年6月28日~2022年8月31日に、混合型脂質異常症(空腹時TG値150~499mg/dL、かつLDLコレステロール値70mg/dL以上またはnon-HDLコレステロール値100mg/dL以上)の成人患者を、zodasiran群(50mg、100mg、200mgの各用量群)またはプラセボ群に3対1の割合で無作為に割り付け、1日目および12週目に皮下投与して36週目まで追跡した。 主要エンドポイントは24週時における空腹時血漿中TG値のベースラインからの変化率で、各zodasiran群とプラセボ群の平均値の差を、反復測定共分散分析(ANCOVA)を用いて比較した。副次エンドポイントは、空腹時血漿中TG値の36週時までの変化率、空腹時non-HDLコレステロール、アポリポ蛋白B(APOB)、LDLコレステロール、ANGPTL3、HDLコレステロールの各値のベースラインから24週時および36週時までの変化率であった。TG値が有意に減少、non-HDL-C、APOB、LDL-Cも改善 計204例が無作為化され、191例(94%)が二重盲検投与期を完遂した。204例の患者背景は、平均年齢61歳、平均BMIは33、喫煙者が20%、慢性腎臓病を有している患者が8%、冠動脈疾患10年リスク>20%の患者が14%であった。 24週時において、プラセボ群と比較しzodasiran群で用量依存的な空腹時血漿中TG値の低下が認められた。ベースラインからの変化率のzodasiran群とプラセボ群の最小二乗平均差(%ポイントで評価)は、50mg群で-51%ポイント、100mg群で-57%ポイント、200mg群で-63%ポイント(すべての比較でp<0.001)であった。この差は36週時も維持されており、ベースラインからの変化率のプラセボ群との差はそれぞれ-34%ポイント、-38%ポイント、-51%ポイントであった。 また、24週時にANGPTL3値の用量依存的な低下も観察され(ベースラインからの変化率のプラセボ群との差:50mg群-54%ポイント、100mg群-70%ポイント、200mg群-74%ポイント)、これはTG値と強い相関が認められた(ピアソン相関係数0.69)。 その他の副次エンドポイントの24週時におけるベースラインからの変化率のプラセボ群との差は、non-HDLコレステロール値が50mg群-29%ポイント、100mg群-29%ポイント、200mg群-36%ポイント、APOB値がそれぞれ-19%ポイント、-15%ポイント、-22%ポイント、LDLコレステロール値がそれぞれ-16%ポイント、-14%ポイント、-20%ポイントであった。 全有害事象、ならびに治験担当医師が試験薬と関連があると判定した有害事象の発現率はzodasiran群とプラセボ群で類似していた(それぞれ65~81% vs.67%、18~26% vs.18%)。zodasiran 200mg群では、糖尿病既往歴のある患者において糖化ヘモグロビン値の一時的な上昇が認められた。

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禁煙のためのアプローチ法を伝授(Dr.坂根のすぐ使える患者指導画集)

患者さん用画 いわみせいじCopyright© 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)診察室での会話医師患者医師今、禁煙のほうはいかがですか?(Ask:尋ねる)まだ、始められていません…。(申し訳なさそうな顔)なるほど。食事や運動にも気を付けておられますし、あと禁煙が達成できたら最高ですね!(Advice:忠告)患者 そうなんですが、なかなか…。医師 本当のところはどうですか? 次回の受診日までに、画 いわみせいじタバコをやめる気持ちはどのくらいありますか?(Assess:つもりを評価)患者 そうですね、…半々ですかね。医師 それはよかったです。ニコチンパッチや飲み薬など禁煙補助薬もありますし、禁煙成功に向けてお手伝いしますよ!(Assist:手伝う)患者 ありがとうございます。医師 それでは次回、禁煙の開始日を決めましょう。それまでに、心の準備をお願いできますか?(Arrange:取り決める)患者 はい。わかりました。(うれしそうな顔)ポイント5Aアプローチは、た行(尋ねる、忠告、つもりを評価、手伝う、取り決める)で覚えておくと便利ですよ。Copyright© 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.説明のポイント(医療スタッフ向け)表.一般的な禁煙の5Aアプローチ5A内容Ask(た:尋ねる)あらゆる機会に患者の喫煙状況を尋ねるAdvice(ち:忠告)すべての喫煙者に禁煙するよう忠告するAssess(つ:つもりを評価)禁煙するつもりがあるかを確かめる(意思の確認)Assist(て:手伝う)禁煙するのを手伝うArrange(と:取り決める)禁煙外来への相談日や禁煙開始日を取り決める参考:川根博司, 工藤翔二, ほか編. 南江堂. 禁煙指導の実際. 呼吸器疾患 最新の治療 2007-2009. 2007:464-466.Copyright© 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.

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同世代・同診療科の医師の年収は?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(金)に会員医師1,004人(男性:875人、女性:129人)を対象に、「年収に関するアンケート」を実施した。その結果、80%の医師が昨年度の年収額は1,000万円以上と回答した。しかし、男女別にみると、男性では1,000万円以上が83%であったのに対し、女性は60%と男女差がみられた。全体の最多年収帯は1,400~1,600万円 全体で最も多い年収帯は1,400~1,600万円であった(全体の14%)。年代別では、35歳以下は1,000~1,200万円(20%)、36~45歳は1,400~1,600万円(23%)が最も多かった。それ以降の世代では2,000~2,500万円が最も多く、46~55歳では16%、56~65歳および66歳以上はそれぞれ15%であった。 年収1,000万円以上と回答した割合は、全体では80%であった。年代別では、35歳以下が65%、36~45歳が86%、46~55歳が88%と年齢が上がるごとに増加したが、56~65歳は84%、66歳以上は77%と減少した。 なお、2022年3月に実施した同様の調査では、全体で最も多い年収帯は2,000~2,500万円(全体の15%)であった。1,000万円以上は男性83%、女性60% 男女別にみると、男性では1,000万円以上と回答した割合は83%であったのに対し、女性は60%であった。最も多い年収帯は、男性が1,400~1,600万円および2,000~2,500万円(それぞれ14%)で、女性は1,200~1,400万円(15%)であった。診療科別の傾向は? 診療科別に昨年度の年収が1,600万円以上と回答した医師の割合は下記のとおり(30人以上の回答が得られた診療科を抜粋)。泌尿器科(60%)呼吸器内科(50%)消化器内科(47%)外科(47%)循環器内科(46%)精神科(45%)整形外科(45%)小児科(45%)内科(44%)神経内科(40%)糖尿病・代謝・内分泌内科(31%) その他、年代ごとの男女別、病床数別、勤務先別などの詳細な年収分布については、以下のページで結果を発表している。医師の年収に関するアンケート2024【第1回】昨年度の年収

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UKPDS 91:診断直後の強化血糖コントロール、死亡リスクを生涯低減/Lancet

 2型糖尿病におけるスルホニル尿素またはインスリン、あるいはメトホルミン療法による早期の強化血糖コントロールは、従来の食事療法を主体とする血糖コントロールと比較して、死亡および心筋梗塞のリスクをほぼ生涯にわたって減少させ、診断後すぐに正常血糖値に近い状態を実現することは、生涯にわたる糖尿病関連合併症のリスクを可能な限り最小限に抑えるために不可欠である可能性があることが、英国・オックスフォード大学のAmanda I. Adler氏らによる英国糖尿病前向き研究(UKPDS)の10年後の結果から、14年間の追跡調査で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2024年5月18日号で報告された。10年後以降、24年後までの14年間の解析結果 本研究では、1977~91年に英国の23施設を受診した25~65歳の2型糖尿病患者4,209例を、強化血糖コントロール(スルホニル尿素またはインスリン、体重増加がみられる場合はメトホルミン)を受ける群、または従来の血糖コントロール(主に食事療法)を受ける群に無作為に割り付けた。 この20年間の介入試験の終了時に、3,277例の生存者が10年間の試験後モニタリング期間に参加し、2007年9月30日まで追跡が行われた。本研究の対象は、この10年間の試験後モニタリング期間の終了時に生存していた患者1,489例であった。 ベースラインの平均年齢は50.2(SD 8.0)歳で、41.3%が女性であった。10年間の追跡開始時の平均年齢は70.9(8.5)歳で、その14年後の2021年9月30日の時点(合計24年)の生存者は79.9(8.0)歳だった。ベースラインからの追跡期間の範囲は0~42年で、期間中央値は17.5年(四分位範囲[IQR]:12.3~26.8)だった。メトホルミンで、死亡と心筋梗塞の相対リスクが20%、31%低下 試験終了から最長24年間に、血糖値およびメトホルミンのレガシー効果には、減弱の徴候を認めなかった。 従来の血糖コントロールと比較して、スルホニル尿素またはインスリン療法による早期の強化血糖コントロールでは、全体的な相対リスクが全死因死亡で10%(95%信頼区間[CI]:2~17、p=0.015)、心筋梗塞で17%(6~26、p=0.002)、細小血管症で26%(14~36、p<0.0001)の減少を示した。絶対リスクは、それぞれ2.7%、3.3%、3.5%低下した。 また、従来の血糖コントロールに比べ、メトホルミン療法による早期の強化血糖コントロールは、全体的な相対リスクが全死因死亡で20%(5~32、p=0.010)、心筋梗塞で31%(同12~46、p=0.003)減少した。絶対リスクは、それぞれ4.9%および6.2%低下した。脳卒中、末梢血管疾患のリスク低減は認めず 試験中または試験後に、2つの強化血糖コントロールのいずれにおいても、脳卒中および末梢血管疾患の有意なリスクの低下は認めず、メトホルミン療法では細小血管症の有意なリスク低減はみられなかった。 著者は、「この研究結果は、2型糖尿病患者に対する早期の強化血糖コントロールの導入を支持し、長期的な糖尿病関連合併症のリスクを最小化するための治療指針として活用される可能性がある」としている。本研究は、オックスフォード大学Nuffield Department of Population Health Pump Primingの助成で行われた。

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第196回 6月からの生活習慣病管理料の導入、新たな事務負担と実質的な減収に/厚労省

<先週の動き>1.6月からの生活習慣病管理料の導入、新たな事務負担と実質的な減収に/厚労省2.iPhoneにマイナンバーカード機能を搭載、2025年春に実現へ/デジタル庁3.総合診療科の認知向上とオンライン診療の普及に向け提言を提出/規制改革推進会議4.グーグルマップの口コミ訴訟、眼科医院が名誉毀損で勝訴5.健康被害が急増の自由診療クリニック、名義貸しが横行6.出産費用の透明化進む、『出産なび』で安心の選択を/厚労省1.6月からの生活習慣病管理料の導入、新たな事務負担と実質的な減収に/厚労省2024年度の診療報酬改定が6月1日より適用される。高血圧、糖尿病、脂質異常症の治療において「特定疾患療養管理料」から「生活習慣病管理料(I)」「生活習慣病管理料(II)」への移行が行われる。この改定は、質の高い疾病管理を進めることを目的とし、具体的には患者と医療者が共通の理解を持ち、療養計画書を作成して共有することが求められる。新たに導入される「生活習慣病管理料(II)」は333点となり、従来の「特定疾患療養管理料」225点より高く設定されている反面、算定回数が月2回から1回に減少する。また、「外来管理加算」や「処方箋料」が併算定できなくなり、全体の診療報酬は減少することになる。都内の開業医によれば、1日50人の患者のうち6割が特定疾患療養管理料を算定していた場合、年間で約115万円の減収が予測されている。改定のもう1つの大きな変更点は、療養計画書の作成と患者の同意・署名の取得が必須となる点で、これにより医師やスタッフの業務負担が増加する。療養計画書には、患者と相談した達成目標や行動目標、食事や運動の指導内容、血液検査の結果などが記載され、これを患者に説明し、同意を得て署名をもらう必要がある。一方、改定により「生活習慣病管理料(I)」も引き続き存在し、点数が引き上げられた。脂質異常症は610点、高血圧症は660点、糖尿病は760点となり、一定条件下で療養計画書の交付義務が免除される場合がある。また、生活習慣病管理料(II)の算定には多職種連携が推奨され、管理栄養士などの専門職との協力が求められる。外来栄養食事指導が必要な場合は、他の医療機関と連携し、指導記録を共有する体制を整備することが重要となる。厚生労働省は、生活習慣病管理料の導入により計画的な治療管理を促進し、疾病管理を求めている。その一方で、医療機関側には新たな文章作成など負担が増大するため、業務改善が必要となる。参考1)診療報酬の改定で開業医が年間115万円の減収? 生活習慣病の治療、6月から何が変わるのか(東京新聞)2)生活習慣病管理料(II)を新設し、2区分に(CB news)3)糖尿病・高血圧症等治療は特定疾患療養管理料から生活習慣病管理料I・IIへシフト、計画的治療管理を(Gem Med)4)生活習慣病管理料への移行、当院の「療養計画書」の作成法(日経メディカル)2.iPhoneにマイナンバーカード機能を搭載、2025年春に実現へ/デジタル庁5月31日にデジタル庁は、2025年春をめどにiPhoneにマイナンバーカードの機能を搭載する計画を発表した。岸田 文雄首相と米アップル社のティム・クックCEOとの会談で、この計画が確認された。これにより、iPhoneを使って行政手続きや本人確認ができるようになる。すでにAndroid端末向けには2023年5月からスマホ用電子証明書の運用が開始されており、iPhoneへの対応が焦点となっていた。アップル社は、デジタル庁と協力してiPhoneのウォレット機能にマイナカードを追加する準備を進めており、物理的なカードがなくても、スマホだけで身分証明書として使用できるようになる。これによりコンビニエンスストアでの公的証明書の発行や、病院での本人確認などが可能となる。アップルウォレットの身分証明書機能が米国以外で展開されるのはわが国が初めてとなる。一方で、政府はマイナカード機能のスマホ搭載を進めるために法改正を行い、今回の法改正でマイナカードの全機能がスマホに搭載されることが可能となり、銀行口座や証券口座の開設がスマホだけで完結できるようになるほか、コンビニエンスストアなどでの年齢確認にも使用可能となる。さらに、マイナ保険証も2025年春以降にスマホで使用できるようになる見通し(なお現行の保険証は2024年12月に廃止され、マイナカードに1本化される)。しかし、マイナンバー制度には、個人情報の管理やセキュリティの面で課題が残っているため、政府は、デジタル庁が主体となり、個人情報の正確性を確保するための支援を行うことを新たに規定する。また、医療機関でのマイナ保険証の利用率が低いため、普及促進のための取り組みが必要とされている。iPhoneへのマイナンバーカード機能の搭載は、デジタル社会への移行を大きく進める重要な1歩となると予想され、今後も利用者が安心して使える環境を政府が整えることが求められる。参考1)マイナンバーカード機能のiPhoneへの搭載について(デジタル庁)2)iPhoneにマイナカードの機能搭載へ 来春を予定 デジタル庁(CB news)3)iPhoneにマイナ機能 かざして身分証明、病院などで アップル、来夏までに(日経新聞)3.総合診療科の認知向上とオンライン診療の普及に向け提言を提出/規制改革推進会議政府の規制改革推進会議は、規制改革推進に向けた答申をまとめ、5月31日に岸田 文雄首相に提出した。主な内容として、医療機関が「総合診療科」を標榜できるように広告規制の見直しを厚生労働省に求め、2025年までに結論を出す方針。これは、患者がプライマリケアにアクセスしやすくするための措置となる。現在の医療法の広告規制では、内科、外科、精神科など特定の診療科名しか単独で広告できないが、総合診療科はこの中に含まれていない。高齢化に伴い、複数の疾患を抱える高齢者が増える中、総合診療を提供する医療機関の認知度向上が求められ、これに対応するため規広告規制の見直しを求めたもの。また、在宅医療における薬物治療を円滑に提供するため、厚労省には、訪問看護ステーションにストックできる薬の種類を拡大することが検討されている。このほか、オンライン診療で精神療法が初診から利用できることにつき2025年までに結論を出し、診療報酬の見直しを行う方針。これは、オンライン診療の利用拡大を通じて、地域差を解消し、患者の利便性を高めることを目的としている。もう1つの重要な施策として、薬剤師が不在の店舗でもオンラインで市販薬を販売できるようにする規制改革が進められている。とくに、過疎地や深夜・早朝に薬剤師が常駐しない店舗に、遠隔で管理することで市販薬の販売を可能にする方針。これにより、薬剤師の人手不足を解消し、地域住民の利便性を向上させることを目指している。今回の答申を受け、政府は新たな規制改革実施計画を取りまとめ、近く閣議決定する予定。これにより、医療分野でのデジタル技術の活用などが具体的に進められることになる。参考1)規制改革推進に関する答申~利用者起点の社会変革~(規制改革推進会議)2)「総合診療科」の標榜容認検討へ、25年結論 規制改革推進の答申(CB news)3)人手不足、デジタルで解消 遠隔で薬販売/AIで要介護認定 規制改革会議が最終答申(日経新聞)4.グーグルマップの口コミ訴訟、眼科医院が名誉毀損で勝訴兵庫県尼崎市の眼科医院がグーグルマップの口コミ欄に一方的に悪評を投稿されたとして、損害賠償を求めた訴訟の判決が大阪地裁であった。5月31日に山中 耕一裁判官は、投稿者の大阪府豊能町の女性に対し、200万円の賠償と投稿の削除を命じた。訴えによると、眼科医院は3年前に「レーシック手術を受けたが左目だけで、右目はレンズを入れられた」や「何も症状がないのに勝手に一重まぶたにされた」といった内容の書き込みを受けた。医院の院長は、これらの内容に身に覚えがないとして、グーグルに情報開示を求めて投稿者を特定し、今年1月に女性を訴えた。山中裁判官は「書き込みは、眼科の医師が患者から承諾を得ずに勝手な医療行為をするという印象を与え、医院の社会的評価を低下させた」と述べ、投稿が名誉毀損にあたると判断した。眼科医院の代理人弁護士である壇 俊光氏は、「投稿者の特定には3年かかり、ネット社会における不当な投稿への対応の遅れを感じている。迅速な削除を求める司法判断が必要だ」と述べる。この判決により、インターネット上での名誉毀損行為に対する法的対応の重要性が再確認された。参考1)グーグルマップの口コミ欄で一方的に眼科医院の悪評、投稿者に200万円の賠償命じる判決(読売新聞)2)「クチコミ」投稿者に賠償命令 眼科医院長“評判落とされた”(NHK)5.健康被害が急増の自由診療クリニック、名義貸しが横行美容や健康への関心の高まりを背景に、公的な医療保険が適用されない自由診療を提供するクリニックが急増している。しかし、自由診療クリニックの増加に伴い、健康トラブルも多発しており、健康被害や契約上の問題が顕在化している。とくに、美容医療分野では、脱毛や薄毛治療、医療ダイエットなどの自由診療が行われ、患者は全額自己負担で利用している。NHKの報道によれば、都市部を中心に「一般社団法人」として設立された美容クリニックが急増し、その多くが自由診療を提供している。一般社団法人は、医師でなくても設立可能であり、登記のみで開業できるため、異業種からの参入が容易なために医師の「名義貸し」が横行、実際には医療行為に関与しない医師が管理者として名前を貸しているケースが多数報告されている。国民生活センターによると、美容医療に関するトラブルの相談件数は、2023年度に5,833件と、この5年間で約3倍に増加している。とくに健康被害の相談は839件に上り、過去5年間で約1.7倍に増加している。たとえば、高濃度のビタミン点滴によるアナフィラキシーショックなど、深刻な健康被害も報告されている。一般社団法人によるクリニックの運営に関しては、監督官庁がなく、医療法人のような規制も適用されないため、管理が不十分とされる。渋谷区保健所の熊澤 雄一郎生活衛生課長は、「一般社団法人のクリニックも医療法人と同様に業務内容の報告体制を整備する必要がある」と指摘する。厚生労働省は、専門家による検討会を立ち上げ、自由診療における美容医療の適切なあり方や対策を協議し、行政が事業内容を定期的にチェックできる制度について検討する予定。適切な監視体制の構築が急務となる。参考1)追跡“自由診療ビジネス”の闇 相次ぐ美容・健康トラブルの深層(NHK)2)一般社団法人のクリニック 都市部で増 医師「名義貸し」証言も(同)3)美容医療でトラブル増加 厚労省 検討会立ち上げ対策など協議へ(同)6.出産費用の透明化進む、『出産なび』で安心の選択を/厚労省5月30日に厚生労働省は、医療機関ごとの出産費用やサービス内容を比較できるウェブサイト「出産なび」を開設した。このサイトは、全国の病院や助産所など約2,000の出産施設を対象に、妊婦やその家族が適切な施設を選択できるよう情報を提供する。「出産なび」では、各施設の出産費用や分娩実績、サービス内容を一覧で確認でき、たとえば、無痛分娩の対応有無や24時間対応の可否、立ち会い出産の可否などが細かく紹介されている。施設の種類や希望するサービスにチェックを入れて検索すると、条件に合致する施設が一覧表示され、地図上で施設の位置を確認することもできる。出産費用の内訳も明示されており、基本的な分娩費用や個室の追加料金などがわかるようになっている。これにより、妊婦や家族が費用面での予測を立てやすくなり、出産に伴う経済的な負担を見通しやすくなる。「出産なび」の開設は、少子化対策の一環として、出産費用の透明化を図り、不透明な値上げを防ぐことを目的としている。また、正常分娩への保険適用に向けた議論の材料としても活用される予定。現在、正常分娩は保険適用外であり、費用は全額自己負担となっているが、2026年度をめどに保険適用を検討している。厚労省では、今後も「出産なび」の情報を定期的に更新し、利用者が最新の情報にアクセスできるよう努める。また、出産費用の保険適用についても議論を進め、妊婦や家族の負担軽減を図っていく方針。参考1)「出産なび」へようこそ(厚労省)2)お産の費用見える化サイト「出産なび」開設 全国の約2千施設が対象 厚労省(CB news)3)医療機関ごとの出産費用を検索「出産なび」開設…無痛分娩の対応有無や24時間対応可も紹介(読売新聞)4)出産費用丸わかり、厚労省が施設検索サイト「出産なび」(日経新聞)

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