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不安障害に対するヨガvs.認知行動療法vs.ストレス教育の有効性

 メンタルヘルスの改善に効果があるとされることの多いヨガだが、医学療法と比較した場合の効果はどうなのか。ヨガ、認知行動療法(CBT)と従来の治療法であるストレス教育の効果を比較した、米国・ニューヨーク大学のNaomi M. Simon氏らによる研究がJAMA Psychiatry誌オンライン版2020年8月12日号に掲載されている。 著者らは、2013年12月1日から2つの専門学術機関で参加者を募集、全般性不安障害(GAD)と診断された成人226例を対象とした。評価は2019年10月25日まで、分析は 2020年2月12日までに完了した。ヨガ(クンダリーニヨガ)とCBTそれぞれのストレス教育に対する優越性、およびヨガのCBTに対する非劣性を検証した。 参加者は、ヨガ(n=93)、CBT(n=90)、ストレス教育(n=43)に無作為に割り付けられ、4~6人のグループに分けられたうえで、2人のインストラクターによる20分間/日のホームワークを伴う120分のプログラムを受けた。主要評価項目はITT解析による12週間後のGAD反応率(臨床全般印象-改善度スコアが「よく改善」もしくは「非常によく改善」の割合)だった。 主な結果は以下のとおり。・226例の平均(SD)年齢は33.4(13.5)歳、女性が158例(69.9%)で、そのうち155例(68.6%)が評価を完了した。・完了者の内訳はヨガ60例(64.5%)、CBT67例(74.4%)、ストレス教育28例(65.1%)で、完了率に差はなかった(χ2=2.39、df=2、p=0.30)。・GAD反応率は、ヨガ群(54.2%)がストレス教育群(33.%)よりも高く(オッズ比[OR]:2.46、95%CI:1.12~5.42、p=0.03、要治療者数ではOR:4.59、95%CI:2.52~46.19)、CBT群(70.8%)がストレス教育群(33.0%)よりも高かった(OR:5.00、95%CI:2.12~11.82、p<0.001、要治療者数ではOR:2.62、95%CI:1.91~5.68)。・非劣性検証では、ヨガがCBTの効果と同等ということを示さなかった(差:16.6%、非劣性のp=0 .42)。 著者らは、 ヨガはGADに効果があるとしつつも、CBTが第1選択であることは変わらないとしている。

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METエクソン14スキッピング肺がん治療薬カプマチニブ発売/ノバルティス

 ノバルティス ファーマ、2020年8月26日、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬として、カプマチニブ (商品名:タブレクタ)を発売した。 カプマチニブはMETに対する選択的な経口阻害薬で、NSCLCにおける発がんドライバー因子であるMETex14変異に対しても阻害活性を有する。 METex14変異陽性のNSCLCは、肺がんの中でも予後不良な集団で治療選択肢が限られており、METex14を標的とする治療法の開発が望まれていた。METex14変異はNSCLC患者の約3~4%に報告されており、切除不能な進行・再発の非小細胞肺患者数は日本国内では約3,000名程度と推定される。 カプマチニブのの適応判定は、2020年6月25日に厚生労働省より承認を取得しているFoundationOne CDx がんゲノムプロファイルによって行う。 カプマチニブは、米国では2019年9月に画期的治療薬指定、本年2月に優先審査品目指定、5月に承認を取得している。本邦においては2019年5月に「MET遺伝子変異陽性の非小細胞肺」を予定される効能・効果として希少疾病用医薬品指定を受け、 2020年6月29日に製造販売が承認されている。

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イマチニブのGIST術後補助療法の期間、1年vs.3年/JAMA Oncol

 消化管間質腫瘍(GIST)に対するイマチニブ術後補助療法の至適投与期間はどれくらいなのか。フィンランド・ヘルシンキ大学のHeikki Joensuu氏らによる、イマチニブ術後補助療法の1年投与と3年投与を比較する多施設共同無作為化非盲検第III相試験の追跡10年時点の評価において、有効性は1年投与より3年投与が優れていることが示された。イマチニブ術後補助療法は、無再発生存期間(RFS)の延長と関連することが示されていたが、全生存期間(OS)の成績については明らかになっていなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「より長期のイマチニブ術後補助療法を行うことで、術後10年間の死亡リスクはほぼ半減する可能性が示された」とまとめている。JAMA Oncology誌2020年5月29日号掲載の報告。 研究グループは2004年2月~2008年9月に、フィンランド、ドイツ、ノルウェー、スウェーデンにおいて、再発リスクがmodified NIH Consensus Criteriaにより高リスクと判定され、肉眼的に完全切除後のGIST患者400例を登録し、イマチニブ400mg/日を1年間投与(1年群)または3年間投与(3年群)する群に、1対1の割合で無作為に割り付け追跡評価した。主要評価項目はRFS、副次評価項目はOSと安全性であった。主な結果は以下のとおり。・ITT集団は397例(1年群199例、3年群198例)であった。・無作為割り付け後の追跡期間中央値119ヵ月において、ITT集団のRFSイベントは194例、OSイベントは96例記録された。 ・5年および10年RFSは、3年群でそれぞれ71.4%および52.5%、1年群で53.0%および41.8%であった(ハザード比[HR]:0.66、95%信頼区間[CI]:0.49~0.87、p=0.003)。・5年および10年OSは、3年群でそれぞれ92.0%および79.0%、1年群では85.5%および65.3%であった(HR:0.55、95%CI:0.37~0.83、p=0.004)。 ・中央病理評価でGISTが認められなかった15例と、手術時に腹腔内転移を摘出した24例を除外した有効性集団でも、同様の結果が得られた(10年生存率:3年群81.6% vs.1年群66.8%、HR:0.50、95%CI:0.32~0.80、p=0.003)。・安全性について新たな問題は認められなかった。

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周産期うつ病に対するピアサポート介入の有効性~メタ解析

 周産期うつ病の予防や治療に対する代替アプローチとして、ピアサポート介入が有効である可能性が示唆されているが、出産前および産後の有効性、経済性、満足度については、あまりわかっていない。中国・湖南医薬学院のRuirui Huang氏らは、周産期うつ病に対するピアサポート介入の有効性、経済性、満足度に関する利用可能なエビデンスをレビューした。Journal of Affective Disorders誌2020年7月15日号の報告。 英語および中国語の複数の電子データベースより、2019年4月までのエビデンスを検索した。リファレンスのハンドサーチも行った。周産期うつ病を対象としたピアサポート介入について報告されたランダム化比較試験を抽出した。エビデンスの質は、Cochrane risk of bias toolを用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・選択基準を満たしたランダム化比較試験10件を最終分析に含めた。・ピアサポート介入により、標準化された平均抑うつスコア(-0.37、95%CI:-0.66~-0.08)およびうつ病のリスク比(0.69、95%CI:0.49~0.96)が減少した。・なお、臨床的不均一性が観察され、潜在的メディエーター(介入の強度、頻度、種類など)の存在が示唆された。 著者らは「ピアサポート介入は、周産期うつ病を予防または軽減する可能性がある。有用性に関連する潜在的なメディエーターを調査するためには、優れたデザインによる大規模な研究が必要とされる」としている。

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早期乳がんの放射線療法による長期予後、術中vs.術後外来/BMJ

 早期乳がん患者において、乳房温存手術(乳腺腫瘍摘出術)と併せて行う術中放射線療法(TARGIT-IORT)は、術後全乳房外部放射線療法(EBRT)に代わる有効な放射線療法であることが示された。長期のがん抑制効果はEBRTに引けを取らないものであり、一方で非乳がん死亡率は低かった。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのJayant S. Vaidya氏らによる無作為化試験「TARGIT-A試験」の結果で、本試験の早期結果においては、TARGIT-IORTの利点として通院頻度が少なく済むこと、QOLの改善、副作用が少ないことなどが示されていた。結果を踏まえて著者は、「乳房温存手術が予定されている場合、適格患者とTARGIT-IORTについて話をすべきであろう」と提言している。BMJ誌2020年8月19日号掲載の報告。早期乳がん2,298例をTARGIT-IORTとEBRTに無作為割り付け 研究グループは、TARGIT-IORTの有効性がEBRTに代わりうるものかを調べる前向き非盲検無作為化試験を行った。英国、欧州、オーストラリア、米国、カナダの10ヵ国32センターで、3.5cm以下、cN0-N1の浸潤性乳管がんである45歳以上の女性患者2,298例を登録し、乳房温存療法の適格性を検討した後、術前に無作為化を行い(中央でブロック層別化)、TARGIT-IORTまたはEBRTに1対1の割合で割り付けた。 EBRT群には全乳房への標準的な分割照射コース(3~6週間)が行われた。TARGIT-IORT群には同一麻酔下で乳腺腫瘍摘出後ただちに照射が行われ、ほとんどの患者(約80%)は1回のみの照射だった。なお、術後の組織病理学的検査で高リスク因子が疑われる所見が認められた場合は、EBRTの追加照射が行われた(約20%)。 主要評価項目は、5年局所再発率(両群間の絶対差の非劣性マージン2.5%以内と定義)と長期生存アウトカムであった。5年局所再発率の差は1.16%、その他要因の死亡率はTARGIT-IORT群が有意に低値 2000年3月24日~2012年6月25日に、1,140例がTARGIT-IORT群に、1,158例がEBRT群に無作為に割り付けられた。5年完遂フォローアップ時の局所再発リスクは、EBRT群0.95%に対し、TARGIT-IORT群2.11%で、TARGIT-IORTのEBRTに対する非劣性が示された(群間差:1.16%、90%信頼区間[CI]:0.32~1.99)。 最初の5年間で、TARGIT-IORTはEBRTよりも局所再発が13例多く報告された(24/1,140例vs.11/1,158例)が、死亡は14例少なかった(42/1,140例vs.56/1,158例)。 長期追跡(中央値8.6年、最長18.90年、四分位範囲:7.0~10.6)では、局所無再発生存について、統計学的に有意差はみられなかった(ハザード比[HR]:1.13、95%CI:0.91~1.41、p=0.28)。また、乳房温存生存(0.96、0.78~1.19、p=0.74)、遠隔無病生存(0.88、0.69~1.12、p=0.30)、全生存(0.82、0.63~1.05、p=0.13)、および乳がん死亡率(1.12、0.78~1.60、p=0.54)でも有意差は認められなかったが、その他の死因による死亡率はTARGIT-IORT群で有意に低かった(0.59、0.40~0.86、p=0.005)。

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FHホモ接合体のevinacumab併用、LDL-Cを40%低下/NEJM

 最大用量の脂質低下療法を受けているホモ接合型家族性高コレステロール血症(FH)の患者において、evinacumabを併用することでLDLコレステロール(LDL-C)値がベースラインよりも大幅に低下したのに対し、プラセボではLDL-C値がわずかに上昇し、24週の時点で群間差が49.0ポイントに達したとの研究結果が、南アフリカ共和国・ウィットウォータースランド大学のFrederick J. Raal氏らによって報告された。「ELIPSE HoFH試験」と呼ばれるこの研究の成果は、NEJM誌2020年8月20日号に掲載された。ホモ接合型FHは、LDL-C値の異常な上昇によって引き起こされる早発性の心血管疾患を特徴とする。この疾患は、LDL受容体活性が実質的に消失する遺伝子変異(null-null型)または障害される遺伝子変異(non-null型)と関連している。また、アンジオポエチン様3(ANGPTL3)をコードする遺伝子の機能喪失型変異は、低脂血症や、アテローム性動脈硬化性心血管疾患への防御と関連している。ANGPTL3に対するモノクローナル抗体であるevinacumabは、ホモ接合型FH患者にとって有益である可能性が示されていた。11ヵ国30施設が参加したプラセボ対照無作為化第III相試験 本研究は、11ヵ国30施設が参加したプラセボ対照無作為化第III相試験であり、2018年2月15日~12月18日の期間に患者登録が行われ、2019年7月29日にデータベースがロックされた(Regeneron Pharmaceuticalsの助成による)。 対象は、年齢12歳以上のホモ接合型FHで、許容できない副作用が発現しない最大用量の脂質低下療法を安定的に受けており、LDL-C値が70mg/dL以上の患者であった。 被験者は、evinacumab(15mg/kg体重)を4週ごとに静脈内注入する群またはプラセボ群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは、ベースラインから24週までのLDL-C値の変化率(%)とした。LDL-C値:47.1%低下vs.1.9%上昇 65例が登録され、evinacumab群に43例、プラセボ群には22例が割り付けられた。12~<18歳の患者が各群に1例ずつ含まれた。全体の平均年齢は41.7±15.5歳で、女性が35例(54%)であった。 ベースラインの平均LDL-C値は、最大用量の基礎脂質低下療法を受けていたにもかかわらず、evinacumab群が260mg/dL、プラセボ群は247mg/dLであった。全体の94%がスタチン(77%は高強度スタチン)、77%がPCSK9阻害薬の投与を、34%がアフェレーシスを受けており、63%が3剤以上の脂質修飾薬の投与を受けていた。 24週の時点で、evinacumab群ではLDL-C値がベースラインから47.1%低下したのに対し、プラセボ群では1.9%上昇しており、群間の最小二乗平均差は-49.0ポイント(95%信頼区間[CI]:-65.0~-33.1、p<0.001)であった。 また、LDL-C値の群間の最小二乗平均絶対差は-132.1mg/dL(95%CI:-175.3~-88.9、p<0.001)であった。 LDL-C値の低下は、null-null型変異を有する患者では、evinacumab群がプラセボ群よりも大きく(-43.4% vs.+16.2%)、非null型変異の患者でもevinacumab群で大きかった(-49.1% vs.-3.8%)。 主な副次アウトカムであるアポリポ蛋白B、非HDL-C値、総コレステロール値のベースラインから24週時までの変化率は、いずれもevinacumab群がプラセボ群よりも有意に低下した(すべてのp<0.001)。 有害事象は、evinacumab群が66%、プラセボ群は81%で発現した。evinacumab群で頻度の高い有害事象は、鼻咽頭炎(16%)、インフルエンザ様疾患(11%)、頭痛(9%)、鼻漏(7%)であった。 有害事象により治療中止となった患者は両群とも認められず、死亡例もなかった。重篤な有害事象は、evinacumab群の2例(5%、尿路性敗血症、自殺企図)でみられたが、いずれも回復した。 著者は、「LDL-C値の低下に伴い、アポリポ蛋白Bはevinacumab群がプラセボ群よりも36.9ポイント低下した。この低下は、大量基礎脂質低下療法へのアフェレーシス追加の有無にかかわらず達成された」としている。

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ペムブロリズマブ、6週ごと投与の用法・用量を追加/MSD

 MSDは、2020年8月21日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)のすべての効能・効果における用法・用量について、単剤または併用療法を問わず、これまでの「1回200mgを3週間間隔で30分間かけて点滴静注する」に加えて、「1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する」が追加となったと発表。 今回の用法・用量追加は、薬物動態シミュレーション、曝露量と有効性または安全性との関係に基づいて検討した結果、新規用法・用量である1回400mgを6週間間隔で投与した場合の有効性または安全性は、既承認の用法・用量である1回200mgを3週間間隔で投与した場合と明確な差異がないと予測され、承認に至ったもの。 ペムブロリズマブは、2017年2月15日に国内で販売を開始した。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺」「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形(標準的な治療が困難な場合に限る)」「根治切除不能又は転移性の腎細胞」「再発又は遠隔転移を有する頭頸部」の効能・効果について承認を取得している。また、乳がん、大腸がん、前立腺がん、肝細胞がん、小細胞肺がん、子宮頸がん、進行固形がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中である。

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041)病院の敷地内にパトカー【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第41回 病院の敷地内にパトカーゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆ある日のこと、いつもどおり出勤すると、駐車場にパトカーが2台。何かあったのかなと疑問に思いながら歩いて行くと、病院の入口で待機している警察官の姿が。受付は少し異様な雰囲気に包まれており、遠巻きに見る人だかりの中央には、何やら大声でクレームを言い続ける中年男性の姿がありました。よく見ると見覚えのある顔。確か、以前に顔の外傷で皮膚科を受診したことがあり、カルテに要注意マークのある患者さんです。私が診察した際は、「どうしてこの人が要注意なのだろう?」と不思議に思うくらい、比較的おとなしい印象でした。事情を知っているであろう外来ナースに聞いてみたところ、院内では有名な患者さんだとのこと。トラブルの詳細はわかりませんが、以前ドクターに手を上げたことがあるそうで、今回のヒートアップではすぐに警察が呼ばれたということでした。病院の敷地内でのパトカー、年に数回は見掛けるように思います。幸いなことに、私は警察のお世話になるようなトラブルに巻き込まれたことがありませんが、いろんな患者さんに関わる仕事上、いつ何が起こるかわかりません。事務スタッフの皆さま、いつもクレーム対応などありがとうございます。多くの患者さんと直接やり取りをする事務スタッフは、医師よりもそうした接触の機会が多い分大変だなと、今回のことであらためて思いました。開業医となると、トラブル対応も自分でやらなければならないので、覚悟が必要ですね。まだまだ未熟者の私には、勉強すべきことがたくさんあるようです。それでは、また~!

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第21回 大統領選のダシにされたCOVID-19血漿療法、日本でも似たようなことが!?

まだ、治療薬もワクチンも決定打がない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。そんな最中、米国食品医薬品局(FDA)は8月23日、COVID-19から回復した患者の新型コロナウイルスの中和抗体を含む血漿を用いた回復期血漿療法に対し、緊急使用許可を発行した。FDAによる緊急使用許可は抗ウイルス薬レムデシビルに次いで2例目だ。この緊急時使用許可の直後の会見でドナルド・トランプ米大統領は「信じられないほどの成功率」「死亡率を35%低下させることが証明されている」「この恐ろしい病気と戦う非常に効果的な方法であるとわかった」などと絶賛。同席したFDAのステファン・ハーン長官もこの死亡率35%低下を強調。しかし、この死亡率低下の根拠データが不明確との批判を受け、ハーン長官自身が謝罪に追い込まれる事態となった。さてこの1件、そもそも発端となっているのはメイヨークリニック、ミシガン州立大学、ワシントン大学セントルイス医学大学院が主導する「National COVID-19 Convalescent Plasma Expanded Access Program」により行われた臨床研究である。この結果は今のところプレプリントで入手可能である。そもそもこの試験は単群のオープンラベルという設定である。ここで明らかになっている主な結果を箇条書きすると以下のようになる。診断7日後の死亡率は、診断3日以内の治療開始群で8.7%、診断4日目以降の治療開始群で11.9% (p<0.001)。診断30日後の死亡率は、診断3日以内の治療開始群で21.6%、診断4日目以降の治療開始群で26.7% (p<0.0001)。診断7日後の死亡率は、IgG高力価 (>18.45 S/Co)血漿投与群で8.9%、IgG中力価(4.62~18.45 S/Co)血漿投与群で11.6%、IgG低力価 (<4.62 S/Co) 血漿投与群で13.7%と、高力価投与群と低力価投与群で有意差を認めた(p=0.048)。低力価血漿投与群に対する高力価血漿投与群の相対リスク比は診断7日後の死亡率で0.65 、診断30日後の死亡率で0.77 だった。これらを総合すると、トランプ大統領が言うところの死亡率35%低下は、最後の診断7日後の高力価血漿投与群での相対リスク比を指していると思われる。もっとも最初に触れたようにこの臨床研究は単群のオープンラベルであって、対照群すらない中では確たることは言えない。その点ではトランプ大統領もハーン長官も明らかなミスリードをしている。そして各社の報道では、11月に予定されている米大統領選での再選を意識しているトランプ大統領による実績稼ぎの勇み足発言との観測が少なくない。とはいえ、COVID-19により全世界的に社会活動が停滞している現在、治療薬・ワクチンの登場に対する期待は高まる中で、今回の一件は軽率の一言で片づけて良いレベルとは言えないだろう。そして少なくともトランプ大統領周辺では大統領への適切なブレーキ機能が存在していないことを意味している。大統領選のダシにされた血漿療法、日本は他人ごと?もっとも日本国内もこの件を対岸の酔っぱらいの躓きとして指をさして笑えるほどの状況にはない。5月には安倍 晋三首相自身が、COVID-19に対する臨床研究が進行中だった新型インフルエンザ治療薬ファビピラビル(商品名:アビガン)について、その結果も明らかになっていない段階で、「既に3,000例近い投与が行われ、臨床試験が着実に進んでいます。こうしたデータも踏まえながら、有効性が確認されれば、医師の処方の下、使えるよう薬事承認をしていきたい。今月(5月)中の承認を目指したいと考えています」と前のめりな発言をし、後のこの試験でアビガンの有効性を示せない結果になったことは記憶に新しい。もっと最近の事例で言えば、大阪府の吉村 洋文知事が8月4日、新型コロナウイルス陽性の軽症患者41例に対し、ポビドンヨードを含むうがい薬で1日4回のうがいを実施したところ、唾液中のウイルスの陽性頻度が低下したとする大阪府立病院機構・大阪はびきの医療センターによる研究結果を発表。これがきっかけで各地のドラッグストアの店頭からポビドンヨードを含むうがい薬が一斉に底をついた。これについては過去にこの結果とは相反する臨床研究などがあったことに加え、医療現場にも混乱が及んだことから批判が殺到。吉村知事自身が「予防効果があるということは一切ないし、そういうことも言ってない」と釈明するに至っている。もっとも吉村知事はその後も「感染拡大の一つの武器になる、という強い思いを持っています」とやや負け惜しみ的な発言を続けている。ちなみに今年2月から始動し、7月3日付で廃止された政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の関係者は以前、私にこんなことを言っていたことがある。「吉村大阪府知事や鈴木北海道知事など新型コロナ対策で目立っている若手地方首長に対する総理の嫉妬は相当なもの。会議内で少しでもこうした地方首長を評価するかのような発言が出ると、途端に機嫌が悪くなる」今回の血漿療法やこれまでの経緯を鑑みると、新型コロナウイルス対策をめぐる政治家の「リーダーシップ」もどきの行動とは、所詮は自己顕示欲の一端、いわゆるスタンドプレーに過ぎないのかと改めて落胆する。新型コロナウイルス対策でがっかりな対応を見せた政治家は日米以外にもいる。もはや新型コロナウイルスが炙り出した「世界びっくり人間コンテスト」と割り切ってこの状況を楽しむ以外方法はないのかもしれない。

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留学はトラブルとハプニングの連続!? リアルな年収と暮らしについて【臨床留学通信 from NY】第11回

第11回:留学はトラブルとハプニングの連続!? リアルな年収と暮らしについて2018年6月21日、私は家族共々、念願のニューヨークに乗り込んだわけですが、何事もうまくいかないのが留学というものです。到着3~4日で早くもオリエンが始まり、7月1日 (日曜日でした)が仕事始めだったのですが、契約するアパートには7月5日まで入ることができず、やむなく病院まで地下鉄で1時間余り離れたFlushing (全米オープンテニスの会場、Flushing Meadowの近く)のホテルに2週間ほど滞在しなければなりませんでした。マンハッタンのホテルは料金が高く、2週間も滞在するのは無理なので遠いところに借りたわけですが、そのため当初は朝4時20分に起床、30分後には電車に乗り、6時前に病院に着くなり患者さんの診察を開始するという、かなりハード勤務状況でした。しかも、最初の1週間は英語のシャワーで頭はパンク寸前。それでも毎日18時、日によっては21時まで勤務が続き、ヘトヘトになったのは今でも忘れられません。そんな私の当初の給料は、年俸6万3,000ドルでした。「研修医でその額は悪くないのでは?」と思われるかもしれませんが、何せここはニューヨークです。病院が借り上げたふるーいアパート(1LDK相当)ですら、家賃が月1,900ドル程度かかります。そんな物件ですら、普通に借りれば月3,000ドル近くにもなります。私の場合、最初の半年は月2,200ドルだったのが、幸か不幸か、ボロすぎるという理由で値下げとなりました。それでも、税金や家賃が給料から天引きされると、実質的な手取りは月1,500ドル程度にしかならず、家族4人で生活するのがやっとです。Trader Joe's という大手チェーンのスーパーがあり、そこならば比較的良心的な価格で食材が揃いますが、それ以外は日系スーパー含め、日本の物価の倍近くになることも多いです。私が取得したJ-1ビザのメリットの1つに最初2年間のTax returnがあり、それがいくらかの足しにはなりましたが、それもなくなってしまった現状は、渡米直後の暮らしぶりとほとんど変わりません。もちろん、悪いことばかりでもありません。ニューヨーク市に住んでる以上、日々の生活に車は不要で、日本の幼稚園に相当するPre-K、Kindergartenは、パブリックであればタダなのが救いです。またMDとしての勤務のため、自身の病院関連であれば、家族含めて保険料や医療費が掛からないのも助かります。ただし、歯科についてはあまり保険でカバーされず苦労することが多いので、留学前に日本で歯の検診を済ませておくことをお勧めします。研究留学でも、グラントなどとの兼ね合もありますが、おおむね似たような暮らしかと思います。ただ、保険などで苦労している人が多いようです。留学当初、最も苦労したのはSocial Security Number(日本でいうマイナンバーのようなもの)です。これがないと給料の振込み、保険の設定ができません。私の場合、ホテル暮らしの後に入居予定だったアパートを宛先にしたところ、いっこうに届きませんでした。恐らく、いったん入居前に届けられたものの、誰も住んでいないとみなされてそのまま持ち帰りになってしまったのだと思います。しかも、役所に問い合わせてもなかなか担当まで行き着かないのが、ここアメリカです。結局、再発行に2週間以上掛かり、最終的に手元に届くまで生きた心地がしなかったです。万が一、その期間に病気になっても無保険だったかもしれず、今思えばゾッとします。仕事が英語やシステムに対して不慣れなだけでなく、家族共々安全に過ごすために不可欠なセットアップ、いざ生活が始まってみて1,500ドルで実際どれくらいの生活ができるのか見通しが立つまで心労が絶えなかったのも、今でもよく覚えています。留学にはこうした思わぬブラックホールがつきものですが、それを差し引いても留学によって国内では得難い経験が積めるのもまた事実です。異国に住む不便さを身をもって知ることも、そのひとつでしょう。留学を考え始めた当初の私は、渡米そのものをゴールにしていましたが、そうではなくそこからが新たなスタートだ、という意識に切り替えた上で留学したため、渡米直後の苦しい日々を何とか乗り切れたのではないかと思います。ColumnCOVID-19の影響で、現状、USMLE Step2 CSが開催されなくなっており、OETという英語のテストを受ける必要があるようです1)。実際、どの程度のレベルの英語力が求められるかは不明ですが、USMLEを考えていらっしゃる方は、遅かれ早かれこのテストを受けてみる必要があると思います。なお私の渡米前のTOEFL スコアは92点で、2年経過しても英語で苦労しており、どこかのタイミングで集中的に英語の勉強はやはり必要ですね。1)https://www.ecfmg.org/certification-requirements-2021-match/oet.html?fbclid=IwAR2yYyABh5iw4l7kQ0GHOr_0Ag5g_ahJMQmv9F7HtZGKv7KjWxdqtcGH_pU

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うつ病のアルゴリズムに基づく治療プログラムの有効性

 ランダム化比較試験(RCT)で証明された効果が、日常の臨床診療で一般化できるかどうかには疑問が残る。オランダ・フローニンゲン大学のKaying Kan氏らは、うつ病のアルゴリズムに基づく治療(AGT)プログラムの治療オプションを評価し、それらの有効性を有効性試験のアウトカムと比較した。さらに、治療継続性とアウトカムとの関係を評価した。Journal of Affective Disorders誌2020年10月1日号の報告。 オランダのメンタルヘルス医療従事者より2012年1月~2014年11月の治療データを収集し、ルーチンアウトカムモニタリング(ROM)データと関連付けた患者351例を対象とした、自然主義的研究を実施した。治療オプション(薬物療法、心理療法、薬物+心理療法)の有効性は、メタ解析で報告された有効性と比較した。バイナリ変数として治療継続性(推奨された治療セッションの早期中止患者と完了患者の比較)を含めた。 主な結果は以下のとおり。・各治療オプションの寛解率は、メタ解析の結果と比較し、以下のとおりであった。 ●心理療法:38%(95%CI:32~45)、メタ解析より低い ●薬物療法:31%(95%CI:22~42)、メタ解析と同等 ●薬物+心理療法:46%(95%CI:19~75)、メタ解析と同等・各治療オプションの治療反応率は、メタ解析の結果と比較し、以下のとおりであった。 ●心理療法:24%(95%CI:19~30)、メタ解析より低い ●薬物療法:21%(95%CI:13~31)、メタ解析より低い ●薬物+心理療法:46%(95%CI:19~75)、メタ解析と同等・治療セッションの早期中止患者と完了患者の寛解率および治療反応率は、同等であった。・本研究の限界として、ROMデータの不十分さ、選択バイアスチェックのための患者特性データが限られていた点が挙げられる。 著者らは「臨床診療において、患者の状態の不均一性が高いにもかかわらず、ガイドラインを厳格に順守したAGTプログラムの有効性は、RCTの結果と大きな違いは認められなかった。また、推奨された治療セッション数は、すべての患者に適しているとは限らない可能性がある」としている。

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がん治療で心疾患リスクを伴う患者の実態と対策法/日本循環器学会

 第84回日本循環器学会学術集会(2020年7月27日~8月2日)で佐瀬 一洋氏(順天堂大学大学院臨床薬理学 教授/早稲田大学医療レギュラトリーサイエンス研究所)が「腫瘍循環器診療の拡がりとCardio-Oncology Rehabilitation(CORE)」について発表。がんを克服した患者の心血管疾患発症リスクやその予防策について講演した。循環器医がおさえておくべき、がん治療の新たなる概念-サバイバーシップ がん医療の進歩により、がんは不治の病ではなくなりつつある。言い換えるとがん治療の進歩により生命予後が伸びる患者、がんサバイバーが増えているのである。とくに米国ではがんサバイバーの急激な増加が大きな社会問題となっており、2015年時点で1,500万人だった患者は、今後10年でさらに1,000万人の増加が見込まれる。 たとえば小児がんサバイバーの長期予後調査1)では、がん化学療法により悪性リンパ腫を克服したものの、その副作用が原因とされる虚血性心疾患(CAD)や慢性心不全(CHF)を発症して死亡に繋がるなどの心血管疾患が問題として浮き彫りとなった。成人がんサバイバーでも同様の件が問題視されており、長期予後と循環器疾患に関する論文2)によると、乳がん患者の長期予後は大幅に改善したものの「心血管疾患による死亡はその他リスク因子の2倍以上である。乳がん診断時の年齢が66歳未満では乳がんによる累計死亡割合が高かった一方で、66歳以上では心血管疾患(CVD)による死亡割合が増加3)し、循環器疾患の既往があると累計死亡割合はがんとCVDが逆転した」と佐瀬氏はコメントした。心疾患に影響するがん治療を理解する この逆転現象はがん治療関連心血管疾患(CTRCD:Cancer Therapeutics-Related Cardiac Dysfunction)が原因とされ、このような患者は治療薬などが原因で心血管疾患リスクが高くなるため、がんサバイバーのなかでも発症予防のリハビリなどを必要とする。同氏は「がん治療により生命予後が良くなるだけではなく、その後のサバイバーシップに対する循環器ケアの重要性が明らかになってきた」と話し、がんサバイバーに影響を及ぼす心毒性を有する薬を以下のように挙げた。●アントラサイクリン系:蓄積毒性があるため、生涯投与量が体表面積あたり400mg/m2を超えるあたりから指数関数的にCHFリスクが上昇する●分子標的薬:HER2阻害薬はアントラサイクリン系と同時投与することで相乗的に心機能へ影響するため、逐次投与が必要。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)は世代が新しくなるにつれ血栓症リスクが問題となる●免疫チェックポイント阻害薬:PD-1阻害薬とCTLA-4阻害薬併用による劇症心筋炎の死亡報告4)が報告されている これまでのガイドラインでは、薬剤の影響について各診療科での統一感のなさが問題だったが、2017年のASCOで発表された論文5)を機に変革を迎えつつある。心不全の場合、日本循環器学会が発刊する『腫瘍循環器系の指針および診療ガイドライン』において、がん治療の開始前に危険因子(Stage A)を同定する、ハイリスク患者とハイリスク治療ではバイオマーカーや画像診断で無症候性心機能障害(Stage B)を早期発見・治療する、症候性心不全(Stage C/D)はGLに従って対応するなど整備がされつつある。しかしながら、プロテアソーム阻害薬や免疫チェックポイント阻害薬のような新規薬剤は未対応であり、今後の課題として残されている。循環器医からがんサバイバーへのアプローチが鍵 がん治療が心機能へ影響する限り、これからの循環器医は従来型の虚血性心疾患と並行して新しい危険因子CTRCDを確認するため「がん治療の既往について問診しなければならない」とし、「患者に何かが起こってから対処するのではなく腫瘍科医と連携する体制が必要。そこでCardio-Oncologyが重要性を増している」と述べた。 最後に、Cardio-Oncologyを発展させていくため「病院内でのチームとしてなのか、腫瘍-循環器外来としてなのか、資源が足りない地域では医療連携として行っていくのか、状況に応じた連携の進め方が重要。循環器疾患がボトルネックとなり、がん治療を経た患者については、腫瘍科医からプライマリケア医への引き継ぎ、もしくは心血管疾患リスクが高まると予想される症例は循環器医が引き継いでケアを行っていくことが求められる。これからの循環器医にはがんサバイバーやCTRCDに対するCORE6)を含めた対応が期待されている」と締めくくった。■参考1)Armstrong G, et al. N Engl J Med. 2016;374:833-842.2)Ptnaik JL, et al. Breast Cancer Res. 2011 Jun 20;13:R64.3)Abdel-Qadir H, et al. JAMA Cardiol. 2017;2:88-93.4)Johnson DB, et al. N Engl J Med. 2016;375:1749-1755.5)Almenian SH, et al. J Clin Oncol. 2017;35:893-911.6)Sase K, et al. J Cardiol.2020 Jul 28;S0914-5087(20)30255-0.日本循環器学会:心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2012年改訂版)

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“GLP-1ダイエット”は速やかに規制当局へ連絡、製造販売元4社が警告

 2型糖尿病治療薬・GLP-1受容体作動薬の適応外使用について、「GLP-1ダイエット」などと称され、美容・痩身をうたうインターネット上の広告が問題となっている。20日、GLP-1受容体作動薬の製造販売元4社(ノボ ノルディスク ファーマ、アストラゼネカ、サノフィ、日本イーライリリー)が、文書で適正使用を呼び掛けた。GLP-1ダイエット問題に関しては、日本糖尿病学会からも7月9日に見解・警告が出されている。GLP-1受容体作動薬の適応外使用推奨は規制当局へ連絡 文書では、GLP-1受容体作動薬について、現時点でわが国においては2型糖尿病のみを効能・効果として製造販売承認を取得しており、それ以外の目的で使用された場合の安全性および有効性については確認されていない、と改めて強調。また、GLP-1受容体作動薬が適応外使用された場合、本来の効果が見込めないだけでなく、思わぬ健康被害が発現する可能性も想定されると注意喚起している。 製造販売元の各製薬企業は、承認外の使用を推奨していると受け取れる記事などについて、確認次第、規制当局への連絡、相談を速やかに実施するなど、厳しく対処する方針を示した。医療関係者および患者へも、適正な使用への協力を呼び掛けている。 現在、国内で製造販売承認を受けているGLP-1受容体作動薬には以下の薬剤がある。・リラグルチド(商品名:ビクトーザ)/ノボ ノルディスク ファーマ・セマグルチド(同:オゼンピック、リベルサス)/同・エキセナチド(同:バイエッタ、ビデュリオン)/アストラゼネカ・リキシセナチド(同:リキスミア)/サノフィ・デュラグルチド(同:トルリシティ)/日本イーライリリー 今年6月に承認され、初の経口GLP-1受容体作動薬として注目されるリベルサス錠については、8月の薬価収載が見送られ、発売時期は未定となっている。

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毎月の住宅費や物件の購入価格は?医師1,000人に聞きました

 転勤や開業の可能性など、キャリアプランによって大きく左右される医師の住まい選び。20代から70代以上まで、各世代の医師たちはどんな選択をして、どれくらいの費用を住宅にかけているのか。CareNet.comの会員医師1,000人に、その実情を聞いた。約半数が賃貸住まい、購入者は約6割が30代で購入 住宅の購入歴あり、と答えたのは1,000人中519人(51.9%)。総務省「住宅・土地統計調査」によると、2018年の日本全国での持ち家率は61.2%1)。転勤が多いなどの医師という職業の特性が影響しているのかもしれない。購入した年代別にみると、最も多かったのが30代で312人(60.1%)、40代が165人(31.8%)と続き、30~40代での購入者が9割以上を占めた。 購入した物件の形態については、戸建が63.3%を占め、マンション(36.7%)を上回った。東京都(戸建58.0% vs.マンション42.0%)、大阪府(51.9% vs.48.1%)などの都市圏でも戸建購入者が多い傾向がみられた。 一方で、購入歴なしと答えたのは481人(48.1%)。うち、約半数の252人(52.4%)が購入希望ありと回答し、229人(47.6%)が購入希望なしと回答した。全体でみると、約1/4の医師が購入希望なしと回答した形となる。毎月の住宅費、最も多かった回答は10万円未満 毎月の住宅費(賃貸の場合は家賃、購入の場合は主にローン返済費[マンションの場合は管理費や修繕積立金などとの合計])について聞いた結果、最も多かったのは「10万円未満」という回答。次いで「なし」が22.0%、「10~14万円」が20.6%、「15~19万円」が16.3%と続いた。 年代別にみると各年代で傾向は大きく異なり、20代では「10万円未満」が55.0%を占めたが、30代では29.2%となり、「10~14万円」が26.9%、「15~19万円」が20.0%となっている。40代では「10万円未満」は16.9%とさらに減り、「10~14万円」が26.4%、「15~19万円」が24.2%、「20~29万円」が13.4%。50代からは「なし」と答えた割合が年代が高くなるにつれ上昇し、50代で31.3%、60代で50.0%、70代以上では73.7%を占めた。 地域別にみると、東京都、大阪府でとくに金額帯が高い傾向がみられ、6割以上が10万円以上と回答した。東京都では「15~19万円」および「20~29万円」が21.8%ずつと最も多く、大阪府では「10~14万円」および「15~19万円」が23.2%ずつと最も多くを占めた。一方、北海道・東北6県および四国4県では、10万円以上と回答した人は3~4割に留まった。購入時の物件価格の価格帯、頭金の金額帯は? 住宅の購入歴あり、と答えた人に物件の価格帯について聞いた結果、「3,000~4,000万円台」が30.8%、「5,000~6,000万円台」が30.2%と多くを占めた。次いで、「7,000~9,000万円台」が20.7%、「3,000万円未満」が10.4%と続く。地域別にみると、東京都の価格帯が突出して高く、「5,000万円未満」との回答は18%に留まり、「7,000~9,000万円台」との回答が最も多く、36.0%を占めた。 購入時の頭金については、「一括払い」と回答した人が10.6%だったのに対し、「頭金なし」と回答した人も14.3%であった。最も多かったのは「100~999万円」で27.8%、次いで「1,000~1,999万円」が23.4%で、約半数が100~2,000万円の頭金を用意していた。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。賃貸か購入か、医師の最新住宅事情

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体重減少伴う発症初期の糖尿病で膵がんリスク増/JAMA Oncol

 糖尿病と膵臓がんの関連は知られているが、体重減少を伴う発症して間もない糖尿病では、膵臓がんのリスクが大幅に高いことが明らかにされた。米国・ダナ・ファーバーがん研究所のChen Yuan氏らによるコホート研究の結果で、「高齢」「以前は健康体重」「意図的な減量ではない」場合は、さらに膵臓がんの発症リスクが高まることも示された。米国において膵臓がんは、がん死要因で3番目に多いという。しかしこれまで、膵臓がんの早期診断戦略を促進する高リスク群は、ほとんど特定されていなかった。JAMA Oncology誌オンライン版2020年8月13日号掲載の報告。 研究グループは、30年以上にわたり繰り返し評価が行われてきた米国の2つのコホート研究(Nurses’ Health StudyおよびHealth Professionals Follow-Up Study)のデータを用いて、糖尿病罹病期間および最近の体重変化とその後の膵臓がんリスクとの関連を解析した。 膵臓がんの発症は、自己報告または参加者の死亡の追跡調査により特定し、死亡は近親者からの報告、米国郵便公社または国民死亡記録(National Death Index)で確認された。 主要評価項目は、膵臓がん発症のハザード比(HR)。2018年10月1日~12月31日にデータを収集し、2019年1月1日~6月30日に解析が行われた。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、女性11万2,818例(平均年齢59.4[SD 11.7]歳)、男性4万6,207例(64.7[10.8]歳)で、このうち膵臓がん発症は1,116件確認された。・非糖尿病者と比較した膵臓がんの年齢補正後HRは、糖尿病を発症して間もない(短期罹病)被験者で2.97(95%信頼区間[CI]:2.31~3.82)、長期罹病者で2.16(95%CI:1.78~2.60)であった。・非体重減少者と比較した膵臓がんの年齢補正後HRは、1~4ポンドの体重減少者は1.25(95%CI:1.03~1.52)、5~8ポンドの体重減少者は1.33(95%CI:1.06~1.66)、8ポンドを超える体重減少者は1.92(95%CI:1.58~2.32)であった。・1~8ポンドの体重減少を伴う糖尿病短期罹病者(91/10万人年[95%CI:55~151]、HR:3.61[95%CI:2.14~6.10])、または8ポンドを超える体重減少を伴う糖尿病短期罹病者(164/10万人年[95%CI:114~238]、HR:6.75[95%CI:4.55~10.00 ])は、いずれも非該当の被験者(16/10万人年[95%CI:14~17)と比較して、膵臓がんのリスクは大幅に高かった。・膵臓がんの罹患率は、糖尿病短期罹病者で、かつ体重減少前のBMIは25未満でありそこからさらに体重が減少した者(罹患率400/10万人年)、または身体活動の増加や健康的な食事の選択が認められ体重減少が意図的ではなかったと判断される被験者(334/10万人年)では、さらに高かった。

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うつ病を伴う糖尿病患者、医療従事者のケアで代謝指標が改善/JAMA

 うつ病を合併した糖尿病患者に対する共同ケア(collaborative care)は、通常ケアと比較して24ヵ月時点のうつ症状および循環代謝指標の複合評価を、統計学的に有意に改善することが認められた。米国・エモリー大学のMohammed K. Ali氏らが、インドにおけるうつ病を合併した糖尿病患者を対象とする実用的な無作為化非盲検臨床試験「INDEPENDENT試験」の結果を報告した。メンタルヘルス疾患を合併している患者は増加しており、糖尿病ではとくにケアが断片化しているとアウトカムが悪化する。低中所得国では、財政や医療従事者の不足などが障壁となって効果的なケアが阻まれ、ますます複数の慢性疾患を有する患者が増加し、回避可能にもかかわらず不良なアウトカムにつながっている。そのため、メンタルヘルスケアの導入を増加させアウトカムを改善するために有効で実現可能な統合ケアが求められていた。JAMA誌2020年8月18日号掲載の報告。うつ病を伴う2型糖尿病患者約400例で、共同ケアと通常ケアを比較 研究グループは、インドの社会経済的に多様な病院4施設において、2型糖尿病患者(患者健康質問票のうつ病評価尺度[PHQ-9]スコア10点以上、HbA1c 8%以上、収縮期血圧[SBP]140mmHg以上、LDLコレステロール130mg/dL以上)を登録し、介入群と対照群に無作為に割り付けた。登録期間は2015年3月9日~2016年5月31日。最終追跡調査日は2018年7月14日であった。 介入群(196例)では、医師ではないケアコーディネーター(栄養士、ソーシャルワーカーなど)による12ヵ月間のセルフマネジメントサポート、医師の診療を調整する意思決定支援電子健康記録の利用、および専門家による症例検討を受け、その後介入なしで12ヵ月間追跡を受けた。対照群(208例)は通常ケアを24ヵ月間受けた。 主要評価項目は、24ヵ月時点においてSymptom Checklist Depression Scale(SCL-20)スコアが50%以上低下、HbA1cが0.5%以上低下、SBPが5mmHg以上低下およびLDLコレステロール値が10mg/dL以上低下の複合エンドポイントを達成した患者の割合の群間差とした。介入群でうつ症状と循環代謝指標が改善 無作為化された404例(平均[±SD]年齢53±8.6歳、男性165例[40.8%])のうち、378例(93.5%)が試験を完遂した。 主要評価項目を達成した患者の割合は、介入群が71.6%、対照群が57.4%であり、対照群と比較して介入群で有意に増加した(リスク群間差:16.9%、95%CI:8.5~25.2、p<0.001)。事前に定義した16の副次評価項目のうち、12ヵ月時点で10項目、24ヵ月時点で13項目は、両群間で有意差は確認されなかった。 介入群と対照群における重篤な有害事象は、心血管イベントまたは入院(4例[2.0%]vs.7例[3.4%])、脳卒中(0例vs.3例[1.4%])、死亡(2例[1.0%]vs.7例[3.4%])、重篤な低血糖(8例[4.1%]vs.0例)であった。

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予期せぬ体重減少、がん精査をすべき?/BMJ

 プライマリケアで予期せぬ体重減少を呈した成人のがんリスクは2%以下で、英国の現行ガイドラインに基づく検査対象とはならないことが明らかにされた。英国・オックスフォード大学のBrian D. Nicholson氏らによる、予期せぬ体重減少のがん予測を定量化することを目的とした診断精度研究の結果で、著者は、「しかしながら、50歳以上の男性喫煙者および臨床所見を有する患者では、がんリスクを考慮すると、侵襲的な検査受診を紹介する必要がある」と述べている。報告では、特定のがん部位と関連する典型的な臨床所見は、予期せぬ体重減少が生じた際は複数のがん種のマーカーとなることも明らかにされた。BMJ誌2020年8月13日号掲載の報告。予期せぬ体重減少を呈した患者6万3,973例で、がんの診断精度を検証 研究グループは、英国のプライマリケアにおけるNational Cancer Registration and Analysis Service(NCRAS)およびClinical Practice Research Datalink(CPRD)電子健康記録を用いて、2000年1月1日~2012年12月31日に予期せぬ体重減少が記録された成人(18歳以上)6万3,973例を特定し解析した。 主要評価項目は、最初に体重減少が記録された日(インデックス日)から6ヵ月以内のがんの診断である。インデックス日の3ヵ月前から1ヵ月後までの期間の、付加的な臨床所見についても特定された。診断精度は、陽性および陰性の尤度比、陽性予測値、診断のオッズ比(OR)で評価した。 予期せぬ体重減少を認めた成人6万3,973例のうち、3万7,215例(58.2%)が女性、3万3,167例(51.8%)が60歳以上、1万6,793例(26.3%)が喫煙者であった。予期せぬ体重減少のみでプライマリケアを受診した成人患者のがんリスクは2%以下 インデックス日から6ヵ月以内にがんと診断された人は908例(1.4%)で、このうち882例(97.1%)が50歳以上であった。がんの陽性予測値は、50歳以上の男性喫煙者では英国国立医療技術評価機構による緊急検査の推奨閾値である3%を超えていたが、女性ではどの年齢でも確認されなかった。 予期せぬ体重減少を伴う男性では10項目の臨床所見が、女性では11項目が、がんと関連していた。陽性尤度比は、男性で非心臓性胸痛の1.86(95%信頼区間[CI]:1.32~2.62)から腹部腫瘤の6.10(3.44~10.79)までの範囲、女性では背部痛の1.62(1.15~2.29)から黄疸の20.9(10.7~40.9)までの範囲であった。 がんと関連があった血液検査異常値は、アルブミン低値(4.67、95%CI:4.14~5.27)、血小板数増加(4.57、3.88~5.38)、カルシウム高値(4.28、3.05~6.02)、白血球数増加(3.76、3.30~4.28)、C反応性蛋白高値(3.59、3.31~3.89)などであった。一方で、単独でがんの否定につながる血液検査正常値はなかった。また、予期せぬ体重減少を伴う臨床所見は、複数のがん部位と関連していた。

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第39回 「服薬期間中のフォロー」で実際に糖尿病患者のHbA1cは改善するのか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 9月1日より施行される改正薬機法で義務化される「服薬期間中のフォロー」は多くの薬剤師が意識しているようで、電話やメッセージアプリなどによる支援を実施していたり、いろいろと検討していたりするという話を聞きます。海外においては、すでにテキストメッセージや電話によるフォローを行い、それらのアウトカムを検討した論文が少なからず存在します。今回はその中から、2018年5月にBMJ誌に掲載された、ショートメッセージサービス(SMS)をベースにした糖尿病自己管理サポートの論文を紹介します1)。対象患者は16歳以上のコントロール不良(HbA1cが65mmol/molまたは8%以上)の1型または2型糖尿病患者366例で、通常のケアに加えて個別化されたテキストメッセージによるフォローを最大9ヵ月間受ける介入群183例と、通常ケアのみを受ける対照群183例にランダムに割り付けて比較しています。途中脱落や連絡が取れなくなったなどの被験者を除き、各群177例が解析に含まれました。テキストメッセージで提供された情報は、糖尿病自己管理や生活スタイルに関わるサポート、動機付けおよびリマインドで、メッセージは自動コンテンツ管理システムにより送信されています。主要評価項目はHbA1cのベースラインから9ヵ月時点における変化、セカンダリアウトカムは3ヵ月と6ヵ月時点におけるHbA1cの変化、効果の自覚、セルフケアの行動、健康関連のQOLなど21項目をみています。9ヵ月時点の平均HbA1bは、対照群の-3.96mmol/mol(標準偏差[SD]:17.02)と比べて介入群では-8.85mmol/mol(SD:14.84)で、補正後平均差-4.23(95%信頼区間[CI]:-7.30~-1.15)と有意に低下しました。セカンダリアウトカムについては、21項目中、フットケア(補正後平均差:0.85[95%CI:0.40~1.29]、p<0.001)、全体的な糖尿病サポート(補正後平均差:0.26、95%CI:0.03~0.50、p=0.03)、EQ-5D評価による視覚アナログスケール(補正後平均差:4.38、95%CI:0.44~8.33、p=0.03)、糖尿病の症状の自覚(補正後平均差:-0.54、95%CI:-1.04~-0.03、p=0.04)の4項目で有意な差が出ています。患者の介入への満足度は高く、169例中161例(95%)が役に立ったと報告しており、164例(97%)がほかの糖尿病患者にも勧めたいと思うと報告していました。また、85例(50%)がほかの人とメッセージを共有しており、120例(71%)が糖尿病について学ぶ助けになったとしています。シンプル、簡易なメッセージでも血糖コントロールに効果あり実際どのようなメッセージがどのくらいの期間送られていたかについては、研究のプロトコル論文2)の表1にモジュールごとに詳しく書かれています。たとえば、インスリンモジュールであれば、「未開封のインスリンは冷所保管してください。変色したもの、塊が析出しているもの、期限切れのもの、ひび割れや漏れのあるもの、冷凍や過熱されたものは使用しないでください」などで、禁煙モジュールであれば「(こんにちは)(名前)さん。糖尿病の良好な管理と将来の健康のために禁煙をしましょう。禁煙サポート窓口へお電話ください(番号)」、血糖モニタリングモジュールであれば「(こんにちは)(名前)さん。血糖値をチェックする時間です。測定結果を返信してください」などです。そのほかにも運動の工夫、低血糖対策、親近者のフォローなどモジュールごとに決まったメッセージがあります。今後、臨床的なアウトカムとしての検討がさらに進んでいくと思いますが、薬剤師視点ではごく当たり前のシンプルなメッセージを送ることが、定期フォローの中で血糖コントロールに寄与するというのは現場としても勇気づけられる結果だと思います。実業務でも工夫して、服薬期間中のフォロー体制を構築する参考になるのではないでしょうか。1)Dobson R , et al. BMJ. 2018;361:k1959. 2)Dobson R, et al. Trials. 2016;17:179.

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