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感染性心内膜炎の静注抗菌薬による治療を部分的に経口抗菌薬に変更できるか(解説:吉田敦氏)-1007

オリジナルニュースPartial Oral versus Intravenous Antibiotic Treatment of Endocarditis 感染性心内膜炎の静注抗菌薬による治療は長期にわたる。中には臨床的に安定したため、抗菌薬の静注が入院の主な理由になってしまう例もある。安定した時期に退院とし、外来で静注抗菌薬の投与を続けることも考えられるが、この場合、患者本人の負担は大きく、医療機関側の準備にも配慮しなければならない。このような背景から、今回デンマークにおいて左心系の感染性心内膜炎を対象とし、静注抗菌薬による治療を10日以上行って安定した例において、そのまま静注抗菌薬を継続・完遂するコントロール群と(治療期間中央値19日)、経口抗菌薬にスイッチして完遂する群(同17日)について、死亡率、(あらかじめ想定されていない)心臓手術率、塞栓発生率、菌血症の再発率が比較された(プライマリーアウトカム指標)。 結果として、プライマリーアウトカム指標の発生率に差はなかった(コントロール群:12.1%、経口スイッチ群:9%)。このため著者らは、左心系の心内膜炎例でも安定していれば、静注抗菌薬の継続に比べ経口スイッチは劣らないと結論付けている。ただし、ここで検討された患者の内訳・原因微生物・除外基準・治療レジメンについてよく確認したうえで、結果は解釈すべきと考える。 まず原因微生物については、Streptococcus、E. faecalis、S. aureus、コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)の4種のみであり、半数近くをStreptococcusが占め、S. aureusは2割程度であった。それもMSSAのみでMRSAは含まれていない。さらにHACEKや培養陰性IEも含まれていない。自己弁・人工弁両方の心内膜炎が含まれるが、人工弁は25%程度であり、ペースメーカー感染が明らかであった例は3~4%、大きな疣贅(径>9mm)を有していた者は4~6%であった。心内膜炎に対する手術適応あるいはペースメーカー抜去の判断は主治医チームに委ねられており、詳細や施設間差の有無は不明である。さらには2群の割り付けの際、経食道心臓超音波を施行して膿瘍や手術を要するほどの弁異常がないことを確認し、加えて吸収不良がないといった複数の選択基準・除外基準をクリアすることが要求される。治療レジメンについては、代謝経路の異なる2薬剤を併用するが、この中には本邦で市販されていないdicloxacillinとfusidic acidの内服や、高価であるリネゾリドの内服も含まれている。 一方で、経口抗菌薬の血中濃度の測定も行っており、内服薬の吸収とバイオアベイラビリティに配慮している点は評価できる。今回の報告は、画一的な結論は付けがたいと考えられる。つまり、ある範囲の集団で、条件を満たし、臨床的に安定し、かつ腸管吸収にも問題がない例において、特定の組み合わせの経口抗菌薬が適応になるのではないかということである。この意味においては、ある集団に特化した(たとえば「Streptococcusによる自己弁の感染性心内膜炎」に対する「アモキシシリン+リファンピシン」のような)検討が今後さらに必要になるであろうし、半面、別な集団に対しては内服スイッチが適応でないという提示も行われるべきであろう。さらには、そのような層別化を行うにあたって、個別の症例の評価そのものが、よりいっそう精密さを求められるといえる。今回の検討は、あくまで嚆矢としての位置付けではないだろうか。

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英語勉強の工夫【Dr. 中島の 新・徒然草】(260)

二百六十の段 英語勉強の工夫今年の私の2つの目標は、「1ヵ月に1キロずつ痩せる」「英語リスニング能力の向上」ですが、今回は後者の進捗状況について述べたいと思います。中身に入る前に一言。よく考えてみれば、「ダイエット」「英語」というのは、あのライザップがターゲットとして掲げている領域でもありますね。結局、日本人の頭の中にある願望は皆一緒ということかもしれません。ちなみにライザップは次の領域として、ゴルフと料理をターゲットにしているようです。それはさておき、私自身の英語学習について語りましょう。「これを理解できたらなあ」と思って始めた、映画「トロン:レガシー」の聞き取りですが、まだ終わっていません。半分をすぎた程度。なんせ知らない単語が多い、多過ぎる! ちょっと例を挙げてみましょう。wasteland、 cutlery、 weary、 apprentice、 terrain、 vanquish、 luminary、 freak、 rectify、 reconvene、 prank、 ardentなど、まだまだたくさんあります。同業者の英語名人が「英語リスニングのカギは、音の聞き取りではなく知識の量だ」とおっしゃっていましたが、まさしくその通り、単語を知らなければ聞き取りようがありません。というわけで次に考えたのが、楽しみながらボキャブラリーを増やす方法です。ちょうど今、取り組んでいることが2つあって、1つがニューヨーク・タイムズの「Crossword」、もう1つがアメリカ版の巨大掲示板である「reddit」です。Crosswordの方はスマホのアプリで、もっぱら5×5マスの小さいものに挑戦しています。これがアメリカ人向け生の英語といった風情で難しい。たとえば、“Monday Night Football' channel(月曜の夜のアメフトのチャンネル)”とか“Sound of a scissors cut(ハサミで切る音)”とか。答えはそれぞれ“ESPN”と“SNIP”になるのですが、知らんがなそんなもん!しかし、このクロスワードを始めてみると案外面白く、手加減なしのアメリカ人向け英語にハマってしまいます。とくにイライラして眠れない夜にこれをやると、日常の些事を忘れつつ心の安寧を得ることができます。もう1つのredditのほうは英語の「2ちゃんねる」といったところ。世界中のあらゆる事を話題にして皆が好き放題書いているのですが、笑えるものばかりです。たとえば、「人に言いたいけど、会話には適さない話ある?」というスレッド。1人が「俺、メイン州で作家のスティーヴン・キングの近所に住んでいるんだけど」という話を始めると、皆がスティーヴン・キングについての経験をそれぞれに語り始めます。子供の頃、あちこちでアルバイトをしていたら複数の場所でスティーヴン・キングに出くわしたんだ。もちろん彼がスティーヴン・キングだってことは知っていたけど、むこうも僕の顔を覚えていて、笑いながら「坊主、俺につきまとうのはやめな」と言ってスクリューと木材を買っていったんだ。買ったばかりのスティーヴン・キングの小説を映画館のロビーで読んでいたら、「その小説、気に入ってくれたかい。サインしようか?」と声をかけられた。なんと、本物のスティーブン・キングだったよ。友達が僕をサプライズで本屋に連れていってくれたんだけど、スティーブン・キングがサイン会をしていたわけ。僕は彼の大ファンだったから、列に並んでいる間に泣いてしまって。そしたらスティーブン・キングが「心配するな。俺だって自分に会ったら泣いちまうよ」って声をかけてくれたんだ。エピソードは面白いのですが、使われている単語はなじみのないものばかりです。pimp、 extortion、 mugshot、 lick、 tit、 lumber、 fluff、 surreal、 statutory、 dudeなど。lumberなんかは、「なんだ、腰椎穿刺じゃねえか」と思った先生もおられるかもしれませんが、腰椎穿刺はlumbar punctureなので微妙にスペルが違います。でも、このような単語でもアメリカ人にとっては日常的だというのが現実なので、調べては覚えるしかありません。というわけで、「英語リスニングは知識勝負だ」という言葉を信じて、ひたすら勉強しております。最後に1句レディットで 結果にコミット 英会話

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高齢者うつ病発症率の潮流、10年間で減少

 うつ病の発症率における出生コホート差やそれらの説明要因に関する研究は、うつ病の病因を明らかにする可能性があり、世界的なうつ病負担を軽減するための予防戦略を最適化する一助となる。オランダ・アムステルダム自由大学のH. W. Jeuring氏らは、高齢者におけるうつ病の発症率について調査を行った。Epidemiology and Psychiatric Sciences誌オンライン版2019年1月26日号の報告。 オランダの地域高齢者を対象とした代表的な研究である、アムステルダム縦断高齢研究(Longitudinal Aging Study Amsterdam)のデータを用いて調査を行った。10年間のうつ病(CES-Dうつ病自己評価尺度16点以上)発症率のコホート差は、コホートシーケンシャル縦断デザインを用いて、55~64歳の非うつ病(10歳違いでの生まれ)の2つの同様なコホートとの比較で行った。ベースライン測定は、1992~93年(初期コホート、794例)および2002~03年(直近コホート、771例)で実施した。うつ病の動学的一般均衡モデルで示されるように、潜在的な説明要因は、リスクと保護要因で区分した。 主な結果は以下のとおり。・100人年当たりのうつ病発症率は、初期コホートで1.91(95%CI:1.59~2.27)、直近コホートで1.60(95%CI:1.31~1.94)であった。・直近コホートにおいて、初期コホートと比較し、慢性疾患や機能制限などのリスク因子の平均レベルが上昇したとしても、うつ病発症リスクは29%低下した(HRcohort:0.71、95%CI:0.54~0.92、p=0.011)。・このリスク低下は、主に教育レベル、熟達レベルの上昇、労働参加の増加により説明できた。 著者らは「これらの知見は、うつ病発症に対する予防因子の進歩が、リスク因子の悪影響を相殺し、若年成人におけるうつ病発症率の減少をもたらすことを示唆している。しかし、身体の健康状態を良好に保つことは、うつ病発症率をさらに低下させるうえで、優先しなければならない」としている。■関連記事日本人高齢者のうつ病に関連する社会的要因~AGESプロジェクトたった2つの質問で、うつ病スクリーニングが可能うつ病になりやすい性格

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MRSA保菌者、衛生教育+除菌指導で退院後感染リスク3割減/NEJM

 メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の保菌患者に対し、病院や介護施設を退院・退所する際、衛生教育に加えてクロルヘキシジンによる口腔洗浄や入浴などの除菌指導を行うことで、退院後1年のMRSA感染リスクが約3割減少したことが示された。米国・カリフォルニア大学アーバイン校のSusan S. Huang氏らが、2,000例超を対象に行った多施設共同無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2019年2月14日号で発表した。MRSA保菌入院患者は、退院後の感染リスクが高いことが知られている。MRSA保菌者の退院時に「衛生教育vs.衛生教育+除菌指導」 研究グループは、病院や介護施設に入院・入所し、MRSA保菌が確認された被験者を無作為に2群に分け、退院・退所時に、一方には衛生管理に関する教育を、もう一方には衛生教育と除菌指導を行い、1年間追跡した。除菌指導のレジメンは、クロルヘキシジンによる口腔洗浄と入浴またはシャワー浴、ムピロシンの鼻腔内塗布(5日間を月2回、6ヵ月)だった。 主要アウトカムは、米国疾病予防管理センター(CDC)基準によるMRSA感染とした。副次アウトカムは、臨床的判断に基づくMRSA感染、あらゆる原因による感染、感染による入院とした。 解析は、per-protocol集団(無作為化され、包含基準を満たし退院後も生存した全被験者)と、as-treated集団(指導を受けたレジメン順守の程度により階層化した被験者)を対象にそれぞれ実施した。MRSA保菌者のすべての感染リスクや入院リスク、いずれも約2割減少 MRSA保菌が確認された被験者は、2011年1月10日~2014年1月2日に南カリフォルニアにある17病院と7介護施設から集められ、2,140例が無作為化と追跡を受けた。 per-protocol集団(2,121例)において、MRSA感染の発生率は、衛生教育群9.2%(98/1,063例)に対し、衛生教育+除菌群は6.3%(67/1,058例)で同感染者の入院率は84.8%だった。 あらゆる原因による感染の発生率は、衛生教育群23.7%に対し、衛生教育+除菌群は19.6%で同感染者の入院率は85.8%だった。 MRSA感染リスクは、衛生教育+除菌群が衛生教育群よりも有意に低下した(ハザード比[HR]:0.70、95%信頼区間[CI]:0.52~0.96、p=0.03)。1例の感染を予防するための治療必要数[NNT]は30(95%CI:18~230)だった。 また、同感染リスクが低いことが、MRSA感染による入院リスクの低下にもつながっていた(HR:0.71、95%CI:0.51~0.99)。 臨床的判断に基づくあらゆる原因による感染リスクも、衛生教育+除菌群が衛生教育群に比べて有意に低く(HR:0.83、95%CI:0.70~0.99)、感染に伴う入院リスクも有意に低下した(HR:0.76、95%CI:0.62~0.93)。ただし著者は、「これら副次アウトカムの治療効果は、事前に多重比較に関する補正を規定していなかったため、慎重な解釈を要する」としている。 as-treated集団の解析では、除菌レジメンを順守した衛生教育+除菌群の被験者のMRSA感染リスクは、衛生教育群に比べ44%低く(HR:0.56、95%CI:0.36~0.86)、あらゆる原因による感染リスクは40%低かった(同:0.60、0.46~0.78)。

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女性医師、外科研修の中途離脱を回避するには/Lancet

 外科医の研修プログラムを途中で辞めた女性医師を対象に、その理由を調査したところ、「休暇を取るのが困難」「同じ専門医の女性同士の交流が少ない」「支援体制の欠如」など6つの要因が浮き彫りになった。オーストラリア・Gold Coast Hospital and Health ServiceのRhea Liang氏らが、女性医師12人へのインタビューで明らかにしたもので、Lancet誌2019年2月9日号で発表した。英国とオーストララシアでは、外科専門医のうち女性医師の占める割合はわずか11%で、外科研修プログラムを途中で辞めてしまう割合も女性医師が男性医師より高いという。4ヵ月にわたるインタビューで原因を調査 研究グループは、外科医の研修プログラムを途中で辞めた女性医師12人を対象に、その理由などを調べる質的調査を行った。 Royal Australasian College of Surgeons(RACS)とその研修協会を通じて、スノーボール・サンプリング法で被験者を3週かけて抽出。その後、過去4年間についてのインタビュー調査を、面接または電話で4ヵ月にわたり行った。 インタビュー内容について共同研究者や被験者との対話からコード化し、その課題を定義した。異なる理論やこれまでの文献を基に、説明モデルを構築した。被験者はオーストラリア全域、ニュージーランド、5つの専門分野を代表 被験者12人の女性医師は、オーストラリアの州と特別地域、ニュージーランド、また5つの医学専門分野を代表していた。研修プログラムの在籍期間は、6ヵ月~4年間で、2人を除き、都市部と農村部の両地域で働いた経験があった。 女性医師が外科研修プログラムを離脱する理由として、これまでに明らかにされていた理由に加え、新たに6つの要因が浮き彫りになった。具体的には、「病気などで休暇を取ることが難しい」「休暇の正当な理由についての区別が曖昧」「精神衛生の状態が悪い」「同じ専門外科の女性医師やその他支援者との交流が少ない」「職場での不当な扱いを報告した場合などに対し否定的な結果に及ぶ恐怖感がある」「問題があった際に個人や特定のサポートへの道筋が欠けている」だった。個々の要因の関連性は複雑で、ときに逆説的だった。 研究グループは、外科研修離脱の意思決定に関与した要因それぞれを「ブロック」で表現して、ブロックをタワー状に積み上げ、離脱を選択するとそのタワーが倒れるということを、視覚的に表現した。とくに、ブロックが不安定な状態のまま積み上がっていくと、小さな出来事でもタワーが倒れるきっかけとなること、すなわち研修プログラムを辞める決断につながることを示し、個々の要因に対する効果的なアクションが必要だとした。 そのうえで、「女性への支援は、性別に重点を置くのではなく、多様な因子に気を配りながら、予期せぬ負の影響の可能性に留意した介入が効果的なのではないか」と述べ、「これらのことを外科研修の介入に生かし、外科分野の特異性、医療現場であること、そして研修プログラムの構造に注意するべきだろう」とまとめている。

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内科医不足、2030年には推計1万6,226人になる恐れ

 厚生労働省は2019年2月、診療科ごとに将来必要な医師数の見通しと、都道府県ごとに将来時点で推測される不足医師数の推計を公表した。内科医不足、2024年に1万4,468人になる恐れ 資料によると、2016年時点での不足医師数は内科で9,275人、外科で5,656人、産婦人科で2,179人、小児科で2,033人、脳神経外科で1,309人、整形外科で1,153人であり、6つの科で1,000人以上不足している状況だった。このまま医師の数が変わらない場合、5年後の2024年に不足する内科医は1万4,468人、外科医は5,831人、2030年に不足する内科医は1万6,226人、外科医は5,520人となる恐れがあるという。 一方、皮膚科、精神科、眼科、耳鼻咽喉科では必要医師数を上回ると推計されており、とくに皮膚科、精神科、耳鼻咽喉科では2030年に1,000人程度上回る可能性がある。また、現在不足している産婦人科と小児科は、2030年までは不足の状態が継続するが、医師の養成と必要数の低下により、2036年には必要医師数を上回ると推計されている。2036年、2次医療圏での不足医師数は約2万4,000人と推計 都道府県単位(3次医療圏)で試算された2036年における医師数は、最大限確保できた場合でも全国で5,323人不足するとされており、12の道県で不足が見込まれている。一方、医師数を少なく見積もった場合でも、13の都府県では過剰が生じると推計されており、東京都では1万3,295人、大阪府では4,393人、福岡県では2,684人の過剰が見込まれている。 しかし、都道府県をさらに区分けした2次医療圏では、全国で2万3,739人が不足すると試算され、医師の偏在はほとんどすべての都道府県内で問題となる。 医師偏在を是正するために、改正医療法に盛り込まれる医師確保計画では、2036年までに最も医師偏在指標が小さい医療圏においても医療需要を満たすことが目標とされている。2019年4月の施行に向けて、近隣の医師多数区域からの医師派遣や定着促進など、さまざまな施策が考案されている。

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16県が医師少数、改正医療法で是正となるか?

 全国からの「医師不足」の声に対し、医師確保計画を通じた医師偏在の解消は喫緊の課題である。医師偏在の度合いを示す新たな指標として「医師偏在指標」の導入が決まっている。2019年4月に施行される改正医療法では、都道府県が2次医療圏単位で医師偏在指標に応じ、医師少数区域・医師多数区域を設定する。医師多数/少数区域の基準値として、医師偏在指標の上位/下位33.3%が定められる方針だ(3次医療圏においても同様の基準を使用)。また、医師少数区域以外で医師の確保をとくに図るべき区域(離島、へき地など)を、別枠の「医師少数地区」として省令で定めるという。医師確保計画の終了時点である2036年までに、最も医師偏在指標が小さい医療圏においても医療需要を満たすことが目標とされる。医師少数3次医療圏は、岩手県、新潟県、青森県など計16県 厚生労働省は2019年2月18日、医師偏在指標について現在の推計を初めて公表した。都道府県別(3次医療圏)で医師が多い地域は、上位から東京都(329.0)、京都府(314.9)、福岡県(300.5)、沖縄県(279.3)、岡山県(278.8)と続く。一方、医師が少ない地域は、下位から岩手県(169.3)、新潟県(169.8)、青森県(172.1)、福島県(177.4)、埼玉県(178.7)という結果で、医師少数3次医療圏として、下位33.3%に当たる16県が暫定で設定された。 医師少数3次医療圏・医師少数区域(2次医療圏)が医師偏在を解消するための目標として、「計画開始時点の医師偏在指標における基準値(下位33.3%)に達する医師数」が設定される見込みである。計画開始時点で基準値を下回る医療圏では医師の確保が必要、基準値を満たす医療圏では目標を達成済と捉えられるが、医師の多寡状況は、現在時点と将来時点の両方を見据えなければならない。 現在と将来それぞれの時点における医師の多寡状況への対応として、現在時点の医師数不足に対しては短期的な施策(医師派遣や定着促進など)をすぐに講じる必要がある。長期的な施策(医学部の地域/地元出身者枠増員の要請など)を組み合わせるべきかどうかは、将来時点で予測される医師数の多寡状況によって変わるという。新しい指標を活用した医師偏在対策 医師偏在指標は、現在・将来人口を踏まえた医療ニーズに基づき、地域ごと、診療科ごと、入院外来ごとの医師の多寡を統一的・客観的に把握できる、医師偏在の度合いを示す指標として導入された。改正医療法の施行後、医師偏在指標を活用した医師偏在対策として、以下のものが主に実施される予定である。・医師確保計画における目標医師数の設定…都道府県は、3次医療圏・2次医療圏単位で、医師偏在指標を踏まえた目標医師数の設定が義務付けられる・医師少数区域、医師多数区域の設定…都道府県は、2次医療圏単位で、医師偏在指標に関する基準に従い、医師少数/多数区域の設定ができる・大学医学部における地域枠・地元枠の設定…都道府県は、医師偏在指標によって示される当該都道府県の医師の多寡を踏まえ、大学に対し、医学部における地域枠・地元枠の設定・増加の要請を行うことができる 医師少数区域での医師確保に向けたサポートの一環として、「都道府県内での医師の派遣調整」「キャリア形成プログラムの策定」「医療機関の勤務環境の改善支援」「地域医療への知見を有する医師の大臣認定」「臨床研修病院の定員・倍率調整」が提案されている。国・都道府県・大学・医療機関が一丸となって、医師少数区域に対して、より充実したサポート体制を構築していくことが求められている。・医師偏在指標の計算式 医師偏在指標=標準化医師数(1)/地域の人口÷10万×地域の標準化受療率比(2)(1):Σ性年齢階級別医師数×(性年齢階級別平均労働時間/全医師の平均労働時間)(2):地域の期待受療率(3)÷全国の期待受療率(3):Σ(全国の性年齢階級別受療率×地域の性年齢階級別人口)/地域の人口・医師数は、性別ごとに20代、30代、…、60代、70歳以上に区分して、平均労働時間の違いを用いて調整する・従来の人口10万人対医師数をベースに、地域ごとに性年齢階級による受療率の違いを調整する

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バビル2世とEBMの深い関係を知っていますか?【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第8回

第8回 バビル2世とEBMの深い関係を知っていますか?オヤジギャグとカラオケでのアニメソング歌唱がやめられません。嫌われるとわかっていても、若手医師から総スカンをくっても、やめられません。オヤジギャグは思い浮かんだら言わずにはおれません。アニメソングの十八番は「バビル2世」の主題歌と、タイガーマスクのエンディング曲「みなし児のバラード」です。昭和時代に少年期を過ごした皆さまには共感をいただけるものと思います。今回は、医療関係者としてぜひ知っておくべき(?)ウンチクとして、EBMと「バビル2世」の深い関係を紹介します。知らないとチコちゃんに「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と叱られます。バビル2世は、バビルの塔に住んでいると主題歌にも歌われています。本来のマンガのタイトルは「バベル2世」の予定であったのが、当時の編集担当者が予告を打つ際に誤植のまま進めてしまい、「バビル2世」になったという逸話があります。そのまま「バビル2世」で続いているのは、昭和という時代の寛大さでしょうか。ここからは「バベルの塔」として記したいと思います。旧約聖書に記されたバベルの塔について要約します。大洪水の後、ノアの子孫である世界中の人々は、同じ言語を話す1つの民族であったそうです。神が作り出した石や漆喰ではなく、人造物として作り出したレンガやアスファルトを用いて、天国へ続く超高層の塔を築きはじめたのです。その様子を見ていた神は人間の結束力と能力を危惧し、言葉を混乱させその企てを阻んだのです。言葉を混乱させる=つまり多言語化という罰が与えられ、多種多様な言語が登場しました。日本語・英語・中国語・フランス語・スペイン語・アラビア語…挙げればきりがありません。言語が統一され続けていたならば、多少の文化の違いはあっても、現在ほど戦争や対立は生じていないのではないかと思われます。学問の世界では、統一した言語として英語への集約が完了しつつあります。神は、英語を母国語とする者には軽微な罰しか与えず、日本語を母国語とするわれわれには厳罰を与えたのです。神の試練に感謝できるほど人格が完成していない自分としては、この不公平さを嘆かずにはおれません。「日本人がバベルの塔建設を提案したわけではない」と言いたくなります。研究論文だけでなく、英語を使う地域での症例報告や薬剤の副作用情報などは共有されやすく、英語が母国語でない地域の情報は無視されやすくなります。これを「バベルの塔バイアス」と呼ぶ場合もあるようです。人工知能(AI)による翻訳の精度が急速に進化しています。日本語で書いた論文も瞬時に翻訳してくれる世界が目前に迫っているのです。英語が苦手な日本人にとっては朗報ですが、それを知った神は新たな罰を与えるかもしれません。その罰が、医師不要時代の登場であるかもしれません。神さま、お手柔らかにお願いいたします。

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第7回 異常かな?と思ったら…【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

薬剤師である皆さんが患者さんのご自宅を訪問する時、患者さんは慢性的な病態であることが多く、容態の急変はないと思いがちです。しかし、慢性疾患であっても、急に容態が変化・悪化することはあります。そのような時、主治医や訪問看護師にすぐに連絡した方がよいかどうか迷うことがあるかもしれません。今回は、急を要するか否かの判断の仕方と、その判断に必要なバイタルサインの測定法について紹介します。異常かな?と思ったら家族に「いつもと比べていかがですか?」と尋ねてみてください。私たちは、家族が「いつもとちょっと違うんです」と言う時には、特に注意して患者さんを診るようにしています。患者さんの容態が変化して、主治医や看護師に連絡した方がよいかどうか迷った時、「忙しいのにこんなことで電話して」と思われてしまうのでは...、と躊躇してしまうことがあるかもしれません。しかし、迷った時は連絡しましょう!現場では、患者さんを実際よりも軽症と判断してしまうことよりも、実際よりも重症と判断することの方が安全であり、患者さんにとって有益です。まずは患者さんのことを考えてください。そして、患者さんにとって一番よいと思うことを実行してください。迷った時には連絡と相談です。この気持ちがあれば、主治医や看護師は、どんな些細な連絡であっても、きっと「連絡ありがとうございました」と言ってくれるはずです。日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会編.高血圧治療ガイドライン2014.東京,ライフサイエンス出版,2014.太田富雄,他.急性期意識障害の新しいgradingとその表現方法.第3回脳卒中の外科研究会講演集.東京,にゅーろん社,1975,61-69.Teasdale G, et al. Assessment of coma and impaired consciousness: a practical scale. Lancet.1974; 2: 81-84.脳卒中合同ガイドライン委員会.脳卒中治療ガイドライン2009.東京,協和企画,2009.

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職業レベルの高さとうつ病治療への反応率との関係

 うつ病は、就業における問題を引き起こす主な原因となる。職業的問題がうつ病の発症を促進し、回復プロセスを妨げる可能性があることを示唆するエビデンスも報告されている。イタリア・ボローニャ大学のLaura Mandelli氏らは、以前の研究において、職業レベルが高い人ほど、うつ病治療後の転帰が悪化することを報告している。今回著者らは、うつ病患者の独立したサンプルを用いて、職業レベルとうつ病治療に対する治療反応についてさらなる調査を行った。European Neuropsychopharmacology誌オンライン版2019年1月28日号の報告。 1回以上の適切な治療試験後、うつ病治療に対する治療反応や治療抵抗性を評価されたうつ病患者の独立したサンプルより抽出した、安定して就業している患者647例を対象とした。3つの職業カテゴリから管理職、ホワイトカラー、ブルーカラーおよび自営業別に検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・管理職は、治療非反応率が最も高く、治療抵抗性を示した。・同様に、ホワイトカラーは、治療非反応率、治療抵抗率が高かった。・ブルーカラーは、治療非反応率および治療抵抗率が有意に低かった。・自営業者は、ホワイトカラーとブルーカラーの中間で、他の職業カテゴリとの違いは、ほとんど認められなかった。 著者らは「本追試の知見は、以前の研究結果を支持するものであった。中高レベルで雇用されているうつ病患者は、うつ病の標準治療後の転帰が、好ましくない可能性がある。職場における労働ストレスおよびその他の心理社会的要因について、うつ病の治療成績と関連させ、より綿密に調査すべきである」としている。■関連記事職場ストレイン、うつ病発症と本当に関連しているのか職場のメンタルヘルス、効果的な方法は:旭川医大仕事のストレスとベンゾジアゼピン長期使用リスクとの関連

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喫煙で子宮頸がんリスクが2倍~日本人女性

 喫煙による子宮頸がんのリスク上昇を示唆するエビデンスは多いが、日本人女性における関連の強さを調べた研究はない。今回、東北大学の菅原 由美氏らは「科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」において、日本人女性における喫煙と子宮頸がんリスクとの関連を系統的レビューにより評価した。その結果から、喫煙が日本人女性における子宮頸がんリスクを高めるエビデンスは確実であると結論している。Japanese Journal of Clinical Oncology誌2019年1月号に掲載。 本研究では、PubMedによるMEDLINE検索もしくは医中誌Webの検索、およびマニュアル検索によりデータを取得した。関連性については、国際がん研究機関(IARC)によって以前に評価された生物学的妥当性と共に、エビデンスの信頼性および関連の強さに基づいて評価した。さらに、メタ分析により喫煙による影響を推定した。 主な結果は以下のとおり。・2つのコホート研究と3つのケースコントロール研究を特定した。・5つの研究すべてが、喫煙と子宮頸がんリスクとの間に強い正の関連を示した。・要約推定によると、非喫煙者に対する喫煙経験者の相対リスクは2.03(95%信頼区間:1.49~2.57)であった。・4つの研究では、喫煙と子宮頸がんリスクとの用量反応関係も示された。

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ネコ型ロボット、せん妄に有効

 せん妄は入院患者に多く発症し、入院期間、死亡率、および長期的な認知の転帰など負の予測因子に強く一貫している。せん妄に関連する症状としては、集中力の低下、睡眠障害、精神運動興奮、および情緒障害が含まれる。また、せん妄による行動障害の管理は困難であり、せん妄の持続期間または重症度を軽減するために、初期の身体離床、方向転換、自然な睡眠パターンを高めるための試み、およびベッドサイドのシッターなどの非薬理学的手段が提唱されているが、それらを超える確立された治療は限られている。今回、米国・Albany Medical CenterのJoshua S-M氏らは、ペット型ロボットによるICUでのせん妄患者による行動障害軽減の可能性を明らかにした。The American Journal of Medicine誌2月7日号掲載の報告。 近年、ペット型ロボットの使用は、認知症の特別養護老人ホームに入居する患者の興奮抑制に役立つと報告されている。認知症はせん妄の主要な危険因子であるため、病院内でこれらが役立つかどうかが推測されている。研究者らは、せん妄を持つICU患者に対し、非薬理学的行動介入としてペット型ロボットの使用に関する実現の可能性を評価するために、パイロット試験を行った。 研究者らは、2017年7~12月に、当院のICUでせん妄治療を受けている20例に対し、ICUにおけるせん妄評価法(CAM-ICU)で評価を実施。患者の代理人は、書面による同意説明後、new Joy For All robotic cat(Hasbro、RI:ネコ型ロボット)を受け取った。このネコは電池式で、触るとゴロゴロ、ニャーなどの鳴き声を発する。患者、家族、そしてベッドサイドの看護師は、このネコの使用を勧められた。ICUへ入室3日目に、患者(可能なら)とその家族(すぐに可能なら)に対して、5つの質問を行い、体系化されていないフィードバックを求めた。同じ調査をすべてのICUの看護師、サポートスタッフ、および医師に電子メールで送信した(n=400)。調査の質問事項は、リッカート尺度を用いて5段階で評価した(1:強く反対~5:強く同意する)。 主な結果は以下のとおり。・患者/家族全体のうち23件、ICUサポートスタッフから70件の結果が報告された。・患者20例の年齢中央値は73歳(26~94歳)で、50%が女性だった。・ICUでの1次診断は65%が内科的、35%が外科的であった。・調査登録前に投与された薬は、鎮静薬:85%、ベンゾジアゼピン系:55%、抗精神病薬:30%だった。・ミトンは65%、拘束は40%の患者にされていた。・全体として、患者/家族および臨床スタッフそれぞれ65%が、ネコ型ロボットの使用によって落ち着いたと回答。また、回答者の70%以上が、ネコ型ロボットによる臨床ケアの妨害はなかったと回答した。・回答者の大多数は、ネコ型ロボットがICU患者へ将来的な役割を果たす可能性があることに同意した(患者/家族:95%、スタッフ:72%)。・介入は簡潔、目立たず、安全で低コストだった。・ペット型ロボットは一般的に患者、家族、そしてスタッフに好評だった。・主な不満や参加辞退の理由は、「イヌ型ロボットがなかった」というもので、最も多かったのは、「ネコ型同様にイヌ型ロボットを提供してほしい」という声だった(コメントの20%)。 本試験の見解は研究デザインとサンプルサイズによって制限されており、実現の可能性の探索研究であったため、対照群の登録はない。しかし、これはICU環境でのペット型ロボットによる初の研究で、この研究の終了以降、せん妄のある特定の患者へペット型ロボットの利用についてICUの看護師から問い合わせが増えている。 潜在的には、ペット型ロボットの使用および同様の介入は、患者および家族の経験を改善しながら、向精神薬の使用および拘束の必要性を減らすことができる。さらに、そのような装置はほかの入院患者(小児科、脳外傷など)、または重症度が低いユニットにおいてもいっそう役立つかもしれず、今後、より大規模な検証が求められる。

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メトトレキサート、乾癬性関節炎のない乾癬にも有用

 乾癬患者では、乾癬性関節炎の有無においてもメトトレキサートの反応性を考慮することが必要である。中国・復旦大学のKexiang Yan氏らは、メトトレキサートの乾癬治療に対する有効性と忍容性について、乾癬性関節炎を有していない乾癬患者では有害事象が少なく有効であることを明らかにした。著者は「メトトレキサートは、関節炎のない乾癬に対する1次治療として推奨される」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2019年1月30日号掲載の報告。 研究グループは、乾癬患者の乾癬性関節炎の有無におけるメトトレキサートの有効性と安全性を評価する目的で、2015年4月1日~2017年12月31日の期間に前向き単群試験を行った。対象者は中国の大学病院に外来通院中の乾癬患者235例で、乾癬性関節炎なし群107例、あり群128例を登録。その際、糖尿病の既往を除き、両群間での患者背景の差異はなく、それぞれに低用量メトトレキサート(7.5~15mg/週)を12週間経口投与した。主要評価項目は、乾癬の重症度、有害事象、血球数、肝機能および腎機能の変化とした。 主な結果は以下のとおり。・235例(男性166例[66.0%]、平均年齢±SD:49.6±15.1歳)が治療を受けた。・8週時点で、乾癬重症度(Psoriasis Area Severity Index:PASI)スコアがベースラインから90%以上改善した患者(PASI 90達成率)は、関節炎あり群となし群ではそれぞれ4例(3.1%)vs.12例(11.2%)であった(p=0.02)。・12週時点ではそれぞれ19例(14.8%)vs.27例(25.2%)(p=0.049)であり、8週、12週時いずれも、関節炎あり群でPASI 90達成率は有意に低かった。・有害事象は、関節炎あり群と関節炎なし群でそれぞれ、めまい:12例(9.4%)vs.1例(0.9%)(p=0.007)、胃腸症状:32例(25.0%)vs.13例(12.1%)(p=0.01)、肝毒性:34例(26.6%)vs.16例(15.0%)(p=0.04)と、いずれも関節炎あり群で有意に多かった。・メトトレキサートによるアラニンアミノトランスフェラーゼの上昇は、BMI(平均BMI±SD)と喫煙に有意に関連し、関節炎あり群ではそれぞれ26±4(p=0.04)、17/34例(50.0%、p=0.02)、関節炎なし群では26±4(p=0.005)、9/16例(56.3%、p=0.04)だった。

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たった一晩の絶食が筋力低下のリスクに

 入院時の夜間絶食は、患者の筋力にどの程度影響を及ぼすのか。今回、ブラジル・Universidade Federal de Mato GrossoのWesley Santana Correa-Arruda氏らにより、成人患者を対象とした前向き臨床試験が行われた。その結果、入院中の夜間絶食により、とくに低栄養、栄養失調および高齢の患者における筋肉機能が損なわれる可能性が示された。Einstein誌2019年1月14日号に掲載。 本試験は、2015年5月~2017年6月にHospital Universitario Julio Muller(ブラジル、Mato Grosso)へ入院した221例の患者を対象に行われた。平均年齢は56±16歳で、60歳以上の高齢者は93例(42.1%)、非高齢者は128例(57.9%)。参加者のうち119例(53.8%)は男性で、28例(12.7%)はがん治療を受け、193例(87.3%)は臨床治療を受けていた。 栄養状態は、良好(SGA-A)が38例(17.2%)、中等度の栄養不良(SGA-B)が69例(31.2%)、そして高度の栄養不良(SGA-C)が114例(51.6%)だった。 主な結果は以下のとおり。・夜間絶食後に評価された空腹時の平均握力(31.1±8.7kg)は、朝食後の平均握力(31.6±8.8kg、p=0.01)、および累積平均握力(31.7±8.8kg、p<0.001)と比較して小さかった。・夕食摂取時と夜間絶食時におけるそれぞれの空腹時の平均握力を比較すると、夕食摂取量100%の患者(33.2±9.1kg vs.30.4±8.4kg;p=0.03)および50%超の患者(32.1±8.4kg vs.28.6±8.8kg;p=0.006)では、夕食摂取時のほうが大きかった。一方、夕食摂取量50%以下および摂取量0の患者では、空腹時の平均握力の変化は見られなかった。・多変量解析の結果、一晩の夜間絶食後において、夕食摂取量50%以下ではオッズ比[OR]=2.17(95%信頼区間[CI]:1.16〜4.06;p=0.018)、高度な栄養不良ではOR=1.86(95%CI:1.06〜3.26;p=0.028)、高齢(60歳以上)ではOR=1.98(95%CI:1.12〜3.50;p=0.019)であり、それぞれの因子は、夜間絶食後における空腹時の有意な握力低下に対する独立した要因であることが示された。 以上の結果より、たとえ一晩でも、夜間絶食は空腹時の筋力を低下させ、栄養が不足している患者、とくに高齢者ではリスクが高いことが示された。しかし、筋力は食事摂取後に回復する可能性がある。これに対し、筆頭著者は「本研究では、夜間絶食が患者の筋力を低下させるリスクを示したが、夜間のエネルギー消費が日中よりも低いことはよく知られている。日中の絶食は、夜間絶食と比較して、より有害であることを意味する」とコメントしている。

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細菌性皮膚感染症に新規抗菌薬、MRSAにも有効/NEJM

 新規抗菌薬omadacyclineの急性細菌性皮膚・軟部組織感染症への効果は、リネゾリドに対し非劣性で、安全性プロファイルはほぼ同等であることが、米国・eStudySiteのWilliam O’Riordan氏らが行ったOASIS-1試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌2019年2月7日号に掲載された。急性細菌性皮膚・軟部組織感染症は合併症の発症率が高く、高額な医療費を要する。omadacyclineは、抗菌薬耐性株を含め、この種の感染症を高い頻度で引き起こす病原菌に活性を有する。本薬は、1日1回の経口または静脈内投与が可能なアミノメチルサイクリン系抗菌薬で、テトラサイクリン系薬剤由来の抗菌薬だが、テトラサイクリン耐性の機序である薬剤排出およびリボソーム保護を回避するという。早期臨床効果を無作為化非劣性試験で評価 本研究は、米国、ペルー、南アフリカ共和国および欧州諸国の55施設が参加し、2015~16年に実施された二重盲検ダブルダミー無作為化非劣性第III相試験(Paratek Pharmaceuticalsの助成による)。 対象は、年齢18歳以上の皮膚感染症患者であり、創感染(辺縁部からの最短距離が5cm以上)、蜂巣炎/丹毒、大膿瘍(辺縁部からの最短距離が5cm以上、試験集団の最大30%に制限)が含まれた。 被験者は、omadacycline群(100mgを12時間ごとに2回静脈内投与し、以降は24時間ごとに投与)またはリネゾリド群(600mgを12時間ごとに静脈内投与)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。3日間静脈内投与を行った後、それぞれomadacycline経口投与(300mgを24時間ごと)およびリネゾリド経口投与(600mgを12時間ごと)への移行を可とした。総投与期間は7~14日であった。 主要エンドポイントは、48~72時間の時点での早期臨床効果(救済抗菌薬治療を受けず、病変が20%以上縮小し、生存していることと定義)であった。副次エンドポイントは、最終投与から7~14日後の投与終了後評価時の担当医評価による臨床効果(徴候または症状がそれ以上の抗菌薬治療が不要な程度にまで消失または改善し、生存していることと定義)とされた。非劣性マージンは、10ポイントであった。MSSA、MRSAでの臨床効果はほぼ同等 645例が登録され、omadacycline群に323例(年齢中央値:48歳[範囲:19~88]、女性:37.2%)、リネゾリド群には322例(46歳[18~90]、33.9%)が割り付けられた。修正intention-to-treat(ITT)集団として、それぞれ316例、311例が解析に含まれた。 早期臨床効果の達成率は、omadacycline群が84.8%、リネゾリド群は85.5%と、omadacyclineのリネゾリドに対する非劣性が示された(差:-0.7ポイント、95%信頼区間[CI]:-6.3~4.9)。また、投与終了後評価で担当医が臨床効果ありと評価した患者の割合は、修正ITT集団ではそれぞれ86.1%、83.6%(差:2.5ポイント、-3.2~8.2)、臨床per-protocol集団では96.3%、93.5%(2.8ポイント、-1.0~6.9)であり、いずれにおいてもomadacyclineの非劣性が確認された。 また、病原菌別の投与終了後評価では、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA、omadacycline群84% vs.リネゾリド群82%)およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA、83% vs.86%)に対する臨床効果は、両群でほぼ同等であった。 有害事象は、omadacycline群が48.3%、リネゾリド群は45.7%と報告された。治療関連有害事象はそれぞれ18.0%、18.3%に、重篤な有害事象は3.7%、2.5%に認められた。 消化器系有害事象の頻度が最も高く(それぞれ18.0%、15.8%)、なかでも吐き気(12.4%、9.9%)および嘔吐(5.3%、5.0%)の頻度が高かった。omadacycline群の1例(オピエート過量摂取)およびリネゾリド群の2例(心停止、心不全)が死亡した。 著者は、「早期臨床効果を達成した患者のうちomadacycline群の93.7%およびリネゾリド群の90.2%が、投与終了後評価で臨床効果ありと評価された。これは他試験の結果と一致しており、経口薬治療への移行と早期退院の潜在的な臨床ツールとして、リアルワールド設定で早期臨床効果を検討する好機の到来を示唆するものであった」としている。

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腎疾患・CKDも遺伝子診断の時代へ!(解説:石上友章氏)-1006

 本邦でも、ミレニアム・プロジェクトと題した国家プロジェクトがあり、ヒト疾患ゲノム解析が、その中の1つのプロジェクトとして採用されていた(首相官邸「ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)について」)。当時は、キャピラリー・シークエンサーの時代で、逐次処理的に塩基配列を解読するため、膨大な設備と長時間の解析が必要であった。当時筆者が勤務していた米国・ユタ大学エクルズ人類遺伝学研究所には、国際的なヒトゲノムコンソーシアムの拠点があり、広いフロア一面を占めるキャピラリー・シークエンサーに感動を覚えた記憶がある。技術は進歩し、1,000ドルゲノムの時代を迎えて、個別化した全ゲノム解析が視野に入ってきた。現在では、いわゆる次世代シークエンサー(NGS)が汎用化し、これまで研究レベルであった分子遺伝学の成果が、臨床医にも手が届く時代を迎えている。今では、がんクリニカルシークエンス検査が、原発不明がんや、既存の治療に応答しない難治性がんの診療に応用されている。米国・コロンビア大学のEmily E. Groopman氏は、エクソーム解析を既知のCKDコホート計3,315例に対して行い、腎疾患・CKDにおける遺伝子診断の可能性について検討した1)。その結果は、307例(9.3%)に遺伝子診断をつけることができた。既知の原因遺伝子と疾患表現型が、必ずしも一致しない症例も少なからず認められた。たとえば、原著Figure 1の臨床診断スペクトラムによると、先天性多発性嚢胞腎の原因遺伝子として知られるPKD1、PKD2の異常は、そのほとんどが嚢胞性腎疾患であるが、Alport症候群の原因遺伝子として知られるIV型コラーゲンのα鎖遺伝子の異常は、高血圧性・糖尿病性を含む、幅広い臨床スペクトラムを呈している。同様に、家族性若年性痛風腎症の原因遺伝子として知られるUMOD遺伝子の変異も、幅広い臨床スペクトラムを呈している。 これまでのCKD・腎疾患の診断は、マクロ・ミクロの形態による診断ないしは、血清クレアチニン値に基づいた診断に限定されていた。今後、遺伝子診断は、迅速化、低コスト化、正確化を実現し、臨床医に、より確度の高い疾患情報の提供を可能にすることは間違いない。とくにCKDは、これまでの腎疾患のように、病理学的所見、病態に基づいた疾患ではない。estimated GFRによって、重症度を定量的に評価することができるようになったが、血圧、脂質、血糖とは異なり、eGFRを特異的に制御する治療法については、未解決である。CKDの重要性についても、主要4医学誌での論文をみても、いまだに疫学的な研究成果にとどまっていることが実情である。遺伝子診断のような技術革新が、すぐに臨床応用されるというのは楽観的に過ぎるが、引き続きの進捗に注目したい。

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34)タービュヘイラー(シムビコート、オーキシス)/使用の前準備【吸入薬使い方ガイド】

※上の画像をクリックすると別のウィンドウにて「環境再生保全機構」の動画ページが開きます。■今回の内容今回は、タービュヘイラー(シムビコート、オーキシス)使用の前準備を説明します。※初回のみ行う操作です。手順としては、使用開始時、フィルムをはがして開封する→左手で下の回転グリップを持ち、右手でキャップを反時計回りにひねって開ける→左手で本体を固定し、右手で回転グリップを時計回りにカチッと音がするまで回す→今度は右手を反時計回りに止まるまで戻す(音は鳴らない)→もう一度時計回りに回して、2回目のカチッという音を確認する→また反時計回りに止まるまで回す(音は鳴らない)→もう一度時計回りに回して、3回目のカチッという音を確認する→前準備完了※斜めにすると、吸入器の中の薬がこぼれてしまいます。吸うとき以外は、まっすぐに立てて操作してください。●主な製剤(2015年3月時点のデータ)シムビコート、オーキシス

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上顎歯肉に付着させる口腔咽頭カンジダ症治療薬「オラビ錠口腔用50mg」【下平博士のDIノート】第19回

上顎歯肉に付着させる口腔咽頭カンジダ症治療薬「オラビ錠口腔用50mg」今回は、「ミコナゾール付着錠(商品名:オラビ錠口腔用50mg)」を紹介します。本剤は、口腔内にミコナゾールを持続的に放出する1日1回1錠の口腔粘膜付着型製剤であり、全身的な副作用の低減とアドヒアランスの向上が期待されています。<効能・効果>本剤は、カンジダ属による口腔咽頭カンジダ症の適応で、2018年9月21日に承認され、2019年2月4日より販売されています。<用法・用量>通常、成人にはミコナゾールとして50mgを1日1回1錠、上顎歯肉(犬歯窩)に付着させます。本剤の使用期間は、原則14日間です。<副作用>国内第III相臨床試験では、本剤を1日1回1錠、14日間口腔内に付着した結果、62例中18例(29.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められました。主な副作用は、味覚異常5例(8.1%)、適用部位不快感3例(4.8%)、腹部不快感、悪心各2例(3.2%)でした(承認時)。錠剤付着部位における粘膜刺激性の副作用(本剤の物理的刺激によると考えられる適用部位不快感を含む)が62例中8例(12.9%)で報告されています。<患者さんへの指導例>1.カンジダ菌の増殖を抑えることで、口腔咽頭カンジダ症を治療する薬です。2.上顎の犬歯の上部にある歯ぐきのくぼみに薬を置き、上唇の上から30秒ほど指で軽く押さえてしっかり付着させてください。薬をなめたり、かんだりしないでください。3.薬を取り換えるときは、前日の薬が残っていた場合は取り除いてから、反対側の歯ぐきのくぼみに新しい薬を付着させてください。4.食べ物の味が変わったなどの体調変化がありましたら、主治医か薬局までご相談ください。5.本剤を付着させたまま飲食をしても構いませんが、ガムなどの本剤を剥がす恐れのある飲食物は避けてください。<Shimo's eyes>口腔咽頭カンジダ症は、主にカンジダ菌(Candida albicans)を起因菌とする真菌感染症です。免疫低下状態の患者さんで発症しやすく、舌の疼痛・灼熱感、味覚異常、嚥下困難、白苔形成、紅斑病変、口角炎などの症状が生じます。従来、口腔咽頭カンジダ症は抗真菌薬による全身療法または局所療法が行われています。局所療法としてはミコナゾールの経口用ゲルが承認されていますが、1日4回塗布する必要があり、アドヒアランスが維持できないこともあります。本剤は、ミコナゾールの新剤形医薬品で、添加物に生体付着性物質の濃縮乳タンパク質を用いたことによって、口腔粘膜に長時間付着させることが可能です。ミコナゾールを口腔内に持続的に放出し、最小発育阻止濃度以上の唾液中ミコナゾール濃度を長時間維持できることから、用法は1日1回となっています。ミコナゾールはCYP3A4およびCYP2C9を阻害するので、ゲル剤と同様に、ワルファリンカリウムやリバーロキサバン、アゼルニジピンなど多くの薬剤が併用禁忌となっています。また、スルホニル尿素系血糖降下薬との併用では、作用増強による低血糖に注意が必要です。口腔咽頭カンジダ症はHIVや悪性腫瘍など、免疫不全を生じる疾病に随伴しやすい疾患ですが、そのような患者さんは多剤服用の傾向にあるので、併用薬のチェックに漏れがないように気を付けなければなりません。なお、本剤は乾燥剤入りのボトル包装品(14錠入)で、湿度の影響を受けやすいのでボトル包装品のまま交付します。使用のたびにボトルのキャップをしっかり締め、直射日光と湿気を避けて室温で保管するように伝えましょう。

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