“GLP-1ダイエット”は速やかに規制当局へ連絡、製造販売元4社が警告

提供元:ケアネット

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公開日:2020/08/28

 

 2型糖尿病治療薬・GLP-1受容体作動薬の適応外使用について、「GLP-1ダイエット」などと称され、美容・痩身をうたうインターネット上の広告が問題となっている。20日、GLP-1受容体作動薬の製造販売元4社(ノボ ノルディスク ファーマ、アストラゼネカ、サノフィ、日本イーライリリー)が、文書で適正使用を呼び掛けた。この問題に関しては、日本糖尿病学会からも7月9日に見解・警告が出されている。

適応外使用は思わぬ健康被害リスクも。各企業は規制当局への連絡を速やかに実施

 文書では、GLP-1受容体作動薬について、現時点でわが国においては2型糖尿病のみを効能・効果として製造販売承認を取得しており、それ以外の目的で使用された場合の安全性および有効性については確認されていない、と改めて強調。また、GLP-1受容体作動薬が適応外使用された場合、本来の効果が見込めないだけでなく、思わぬ健康被害が発現する可能性も想定されると注意喚起している。

 製造販売元の各製薬企業は、承認外の使用を推奨していると受け取れる記事などについて、確認次第、規制当局への連絡、相談を速やかに実施するなど、厳しく対処する方針を示した。医療関係者および患者へも、適正な使用への協力を呼び掛けている。

 現在、国内で製造販売承認を受けているGLP-1受容体作動薬には以下の薬剤がある。

・リラグルチド(商品名:ビクトーザ)/ノボ ノルディスク ファーマ
・セマグルチド(同:オゼンピック、リベルサス)/同
・エキセナチド(同:バイエッタ、ビデュリオン)/アストラゼネカ
・リキシセナチド(同:リキスミア)/サノフィ
・デュラグルチド(同:トルリシティ)/日本イーライリリー

 今年6月に承認され、初の経口GLP-1受容体作動薬として注目されるリベルサス錠については、8月の薬価収載が見送られ、発売時期は未定となっている。

(ケアネット 堀間 莉穂)