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慢性B型肝炎ウイルス(HBV)感染患者の治療において、標準治療であるヌクレオシド/ヌクレオチドアナログ(NA)療法へのbepirovirsenの追加はプラセボの追加と比較して、機能的治癒の達成割合が有意に高く、その一方でGrade3のALT値上昇の頻度が高いことが、中国・南方医科大学のJinlin Hou氏らによるB-Well 1・2試験の結果で示された。bepirovirsenは、すべてのHBVの転写産物を標的とする非結合型アンチセンス オリゴヌクレオチドであり、HBV RNAおよびB型肝炎表面抗原(HBsAg)の量を減少させるとともに、免疫細胞の活性化をもたらすとされる。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2026年5月28日号に掲載された。29ヵ国で実施した2つの無作為化プラセボ対照比較試験 B-Well 1試験およびB-Well 2試験は、日本を含む29ヵ国で実施した同一デザインの二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験であり、2022年12月~2025年5月に参加者を登録した(GSKの助成を受けた)。 対象は、スクリーニング前の少なくとも6ヵ月間にわたり安定したNA療法を受けており、HBsAg値100~3,000 IU/mL、HBV DNA値90 IU/mL未満で、ALT値が正常上限値の2倍以下の非肝硬変性慢性HBV感染の成人患者とした。 被験者を、bepirovirsen(300mg、週1回)を皮下投与する群またはプラセボ群に、2対1の割合で無作為に割り付け、24週間投与した。全例が、基礎治療として安定したNA療法を受け(24~48週目はNA療法単独期間)、48週時に中止基準を満たした例はNA療法を中止し、これを満たさない例は継続した。 主要アウトカムは、72週時の機能的治癒(HBV RNAが定量下限値[LLOQ:20 IU/mL未満または検出不能]を下回り、かつHBsAgが検出不能[定性的検査で0.05 IU/mL未満])とした。2試験の機能的治癒の達成割合、bepirovirsen群19~20%vs.プラセボ群0% 2試験の合計で1,838例を登録し、bepirovirsen群に1,224例(B-Well 1試験653例、B-Well 2試験571例)、プラセボ群に614例(同328例、286例)を割り付けた。ベースラインにおけるこれら4つの群の平均(±SD)年齢の範囲は48.7(±10.4)~50.2(±11.8)歳、男性の割合の範囲は69~73%、アジア系の割合の範囲は67~70%であった。 48週時にB-Well 1試験のbepirovirsen群の24%およびB-Well 2試験の同群の24%がNA療法を中止したが、両試験のプラセボ群でNA療法を中止した患者はいなかった。 ベースラインでHBsAg値3,000 IU/mL以下であった患者における72週時の機能的治癒の達成割合は、B-Well 1試験では、プラセボ群が0%(0/328例)であったのに対し、bepirovirsen群は20%(127/650例)であり(共通リスク群間差:17.5%ポイント、95%信頼区間[CI]:14.6~20.3、p<0.001)、B-Well 2試験では、プラセボ群の0%(0/286例)に対し、bepirovirsen群は19%(106/570例)(同13.3%ポイント、10.4~16.1、p<0.001)と、いずれもbepirovirsen群で有意に高かった。 また、主な副次アウトカムであるベースラインHBsAg値1,000 IU/mL以下の患者における72週時の機能的治癒の達成割合についても、B-Well 1試験では、プラセボ群が0%(0/214例)であったのに対し、bepirovirsen群は25%(105/426例)であり(リスク群間差:24.6%ポイント、95%CI:20.8~29.0、p<0.001)、B-Well 2試験では、プラセボ群の0%(0/179例)に対し、bepirovirsen群は28%(95/342例)(同27.8%ポイント、95%CI:23.3~32.8、p<0.001)と、いずれもbepirovirsen群で有意に良好だった。16%で、投与期間中のGrade3以上の有害事象 72週の時点の統合解析では、bepirovirsen群の91%、プラセボ群の73%で有害事象が発現し、重篤な有害事象はそれぞれ7%および4%で報告された。1~24週の投与期間中にbepirovirsen群で発現した有害事象のほとんどが「とくに注目すべき有害事象」で、このうち注射部位反応の頻度が最も高かった(53%)。 投与期間中のGrade3以上の有害事象は、bepirovirsen群の16%、プラセボ群の3%に認めた。bepirovirsen群で最も頻度が高かったGrade3の有害事象はALT値の上昇(6%)であった。同群で恒久的投与中止に至った有害事象は3%にみられ、bepirovirsenとの関連がない死亡が2例で発生した。薬剤誘発性肝障害の基準を満たした患者はいなかった。一過性のALT値上昇は、治療反応のマーカーと認識 著者は、「これらの知見は、24週という一定期間のbepirovirsen治療が、機能的治癒の達成に有効であり、標準治療としての継続的なNA療法に新たな有益性を付加することを示すもの」としている。 また、「bepirovirsenの投与開始後にみられる一過性のALT値上昇は、HBsAg値の低下と関連しており、bepirovirsenに対する治療反応のマーカーとして認識されている」「検査値の異常を定期的にモニタリングし、bepirovirsenの投与を一時的に中断することは、臨床的に意義のある有害事象の発現を抑制するために有効な戦略であり、恒久的な投与中止に至ったイベントは少なかった」と指摘している。