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がん患者の偶発的肺塞栓症の再発リスクは?

 画像診断技術の進展により、がん患者に偶発的な所見が見つかる割合は高まっており、その治療に関する検討が各種報告されている。オランダ・アムステルダム大学のNoemie Kraaijpoel氏らは、国際共同前向き観察コホート研究において、偶発的な肺塞栓症を有するがん患者で、抗凝固療法を行った場合の再発リスクについて評価した。その結果、治療を行っても静脈血栓塞栓症の再発リスクが懸念されることが示されたという。リスクは、亜区域枝の肺塞栓症患者と、より中枢部の血栓を有する患者で同等であった。がん患者における偶発的な肺塞栓症は、ルーチンの画像検査で最高5%に発見されるという。しかし、とくに遠位血栓に関して、臨床的な関連や最適な治療法は明らかになっていなかった。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年5月22日号掲載の報告。 研究グループは、がん患者で偶然発見された肺塞栓症について、現在の治療戦略と長期予後を評価する目的で、2012年10月22日~2017年12月31日に国際共同前向き観察コホート研究を行った。対象は、任意抽出された、偶発的な肺塞栓症の診断を受けた活動性のがんを有する成人患者であった。 評価項目は、追跡期間12ヵ月における静脈血栓塞栓症の再発、臨床的に著明な出血および全死因死亡で、中央判定で評価した。 主な結果は以下のとおり。・合計695例の患者が解析に組み込まれた。平均年齢66歳、58%が男性で、大腸がん(21%)が最も多く、次いで肺がん(15%)であった。・抗凝固療法は675例(97%)で開始され、うち600例(89%)は低分子ヘパリンが用いられた。・再発性静脈血栓塞栓症41例(12ヵ月累積発生率:6.0%、95%CI:4.4~8.1)、大出血39例(同:5.7%、4.1~7.7)、死亡283例(同:43%、39~46)の発生が認められた。・再発性静脈血栓塞栓症の12ヵ月発生率は、肺塞栓が中枢部の患者で6.0%に対し、亜区域枝の患者では6.4%で、有意差は認められなかった(部分分布のハザード比:1.1、95%CI:0.37~2.9、p=0.93)。

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ゾルピデムと併用薬による自殺リスク

 ゾルピデムとベンゾジアゼピン、抗うつ薬、オピオイド鎮痛薬との併用が、ゾルピデム単独投与と比較して、自殺リスクを増加または自殺を誘導するかについて、韓国・成均館大学校のHi Gin Sung氏らが検討を行った。Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology誌オンライン版2019年4月29日号の報告。 韓国国民健康保険サービス-全国サンプルコホートデータベースを用いて、ケースコントロール研究およびケースクロスオーバー研究を行った。対象は、2004~13年の間に自殺歴を有する20歳以上の症例(ICD-10:X60~X84[故意の自傷および自殺]とY87.0[故意の自傷の続発・後遺症]の国際統計分類の自傷行為)。ケースコントロール研究では、対照群10例について年齢、性別、インデックス年、地域、所得、健康保険の種類で各ケースをマッチさせた。ケースクロスオーバー研究では、ハザード期間を60日と設定し、同じ長さの対照期間の対応するセッション5つに割り当てた。自殺前60日間のゾルピデムとベンゾジアゼピン、抗うつ薬、オピオイド鎮痛薬との併用およびゾルピデム単独投与について評価した。オッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を推定するため、条件付きロジスティック回帰分析を行った。主な結果は以下のとおり。・ケースコントロール研究では、ゾルピデムとベンゾジアゼピンや抗うつ薬を併用した場合、ゾルピデム単独投与と比較し、自殺リスクが2.80倍高かった(調整OR:2.80、95%CI:1.38~5.70)。・しかし、ケースクロスオーバー研究では、自殺リスクに有意な差は認められず(粗OR:0.92、95%CI:0.55~1.52)、統計学的に検出力不足であった。 著者らは「ケースコントロール研究では、ゾルピデムにベンゾジアゼピンや抗うつ薬を併用すると、ゾルピデム単独投与と比較して自殺リスクの増加が示唆されたが、個人内比較デザインでは、リスクに有意な差は認められなかった」としている。

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ペムブロリズマブのNSCLC5年生存、未治療患者で23%(KEYNOTE-001)/ASCO2019

 米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)において、カリフォルニア大学のEdward B. Gron氏が、ペムブロリズマブ単剤治療のマルチコホート第Ib相試験KEYNOTE-001における進行非小細胞肺がん(NSCLC)の5年長期追跡結果を発表した。NSCLCでは未治療および既治療の550例(未治療101例、既治療449例)が対象となっている。 主な結果は以下のとおり。・データカットオフ時100例が生存していた。・60例(未治療患者14例、既治療患者46例)が2年以上ペムブロリズマブの治療を受けていた。・全奏効率は未治療患者41.6%、既治療患者22.9%であった。・奏効持続期間は未治療患者16.8ヵ月、既治療患者38.9ヵ月であった。・5年全生存率(OS)は未治療患者23.2%、既治療患者15.5%であった。・TPS50%以上の5年OSは未治療患者29.6%、既治療患者25.0%であった。・TPS1~49%の5年OSは未治療患者15.7%、既治療患者12.6%であった。・治療関連有害事象(TRAE)発現率は71%、Grade3~5のTRAEは13%、免疫関連有害事象の発現率は17%であった。新たな安全性プロファイルはみられなかった。■参考KEYNOTE-001(Clinical Trials.gov)

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JAK1阻害薬の単剤療法、MTX不応RAのアウトカム改善/Lancet

 メトトレキサート(MTX)の効果が不十分な関節リウマチ(RA)患者の治療において、選択的ヤヌスキナーゼ(JAK)1阻害薬upadacitinibの単剤療法はMTXの継続投与に比べ、臨床的および機能的アウトカムを改善することが、オーストリア・ウィーン医科大学のJosef S. Smolen氏らが行ったSELECT-MONOTHERAPY試験で示された。研究の成果はLancet誌オンライン版2019年5月23日号に掲載された。upadacitinibは、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)への反応が不十分なRA患者の治療において、従来型合成DMARD(csDMARD)との併用による有効性が報告されている。2つの用量とMTX継続を比較する無作為化試験 本研究は、日本を含む24ヵ国138施設で実施された二重盲検ダブルダミープラセボ対照無作為化第III相試験であり、2016年2月~2017年5月に患者登録が行われた(AbbVieの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、米国リウマチ学会(ACR)/欧州リウマチ学会(EULAR)のRAの分類基準(2010年版)を満たし、MTXによる治療を行っても活動性RAが認められる患者であった。被験者は、MTXからJAK1阻害薬upadacitinib 15mgまたは30mg(1日1回)に切り替える群、あるいは試験開始前と同一用量のMTXを継続投与する群に無作為に割り付けられた。 主要エンドポイントは、14週時のACR基準で20%の改善(ACR20)および低疾患活動性(DAS28[CRP]≦3.2)の達成割合とした。JAK1阻害薬の単剤療法は疾患コントロールを可能にする治療選択肢となりうる 648例が登録され、JAK1阻害薬upadacitinib 15mg群に217例、同30mg群に215例、MTX継続群には216例が割り付けられた。598例(92%)が試験を完遂した。 患者の約8割が女性で、平均年齢は54.3(SD 12.1)歳、RA診断からの期間は平均6.6(7.6)年であり、79%がリウマトイド因子(RF)または抗シトルリン化ペプチド(CCP)抗体が陽性であった。患者は、平均3年以上のMTX療法にもかかわらず高い疾患活動性を示し、ベースラインのMTXの平均用量は16.7(4.4)mg/週だった。 14週時のACR20達成率は、15mg群が68%(147/217例)、30mg群は71%(153/215例)であり、MTX継続群の41%(89/216例)に比べ有意に良好であった(2つの用量群とMTX継続群の比較:p<0.0001)。 DAS28(CRP)≦3.2の達成率は、15mg群が45%(97/217例)、30mg群は53%(114/215例)と、MTX継続群の19%(42/216例)よりも有意に優れた(2つの用量群とMTX継続群の比較:p<0.0001)。 14週時のDAS28(CRP)≦2.6、CDAI≦10(低疾患活動性)、CDAI≦2.8(寛解)、SDAI≦11(低疾患活動性)、SDAI≦3.3(寛解)のいずれの達成率も、upadacitinibの2つの用量群のほうが優れた。また、健康評価質問票による機能評価(HAQ-DI)もupadacitinib群で良好だった。 有害事象の報告は、15mg群が47%(103例)、30mg群が49%(105例)、MTX継続群は47%(102例)であった。帯状疱疹が、それぞれ3例、6例、1例に認められた。 また、悪性腫瘍が3例(15mg群2例[非ホジキンリンパ腫、乳がん]、MTX継続群1例[基底細胞がん])、主要有害心血管イベント(MACE)が3例(15mg群1例[動脈瘤破裂による出血性脳卒中で死亡]、30mg群2例[心筋梗塞、脳卒中]、いずれも試験薬との関連はないと判定)、肺塞栓症が1例(15mg群、試験薬との関連はないと判定)、死亡が1例(15mg群、動脈瘤破裂による出血性脳卒中)であった。 著者は、「MTXの効果が不十分だが、さまざまな理由で併用治療が困難な患者において、JAK1阻害薬の単剤療法は、疾患コントロールを可能にする治療選択肢となりうる」としている。

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急性期虚血性脳卒中への翼口蓋神経節刺激は有益か/Lancet

 翼口蓋神経節(sphenopalatine ganglion:SPG)刺激療法は、血栓溶解療法の適応がなく、発症から8~24時間の急性期虚血性脳卒中の患者に対し安全に施行可能であり、とくに皮質病変を有する集団では機能アウトカムの改善をもたらす可能性があることが、イスラエル・Shaarei Zedek医療センターのNatan M. Bornstein氏らが行ったImpACT-24B試験で示された。研究の成果はLancet誌オンライン版2019年5月24日号に掲載された。SPG刺激は、前臨床研究において側副循環の血流増加、血液脳関門の安定化、梗塞サイズの縮小が報告され、ヒトでの無作為化パイロット試験では有益性をもたらす可能性が示唆されている。mRSの改善をシャム刺激と比較する無作為化試験 本研究は、18ヵ国73施設が参加した二重盲検シャム対照無作為化試験であり、2011年6月~2018年3月に患者登録が行われた(BrainsGateの助成による)。 対象は、年齢が男性40~80歳、女性40~85歳で、再灌流療法が施行されておらず、発症から8~24時間の前方循環系急性期虚血性脳卒中の患者であった。被験者は、SPG刺激またはシャム刺激を行う群に無作為に割り付けられた。SPG刺激は、画像ガイドシステムを用い、局所麻酔下に神経刺激電極(長さ23mm、直径2mm)をSPG近傍の翼口蓋管に植え込み、1日4時間、5日間施行された。 有効性の主要エンドポイントは、3ヵ月後の修正Rankinスケール(mRS)スコアの期待値を超える改善とした。ベースラインのNIH脳卒中スケール(NIHSS)スコア、年齢、脳卒中部位(左脳/右脳)によって事前に規定された予後モデルに基づくmRSの期待値と比較して1点以上低かった場合を、期待値を超える改善と定義した。このエンドポイントは、修正intention-to-treat(mITT)集団および確認された皮質病変(CCI)を有する集団で解析を行った。 安全性の主要エンドポイントは、3ヵ月時のすべての重篤な有害事象(SAE)、植え込み/除去に関連するSAE、刺激に関連するSAE、神経症状増悪(発症から10日以内の神経学的イベントに関連するNIHSSスコアの4点以上の上昇)、および死亡であった。CCI集団で、刺激の強さと主要エンドポイントに逆U字型用量反応関係 1,000例(mITT集団、年齢中央値70歳[IQR:63~77]、女性51%)が1回以上の治療を受けた(SPG刺激群481例、シャム刺激群519例)。CCI集団は520例(71歳[64~77]、49%)で、SPG刺激群244例、シャム刺激群276例だった。 mITT集団では、3ヵ月時の身体機能が期待値よりも改善した患者の割合は、SPG刺激群が49%(234/481例)と、シャム刺激群の45%(236/519例)よりも高かったが、有意差は認めなかった(オッズ比[OR]:1.14、95%信頼区間[CI]:0.89~1.46、p=0.31)。一方、CCI集団では、期待値よりも改善した患者の割合は、SPG刺激群が50%(121/244例)であり、シャム刺激群の40%(110/276例)に比べ有意に優れた(1.48、1.05~2.10、p=0.0258)。 CCI集団におけるSPG刺激の強さと主要エンドポイントには、逆U字型の用量反応関係が認められた。すなわち、良好なアウトカムを示した患者の割合は、低強度の40%から中強度では70%に上昇したが、高強度では40%へと、低強度と同じ割合に低下した(p=0.0034)。 mRS 0~2の割合(mITT集団:p=0.47、CCI集団:p=0.06)、mRS 0~3の割合(p=0.13、p=0.01)、脳卒中関連QOL(SIS-16、p=0.23、p=0.01)、機能障害関連QOL(UW-mRS、p=0.24、p=0.05)にも、CCI集団ではSPG刺激群で良好な傾向が認められた。 死亡率(SPG刺激群14.2% vs.シャム刺激群12.3%、p=0.38)およびSAE(全体:30.0% vs.28.1%、p=0.50、植え込み/除去関連:0.6% vs.0.0%、p=0.09、刺激関連SAE:0.6% vs.0.4%、p=0.68、神経症状増悪:7.6% vs.6.6%、p=0.49)には、両群に差はみられなかった。 著者は、「これらの知見は、CCIを有する急性期虚血性脳卒中患者の治療における、SPG刺激療法の臨床導入を支持するものである」としている。

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ER陽性乳がん、AKT阻害剤capivasertib+フルベストラントへの期待(FAKTION)/ASCO2019

 エスロトゲン受容体(ER)陽性かつHER2陰性の進行・再発乳がん患者を対象にした、AKT阻害剤capivasertibの二重盲検・プラセボ対照の第II相無作為化比較試験の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、英国・マンチェスター大学のSacha J. Howell氏より発表された。試験デザイン・対象:閉経後のER陽性かつHER2陰性の進行・再発の乳がん患者で、前治療としてのアロマターゼ阻害薬(AI)が無効となった患者・試験群:capivasertib 400mg×2/日(内服)+フルベストラント500mg(筋注)day1投与(Capi群)・対照群:プラセボ+フルベストラント500mg day1投与(Flu群) 両群とも28日ごと病勢進行や許容できない有害事象の発現があるまで投与・評価項目:[主要評価項目]無増悪生存期間(PFS)「副次評価項目」全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、クリニカルベネフィット率、安全性、PI3KCA変異またはPTEN過剰発現患者におけるPFS 主な結果は以下のとおり。・2015年3月~2018年3月に140例が登録され、Capi群に69例、Flu群に71例が無作為に割り付けられた。・全症例を対象としたITT解析ではPFS中央値はCapi群で10.3ヵ月、Flu群で4.8ヵ月であった(HR:0.58、95%CI:0.39~0.84、p=0.004)。・OS中央値はCapi群で26.0ヵ月、Flu群で20.0ヵ月であった(HR:0.59、95%CI:0.34~1.05、p=0.071)。・ORRはCapi群で41%、Flu群で12%であった(p=0.002)。・PI3Kシグナル活性グループ(59例:42%)におけるPFS中央値はCapi群9.5ヵ月、Flu群5.2ヵ月(p=0.064)、PI3Kシグナル非活性グループ(81例:58%)ではCapi群10.3ヵ月、Flu群4.8ヵ月(p=0.035)であった。・Grade3以上の有害事象は、下痢(Capi群14%、Flu群4%)、皮疹(Capi群20%、Flu群0%)、高血糖(Capi群4%、Flu群0%)であった。

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大量の唐辛子で恐ろしい頭痛に【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第140回

大量の唐辛子で恐ろしい頭痛にいらすとやより使用私は辛い物が大好きで、唐辛子、胡椒などをよく食べます。最近、納豆に粗びき胡椒をかけるのがブームです。論文にして投稿してやろうかと思うくらい、納豆と胡椒って合うんですよ。めちゃくちゃオイシイので、皆さんもぜひ試してみてください。 Boddhula SK, et al.An unusual cause of thunderclap headache after eating the hottest pepper in the world - "The Carolina Reaper".BMJ Case Rep. 2018 Apr 9. doi:10.1136/bcr-2017-224085.特段病歴のない生来健康な34歳の男性が、とんでもない雷鳴頭痛を訴えて救急受診しました。何が原因だろうかと首をかしげていたところ、どうやら直前まで、当時世界で最も辛い唐辛子である「キャロライナ・リーパー」※1を食べる唐辛子コンテストに出場していたそうです。※1 キャロライナ・リーパーは、2013年にギネス世界記録によって世界で最も辛い唐辛子に認定された(ただし、2017年には上回る辛さを持つドランゴンズ・ブレス等が登場している)。彼はものすごい頸部痛を訴えはじめ、それが雷鳴頭痛に発展したそうです。鎮痛薬にも抵抗する耐え難い痛みだったそうです。神経学的な検査ではとくに異常はみられなかったのですが、脳血管造影において部分的に脳血管攣縮が確認され、可逆性脳血管攣縮症候群(reversible cerebral vasoconstriction syndrome:RCVS)と診断されました。RCVSは、発症初期では血管病変が同定されず、MRAを用いても診断できないことが多いとされています。次第に血管が分節状狭窄したり拡張したりするというまれな疾患です。脳血管攣縮は、たとえば出産時のいきみによる虚血・低酸素性刺激や、入浴やサウナなどによる温度変化、血管作動薬の投与によって誘発されることがあります。大量の唐辛子でRCVSになった人はたぶんほとんどいないんじゃないでしょうか…※2。※2 唐辛子による心筋梗塞の報告はあるようです1)。1)Sogut O, et al. Int J Emerg Med. 2012;5:5.

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老化細胞を除去して病気を治す未来が来る

細胞の老化が、がんをはじめとするさまざまな疾患の「根本的な原因」であることがわかってきた。20年来この研究を続ける新潟大学循環器内科教授の南野 徹氏に、老化細胞を除去する治療法の可能性や、次期大会長としての学会の今後の方向性などを聞いた。細胞そのものの老化のメカニズムがわかれば、循環器疾患を根本的に防げる可能性があるのではないかと考え、20年ほど前から、細胞の老化の研究を行っています。当時は、循環器の領域でそうした研究をしている医師はほとんどいませんでしたが、その後、細胞の老化の研究が進み、徐々に循環器内科の研究者が増えています。私がその研究を始めたのは、細胞のテロメアの長さが寿命に関わっており、テロメアーゼという酵素にテロメアを伸ばす働きがあるということがわかり始めたころです。その後、循環器関連では、たとえば、血圧が高い人はテロメアが短い、動脈硬化が進んでいる人はテロメアが短い、などいろいろなことが医学的に証明されてきています。テロメアが短い老化した細胞はがん化しやすい今、この領域での一番のトピックは、老化した細胞を取り除くことで、病気を治療できるのではないか、という考え方だと思います。テロメアの長さや細胞の老化は、バイオマーカーとしては臨床でも少しずつ使われてきていますが、それをもう一歩進めたものです。細胞は普通50回くらい分裂するのですが、テロメアが短くなったり、細胞が老化したりすると、分裂できなくなります。細胞の老化は、テロメアの短縮だけでなく、紫外線や酸化ストレスなど外的要因で染色体に傷が入ることでも進みます。そして、そうした老化した細胞は一般にがん化しやすく、溜まっている場所によって、心不全、糖尿病などほかの疾患の原因にもなり得るのです。つまり、抗がん剤治療のように、老化した細胞だけを標的にして殺す薬剤ができれば、がんをはじめとする疾患を予防できたり、治療したりすることができると考えられます。老化細胞除去薬の開発は、まだ動物実験の段階ですが、一部で臨床試験が始まっていて、そう遠くない将来、さまざまな疾患で臨床応用される可能性が高いと思っています。循環器領域に限れば、たとえば、運動の効果なども一つのトピックです。適度な運動が循環器疾患の予防になるというのは常識ですが、それが細胞レベルでどのような機序で起こるのか、実は正確にはわかっていない。最近いくつかの研究で、運動すると筋肉からさまざまな物質が出ることがわかってきて、それらが体をめぐって細胞の老化を遅らせていると考えられるようになっています。理論的には、そのような物質を薬物として投与すれば、運動しなくても運動したのと同様の効果を体に与えることができるかもしれないわけです。抗加齢医学は日本が世界をリードできる分野今回の学術総会ではプログラム委員長を務めさせていただいていますが、筋肉と抗加齢についてもシンポジウムを組んでいます。また、私が座長を務めるInternational Joint Symposium では、海外から演者を招き、細胞老化のバイオマーカー、カロリー制限と抗加齢といったテーマでも講演いただきます。実は、抗加齢という切り口でこれだけ広範な領域をカバーし、これだけ規模の大きい学会は世界的に例がありません。抗加齢医学に関しては、日本が世界で最も進んでいると自負しています。なので、今後は世界の関連学会を巻き込んで、日本から世界に発信し、われわれが世界の抗加齢医学をリードする存在になりたいと考えています。私は学会の国際委員長でもあり、今回は、そうした観点からこれまで以上に海外から数多くの演者を招聘していますが、大会長を仰せつかっている来年の学術総会では、さらに国際色を高めたいと思っています。新潟という久しぶりの地方開催なので、地方ならではの楽しい企画も構想中です。今回はもちろん、次回の学術総会もご期待いただければと思います。メッセージ(動画)

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第1回 耳鼻科の手技 その2【一般内科医が知っておきたい他科の基本処置】

第1回 耳鼻科の手技今回の耳鼻科編では、「耳道の診察と耳垢・異物のクリーニング」と「鼻出血の止血処置」の2つの手技を学習します。「耳道の診察と耳垢・異物のクリーニング」では、おなじみの耳の解剖図をもとに診察時にどのように、どこを診るか、処置するときに気を付けるポイント、処置時のコツなど臨床の最前線で活躍する医師の知恵満載でお届けします。一見簡単そうな「鼻出血の止血処置」では、世間で言われている間違った方法に警鐘を鳴らし、本当に止血できる処置の手技をコンパクトに解説します。解説は飯塚 崇氏(高野台いいづか耳鼻咽喉科 院長)、監修はへき地・離島医療の助っ人ゲネプロ。【耳鼻科編2】鼻の診かたと鼻出血止血

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統合失調症の再入院に対する個別作業療法の効果~2年間のプロスペクティブコホート研究

 信州大学の島田 岳氏らは、統合失調症患者の再入院に対する個別作業療法(IOT)の効果を、集団作業療法(GOT)との比較により検討した。Psychiatry and Clinical Neurosciences誌オンライン版2019年5月11日号の報告。 精神科病院から1年以内に退院した統合失調症患者を対象とし、プロスペクティブコホート研究を実施した。GOT+IOT群およびGOT単独群における再入院までの期間は、カプランマイヤー分析を用いて評価した。再入院に関連する人口統計学的および臨床学的因子の影響は、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。統合失調症患者の再入院リスク軽減に個別作業療法の併用が好影響 統合失調症患者の再入院に対する個別作業療法の効果を評価した結果は以下のとおり。・基準を満たしていた患者は、111例(GOT+IOT群:54例、GOT単独群:57例)であった。・退院から2年間での再入院患者数は、全体で56例(51.376%)であった。その内訳は、GOT+IOT群で16例、GOT単独群で40例であり、GOT+IOT群の再入院率は、有意に低かった。・再入院までの期間は、GOT単独群と比較し、GOT+IOT群で有意に長かった(p<0.001)。・多変量Cox比例ハザードモデルで、再入院と有意な関連が認められた因子は、以下のとおりであった。●作業療法のタイプ(HR:0.543)●服薬アドヒアランス(HR:0.343)●在宅支援者へのアクセス(HR:0.450)●退院時の実行機能(HR:0.740) 著者らは「統合失調症患者の再入院リスクの軽減には、退院時の良好な認知機能や服薬アドヒアランスに加えて、集団作業療法の単独療法と比較し、個別作業療法併用の長期的な好影響が支持された」としている。

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高齢者診療の新たな概念“multi-morbidity”とは

 近年、注目されるようになった“multi-morbidity(マルチモビディティ)”という概念をご存じだろうか。multi-morbidityの明確な定義はまだ存在しないが、「同時に2種類以上の健康状態が併存し、診療の中心となる疾患が設定し難い状態」を示し、数年前から問題視されてきている。 このmulti-morbidityについて、2019年5月23日から3日間、仙台にて開催された第62回 日本糖尿病学会年次学術集会のシンポジウム12「糖尿病合併症 co-morbidityかmulti-morbidityか」で行われた竹屋 泰氏(大阪大学大学院医学系研究科 老年・総合内科学講師)の発表が参考になるので、以下に紹介する。multi-morbidityは「老年症候群」と共通する部分も多い multi-morbidityは、複雑で持続的なケアを要する状態で、基本的には、高齢者に特有な健康状態を示す「老年症候群」と共通する部分も多い。 multi-morbidityをわかりやすく例えると、めまいを主訴とする患者について考えたとき、患者が若年者や中年者であれば、めまいを起こす原因がいくつか特定できるだろう。しかし、加齢による生理的・病的・社会的な機能低下を伴う高齢者では、複数の小さな原因が複雑に交絡し合った結果、それらが収束され「めまいという一つの不調」を呈していることがある。 こういったケースの場合、原因を特定しづらく、対症療法として薬を処方した結果、いつの間にかポリファーマシーにより新たな不調を生じる恐れまで出てくるのが、主たる問題となるところだ。multi-morbidityの具体的な症例 高血圧、2型糖尿病、慢性心房細動、慢性心不全、COPDの診断を受け、通院中の88歳女性。3ヵ月前に転倒が原因と思われる硬膜下血腫に対し、血腫除去術を行っている。この際、服用していた抗凝固薬を休薬している。そのほかに、整形外科から鎮痛薬と骨粗鬆症薬、かかりつけ医(内科)からインスリンを含む9種、計12種類の薬剤が処方されている。一人暮らしで、要介護1。認知機能の低下も見られ、ケアマネジャーからは大量の残薬があると報告を受けている。 抗凝固薬を再開する益と害を考えると、CHADS2スコア:4点(脳卒中の年間発症リスク:高)、HAS-BLEDスコア:4点(重大な出血の年間発症リスク:高)だった。multi-morbidityの難しさ~休薬中の抗凝固薬を再開するか? この症例について、生命予後、QOL、患者の希望、医療経済なども加味して、患者本人、家族、薬剤師、ケアマネジャーなどと相談し、非常に悩んだ結果、抗凝固薬の再開について決断しなくてはならないとする。竹屋氏は、2つの選択肢を提示した。(1)抗凝固薬は害のほうが大きいと判断し、休薬を続行(2)抗凝固薬は益のほうが大きいと判断し、再開 (1)の休薬を続行した場合、この患者は1年後、心原性脳梗塞により左半身麻痺、寝たきりとなり、さらに1年後死亡した。こうなると、「あのとき、抗凝固薬を再開していればよかった」と思うかもしれない。では、もう一方の結末はどうなのだろうか。 (2)の抗凝固薬を再開した場合、1年後、患者が自宅で転倒し動けずにいるところをヘルパーが発見。脳出血により意識不明となり、そのまま9ヵ月後に死亡した。そうなると、「抗凝固薬を再開するべきではなかった」と思うだろう。とはいえ、選ばなかったほうの結末は誰にもわからない。 「こういった難しさがあるのが、multi-morbidity。現行の疾患別診療ガイドラインですべてに対応することは困難だ」と竹屋氏は指摘した。multi-morbidityに対しては治療方針の決定が容易でない 高齢者の複雑性(=multi-morbidity)に対しては、疾患ごとのガイドラインに従って薬物介入を行えばあっという間にポリファーマシーになってしまう。あるいは、ある疾患に対する有益な治療が、別の疾患に対して有害な治療になってしまうなど、治療方針の決定が容易でない。 このような状況にどう対応すべきか明確な答えはなく、エビデンスがあるものについては従来の疾患別ガイドラインを用い、ない場合は『高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン1)』などを参考に適切なプロセスを実践していくしかないのが現状だ。 竹屋氏は、「高齢者の治療では、一つ一つの検査値やスコアなどの単純な足し算だけでなく、体重の変化、握力、歩行速度など患者の全体像(phenotype)を把握し、個別に介入していくことが有用であるかもしれない」と語った。亡くなった患者(症例)の本当の結末は… 今回のケースにおいて、2つの選択肢はいずれも、患者の死という一つの結末に帰結する。この症例は実際にあったことで、通夜には家族や担当した薬剤師、ケアマネジャーなどが集まり、故人の昔話に花を咲かせた。最期まで介護を続けた長女からは「先生のおかげで悔いはないです。精一杯看取りました」と言われたという。多職種で一生懸命考えた努力が報われた結果となった。 竹屋氏は、「真摯に取り組んだつもりでも、多少の悔いは残る。患者さんはどう思っていたのか? 本当のところはわからないが、今でも時々自問自答する。私たちの判断は正しかったのか? まずは、われわれ医療者の1人ひとりが、このような症例にどう向き合うかを考えていくことが大切かもしれない」と締めくくった。

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尿路上皮がんに対する化学療法後のペムブロリズマブでPFS改善(HCRN GU14-182)/ASCO2019

 転移のある尿路上皮がん(mUC)に対してプラチナベースの抗がん剤治療後の抗PD-1抗体ペムブロリズマブ単剤によるメンテナンス治療の効果が、第II相の二重盲検比較試験の結果として、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)において、米国・マウントサイナイ医科大学のMatt D. Galsky氏より発表された。試験デザイン・対象:mUCに対する1次治療として、プラチナ系抗がん剤をベースとする化学療法を受け、8サイクル投与までに病勢安定(SD)もしくは腫瘍縮小効果(CR/PR)のあった患者・試験群:ぺムブロリズマブ200mg/body、3週間ごと最長24ヵ月まで投与・対照群:プラセボ、3週間ごと最長24ヵ月まで投与(病勢進行があった場合は、ペムブロリズマブへのクロスオーバー許容)・評価項目:[主要評価項目]irRECIST(immune-related RECIST)を用いた無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]RECIST 1.1を用いたPFS、奏効率(ORR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・2015年12月~2018年11月に107例が登録され、ぺムブロリズマブ群55例、プラセボ群52例に割り付けられた。・RECIST1.1を用いたPFSの中央値は、ペムブロリズマブ群5.4ヵ月、プラセボ群3.2ヵ月と、ペムブロリズマブ群が良好な結果を示した(HR:0.64、95%CI:0.41~0.98、p=0.038)。・RECIST1.1によるORRは、ペムブロリズマブ群22%(CR 9%)、プラセボ群12%(CR 0%)であった。・Grade3~4の全有害事象発現率は、ぺムブロリズマブ群で53%、プラセボ群で35%であった。(6月8日 タイトルおよび記事内容を修正いたしました)

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日本のAYA世代がん患者が終末期ケアに望むこと

 2018年3月に「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(厚生労働省)が改訂され、本人が望むエンドオブライフ・ケア(EOLケア)がいっそう推進されているが、国立がん研究センター 中央病院の平野 秀和氏らは、日本のAYA世代(思春期・若年成人、15~39歳)のがん患者が、どのようなEOLケアを選好するのか、初となる調査を行った。同センターによれば、日本のAYA世代では、年間約2万人ががんの診断を受けているという。Journal of Pain and Symptom Management誌オンライン版2019年5月8日号掲載の報告。AYA世代がん患者349例について評価 研究グループは、多施設共同で行っているAYA世代がん患者に対する総合的ながん対策の在り方に関する研究調査(経験やニードの実態をアンケート等で調査)の一環として、EOLケアの選好について評価した。 AYA世代がん患者のEOLケアの選好についての主な結果は以下のとおり。・AYAがん患者計349例(AYAがん患者213例、AYAがんサバイバー136例)について、評価した。有効回答率は86%(296/344例)であった。・「予後を知りたい」との選好が53%(180/338例)、「治癒不能ながんで、かなりの毒性があり効果は限定的だが対症療法的な化学療法を受けたい」との選好が88%(301/341例)、「EOL期には自宅で積極的な緩和ケアを受けたい」との選好が61%(207/342例)であった。・多変量解析で、「予後を知りたい」という選好は、小児世代以外で正の関連が認められた(OR:3.05、p=0.003)。また、化学療法既往とは負の関連が認められた(OR:0.23、p=0.009)。・「治癒不能ながんで、かなりの毒性があり効果は限定的だが対症療法的な化学療法を受けたい」という選好は、積極的ながん治療を受けている状態と正の関連がみられた(OR:1.74、p=0.03)。・「EOL期には自宅で積極的な緩和ケアを受けたい」という選好は、不安と正の関連がみられた(OR:1.72、p=0.04)。・著者は、「これらの所見は、医療従事者が日本のAYA世代がん集団のEOLケアに関する選好を、よりよく理解するのに役立つだろう」とまとめている。

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エルロチニブ+ラムシルマブ、EGFR陽性NSCLCの新オプションに?(RELAY)/ASCO2019

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、EGFR-TKIエルロチニブと抗VEGF-R2抗体ラムシルマブの併用が、エルロチニブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)を大きく延長した。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、第III相RELAY試験の中間解析結果を、近畿大学の中川 和彦氏が発表した。 エルロチニブを含む第1~第2世代TKIによる治療後、30~60%でT790M変異が発現する。第3世代TKIのオシメルチニブはT790M変異に対して有効だが、1次治療でオシメルチニブを投与した場合、その後の治療選択肢は限られる。 RELAY試験は、活性型EGFR変異(Exon19delまたはExon21 L858R)を有し、CNS転移のない、未治療の進行NSCLC患者を対象とした第III相国際共同二重盲検無作為化試験。登録患者はラムシルマブ(10mg/kg、2週ごと投与)+エルロチニブ(150mg/日)群と、プラセボ+エルロチニブ(150mg/日)群に1:1の割合で無作為に割り付けられた。また、患者は性別、地域(東アジア vs.その他)、EGFR変異ステータス(Ex19del vs.L858R)、EGFR変異検査法(Therascreen/Cobas vs.その他)で層別化された。 主要評価項目は治験責任医師の評価による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は奏効率(ORR)、奏効持続期間(DoR)、PFS2(無作為化から2度目の病勢進行あるいは全死因死亡のいずれかの発生までの期間)、全生存期間(OS)、血漿T790M変異、安全性などであった。 主な結果は以下のとおり。・13ヵ国100施設から449例が登録され、ラムシルマブ併用群に224例、プラセボ群に225例が割り付けられた。女性は両群で63%、アジア人は両群で77%、年齢中央値は65歳/64歳、Ex19delは55%/54%であった。・データベースロックは2019年2月14日、追跡期間中央値は20.7ヵ月。・主要評価項目であるPFS中央値は、併用群が19.4ヵ月、プラセボ群で12.4ヵ月と、併用群で有意な延長が認められた(ハザード比[HR]:0.591、95%信頼区間[CI]:0.461~0.760、p<0.0001)。・EGFR変異のステータス別でも、併用群でPFS中央値を有意に延長していた:Ex19delを有する患者で19.6ヵ月 vs. 12.5ヵ月(HR:0.651、95%CI:0.469~0.903)、L858Rを有する患者で19.4ヵ月 vs. 11.2ヵ月(HR:0.618、95%CI:0.437~0.874)。・ORRは76.3% vs.74.7%と差がみられなかったが、DoR中央値は18.0ヵ月 vs.11.1ヵ月と、併用群で有意に延長した(HR:0.619、95%CI:0.477~0.805、p=0.0003)。・PFS2中央値は両群ともに未到達、併用群で有意に延長した(HR:0.690、95%CI:0.490~0.972、p=0.0325)。・中間解析時点でのOS中央値は両群ともに未到達、HR:0.832、95%CI:0.532~1.303、p=0.4209となっている。・ベースライン時にT790M変異陽性の患者はいなかったが、病勢進行30日後の測定では、併用群43%、プラセボ群47%で発現しており、両群に差はみられなかった(p=0.849)。・Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)は併用群で72%、プラセボ群で54%の患者に発現した。しかし、TRAEによる治療中止は併用群が13%、プラセボ群が11%と同等であった。・併用群では高血圧(45% vs.12%)が多く発現したが、Grade4の症例はなかった。また、ALT(43% vs.31%)、AST(42% vs.26%)、出血性イベント(55% vs.26%)も併用群で多い傾向がみられたが、多くがGrade1~2であった。

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腹部大動脈瘤の長期転帰、開腹手術vs.血管内治療/NEJM

 腹部大動脈瘤患者の長期生存は、血管内治療と開腹手術とで類似しているが、再治療を受けた患者の割合は血管内治療のほうが多いことが、米国・Veterans Affairs(VA) Medical CenterのFrank A. Lederle氏らによる多施設共同無作為化試験「Veterans Affairs(VA) Open versus Endovascular Repair(OVER)試験」の長期追跡の結果、示された。腹部大動脈瘤に対する待機的血管内治療は、従来の開腹手術と比較して周術期死亡率を低下させるが、4年後の生存には差がない。また、欧州で行われたEVAR-1試験およびDREAM試験では、血管内治療のほうが開腹手術よりも再治療が多いなど長期転帰が不良であることが示唆されていたが、10年以上前に実施したOVER試験の長期転帰については報告されていなかった。NEJM誌2019年5月30日号掲載の報告。腹部大動脈瘤患者約880例を無作為化、最長14年間追跡 研究グループは、2002年10月~2008年4月に無症候性腹部大動脈瘤患者881例を、血管内治療群(444例)または開腹手術群(437例)に無作為に割り付け、2016年12月31日まで、最長14年間追跡した。 2011年10月15日までは定期的に追跡調査を行ったが、以降は米国内のデータベースを用いて調査した。 主要評価項目は全死因死亡で、intention-to-treat解析にて評価した。全死因死亡に有意差なし、再治療は血管内治療群で多い 総死亡は、血管内治療群302例(68.0%)、開腹手術群306例(70.0%)であった(ハザード比[HR]:0.96、95%信頼区間[CI]:0.82~1.13)。全死因死亡率は、治療後最初の4年間では血管内治療群のほうが開腹手術群よりも低い傾向がみられたが、4~8年目では開腹手術のほうが低く、8年以降では再び血管内治療群のほうが低かった(8年以降における死亡に関するハザード比:0.94、95%CI:0.74~1.18)。なお、いずれの傾向にも統計学的有意差はなかった。 動脈瘤関連の死亡は、血管内治療群で12例(2.7%)、開腹手術群で16例(3.7%)確認され(群間差:-1.0ポイント、95%CI:-3.3~1.4)、そのほとんどは周術期に発生していた。血管内治療群では動脈瘤破裂が7例(1.6%)、開腹手術群では胸部大動脈瘤破裂が1例(0.2%)確認された(群間差:1.3ポイント、95%CI:0.1~2.6)。慢性閉塞性肺疾患による死亡は、開腹手術群のほうが約50%高頻度であった(血管内治療群5.4% vs.開腹手術群8.2%、群間差:-2.8ポイント、95%CI:-6.2~0.5)。血管内治療群で、再治療を受けた患者が多かった(26.7% vs.19.8%、群間差:6.9ポイント、95%CI:2.0~17.5)。

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若年発症の脳卒中、一般集団と比べた長期死亡リスクは?/JAMA

 オランダにおいて、若年(18~49歳)発症の脳卒中の30日生存者は、一般集団と比較して死亡リスクが最長15年後まで高いままであることが示されたという。オランダ・ラドバウド大学のMerel Sanne Ekker氏らが、若年発症の脳卒中の短期および長期死亡リスク、死亡率の時間的傾向および死因を、年齢、性別、脳卒中サブタイプごとに明らかにすべく行ったレジストリー研究の結果を報告した。脳卒中は、依然として世界における主要死因の第2位であり、全脳卒中のうち約10~15%の発症は若年成人に認められるが、これまで若年発症の脳卒中の予後や死亡に関する情報は限定的であった。JAMA誌オンライン版2019年5月23日号掲載の報告。若年初発の脳卒中患者1万5,527例の死亡率を一般集団と比較 研究グループは、オランダにおいて1998~2010年の期間に初回の脳卒中を発症した18~49歳の脳卒中患者を、2017年1月1日まで追跡調査した。患者とアウトカムについて、オランダ全国民を対象とした病院退院登録(Hospital Discharge Registry)、死因登録(Cause of Death Registry)および人口登録(Dutch Population Register)を用いて、またICD-9およびICD-10でコードされた虚血性脳卒中、脳出血およびその他の脳卒中として特定し解析した。 主要アウトカムは、30日生存者の追跡終了時における累積全死因死亡で、年齢、性別、脳卒中サブタイプで層別化し、Cox比例ハザードモデルなどを用いて一般集団の累積全死亡率と比較した。 解析には1万5,527例(年齢中央値44歳[四分位範囲:38~47]、女性53.3%)が組み込まれた。30日生存者の15年死亡率は17.0% 追跡調査終了時点で、計3,540例(23.2%)が死亡していた。そのうち脳卒中発症後30日以内の死亡が1,776例で、残りの1,764例は追跡期間中央値9.3年(四分位範囲:5.9~13.1)の間に死亡した。 30日生存者の15年死亡率は17.0%であった(95%信頼区間[CI]:16.2~17.9)。一般集団と比較した標準化死亡比(SMR)は、虚血性脳卒中で5.1(95%CI:4.7~5.4)(実死亡率:12.0/1,000人年[95%CI:11.2~12.9/1.000人年]、予定死亡率:2.4/1,000人年、超過死亡率:9.6/1,000人年)、脳出血で8.4(95%CI:7.4~9.3)(実死亡率:18.7/1,000人年[95%CI:16.7~21.0/1,000人年]、予定死亡率:2.2/1,000人年、超過死亡率:16.4/1,000人年)であった。 なお、著者は、脳卒中の重症度や家族歴などの潜在的交絡因子を調整できていないこと、2006年以降は病院退院登録にデータを提供した病院が少なかったことなどを研究の限界として挙げている。

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尿路上皮がん1次治療におけるゲムシタビン・シスプラチン・ベバシズマブ併用療法の結果(CALGB90601)/ASCO2019

 転移のある尿路上皮がん(mUC)を対象にしたゲムシタビン+シスプラチン併用療法にベバシズマブをオン/オフする無作為化プラセボ対照第III相試験(CALGB90601)の結果を、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、米国Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのJonathan E. Rosenberg氏が発表した。試験デザイン・対象:前治療歴なしまたは補助療法終了から12ヵ月を超えるmUC患者・試験群:ゲムシタビン1,000mg/m2+シスプラチン70mg/m2+ベバシズマブ15mg/kg(GCB群)、3週間ごと最長6サイクル・対照群:ゲムシタビン1,000mg/m2+シスプラチン70mg/m2+プラセボ(GCP群)、3週間ごと最長6サイクル・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、Grade3以上の有害事象発現率 主な結果は以下のとおり。・2009年7月~2014年2月の間に506例が登録され、GCB群252例、GCP群254例に割り付けられた。・追跡期間中央値は、46.2ヵ月。・OS中央値はGCB群14.5ヵ月、GCP群14.3ヵ月であった(HR:0.87、95%CI:0.72~1.06、p=0.17)。 ・PFS中央値はGCB群7.7ヵ月、GCP群6.6ヵ月とGCB群で延長が見られた(HR:0.79、95%CI:0.66~0.95、p=0.013)。・ORRはGCB群40.4%、GCP群33.0%と両群間に有意差はなかった(p=0.12)。・Grade3以上の主な有害事象は、血小板減少(GCB群27.0%、GCP群18.1%)、高血圧(GCB群20.3%、GCP群4.7%)、蛋白尿(GCB群5.1%、GCP群0.9%)であった。

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遥か遠くの蜃気楼【Dr. 中島の 新・徒然草】(275)

二百七十五の段 遥か遠くの蜃気楼エレベーターで一緒になった救急の先生。先ほど院内コンビニでも一緒でした。中島「さっきの列、レジ直前まで来て救急なんかに呼び出されたら嫌ですよね」救急「そうなったら私、意地でも買ってから行きます」中島「『処置中だ』とか言って?」救急「たぶん『手が離せない』と言うかな」中島「やるなあ!」こういう会話になったのには理由があります。1時間ほど前のこと。昼食を買うべくコンビニに向かう途中に、他科の先生から電話があったのです。他科「実は入院患者さんのことで」中島「いいですよ」他科「もともとの病気は治ったのですが、肺炎になったので抗生剤を使ってですね」中島「ええ」他科「一旦は良くなったのですが、また熱が出て」中島「おやまあ」他科「今度は肺炎ではなさそうなんです」中島「なるほど」他科「別の抗生剤を始めたのですが、なかなか良くならなくて」中島「ふんふん」他科「あちこちの科に相談したのですが」中島「要するに、先生の手に余るから総診への転科を頼むってことでしょうか?」他科「そ、そうなんですよ! 僕には歯が立ちません」中島「端末のあるところに行って確認するので、IDをお願いします」といったやりとりで、コンビニから引き離されてしまいました。何とかこの症例の決着をつけてから、再びコンビニに向かう途中のこと。今度は研修担当者から電話がありました。担当「研修医の○○先生がトラブルに巻き込まれてしまって」中島「あら」担当「今から事情聴取をするので、同席いただけませんか?」中島「すぐ行きます」何か私をコンビニに行かせないようにする陰謀が働いているのでしょうか?ごく簡単な事情聴取の後、再々度、コンビニに向かいます。見ればレジの前は長蛇の列。ざっと見て、15人は並んでいそう。もしレジを目前にして、また呼び出されたりしたら、どうするんだべ?つらい、あまりにもつらすぎる!ふと見ると、顔見知りの救急の先生が私の少し後ろに並びました。列はどんどん長くなっていきます。少しずつ列が進み、いよいよあと2人。となったときに院内PHSが鳴り響きました。ERの看護師さんです。ER「中島先生、痙攣の人が来るらしいんですけど」中島「はい」(その事と私との間に何の関係が?)ER「〇〇病院からですけど、中島先生にすぐ来るように言われたとか」中島「はあ?」(泣)ER「もう救急車がこっちに向かっているらしいですよ」中島「そんなバナナ!」ER「おかしいな。すぐ来るように言ったのは脳外科の先生かな」中島「そうそう、きっとそやろ」(僕も脳外科やけど)ER「脳外科外来にきいてみます」中島「ごめん、頼むわあ」レジ「次の方?」中島「はいはいはいはい、僕です僕です」(危ないところやった)あわててザルソバを買ってエレベーターに乗りました。そこで冒頭の救急の先生との会話になるわけです。その昔、レジデントが「自分が10分後にどこで何をしているか想像できないのがキツイっす」と言っていましたが、何十年経った今でも状況が変わっていません。落ち着けるのは引退してからでしょうか?最後に1句ザルソバは 遥か遠くの 蜃気楼

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