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うつ病、不安症、PTSD歴と認知症リスク~メタ解析

 うつ病、不安症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)は認知症と関連しているといわれているが、これらが認知症のリスク因子(因果関係または前駆症状)、併存疾患、後遺症(2次的影響)であるのかはわかっていない。これまでのメタ解析では、すべての原因による認知症、アルツハイマー病(AD)、血管性認知症(VaD)とうつ病や不安症との関連は調査されているものの、PTSDやレビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(FTD)との関連は考慮されていなかった。オーストラリア・アデレード大学のJ. K. Kuring氏らは、精神疾患と認知症との関連をより理解する目的で、臨床的に有意なうつ病、不安症、PTSD歴を有する人とそうでない人におけるAD、VaD、DLB、FTD、すべての原因の認知症発症リスクを調査するためのメタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2020年5月21日号の報告。 PubMed、EMBASE、PsycINFO、CINAHLを検索し、適格研究36件を特定した。 主な結果は以下のとおり。・うつ病歴がある人は、ない人と比較し、すべての原因による認知症、ADの発症リスクが高かった。・不安症歴のある人は、ない人と比較し、すべての原因による認知症の発症リスクが高かった。・PTSD歴は、その後の認知症発症リスクとの関連が認められなかった。・なお、不安症、PTSD、DLB、FTDに関するデータは限られていた。 著者らは「うつ病や不安症は認知症のリスク因子の可能性があるが、このリスクの因果関係または前駆症状を評価するためには、成人期(若年成人、中年、高齢)にわたる縦断的研究が必要である。精神疾患の新規発症および既往歴のある高齢者における認知機能変化の定期的なスクリーニングは、認知症の早期発見に役立つ可能性がある」としている。

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再発・難治性古典的ホジキンリンパ腫に対するペムブロリズマブの成績(KEYNOTE-204試験)/ASCO2020

 カナダ・プリンセス・マーガレットがんセンターのJohn Kuruvilla氏は、再発・難治性古典的ホジキンリンパ腫に対するペムブロリズマブとブレンツキシマブ ベドチンを比較する無作為化非盲検第III相試験KEYNOTE-204の結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表。ぺムブロリズマブはブレンツキシマブ ベドチンに比べ無増悪生存期間(PFS)を有意に延長したと報告した。・対象:自家造血幹細胞移植後の再発、自家造血幹細胞移植が不適応、1次治療後に再発した難治性古典的ホジキンリンパ腫で、国際ワーキンググループ(IWG 2007)基準の測定可能病変を有し、PS 0~1の患者(304例)・試験薬:ぺムブロリズマブ200mg3週ごと最大35サイクル(ペムブロリズマブ群、151例)・対照薬:ブレンツキシマブ ベドチン1.8 mg/kgを3週ごと最大35サイクル(ブレンツキシマブ ベドチン群、153例)・評価項目:[主要評価項目]自家造血幹細胞移植あるいは同種造血幹細胞移植後の臨床および画像所見を含んだIWG2007基準による盲検独立中央評価によるPFS[副次評価項目]自家造血幹細胞移植あるいは同種造血幹細胞移植後の臨床および画像所見を含まないIWG2007基準による盲検独立中央評価によるPFS、IWG2007基準による盲検独立中央評価による奏効率(ORR)、研究者評価によるPFS、奏効持続期間(DoR)、全症例での安全性 主な結果は以下のとおり。・主要評価項目のPFS中央値は、ペムブロリズマブ群が13.2ヵ月(95%信頼区間[CI]:10.9~19.4)、ブレンツキシマブ ベドチン群が8.3ヵ月(95%CI:5.7~8.8)で、ペムブロリズマブ群で有意な延長が認められた(ハザード比[HR]:0.65、95%CI:0.48~0.88、p=0.00271)。・自家造血幹細胞移植あるいは同種造血幹細胞移植後の臨床および画像所見を含まないIWG2007基準による盲検独立中央評価によるPFS中央値は、ペムブロリズマブ群が12.6ヵ月(95%CI:8.7~19.2)、ブレンツキシマブ ベドチン群が8.2ヵ月(95%CI:5.6~8.6)であった(HR:0.62、95%CI:0.46~0.85)。・研究者評価によるPFSは、ペムブロリズマブ群が19.2ヵ月(95%CI:13.8~28.1)、ブレンツキシマブ ベドチン群が8.2ヵ月(95%CI:5.7~8.6)であった(HR:0.49、95%CI:0.36~0.67)。・盲検独立中央評価によるORRは、ペムブロリズマブ群が65.6%(95%CI:57.4~73.1)、ブレンツキシマブ ベドチン群が54.2%(95%CI:46.0~62.3)で事前設定の有意差は認めなかった(p=0.0225、事前設定p<0.006)。・DoR中央値はペムブロリズマブ群が20.7ヵ月、ブレンツキシマブ ベドチン群が13.8ヵ月であった。・Grade3以上の全有害事象は、ペムブロリズマブ群が43.9%、ブレンツキシマブ ベドチン群が43.4%、Grade3以上の治療関連有害事象はそれぞれ19.6%、25.0%であった。 これらの結果から、Kuruvilla氏は「ペムブロリズマブは、自家造血幹細胞移植が不良あるいは不適応の再発・難治性の古典的ホジキンリンパ腫に対する新たな標準治療となるべきである」と述べた。

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セマグルチドのSTEP試験結果を発表/ノボノルディスクファーマ

 ノボノルディスクファーマは、セマグルチド2.4mgの第III相試験STEP2、STEP3においてプラセボ群と比較し、有意な体重減少を示し、臨床試験プログラムを完了したと6月17日に発表した。 本製剤は、ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)ホルモンのアナログ製剤で、空腹感を軽減し、満腹感を高めることで食事量を減らし、カロリー摂取量を減らすことを助け、体重減少を促す働きをもつ。なお、本製剤および効能・効果は、日本を含めて現在開発中であり、未承認の製剤である。肥満の2型糖尿病患者を対象にしたSTEP2試験 STEP2は68週間の無作為割り付け、二重盲検、多施設共同、プラセボ対照試験。本試験では、セマグルチド2.4mgを週1回、68週間にわたって皮下投与した際のプラセボおよびセマグルチド1.0mg週1回皮下投与に対する有効性および安全性を検討した。対象者は、合併症を伴う肥満または過体重の2型糖尿病の成人1,210例を対象に、生活習慣の介入を行った上で実施した。 無作為割り付けされた全例において、セマグルチド2.4mgの皮下投与による68週間の治療群では、プラセボ群およびセマグルチド1.0mgの皮下投与群と比較して統計的に有意に優れた体重減少が示された。セマグルチド2.4mgの皮下投与群では、ベースラインにおける平均体重99.8kgから9.6%の体重減少が達成されたのに対し、プラセボ群における体重減少は3.4%、セマグルチド1.0mgの皮下投与群における体重減少は7.0%だった。さらに、セマグルチド2.4mgの皮下投与群の68.8%が68週後に5%以上の体重減少に達したのに対し、プラセボ群では28.5%だった。 また、計画書の規定通り行われた場合の治療効果を評価したところ、セマグルチド2.4mgの皮下投与群では、68週後に10.6%の体重減少が認められたのに対し、プラセボ群では3.1%、セマグルチド1.0mgの皮下投与群では7.5%の体重減少が認められた。68週後に5%以上の体重減少が認められたのは、セマグルチド2.4mgの皮下投与群で73.2%であったのに対し、プラセボ群では27.6%だった。以上で本試験では、両主要評価項目を達成した。頻回行動管理療法を併用した肥満患者を対象にしたSTEP3試験 STEP3は68週間の無作為割り付け、二重盲検、多施設共同、プラセボ対照試験。対象者は、合併症を伴う肥満または過体重の成人611例を対象に、セマグルチド2.4mgを週1回、68週間にわたって皮下投与した際のプラセボに対する効果を比較した。両治療は、毎週の行動サポート、栄養士によるカウンセリング、カロリー摂取を抑える食事療法などで定義される頻回行動管理療法と併用して行われた。 無作為割り付けされた全例において、セマグルチド2.4mgの皮下投与に頻回行動管理療法を併用した治療群では、プラセボに頻回行動管理療法を併用した治療群と比較し統計的に有意に優れた体重減少が示された。セマグルチド2.4mgの皮下投与に頻回行動管理療法を併用した68週間の治療群では、ベースラインにおける平均体重105.8kgから16.0%の体重減少が達成されたのに対し、プラセボに頻回行動管理療法を併用した治療群における体重減少は5.7%だった。さらに、セマグルチド2.4mgの皮下投与に頻回行動管理療法を併用した治療群の86.6%が68週後に5%以上の体重減少を達成したのに対し、プラセボに頻回行動管理療法を併用した治療群では47.6%だった。 また、計画書の規定通りに治験が行われた場合の治療効果を評価したところ、セマグルチド2.4mgの皮下投与に頻回行動管理療法を併用した治療群では17.6%の体重減少が認められたのに対し、プラセボに頻回行動管理療法を併用した治療群では5.0%の体重減少が認められた。5%以上の体重減少が認められたのは、セマグルチド2.4mgの皮下投与に頻回行動管理療法を併用した治療群で89.8%であったの対し、プラセボに頻回行動管理療法を併用した治療群では50.0%だった。以上から本試験でも、両主要評価項目を達成した。 安全性につきSTEP2/STEP3試験にあってセマグルチド2.4mgは、これまでの試験と同様、安全かつ忍容性が良好なプロファイルを有すると考えられた。セマグルチド2.4mg皮下投与による主な有害事象は消化器症状で、ほとんどの事象は軽度または中等度で時間の経過とともに消失した。

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長期の生物学的製剤使用、メラノーマのリスクを増大?

 炎症性疾患に対する長期にわたる生物学的製剤の使用は、メラノーマのリスクを増大するのか。英国・マンチェスター大学のShamarke Esse氏らは、システマティック・レビューとメタ解析の結果、「その可能性を否定できない」とする所見が得られたことを報告した。生物学的製剤は、炎症性疾患の治療薬として幅広く処方されるようになっている一方で、免疫が介在した炎症性疾患である炎症性腸疾患(IBD)、関節リウマチ(RA)、乾癬の患者において、長期にわたる生物学的製剤治療は従来の全身治療と比べてメラノーマのリスクを増大するのではないか、との懸念が出ている。今回の結果を踏まえ、著者は「生物学的製剤による治療の長期安全性の問題を解決するためにも、主要なリスク因子を調整した大規模な研究が必要だ」と提言している。JAMA Dermatology誌オンライン版2020年5月20日号掲載の報告。 検討では、Embase、MEDLINE、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)をデータソースとして、1995年1月1日~2019年2月7日に公開された論文を検索した。適格条件は、無作為化臨床試験、コホート試験、IBD・RA・乾癬患者におけるメラノーマリスクについて生物学的製剤治療群と従来の全身治療群を比較し定量化したネステッド・ケースコントロール試験とした。 2人のレビュアーがそれぞれ主要な試験特性とアウトカムデータを抽出。試験に特異的な推定リスクをプールし、ランダム・固定効果モデルを用いてメタ解析を行った。不均一性はI2統計法で評価した。レビューは、疫学分野における観察研究のメタアナリシス報告のためのガイドライン(MOOSE)に準じて作成された。 主要評価項目は、IBD・RA・乾癬患者における、従来全身治療群と比較した生物学的製剤治療群のメラノーマ発生のプール相対リスク(pRR)であった。 主な結果は以下のとおり。・7コホート試験が適格基準を満たし、生物学的製剤治療群3万4,029例と、同未治療の従来全身治療群13万5,370例が包含された。・生物学的製剤治療は、各疾患患者のメラノーマ発生と正の相関がみられた。ただし、統計的有意差は認められなかった。・pRRは、IBD患者群1.20(95%信頼区間[CI]:0.60~2.40)、RA患者群1.20(同:0.83~1.74)、ハザード比は乾癬患者群で1.57(95%CI:0.61~4.09)だった。・ほかのリスク因子の調整は、ほとんどの研究で行われていなかった。

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急性低酸素血症性呼吸不全、非侵襲的酸素化療法で死亡率改善/JAMA

 急性低酸素血症性呼吸不全(AHRF)の成人患者の治療において、フェイスマスク型やヘルメット型の換気などの非侵襲的な酸素化戦略は、標準的な酸素療法に比べ死亡や気管内挿管に至るリスクが低いことが、カナダ・トロント大学のBruno L. Ferreyro氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2020年6月4日号に掲載された。AHRFは、成人患者の集中治療室(ICU)入室の主な原因であり、気管内挿管や侵襲的な機械的換気を要することが多い。侵襲的な機械的換気は重症有害事象と関連しており、不必要な気管内挿管の回避はAHRF患者の管理における重要な目標とされる。近年、酸素化や換気を支援するさまざまな非侵襲的な酸素化法が開発され、気管内挿管や死亡のリスクを低減する可能性が示唆されているが、どれが最も有効な方法かは不明だという。非侵襲的戦略のネットワークメタ解析 研究グループは、AHRFの成人患者において、非侵襲的酸素化戦略と、死亡および気管内挿管との関連を評価する目的で、系統的レビューとネットワークメタ解析を行った(筆頭著者はヴァニエ・カナダ大学院奨学金の助成を受けた)。 2020年4月の時点で、医学データベースに登録された文献を検索した。対象は、成人AHRF患者において、高流量鼻カニューレ酸素療法、フェイスマスク型非侵襲的換気、ヘルメット型非侵襲的換気、標準的酸素療法を比較した無作為化臨床試験とした。 2人のレビュアーがそれぞれ、個々の試験のデータを抽出し、Cochrane Risk of Bias toolを用いて試験のバイアスのリスクを評価した。ネットワークメタ解析では、bayesian frameworkを使用し、リスク比(RR)およびリスク差とともに、その95%確信区間(Crl)を算出した。また、GRADE法で、得られた知見の確実性を評価した。 主要アウトカムは、90日までの全死因死亡とした。副次アウトカムは、30日までの気管内挿管であった。高流量鼻カニューレ酸素療法は死亡リスクに差がない 25件の無作為化臨床試験(3,804例、試験ごとの患者数の範囲:30~776例)が解析に含まれた。 13件はフェイスマスク型非侵襲的換気と標準的酸素療法の比較であり、4件は高流量鼻カニューレ酸素療法と標準的酸素療法、2件はフェイスマスク型非侵襲的換気と高流量鼻カニューレ酸素療法、1件はフェイスマスク型とヘルメット型非侵襲的換気、4件はヘルメット型非侵襲的換気と標準的酸素療法を比較した試験であった。残りの1件は、フェイスマスク型非侵襲的換気、高流量鼻カニューレ酸素療法、標準的酸素療法の3群の比較だった。 死亡のリスク(21件、3,370例)は、標準的酸素療法と比較して、ヘルメット型非侵襲的換気(RR:0.40、95%CrI:0.24~0.63、絶対リスク差:-0.19、95%CrI:-0.37~-0.09、確実性:低)およびフェイスマスク型非侵襲的換気(0.83、0.68~0.99、-0.06、-0.15~-0.01、中)で有意に低かった。 気管内挿管のリスク(25件、3,804例)は、標準的酸素療法に比べ、ヘルメット型非侵襲的換気(RR:0.26、95%CrI:0.14~0.46、絶対リスク差:-0.32、95%CrI:-0.60~-0.16、確実性:低)、フェイスマスク型非侵襲的換気(0.76、0.62~0.90、-0.12、-0.25~-0.05、中)、高流量鼻カニューレ酸素療法(0.76、0.55~0.99、-0.11、-0.27~-0.01、中)で有意に抑制されていた。 気管内挿管リスクについては、治療法の割付が盲検でないことによるバイアスのリスクが高いと考えられた。 著者は、「個々の治療戦略の相対的な有益性を理解するには、さらなる検討を要する」としている。

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転移のない去勢抵抗性前立腺がんに対するエンザルタミドの有効性(解説:宮嶋哲氏)-1247

 経口アンドロゲン受容体阻害薬であるエンザルタミドの有効性に関する第III相PROSPER試験の最終報告である。非転移性去勢抵抗性前立腺がん患者(1,401例)を対象に、アンドロゲン除去療法(ADT)とエンザルタミド併用群を、ADTとプラセボ併用群と比較検討している。 主要評価項目である無転移生存期間(metastasis free survival:MFS)に関しては2018年にすでに報告されているが、ADT+エンザルタミド併用群でADT+プラセボ併用群と比較して有意に低い転移および死亡のリスクを示していた(HR:0.29、95%CI:0.24~0.35、p<0.001)。 今回の検討では本試験の副次的評価項目の1つである全生存率(OS)について示されている。ADT+エンザルタミド併用群ではADT+プラセボ併用群と比較して、死亡リスクが27%低下していた(HR:0.73、95%CI:0.61~0.89、p=0.001)。OSの中央値は、ADT+エンザルタミド併用群で67ヵ月、ADT+プラセボ併用群で56ヵ月であった。G3以上の有害事象はADT+エンザルタミド併用群で48%、ADT+プラセボ併用群で27%に認めたが有意差を認めず、治療期間もADT+エンザルタミド併用群で33.9ヵ月とADT+プラセボ併用群14.2ヵ月より延長していた。 今回の最終報告により、非転移性去勢抵抗性前立腺がんにおいてADTにエンザルタミドの併用療法の有効性は明らかとなった。ただし、著者らが記しているように、転移のないことの確認は既存の画像検査でしか行われていないのが問題点でもある。事実、CRPC症例の90%以上が有転移症例であることから、今回のコホートには微小転移巣を有する症例が含まれていることは否定できない。PSMA-PETなどを利用したさらなる検討に期待したい。

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処方箋枚数が減って長期処方が増加中 でも分割調剤は進まず【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第49回

新型コロナウイルス感染症の影響で、医療機関の受診患者数が減っていると一般メディアでも報じられていますが、皆さんの薬局では来局動向や処方箋枚数に変化はありましたか? 私の実感では3月後半から患者さんの来局が減っていて、当時はうちの薬局だけかと心配になりましたが、どうやらそうでもないようです。日本保険薬局協会(NPhA)が会員薬局に行ったアンケートでは、患者さんの行動の変化が浮き彫りになっています。日本保険薬局協会は6月11日の定例会見で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に伴う緊急調査結果を公表した。それによると、月間処方箋枚数は「10~20%未満の減少」が全体の約3割を占め、調剤報酬は「10%未満の減少」が約3割を占めた。「枚数が減って長期処方が増えている」と分析している。調査は5月に実施し4581薬局から回答を得た。(2020年6月12日付 RISFAX)長期処方が増えているということは、これから先も処方箋枚数は減る傾向にあるのかもしれません。状態が安定している患者さんが長期処方になるのはよいのですが、受診・来局控えによって必要な治療が中断したり、治療の開始が遅れたりするケースが見受けられます。実際、「指をぶつけて骨を折ったかもしれないけど、整形外科の待合室に人がたくさんいて、長い時間待たされるから受診していない」と指をパンパンに腫らして市販薬の湿布を購入しようとしていた方がいました。医療機関は不特定多数の人が集まる場所ですので、避けたい気持ちはわからなくはありませんが、まずは整形外科に電話して、受診が必要かどうか、必要なら空いている時間帯を聞いてみるようお話ししました。痛みがある外傷ですら受診を躊躇するくらいですから、ちょっとした不調なら治療が必要であったとしても、自己判断で様子をみて発見が遅れる懸念があります。薬局薬剤師としては、受診控えで患者さんが変調を来していないかをいつもより注意深くヒアリングすべきだと思います。複数の医療機関を受診している患者さんには受診状況を確認するなど、治療が必要な人にはきちんと受診してもらうように声掛けしてみるのもよいでしょう。OTC薬を購入しに来た方にも必要に応じて受診勧奨し、その際に近隣の医療機関のオンライン診療の実施有無を調べて情報提供してもいいかもしれません。また、冒頭の日本保険薬局協会のアンケートでは、「処方箋が長期化傾向にあるにもかかわらず、分割調剤は進んでいない」という結果もありました。長期処方が増えるのであれば、分割調剤によって薬剤師が患者さんの経過確認をする意義も増えます。患者さんのサポートができることを積極的に医師に伝え、分割調剤を提案してはいかがでしょうか。

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第13回 抗がん剤の仕事場となる核内集落~COVID-19薬を撃ち込むべき集落も発見か

サラダドレッシングの油滴のように、周囲とは一線を画す核内のタンパク質凝集体―いわば分子の集落(condensate)が、抗がん剤シスプラチンの仕事場の役割を担い、その集落を崩壊させると同剤の効果もまた失われると分かりました1-3)。シスプラチンの仕事場を担う分子集落は、がん誘発遺伝子に主に関与するタンパク質MED1によって形成されます。シスプラチンはMED1が形成する核内集落に蓄積して、がん細胞を殺傷するためDNAへの白金原子付加に作用しますが、その作用はBRD4阻害薬JQ.1でMED1集落をばらすと失われました。MED1の核内集落は場合によっては逆に抗がん剤を効き難くもします。乳がん治療薬タモキシフェンはシスプラチンと同様にMED1集落に集まってエストロゲン受容体α(ERα)を締め出しますが、MED1過剰発現のせいでMED1集落が大きくなりすぎるとタモキシフェンが薄まってERαを締め出せなくなってしまいます。そのように抗がん剤にとって分子集落はときに諸刃の剣になるようですが、作用がどうなるかは別にして分子集落への蓄積は抗がん剤に共通する特徴のようです。米国・Whitehead Instituteで働く今回の研究のリーダーRichard Young氏等が調べた抗がん剤はどれも細胞内集落に集まりました4)。研究者は次の課題として薬が分子集落に集まる仕組みの解明に取り組んでいます。その法則が分かれば低分子化合物を目当ての場所に集中させることができます。Young氏の指揮の下で今回の成果を手にしたIsaac Klein氏をはじめとする研究チームは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にも2か月ほど前から取り組んでおり、まだ発表前ですが、その原因ウイルスSARS-CoV-2の複製装置であるタンパク質3つが、治療薬を吸収して濃縮しうる細胞内集落を形成することを発見しています4)。この発見により、ウイルス複製の場であるその集落に集まってRNA複製を阻害する低分子化合物探しを始めることが可能になりました。2018年にYoung氏は今回の研究の著者の1人でもあるドイツ・Max Planck Instituteの細胞生物学者Anthony(Tony) Hyman氏と一緒に、ボストンにDewpoint Therapeuticsを設立しました。Dewpoint社は病因の細胞内集落を崩壊させるあるいはそのような集落に蓄積する薬の開発に取り組んでいます。Dewpoint社の最高科学責任者(CSO)Mark Murcko氏は、これからは細胞内集落を無視した創薬はありえないとNatureに話しています。一方、細胞内集落の過信を危ぶむ研究者もいます。細胞内集落は体外でのみ観察される現象かもしれず、そこに投下する薬探しに熱中することはちょっと心もとない(bit of a house of cards)とカリフォルニア大学バークレー校の生化学者Robert Tjian氏は言っています。参考1)Klein IA,et al.Science.2020;368:1386-1392.2)How cancer drugs find their targets could lead to a new toolset for drug development / Eurekalert3)Viny AD,et al.Science.2020;368:1314-1315.4)How cells’ ‘lava lamp’ effect could make cancer drugs more powerful / Nature

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NSCLC1次治療、ニボルマブ・イピリムマブ併用の3年観察結果(Checkmate-227)/ASCO2020

 米国・エモリー大学のSuresh S. Ramalingam氏はNSCLCに対する1次治療としての抗PD-1抗体ニボルマブと抗CTLA-4抗体イピリムマブの併用療法と化学療法(プラチナダブレット)との比較第III相試験・Checkmate-227 Part1の3年観察結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表。ニボルマブ・イピリムマブ併用療法は化学療法と比較してPD-L1発現の有無にかかわらず長期の効果を示したと報告した。・対象:未治療のPD-L1発現1%以上(Part1a)および1%未満(Part1b)のStageIVまたは再発NSCLCの初回治療患者(PS 0~1、組織型問わず)・試験群:ニボルマブ+イピリムマブ群(NIVO+IPI群)     ニボルマブ単剤群(TPS1%以上)(NIVO群)     ニボルマブ+化学療法群(TPS1%未満)(NIVO+Chemo群)・対照群:化学療法(組織型により選択)単独(Chemo群)・評価項目:[複合主要評価項目]高TMB(≧10/メガベース)患者におけるNIVO+IPI群対Chemo群の無増悪生存期間(PFS)、PD-L1発現(≧1%)患者におけるNIVO+IPI群対Chemo群の全生存期間(OS)[副次評価項目]高TMB(≧13/メガベース)かつPD-L1発現(TPS1%以上)患者におけるNIVO群対Chemo群のPFS、高TMB(≧10/メガベース)患者におけるNIVO+Chemo群対Chemo群のOS、PD-L1なしまたは低発現(TPS1%未満)患者におけるNIVO+Chemo群対Chemo群のPFS、そのほか奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・PD-L1発現1%以上の患者での3年OS率は、NIVO+IPI群が33%、NIVO群が29%、Chemo群が22%であった(NIVO+IPI群のChemo群に対するハザード比[HR]:0.79、95%信頼区間[CI]:0.67~0.93、NIVO群のChemo群に対するHR:0.90、95%CI:0.77~1.06)。・PD-L1発現1%未満の患者での3年OS率は、NIVO+IPI群が34%、NIVO+Chemo群が20%、Chemo群が15%であった(NIVO+IPI群のChemo群に対するHR:0.64、95%CI:0.51~0.81、NIVO+Chemo群のChemo群に対するHR:0.82、95%CI:0.66~1.03)。・PD-L1発現1%以上の患者での3年PFS率は、NIVO+IPI群が18%、NIVO群が12%、Chemo群が4%であった(NIVO+IPI群のChemo群に対するHR:0.81、95%CI:0.69~0.96、NIVO群のChemo群に対するHR:0.97、95%CI:0.83~1.15)。・PD-L1発現1%未満の患者での3年PFS率は、NIVO+IPI群が13%、NIVO+Chemo群が8%、Chemo群が2%であった(NIVO+IPI群のChemo群に対するHR:0.75、95%CI:0.59~0.95、NIVO+Chemo群のChemo群に対するHR:0.73、95%CI:0.58~0.92)。・PD-L1発現1%以上の患者での3年奏効率(ORR)は、NIVO+IPI群が38%、NIVO群が32%、Chemo群が4%であった。・PD-L1発現が1%未満の患者での3年ORR率は、NIVO+IPI群が34%、NIVO+Chemo群が15%、Chemo群が0%であった。・PD-L1発現1%以上の患者でのDoR中央値は、NIVO+IPI群が23.2ヵ月(95%CI:15.2~32.2)、NIVO群が15.5ヵ月(95%CI:12.7~23.5)、Chemo群が6.7ヵ月(95%CI:5.6~7.6)であった。・PD-L1発現1%未満の患者でのDoR中央値は、NIVO+IPI群が18.0ヵ月(95%CI:12.4~33.0)、NIVO+Chemo群が8.3ヵ月(95%CI:5.9~9.4)、Chemo群が4.8ヵ月(95%CI:3.7~5.8)であった。・Part 1aとPart 1bを統合した有害事象発現率はNIVO+IPI群が77%、Chemo群が82%、うちGrade3以上はそれぞれ33%、36%であった。 Ramalingam氏は、「免疫チェックポイント阻害薬の併用療法は、進行性NSCLCの1次治療での化学療法の頻度を減らしうる新規のオプションになる」との見通しを示した。

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ラコサミドに点滴静注100mgが登場/ユーシービージャパン

 ユーシービージャパン株式会社は、6月11日に抗てんかん剤ラコサミド(商品名:ビムパット点滴静注100mg)を新発売した。 てんかんは、全世界で約6,500万人、わが国には約100万人の患者数が推定され、毎年57,000人が新たにてんかんを発症している。患者の大部分が長期的な薬物療法を必要とするが、既存の抗てんかん薬を使用しても、30%を超える患者がてんかん発作を十分にコントロールできていないとの報告もあり、てんかん治療ではアンメット・ニーズが高い。 今回発売されたラコサミドは、電位依存性ナトリウムチャネルの緩徐な不活性化を選択的に促進することにより、神経細胞の過剰な興奮を低下させる薬剤1)。2016年7月に成人の「てんかん患者の部分発作に対する併用療法」で製造販売承認を取得後、成人の「てんかん患者の部分発作に対する単剤療法」(2017年8月)、4歳以上の小児てんかん患者の部分発作に対する併用療法及び単剤療法に係る新用量(2019年1月)、ドライシロップと点滴静注(2019年1月)とそれぞれ追加承認されている。 ビムパット点滴静注100mgは、一時的に経口投与ができない患者への部分発作(二次性全般化発作を含む)の治療に対し承認されている先行の「同点滴静注200mg」の充填量を半量とした製剤。1回の投与で使い切ることができ、同社では「錠剤とドライシロップ10%、点滴静注200mgに加え、点滴静注100mgを追加することで、患者や医療関係者に一層貢献できる」と期待を寄せている。ビムパットの概要商品名:ビムパット点滴静注100mg一般名:ラコサミド効能または効果:一時的に経口投与ができない患者における、下記の治療に対するラコサミド経口製剤の代替療法てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)用法・ラコサミドの経口投与から本剤に切り替える場合:通常、ラコサミド経口投与と同じ1日用量および投与回数にて、1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。・ラコサミドの経口投与に先立ち本剤を投与する場合:成人:通常、ラコサミドとして1日100mgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけて増量し、維持用量を1日200mgとするが、いずれも1日2回に分け、1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。小児:通常、4歳以上の小児にはラコサミドとして1日2mg/kgより投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけて1日用量として2mg/kgずつ増量し、維持用量を体重30kg未満の小児には1日6mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児には1日4mg/kgとする。いずれも1日2回に分け、1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ用法・用量を用いる。いずれの場合においても、症状により適宜増減できるが、1日最高投与量および増量方法は以下のとおりとする。成人:1日最高投与量は400mgを超えないこととし、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として100mg以下ずつ行う。小児:4歳以上の小児のうち体重30kg未満の小児では1日12mg/kg、体重30kg以上50kg未満の小児では1日8mg/㎏を超えないこととし、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として2mg/kg以下ずつ行う。ただし、体重50kg以上の小児では、成人と同じ1日最高投与量および増量方法とする。製造販売承認日:2020年1月27日薬価基準収載日:2020年5月27日薬価:ビムパット点滴静注100mg 1瓶2,459円発売日:2020年6月11日製造販売元:ユーシービージャパン株式会社販売元:第一三共株式会社

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オリゴ転移乳がんの生存延長に最善の治療を検討

 中国・Chinese Academy of Medical Sciences and Peking Union Medical College のBo Lan氏らの研究から、頭蓋外オリゴ転移乳がんの予後は比較的良好であり、転移病変の外科的切除が無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を大きく改善する可能性が示された。International Journal of Cancer誌オンライン版2020年6月14日号に掲載。 本研究では、頭蓋外オリゴ転移の臨床的特徴と予後因子および最善の治療方法を特定することを目的に、2009~14年、中国・National Cancer Centerで頭蓋外オリゴ転移乳がんと診断された術後入院患者50例を対象に調査した。オリゴ転移乳がんは、転移病変が3個以下で1つの臓器に限局している転移乳がんと定義し、de novo StageIVと局所再発は除外した。 主な結果は以下のとおり。・PFS中央値は15.2ヵ月、OS中央値は78.9ヵ月、2年PFS率は40%、5年OS率は58%であった。・標準全身治療+転移病変すべての外科的切除による1次治療が、PFS延長(ハザード比[HR]:0.32、95%信頼区間[CI]:0.14~0.73、p=0.006)およびOS延長(HR:0.35、95%CI:0.14~0.86、p=0.022)の独立した予後因子であった。・サブグループ解析により、無病期間が24ヵ月以上、転移病変が1つのみ、ホルモン受容体陽性の症例で切除が有用な可能性が高いことが示された。

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DAPA-HF試験の新データをADAで発表/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、2020年6月12日から開催された第80回米国糖尿病学会オンライン学術集会において、主要第III相試験である“DAPA-HF試験”および“DECLARE-TIMI58試験”の新たなデータを発表した(本集会では4つの口頭発表を含む23の演題が採択された)。心血管、腎、代謝領域の治療開発に向けて 発表された主なハイライトは次のとおり。(1)DAPA-HF試験・DAPA-HF試験のデータに関する口頭発表: 左室駆出率が低下した心不全患者における2型糖尿病新規発症率に対するダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)の効果(抄録#271-OR)・DECLARE-TIMI58試験の新たなサブ解析の口頭発表: 心血管疾患の既往もしくは心血管疾患リスクの増加した2型糖尿病患者さんにおける急激な腎機能低下に対するダパグリフロジンの効果(抄録#303-OR)・DAPA-HF試験の解析: 2型糖尿病に対する基礎治療がダパグリフロジンによる心不全治療の効果に影響を与えるかについての検討(抄録#1112-P)(2)DISCOVER試験・国際的リアルワールド観察研究であるDISCOVER試験の新たな解析についての口頭発表: 血糖降下薬による2次治療を開始する2型糖尿病患者さんにおける健康関連QOLに影響を及ぼす因子について(抄録#40-OR)(3)EXSCEL試験・エキセナチド(商品名:ビデュリオン)週1回投与のeGFRスロープとベースラインUACRの関数としてのUACRに対する効果: EXSCEL試験の事後解析(抄録#958-P)(4)Cotadutide・GLP-1とグルカゴン受容体デュアルアゴニストであるcotadutide(開発中)における新たな第II相試験データの口頭発表: 2型糖尿病患者さんの血糖値および肝臓脂肪・肝臓グリコーゲン貯蔵量に対する好ましい影響について(抄録#354-OR)(5)THEMIS試験・THEMIS試験における糖尿病関連因子のサブグループ解析: 冠動脈疾患を合併する2型糖尿病患者のチカグレロル(商品名:ブリリンタ)による治療結果における、2型糖尿病の罹病期間、ベースラインHbA1c値、基礎治療の血糖降下薬が及ぼす影響(抄録#403-P)(6)その他・18カ国の医師1,600名以上を対象に、2型糖尿病患者の初期治療およびクリニカルイナーシャ(患者さんが治療目標に達していないのに適切な治療が行われていない状態)を調べた国際調査の結果(抄録#1188-P)

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日本における抗精神病薬の使用調査~JMDC Claimsデータベース

 日本における臨床ガイドラインとヘルスケアの実践とのギャップを明らかにするため、大阪医科大学附属病院のHata Takeo氏らは、抗精神病薬の使用状況について調査を行った。Journal of Psychiatric Research誌オンライン版2020年5月13日号の報告。 2005~16年のJMDC Claimsデータベースよりデータを使用した。ATC分類でN05Aと分類された薬剤を抗精神病薬として定義した。抗精神病薬を処方された患者数に基づき、年間変化率を算出した。 主な結果は以下のとおり。・408万1,102人のデータベースより、除外基準(抗精神病薬未使用、処方日または用量のデータなし、入院患者、抗精神病薬の頓服処方、長時間作用型[LAI]を除く抗精神病薬注射剤のみの処方、主疾患が統合失調症以外、クロルプロマジン換算75mg/日未満、18歳未満)に該当した患者を除く1万2,382人のデータを抽出した。・第2世代抗精神病薬の使用が増加しており、第1世代抗精神病薬の使用は減少していた。・2016年の時点で、最も処方された抗精神病薬はアリピプラゾール(31.9%)であった。・クロザピンの処方率は、0.2%であった。・LAIが処方された割合は、5%未満であった。 著者らは「日本の統合失調症に対する抗精神病薬の使用は、さまざまな臨床ガイドラインに対応しているが、クロザピンおよびLAIの使用は限定的であった。活用が不十分なこれらの抗精神病薬の処方に影響する要因に焦点を当てた研究が、統合失調症に対する薬理学的治療の進歩に役立つであろう」としている。

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武漢に派遣の医療者、PPE適切使用で新型コロナ感染せず/BMJ

 中国・中山大学附属第一病院のMin Liu氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行期の武漢市の病院に、広州市の病院から派遣された医療従事者を対象に感染状況の調査を行った。その結果、派遣中にCOVID-19関連症状を発症した者はなく、広州市へ帰還後の検査でも全員が、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)陰性であった。これは、適切な個人用防護具(PPE)の使用によるものと考えられるという。研究の成果は、BMJ誌2020年6月10日号に掲載された。武漢市では、SARS-CoV-2感染爆発の早期には、医療従事者の感染頻度がきわめて高く、その主な原因は、不適切な個人用防護具の使用とされている。2つの病院から派遣された医療従事者の横断研究 研究グループは、COVID-19患者の治療に最前線で携わる医療従事者において、適切な個人用防護具の使用による保護効果を検証する目的で、横断研究を行った(中国中山大学附属第一病院の助成による)。 対象は、2020年1月24日~4月7日の期間中に、6~8週間にわたり、広州市の2つの病院(中山大学附属第一病院、南方医科大学南方医院)から武漢市に派遣された医療従事者420人(医師116人、看護師304人)であった。これらの研究参加者は、COVID-19で入院した患者に医療を提供するために、適切な個人用防護具を支給され、検査や処置がエアロゾルを発生させる手技(aerosol generating procedures:AGP)に携わった。 さらに、抗体検査の精度を検証するために、COVID-19への曝露歴のない医療従事者77人と、COVID-19から回復した患者80例が登録された。データの収集には、オンライン質問票が用いられた。 主要アウトカムは、COVID-19関連症状(発熱、咳、呼吸困難)およびSARS-CoV-2感染のエビデンス(鼻咽頭拭い液中のウイルス特異的核酸が陽性、または血清検体中のIgM/IgG抗体が陽性)とした。個人用防護具の調達と配布を優先、十分な訓練が必要 420人の医療従事者の平均年齢は35.8歳で、女性が68.1%(286/420人)であった。67.6%が、集中治療、呼吸器、感染症以外の専門科に所属していた。これらの参加者には、標準化された個人用防護具(防護服、マスク、グローブ、ゴーグル、フェイスシールド、ガウンなど)が支給された。 全員が武漢市の最前線の4つの病院で、重症または重篤なCOVID-19患者の治療に当たった。救急医療を必要とする患者が80%以上で、10~15%は機械的換気を要した。参加者は、週に平均5.4日、4~6時間の交代勤務で働き、集中治療室(ICU)の勤務時間は週に平均16.2時間だった。 420人の参加者全員がCOVID-19患者と直接接触し、少なくとも1回、AGP(気管挿管、非侵襲的な機械的換気、胃内挿管、痰の吸引、エアロゾル吸入、気管切開術、切開された気管の治療、咽頭拭い液の採取、口腔ケアなど)を行った。 6~8週の派遣期間中に、COVID-19関連症状を報告した参加者は1人もいなかった。また、武漢市から自宅へ戻ってからの逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査では、すべての参加者でSARS-CoV-2特異的核酸が陰性で、血清検査ではIgG抗体およびIgM抗体が陰性(95%信頼区間:0.0~0.7%)であった。 COVID-19への曝露歴のない医療従事者77人では、SARS-CoV-2への血清反応は認められず、COVID-19から回復した患者80人の血清検査では、SARS-CoV-2のIgM抗体またはIgG抗体のいずれかの力価が高かった。 著者は、「SARS-CoV-2への曝露のリスクが高いにもかかわらず、参加者は適切に保護されており、SARS-CoV-2感染はなく、防御免疫の発現も認めなかった」とまとめ、「保健システムにおいては、個人用防護具の調達と配布を優先し、その使用について十分な訓練を行う必要がある」としている。

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第12回 新型コロナ接触確認アプリ(COCOA)利用開始、DLは240万件超

<先週の動き>1.新型コロナ接触確認アプリ(COCOA)利用開始、DLは240万件超2.唾液で新型コロナウイルスの抗原検査が可能に3.初の“デジタル薬”? 禁煙治療アプリが承認4.厚労省が医療人材の求人情報サイト「医療のお仕事 Key-Net」を開設5.医師の時間外労働「年960時間+別枠420時間」を提言(日本医師会)1.新型コロナ接触確認アプリ(COCOA)利用開始、DLは240万件超厚生労働省は、新型コロナウイルスに感染した人と濃厚接触した疑いがある場合に通知を受けられるスマートフォン向けのアプリを、19日午後、インターネット上に公開した。このアプリを事前にダウンロードし、Bluetoothをオンにしておくことにより、15分以上1メートル以内の距離にいる場合、接触した相手として記録する。アプリは21日17:00時点で約241万回ダウンロードされており、14日経過するとデータの記録を消去するなど、個人のプライバシー保護に配慮したものとなっている。(参考)新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application(厚労省)2.唾液で新型コロナウイルスの抗原検査が可能に加藤 勝信厚生労働大臣は、19日の会見で、唾液を使った新型コロナウイルス抗原検査についての検査試薬が承認されたことを明らかにした。痛みもなく、採取時に医療従事者の感染リスクも少なく、約30分で判定が可能となっている。感度はPCR検査と同程度とされており、PCRを補完するものとして期待されている。ただし、専用の機器が必要であり、現在対応できる検査機器は約800台と限りがある。今後、全国の医療機関での導入が進むかは予算措置などにもよると考えられる。(参考)全自動検査機器における新型コロナウイルス抗原検査試薬製造販売承認の取得について(みらかグループ)3.初の“デジタル薬”? 禁煙治療アプリが承認19日に開催された第2回 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会)において、ニコチン依存症治療アプリが医療機器として承認されることが了承された。このアプリは、禁煙外来に受診している紙巻きタバコを吸っている人が対象で、禁煙治療薬と併用する。禁煙指導患者に対して、禁煙の継続率を高めるために医師が処方するもので、医療機器として申請されており、日本国内で初めて承認された。今後、高血圧や糖尿病といった生活習慣病に対する治療アプリ利用が国内で増えるきっかけとなる可能性が高い。(参考)医師が処方する「治療用アプリ」として国内初の薬事承認へ(CureApp)第2回 薬事・食品衛生審議会(医療機器・体外診断薬部会)議題(厚労省)4.厚労省が医療人材の求人情報サイト「医療のお仕事 Key-Net」を開設新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療人材不足に対して、厚労省は19日に、医療人材募集情報と求職者のマッチングを行うウェブサイト「医療のお仕事 Key-Net」を開設した。すでにサイトは一般に公開されており、全国の医療機関・保健所などの人材募集情報が掲載されている。医療機関などへの問い合わせや応募、面接までオンラインで完結するが、本サイトを通じて採用する者に対しては、厚労省の提示する研修(無料・数時間程度)を受講することが条件となっている。対象職種は、医師、保健師、助産師、看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士、薬剤師、救急救命士および事務職。(参考)医師・看護師・医療人材の求人情報サイト「医療のお仕事 Key-Net」の開設について(厚労省)5.医師の時間外労働「年960時間+別枠420時間」を提言(日本医師会)日本医師会は、17日の記者会見において「医師の特殊性を踏まえた働き方検討委員会」(委員長:岡崎 淳一元厚生労働審議官)が作成した答申を公表した。これによると、2024年度から開始予定の「罰則付き」時間外の上限時間の適用を猶予する内容である。実施に当たっては、大学附属病院の診療科によっては960時間が適用される場合があり、960時間では地域医療の支援は不可能となることなどから、地域医療支援機能を維持するために、960時間が上限の場合には、副業・兼業のために別枠として1週あたり8時間、年間420時間まで認める制度を導入する必要があるとされる。実施に当たって、対応が間に合わない部分については医療機関の判断に任せることを提言した。(参考)「医師の特殊性を踏まえた働き方検討委員会 答申」(日本医師会)

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ウォーキングデッド【この世界観だからこそわかる!「コロナ不安」への処方せん】

今回のキーワード回避強迫同調セロトニンマインドフルネスアクセプタンス&コミットメント・セラピー新型コロナウイルスのパンデミックによって、「パニック買い」や「感染者叩き」が起こるなど、世の中は不安が増しています。それにしても、不安とは何でしょうか? なぜ不安になるのでしょうか? そもそもなぜ不安は「ある」のでしょうか? そして、不安にどうすれば良いでしょうか?これらの答えを探るために、今回は、海外ドラマ「ウォーキングデッド」を取り上げます。このドラマを通して、不安を精神医学的に、そして進化心理学的に掘り下げます。そして、「コロナ不安」への心のあり方を一緒に探っていきましょう。不安とは?舞台は、ゾンビに噛まれればゾンビになってしまうという、ゾンビだらけの荒廃した世界。そんな極限状況の中で生き残っている主人公のリックは、妻子と仲間の数人とともに、安住の地を求めて旅を続けます。彼らは常に不安と隣り合わせです。不安とは何でしょうか? 不安とは、究極的には生存を脅かすことへの感情、つまり生存本能そのものと言えます。ここから、仲間の1人でリックの元同僚のシェーンの行動を通して、不安の心理を3つ挙げてみましょう。なお、登場人物たちの言い回しに合わせて、今後はゾンビを「ウォーカー」と表記します。(1)危険を避ける-回避シェーンは、はぐれた仲間を助けに行くかの決断に迫られた時、毎回、動かないことを主張し、リックと対立します(シーズン1第3話)。1つ目は、危険を避けることです。不安の対象を回避すれば、その不安を感じなくてすむからです。精神医学的に言えば、不安症の回避行動に当てはまります。実際には、コロナ危機の中、感染を避けようと外出や人との接触をしないようにすることが当てはまります。(2)危険にとらわれる-強迫シェーンは、農場にとどまっている時、農場主(ハーシェル)が納屋にウォーカーと化した家族たちをかくまっていることについに耐えられなくなり、リックたちの制止を振り切って、次々と撃ち倒します(シーズン2第7話)。2つ目は、危険にとらわれることです。危険は基本的には避ければいいだけのはずです。しかし、身近に迫っている場合は、それにとらわれてしまい、何とか解消しようとします。精神医学的に言えば、強迫症の強迫行為に当てはまります。実際に、コロナ危機の中、感染が迫っていることにとらわれてずっと手洗いをしたり(不潔恐怖)、PCR検査をしようと病院をはしご(ドクターショッピング)したり(不完全恐怖)、食料や生活用品が足りなくなることにとらわれて買いだめをすることが当てはまります(不足恐怖)。(3)誰かのせいにする-同調シェーンは、グループがピンチになるたびに、誰かのせいにしています。リックのリーダーシップによってグループが危険にさらされていると感じて、最終的にリックを殺そうとします(シーズン2第12話)。3つ目は、誰かのせいにすることです。彼は、自分と自分が大切だと思っている人(ローリとカール)だけが生き残ることを最優先にしています。そのために良かれと思って行動しており、彼なりの信念があり、生存本能が強いとも言えます。しかし、言い換えれば、そこに良心や理性はありません。意見が合わなければ、自分が身を引いて、グループを離れればいいだけの話なのに、彼は自分こそがリックに代わってリーダーになるべきだと思い上がった正義感があります。精神医学的に言えば、解離症の同調(排他性)に近いです。実際に、コロナ危機の中、「感染者叩き」やヘイトスピーチのような犯人探しが当てはまります(スケープゴート)。 なぜ不安になるの?シェーンは、回避、強迫、同調の心理から、とても不安が強まっていることが分かります。そして、不安から、利己的、独断的、干渉的になっています。一方のリックは、そこまで不安を感じておらず、対照的に利他的、民主的、自由主義的です。この2人は、もともと親友だったのにもかかわらず、真っ向から対立していきます。それでは、なぜシェーンは不安になり、リックは不安にならなかったのでしょうか?ここから、不安の心理の要因を2つに分けてみましょう。(1)遺伝1つ目は、遺伝です。不安の感じやすさの器質は、脳内のセロトニンの量と関係していることが指摘されています。セロトニンは、その「リサイクルポンプ」(セロトニントランスポーター)が働くことによって、常に使い回されています。このセロトニントランスポーターの密度が低い、つまり働きが悪い遺伝子タイプ(SSタイプ)と密度が高い遺伝子、つまり働きが良い遺伝子タイプ(LLタイプ)の違いによって、そもそも生まれつきで不安の感じやすさに違いがあることが分かっています。(2)環境2つ目は、環境です。とくに、生育環境で、親子関係(愛着形成)がもともとうまく行っていない場合は、不安になりやすいことが指摘されています。また、危機的状況(ストレス)に曝され続けることによって、不安を感じやすくなることも分かっています。ちなみに、ドラマのシーズンが進む途中、リックは一時期シェーンっぽくなっていました。 なぜ不安は「ある」の?不安は、遺伝と環境によって、感じやすくなることが分かりました。それでは、そもそもなぜ不安は「ある」のでしょうか? ここから、不安の起源を3つの段階に分けて、進化心理学的に掘り下げてみましょう。(1)身を守る-回避約5億年前に魚類が誕生してから、海の中を動き回るようになりました。その時、自分より大きな魚などの天敵に食べられないようにするために、扁桃体が進化しました。そして、天敵が近くにいると分かったら、扁桃体のセンサーが反応し警戒して、逃げるようになりました。これが不安の起源です。1つ目は、天敵から身を守ることです(回避)。ちなみに、体内の二酸化炭素の濃度が上がると、それを感知する窒息センサーも進化しました。これがパニック発作(不安発作)の起源です。(2)縄張りを守る-強迫その後に、魚類は、自分の縄張りを持つようになりました。そこは食料があり、安全で安心の場所です。逆に、そこから出てしまうと危険ですので警戒するよう進化しました。これが広場恐怖の起源です。また、縄張りができてから、ライバルに侵入されて縄張りや資源を横取りされないように、縄張りを行ったり来たりする反復行動をするように進化しました。これが強迫の起源です。2つ目は、天敵から縄張りを守ることです(強迫)。なお、広場恐怖は縄張りから出て行くことへの不安ですが、強迫は縄張りに入って来られることへの不安と言えます。(資源の横取り)(3)仲間を守る-同調約2億年前に哺乳類が誕生してから、ネズミのように動き回ることができるようになりました。この時、高いところから落ちてしまわないように恐怖を感じるように進化しました。これが高所恐怖の起源です。また、爬虫類などに食べられないように恐怖を感じるように進化しました。これが動物恐怖の起源です。約700万年前、ついに人類が誕生して、300~400万年前にアフリカの森からサバンナに出ました。そして、猛獣から身を守り、限られた食料を分け合って、家族同士が血縁関係で助け合うことで村をつくりました。この時、周りとうまくやっていこうとする社会脳が進化しました。そして、周りに受け入れられないことへの不安を感じるようにも進化しました。これが社交不安の起源です。同時に、村(集団)にとって危険になりうる人を一緒になって排除する心理も進化しました。これが、同調(排他性)の起源です。3つ目は、同じ気持ちで仲間を守ることです(同調)。なお、回避や強迫は個人的な不安ですが、同調は集団的な不安と言えます。不安にどうすればいいの?不安は、身を守る、縄張りを守る、集団を守るという種の生存のために必要だから、そもそも「ある」と言えます。この点を踏まえて、不安にどうすれば良いでしょうか? 不安を感じにくいリックの行動から、不安への対策を3つ挙げてみましょう。(1)不安を俯瞰するリックは、たまたま通りかかった教会で、イエスキリスト像に向かって「俺は信心深くないけど」「俺の行動が正しいと何かサインをくれよ」と語りかけています(シーズン2第1話)。彼は、イエスの視点を通して、自分自身を冷静に見つめているとも言えます。一方のシェーンは、不安に圧倒されて、いつも落ち着かない表情をしています。1つ目は、不安を俯瞰することです。不安に圧倒されると、不安になること自体に不安になります(予期不安)。そうではなくて、不安になっている自分自身の心を客観視して、不安に対して自分ができる行動を冷静に考えることです。これは、マインドフルネスというセラピーに通じます。(2)不安を共有するリックは、妻に心の内を明かし、農場主(ハーシェル)と前向きな話し合いをしようとしています(シーズン2全般)。一方、シェーンは不平不満ばかり言い、孤立しています。2つ目は、不安を共有することです。そして、ネガティブな過去の断罪ではなく、ポジティブな未来の提案をして、仲間としてお互いに勇気付け合うことです。これは、自助グループなどの集団セラピーに通じます。(3)不安を超越するリックは、「俺の信念は、1番は家族、仲間、そして仕事(役割)だ」と語るシーンがあります(シーズン2第1話)。シーズンが進むと、彼は、より多くの人の幸せや次世代の幸せに思いを馳せるようになります(シーズン9第5話)。一方のシェーンは、最後まで自分のことしか考えていませんでした。3つ目は、不安を超越することです。不安は不安として抱えつつ、何に不安を感じているかを通して、自分はどうなりたいかに気付くことです。すると、不安ではないことに目を向けることになり、結果的に不安にとらわれなくなります。これは、アクセプタンス&コミットメント・セラピーに通じます。 「コロナ不安」への心のあり方は?「ウォーキングデッド」の世界観は、まさに原始の時代に通じるものがあります。それは、不確かなことが多く、不安に圧倒される世界です。そして、それは現在のコロナ危機にも通じます。人間はそもそも不安を感じるようにできています。よくよく考えてみれば、コロナ以前の私たちは何も不安を感じずに幸せだったでしょうか? やはり何かしらの不安があったでしょう。逆に言えば、コロナ危機というはっきりとした不安がある今だからこそ、不安を俯瞰し共有し超越することを通して、自分はどう生きていきたいかという本心に気付くチャンスなのではないでしょうか? ■参考スライド【不安症、強迫症】2020年■関連記事アビエイター【強迫性障害】美女と野獣【実はモラハラしていた!? なぜされるの?どうすれば?(従う心理)】苦情殺到!桃太郎(後編)【なんでバッシングするの?どうすれば?(正義中毒)】「ZOOM」「RE-ZOOM」【どうキレキレに冴え渡る?(マインドフルネス)】

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039)電カルに移行して気付く紙カルテの良さ【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第39回 電カルに移行して気付く紙カルテの良さしがない皮膚科勤務医デルぽんです☆先日、私の勤務先の病院にも、いよいよ電子カルテが導入されました。もちろん、それまでもオーダーや処方は電子運用でしたが、今回からは診療記録も同じく電子に。メーカーの人から操作方法を習い、半月経ってようやく入力に慣れてきたところです。電子カルテの診療記録に移行して、とくに感じることがひとつ。それは、視覚的な情報が圧倒的に減るということ。シェーマ(絵図)やスケッチなどを多用する皮膚科では、すべてが文字情報に置き換わることで、見た目からの情報が減ってしまうと感じています。もちろん、電子カルテにもシェーマを挿入する機能はあります。しかし、まずシェーマ編集画面を開き、目的のシェーマを呼び出すまでに数クリックのステップが必要で、ようやく編集できても、入力は当然マウス操作。カチッ(ツール選択)、カチカチッ(丸や線を引く)、カチッ(ツール切り替え)…と、時間はかかるわ、もどかしいわ。忙しい外来ではそこまでする余裕もなく、ついつい「眼周囲:紅斑(++)」などで済ませてしまいます。紙カルテだったら、患者さんと雑談しながら判子(はんこ)のひとつもポンと押して、簡単に手描きできるのに…。字体でその日のコンディションが読めたり、欄外に何げない小ネタを走り書きできたり、といったアナログ感が、今では恋しいです。一方、紙カルテは保管スペースやカルテ出しの人手が必要なので、その点では電子にかないませんけどね。代替案として、ペンタブレットでの入力や、手書きカルテのスキャン保存を提案したいところですが、費用・運用面での導入ハードルを考えると、なかなか難しいのかもしれません。マウス操作の上達が一番の近道…!?もう少しシェーマを出しやすくする方法がないか、試行錯誤してみます。それでは、また~!

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COVID-19、医療者の心を支えるオンライン会議ツールと市民の励まし【臨床留学通信 from NY】番外編6

COVID-19、医療者の心を支えるオンライン会議ツールと市民の励ましCOVID-19治療は依然として模索が続いています。当初使用していたヒドロキシクロロキンについてはネガティブデータが続いており、現状使用していません1,2,3)。アジスロマイシンも同様です。レムデシビルに関しては、トライアルベースでの使用に留まり、RCTに参加する必要があります。また当院では、シングルアームで回復期患者の血漿を使用したトライアルベースの治療を行っています。このほか、トシリズマブをオフラベルで使用しています。当院の関連病院であるMount Sinai Hospital(大学病院)ではMesenchymal stem cell treatmentをやっているようです4)。また、当院のプロトコールにおいては入院患者の中等度~重症例(低酸素血症またはD-dimer、Creatinine、CRP上昇例など)に対しては、アピキサバンや(低分子)ヘパリンを投与しています。実際に、Mount Sinaiのデータベースを使用した抗凝固療法を支持する後ろ向き研究のデータが出ていますが、RCTの結果が待たれますし、あくまで患者さんの出血のリスクとの兼ね合いとなります5)。いずれにせよ、確固たる治療法がない現状が続いています6)。今回のCOVID-19に関連して、途方もない数の方々が病院で亡くなりました。ニューヨーク州においては、5月30日現在で、約37万人の感染者と2万3,000人の死亡者、ニューヨーク市においては、20万の感染者に対し1万5,000人の死亡者でした。当初は、感染の危険性から死ぬ間際であっても面会を禁止していました。自らが感染するリスクを抱えるだけでもストレスでありましたが、まったくの孤独で亡くなる患者さん達を目の当たりにし、患者さんの家族には電話でしか伝えることができず、医療従事者の心身には想像以上の負荷がかかっていました。そのようなつらい状況下の医療従事者を、多くのニューヨーカーが称え、鼓舞してくれました。マンハッタンの日本料理屋などからfood donationをいただいたり7)、毎晩7時になると、市内のあちらこちらから拍手が起こったりして、心が温まります8)。依然として家族の面会は禁止のままですが、病院ではiPadを使用してZoomなどのテレビ通話アプリを介して患者さんと家族が会話できるよう環境を整え、亡くなる間際もZoomを利用して最期を迎えられるように行なっています。実際に、米国では家族が離れて暮らすことはよくあり、国内であっても飛行機で簡単に移動もできない現状もあり、そういった手段は非常に有用であると考えます。1)https://www.carenet.com/news/journal/carenet/501362)https://www.carenet.com/news/journal/carenet/501113)https://www.carenet.com/news/journal/carenet/500954)https://www.mountsinai.org/about/newsroom/2020/mount-sinai-leading-the-way-in-innovative-stem-cell-therapy-for-covid19-patients-pr5)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32387623/?from_term=jacc+fuster+covid&from_sort=date&from_pos=26)https://www.nejm.org/doi/pdf/10.1056/NEJMcp2009575?articleTools=true7)https://www.mifune-restaurant.com8)https://www.nytimes.com/interactive/2020/04/10/nyregion/nyc-7pm-cheer-thank-you-coronavirus.htmlColumn画像を拡大するこの写真は、文中でも触れたfood donationでいただいたものです。とくに右側に写っているマッシュルームスープは最高においしく、多くの治療や看取りに疲れ切った心身に染み入りました。予想もしなかった留学先でのCOVID-19は厳しい体験の連続ですが、人々の温かさを知る機会にもなりました。

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事例004 ヘモグロビンA1C測定の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説本例では、HbA1c測定が過剰を理由に査定となりました。審査結果理由に「糖尿病(関連病名含む)の疑いでHbA1cが連月算定されています。HbA1cは過去数ヵ月間の総合的血糖値を反映した数値を基に測定されるため、疑い患者(インスリン治療などを開始していないなど)については連月の算定は過剰と判断しますのでご留意願います」と記載がありました。診療録を確認すると連月の測定ではなく、前々月に測定していました。コンピュータ審査による縦列点検では、2ヵ月前でも連月の範囲であるとして、施行回数を過剰と判断されたものです。調べてみると、コンピュータ審査では、原則3月毎に1回しか認めらないものとされているようです。手軽な指標として毎月測定をしたいところですが、連月の実施が医学的に必要な場合は、その理由と検査値をレセプトに記載して審査支払機関の判断を仰ぐこととなります。なお、2020年度の改定では、例外的に精神疾患用薬のクロザピン(商品名:クロザリル)投与中であることがレセプト上でわかる場合のみ、連月の実施ができることになりました。

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PD-L1陽性肺がん1次治療、抗TIGIT抗体tiragolumabとアテゾリズマブの併用(CITYSCAPE)/ASCO2020

 スペイン・Hospital Universitario Insular de Gran CanariaのDelvys Rodriguez-Abreu氏は、PD-L1陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療に対する抗TIGIT抗体tiragolumabとアテゾリズマブ併用とアテゾリズマブ単剤を比較する無作為化二重盲検第II相試験CITYSCAPEの結果を米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表。tiragolumabとアテゾリズマブの併用はアテゾリズマブ単独と比較してITT集団での奏効率(ORR)の向上と無増悪生存期間(PFS)の延長が認められたと報告した。 TIGIT(T-cell immunoreceptor with immunoglobulin and ITIM domains)は細胞傷害性T細胞やナチュラル・キラー細胞上に存在する免疫チェックポイント受容体。がん細胞はTIGITと結合することで免疫の攻撃を回避していることがわかっている。TIGITの発現はPD-L1の発現に関連しているとされ、とくに肺の腫瘍浸潤T細胞で多く発現することがわかっている。tiragolumabは抗TIGITモノクローナル抗体で、アテゾリズマブを併用することで高い抗腫瘍効果を示す可能性があると考えられている。・対象:TPS1%以上のPD-L1陽性StageIV NSCLC初回治療患者 135例・試験群:tiragolumab+アテゾリズマブ3週ごと(tiragolumab群、67例)・対照群:プラセボ+アテゾリズマブ3週ごと(プラセボ群、68例) 両群とも投与期間は病勢進行(PD)あるいは臨床的メリットが失われるまで投与・評価項目:[主要評価項目]ORR、PFS[副次評価項目]奏効持続期間(DoR)、全生存期間(OS)、患者報告アウトカム(PRO) 主な結果は以下の通り。・ITT集団でのORR はtiragolumab群37%、プラセボ群21%であった。・TPS≧50%のORRはtiragolumab群66%、プラセボ群24%であった。・TPS1〜49%のORRはtiragolumab群16%、プラセボ群18%であった。・ITT集団でのPFS中央値はtiragolumab群5.55ヵ月、プラセボ群が3.88ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.58、95%信頼区間[CI]:0.38~0.89)。・TPS≧50%のPFS中央値はtiragolumab群評価不能、プラセボ群が4.11ヵ月であった(HR:0.30、95%CI:0.15~0.61)。・TPS1〜49%のPFS中央値はtiragolumab群4.04ヵ月、プラセボ群が3.58ヵ月であった(HR:0.89、95%CI:0.53~1.49)。・全有害事象発現率はtiragolumab群99%、プラセボ群96%、重篤な有害事象発現率はtiragolumab群37%、プラセボ群35%であった。 Abreu氏は、「ORR、PFSの改善効果はTPS発現が50%以上のPD-L1陽性でより大きなものとなった。tiragolumab群の忍容性は良好で、安全性プロファイルはプラセボ群と同様。免疫関連の副作用はtiragolumab群のほうで多かったが、そのほどんとがGrade1~2で管理可能だった」と評した。

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