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重症患者、気管挿管時のバッグマスク換気は有益か/NEJM

 重症成人患者の気管挿管時におけるバッグマスクを用いた陽圧換気(バッグマスク換気)の実施は、未実施の患者と比べて、酸素飽和度を上昇し高度低酸素血症の発生リスクを有意に低下することが示された。米国・ヴァンダービルト大学医療センターのJonathan D. Casey氏らが、401例の患者を対象に行った多施設共同無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年2月18日号で発表した。気管挿管中の重症成人患者における低酸素血症は最も頻度の高い合併症であり、心停止および死亡のリスクを高める可能性がある。バッグマスク換気の実施が、誤嚥リスクを増大することなく低酸素血症の予防に有効かどうかについては明らかになっていなかった。米国7ヵ所のICUで401例を対象に試験 研究グループは2017年3月15日~2018年5月6日に、米国内7ヵ所の集中治療室(ICU)を通じて、気管挿管を受ける重症患者401例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、導入から喉頭鏡検査までの間に、一方にはバッグマスク換気を行い(バッグマスク群)、もう一方には換気を行わなかった(対照群)。 主要アウトカムは、導入から気管挿管後2分間に観察された最低酸素飽和度。副次アウトカムは、酸素飽和度80%未満低下と定義した高度低酸素血症の発生率とした。高度低酸素血症発生率、バッグマスク群11%、対照群23% 登録被験者401例において、最低酸素飽和度の中央値は、バッグマスク群96%(四分位範囲:87~99)、対照群93%(同:81~99)だった(p=0.01)。 高度低酸素血症の発生率は、バッグマスク群21例(10.9%)、対照群45例(22.8%)だった(相対リスク:0.48、95%信頼区間[CI]:0.30~0.77)。 施術者の報告による挿管中に認められた誤嚥は、バッグマスク群2.5%、対照群4.0%だった(p=0.41)。気管挿管後48時間の胸部X線で認めた新たな陰影の発生率は、それぞれ16.4%、14.8%だった(p=0.73)。

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023)医者だって人間だもの。【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第23回 医者だって人間だもの。しがない皮膚科勤務医デルぽんです☆ちまたでは大流行のインフルエンザ。ピークは過ぎたようですが、今年も同僚やスタッフに罹患者が続出し、毎年のこととはいえ、感染力の強さには驚かされます。幸い、私は今年もインフルエンザの洗礼を免れそうですが、いつどこからやってくるか予測できないのが感染症の恐ろしいところ。医療従事者は、外来で日々病原体に曝されるので、感染リスクも高く、常に危険と隣り合わせと言える状況です。しかしながら、いざ体調を崩し、お休みを取ろうにも、なかなか代わりが見つからないのが医師という職業のつらいところ。同科の医師が複数在籍している医局であれば、スケジュールの空いている医師に代診をお願いすることもできますが、なかなかそうした人手に恵まれないのが現実です。結果として、代理が見つからない場合は休診にせざるを得ず、その日に予約を入れていた患者さんは不利益を被ってしまうし、スタッフは予約の変更や窓口の対応に追われ、てんやわんやになってしまいます。やはり、穴をあけるわけにはいかない…。インフルエンザ対策について言うと、毎年、予防接種は早めに打ち、この時期の外来ではマスクを着用して感染防御に努めています。もちろん、手洗い・うがいも忘れません!「喉に菌がとどまらないよう、水をたくさん飲むことが感染しないコツだ」と知り合いの小児科医が言っていましたが、効果のほどはいかに!?時々、思い出してはペットボトルのお茶をがぶ飲みするデルぽんなのでした。皆さまも、インフルエンザにはお気を付けくださいまし~!それでは、また~!

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第8回 呼吸の異常-1 頻呼吸の原因は?【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

今回は呼吸の異常について取り上げたいと思います。前回お話しした救急のABCを覚えていますか?「気道(Airway)」「呼吸(Breathing)」「循環(Circulation)」でしたね。呼吸の異常に関係するAとBは、バイタルサインでいうと呼吸数です。患者さんを観察し、バイタルサインを評価することによって、気道・呼吸・循環の状態を考え、急を要するか否かを考えてみましょう。患者さんAの場合◎経過──186歳、男性。脳梗塞の既往があります。意思疎通をとることはできますが、左半身の不完全麻痺があり、ベッド上で過ごすことがほとんどです。全介助によって車いすに移乗できます。食事は、お粥と細かくきざんだ軟らかいおかずを何とか自分で食べることができますが、1か月ほど前から介助を必要とすることが多くなってきました。本日、定期の訪問日だったため、薬剤師であるあなたが患者さん宅を訪れると、「ハァハァ」と呼吸が速く、息苦しそうにしていることに気が付きました。家族(妻)から、「調子が悪そうなんですけど、お医者さんに行った方がよいでしょうか...」と相談されました。呼吸の調節さて、呼吸が速いことに気がついたあなたは、呼吸数が増加する原因を考えました。頻呼吸となる原因はいくつかあります。原因1●血液中の酸素濃度が低下、または二酸化炭素濃度が上昇したとき空気の通る気道に異常(気道異物や急性喉頭蓋炎※1など)を来したり、肺に異常(肺炎や心不全など)があると、酸素が取り込めなくなったり二酸化炭素を排出できなくなったりします。血液中の酸素濃度が低下すると、頸動脈や大動脈にある末梢化学受容器(頸動脈小体、大動脈小体)〈図1〉が刺激されます。一方、二酸化炭素濃度が上昇した時は、脳幹(延髄)にある中枢化学受容器が刺激されます。どちらも、頻呼吸となったり1回の呼吸が大きくなったりします。また、呼吸をしようとしても神経や筋の疾患(ギランバレー症候群※2や重症筋無力症、頸髄損傷など)のために、十分に胸が動かない状態でも同様です。原因2●代謝性アシドーシス腎不全などにより血液が酸性に傾いた状態を代謝性アシドーシスと言います。呼吸をすることによって、酸性の状態から正常のpHに戻そうとします。糖尿病性ケトアシドーシス※3が有名です。原因3●過換気症候群※4、ヒステリーなど精神的な問題でも呼吸が速くなります。※1 急性喉頭蓋炎細菌感染により喉頭蓋に炎症を起こす疾患。初発症状は発熱や喉の痛みだが、喉頭蓋が腫れるため気道狭窄を起こし、喘鳴や呼吸困難が現れることがある。※2 ギランバレー症候群筋肉を動かす運動神経の障害のため、手足に力が入らなくなる疾患。重症の場合には中枢神経障害性の呼吸不全が現れる。※3 糖尿病性ケトアシドーシス1型糖尿病患者ではインスリンが欠乏し、細胞は血液中からブドウ糖を取り込むことができない。そのため、脂肪酸からエネルギーを産生する。特にインスリンが絶対的に欠乏した場合(1型糖尿病発症時、インスリンの自己注射を中断した時など)は、脂肪酸代謝が亢進するためケトン体が生合成される。このケトン体により血液が酸性に傾く状態を糖尿病性ケトアシドーシスと呼ぶ。口渇、多尿、悪心・嘔吐、腹痛を引き起こし、脳浮腫、昏睡、死亡に至る場合もある。※4 過換気症候群心理的な原因により過呼吸(深く速い呼吸)となり、血液がアルカリ性に傾く。このため、眩暈、手足のしびれ、時には痙攣や意識障害が現れる。

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非浸潤性乳管がん、局所治療しない場合の進行・死亡リスク

 非浸潤性乳管がん(DCIS)と診断された女性の大多数が治療を受けるため、局所治療していない女性の浸潤性乳がんへの進行および死亡リスクは不明である。今回、米国・デューク大学メディカルセンターのMarc D. Ryser氏らの研究により、局所治療を受けていないDCIS患者の浸潤がん進行リスクは限られることが示唆された。また、今回の研究コホートはDCISと診断された患者の一般集団を代表するものではないが、高齢者や併存疾患の多い患者においてとくに過剰治療の可能性があることが示唆された。Journal of the National Cancer Institute誌オンライン版2019年2月13日号に掲載。 著者らは、米国国立がん研究所のSurveillance Epidemiology and End Results(SEER)Program(1992~2014)の記録で、根治切除または放射線治療を受けていないDCIS患者において、患者レベルのデータによる生存分析を行った。その後の同側浸潤がんのリスクをカプランマイヤー曲線で推定し、同側浸潤がん・対側乳がん・死亡における累積発生率を競合リスク法で推定した。 主な結果は以下のとおり。・局所治療を受けていない1,286例のDCIS患者が同定された。・診断時の年齢中央値は60歳(四分位範囲:51~74歳)、追跡期間中央値は5.5年(四分位範囲:2.3~10.6年)であった。・同側浸潤乳がんの10年リスク(net risk)は、腫瘍グレードI/IIの患者(547例)で12.2%(95%信頼区間[CI]:8.6~17.1%)、腫瘍グレードIIIの患者(244例)で17.6%(同:12.1~25.2%)、グレード不明の患者(495例)で10.1%(同:7.4~13.8%)であった。・全患者における同側浸潤がん、対側乳がん、全死亡率の10年累積発生率は、順に10.5%(95%CI:8.5~12.4%)、3.9%(同:2.6~5.2%)、24.1%(同:21.2~26.9%)であった。

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インスリン治療、認知症リスクに関連か

 糖尿病は認知症の危険因子と報告されているが、糖尿病治療薬と認知症との関連についての研究は少なく結果も一貫していない。今回、インスリン、メトホルミン、スルホニル尿素(SU)類の使用と認知機能および認知症リスクとの関連について、イスラエル・ハイファ大学のGalit Weinstein氏らが5つのコホートの統合解析により検討した。その結果、インスリン使用と認知症発症リスクの増加および全般的認知機能の大きな低下との関連が示唆された。著者らは、「インスリン治療は、おそらく低血糖リスクがより高いことにより、有害な認知アウトカムの増加と関連する可能性がある」としている。PLOS ONE誌2019年2月15日号に掲載。 本研究では、フラミンガム心臓研究、ロッテルダム研究、Atherosclerosis Risk in Communities(ARIC)研究、Aging Gene-Environment Susceptibility-Reykjavik Study(AGES)およびSacramento Area Latino Study on Aging (SALSA)の5つの集団ベースのコホートの結果を統合した。各コホートにおけるインスリン、メトホルミン、SU類の使用者と非使用者との差について、認知および脳MRIを線形回帰モデルで、また認知低下および認知症/アルツハイマー病リスクを混合効果モデルおよびCox回帰分析を用いて、それぞれ評価した。結果はメタ解析手法を用いて統合され、前向き解析には糖尿病患者3,590例が含まれた。 主な結果は以下のとおり。・血糖コントロール指標を含む潜在的な交絡因子を調整後、インスリン使用が、認知症発症リスクの増加(pooled HR(95%CI):1.58(1.18~2.12)、p=0.002)および全般的認知機能の大きな低下(β=−0.014±0.007、p=0.045)と関連していた。さらに腎機能を調整し、生活習慣の改善のみで治療された糖尿病患者を除いても、認知症発症との関連は変わらなかった。・インスリン使用とアルツハイマー病リスクとの間に有意な関連はみられなかった。・インスリン使用は認知機能および脳MRIに関連していなかった。・メトホルミンやSU類の使用と、脳機能および構造のアウトカムとの間に、有意な関連はみられなかった。・コホート間に有意な異質性は示されなかった。

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アリピプラゾール治療と精神医学的イベントリスク

 抗精神病薬で治療されている精神疾患患者に対するアリピプラゾール初回使用に関連した潜在的な精神医学的悪化を懸念する報告がいくつかあるが、とくに長期的なアリピプラゾール使用が、重篤な精神医学的イベントリスクを増大させるかは、よくわかっていなかった。カナダ・Jewish General HospitalのFrancois Montastruc氏らは、他の抗精神病薬で治療されていた精神疾患患者に対するアリピプラゾールへの切り替えまたは追加(アリピプラゾール群)が、アリピプラゾール以外の抗精神病薬への切り替えまたは追加(非アリピプラゾール群)と比較し、重篤な精神医学的イベントと関連性が認められるかについて評価を行った。JAMA Psychiatry誌オンライン版2019年1月30日号の報告。 2005年1月1日~2015年3月31日の期間に、集団ベースコホート研究を実施した。Hospital Episodes Statistics(HES)とOffice for National Statistics(ONS)死亡率データベースにリンクされた世界最大の電子データベースの1つである、英国Clinical Practice Research Datalink(CPRD)よりデータを収集した。抗精神病薬新規使用患者の基本コホートにおいて、傾向スコアマッチングを使用し、アリピプラゾール群と非アリピプラゾール群に1:1の割合で割り付けた。すべての患者について、精神科治療不良、コホート参加から1年、自殺以外の原因による死亡、データベースの登録終了、試験期間終了(2016年3月31日)のいずれかに至るまで、フォローアップを行った。非アリピプラゾール群と比較したアリピプラゾール群の精神科治療不良の重篤なイベント(精神医学的入院、自傷行為、自殺)のハザード比(HR)および95%信頼区間(CI)の推定には、Cox比例ハザード回帰モデルを用いた。傾向スコアのマッチングに加えて、すべてのモデルは、年齢、コホート登録前6ヵ月間の精神医学的入院または自傷行為の件数、コホート登録前の他の抗精神病薬数、Index of Multiple Deprivationの五分位数で調整された。 主な結果は以下のとおり。・対象は、アリピプラゾール群1,643例(女性の割合:57.8%[949例]、平均年齢:42.1±16.8歳)、非アリピプラゾール群1,643例(女性の割合:53.0%[871例]、平均年齢:42.4±17.1歳)。・フォローアップ期間の2,692患者年のうち、重篤な精神科治療不良は391件であり、粗発生率は100患者年あたり14.52件(95%CI:13.16~16.04)であった。・ アリピプラゾール群は、非アリピプラゾール群と比較し、精神科治療不良率(HR:0.87、95%CI:0.71~1.06)、精神医学的入院率(HR:0.85、95%CI:0.69~1.06)、自傷行為または自殺の発生率(HR:0.96、95%CI:0.68~1.36)の増加と関連が認められなかった。・結果は、いくつかの感度分析にわたり一貫していた。 著者らは「他の抗精神病薬で治療されていた精神疾患患者に対するアリピプラゾールへの切り替えまたは追加は、アリピプラゾール以外の薬剤と比較し、精神医学的入院、自傷行為、自殺との関連は認められなかった。これらの結果は、大規模な観察研究における追試の正当性を示すものである」としている。■関連記事アリピプラゾール治療を見極めるタイミングは何週目か本当にアリピプラゾールは代謝関連有害事象が少ないのか抗精神病薬のQT延長リスク、アリピプラゾールはどうか

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皮膚がんの遠隔診断、その有効性は?

 遠隔医療のもたらすさまざまな効果が期待されているが、海外では一歩進んだ検討が行われているようだ。米国・カイザーパーマネンテのS. Marwaha氏らは、皮膚病変の診断に対する遠隔皮膚診断(テレダーマトロジー)と対面診断による有効性や有用性は十分に検討されていないとして、対面診断とテレダーマトロジーによる皮膚がんの診断について後ろ向きに検討。テレダーマトロジーのほうが皮膚がん検出力の向上、生検率低下、対面診断の減少において、対面診断よりも優れている可能性が示唆された。ただし、今回の検討では、各テレダーマトロジーのワークフロー遂行力の違い、紹介を受けた医師による患者選択で、バイアスが生じた可能性があった。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2019年2月1日掲載の報告。 研究グループは、対面診断2種類診断(紹介を受けた医師、非常勤の皮膚科医によるもの)と、テレダーマトロジー4種類の各ワークフローで、生検リスクおよび皮膚がんの診断について比較。プライマリケアを受診した皮膚病変を有する5万9,279例について、2017年1~6月の期間に後ろ向き研究を行った。 主な結果は以下のとおり。・1種類のテレダーマトロジーのワークフローでは、画像保管通信システムを使用して、ダーマスコープ付きデジタルカメラによる高解像度画像を大画面コンピュータモニタ(スマートフォン画面とは対照的な)に映し出して読影することができた。・同ワークフローは、紹介を受けた医師による対面診断と比較し、皮膚がん検出率が9%(95%信頼区間[CI]:2~16%)高く、生検率は4%(相対リスク[RR]:0.96、95%CI:0.93~0.99)低かった。また、対面診断のための来院は39%(RR:0.61、95%CI:0.57~0.65)減少した。・ほかのワークフローでは、有効性が乏しかった。

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andexanet alfa、第Xa因子阻害薬による大出血に高い止血効果/NEJM

 andexanet alfaは、第Xa因子阻害薬の使用により急性大出血を来した患者において、抗第Xa因子活性を著明に低下させ、良好な止血効果をもたらすことが、カナダ・マックマスター大学のStuart J. Connolly氏らが行ったANNEXA-4試験で示された。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2019年2月7日号に掲載された。andexanet alfaは、第Xa因子阻害薬の中和薬として開発された遺伝子組み換え改変型ヒト第Xa因子不活性体で、2018年、米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認プログラムの下、アピキサバンまたはリバーロキサバン治療中に出血を来し、抗凝固薬の中和を要する患者への投与が承認を得ている。本試験は2016年に中間解析の結果が発表され、現在、エドキサバン投与例を増やすために、継続試験としてドイツで患者登録が続けられ、2019年中には日本でも登録が開始される予定だという。andexanet alfa投与後の抗第Xa因子活性の変化と止血効果を評価 本研究は、北米および欧州の63施設が参加した非盲検単群試験であり、2015年4月~2018年5月の期間に、中間解析の対象となった67例を含む352例が登録された(Portola Pharmaceuticalsの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、第Xa因子阻害薬投与から18時間以内に急性大出血を発症した患者であった。被験者には、andexanet alfaが15~30分でボーラス投与され、その後2時間をかけて静脈内投与された。 主要アウトカムは2つで、(1)andexanet alfa投与後の抗第Xa因子活性の変化率、(2)静脈内投与終了から12時間後の止血効果が、事前に規定された基準で「きわめて良好」または「良好」と判定された患者の割合であった。 andexanet alfaの有効性の評価は、大出血が確認され、ベースラインの抗第Xa因子活性が75ng/mL以上(エノキサパリン投与例では0.25IU/mL以上)のサブグループで行った。andexanet alfaの止血効果は82%で良好以上、活性低下は効果を予測せず 対象の平均年齢は77歳で、48例(14%)が心筋梗塞、69例(20%)が脳卒中、67例(19%)が深部静脈血栓症、286例(81%)が心房細動、71例(20%)が心不全、107例(30%)が糖尿病の病歴を有していた。 また、128例(36%)がリバーロキサバン、194例(55%)がアピキサバン、10例(3%)がエドキサバン、20例(6%)がエノキサパリンの投与を受けていた。主な出血部位は、頭蓋内が227例(64%)、消化管が90例(26%)だった。254例(72%)が有効性評価の基準を満たした。 有効性評価では、アピキサバン群(134例)は抗第Xa因子活性中央値がベースラインの149.7ng/mLからandexanet alfaのボーラス投与終了時には11.1ng/mLへと、92%(95%信頼区間[CI]:91~93)低下し、リバーロキサバン群(100例)は211.8ng/mLから14.2ng/mLへと、92%(88~94)低下した。また、エノキサパリン群(16例)は0.48IU/mLから0.15IU/mLへと、75%(66~79)低下した。3剤とも、この効果が静脈内投与終了時まで、ほぼ維持されていた。 andexanet alfaの静脈内投与終了から4、8、12時間後の抗第Xa因子活性中央値のベースラインからの変化率は、アピキサバン群がそれぞれ-32%、-34%、-38%、リバーロキサバン群が-42%、-48%、-62%だった。 andexanet alfaの止血効果の評価は249例で行われた。このうち204例(82%)が、「きわめて良好」(171例)または「良好」(33例)と判定された。これには、アピキサバン群の83%、リバーロキサバン群の80%、エノキサパリン群の87%が含まれ、頭蓋内出血の80%、消化管出血の85%が該当した。 30日以内に49例(14%)が死亡し、34例(10%)に血栓イベントが認められた。全体として、抗第Xa因子活性の低下は止血効果を予測しなかった(AUC:0.53、95%CI:0.44~0.62)が、頭蓋内出血の患者ではある程度の予測因子であった(0.64、0.53~0.74)。 著者は、82%というandexanet alfaの止血効果は、ビタミンK拮抗薬治療に伴う大出血に対するプロトロンビン複合体製剤の試験で観察された72%に匹敵するとした。一方、抗第Xa因子活性低下は頭蓋内出血での臨床効果を予測したとはいえ、抗第Xa因子活性の測定は難しく、実臨床において有用となる可能性はほとんどないだろうと指摘している。

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レビー小体型認知症のBPSD、対応のポイントは?

 2019年2月20日、大日本住友製薬主催により、レビー小体型認知症(DLB)に関するプレスセミナーが開催され、その中で2つの講演が行われた。DLBは早期介入が重要 初めに、小田原 俊成氏(横浜市立大学 保健管理センター教授・センター長)が、DLBの現状、認知機能障害、行動・心理症状(BPSD)の特徴について講演を行った。 現在、日本国内におけるDLBの推定患者数は、50~100万人程度とされている。しかし、類似疾患との鑑別が難しく、DLBと診断されていない患者も多く存在すると考えられている。実際に、臨床診断されるDLBの割合は4%程度だが、病理診断される割合は20%近いという報告もある。小田原氏によると、「アルツハイマー型認知症(AD)では初期からほとんどの症例で記憶障害を呈する一方で、DLBでは初期から記憶障害を呈するのは3分の1程度である」、「注意・遂行機能や、視知覚機能の障害が、ADよりも強く現れる」といった点がDLBに特徴的だという。さらに、DLBではADに比べ、妄想、幻覚、不安、睡眠障害といったBPSDによる弊害も多い。これらは、患者本人のみならず介護者の大きな負担やQOLの低下に直結するため、「介護者がレビー小体型認知症の特徴的症状を把握し、患者本人に受診動機を持ってもらう。そうすることで、早期に治療介入を行えるようにすることが大切である」と述べた。DLBにおけるBPSD、「運動症状への対応」がカギ 次に、服部 信孝氏(順天堂大学医学部 脳神経内科)より、DLBの非運動・運動症状の特徴について講演が行われた。 DLBの鑑別診断が難しい要因として、認知症を伴うパーキンソン病(PDD)と病理学的に同一のスペクトラムであるため、両疾患の診断基準を同時に満たすケースが存在することも挙げられると、服部氏は語る。一方、両者を正確に区別することは難しいものの、DLBでは、記憶障害がみられるようになる数年前から、便秘、嗅覚障害、レム期睡眠行動異常症(RBD)、抑うつの症状などが現れる点が特徴的であるという。この中でもとくに「RBD」は、2017年に改訂されたDLBの臨床診断基準で中核的臨床特徴に位置付けられるなど、その重要性が注目されている。中核的臨床特徴には、このほかに「認知機能の変動」、「繰り返す具体的な幻視」、「特発性パーキンソニズム」があるが、パーキンソニズムは、転倒による予後の悪化や、患者のADL・QOL低下、介護者のQOL低下、社会的コストの上昇(パーキンソニズムのスコアが1上昇すると827米ドルのコスト上昇という報告もある)などがみられるため、とくに注意が必要だと服部氏は強調する。その一方で、「DLBのパーキンソニズムに対する薬物療法は、精神症状を悪化させる可能性があるため、精神症状をコントロールしつつ、運動症状を治療していくことが大切。運動症状が悪化する前に、RBDや嗅覚障害などの特徴からDLBを早期に発見し、早期に治療介入していくことが重要である」と述べ、講演を締めくくった。

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不安は治るのだろうか?(解説:岡村毅氏)-1010

 臨床経験のある方は十分におわかりだと思うが、不安症の人はさまざまな身体の症状を訴えてプライマリケアを受診する。したがって、精神科・心療内科のみならず、すべての科で不安な人に出会うと思っておいたほうがいいだろう。 本論文ではデュロキセチン、プレガバリン、ベンラファキシン、エスシタロプラムが優れているとされた。まずデュロキセチン、ベンラファキシン、エスシタロプラムは比較的新しく、また臨床でもよく使用されるSSRIあるいはSNRIであり、きわめて妥当な結論だろう。プレガバリンについてはオフラベルとなるためコメントは難しい。 次に、ここでは「良い」とされなかったベンゾジアゼピンとクエチアピンを振り返ってみよう。まずわが国では不安な人には圧倒的にベンゾジアゼピンが処方されてきた。本論文では、「効果は確かにあるが、依存などの有害事象があるのでダメ」とされている。ベンゾジアゼピンは認知症の危険をも増やしてしまうのではという報告もあり、悪名しかない状態であるが、脈々と処方されてきた背景は以前書いた(「悪名は無名に勝るとはいうけれど…ベンゾジアゼピンの憂鬱」)。クエチアピンとは、いわゆる「抗精神病薬」の中で最も有害事象が少ないとされるものである。とても効いたという報告があるが、当然ながら「良薬口に苦し」で、続かない方も多いようだ。 高齢者の精神医学を専門とする筆者からすれば、不安とは未来への戦慄である。それは究極的には死の恐怖であり、誰しもが持つものだ(そしてうつは過去へのとらわれだと続くわけだが、長くなるのでこの辺りでやめときます)。研究者としては「薬物で不安がなくなるわけではない」「多剤併用はこうやって生まれるのだ」「医療モデルの限界を認識せよ」という医療批判もわからなくはない。とはいえ患者さん方もそんなことは先刻承知で、「でも不安で生活が立ち行かないから、嫌だけれども病院に来たのだ」という人も多いのである。薬物治療は、必要なときには正しく行うべきであろう。抄録では最後に「つまり、全般性不安障害に対しては多様な薬物治療が選択可能なのであり、最初の薬剤でうまくいかなくても、薬物治療を諦める理由にはならない」とあるが、これはなかなか含蓄ある言葉といえる。不安と一口に言っても、さまざまな状態があるのだ。初めの薬物が効果的でなくとも、「あなたの不安は医療では何ともならないものです」と断じる前に、謙虚に次のものを検討せよということであろう。 おまけに個人的感想を…。本論文では中国のデータベース(Chinese National Knowledge InfrastructureおよびWanfang data)も対象とし、中国語を解する研究者が精査している。中国からの報告を組み入れても、排除しても解析結果に大きな変化はなく、質は悪くはないが、かの国ではプラセボではなく対照薬を用いる傾向がある、などといろいろ考察されている。世界は英語圏と中国語圏からなるのかとしみじみ思った次第である。

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脊髄性筋萎縮症〔SMA:spinal muscular atrophy〕

1 疾患概要■ 概念・定義運動神経系は、脳から脊髄の上位運動ニューロンと、脊髄から筋肉の下位運動ニューロンに大別される。脊髄性筋萎縮症(SMA)では、この脊髄の運動神経細胞(脊髄前角細胞)が選択的に障害されることにより、下位運動ニューロン障害を示す疾患である。上位運動ニューロン徴候は伴わず、体幹、四肢の近位部優位の筋力低下、筋萎縮を示す1)。■ 疫学筆者らが実施した2017年の1年間における疫学調査では、有病率は総人口10万人当たり1.16、発生率は出生1万人当たり0.6であった。■ 病因SMAの原因遺伝子はSMN1(survival motor neuron 1)遺伝子であり、第5染色体長腕5q13に存在し、同領域に向反性に重複した配列のSMN2遺伝子も存在する(図)。SMN1遺伝子は両親から欠失を受け継ぎ、ホモ接合性の欠失により発症する場合が多い。SMN1遺伝子の下流にはNAIP(neuronal apoptosis inhibitory protein)遺伝子が存在する。臨床的重症度の幅は、SMNタンパク質の発現量、すなわちSMN2遺伝子がどの程度、SMNタンパク質を産生するかで説明できる。臨床像が軽症の場合、SMN1遺伝子欠失ではなく遺伝子変換によりSMN1遺伝子がSMN2遺伝子になること、すなわちSMN2遺伝子の遺伝子産物の量が多くなり、臨床症状の重症から軽症の幅の説明となっている。図 SMAの原因遺伝子(SMN1とSMN2)画像を拡大する■ 分類SMAの分類としては表に示すように、発症年齢、臨床経過に基づき、I型(OMIM#253300)、II型(OMIM#253550)、III型(OMIM#253400)、IV型(OMIM#27115)に分類される。胎児期発症の最重症型を0型と呼ぶこともある。筆者らは運動機能に基づき、I型をIa、 Ib、II型をIIa、 IIb、III型をIIIa、 IIIbにサブタイプ分類し、それぞれの亜型間で運動機能の喪失に有意差があることを示した2)。このような細分類は、薬事承認された核酸医薬品、遺伝子治療薬をはじめ、新規治療薬の長期の有効性評価に有用である。表 最高到達運動機能によるSMAの分類画像を拡大する■ 症状舌や手指の筋線維束性収縮などの脱神経の症状と近位筋優位の骨格筋の筋萎縮を伴った筋力低下の症状を示す。次に型別の症状を示す。I型:重症型、急性乳児型、ウェルドニッヒ・ホフマン(Werdnig-Hoffmann)病筋力低下が重症で全身性である。妊娠中の胎動が弱い例も存在する。発症は生後6ヵ月まで。発症後、運動発達は停止し、体幹を動かすこともできず、筋緊張低下のために体が柔らかいフロッピーインファントの状態を呈する。肋間筋に対して横隔膜の筋力が維持されているため吸気時に腹部が膨らみ胸部が陥凹する奇異呼吸を示す。支えなしに座ることができず、哺乳困難、嚥下困難、誤嚥、呼吸不全を伴う。舌の線維束性収縮がみられる。深部腱反射は消失、上肢の末梢神経の障害によって、手の尺側偏位と手首が柔らかく屈曲する形のwrist dropが認められる。人工呼吸管理を行わない場合、死亡年齢は平均6〜9ヵ月であり、2歳までに90%以上が死亡する。II型:中間型、慢性乳児型、デュボビッツ(Dubowitz)病発症は1歳6ヵ月まで。支えなしの起立、歩行ができないが、座位保持が可能である。舌の線維束性収縮や萎縮、手指の振戦がみられる。腱反射は減弱または消失。次第に側弯が著明になる。II型のうち、より重症な症例は呼吸器感染に伴って、呼吸不全を示すことがある。III型:軽症型、慢性型、クーゲルベルグ・ウェランダー(Kugelberg-Welander)病発症は1歳6ヵ月以降。自立歩行を獲得するが、次第に転びやすい、歩けない、立てないという症状が出てくる。後に、上肢の挙上も困難になる。IV型:成人発症小児期や思春期に筋力低下を示すIII型の小児は側弯を示すが、成人発症のSMA患者では側弯は生じない。それぞれの型の中でも臨床的重症度は多様であり、分布は連続性である。■ 予後I型は無治療では1歳までに呼吸筋の筋力低下による呼吸不全の症状を来す。薬物治療をせず、人工呼吸器の管理を行わない状態では、90%以上が2歳までに死亡する。II型は呼吸器感染、無気肺を繰り返す例もあり、その際の呼吸不全が予後を左右する。III型、IV型は生命的な予後は良好である。2017年のヌシネルセン(商品名:スピンラザ)の薬事承認以降、従来のSMAの予後は大きく変貌した。2020年には遺伝子補充療法オナセムノゲンアベパルボベク(同:ゾルゲンスマ)が2歳未満を適応として薬価収載された。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)上記の臨床症状からSMAを疑う。中枢神経機能障害、関節拘縮症、外眼筋、横隔膜、心筋の障害、聴覚障害、著しい顔面筋罹患、知覚障害、血清クレアチンキナーゼ値が正常上限の10倍以上、運動神経伝導速度が正常下限の70%以下、知覚神経活動電位の異常などの所見がある場合、SMAとは考えにくい。SMAにおいて、遺伝子診断は最も広く行われる非侵襲的診断方法であり、確定診断となる。末梢血リンパ球よりDNAを抽出し、SMN1遺伝子のexon 7、8の欠失の有無にて診断し、SMN2遺伝子のコピー数にて型を推定する。SMN1遺伝子のホモ接合性の欠失はI型、II型では90%以上に認められるが、III型、IV型では低く、遺伝子的多様性が考えられる。筋生検は実施されなくなっている。遺伝学的検査によって欠失・変異が同定されなかった場合に、他の疾患の可能性も考えて実施される。SMAでは、小径萎縮筋線維の大集団、群萎縮group atrophy、I型線維の肥大を示す。筋電図では高電位で幅が広いgiant spikeなどの神経原性変化を示す。SMN遺伝子を原因としないSMAにおいて、指定難病(特定疾患)の診断として筋電図が実施される。また、ヌシネルセンなどの治療・治験の有効性評価としてC-MAPが測定されることもある。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)遺伝学的検査によりSMN1遺伝子の欠失または変異を有し、SMN2遺伝子のコピー数が1以上であることが確認された患者へのアンチセンスオリゴ核酸(ASO)薬であるヌシネルセン髄腔内投与3,4)の適応が認められている。乳児型では初回投与後、2週、4週、12週、以降4ヵ月ごとの投与、乳児型以外では初回投与後、4週、12週、以降6ヵ月ごとの投与である。一方、臨床所見は発現していないが遺伝学的検査によりSMAの発症が予測される場合も含み、2歳未満の患者において抗AAV9抗体が陰性であることを確認された患者への遺伝子治療薬オナセムノゲンアベパルボベク静脈内投与が認められている。これは1回投与である。これらの治療開始は、早ければ早いほど有効性も高く、早期診断・早期治療開始が重要である。ベクター製剤の投与では肝機能障害、血小板減少などの副作用が報告されている5)。投与前日からのプレドニゾロン継続投与が必須である。I型、II型では、授乳や嚥下が困難なため経管栄養が必要となる場合がある。また、呼吸器感染、無気肺を繰り返す場合は、これが予後を大きく左右する。I型のほぼ全例で、救命のためには気管内挿管、後に気管切開と人工呼吸管理が必要であったが、上記の治療により人工呼吸管理を要さない例もみられるようになった。I型、II型において、非侵襲的陽圧換気療法(=鼻マスク陽圧換気療法:NIPPV)は有効と考えられるが、小児への使用には多くの困難を伴う。また、すべての型において、筋力に合わせた運動訓練、理学療法を行う。III型、IV型では歩行可能な状態の長期間の維持や関節拘縮の予防のために、理学療法や装具の使用などの検討が必要である。小児においても上肢の筋力が弱いため、手動より電動車椅子の使用によって活動の幅が広くなる。I型やII型では胃食道逆流の治療が必要な場合もある。脊柱変形に対しては脊柱固定術が行われる場合もある。4 今後の展望核酸医薬品はRNAに作用して転写に影響を与えるため、病態修飾治療として症状が固定する前、さらには発症の前に投与することでSMAの症状の発現を抑え、軽減化もしくは無症状化する可能性がある。薬物動態の解析により、高用量による有効性が考えられ、わが国も参加して高用量投与の国際共同治験が開始されている。ヌシネルセンと同様のメカニズムを持つ低分子医薬品経口薬(risdiplam)の開発もなされ治験が実施され、有効性があったとされている。有効性が証明されれば、投与経路が経口であることから負担が軽減するという点でも期待される。アデノ随伴ウイルス(AAV9)をベクターとする遺伝子治療は、疾患の原因であるSMN1遺伝子を静脈注射1回にて投与するもので、第II、第III相試験において乳児への有効性の報告がなされ6)2歳未満を適応として保険収載された。発症前または発症後のできるだけ早期の1回投与で永続的な有効性を示すとされ、次世代のSMA治療といえる。SMAの今後の治療・発症予防としては、遺伝学的解析による新生児スクリーニングを行い、SMN1遺伝子の両アレル性の遺伝子変異を示した例に対する治療により発症抑制を行うことが必要である。これらの治療法の進歩に伴い、SMAの有効性評価の判定にはバイオマーカーの開発が重要である。SMAの有効性評価は、運動機能評価により行われるが、SMAでは年齢や型や運動機能の幅が広く均一の評価法がない。そのために、長期間の有効性を数値などで示すことができない。そこで、均一な評価としてバイオマーカーが必須であると考え、筆者らはイメージングフローサイトメトリーによる血液細胞中のSMNタンパク質量測定を考案した。長期にわたるSMA治療の有効性の指標として有用であると考えている7)。5 主たる診療科小児期発症の場合は神経小児科、15歳以上は脳神経内科が担当する。遺伝学的検査、遺伝カウンセリングは遺伝子診療部が担当する。筆者らの所属する「ゲノム診療科」では、確定診断、出生前診断などの遺伝学的検査とともに、診断・治療・療育などのコンサルトにも対応している。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 脊髄性筋萎縮症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報:SMAは国の指定難病、特定疾患に認定されている。厚生労働省補助事業として、行政・福祉・助成制度をはじめとしたさまざまな情報が掲載されている)SMARTコンソーシアム (患者登録システム)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報:筆者らの運営しているSMARTコンソーシアムは治療を目指す患者登録システム。実績として登録者による治験実施や新規治療の進歩があった)神経変性疾患領域における基盤的調査研究班(研究代表者:中島健二氏) 脊髄性筋萎縮症(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報SMA(脊髄性筋萎縮症)家族の会(患者とその家族および支援者の会:1999年に設立。ホームページにおける情報提供や定期的な会合など活動を行っている)1)SMA診療マニュアル編集委員会(代表 齋藤加代子)編. 脊髄性筋萎縮症診療マニュアル 第1版. 金芳堂;2012.p.1-5.2)Kaneko K, et al. Brain Dev. 2017;39:763-773.3)Finkel RS, et al. N Engl J Med. 2017;377:1723-1732.4)Mercuri E, et al. N Engl J Med. 2018;378:625-635.5)Waldrop MA, et al. Pediatrics. 2020;146:e20200729.6)Mendell JR, et al. N Engl J Med. 2017;377:1713-1722.7)Otsuki N, et al. PLoS One. 2018;13:e0201764.公開履歴初回2019年2月26日更新2021年2月2日

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「新しいインフル薬は1回飲めば治るんですよね」の意図を探れ!【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第19回

冬になるとインフルエンザ患者が多くなり、調剤や吸入指導で忙しくなる!…と身構えていたのに、今シーズンは意外とそうでもなかったかも?と思っている薬剤師さんも多いのではないでしょうか。昨シーズンまではインフルエンザといえば5日間の内服や吸入、もしくは薬局での吸入といった服薬・吸入指導が一般的でした。その中でも吸入薬は、家で吸入する場合であっても、薬局で吸入する場合であっても指導にかなりの時間を取られてきたのではないでしょうか。しかし、2018年3月に発売されたバロキサビル(商品名:ゾフルーザ)によって、服薬・吸入指導の時間が一気に短縮されたように思います。バロキサビルがインフルエンザ患者の4割に処方されているとの報道もありますが、私の感覚としては半分以上がバロキサビルという印象です。そのバロキサビルに関して、早くも心配なニュースが報じられています。国立感染症研究所は、インフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」を服用した患者から、薬が効きにくい耐性変異ウイルスが検出されたと発表した。厚生労働省によると、国の研究機関として実際の治療で検出を確認したのは初めて。(2019年1月26日付 時事通信社)「1回の服用で完結」という夢の新薬のように一般向けにメディアで特集されていますが、残念なことに早くも耐性ウイルスが検出されました。バロキサビルの処方が多いと、投薬カウンターに吸入薬の粉が舞ったり、吸入で苦しくなった子供が吐いたりといった「薬局あるある」が少なくなり、服薬指導が短時間で済むことはとても助かります。しかし、耐性ウイルスについて一般向けのメディアでは十分に報じられていないことに加えて、患者さんがバロキサビルに抱いている印象やその後の行動に多少不安を覚えています。その不安とは、「1回で効くんですよね?」と言う患者さんがとても多いことです。おそらく、「インフルエンザで1回だけ飲めばよい新薬が開発された」というニュースや記事を目にされたのでしょう。服薬が1回というのは事実ですが、1回飲めば翌日にはすっかり回復すると期待している患者さんが多い印象があります。また、ウイルスを排出する期間が短い=周りの人に感染させにくい=外出してOKと思っていることもあるようです。患者さんはキャッチーな言葉だけに注目しがちですし、入手した情報を都合の良いように解釈している可能性もあるため、意図を確認するなど注意が必要です。薬を服用した後や症状が軽快した後でも周りの人にウイルスを感染させる可能性があること、会社や学校は休んで外出を控えること、水分と休養を十分に取ることなどをしっかり伝える必要性を昨シーズン以上に感じています。一般向けのメディアがあおる期待やキャッチーな言葉を患者さんがどのように捉え、どのように行動しようとするのか。われわれ薬剤師がそれを想像し、先回りした服薬指導を行うことの重要性をあらためて感じました。

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会員医師の約6割が医師不足・偏在を実感(会員医師アンケート調査報告)

CareNet.comでは、過日、会員医師の方々に「現在・将来の医師不足、偏在について」をテーマにアンケートへのご協力をお願いしました。今回、その結果がまとまりましたので報告いたします。2019年2月20日にCareNet.comの会員医師を対象にインターネット上でアンケートを実施、回答者総数は340名でした。結果概要医師不足・偏在を実感している会員医師は約6割Q1 今回発表された医師不足や偏在、将来の推計の数字は実感できますか。(回答は1つ)1 実感できる2 実感できない「医師の都会志向」「医局人事」など複雑に絡み合う理由Q2で「実感できる」・「実感できない」の具体的理由についてお聞きしたところ、「実感できる」と回答した会員医師のコメントでは「医師の都会志向」、「へき地人口のさらなる減少」、「医局人事が厳しい」などのコメントがあった。また、「実感できない」と回答した会員医師のコメントでは、「医師の絶対数よりも偏在」、「厚生労働省の統計への信頼性」、「医師の頭数ではなく緊急対応の有無」などのコメントが寄せられた。Q2 「Q1」の回答の理由をお聞かせください。「1 実感できる」回答のコメント(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承ください)●地域偏在の問題都市部への集中、へき地医療の衰退医師の将来設計が都会志向地方に医師が残らず、内科志望者も激減都会での勤務を希望する医師が多いという実感地方中核都市でさえ医師が不足している東京への一極集中が問題医師不足地域で勤務しているが、医師1人に対する負担は東京での勤務時とは比べものにならないくらい大変●診療科偏在の問題主要診療科のなり手が減ってきた外科、小児科、産婦人科では医師不足が進むと思う外科や産婦人科の医師がどんどん疲弊している新専門医制度により、さらに内科系が減る可能性近隣の産科が閉院している診療科によって忙しさが違いすぎる内科、とくに循環器、糖尿病内分泌、脳神経内科の医師が少ないように感じる当地域ではマイナー科も不足し、皮膚科受診をする際は予約が3日後になっている近隣の小児科開業医の高齢化が顕著休日、夜間の救急体制では、顕著に医師数が不足当直勤務後に引き続き勤務する先生方が多い都心部では、皮膚科や耳鼻科が非常に多い印象●医学教育、行政の問題医局人事が大変厳しい将来の見通しが立っていたのに、厚生労働省の対応が遅すぎる自分の医療圏では公的病院の医師がどんどん辞めていくどこの医療機関も医師確保に苦労している地域枠で入学した医師はまず不足地域で働くべき身近で医療崩壊が起こっている若い医師の派遣がない●医療そのものの問題医師の就業環境が劣悪すぎるしばらくは高齢者が増加するため、医師が必要になるのは明らか医師の絶対数がやはり不足「2 実感できない」回答のコメント偏在は実感できるが、医師の絶対数が不足しているとは思えない医療の現場で感じる実感と違うが、将来は不足すると思う医師の不足よりも、フリーアクセスや自己負担が少ないことによる過剰受診が問題表面上の数字よりも医師の雑用や勤務内容などの改善が先だと考える厚生労働省の統計はうのみにできない人口過疎地に医療だけ充実させても解決にはならない人口そのものも偏在があるのではないか医師不足県にいるが、実際周囲で医師が不足しているとの声は聞かれない産婦人科や小児科は頭数ではなく、当直や緊急対応ができるか否かが問題コンビニ出店並のクリニック密集地域に住んでいるので実感がない意外にも「内科」も医師不足Q3で「医師不足だと思う診療科」を尋ねたところ、多い順番で「産婦人科」(175)、「外科」(155)、「小児科」(139)、「内科」(136)、「救急科」(119)の順だった。「内科」の回答が多かった点、ひと頃問題になった「麻酔科」を挙げる会員医師が少なかった点から現場のニーズが垣間見られた。Q3 現在、医師が不足していると思う診療科をお選びください。(回答はいくつでも)1 内科2 小児科3 皮膚科4 精神科5 外科6 整形外科7 産婦人科8 眼科9 耳鼻咽喉科10 泌尿器科11 脳神経外科12 放射線科13 麻酔科14 病理科15 救急科16 形成外科17 リハビリテーション科18 その他19 不足していると思う診療科はない画像を拡大する必ずしも医師数増加だけでない解決策もあるQ4で「医師不足・偏在」への解決策について尋ねたところ、多い順に「病院・診療所・クリニックの適正配置」(155)、「診療報酬で地域差を設ける」(119)、「医師の就業の流動性」(107)の順だった。医師への待遇改善と偏在をなくすことで解決できる内容が多くを占めた。また、「8 その他」へ寄せられた提言として、「医師免許の全国区と地域区の2本立て化」、「女性医師の待遇改善」、「患者数の多い診療科の報酬減」、「患者の受診への意識改革と啓発」などの声が寄せられた。Q4 医師不足や偏在の解決には何が必要だと思われますか。(回答はいくつでも)1 医学部の定員増員2 医師の就業の流動性3 専門医制度の改革4 病院・診療所・クリニックの適正配置5 患者の診療抑制の実施6 診療報酬で地域差を設ける7 外国人医師や医師以外の医療者の活用8 その他画像を拡大する「8 その他」で寄せられたコメント(一部割愛、簡略化しておりますことをご了承ください)●医師や専門医資格への提言地方に魅力ある教育病院を設置し、若手医師を勤務させる地方医師の専門医更新の免除医師国家試験の合格基準を2段階とし、上位は全国区免許、下位は医師不足県限定免許とする。診療実績で全国区免許へ格上げする女性医師の待遇を改善する医師不足が指摘されている診療科へ進む医師へのメリットを増やす勤務医の所得を増やす医学部の地域合格枠の拡大と地域義務年限の引き上げ医師のボランティア的な仕事に対しての十分な報酬適切な人材を医師にすること●医療制度や診療報酬への提言地域枠への補助金制度を直接医師に支払う急性期病院の内科・外科の診療報酬を上げる患者数が多い診療科の診療報酬を削減する開業医を減らす方策、たとえば勤務医の給与控除を増やす医局制度の復活と強制的な医師のローテーション応召義務の廃止都会の大学医学部の統廃合または自治医大化医師の強制配置●社会への提言医師法など時代に合わせたフレキシブルな改正患者の受診への意識改革と啓発アンケート概要内容「現在・将来の医師不足、偏在についてお聞かせください」実施日2019年2月20日調査方法インターネット対象ケアネット会員医師340名アンケート調査にご協力いただき、ありがとうございました。関連記事推計1万6,226人の内科医が2030年に不足16県が医師少数、改正医療法で是正となるか?

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日本人の進行NSCLC患者に対するニボルマブ治療における転移臓器が治療奏効に与える影響

 これまで、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者におけるニボルマブの効果予測因子として、臨床的に有意な転移部位についての詳細はわかっていなかった。今回、大阪国際がんセンターの田宮 基裕氏らにより、わが国の3施設において、2015年12月17日~2016年7月31日(フォロー期間は2017年3月31日まで)にニボルマブで治療された全症例が後ろ向きに抽出され、効果予測因子の検討が行われた。 その結果、ニボルマブによる治療を受けた進行NSCLC患者では、肝および肺への転移と全身状態(PS)不良の状態が、無増悪生存期間(PFS)中央値の短縮と関連していることが示唆された。PLoS ONE誌2018年2月22日号に掲載。 本試験では、大阪国際がんセンター、大阪はびきの医療センター、近畿中央胸部疾患センターから合計201例の患者が登録された。ニボルマブ投与時の年齢の中央値は68歳(27~87歳)で、135例が男性だった。全症例のうち、157例で喫煙歴があり、153例でPSが0か1、42例が扁平上皮がんで、37例がEGFR変異を有していた。この試験の追跡期間中央値は12.2ヵ月だった。 主な結果は以下のとおり。・全患者におけるPFS中央値は2.86ヵ月(95%信頼区間[CI]:2.01〜3.62)だった。性別、喫煙状況、扁平上皮/非扁平上皮、胸部リンパ節・脳・骨転移の状況、および悪性胸水の状況による差はなかった。・ECOG PS 0〜1でのPFS中央値は3.25ヵ月(95%CI:2.47~4.64)、PS2以上では1.48ヵ月(同:1.12~3.12)だった(p<0.001)。・肝転移なし群でのPFS中央値は3.25ヵ月(95%CI:2.66~4.50)、肝転移群では1.15ヵ月(同:1.05~1.51)だった(p<0.001)。・肺転移なし群でのPFS中央値は3.52ヵ月(95%CI:2.47~5.92)、肺転移あり群では2.27ヵ月(同:1.61~3.32)だった(p<0.01)。・多変量解析の結果、PS2以上におけるハザード比[HR]は1.54(95%CI:1.05~2.25;p<0.05)、肝転移のHRは1.90(95%CI:1.21~2.98;p<0.01)、肺転移のHRは1.41(95%CI:1.00~1.99;p<0.05)であり、それぞれの因子は、統計学的に有意に短いPFSと、独立した相関が認められた。 以上の結果より、肝転移・肺転移・PS不良は、進行NSCLCがんに対するニボルマブ治療において、独立した効果予測因子である可能性が示唆された。

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日本人の雇用形態と教育水準、LDL-Cに関連

 食事によるコレステロール摂取と血清コレステロールにおける良好な関係は、最近の一連のコホート研究によって疑問視されている。滋賀医科大学アジア疫学研究センターの岡見 雪子氏らは横断研究(INTERLIPID)を実施し、日本人における雇用形態と教育年数が、食事によるコレステロール摂取と血清低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)濃度との関係に、どのように関連するかを調査した。その結果、被雇用者ではなく教育水準の低い男性で、食事によるコレステロール摂取量の増加が血清LDL-C濃度の上昇と関連していた。また、雇用されている男性、教育水準の高い男性では逆相関が見られたことが明らかになった。Journal of Atherosclerosis and Thrombosis誌2019年2月1日号掲載の報告。 本研究では、40〜59歳の日本人1,145人のうち、106人(特別食、脂質異常症などの治療薬を使用、ホルモン補充療法の実施、およびデータ不足のため除外)を除く1,039人(男性:533人、女性:506人)を対象とした。食物からのコレステロール摂取は4回の24時間思い出し法(24HR)で評価、血清LDL-Cは酵素的分析法によって自動分析装置で測定した。アンケートでは、雇用形態と教育年数について回答を得た。 主な結果は以下の通り。・男性では、食事によるコレステロール摂取の1標準偏差(SD)上昇は、血清LDL-C濃度3.16mg/dL低下と関連していた(P=0.009;調整前モデル)。・共変量で調整後、血清LDL-Cは、被雇用者ではない男性(自営業者、専業主夫、農家、漁師、および定年退職者)、教育水準の低い男性では、コレステロール摂取量の1SD上昇ごとに、血清LDL-C濃度の上昇が認められた(β:+9.08[95%信頼区間【CI】:+0.90~+17.27]、β:+4.46[−0.97~+9.90])。これに対し、雇用されている男性、教育水準の高い男性では逆相関がみられた(β:−3.02[−5.49~−0.54]、β:−3.66[−6.25~−1.07])。■参考INTERRIPD

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日本人学生のスマートフォン使用とうつ病リスク

 椙山女学園大学の西田 友子氏らは、高校生の男女ごとのスマートフォン使用とうつ病との関連性について評価を行った。Psychiatry Research誌オンライン版2019年1月26日号の報告。 日本の15~19歳の高校生295人を対象に、自己管理質問票を用いて、横断的研究を実施した。うつ病は、CES-Dうつ病自己評価尺度を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・女性は、男性と比較し、1日のスマートフォン使用時間が長かった。・スマートフォン使用時間が1日3時間であった割合は、女性で44.3%、男性で22.5%であった。・女性では、オンラインチャット、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)、インターネット閲覧に長時間費やしていた。・長時間のオンラインチャット(オッズ比:1.74、95%CI:1.18~2.56)およびSNS(オッズ比:1.41、95%CI:1.04~1.92)使用は、うつ病との関連が認められた。・男性は、女性と比較し、ゲームに多くの時間を費やしていた。・男性では、スマートフォン使用とうつ病との関連は認められなかった。 著者らは「スマートフォン使用には性差があり、女性ではソーシャルコンタクト、男性では娯楽のためにより多くの時間を費やす傾向が認められた。女性がオンラインコミュニケーションを使い過ぎると、うつ病リスクが高まる可能性が示唆された」としている。■関連記事スマホ依存症になりやすい性格タイプ女子学生の摂食障害への有効な対処法日本人小中学生のインターネット利用とうつ病や健康関連QOLとの関連

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研究助成の申請成功率、男女差の理由は/Lancet

 国や専門分野を超え、男性研究者は女性の同輩に比べ研究資金を得る機会が多いことを示す研究があるが、その多くは観察研究のため、この不均衡は女性研究者の力量によるのか、それとも提出された研究の質によるのかは明確でないという。カナダ・ラヴァル大学のHolly O. Witteman氏らは、同国の助成プログラムの審査基準が変更されたのを機に調査を行った。その結果、研究助成のジェンダーギャップは、主任研究者としての女性の力量の評価が好ましくないことに起因し、提出した研究の質の評価によるのではないことが示された。研究の詳細は、Lancet誌2019年2月9日号に掲載された。2014年、カナダ健康研究所(CIHR)は、研究者主導の資金提供の申請を、主任研究者としての力量に重点を置く明確な評価の有無で、2つの新たな助成プログラムに分けた。2つの審査基準で、主任研究者の男女別の申請成功事例を比較 研究グループは、新たな助成プログラム導入の前後の2011~16年の期間に、CIHRによるすべての研究者主導の助成プログラムにおいて、主任研究者によって成された助成申請のうち、申請の成功事例について解析を行った(本研究は助成を受けていない)。 一般化推定方程式を用いて、同一申請者による複数の申請を評価し、異なる審査基準(旧プログラムと同様に主に研究計画を評価するものと、主に主任研究者の統率力や生産性などを評価するもの)の下で、男性と女性の主任研究者による申請の成功事例を比較した。 5年間に、2万5,706件の助成申請が行われた。このうち生年が1920年以前の主任研究者1,631人からの1,788件の申請を除外し、残りの7,093人の主任研究者(男性63%[申請時平均年齢52(SD 9)歳]、女性37%[50(SD 9)歳])による2万3,918件の助成申請を解析の対象とした。全体の成功率は15.8%、新旧とも研究の質に差はない 全体の助成申請の成功率は15.8%であった。年齢と研究領域で補正後の旧プログラムにおける予測成功率は、女性の申請が男性に比べ0.9ポイント低かった(95%信頼区間[CI]:2.0 lower~0.2 higher、オッズ比[OR]:0.934、95%CI:0.854~1.022)が、有意な差は認めなかった。 新たなプログラムにおける、提出された研究の質に重点を置いた審査では、旧プログラムと同様、成功率には0.9ポイントの差が維持されており(95%CI:3.2 lower~1.4 higher、OR:0.998、95%CI:0.794~1.229)、有意差はみられなかった。 これに対し、新プログラムの主任研究者の力量に重点を置いた審査では、女性の申請の成功率は男性に比べ4.0ポイント低く(95%CI:6.7 lower~1.3 lower、OR:0.705、95%CI:0.519~0.960)、この差は有意であった。 資金提供成功のオッズは、旧プログラムに比べ新プログラム、生物医学領域に比べ非生物医学領域、高齢申請者に比べ若年申請者で低い傾向がみられた。 著者は、「主任研究者として好ましくない評価が女性で生じる原因として、審査員側の意識的または無意識的なバイアスや、累積した不利益を反映した審査基準の形式上の体系的なバイアスの影響が考えられる。また、女性は自分の業績の説明に多くの言葉を費やさず、知的能力を自慢する傾向が低いことが報告されており、その影響があるかもしれない」と指摘し、「現在、好ましくない評価の原因の探索とともに、公正かつ厳格な査読(peer review)を育む戦略について議論を進めている」としている。

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セリチニブ、用法・用量変更で奏効率と安全性が向上/ノバルティス

 ノバルティス ファーマ株式会社は、2019年2月21日、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの治療薬セリチニブ(商品名:ジカディア)について、用法・用量を「450mg、1日1回食後投与」に変更するための製造販売承認事項一部変更承認を取得した。 セリチニブの用法・用量は、これまで「750mg、1日1回空腹時投与」であったが、主な副作用である悪心、嘔吐、下痢といった消化器症状が、治療継続の課題となっていた。今回、用法・用量が「450mg、1日1回食後投与」に変更されたことで、このような消化器症状の低減が期待される。 今回の承認は、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺がん患者267例が参加したASCEND-8試験の結果に基づいている。独立中央画像評価機関の判定による奏効率は、450mg食後投与群で78.0%(95%CI:62.4~89.4)、750mg空腹時投与群で70.0%(95%CI:53.5~83.)であった。 450mg食後投与89例中74例(83.1%)で認められた主な副作用は、下痢(50.6%)、悪心(34.8%)、ALT(GPT)増加(32.6%)、AST(GOT)増加(25.8%)、γ-GTP増加 (25.8%)、嘔吐(24.7%)等であった。750mg空腹時投与90例中82例(91.1%)で認められた主な副作用は、下痢(70.0%)、嘔吐(46.7%)、悪心(45.6%)、ALT(GPT)増加(30.0%) AST(GOT)増加(27.8%)、腹痛(22.2%)、疲労(20.0%)等であった。■関連記事ALK-TKIセリチニブの450mg食後投与を国内申請セリチニブ、食事との服用で有効性維持と毒性低減を両立(ASCEND-8)/WCLC2017

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C型肝炎ウイルス感染症にエプクルーサ配合錠発売

 ギリアド・サイエンシズは、非代償性肝硬変を伴うC型肝炎ウイルス感染症の成人患者、および直接作用型抗ウイルス療法(DAA)の前治療歴を有する慢性肝炎又は代償性肝硬変を伴うC型肝炎ウイルス感染症の患者に対する1日1回投与の治療薬「エプクルーサ配合錠」(一般名:ソホスブビル/ベルパタスビル)を2月26日に発売した。 本剤は、核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害剤ソホスブビル(商品名:ソバルディ、2015年3月承認)とNS5A阻害作用を有する新有効成分ベルパタスビルを含有する新規配合剤。日本における非代償性肝硬変を伴うC型肝炎ウイルス感染症の成人患者に対する最初の治療薬であり、また難治性患者に対して新たな治療選択肢を提供できることとなる。<エプクルーサ配合錠の概要>●効能・効果前治療歴を有するC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善●用法・用量1. 前治療歴を有するC型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善リバビリンとの併用において、通常、成人には、1日1回1錠(ソホスブビルとして400mg 及びベルパタスビルとして100mg)を24週間経口投与する。2. C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善通常、成人には、1日1回1錠(ソホスブビルとして400mg及びベルパタスビルとして 100mg)を12週間経口投与する。●発売日2019年2月26日●薬価1錠 60,154.50円■関連記事非代償性肝硬変を伴うC型肝炎に初の承認

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要するにLAD(解説:今中和人氏)-1008

 本邦の初回冠動脈バイパス術の在院死亡率は1%台で安定し、PCIなど他の治療との比較にしても、オフポンプ手術にしても、グラフト素材にしても、論点はもっぱら長期予後である。本論文は、英国を中心とする28施設での冠動脈バイパス3,102例を、内胸動脈を1本(片側)使うか2本(両側)使うかでランダム化した前向き試験の10年報告である。バイパスは平均3本で、内胸動脈はいずれも左冠動脈系に吻合された。検討項目は全死因死亡、心臓死、心筋梗塞、脳卒中、再血行再建、周術期の出血と創感染である。 2016年の5年報告*では差がつかなかったが、内胸動脈の真価は10年成績で発揮されるはず。今度こそ「両側内胸動脈は予後が良い」と証明されるとの期待のもと、“intention to treat”で解析すると、両群とも全死因死亡20%(心臓死は6%)、心筋梗塞5%弱、再血行再建10%で、5年報告同様にまったく差がなかった(創感染は両側群が3.5%と有意に多い)。 想定外だったためか、5年報告より随分掘り下げた議論が展開されている。 まず問題視されたのは、これは5年報告でも多少触れているが、クロスオーバー、つまり両側群の14%、約7例に1例が実際には内胸動脈を1本しか使っておらず(逆のクロスオーバーは2%台)、ランダム化が正しく機能しなくて術式同士の比較になっていないことである。 ところが、クロスオーバー症例を除いた“per-protocol”で比較しても、両群の予後はまったく同等だったのだ。大方の予測とも従来の観察研究とも真っ向から食い違う結果である。 そこで“as-treated”として示されたのが、橈骨動脈(RA)を内胸動脈と同等に扱ったデータ。両群とも約20%でRAを使用しているので、RAを使った症例は内胸動脈が1本でも2本でも動脈多用群とし、内胸動脈1本+静脈の症例と比較した。大いにbiasがありそうな、この“as-treated”の患者背景はわりと良くそろっており、予後も両群とも心筋梗塞や再血行再建はまったく差がなく、全死因死亡のみ有意差がついた(HR=0.81)。心臓死は明示されていない。わからなくもない群分けだが、RAについては内胸動脈に匹敵する成績の論文から静脈といいとこ勝負の論文まで幅広いので、同等扱いには違和感が残る。この件ではROMAという臨床研究が進行中だそうである。 ともかく当初の論点に戻ると、内胸動脈が片側でも両側でも冠動脈バイパスの10年予後に有意差はなかった。いろいろと考えさせてくれる論文である。 1つは冠動脈バイパスの良好な長期成績。術後も適切な内服加療を維持することで、1年以内の死亡(ほぼ心血管死であろう)2%程度を引くと、10年で心臓死が4%、再血行再建10%というのは、平均年齢63歳程度(白人が90%以上)、糖尿76%、心筋梗塞既往40%の患者群の予後として十分満足できると思われる。 もう1つは、今回は複数の観察研究と見解が異なるし、造影をしていない以上、推測の域を出ないが、10年経過して静脈グラフトはそれなりに閉塞しているはずでも、臨床的には差がなかったということは、要するにLADさえしっかり流れていれば、それ以外はあまりこだわっても仕方がないことを示唆している。とくに高齢者では、そうであろうと思われる。少なくともLADへのバイパスの質に影響しうるcompositeやsequential吻合は、できるだけ避けたほうが良いかもしれない。

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