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M-1グランプリ【実はボケってメンタルの症状!? 逆にネタから症状を知ろう!】Part 1

今回のキーワード笑う心理精神機能の異常非定型発達異変メタ認知緊張緩和皆さんは、お笑いが好きですか? 笑うと、すっきりしますよね。それにしても、お笑いって何でしょうか? なぜ笑ってしまうのでしょうか? そもそもなぜ笑いは「ある」のでしょうか? そして、笑いをどう生かしましょうか?実は、お笑いのボケは、その多くがメンタルヘルスで見られる症状に重なります。今回、そのパターンを、主にテレビ番組の「M-1グランプリ」でのネタを通して、精神医学的に分類し、ふだん馴染みにくいメンタルヘルスの症状をイメージアップしてみましょう。また、逆にまだネタになっていないメンタルヘルスの症状を探ってみましょう。さらに、笑う心理の要素を解き明かし、その起源を進化心理学的に掘り下げて、笑う意味を一緒に考えていきましょう。なお、お笑い芸人の表記は通称として、敬称は省略しています。 お笑いって何?お笑いネタのボケは、普通とは違うこと(異常)、まさに「おかしい」ことです。その「おかしさ」のパターンは、精神医学的に、大きく3つに分けられます。1.メンタル症状1つ目は、メンタル症状です(精神機能の異常)。これは、精神症候学的に、7つに分けられます。(1)言い間違い―記憶の異常・ナイツの「ヤホー漫才」(2008)ボケ:「ヤホーってサイトで調べてきたんですけど」ツッコミ:「ヤフーね。ヤフーって読むんだわ、あれ」ボケ:「ぼく、こうもん見えてもですね」ツッコミ:「『こう見えても』だろ。肛門見せちゃだめだよ」・サンドウィッチマン(2007)ボケ:(街頭アンケートで)「目のところに、こう、材木、入れますんで」ツッコミ:「モザイクね!」→語音の間違い(音韻性錯語)・ナイツ(2008)ボケ:「(宮崎駿は)世界でも3本の指が入る映画監督だと」ツッコミ:「指に!だよ」→「てにをは」の間違い(錯文法)・替え歌ひな祭り:「明かりをつけましょ爆弾に~♪お花をあげましょ毒の花~♪」→単語の間違い(意味性錯語)・ジャルジャル(2015)「なんぜやねん(なんでやねん)」「ちゃがうわ(違うわ)」「膝の峠越え」「子どもの小便百祟り」「雷坊主の添い寝節」などのありそうで聞いたことがない言い回しやことわざを使うボケ→新しく言葉を作る(語新作ジャルゴン) 「ゴトウ」「イントネーション」などの単語のアクセントを変える→アクセントの間違い(プロソディ障害)1つ目は、言い間違いです。これらのネタは、言葉が分からなくなる失語(言語障害)の症状としてまとめられ、認知症を代表とする記憶の異常に分類されます。逆に、この分類でまだお笑いネタになっていないと思われるのは、聞き間違い(感覚失語)、記憶違い(記憶錯誤)、もの忘れの帳尻合わせで新しく話を作る(作話)などが挙げられます。(2)見間違い―知覚の異常・モノボケバナナを耳に当てて「もしもし」と言う→見間違い(物体失認)ズボンを上着として着る→やり間違い(着衣失行)・ガレッジセール「こいつ(相方)、めっちゃビビリ。夜中に一緒に信号待ちしてて、後ろから誰かに見られてるって。『誰だ!』って振り向いたら、選挙ポスターだった」→見間違い(錯視)2つ目は、見間違いです。これらのネタは、見ることをはじめとして、ものごとが分からなくなる失認や錯覚などの知覚障害としてまとめられます。さらに、失認は、ものや体の動かし方が分からなくなる失行(運動障害)に発展します。認知症、不安症、統合失調症などの知覚の異常に分離されます。逆に、この分類でまだお笑いネタになっていないと思われるのは、見えないはずのものが見える(幻視)、幻聴の相手と会話する(対話性幻聴)、グロテスクな体感の異常(体感幻覚)などが挙げられます。(3)大げさ―意欲の異常・ヒロシ「俺より裕福なホームレスを知ってます 」「うちの子供もヒロシなのって言われても困ります」「触ってないのに手から草のにおいがします 」→自虐ネタ。自分はだめだと大げさに思い込んでいます(うつ状態)。・オリエンタルラジオの「武勇伝」ボケ:「カーナビの指示を全部無視♪」ツッコミ:「スゴい!お台場行くのに埼玉経由♪」ボケ「端から全裸で野球拳♪」ツッコミ:「スゴい!ただただ裸になりたいだけ♪」・クールポコフリ:「モテようとしてオートロックの部屋に住んでいる男がいたんですよ~」ボケ:「なあーにぃー?やっちまったなあ!!」ツッコミ:「男は黙って」ボケ:「南京錠!」→自賛ネタ。自分はすごいと大げさに思い込んでいます(躁状態)。しかし、実際は、武勇ならぬ無様(ぶざま)であったり、モテようとして逆にますますモテなくなるおかしさがあります。3つ目は、大げさです。これらのネタは、うつになったりハイテンションになっているのが特徴です。うつ病や双極性障害などの意欲の異常に分類されます。逆に、この分類でまだお笑いネタになっていないと思われるのは、ひきこもり(無為自閉)が挙げられます。(4)思い込み―思考の異常・チュートリアルの「妄想ネタ」(2006)フリ:「自転車のチリンチリンを盗られてんねん」ボケ:「大丈夫か、おまえ?」「いったん(漫才やめて)帰るか?」「ご両親に言うたんか?」「座れ、座れ」「おまえ、チリンチリン盗られてショックな顔して漫才しとるんか?」「どんな芸人魂やねん!」「無理するな」「強がらんでもええから」(ただならぬ表情で)→話の内容は、大変な被害に遭ったと思い込み(被害妄想)、壮大なストーリーができあがっています(妄想構築)。・鳥居みゆきのカルト芸全身白の服を着て、険しい表情で、「はい!趣味は!立ち飲み!ウォッカ!ジンジャ(神社)!モ・ス・ク!」「ショートコント。ゴルフ。おい、キャディ、パターをくれ。そうそうこの北海道パターを体全体にまんべんなく塗って」「アイアーン、アイアーンって、このバンカー!」「それっ!ヒットエンドラ~ン、ヒットエンドラ~ン。バッティングセンターでバ・ン・ト」と踊り叫び続けます。→話の形式は、語音が似ている以外、ほとんど脈絡がないです(滅裂)。4つ目は、思い込みです。これらのネタは、考えが不合理であったり、まとまっていないのが特徴です。統合失調症を代表とする思考の異常に分類されます。逆に、この分類でまだお笑いネタになっていないと思われるのは、無関係なことに関係があると思い込む勘ぐり(関係妄想)、すごい発明をしたと思い込む(発明妄想)、何となく不気味な気分になる(妄想気分)、回りくどい(迂遠)などが挙げられます。(5)気にしい―感情の異常・ブラックマヨネーズ(2005)吉田:「運命の人との最初のデートはどこに行く?」小杉:「ボウリングとかええんちゃう?」吉田:「でもなあ、ボウリングってなんか汚いイメージあるやろ」「靴とか使い回しやし、ボウリングの球とか誰が入れた穴か分からんやろ」→小杉の提案に対して、吉田が毎回、神経質に否定的な返答をします(全般不安)・プラスマイナス岩橋の「やってはいけないことをやってしまうクセ」・「笑ってはいけない」シリーズで、笑うと罰ゲームを受ける→やってはいけないと思うとついやってしまう(禁断的思考)5つ目は、気にしいです。これらのネタは、何かしらに気になっているのが特徴です。不安症や強迫症などの感情の異常に分類されます。逆に、この分類でまだお笑いネタになっていないと思われるのは、「鬼電」(見捨てられ不安)、パニック発作、フラッシュバック、抜毛症、美容整形マニア(醜形恐怖)、ゴミ屋敷(ため込み症)などが挙げられます。(6)キャラ立ち―自我意識の異常・フットボールアワー(2003)ボケ役の岩尾が個性的な運転手になりたいと言い、「そんなに東京駅に行きたいのかい?」「どうだい?アクセルを踏まれている気分はどんなだい?」と、SMプレイの女王様の口調で接客を続ける。・ライセンス(2006)「大人向けドラえもん」の設定のもと、「(テストで0点だったなんて)オー、ジーザス!」「そんな時は先生にこう言ってやるのさ」とアメリカンコメディ風のドラえもんを演じる。→キャラになりきる・トム・ブラウン(2018)ボケ:「(サザエさんに出てくる)あの中島くんを5人集めて合体させて、最強の中島くん、ナカジマックスを作りたいんですよ~」→変身・土佐兄弟「もしも兄弟が入れ替わったら」との設定の上、おもちゃの取り合いで、兄と弟のそれぞれの行動パターンに、「泣かんかい!」「逃げんかい!」などと相手の知らない戦略のツッコミを入れる。→入れ替わり6つ目は、キャラ立ちです。これらのネタは、何かになり替わり、自分が自分でなくなるのが特徴です。解離症や統合失調症などの自我意識の異常に分類されます。逆に、この分類でまだお笑いネタになっていないと思われるのは、幽体離脱(離人症)、記憶喪失(解離性健忘)、憑依(多重人格)、体が勝手に動く(作為体験)などが挙げられます。(7)シュール―意識の異常・POISON GIRL BAND(2004)ボケ:「中日の選手の帽子から出てくるのは、おっさんの頭だけなんだ」(中略)「で立浪の頭が出てきたら当たりね」ツッコミ:「当たり?当たりとかあんの?まあ2,000本ヒット打ってるから、立浪の頭が出てきたら当たりなのね」ボケ:「もう1回引いていいよ」ツッコミ:「もう1回引いていいの!?帽子を?」「まあ当たりだからね。もう1回引いて落合監督が出たら?」ボケ:「もう総取り。親の総取りだね」ツッコミ:「俺は親だったんだ」ボケ:「そう、12球団の」ツッコミ:「12球団の!?」「そういうゲームなの?選手たち、立ってんの?ここに?」ボケ:「そうそうそう」(背筋を伸ばすジェスチャー)→選手の帽子を取るというくじ引き、その景品が12球団という非現実的なゲームを当たり前のように話す・バカリズムの「都道府県」(教師の振る舞いで)「はい、先週は日本の都道府県について勉強しました。それでは、おさらいです」(都道府県の形のイラストを見せて)「ここはどこでしょうか? そうです。青森県です。総人口は…総面積は…本州の最北端に位置しており、リンゴの生産量が1位の県です。あと、持つとしたら」(下北半島を横からつかむイラストを見せて)「こうですね」「さあ、続いてはここはどこでしょうか? そうです。福井県です。…」と生真面目な表情で授業が淡々と進む。ツッコミなし。→都道府県の持ち方の解説という非現実的な授業をする7つ目は、シュールです。これらのネタは、ありえない設定や展開によって非現実的であるのが特徴です。せん妄などの意識の異常に分類されます。逆に、この分類でまだお笑いネタになっていないと思われるのは、初めての場所なのに来たことがある(デジャブ)などのタイムスリップ、もう一人の自分が別の場所にいる(ドッペルゲンガー)、母親が替え玉で本物の母は別にいる(カプグラ症候群)、駅前にもう1つ同じ自宅がある(重複記憶錯誤)などのパラレルワールドが挙げられます。次のページへ >>

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M-1グランプリ【実はボケってメンタルの症状!? 逆にネタから症状を知ろう!】Part 2

2.個性2つ目は、個性です(非定型発達)。これは、大きく3つに分けられます。(1)天然ボケ―コミュニケーション特性・オードリーの「ズレ漫才」(2008)若林:「今日もね、漫才を楽しくやっていきたいなと思いますけれどもね」春日:「OLか」若林:「どのへんがOLか分からないんですけれどもね」春日:「うぃ」→一方的なコミュニケーション・フットボールアワーファミレスの店員役の岩尾が「お客様はお一人様でよろしかったですか?」とマニュアル的に聞くところを、客の後藤をしげしげと見つめて「お客様は独りぼっちでよろしかったですか?」「ファミリーレストランなのに一人でよろしかったですか?」と執拗に聞く。・アンタッチャブル合格発表で合格した山崎が不合格になった柴田を慰めるシーンで「おまえが落ちてなあ、俺が悲しんでねえとでも思ってんのかよ。おまえが落ちてつらいのはなあ…お前だけなんだよ」と自明を語っています。→正直すぎるコミュニケーション・パンクブーブ(2010)ボケ:「コンビニで犯罪に巻き込まれましてね」(中略)「俺が、本を立ち読みしてたら、若い兄ちゃんが万引きしてんのよ」(中略)「それでね、『おい、何やってんだっ!』て…いうタイミングを伺ってたんだ」ツッコミ:「あっ、言ってはないんだね」ボケ:「そしたら、兄ちゃんが『てめえ、さっきから何じろじろみてんだよ!』って…表情を浮かべてきたんだよ」ツッコミ:「あっ、表情ね。言ってはないんだね」(中略)「それで、俺どうしようかなと思ったんだけど『ここで俺がやらなきゃ誰がやるんだ』って…いう本を棚に戻して」ツッコミ」「えっ!本!?」ボケ:「で、兄ちゃんをにらみながら、ゆっくりと…その本屋を出て、その兄ちゃんがいるコンビニへと入って行ったわけよ」ツッコミ:「えっ!店、別!?」→相手の心の中への配慮が乏しいコミュニケーション・笑い飯(2003)生徒:「先日の博物館の感想ですが、誰とは言いませんが、A君とB君が触ってはいけない…」先生:「いやらしいな、おまえ」生徒:「J文式土器を…」先生:「縄文式土器や!そこまでイニシャルトークせんでええねん!」→間違った配慮のコミュニケーション・ラーメンズフリ:「布団の中(で寝てたん)だよ」ボケ:「布団の中…布団の中?」ツッコミ:「じゃなくて、敷き布団と掛け布団の間だよ」→字義通りの言葉の解釈・かまいたち(2019)ボケ:(映画の「となりのトトロ」について)「何回も繰り返されてる再放送の網も全部すり抜けて、生まれてから37年間1回も見てない。すごない!」ツッコミ:「見てないこと自慢ならへん。見てたほうがいいですからねえ、皆さん」(中略)ボケ:「俺の『トトロ見たことない』は、もう今からじゃ(みんなは)どうにもならない。「だって、(みんなは)見ちゃってるのよ」「みんなが俺の自慢に追いつける方法はないのよ」(中略)「(俺が)見てないってことは、これから見ることもできるし、見ないこともできる。私にだけ選ぶ権利が与えられている」ツッコミ:「宗教っぽいな」→屁理屈(こだわり) 1つ目は、天然ボケです。これらのネタは、コミュニケーションがうまく行かなくなるのが特徴です。自閉スペクトラム症のコミュニケーション特性に分類されます。逆に、この分類でまだお笑いネタになっていないと思われるのは、あえて難解な言葉をしゃべる(衒学的なコミュニケーション)が挙げられます。(2)不注意―ADHD特性・アンジャッシュの「すれ違いコント」渡部:メールのやり取りで、「お、企画ほめられた。嬉しいな」と言い、「こんど、かんそうきかしてください」と打ち込む。児島:「今度、乾燥機貸してください」と誤変換されたメールが届き、困惑。その後、児島は「いいたいことはなんですか?」と打ち込む。渡部:「良い太鼓とはなんですか?」と誤変換されたメールが行ってしまい、渡部は「はあーっ!」と叫ぶ。→うっかりミス(不注意)・江頭2:50→唐突な話し方。スタジオを動き回る(多動性)。客席にダイブする。衝動的に下半身を露出する(衝動性)2つ目は、不注意です。これらのネタは、不注意になっていたり、衝動的になっているのが特徴です。多動症(ADHD)の特性に分類されます。逆に、この分類でまだお笑いネタになっていないと思われるのは、うっかり忘れ(不注意)、汚部屋(多動性)、すぐに手が出る(衝動性)などが上げられます。(3)癖―その他の発達特性・インパルスリストラされた元駅員の男性がコンビニのバイトにやってくる。彼は、1万円札を受け取った時は、急に笛を吹いて左右の確認を始める。お弁当を温める時は、「えーこれより先、電子レンジを使いますので、扉に引き込まれないように(ご注意ください)」と余計な注意をする。→職業病によるこだわり(習癖)・タカアンドトシタカに「欧米かっ!」のツッコミを言わせるために、トシが欧米風(厳密にはアメリカ風)のボケを繰り返す→似たようなことを繰り返す、いわゆる「天丼」・パッション屋良「大きな栗の木の下で♪あーなーたーと…ウーン!ウーン!ウーン!」と目をむき、胸を突き出して、握り拳で胸を叩く。・小島よしお「でもそんなの関係ねえ!」・志村けん「アイーン!」・こだまひびき「チッチキチー!」→ナンセンス。一発芸、一発ギャグ、リズムネタ、裸芸などで、決まったフレーズや動きを繰り返す(常同運動)。なお、ナンセンスとシュールは、意味が分からない点においては同じです。しかし、ナンセンスは文字通り、意味のないことを唐突に言い出すだけで、その意味を考えさせることはないです。これに対して、シュールは、非現実なりに何か意味があると考えさせるという違いがあります。・ハムの諸見里居酒屋で「サワーください」と言おうとすると、「シャワーください」と言ってしまう。→滑舌が悪い「口癖」(語音の特性) ・アメトークの「運動神経悪い芸人」→「運動音痴」(協調運動の特性)・ミキの「モテないネタ」(2018)・トレンディエンジェルの「ハゲネタ」(2015)・顔芸、福笑い→容姿ネタ。見た目の「癖」として、ここに分類しました。3つ目は、癖です。これらのネタは、ついやってしまうのが特徴です。常同運動症、語音症、協調運動症などの、その他の発達特性にまとめて分類しました。逆に、この分類でまだお笑いネタになっていないと思われるのは、ついハマってしまう(依存症)、意に反してつい言ってしまったりつい動いてしまう(チック症)、うまく話せない(流暢症、吃音症)などが上げられます。3.驚き3つ目は、驚きです(異変)。これは、大きく2つに分けられます。(1)緊張・摩邪(緑色に染めたモヒカンに女レスラー姿で)「世の中のチャラチャラした女ども!お前らに言いたいことがある。よく聞け! ひとつ! 仲のいい友達に対して『あんな男別れて正解だよ』って言う女! 別れて正解? ハア? お前に恋愛の正解不正解が分かんのか? そもそも正解って何だよ! そんなもんがあったらなあ、あたいも苦労してねえんだよ! コノヤロー!」と攻撃的にマイクを攻撃的に叩き付ける。その後に、両膝を揃え曲げてしおらくしマイクを拾う。→ずれ下がり(価値下落)・小梅太夫「チャンチャカチャンチャン(略)♪」「タクシーを止めようと右手を挙げたら、挙げた右手に雷が落ちました、チクショー!」→不運ネタ・鬼越トマホークの「ケンカ芸」→コンビの2人のケンカの仲裁に入った第三者に対して、「うるせーな!」とケンカの矛先を向け、その第三者に理不尽なツッコミを入れる。・ナンセンスの連発や強引なダジャレによる「スベリ芸」スベっていても、「サムい」「スベった」など自らツッコミを入れたり、本人が全力でしつこくやり続けることで笑いをとる。1つ目は、緊張です(ストレス)。これらのネタは、不幸、危機一髪、スベるなど、場が硬直するのが特徴です。本来、予定調和になるものがそうならない点で、いつもと違うという驚きから笑いになります。(2)一致・アンジャッシュの「取り違え」コントまったく面識のない2人が駅のホームでそれぞれ別の相手と携帯で話している状況。児島は友達に恋愛相談をしている中、隣りの渡部は電話で家庭教師としてことわざのクイズを出す。児島:「プレゼント攻撃で口説いたんだろ?何あげたの?」渡部:「馬の耳に?」児島:「イヤリング?」渡部:「違うでしょ!念仏でしょ」→一致しないはずが、偶然に一致してしまい、意味付けが変わる・ダジャレ例、「内容がないよ」→意図的ではなく、たまたまダジャレになってしまった場合は、その驚きやスベったことへの笑いが生まれる。・そっくりさん、モノマネ、歌マネ、パントマイム→模倣。意図的に偶然の一致を演出する2つ目は、一致です。これらのネタは、偶然にも必然にも一致するのが特徴です。本来一致しないものが一致する点で、いつもと違うという驚きから笑いになります。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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M-1グランプリ【実はボケってメンタルの症状!? 逆にネタから症状を知ろう!】Part 3

なぜ笑うの?お笑いとは、メンタル症状、個性、驚きという3つのおかしさ(異常)がネタになっていることが分かりました。ただし、おかしさ(異常)だけでは、必ずしも笑えません。それでは、なぜ笑うのでしょうか? ここから、笑う心理の要素を、大きく3つ上げて、お笑いと異常の違いを考えてみましょう。(1)本人が異常を自覚する―メタ認知1つ目は、お笑いをやっている本人たちが異常を自覚していることです(メタ認知)。逆に言えば、本人たちが異常を自覚できなければ、気の毒で笑えません。たとえば、メンタル症状でまさに苦しんでいる人、不幸に見舞われた人、冗談がスベって萎縮している人、本気でケンカしている人です。(2)周りが異常を受け入れる―受容2つ目は、周りの人が異常を受け入れていることです(受容)。逆に言えば、お笑いをやっている本人たちが異常を自覚していても、周りの人がその異常を受け入れていなければ、悪口になり笑えません。たとえば、容姿や癖、さらには身長差や年齢差などについて、多様性の時代の個性であると考える人が周りにいる状況です。この点で、かつて一世を風靡した「おバカ」キャラは、知的能力の差(知的障害)と重なるため、この記事での分類にあえて入れませんでした。(3)周りが異常と思える―自明性3つ目は、周りの人が異常だと思えることです(自明性)。逆に言えば、お笑いをやっている本人たちが異常だと思っていても、周りの人がそう思わなければ、差別になり笑えません。たとえば、性差、性自認、性的指向などのセクシャリティ、ニート(不就労)、未婚(非婚)などの生き方について、多様性の時代の個人の自由であると考える人が周りにいる状況です。この点で、「オネエ」キャラや「ゲイ」キャラなどのLGBTネタは、この記事での分類にあえて入れませんでした。なぜ笑いは「ある」の?これまで、なぜ笑うのかという疑問にお答えしました。それでは、そもそも、なぜ笑いは「ある」のでしょうか? ここから、笑う心理の起源を、3つの段階に分けて、進化心理学的に探ってみましょう。(1)歯出し―緊張緩和約6,500万年前に霊長類が誕生し、強い同種には敵対しないことを伝えるようになりました(緊張緩和)。そのひれ伏し行動の1つとして、口角を引き上げて高い鳴き声を出すようになりました。やがて、顔面の扁平化による立体視、顔面の毛の消失によって、聴覚よりも視覚によるコミュニケーションが中心になったため、鳴き声が省略されて、口角の引き上げ、つまり歯出し表情だけが残りました。約1,000万年前に、ゴリラと別れたヒト族(チンパンジーと人間)が誕生し、母親が子どもと抱き合って生活するスタイルから、少し離れて見つめ合う生活スタイルになりました。この時、歯出し表情が、心地良さの表情として使われるようになりました。これが、微笑の起源です。約700万年前に、人類が誕生し、頭部が大きくなった代償として、母親の産道を通過するために、未熟児で生まれるようになりました(生理的早産)。よって、赤ちゃんは、生まれてからしばらくは寝たままの状態になります。この時、赤ちゃんは、泣くだけでなく、微笑むことで、母親の関心を引くようになりました。これが、新生児微笑の起源と考えられます。1つ目の段階は、緊張緩和による歯出しです。これが、コミュニケーション能力を進化させました。実際に、お笑いの基本は、緊張と弛緩と言われています。(2)口開け―興奮約6,500万年前に霊長類が誕生し、じゃれ合い(プレイ・ファイティング)によって、体の動かし方や周りとのかかわり方を学習するようになりました。この時、「アハ、アハ、アハ」とあえぎ声を上げるようになりました(プレイ・パント)。これが、「アハハハハ」という笑い声の起源です。また、その声を出すために、口を開けるようになりました(プレイ・フェイス)。これが、笑い顔の起源です。2つ目の段階は、興奮による口開けです。これが、遊びの心理を進化させました。これは、くすぐり、イナイイナイバー、「高い高い」(持ち上げ)などの発達の遊びに通じます。実際に、お笑いの基本は、騒がしさや賑やかしと言われています。(3)つられ笑い―同調約700万年前に人類が誕生し、300万年前にアフリカの森からサバンナに出て、家族同士が血縁関係で助け合うことで村をつくりました。この時、周りに合わせようとするようになりました(同調)。こうして、霊長類にすでにみられる痛み、怖れ、怒りなどの不快な感情の共感だけでなく、楽しさや喜びなどの快の感情の共感もできるようになりました。3つ目の段階は、同調によるつられ笑いです。これが、絆づくり(愛着)の心理を進化させました。これは、もらい泣きやもらいあくびに通じます。実際に、この心理を利用したお笑いテクニックが、「誘い笑い」です。また、お笑いのゴールは、会場が爆笑の渦で「うねる」、つまり同調することであると言われています。笑いをどう生かす?M-1グランプリのネタを中心に、お笑いネタを精神医学的に分類しました。メンタル症状はお笑いネタの宝庫と言えます。メンタルヘルスを切り口にすると、さらに新しいお笑いネタを見いだすことができるでしょう。また、進化心理学的に言えば、私たちが笑う意味とは、緊張緩和によるコミュニケーションであり、興奮による気晴らし(遊び)であり、そして同調による絆づくりであると言えるでしょう。さらに、お笑いと異常の違いを踏まえると、私たちの人生でどんなにつらいこと(異常)も、そのつらさを客観視し、受け入れられたら、笑いに変えられるのではないでしょうか? そしてその先は、もはや、そのつらさをつらさ(異常)と思わなくなっているのではないでしょうか?<< 前のページへ■参考スライド【メンタル症状】2020年■関連記事クレヨンしんちゃん【ユーモアのセンス】Part 1アンパンマン【その顔はおっぱい?】

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第10回 将来的な健康をも脅かすコロナ禍の受診自粛

医師や歯科医師で構成する全国保険医団体連合会(保団連)が6月4日に公表した「新型コロナウイルス感染拡大の影響に関する緊急アンケート」(第1次集計)によると、医療機関の逼迫した状況だけでなく、子どもの将来的な健康に関する懸念も明らかになった。集計数は6,881件(医科5,157件、歯科1,724件)。昨年4月比で、9割近くの医療機関で外来患者数、保険診療収入共に減少した。保険診療収入が30%以上減少している医療機関は、医科では27.3%、歯科では23.1%という結果が出た。医療機関は、ほかの業界に比べて原価率が高く、固定費が保険料収入の5割を超えているところが多い。医科の場合、利益率が3割いかない医療機関が多い中での保険診療収入の減少である。それでも医科の診療報酬では、さまざまな名目で指導管理料が設けられているが、歯科の場合、診療報酬の多くが処置に関する点数である上、医科の指導管理料に相当する診療報酬の点数が低く抑えられているため、外来患者数減少下における利益率は15%程度と予測されている。診療科別では、耳鼻咽喉科と小児科が大きな影響を受け、外来患者数は9割以上減少した。また、歯科ではネットで拡散された誤情報などによる風評被害も影響しているようだ。コロナ禍による経営環境の悪化が今後も続けば、小児科や耳鼻咽喉科、歯科の医療機関の中には、半年後に倒産するケースが相次ぐかもしれない。一方、受診控えによる患者の心身への影響も懸念される。保団連の理事は「3ヵ月健診、6ヵ月健診などがあるのは、重要な病気を見逃したり、将来に渡って治すチャンスが奪われてしまう病気があったりするのを未然に防ぐため。“不要不急”と思ってその時期を逃すと、大変なことになる可能性がある」と警鐘を鳴らす。実際、乳幼児健診や学校健診で、先天的な心疾患や側弯症などが見つかることもある。しかし、一斉休校による学校健診の中止や受診控えにより、これらの疾患が発見されないまま経過しているケースもあることだろう。高齢者については、外出自粛による下肢の衰えや、高血圧、うつ症状の進行が懸念される。新型コロナによる間接的な影響は、今後さまざまな疾患となって発現してくることだろう。こういった疾患をフォローする態勢も今後は必要だ。子どもに関しては、一斉休校よる外出規制で、自宅での甘味摂取量の増加や生活習慣の乱れなどから、虫歯が増えている状況も見過ごせない。また、妊婦においても歯科検診の受診控えの影響で、女性ホルモンの増加に伴う歯周病菌の増加などが見逃され、低体重児や早産のリスクが高くなることが懸念される。このような状況下、口腔ケアの重要性が増しているのは言うまでもない。災い転じて、歯科は「新型コロナ対策の最前線」になれるだろうか。

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veliparib、gBRCA変異のないBRCA-like型TN乳がんでPFS改善(SWOG S1416)/ASCO2020

 転移を有するトリプルネガティブ(TN)乳がんで、生殖細胞系列BRCA遺伝子(gBRCA)変異はないが、相同組み換え修復不全(HRD)スコアや体細胞系列BRCA1/2変異などの分析でBRCA-like型に分類された患者に対し、PARP阻害薬veliparibをシスプラチンに追加することで無増悪生存期間(PFS)が延長したことが、第II相SWOG S1416試験で示された。米国・University of Kansas Medical CenterのPriyanka Sharma氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)で発表した。 PARP阻害薬は、gBRCA1/2変異のある進行乳がんでPFSを改善することが報告されている。また、TN乳がんの40~60%はHRDを示し、HRDはPARP阻害薬の感受性に関連することが示唆されている。・対象:転移/局所再発のTN乳がんまたはgBRCA1/2変異HER2陰性の進行乳がん患者・試験群:シスプラチン(75mg/m2)+veliparib(300mg経口投与、1日2回、Day 1~14)、3週ごと(veliparib群)・対照群:シスプラチン(75mg/m2)+プラセボ(プラセボ群)・評価項目:[主要評価項目]3グループ(gBRCA陽性、BRCA-like、非BRCA-like)におけるPFS[副次評価項目]奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、クリニカルベネフィット率(CBR)、安全性 3グループの分類については、veliparib群とプラセボ群に割り付けた後にgBRCA検査を実施し、変異がない場合は追加のバイオマーカー分析(myChoiceによるHRDスコアが42以上、体細胞系列BRCA1/2変異、BRCA1遺伝子プロモーター領域のメチル化、生殖細胞系列の相同組み換え修復遺伝子変異)を実施し、gBRCA変異あり、BRCA-like(追加のバイオマーカー分析で陽性であった患者)、非BRCA-likeに分類した。 主な結果は以下のとおり。・無作為に割り付けられた335例中、321例(95.8%)が有効性評価の適格基準を満たした(veliparib 群161例[50.2%]、プラセボ群160[49.8%])。・平均年齢は56歳、TNBCが95%、白人が76%、未治療患者が69%であった。・gBRCA変異ありが37例(11.5%)、BRCA-like が99例(30.8%)、非BRCA-like が110例(34.3%)、未分類が75例(23.4%)であった。・gBRCA変異ありにおいて、veliparib群のPFS中央値が6.2ヵ月、プラセボ群6.4ヵ月で有意差が認められなかった(HR:0.66、95%CI:0.30~1.44、p=0.29)・gBRCA-likeにおいて、veliparib群のPFS中央値が5.9ヵ月、プラセボ群4.2ヵ月に比べて有意に延長した(HR:0.53、95%CI:0.34~0.83、p=0.006)。・非BRCA-like、未分類では、PFSの有意な改善は見られなかった。・サブグループ解析では、BRCA-likeにおいて、veliparibを1次治療で投与された患者のPFS中央値が、veliparib群が6.1ヵ月でプラセボ群の4.2ヵ月より有意に延長し(HR:0.49、95%CI:0.29~0.83、p=0.008)、OS中央値もveliparib群が17.8ヵ月とプラセボ群の10.3ヵ月より有意に延長した(HR:0.53、95%CI:0.28~0.99、p=0.048)。さらにHRDスコアが42以上のPFS中央値も、プラセボ群4.2ヵ月に対してveliparib群6.1ヵ月と有意に延長していた(HR:0.53、95%CI:0.31~0.89、p=0.016)。・Grade3/4の有害事象は、好中球減少症(46% vs.19%)、貧血(23% vs.7%)、白血球減少症(27% vs.7%)、血小板減少症(19% vs.3%)において、veliparib群でプラセボ群より有意に発現率が高かった(すべてp<0.001)。 Sharma氏は、gBRCA変異ありのグループで有意差が見られなかった理由として、患者数が37例と少ないことによるパワー不足を挙げ、第III相BROCADE3試験ではveliparibの追加でPFSが改善していることを紹介した。最後に、BRCA-likeのTN乳がんにおける有効性を示した本試験は、PARP阻害薬の役割をgBRCA変異を越えて広げるための大きな前進である、と結んだ。

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FDA、EGFR変異陽性肺がんに対するラムシルマブとエルロチニブの併用の1次治療を承認/イーライリリー

 イーライリリーは、2020年5月29日、米国食品医薬品局(FDA)がEGFR遺伝子変異を有する進行非小細胞肺(NSCLC)患者への1次治療に対して、ラムシルマブとエルロチニブの併用療法を承認したと発表。ラムシルマブとエルロチニブ併用療法はEGFR遺伝子変異陽性の進行NSCLCにおいて、FDAが承認した初めてで唯一の抗VEGFR/EGFR-TKI併用療法。今回の承認は、無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同第III相試験であるRELAY試験から得られた有効性および安全性に基づいている。 本試験は2015年に開始され、北米、欧州、アジアで449例を組み入れた。RELAY試験の主要評価項目はPFS、主な副次評価項目には安全性、奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、全生存期間(OS)が含まれている。主要評価項目である治験責任医師の評価によるPFSでは、ラムシルマブ+エルロチニブ併用療法(n=224)において、PFS 中央値が統計的に有意かつ臨床的意義のある改善を示し、ラムシルマブ+エルロチニブ併用療法の19.4ヵ月に対しプラセボ+エルロチニブ療法は12.4ヵ月だった(HR:0.59、95%CI:0.46~0.76、p<0.0001) 。PFSは、エクソン19とエクソン21のサブグループでも一貫していた。今回のPFSの最終解析時においては、OSデータ解析に必要なイベントが26%のみの発現であったため、OSは十分なイベントが観察されていなかった(HR:0.83、95%CI:0.53〜1.30)。OSの最終解析は300イベントに到達した後に実施する計画。

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Withコロナの夏に5つの提言/日本感染症学会・日本救急医学会・日本臨床救急医学会・日本呼吸器学会

 本格的な夏の到来を控え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防でのマスク着用により、例年以上の熱中症被害が危惧されている。 そこで、日本救急医学会の呼びかけにより、日本感染症学会・日本救急医学会・日本臨床救急医学会・日本呼吸器学会の4学会で構成するワーキンググループが組織され、「『新型コロナウイルス 感染症の流行を踏まえた熱中症予防に関する提言』について」が発表された。 同提言では、感染対策としての換気やマスク着用の重要性、熱中症対策としてのエアコン使用やマスクを外す必要性との両立など、夏季を迎えて注意するポイントをまとめている。「適宜マスクを外して休憩も大切」と5つの提言 提言では、大きく5項目を示し、細かい解説を加えている。提言の内容は次の通り。(1)屋内においては、室内換気に十分な配慮をしつつ、こまめにエアコン温度を調節し室内温度を確認しましょう。(2)マスク着用により、身体に負担がかかりますので、適宜マスクをはずして休憩することも大切です。ただし感染対策上重要ですので、はずす際はフィジカルディスタンシングに配慮し、周囲環境等に十分に注意を払って下さい 。また口渇感に依らず頻回に水分も摂取しましょう。(3)体が暑さに慣れていない時期が危険です。フィジカルディスタンシングに注意しつつ、室内・室外での適度な運動で少しずつ暑さに体を慣れさせましょう。(4)熱中症弱者(独居高齢者、日常生活動作に支障がある方など)の方には特に注意し、社会的孤立を防ぐべく、頻繁に連絡を取り合いましょう。(5)日頃の体調管理を行い、観察記録をつけておきましょう。おかしいなと思ったら、地域の「帰国者・接触者相談センター」や最寄りの医療機関に連絡・相談をしましょう。 同提言では、最後に「COVID-19と気温・湿度についての関連性についても 十分なエビデンスに基づくデータはなく、コロナ禍における熱中症の予防や治療に関しても、依然、学術的にも情報が限られている。ゆえに、今回の提言はアップデートされる可能性がある」と今後の修正なども示唆している。

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原発不明がんにおけるニボルマブの有効性(NivoCUP)/ASCO2020

 原発不明がん(CUP)の予後は不良であり、加えて、治療選択肢は限定されている。そのため、CUP患者の多くは、経験的な化学療法を受けている。近年、CUPの免疫プロファイルが免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が奏効するがん種と類似していることが示され、CUP患者に対するICI治療の可能性が期待されている。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO20 Virtual Scientific Program)では、CUPに対するニボルマブの有用性を評価する多施設共同第II相(医師主導治験)であるNivoCUP試験の結果が近畿大学医学部 腫瘍内科・岸和田市民病院 腫瘍内科の谷崎 潤子氏により報告された。・対象:既治療および未治療のCUP患者・介入:ニボルマブ 240mg/日 2週ごと 病勢進行または許容できない毒性が認められるまで投与 最大52サイクル・評価項目:[主要評価項目]既治療患者における盲検下独立中央画像判定機関(BICR)による全奏効率(ORR)[副次評価項目]治験実施医評価のORR、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性、PD-L1発現とニボルマブの有効性の関連[探索的研究]未治療患者における有効性と安全性 主な結果は以下のとおり。・合計56例のCUP患者(既治療45例、未治療11例)が登録された。・年齢の中央値は既治療患者66歳、未治療患者は64歳、既治療患者における前治療数は1が57.8%、2が20.0%、3以上が22.2%であった。・既治療患者のBICR評価のORRは22.2%であった(CR2例、PR8例、SD14例)。・追跡期間8.4ヵ月(1.1〜21.6)における、既治療患者のPFS中央値は4.0ヵ月(95%信頼区間:1.9〜5.8)、OS中央値は15.9ヵ月(95%信頼区間:8.4〜21.5)であった。・未治療患者のBICR評価のORRは18.2%、DCRは54.5%であった(CR1例、PR1例、SD4例)。・追跡期間17.2ヵ月(0.1〜21.3)における、未治療患者のPFS中央値は2.8ヵ月(95%信頼区間:1.1〜6.5)、OS中央値は未達(95%信頼区間:2.6〜未到達)であった。・全Gradeの有害事象(AE)発現は94.6%、Grade3/4のAE発現は60.7%、治療関連死はなかった。頻度が高い免疫関連AEは皮疹、甲状腺機能低下症、下痢/大腸炎などであった。 発表者は、二ボルマブは、治療選択肢が限られているCUPの新たな標準治療となる可能性があるとの見解を示した。

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急性脳梗塞へのt-PA治療、door-to-needle timeが短いほど転帰良好/JAMA

 65歳以上の急性虚血性脳卒中の患者に対するt-PA治療について、来院から治療開始までの時間「door-to-needle time」が短いほど、1年後の全死因死亡および全再入院の割合は低いことが明らかにされた。米国・クリーブランドクリニックのShumei Man氏らが、6万例超を対象とした後ろ向きコホート試験の結果を報告した。著者は、「今回の結果は、血栓溶解療法はできるだけ早く開始すべきことを支持するものであった」とまとめている。先行研究で急性虚血性脳卒中の患者に対するt-PA治療の早期開始は、退院までの死亡率を低下し、3ヵ月時点の機能的アウトカムが良好であることを示していたが、治療開始までの時間短縮がより良好な長期的アウトカムにつながるかについては明らかになっていなかった。JAMA誌2020年6月2日号掲載の報告。door-to-needle timeと1年時点の全死因死亡率を比較 研究グループは2006年1月1日~2016年12月31日にかけて、米国で行われている心疾患治療標準化のためのレジストリ「Get With The Guidelines-Stroke(GWTG-脳卒中)」プログラムに参加する病院で、急性虚血性脳卒中を発症しt-PA静脈投与を受けた65歳以上のメディケア受給者を対象に、後ろ向きコホート試験を行った。被験者は、体調が悪化してから4.5時間以内にt-PA静脈投与を受けた患者に限定した。 来院からt-PA治療開始までの時間である「door-to-needle time」と、1年時点の全死因死亡率、全再入院率、全死因死亡・全再入院の複合発生率との関連を検証した。追跡期間は1年間で、2017年12月まで行った。door-to-needle timeが15分延長で全死因死亡リスク1.04倍 4.5時間以内にt-PA治療を受けた患者は6万1,426例で、年齢中央値は80歳、男性が43.5%。来院から治療開始までの時間であるdoor-to-needle timeの中央値は、65分(四分位範囲:49~88)だった。 door-to-needle timeが45分超だった4万8,666例(79.2%)は、45分以内だった被験者と比べて、全死因死亡率が有意に高率だった(35.0% vs.30.8%、補正後ハザード比[HR]:1.13[95%信頼区間[CI]:1.09~1.18]、p<0.001)。また、全再入院率(40.8% vs. 38.4%、1.08[1.05~1.12]、p<0.001)、全死因死亡・全再入院の複合発生率(56.0% vs.52.1%、1.09[1.06~1.12]、p<0.001)も45分超群で有意に高率だった。 door-to-needle timeが60分超だった3万4,367例(55.9%)についても、60分以内だった被験者と比べて、全死因死亡率(35.8% vs.32.1%、補正後HR:1.11[95%CI:1.07~1.14]、p<0.001)、全再入院率(41.3% vs. 39.1%、1.07[1.04~1.10]、p<0.001)、全死因死亡・全再入院の複合発生率(56.8% vs.53.1%、1.08[1.05~1.10]、p<0.001)のいずれも有意に高率だった。 全死因死亡は、door-to-needle timeが15分延長するごとに、病院到着後90分以内では有意に増大することが示された(補正後HR:1.04、95%CI:1.02~1.05、p<0.001)。しかし90分以降では増大は有意ではなかった(1.01、0.99~1.03、p=0.27)。 また、病院到着後90分以内でdoor-to-needle timeが15分延長するごとに、全再入院、全死因死亡・全再入院の複合発生のリスクは、いずれも有意に増大した(いずれもHR:1.02、95%CI:1.01~1.03、p<0.001)。

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距離1m以上で感染リスク8割以上減少、マスクでも/Lancet

 ウイルス伝播の予防に、人との物理的距離(physical distance、フィジカルディスタンス)1m以上の確保、フェイスマスクおよび保護眼鏡の着用が有効であることが、カナダ・マックマスター大学のDerek K. Chu氏らによるシステマティック・レビューとメタ解析の結果、示された。解析は、6大陸・16ヵ国で行われた172件の観察研究など患者総数2万5,697例を含むデータを包含して行われ、フィジカルディスタンスが1m以上の場合、感染リスクは約82%減少、フェイスマスクの着用は約85%減少することが示されたという。COVID-19を引き起こす新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、人から人への感染が濃厚接触により拡大している。研究グループは医療機関および非医療機関(コミュニティなど)におけるウイルス伝播について、フィジカルディスタンス、フェイスマスク、保護眼鏡の影響を明らかにするため本検討を行った。Lancet誌オンライン版2020年6月1日号掲載の報告。フィジカルディスタンスなどの影響をシステマティック・レビューとメタ解析で検証 システマティック・レビューとメタ解析は、フィジカルディスタンス、フェイスマスク、保護眼鏡の影響を明らかにするために、PubMedやEmbaseなど世界保健機関(WHO)が特定する21の標準的データベースと、COVID-19の特異的データベースを基に、重症急性呼吸器症候群を引き起こすSARS-CoV-2とβコロナウイルス、および中東呼吸器症候群(MERS)に関するデータを集めて行われた。 2020年5月3日時点でシステマティック・レビューを実施。言語は問わなかったが、比較試験であることを適格条件とし、また、試験の容認度や柔軟性、資源活用性、公平性の文脈的要因を確認した。そのうえで試験結果をスクリーニングしデータを抽出、バイアス・リスクについては2度評価した。 頻度論的統計、ベイズ・メタ解析、ランダム効果メタ回帰解析を行った。エビデンスの確実性については、Cochrane法とGRADEアプローチで評価した。フィジカルディスタンス1m以上で0.18倍、マスクで0.15倍、保護眼鏡で0.22倍に 検索により、6大陸にわたる16ヵ国からの観察研究172件を特定した。無作為化試験はなかった。 医療現場・非医療現場で行われた比較試験であるとの適格条件を満たした44件(患者総数2万5,697例)を対象にメタ解析を行った。 感染リスクは、フィジカルディスタンスが1m未満の場合に比べ1m以上の場合は、大幅に低下した(被験者総数1万736例、統合補正後オッズ比[OR]:0.18[95%信頼区間[CI]:0.09~0.38]、群間リスク差[RD]:-10.2%[95%CI:-11.5~-7.5]、中等度の確実性)。物理的間隔が広がるほど、ウイルスの感染防御は増大した(1m増の相対リスク[RR]変化:2.02、交互作用のp=0.041、中等度の確実性)。 フェイスマスクの着用も、感染リスクの大幅な減少につながった(被験者総数2,647例、統合補正後OR:0.15[95%CI:0.07~0.34]、RD:-14.3%[95%CI:-15.9~-10.7]、低度の確実性)。とくに、N95マスクや類似の防毒マスクは、使い捨てサージカルマスクや類似のマスク(再利用できる12~16層の綿マスクなど)と比べ、感染予防効果との関連性が強かった(交互作用p=0.090、事後確率95%超、低度の確実性)。 保護眼鏡の使用も感染リスクの低減につながった(被験者総数3,713例、統合補正後OR:0.22[95%CI:0.12~0.39]、RD:-10.6%[95%CI:-12.5~-7.7]、低度の確実性)。 未補正試験やサブグループ解析、感度解析でも、同様の結果が得られた。 著者は、「システマティック・レビューとメタ解析の結果は、1m以上のフィジカルディスタンスを支持するもので、政府が取り組むべきモデルおよび接触者追跡の定量的推定値が明らかになった。解析結果に基づき、公共の場および医療機関でのフェイスマスク、防毒マスク、保護眼鏡の適切な使用を広報しなければならない」と述べるとともに、「今回の介入のエビデンスをより明らかにするために、頑健な無作為化試験を行う必要があるが、解析結果は現時点で得られる最善のエビデンスであり、中間的なガイダンスとして利用可能と思われる」とまとめている。

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うつ病から双極性障害や統合失調症への移行~15年間のプロスペクティブ研究

 うつ病から双極性障害、統合失調症、統合失調感情障害への移行について、その時間的パターンと予測因子を調査するため、フィンランド・ヘルシンキ大学のIlya Baryshnikov氏らは、レジスターベースのコホート研究を実施した。Bipolar Disorders誌オンライン版2020年5月8日号の報告。うつ病から双極性障害や統合失調症への移行は初年度が最も高い 1996~2011年に精神科病棟へ初回入院したすべてのうつ病患者4万3,495例を15年間フォローアップした。診断転換の累積発生率および部分分布ハザード比(SHR)は、累積発生関数およびFine-Gray部分分布モデルを用いて定義した。 うつ病から双極性障害、統合失調症、統合失調感情障害への診断転換を調査した主な結果は以下のとおり。・15年間の診断転換の累積発生率は以下のとおりであった。 ●全体:11.1%(95%CI:10.7~11.6) ●双極性障害:7.4%(95%CI:7.0~7.8) ●統合失調症:2.5%(95%CI:2.3~2.7) ●統合失調感情障害:1.3%(95%CI:1.1~1.4)・発生率が最も高かったのは、初年度であった。・精神病性うつ病は、軽度うつ病よりも診断転換リスクが高かった。 ●双極性障害:SHR=2.0(95%CI:1.5~2.7) ●統合失調症:SHR=5.3(95%CI:3.3~8.7) ●統合失調感情障害:SHR=10.6(95%CI:4.0~28.4)・女性、重症うつ病、パーソナリティ障害の合併は、双極性障害への診断転換の予測因子であった。・一方、若年および男性は、精神病性疾患への診断転換の予測因子であった。 著者らは「初回入院となったうつ病患者の約9人に1人は、15年の間に他の精神疾患へ診断転換が行われており、そのリスクは最初の1年以内で最も高くなる。精神病性うつ病患者は、とくに脆弱であることが示唆された。また、精神病性疾患への診断転換は、双極性障害よりも早く起こる可能性がある。男性では、精神病性疾患への転換リスクが高いのに対し、女性、再発うつ病エピソード、重度の全体的機能障害、パーソナリティ障害では、双極性障害への転換リスクが高まる」としている。

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HFrEF患者の死亡率はこの20年で半分になった!(解説:絹川弘一郎氏)-1242

 HFrEFの治療薬は2000年くらいにはACE阻害薬とβ遮断薬が基礎治療薬で、数年のうちにARBとMRAが出そろった。エナラプリルとカルベジロールが第1世代のHFrEF治療薬であろうか。ARBはやや遅れてスタートしたので1.5世代薬くらいの印象である。ただACE阻害薬に優るエビデンスはなく多くは咳が出たときの代替薬なので、大きなインパクトではない。MRAについては古くからスピロノラクトンがあるもののunderuseが続き、2011年により忍容性の高いエプレレノンが登場したが、現在の実臨床でもファーストラインで投与される率はまだ低い。しかし、ARNIが2014年にPARADIGM-HF試験1)でHFrEFに対しACE阻害薬を上回る効果を示し、2019年にはSGLT2阻害薬が非糖尿病HFrEFでも有効と証明してみせた。対象は限定的であるが2010年にイバブラジンも予後改善効果を示した。このように2010年代はHFrEF治療の第2世代薬(ARNI、SGLT2阻害薬、イバブラジン)が登場したまさにパラダイムシフトのdecadeであった。それを総括する論文がこのLancet誌である。 この論文はEMPHASIS-HF2)のプラセボ群をコントロールにおいて、そこからEMPHASIS-HFとPARADIGM-HFとDAPA-HF3)の実薬群におけるイベント抑制の効果を、ある数学モデルを使用して計算推定したというものである。EMPHASIS-HFのプラセボ群は90%近くACE阻害薬とβ遮断薬で基礎治療されており、第1世代治療の代表例としてふさわしい。また3つの試験はそれぞれエプレレノンを追加、エナラプリルをsacubitril-バルサルタンに切り替え、ダパグリフロジンを追加、であるため、3つを統合解析するとβ遮断薬にMRAとSGLT2阻害薬を加え、かつACE阻害薬またはARBをARNIに切り替えた、4剤併用の効果が見られるというものである。その解析の詳細はまったく理解していないが、実は次の表を見てもらいたい。3つの試験の各エンドポイントに対する実薬ハザード比である。心血管死心血管死+心不全入院心不全入院全死亡EMPHASIS-HF0.760.630.580.76PARADIGM-HF0.820.740.700.83DAPA-HF0.800.800.790.843つを掛けたもの0.500.370.320.53 表に示したように、3つの試験のハザード比を掛けた数字はこの解析で出てきたものと寸分違わない。この20年で得られた予後改善効果がこの数値である。だいたい心不全入院が3分の1になって、死亡率が半分になっているのは大変喜ばしいことで、これにイバブラジンとvericiguatも加わるし、CRTやMitraClipもカウントされていない。全部合わせたら死亡率は1990年代の3分の1くらいになっているかもしれない。ただ、非常に難しい計算をした結果が、ただ掛け算したのと一緒とはこれいかに?

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コロナ禍に負けない!プラスαキャリアのつくり方【医師のためのお金の話】第33回

こんにちは。自由気ままな整形外科医です。コロナ禍は社会や人々の生活様式を一変させました。経済危機とは比較的無縁だった私たち医師にも、大きな負の影響を及ぼしています。コロナ禍が過ぎ去れば、私たちの生活も元に戻るのでしょうか? もちろん、ある程度は回復するでしょうが、完全には戻らない可能性もあります。コロナ禍以前から、財政赤字による医療費削減のため、医師を取り巻く環境は悪化する傾向でした。今回のコロナ禍は、こうした変化を前倒ししただけかもしれません。そうであれば、過ぎ去るのを待っているだけでは「ゆでガエル」になってしまいます。医師も社会情勢の変化からは逃れられないことを認識し、これを将来について少し考えるきっかけとしてみましょう。「研究か臨床か」のキャリアパスを考え直す長いこと、医師のキャリアパスは比較的単純でした。アカデミアを目指すのか、実臨床で地域社会に貢献するのか、大きく分けてその2択しかなかったからです。どちらの場合も、卒後数年は知識や経験の習得にまい進することになりますし、最低限の収入は約束されているため、余計なことを考える必要はありません。はたから見れば幸せな状況です。しかし、今回のコロナ禍は、このキャリアパスが「砂上の楼閣」かもしれないことを気づかせました。財政赤字による医療費削減のため、医療業界全体が地盤沈下しつつあります。従来のキャリアパスを踏襲するだけで問題ないのか、真剣に考える必要があるでしょう。医師の希少価値は急速に低下している医療業界が地盤沈下しつつあるにもかかわらず、医学部定員は漸増傾向にあります。このことは、医師1人当たりのパイが縮小することを意味します。第2次ベビーブームのピークである1973年の出生数は209万人でした。一方、直近の2019年では、出生数が92万人と半数以下にまで激減しています。これに対し、長らく7,000人台だった医学部の定員は2008年以降に漸増して、直近では9,000人台で推移しています。人口比での医師数は2倍以上に増加しており、この傾向は今後も続きます。医師の希少価値は急速に低下しつつあるのです。「専門分野プラスα」があれば強い財政赤字による医療費削減と医師数増加という状況に対して、私たちはどのように行動すればよいのでしょうか? その1つの解として、私は「専門分野プラスα」が必要だと考えています。医師は専門職なので、自分の得意分野を究めることは当然です。しかし、それだけでは十分とはいえません。その分野の専門家は、ほかにもたくさんいるからです。しかし、まったく別の分野の専門家も兼ねている人の数はどうでしょう? 当然、その数は激減します。2つの分野にまたがる専門家は数が少ないので希少価値があります。希少価値は、高収入や経済的安定性の源泉です。私事で恐縮ですが、私は下記4つの専門家として活動しています。1)整形外科2)不動産投資3)株式投資4)某専門職の顧問業とくに4)の知識を擁する人はきわめて少なく、この4領域すべての専門家といえる人は全国的に見ても私だけだと思われます。必然的に希少価値が高くなるため、常に引っ張りだこです。まあ、単に忙しいだけだという話もありますが(笑)…。プラスαが相乗効果を呼び込む私自身を例にして解説を続けると、一見すると何の関連性もない分野もありますが、実はきわめて高い相乗効果があります。医師×不動産投資家不動産に関する豊富な知識と経験に加え、医師としての信用力と安定的所得があると、きわめて有利に不動産投資を展開することができます。私は信用力を利用した融資よりも、医師としての安定的所得を用いて不動産投資に取り組んでいます。もちろん、スピード重視なら信用力を最大限利用してもよいでしょう。ただし、不動産の知識がないにもかかわらず信用力のみで参入すると、高い確率で破綻するのでご注意を。医師×株式投資家医師としての安定的所得があると、元手が大きいため有利に株式投資を展開することが可能です。また、コロナショックのような暴落時には、捨て値で放置された銘柄を豊富な資金で大量に仕込むことが可能です。ちなみに、私は株式「投資」ではなく、真剣勝負の生業と見なしています。注意点は、不動産投資と比較して精神力も含めた才能への依存度が高いことです。このため、何度かやって結果を出せない場合には、深入り無用でしょう。医師×ビジネスオーナー医師としての知識や経験を医療でしか利用しないのはもったいない話です。たとえば、私は整形外科医の知識を利用して、某専門職のコンサルタントを展開しています。たった3年で全国に100以上の取引先を確保しました。成功要因は、競合がほとんどいないことです。一度全国に事業展開するコツを習得すると、ほかのビジネスでも応用可能です。ポイントは「自己資金で始めること」「営業力に磨きをかけること」、そして「チームで仕組みを回すこと」です。複数分野の専門家になって希少価値の獲得を「専門分野プラスα」が重要なのはわかるけれど、医業だけで大変なのにほかの分野の専門家なんてなれっこない…、と思う方も多いでしょう。しかし、私の経験では「1つの分野で超一流」になるよりも「2つの分野で一流」になるほうが、必要な才能や労力が少なくて済みます。ある分野で圧倒的トップになるのは、並大抵のことではありません。私も学生時代の部活動で「どんなに努力しても届かない場所がある」ことを学びました。しかし、単に「飯が食える」レベルであれば、努力次第で到達可能です。従来の医師のキャリアパスでは、専門性を究めることが重視されてきました。もちろん今も専門性は重要ですが、1つの分野だけでは自分の価値を十分に高めることはできません。その解決策が、「もう1つの専門分野を追加する」ことです。圧倒的トップになるほうがリターンは大きいかもしれませんが、そこには努力だけではなく運や才能の要素も加わってきます。確実性を重視するのであれば、複数分野の専門家になることがお勧めです。戦略的に自分の価値を高めていくことを考えましょう。

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「ダイアート」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第3回

第3回 「ダイアート」の名称の由来は?販売名ダイアート®錠 30mg/60mg一般名(和名[命名法])アゾセミド(JAN)効能又は効果心性浮腫(うっ血性心不全)、腎性浮腫、肝性浮腫用法及び用量ダイアート錠30mg通常成人1日1回2錠(アゾセミドとして60mg)を経口投与する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。ダイアート錠60mg通常成人1日1回1錠(アゾセミドとして60mg)を経口投与する。 なお、年齢・症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)1.無尿の患者[本剤の効果が期待できない。]2.肝性昏睡の患者[低カリウム血症によるアルカローシスの増悪により肝性昏睡が悪化するおそれがある。]3.体液中のナトリウム、カリウムが明らかに減少している患者[電解質異常を起こすおそれがある。]4.デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者5.スルフォンアミド誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者※本内容は2020年6月10日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2019年8月改訂(改訂第11版)医薬品インタビューフォーム「ダイアート錠® 30mg/60mg」2)三和化学研究所:医薬品一覧

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COVID-19、アンケートから見えた医療者のメンタル状況と対策を識者が解説

COVID-19の拡大を受け、医療現場では長期に渡って対応を迫られる状況が続いている。20床以上の医療機関に勤務するケアネット会員医師に、経営・組織・心理面での影響、とくに個人と組織のメンタル面での影響についてアンケートで聞いた(アンケート結果についてはこちら)。アンケート結果を踏まえつつ、今後の医療者が取るべき対策について、国際医療福祉大学大学院教授の中尾 睦宏氏に聞いた(聞き手・構成:ケアネット 杉崎 真名)。今回のCOVID-19感染流行とこれまでの大規模災害時と比べ、医療者に求められている対応は何が大きく異なるでしょうか?一番は「医療機関・地域内で対応を完結させなければならない」点でしょう。これまでの大規模災害では、被災地以外や海外からの派遣・応援が望めましたが、今回は全国・地球規模の問題であり、人の移動にも制限があって各地域内で対応せざるを得ません。日常診療に加えてCOVID-19対応をしなくてはならず、病床数を含めてキャパオーバーになっても応援を頼めない、というプレッシャーは大きい。時間的なロードマップが描けない苦しさもあります。災害であれば発生後から復興に向けた計画を立てられますが、今回はいつ収束するかの見通しが立ちにくく、収まったとしても第2波、第3波が来るかもしれない。そうした緊張感に常にさらされています。アンケート回答者が勤務する20床以上の医療機関は、発熱外来などCOVID-19対応をしている総合病院が多いでしょうが、どうしても呼吸器・感染症・耳鼻咽喉科などに負荷が偏りがち。一方で外来患者が減った科もあるので、診療科の垣根を超えた院内連携が今まで以上に求められています。また、できる範囲での地域を超えた連携も必要です。それぞれの立場や利害が異なる場合が多いため、ここでは、行政や専門家団体などによる、ある程度強権的な舵取りも必要になってくるでしょう。アンケートにおける「医師の日常診療の影響」の回答結果をどう分析され、どのような課題が浮き彫りになったとお考えですか?中尾 睦宏氏。取材はオンラインで行った回答では「院内感染防止のための特別な対応が必要になった」(63.4%)が最も多く、それに伴って「感染リスクに自身・スタッフがさらされることに不安を覚える」(57.4%)や「衛生資材の確保が難しくなった」(53.9%)も高い回答率となっています。入室前に体温測定をしたり、診察室の患者-医師の距離を取ったり、診療が終わるたびに消毒したりなど、通常より手間暇がかかり、診療効率は落ちます。さらに今後はCOVID-19に関連したさまざまな疾患も増えてくることが予測されます。たとえば、4月以降にCOVID-19感染者が「たこつぼ型心筋症」を発症した、という症例報告がありました。収縮期の心臓の動きが局所的に悪くなる疾患ですが、強いストレスや激しい情動を契機に引き起こされることが多いとされ、大震災後に発症者数が増加しています。このように、今後はCOVID-19そのものだけでなく、その周囲の疾患も併せて診療することが求められます。「来院者が減り、経営面の不安が出るようになった」(37.3%)との回答も目立ちます。実際、定期昇給なしやボーナス減額を通告された勤務医もいるようです。ただでさえハイリスクの中で仕事をしている最中、「努力-報酬バランス」(仕事の遂行のために行われる努力に対して得られる報酬が少ないと感じられた場合により大きなストレス反応が発生するというモデル)が崩れ、きつい思いをしている勤務医も多いことでしょう。医師は責任感があり、我慢強い人が多いので、不安や恐怖心を公にしにくい面もあると思います。こうした「見通しが立たない状況が続くことに疲れやいらだちを感じる」(35.5%)点も問題で、中長期的な医療体制の大きなロードマップを国や専門団体が示し、現場の医師を少しでも安心させる配慮が求められます。定期的なアンケートやストレスチェックにより、随時こうした状況を捕捉することも重要でしょう。医師には、専門技能の習得や研鑽も欠かせませんが、「学会や勉強会などの直接的なコミュニケーションの機会が失われた」(55.6%)という点は医学全体のレベル維持に支障を来しかねません。現在の医学教育や臨床体制は平時を基準としていますが、今後は現在のような非常時が続くことを想定した“プランB”も用意する必要があるでしょう。一方、「医療者に対する差別や偏見にさらされ、つらい思いをしている」(9.4%)や「COVID-19に関する情報が足りず、診療に不安を覚える」(12.6%)はそこまで高い割合にはなっていません。現状は落ち着いて情報を取捨選択し、周囲の支援を受け働き続けている医療者が大半だと思われます。世界を見渡したとき、医療者の働き方やメンタルケアへの取り組みで参考になる動きはありますか?今回のCOVID-19対応をしている医療従事者のメンタルヘルス問題を集計した論文がいくつか発表されています1)。現在は中国・武漢のものが中心で、その内容からは「うつ、不安、不眠、ストレスの自覚」などの有訴率が高まっており、心理的なサポート不足を感じる人が多いことが伺えます。アンケートの記述コメントでは、スタッフのメンタルサポートのために「臨床心理士を配置した」「専門の相談窓口をつくった」といった内容が寄せられており、こうした素早い動きは評価すべきでしょう。とはいえ、私自身も長年医療者のストレス問題をみてきましたが、医師は弱音を吐くことが苦手な人が多く、窓口を設置してもなかなか活用されない面があることも事実です。アンケートの回答には、オンラインミーティングや勉強会など、制約のなかでもコミュニケーションをとる工夫をしている声が多くありました。こうした日々の取り組みやちょっとした遊び心が、長期的なメンタルヘルス対策につながります。東日本大震災のとき、遺体回収などの過酷な任務に就いた自衛隊は、任務後に不安やつらさをメンバー同士で吐き出し合う時間を設け、「自分だけがつらいのではない」と確認するメンタルケアを行っていたそうです。こうした例を参考に、マネジメント層の方はメンバーが本音を言い合える場をつくることを意識するとよいでしょう。米国では医療従事者のメンタルヘルス面における情報提供も進んでおり、トラウマティック・ストレス研究センター (Center for the Study of Traumatic Stress)では 医療従事者向けのCOVID-19対応マニュアルを作成しており 、その日本語版も用意されています。日本赤十字社がまとめた「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に 対応する職員のためのサポートガイド」の内容も非常に充実しています。国立精神・神経医療研究センターも医療者のためのケアの方法をまとめました。自分に合ったリラックス方法を見つけたり、自施設の取り組みを検討、確認したりするうえで参考になるでしょう。今後、長期に渡るであろうCOVID-19対応において、医療者が心身の健康を保つためのポイントは?各種論文や調査からは、各医師が全力で困難に立ち向かっている最中であることが伺えますが、長期戦になればその忍耐にも限界が来ます。自らの精神的健康を守るために、ストレス対応の基本を確認しておくとよいでしょう。「ストレスモデル」(図1)は仕事のストレス要因に個人的な要因、仕事以外の要因、緩衝要因が作用し合い、心理・身体・行動面のストレス反応を生み、その持続がメンタル疾患につながる、というモデルです。図1画像を拡大する国立労働安全衛生研究所(National Institute for Occupational Safety and Health: NIOSH)の職業性ストレスモデルを参考に編集部作成また、「高ストレス状態のモデル図」(図2)ではイライラ→身体不調→不安→うつが相関していることが確認できます。身体疾患のうしろにメンタル疾患が潜んでいることも多くあります。単に「最近疲れやすい」「調子が出ない」とやり過ごさず、適宜自分の状況を当てはめてみるようにしましょう。図2画像を拡大する中尾氏の資料より自分の思考のクセを知り、気持ちや行動をコントロールする「認知行動療法」の基本も誰もが知っておくべきです。今後は、AIやビッグデータを利用したメンタルケアのサービスが登場し、使いやすくなることに期待しています。組織面からは、今回導入が進んだ遠隔診療のさらなる充実と普及をはかり、不要な感染リスクを高めない工夫が求められるでしょう。同時に、長期的な課題になりますが、医療者教育に「危機管理学」や「組織論」を組み込むことも重要だと感じます。COVID-19は突如出現した厄災ではありますが、医師の偏在や医療者個人に無理を強いる働き方など、医療現場が長らく抱える問題をあらわにしました。医療に注目が集まる今、医療者はみずからと周囲の人の心身を守るため、必要なケアと発信をしていくべきでしょう。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。新型コロナに関する日常診療への影響、ストレスや悩みを教えてください

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第10回 95万円の診療報酬架空請求で逮捕!うがった見方をしてみれば

実母に在宅診療をしたとして架空請求こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。さて、緊急事態宣言が解除されましたが、その後のロードマップ「ステップ1」「東京アラート」「ニューノーマル」…、次から次へと出てくる新造語や基準があるようでよくわからないレギュレーションに、東京都民をはじめ首都圏に住む多くの人たちが戸惑っています。「もう戸惑うのは御免」とばかりに完全に自粛を解除してしまう人もいるようで、いわゆる”夜の街”(この言葉もなんか変ですね)では、「接待を伴う」わけではない普通の居酒屋にも、それなりに客足が戻っているようです。新型コロナウイルスが撃退されたわけでもないのに、この緩みっぷり…。人間とは面白い生き物です。さて、今回気になったのは、東京都羽村市の在宅クリニックで起きた診療報酬の架空請求事件です。この事件は新聞、テレビはじめ多くのメディアが報じました。毎日新聞やNHKなどの報道によれば、事件のあらましは次のようなものでした。5月27日、診療報酬を架空請求したとして、警視庁捜査2課は、東京都羽村市で在宅専門クリニックを開業する医療法人甲神会・理事長の医師(49)と、同法人の事務長(53)を逮捕しました。逮捕容疑は詐欺と私電磁的記録不正作出・同供用容疑です。逮捕容疑は、1月上旬~2月下旬ころにこの医師と同居する70代の実母に在宅診療をしたとする虚偽の電子カルテを作成、事務職員に虚偽の電子レセプトを作らせ、東京都後期高齢者医療広域連合に診療報酬計約95万円を架空請求し振り込ませた、というものです。母親は別の医療機関に通院していましたが、息子のクリニックからの在宅診療は受けていませんでした。報道では、この医師は「弁解の余地もありません」と容疑を認めているとのことでした。当局が医療関係者に発したアラート?この事件の報道、よくよく読むと不思議なことがいくつかあります。3点ほど挙げてみます。1)実母のレセプトにも関わらず、なぜバレたのか。2)億単位の不正請求が発覚しても逮捕されないケースもあるのに、わずか95万円でなぜ逮捕されたのか。3)このコロナ禍でどこの医療機関も大変な時期なのに、わざわざ逮捕する必要があったか。1)と2)ですが、多くの診療報酬不正請求事件は、地方厚生局などへの通報(患者や内部の従業員などからのいわゆる”たれこみ”)で発覚し、指導、監査へと進むことが大半です。今回の場合、母親が“たれこむ”わけがないので、この母親のレセプトを広域連合がチェックする段階で、「通院と在宅が混じっている、おかしいぞ」ということになった、と予想できます。ただ、95万円は「母親に在宅診療したと見せかけた架空請求」という1事例に過ぎず、不正請求の事例(余罪)はほかにもあるのかもしれません。95万円というのはさすがに少額過ぎるからです。3)が一番の謎です。東京の外れの1在宅クリニックの95万円の詐欺事件を、わざわざ全国に知らしめる必要があるのか、ということです。うがった見方かもしれませんが、この逮捕は「医療機関の皆さん、コロナで患者数が減って大変でしょうが、くれぐれも不正請求をしないように!100万以下でも逮捕しますよ!」という当局のアラートであった、とは考えられないでしょうか。最近、知人からこんな話を聞きました。「友人が子供を連れて行っていたかかりつけの小児科でコロナ疑いが出て、患者数が激減した。少し経ってから子供を連れていったところ、今までやらなかった余計ではないかと思われる検査をされたそうだ」。もちろんこのケースは不正請求ではありませんが、コロナ禍による患者・収入減の反動で過剰診療が増えているとすれば、不正請求に走る医療機関も、ひょっとしたら増えているのかもしれません。診療報酬の不正請求は詐欺罪にあたり、最長で懲役10年です。加えて、保険医取り消し、保険医療機関取り消し、医師免許停止・取り消し、医業停止といったさまざまな行政処分の対象にもなります。実は今年の3月から、不正請求をした医師や医療機関の取り扱いも厳しくなっています。詳細は各地方厚生局のホームページを見ていただきたいのですが、例えば関東信越厚生局のサイトには3月19日付けで、「行政処分が行われる前に、保険医療機関等や保険医等が自ら保険医療機関等の指定の辞退や保険医等の登録の抹消を申し出て、自ら保険医療機関等や保険医等から外れることによって、行政処分から免れるケースがあり、このようなケースについては公表を行っておりませんでしたが、保険診療を受けた患者(被保険者)の皆様の権利を守ることが目的であることに鑑み、すでに指定を辞退した保険医療機関等や登録抹消した保険医等についても、取消に相当する場合には、地方社会保険医療協議会の審議を経て、名称、氏名、不正理由、不正請求金額などを公表することといたしました」と告知されています。どう逃げようが、名前や医療機関名、不正請求の詳細は公にされてしまうわけです。わざわざこの時期に表沙汰となったこの事件、当局が医療関係者に発した“東京アラート”かもしれないということを、皆さんも頭の片隅に置いておいてください。

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第22回 今すぐ作ろう!オンライン診療対応チラシ【噂の狭研ラヂオ】

動画解説新型コロナウイルス感染症による時限的・特例的な処方箋の取り扱い、いわゆる0410事務連絡。患者さんが生活圏内で薬局を探しだす今こそ、処方箋をいただくチャンスです。狭間先生の薬局ではFAXでの処方箋受け取りをアピールするある秘策を行っているそう。一つひとつの薬局の特色を生かしたその方法とは?

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高齢者の血清尿酸値とうつ病との関係

 可溶性尿酸塩は、とくに中枢神経系における抗酸化作用として機能することが示唆されている。血清尿酸値が低いと神経変性疾患のアウトカム不良につながることを示唆するデータも存在するが、メンタルヘルスに対する影響は十分に評価されていない。韓国・中央大学校のWoo-Joong Kim氏らは、大規模サンプルを用いて、血清尿酸値とうつ病との関連について調査を行った。Arthritis Research & Therapy誌2020年5月6日号の報告。 対象者の社会人口統計学的特性、身体的および精神的健康状態に関する情報は、2016年の韓国国民健康栄養調査(KNHANES)のデータを用いた。うつ症状の評価には、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いた。年齢により、若年成人(19~39歳)、中年成人(40~59歳)、高齢者(60歳以上)に層別化し、分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・対象者は、5,332例。・男女別に血清尿酸値の分布を四分位に分類した。 ●Q1(男性:4.9mg/dL以下、女性:3.7mg/dL以下) ●Q2(男性:5.0~5.7mg/dL、女性:3.8~4.3mg/dL) ●Q3(男性:5.8~6.6mg/dL、女性:4.4~4.9mg/dL) ●Q4(男性:6.7mg/dL以上、女性:5.0mg/dL以上)・高齢者では、血清尿酸値の四分位とPHQ-9スコアとの間に有意な負の相関が認められた(男性:p for trend=0.020、女性:p for trend=0.048)。・調整後においても、血清尿酸値の低レベル(Q1、Q2)は、高レベル(Q3、Q4)と比較し、高齢者のうつ病の全体的な負担と有意な関連が認められた。 ●女性高齢者(OR:1.78、95%CI:1.21~2.61) ●男性高齢者(OR:3.35、95%CI:1.16~9.70) 著者らは「血清尿酸値が低いと、高齢者のうつ病リスクが高まることが示唆された。このことは、メンタルヘルスに臨床的な影響を及ぼす可能性がある」としている。

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パチシラン継続投与でTTR型FAPの症状が改善/アルナイラム

 アルナイラム社は、欧州神経学会バーチャル会議2020でトランスサイレチン(TTR)型家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)のRNAi治療薬パチシラン(商品名:オンパットロ)の国際共同試験の長期結果と同所性肝移植後に病状が進行した患者を対象とした治療の中間データを発表した。 TTR型家族性アミロイドポリニューロパチーは、TTR遺伝子の変異が原因で生じる進行性の難治性疾患で、患者数は全世界で約5万人と推定される。障害発生率と死亡率はきわめて高く、診断からの生存期間の中央値は4.7年、心筋症を発症した患者では3.4年とさらに短くなる。 オープンラベル継続投与(OLE)国際共同試験では、パチシランを24ヵ月間継続および追加投与したところ、ポリニューロパチーの症状およびQOLの改善が維持されたことが報告された。2020年3月の時点で、OLE国際共同試験に継続登録された13例の患者は6年以上パチシランによる治療を継続し、RNAi治療の臨床経験としては最長の結果が得られているという。 また、同所性肝移植後の患者を対象とした試験の中間データでは、これら患者団においてもTTRノックダウンが示され、パチシラン治療が広範な患者にベネフィットをもたらす可能性が示唆された。24ヵ月継続でニューロパチーの進行を抑止 現在進行中のパチシランの長期有効性および安全性を評価するOLE国際共同試験は、適格とされた患者(n=211)で行われており、パチシランを42ヵ月間継続投与された患者では、補正神経障害スコアが+7(mNIS+7)スコアおよびNorfolk QOL-糖尿病性ニューロパチー(QOL-DN)スコアともに低下するなど、第III相試験のベースラインと比較してニューロパチー障害およびQOLの改善が維持された。また、第III相試験でプラセボ投与後に、OLE試験でパチシランを24ヵ月間投与された患者では、ニューロパチーの進行に対する顕著な抑止効果とQOLの改善が認められた。同所性肝移植後に病状が進行した患者でも血清TTR値を低下 欧州で行われている同所性肝移植(OLT)後に病状が進行したTTR型家族性アミロイドポリニューロパチー患者を対象にしたパチシランの安全性、有効性、および薬物動態(PK)を評価する第IIIb相オープンラベル試験の中間解析データも発表された。この試験は、OLT後に疾患進行した(多発神経障害性能力障害[PND]スコアに基づく)23例の患者に、パチシラン点滴静注(0.3mg/kg)を3週間ごとに投与したもの。パチシラン投与3週間後の血清TTR値のベースラインからの平均低下率は81.9%だった。中間安全性解析時(2019年12月9日時点のカットオフ)のパチシランの安全性プロファイルは、第III相試験で認められ、報告された安全性プロファイルと一貫していた。OLT 後のパチシラン投与の安全性、有効性、およびPKは、進行中の本試験で引き続き検討されるという。パチシランの特徴 パチシランは、遺伝性ATTRアミロイドーシスを適応として承認されたRNAi治療薬で、わが国ではTTR型家族性アミロイドポリニューロパチーを適応症に承認されている。同治療薬は、原因となるTTRを標的とし、TTRメッセンジャーRNAを分解し、TTRタンパク質が作られる前にその産生を阻害するように設計されている。肝臓でのTTRの産生を阻害し、体内組織でのTTRの蓄積を減少させることで、本疾患に伴うポリニューロパチーの進行を停止または遅延させる働きを持つ。 点滴薬のため潮紅、背部痛、悪心などのインフュージョン・リアクションが認められ、副作用としては上気道感染などが報告されているほか、治療ではビタミンAの補充も推奨されている。

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COVID-19による静脈血栓症、入院前に発症か/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症患者では、Dダイマーと凝固系での凝固促進変化、この感染症に関連する静脈および動脈血栓症の上昇率が報告されている。現時点でのさまざまな論文報告によると、ICUに入室したCOVID-19患者の死亡率は50%と高い。とくに動脈・静脈での血栓イベント発症の報告は多く、末梢静脈血栓塞栓症は27~69%、肺塞栓症は最大23%も発生している。 フランス・CCN(centre cardiologique du nord saint denis)のJulien Nahum氏らが観察研究を行った結果、深部静脈血栓症の発症割合は79%と高く、早期発見と抗凝固療法を迅速に開始することで予後を改善する可能性が示唆された。また、抗凝固薬を予防投与したにもかかわらず、ICU入室後わずか2日で患者の15%が深部静脈血栓症を発症したことから、COVID-19のICU患者すべてにおいて系統的に抗凝固療法を評価する必要があるとしている。JAMA Network Open 2020年5月29日号のリサーチレターに報告した。 研究者らは、2020年3月中旬~4月初旬、フランス・パリ郊外にある病院の集中治療室(ICU)に入室したCOVID-19重症患者(急性呼吸窮迫症候群を起こし、人工呼吸を要した)を対象に深部静脈血栓症の系統的な評価を行う目的で観察研究を実施した。 研究者らは、ICU入室時、過去に炎症マーカー値の上昇を示したデータや入院時の静脈血栓症の発症率が高いことを考慮し、COVID-19患者全症例に対して下肢静脈エコーを実施。入院時の検査値が正常でも48時間後に下肢静脈エコーを行い、COVID-19の全入院患者に抗凝固療薬の予防投与を推奨した。統計分析はグラフパッドプリズム(ver.5.0)とExcel 365(Microsoft Corp)を用い、両側検定を有意水準5%として行った。 主な結果は以下のとおり。・計34例が組み込まれ、平均年齢±SDは62.2±8.6歳で、25例(78%)が男性だった。・COVID-19患者のうち26例(76%)がPCR法で診断された。 ・8例(24%)はPCR法で陰性だったが、CT画像でCOVID-19肺炎の典型的なパターンを示した。・主な併存疾患は、糖尿病(15例[44%])、高血圧症(13例[38%])、肥満(平均BMI±SD:31.4±9.0)で、深部静脈血栓症を最も発症していたのは、糖尿病(12例/15例)、次いで高血圧(9例/13例)だった。・ 26例(76%)は入院時にノルアドレナリンを、16例(47%)は腹臥位管理を、4例(12%)は体外式膜型人工肺(ECMO)を必要とした。・入院前に抗凝固療法を受けていた患者はわずか1例(3%)だった。・深部静脈血栓症は、入院時に22例(65%)、ICU入室48時間後に下肢静脈エコーを行った際5例(15%)で見られ、入院から48時間経過時点で計27例(79%)に認められた。 ・血栓症の発症部位は、両側性が18例(53%)、遠位が23例(68%)で、近位が9例(26%)だった。 ・過去に報告されたデータと比較して、今回の集団ではDダイマー(平均±SD:5.1±5.4μg/mL)、フィブリノーゲン(同:760±170mg/dL)およびCRP(同:22.8±12.9mg/dL)の値が高かった。一方、プロトロンビン活性(同:85±11.4%)と血小板数(同:256×103±107×103/μL)は正常だった。

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